◆SW2.0キャンペーン 駆け出し冒険者のためのセプテット 第十八話◆
 
 さて、前回のラストにてデュボールに向かうまでの同行を決めた向日葵兵団とイヴ&クリストフ。
 スカーレットテーブルの動きについて聞いた為に、彼ら殆どにとっての故郷であるデュボールが気になっていると言ったところでしょうか。
 無論、現状では目的が同じだけで『パーティー』などという関係ではない寄せ集め集団になっていますが―――はてさて、どうなる事でしょうか。
 

◆成長タイム◆
 

クリストフ:ああ、知力が上がらなくても気にならない成長のなんと素晴らしい事か……!!(一同爆笑)

GM:なんですかいきなり(笑)。

クリストフ:いや、イクス時代の事を思い出すと泣けて来てね……。(一同笑)

ロイド:……まぁ……ガンバレ?(笑)

GM:まぁ、とりあえず。前回の経験点は3700点です。ロイドさんとアルトさんは閑話を1シナリオ挟んでますので、その分1220点ですよー。レベルアップ作業を始めて下さい。

ロイド:俺も念願のLv11に……!!

シルフィ:良いなー……(笑)。

アルト:今回で何人かはLv11に上がるわけだ。

ロイド:お前に続いて、な。

GM:半数以上がLv11にって構成になりますかね、今回で。まぁ平均Lv10オーバーの連中など、割と国内屈指の冒険者ですよ。

イヴ:でも、あんまりデュボールじゃ名は知られてないわよね。都市レベルだし。そもそもその都市がデュボールに無いし。(一同笑)

プリス:…僕らはブルデで有名なんだよね、多分(笑)。

クリストフ:俺とイヴはミラボアで有名だったな(笑)。

シルフィ:これから行くデュボールでは何の役にも立たない名声ですね!(一同笑)

アルト:……新人と間違われてゴブリン退治を依頼されたらどうする?(笑)

シルフィ:そこに困っている人がいるならば悩む余地はありません。我がブリザードでゴブリンを焼き尽くしてあげましょう!

プリス:……ブリザードで『焼き尽くす』んだ……。(一同爆笑)

シルフィ:……言葉の綾です(笑)。

GM:で、報酬はロイドさんとアルトさん以外は一人頭6116ガメルですね。ロイドさんとアルトさんは一人2500ガメルです。

アルト:はっ、レジーナに借金を返さねばならんのに手持ちが!(笑)

ロイド:…カッコつけて、デュランダルからの報酬を全額被害者救済に充てるから……(笑)。

GM:ああ、借金については気にしないで下さい。少なくとも今回返金を迫られるような事態にはなりませんので、普通に買い物をお願いします。内容についてはシナリオ中で説明します。

アルト:む……分かったが、何か嫌な予感がするな。

シルフィ:そういえば前回もレジーナさんに会えなかったんですよね。

アルト:何かあったのかも知れんと思うと……な。

GM:お構い無く。じゃ、成長しちゃって下さいなー。
 

 そして、いつも通りの成長タイム。
 遂にLv11に突入するキャラも出たりして、GMも感慨深いやら恐ろしいやら。
 17.5話はシルフィPLがGMでしたから、Lv11キャラを相手取るのは私は初めてだったり。
 イクスさんが抜けた為、『知力上がれ』コールが無くなったのもある意味感慨深く。

 

シルフィ:じゃあ、私からですね。シルフィリア・アークウェイン、精神力が上がりました。技能の成長はありません。

GM:ますますMPが……(笑)。

シルフィ:57点+2点、合計59点ですね。で、物凄い今更感漂うのですが、とんがり帽子を専用化してHPを+2しました。いざって時の為に!

ロイド:なにげにお嬢も、これまでのキャンペーンで何回か倒れてるしな。

シルフィ:前衛が敵を止め切れなかった場合の時の保険ですね。あとは遠距離攻撃を食らった時用。まぁ、喰らわないに越した事は無いのですが……ネリネも居ませんしね。

イヴ/ネリネ:魔法少女ねるねるネリネは遠くの空の下でマスターの無事をイアイアと祈っております。

シルフィ:ありがとうございますネリネ! ……ん?(一同笑)

イヴ/ネリネ:いあ! いあ! ふんぐるい・むぐるうなふ・くとぅるう!(一同大爆笑)

クリストフ:何に祈ってんのこいつ!?(爆笑)

GM:……クトゥルフですか、剛の者な(笑)。

シルフィ:えーと、それで、買い物は腕輪と魔晶石とカードで使い切りました。残金100ちょっと。

アルト:…まぁ、予想通りだが相変わらずだな。

シルフィ:金食い虫なのはどうにかしないとと思ってるんですけどね……以上、シルフィでした。
 

名前:“天衣夢砲”シルフィリア・アークウェイン
種族:エルフ 性別:女 年齢:20(外見15) 生まれ:魔術師
身長:163cm 体重:50kg 髪の色:紫銀
能力値ダイス:技10 体2 心14 A8 B7 C1 D4 E11 F9
最終能力値:器用度19 敏捷度19 筋力3 生命力7 知力34+2 精神力27
保有経験点:4761
合計名誉点:601
保有名誉点:406
HP:37+2 MP:57+2
冒険者技能:ソーサラー10 セージ3 レンジャー4 アルケミスト5
一般技能:ノーブル3 ハンター3 カスタネッター1 リコーダリスト1
戦闘特技:魔法誘導 魔法拡大/数 MP軽減/ソーサラー 鷹の目 武器習熟/スタッフ
習得賦術:バークメイル ヴォーパルウェポン パラライズミスト ポイズンニードル リーンフォース
使い魔:カラス(命名:ビグザム)
武器:マナスタッフ
防具:専用マナコート
予備装備:銀のナイフ(発動体)
アクセサリ:専用とんがり帽子 アルケミーキット 専用マナリング 薔薇のチョーカー 知力増強の腕輪×2
所持カード:赤Sランク2枚 緑Sランク2枚 赤Aランク11枚 緑Aランク8枚 黒Aランク4枚 赤Bランク6枚 緑Bランク5枚 黒Bランク10枚
予備装備:部族のジャベリン(必要筋力3/発動体として使用可能)
所持品:冒険者セット 白紙の本 羽ペン&インク ロバ(命名デンドロビウム) カスタネット リコーダー 消魔の守護石3点×2 部族のお面 部族の羽飾り 魔晶石10点×3 魔晶石5点×12 魔香水×8 魔香草×10 救命草×3
所持金:137
 
 天下無敵の固定砲台。パーティー最高位の魔力を武器に戦場を蹂躙する。その魔力たるや、Lvで一歩遅れているのにパーティー最高。
 従者であるロイドに一切隠す気の無い好意を振り撒く、天真爛漫なパーティーリーダー。
 得意の魔法は本人曰く、『私のブリザードが火を噴くぜ』。どんな魔法なのか一度見てみたい気もする。

 

ロイド:次は俺だな。“黒獅子”ロイド・クラリクロイツ。……うむ、称号があると名乗りが楽しいな!!(一同笑)

プリス:音速で脱線しない(笑)。成長は?

ロイド:おっと、そうだったな。成長は精神力で、遂にファイターが11Lvになった。取った戦闘特技は≪武器習熟/スピアII≫。これで遂に、筋力さえ上がればコルセスカが持てるようになる。……まだ足りんがな。

アルト:あと筋力が1上がって腕輪を持てば、か。それも難儀だな。

ロイド:あと少しなんだがなー……っと、まぁそれでも追加ダメージ+2は大きな意味がある筈だ。これで補助魔法も異貌化も魔力撃も使わなくても、追加ダメージが20になった。

GM:なにそれこわい。(一同笑)

ロイド:ま、火力馬鹿の面目躍如だな。早い所コルセスカを入手したいところだが、魔法の+1が欲しいから相当金がかかるんだよなー。最低でも次回……いや、次々回を見込んでおいたほうが無難か。

GM:何もしなくても通常の攻撃の期待値が30前後じゃないですか。怖いなぁ……。

ロイド:高筋力攻撃型ファイターだし、それくらいはな。ともあれロイド・クラリクロイツ、今回の成長は以上だ。
 

名前:“黒獅子”ロイド・クラリクロイツ
種族:ナイトメア 性別:男 年齢:20 生まれ:神官
身長:188cm 体重:84kg 髪の色:漆黒
能力値ダイス:技6 体14 心10 A10 B7 C6 D6 E9 F7
最終能力値:器用度20+4 敏捷度13 筋力27 生命力22 知力24 精神力20
保有経験点:990
合計名誉点:693
保有名誉点:448
HP:85+2 MP:41+2
冒険者技能:ファイター11 ライダー1 プリースト/グレンダール7 エンハンサー1 アルケミスト1
一般技能:ジェネラル7 バトラー3 ハンター2 コーチマン2
戦闘特技:武器習熟/スピア 魔力撃 マルチアクション タフネス 頑強 魔力撃強化 武器習熟/スピアII
習得練技:キャッツアイ
習得騎芸:攻撃指令
習得賦術:クリティカルレイ
乗騎:無し
武器:専用パイク+1
防具:専用イスカイアの魔導鎧
アクセサリ:専用ブラックベルト 聖印 決死の鉢巻き アルケミーキット 器用度増強の腕輪×2 専用漆黒のマント
所持カード:金Sランク1枚 金Aランク12枚 金Bランク4枚
予備装備:マトック ロングスピア 部族のショートスピア 部族のラウンドシールド 部族の腰ミノ 筋力増強の腕輪 バンダナ
所持品:冒険者セット ロープ10m フック くさび10本 小型ハンマー 部族のお面 魔晶石5点×12
所持金:329
 
 そろそろ英雄ランクに突入してきた神官戦士。
 強化魔力撃の超命中超威力による、対ボス単体攻撃のエース。
 地味に強い相手と戦うのが楽しい性格なようだが、仲間(除:アルト)の前では優秀な指揮官。

 

アルト:アルトだ。上がった能力は筋力で、ボーナスが素で3になった。(一同笑)

プリス:……後衛魔法使い……?(笑)

アルト:精神力か筋力かの二択だったんだが、今回は『迫撃の手甲』の装備条件の関係でな。

イヴ:そういえば、その装備のお陰でますます白兵戦が得意になったんだっけ。

アルト:しかも存分に堅くなった。フルアーマー化すれば基本装甲が12になる。

GM:…その装備のデータを作ったのは私ですが、改めてありえねー。(一同笑)

アルト:HPの低さがあるから、そこまで堅くはないと何度言えば。

GM:総合的な耐久力でファイターと比較できる時点で十分異常だと思います、先生!(一同笑)

アルト:……気のせいだ(笑)。さて、他にも今回はセージが8になった。また、ロイドから金を借りて魔晶石とカードの補充をした、と……こんな所か。

ロイド:貸したってーか……ほら、前回のセッションの途中でポーカーやってた時の負け分?(一同笑)

プリス:ロイド、アルト相手にギャンブルを挑んじゃ駄目! 『ひのきのぼう』と『ぬののふく』を装備したLv1勇者が絶好調状態の大魔王バーン様に挑むようなもんだよ!!(一同笑)

アルト:私はどんなレベルのギャンブラーに見られてるんだ!?(笑)

プリス:アカギよりやや下程度かな。大丈夫、あの神域に至れとは言わないから。

クリストフ:アカギのやや下って、それ十分マイナーゴッドクラスじゃないか?(一同笑)

イヴ:え、アカギってその理論だと最低でもメジャー・ゴッド?(一同笑)

GM:賭博の神として崇められ……あ、ありそうでやだなぁ。

ロイド:ねーよ。(一同笑)
 

名前:アルト・ディオスクロイツ
種族:人間 性別:男 年齢:20 生まれ:学者
身長:173cm 体重:60kg 髪の色:金
能力値ダイス:技5 体7 心9 A5 B6 C5 D7 E9 F7
最終能力値:器用度10 敏捷度12 筋力18 生命力19 知力24+1 精神力19
保有経験点:490
合計名誉点:693
保有名誉点:458
HP:52+2 MP:52+2
冒険者技能:コンジャラー11 セージ8 アルケミスト1 エンハンサー1
一般技能:スカラー3 スクライブ3 ライブリアン1
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法収束 鋭い目 魔法誘導 弱点看破 防具習熟/非金属鎧 魔法制御
習得練技:ビートルスキン
習得賦術:バーク・メイル
武器:メイジスタッフ
防具:専用ボーンベスト 迫撃の手甲
アクセサリ:専用ひらめき眼鏡 専用ブラックベルト アルケミーキット 知力増強の指輪×2
所持カード:緑Sランク2枚 緑Aランク11枚
予備装備:ピック 専用タワーシールド 発動体のロングソード 知力増強の指輪×2 筋力増強の腕輪
所持品:冒険者セット 火縄壺 油×2 6人用テント 調理器具セット 食器(5人前) 魔化された樫の枝×4 可愛くない人形×6 部族のお面 頑丈なランタン 魔晶石10点×3 魔晶石5点×10 音運び ミスティックインク×2
所持金:118
 
 遂に筋力ボーナスが3になった専業後衛。
 単純な装甲の厚さで見るとパーティー最硬の座を完全な物とした。
 正騎士程度の攻撃なら、殴られても平然としていかねないコンジャラー。嫌過ぎる生命体である。

 

プリス:えーと、ちょっと待ってね。プリステア・シークスフィスト……成長は知力。技能はシューターが10になりました、っと。

ロイド:このパーティー、本当に女性陣の知力が高いな。

プリス:ああ、そうかも。三人で27、28、34……平均が30近いってのも凄いね。才女の集まりじゃないか。

クリストフ:……傍迷惑なの揃いだから、そうは感じない……。(一同笑)

アルト:才女、という感じではないな。

ロイド:むしろ災害の『災』で災女じゃね?(一同爆笑)

シルフィ:…ロイド、今度ちょっと話しあいましょう。30mくらい挟んで、火力で。(一同笑)

ロイド:あの、お嬢。それ一方的に射撃されるフラグなんですが、俺(笑)。

プリス:話を戻すよ?(笑) えーと、後はフローティングスフィアの購入と弾丸の補充かな。以上で終わり。レベルの向上に従って、命中と回避が上がったのは大きいね。

ロイド:そういや、何気に回避も随分上がって来たんだな。

プリス:うん、クリストフ>僕>ロイドの順かな、このパーティーの回避力。まぁ、防御力ではパーティー最下位だから、前に出ないに越した事は無いんだけどね。

シルフィ:私がマナコートを得た以上、防御力では私の方が上なんでしたっけ。

プリス:そだね。で、僕の成長は以上。さ、次の人どうぞ?
 

名前:プリステア・シークスフィスト
種族:ナイトメア 性別:女 年齢:17 生まれ:魔動機師
身長:149cm 体重:38kg 髪の色:灰
能力値ダイス:技9 体9 心12 A11 B9 C4 D5 E10 F7
最終能力値:器用度28+2 敏捷度20 筋力14+1 生命力15 知力27+1 精神力21
保有経験点:2700
合計名誉点:656
保有名誉点:141
HP:45+2 MP:42
冒険者技能:シューター10 スカウト7 マギテック7 エンハンサー1
一般技能:フォーチュンテラー5 マーチャント5
戦闘特技:両手利き 精密射撃 二刀流 射手の体術 トレジャーハント ファストアクション 武器習熟/ガン
習得練技:キャッツアイ
武器:専用デリンジャー+1×2 専用ロングバレル+1×2 専用ロングボウ
防具:専用アラミドコート
アクセサリ:専用ブラックベルト フローティングスフィア(大)×2 カチューシャ(ヴェール相当) ペンデュラム(チェーン相当。100G支払い) 知力増強の指輪 筋力増強の指輪 バレットポーチ
所持品:冒険者セット 背負い袋 スカウト用ツール タロットカード バレットポーチ 魔晶石5点×4 荷馬(名前:ブラオファルケン) 弾丸46発 矢24本 矢筒
所持金:2856
所有コネ:ダライアス・シークスフィスト@貴重な友人(ていうか義父/150点)
 
 ロングバレルとデリンジャー、二種類の銃を手に火力支援を担当する向日葵兵団の冒険者。
 冷静沈着だが、パーティーでは最年少。背丈でも一番ちっこい。
 シルフィと並びロイドに恋心を抱いている。ロイドハーレム(命名:イヴPL)の二人目。

 

クリストフ:えーと、ここからの順番はどうする?

イヴ:自分、最後で良いよ。クリストフ先にどうぞ。

クリストフ:OK、じゃあ俺から行こうか。クリストフ・ディスカーダー。上がった能力は生命力で、ファイターもLv11に。取った戦闘特技は≪頑強≫で、合計で一気にHPが19も上がった。

ロイド:…くっ、追いつかれつつある……!?(笑)

イヴ:どうにか前衛の強度も上がって来たのかしらん。

クリストフ:二人しか居ない専業前衛を務めるには、ちょっとばかり脆かったからね。イヴとプリス、アルト君は『なんちゃって前衛』だし。

アルト:私とイヴは装甲はそこそこだが、避けんからな。

プリス:僕は避けるけど脆いしねぇ。

クリストフ:というわけで、前線で敵を食い止める為に成長したのですよ。何気にLv11ファイターだし、デュボールに戻ったらどこか仕官のクチもあるかなぁ。

ロイド:…いや、俺と違って種族的な問題があるわけでも無いんだし、仕官を望めばどこでもあるだろ……。(一同笑)

GM:…準英雄クラスですよね、Lv11(笑)。

クリストフ:まぁ、お家再興が目標でもあるから、しないけどさ。買い物は敏捷度増強の指輪を6個、アルケミスト用のカード、金のAランクを10枚かな。(一同笑)

イヴ:…指輪行商でもする気?(笑)

クリストフ:…先手を取るのにね……(笑)。
 

名前:クリストフ・ディスカーダー
種族:人間 性別:男 年齢:23 生まれ:冒険者
身長:178cm 体重:66kg 髪の色:茶
能力値ダイス:技10 体8 心8 A9 B10 C6 D9 E8 F8
最終能力値:器用度22+2 敏捷度24+1 筋力20 生命力19 知力18 精神力17
保有経験点:700
合計名誉点:631
保有名誉点:111
HP:81+2 MP:17
冒険者技能:ファイター11 スカウト7 エンハンサー2 アルケミスト1
一般技能:ガーデナー5 ジェネラル3 ノーブル2
戦闘特技:武器習熟/ソード 必殺攻撃 武器習熟/ソードII 防具習熟/非金属鎧 タフネス 防具習熟/非金属鎧II 頑強
習得練技:ガゼルフット キャッツアイ
習得賦術:クリティカルレイ
武器:専用首切り刀+1
防具:ドラゴンスケイル
アクセサリ:専用多機能ブラックベルト(+アルケミーキット) 敏捷度増強の指輪×3 リトルウィング
所持カード:金Aランク13枚
所持品:冒険者セット スカウト用ツール 敏捷度増強の指輪×4
所持金:1116
所有コネ:バスティアン・べアール侯爵(友人/400点消費)
 
 向日葵兵団と同行中の剣士。純粋な命中・回避ならばロイドを上回る、技量型戦士。
 バスティアン・べアール侯爵の元従者。半分友人のような扱いを受けている。
 飄々としているが、前回のパーシヴァルとの会話を見るに、結構熱くなり易い性格な気がしないでもない。実はパーティー最年長。

 

イヴ:さて、ラストは自分! “火焔の自由騎士”イヴ・グリンフィード・サブタレイニアン。成長は精神力で、プリーストが11に上がりました!

一同:おぉー!!

イヴ:得た特殊能力は≪頑強≫。プリーストとして必要な魔法系特技はだいたい持ってるし、耐久力を追求し始めてみた。HP84の後衛!(一同笑)

アルト:前に出ろ。(一同笑)

イヴ:うんまあ、前衛から支援できるキャラが目標な感じ(笑)。HP、これでロイド、自分、クリストフが三人とも80点越えかな?

プリス:うわぁー、前衛堅いなぁ(笑)。グラップラーやフェンサーが居ないから防御が軟い所が無い(笑)。

ロイド:その代わり時々コンジャラーが前衛に混じるけどな。

プリス:うん、その発想はおかしい。(一同笑)

イヴ:あと、前回専用化していた装備を持っているのに上がってなかったHP上昇効果を適用しました。(一同笑)

GM:…持ってたんじゃないですか、HP上げる専用装備(笑)。

イヴ:忘れてて適用されてなかった(笑)。それと、前回溶かされかけたタワーシールドを修理したよ。あとは、『ブレスII』は個人的にはガンガン使って行きたいなぁ。コレ使えば、事実上パーティー全体が1Lv強化されるようなもんじゃない。全能力値+1だから、魔法の基準値も上がるのよ。

シルフィ:す、素晴らしい……垂涎ですね。

イヴ:消費が大き過ぎるのが欠点だけどね。12点……≪MP軽減≫で減らしても11点よ。まぁ、その辺の使い勝手は実戦を経て試してみるしかないかな。……以上、自分の成長でしたー。
 

名前:“火焔の自由騎士”イヴ・グリンフィード・サブタレイニアン
種族:人間 性別:女 年齢:21 生まれ:神官
身長:172cm 体重:61kg 髪の色:藍
能力値ダイス:技5 体6 心10 A2 B6 C9 D10 E11 F5
最終能力値:器用度7 敏捷度12 筋力18 生命力19 知力28+2 精神力19
保有経験点:250
合計名誉点:631
保有名誉点:306
HP:82+2 MP:52+2
冒険者技能:プリースト/グレンダール11 ファイター7
一般技能:バウンサー5 ドールメイカー3
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法誘導 魔法収束 魔法制御 タフネス MP軽減/プリースト 頑強
武器:バスタードソード+1
防具:タワーシールド チェインメイル
アクセサリ:専用ブラックベルト 専用女神のヴェール 祈りのアミュレット 聖印 勇者の証/心 知力増強の腕輪×3 大風の翼
所持品:冒険者セット 魔晶石5点×10 知力増強の指輪×2 腹話術人形(命名:ピーター・ザ・ラビット)
所持金:816
所有コネ:トラト・パンパーニ(友人/100点消費) ユフィリース・クラリクロイツ(友人/100点消費)
 
 ロイドの母を師と仰ぐ攻撃的神官。並の高司祭級以上の神聖魔法を操りながらも、超攻撃型のスタンス故にあんまり神殿からは歓迎されない人。
 シルフィ以上のイケイケ系の性格をしており、明らかな問題児。
 隠れた特技は腹話術であり、腹話術人形の『ピーター・ザ・ラビット』を鞄に入れている。
 

◆彼女の行方◆
 

GM:さて、それでは前回から3日後。ロイドさんとアルトさんにとっては17.5話の翌日ですね。魔神が出た後に色々な追及を避ける為にそそくさと街を出た皆さんは、レガリア首都であるマントワーズに到着しまして、その後ちょっと色々あった後の話です。

ロイド:……こうして聞くと夜逃げみたいだな(笑)。

プリス:別に悪い事はしてないんだけどね。

GM:本来なら街から出る筈の報奨金とか全部ブッチしてるんですよね。まぁ、ありな判断と言えばありな判断ですが。結果として、国が事件を調査してディアームさんとエルザさんに繋がる要素が全部無くなったわけですしね。

プリス:ああ、なるほど。じゃあ悪くはなかったね。ううん、むしろ最上か。

イヴ:まぁ、鋼の粘菌術師からの依頼も終わったし、自分は何してよっかなー。(一同笑)

クリストフ:……どんな奴なんだ、鋼の粘菌術師(笑)。

イヴ:嫌ねぇ、クリストフ。プリス達と別れた後に一時的に組んでいたアルケミストじゃない。(一同笑)

GM:詳細設定出た!?(笑)

イヴ:ドワーフアルケミストで、菌糸に魅入られその研究に生涯を費やした――――熱い漢よ。(一同笑)

クリストフ:それもうファンガス化してるんじゃないか?(一同笑)

ロイド:果たしてそいつがシナリオに出る事はあるのだろうか(笑)。

GM:いやー、今回のシナリオにはその名前は出てませんねぇ(笑)。

プリス:それはそうとして、これからデュボールに向かうんだよね。戦闘用じゃなく移動用に、馬車とかは欲しくないかい?

シルフィ:あー、とても欲しいかもしれません。けど、お高いんでしょう?(笑)

プリス:2万だね。まぁ、レンタルなら1シナリオ2000ガメル。今回からレンタルして、お金が溜まったら残りを支払って買い取りという事も出来た筈だよ。

ロイド:…じゃあ借りるとするか。ライダーギルドに加盟はしてるから、借りること自体は出来るし。戦闘運用はレベルも特技も足りんから出来んがな。

プリス:OK、僕も行こう。というか、僕がお金を出すよ。

ロイド:じゃあシナリオ開始時には僕とロイドでライダーギルドに馬車を借りに、だね。

アルト:私は……まぁ、今度こそレジーナの所か。借金の返済はどうしたものか……。GM曰く、今回は返さなくて良いらしいがな。

シルフィ:では、私はレジーナさんに会いたいのでアルトさんに付き合いましょうか。ロイド、また後でーっ!!(笑)

イヴ:あ、自分は高笑いを上げながら街中に消えて行きましたんで。(一同笑)

ロイド:どっか消えた!(笑)

クリストフ:……もう放置しておこう。1時間後には子供に混じって缶蹴りとかしてそうだし、心配するだけ無駄だ(笑)。俺は宿で待ってるから、皆終わったら集合な。

GM:はいはい、では順番に処理しましょうか。まずイヴさんは適当に遊んでて下さい。(一同笑)

イヴ:うひゃらふひゃほーい!(一同爆笑)

ロイド:お前、そんなだから嫁き遅れ――――いや、何でもない。(一同笑)

GM:ああ、そういえば中世ファンタジーの世界では21歳は確かに……(笑)。

イヴ:ちょま、シルフィだって20歳じゃない!(笑)

シルフィ:私はエルフですもの(笑)。適齢期どころか、下手すればまだまだ子供扱いされる年齢ですよ?(笑)

プリス:ましてや、寿命の存在が確認されていないナイトメアは何をいわんやだね。

イヴ:…こ、これだから四桁は生きる気満々の種族は……(笑)。

GM:で、クリストフさんも問題無く宿は取れます。ああ、そだ。ここ数日の生活費を消費しておいて下さいね? 合計で……そですね、30×6×3で合計540ガメルという所でしょうか。

クリストフ:じゃあ、俺が払っておくよ。

イヴ:悪いわね、任せるわ。

GM:はい、OKです。ちなみに宿では、最近の情勢の話が結構出ていますね。ブルデ方面と、先の魔神の話が多いでしょうか。ブルデ方面は勝ったから明るい話題ですが、魔神の方は原因も結果も不明な所が多いですからね。噂だけが先行しているのかもしれません。

ロイド:ああ、何か魔神が出たと思ったら、メルビズ2体以外は知らないうちに全滅してた、と(笑)。

シルフィ:名乗り出るどころか、見つからないように気を使ってましたからね、私達(笑)。

クリストフ:……微妙な表情でそれを聞いていよう(笑)。

GM:そしてプリスさんとロイドさんは、ライダーギルドで普通に馬車を借りれました。ああ、お金は払っておいてくださいね。

ロイド:了解。……へぇ、悪くない馬じゃねぇの。

プリス:僕はその辺は素人だから、ロイドの目利きに任せるよ。御者の真似事も出来るんでしょ?

ロイド:真似事レベルだがな。

プリス:…まぁ、僕のブラオファルケンにも牽かせれば二頭編成になるしね。移動用としては上々かな。

シルフィ:ぶらおふぁるけん?(一同爆笑)

プリス:僕の荷馬だよ!(笑) 名付けたの君だろう!?(笑)

シルフィ:はっ、そういえば!?(笑)

ロイド:ま、とりあえず……デュボールまでの脚は確保だな。

プリス:飛行船にお客として乗る、って手も無いでもなかったかもしれないけどね。

ロイド:まぁ、そこは今後の稼ぎ次第だな。

アルト:デュランダルに連絡が取れれば、奴に乗せて貰うという手も無いでもなかったかもしれんが……。

ロイド:何か果てしなくしょうもない理由で大事故が発生しそうな気がするんで嫌だ。(一同笑)

シルフィ/デュランダル:『あ、珍しい鳥が飛んでる。我急行! 無駄にアクロバティックにどひゅーん!!』(一同笑)

ロイド:そして振り落とされる俺ら。(一同笑)

クリストフ:(めっちゃ笑顔で)よし、陸路で行こう!(一同笑)

GM:で、最後に―――アルトさん、シルフィさん。マギテック協会に行くと、レジーナさんは居ません。

アルト:……む。

シルフィ:お出かけ中でしょうか?

GM:実はデュボールのマギテック協会から、レガリアのマギテック協会に依頼が来たのだそうなのですよ。元々デュボールはその辺の技術には余り熱心ではない国。魔動機術に関してはレガリアに数段劣ります。

アルト:…まさか、あいつ……このタイミングでデュボールに行ったのか!?

GM:はい。何でも発見した遺跡の調査依頼だそうなのですが、優秀なマギテックの手が欲しい事態に陥っていたのだそうです。それで、一週間ほど前にレジーナさんの所属するゼミの教授がそれを請け、助手としてレジーナさんやメイリィさんも連れてデュボールに、と。

シルフィ:あはは、お二人にとっては里帰りですね(笑)。

アルト:…いや、『あはは』じゃなかろう!? 向こうで何が起こるか分からんこの状況で……!!(笑)

シルフィ:アルトさん、レジーナさんには優しいですねぇ(笑)。

アルト:筋力18でアイアンクローするぞ、虚弱魔術師!(笑)
 

 そして、レジーナの事について聞き回るアルト&シルフィ。
 しかし守秘義務もあり(探査中の遺跡を冒険者に教えると、勝手に掘りに行きかねません。協会視点ですが)、殆ど情報は得られません。
 仕方なく、レジーナとメイリィに対する対処はデュボールに向かったら留意しておくに留まります。

 そしてその晩―――
 

イヴ:―――別に、食べ尽くしてしまっても構わんのだろう? はい、自分はどっかの赤い弓兵風に呟き、レガリア料理に挑みかかります。(一同笑)

シルフィ:酒ーっ! きゃほー!(一同笑)

クリストフ:……もうやだこいつら(笑)。
 

 一部女性陣は、食事関係で相変わらずハッチャけてました。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

 さて、そんなわけで翌朝。準備を整えた冒険者達、保存食も買い込んで、馬車に搭載済みです。
 そして朝早くに、馬車に乗ってデュボールへ移動を開始します。
 一日目は何も無く、懐かしの宿場町へ到着。第二話から第四話までで世話になったあの街です。

 

ロイド:…もう2カ月近く前か。懐かしいな。

シルフィ:……いえ、冷静になれば『まだ』2カ月と言うべきではないでしょうか(笑)。

アルト:……2ヶ月で見習いから準英雄クラスにって、どんな促成栽培だという話だな(笑)。

ロイド:大丈夫だ、普通は耐えきれずに途中で死んでる。(一同笑)
 

 その街では特に何も無く。
 懐かしのジード司祭やロザリー(×:ロドリゲス)に挨拶だけして翌朝に街を発ちます。
 ついでに、数日前にネリネとイクスが通過したと言う情報も入手。その前にメイリィやレジーナもこの街を通っていたようです。
 盗賊ギルドにクリストフとプリスが行き、情報収集も行います。
 
 ……このパーティー、移動するだけの癖に随分気を使って移動するなぁ。
 まぁ、確かに『デュボールで何かある』と匂わせてはいますが。

 

クリストフ:イクスとネリネ、向日葵兵団の仲間なんだよね。防御担当だっけ?(笑)

ロイド:ネリネは防御の要で、イクスが回復役とスカウトだったな(笑)。

プリス:プレイヤーは変わってないから、何とも白々しい会話だね(笑)。

GM/ロザリー:まぁ、他に目新しい情報は出ませんね。ロザリーさんはいつも通りでした。レガリアにおける活躍を聞くと、 「まぁ、あのイクス君も立派になっちゃって……じゅるり」(一同大爆笑)

ロイド:じゅるり!?(爆笑)

クリストフ:ひ、ヒィ!?(爆笑)

シルフィ:駄目です、ロイド! 深く追求しちゃだめです、色々な意味で!(爆笑)

GM:当然、スカーレットテーブルなどについての情報もありません。

ロイド:まぁ、それはそこまで期待してない。後は、クリストフ・プリス組の方も似たような感じか?

GM/ギルド員:いいえ、デュボール国内についての動きでギルド員がにやりと笑います。 「300」

プリス:……払おう。全く、ギルド加盟料と情報料で800とは……予想外の出費だよ。

クリストフ:それで情報が買えるなら安いもんじゃないか?

プリス:内容次第だけどね。で、デュボール国内で何かあったの?

GM:はい、その前に立地条件の説明に参りましょう。デュボール王国はリーゼン地方の南西に位置する同地方最大の王国であり、竜騎士が国王を務める『武』の国です。国の国境については明記されていないので、GMは勝手にセフール河以北をデュボール領とします。

プリス:ああ、レガリアとの国境線だね。川があるなら丁度そこを国境線にするのは良くある話だし、無理が無いと思うよ。

GM:ありがとうございます。
 

 立地条件、領土などについては公式設定と矛盾する可能性があります。
 そこに関しては『このサークルではこういう設定なんだ』と思い、スルーして下さい。

 

GM:それで、ですね? 立地条件的には、アークウェイン家の領地はデュボール王国の北西部にあるのです。“妖精の国”アルフォート王国のやティラの樹海に近い位置ですね。

プリス:となると、デュボールに入ってからも結構長く移動する事になるんだね。

GM:ですね。10日くらいかかるんじゃないでしょうか。それで、他に皆さんに関わりありそうな人物であるバスティアン・べアール侯爵の領地は、王都デュボールの東部にあります。

プリス:ふむふむ……?

GM:分かり易く移動日数で計算しますと……。
 

 マントワーズ←1日→この宿場町←2日→フィアブルク(最初の街)←2日→ベアール侯爵領←2日→デュボール(王都)
 

GM:……と、いう位置関係です。

アルト:……何となくわかった。

GM:それでフィアブルクは、領地的に言えばベアール侯爵家ともアークウェイン男爵家とも関係無い立地なのですが。そこの内政が最近少し混乱しているんだそうです。

プリス:ふーん……それはそれは。レガリアとの交易の要衝だから、結構信頼を置かれている家が管理しているもんだと思ってたんだけど。

GM:その筈ですね。アノール子爵家といい、先代の当主は準竜騎士団の副団長にまで上り詰めた猛者だそうです。

ロイド:……ううむ、準竜騎士団の副団長って強いのか弱いのか微妙な線だな。(一同笑)

プリス:……このパーティーもそれくらいのレベルはあるだろうからね…(笑)。

GM:強くなりましたねぇ。

プリス:で、内政が混乱ってどんな感じ?

GM/ギルド員:「現当主が急におかしな指示を出し始めたって話だ。急な軍備の増強やら、領内の警備の配置換えやら……」

プリス:……んんー……怪しい。

クリストフ:そういえば、リゼリアはリャナンシー・アサシンだったな。人心掌握はお手の物、か。

プリス:あの子が本気で突き崩しに来れば、国の内部なんてガッタガタになりそうなんだよね……。

GM:(ククク……悩め悩め)

ロイド:ちなみに先代当主は傑物だったそうだけど、今代の当主の評判は?

GM:そこそこ、と言った所ですね。一応準竜騎士ですが、傑出した力量の持ち主ではないようです。先代は死去しており、当代は40歳ほどの人間の男性ですね。息子が二人に娘が一人居るそうですが、上の息子と娘はともかく下の息子の評判はあまり良くありません。バカボンボンだとか。(一同笑)

ロイド:……まぁ、そこは分かった(笑)。

プリス:……と言うか、この場に居ない筈のロイドが情報聞いてるよね。(一同笑)

クリストフ:大丈夫、俺が受信機となってロイドの台詞をそのまま喋ってる。(一同爆笑)

プリス:いや、そんな魔法もアイテムも無いから!!?(爆笑)
 

 そんなバカな会話の翌日。
 宿場町を出て、冒険者達はフィアブルクに向かい……その夜、野営中に事件は起こりました。
 

◆半分+半分+半分◆
 

GM:では、明日にはフィアブルクに到着するという夜。野営タイムですけど、何をしてます?

ロイド:まぁ、見張り立てて順番に睡眠かなぁ。

シルフィ:馬車があるから、振動を我慢すれば移動中に根性で寝れない事もないというのが良いですねぇ。

プリス:この馬車どうせ買い取るつもりだし、今度居住性を考えて改造して貰おうかな(笑)。

GM:まぁ、戦闘時の性能を犠牲にするならそれもアリかもしれませんね(笑)。じゃあ、パーティーを分けて見張りですか。それじゃあ、誰が見張りをしてますか?

ロイド:火を焚きつつ、その横に馬車を止めて、そこで待機と。斥候二人は自動で別れるとして……。

アルト:私、クリストフ、イヴで一組目。ロイド、プリス、シルフィで二組目。こんな所か。

シルフィ:そですね、それで異存ありません。むしろGJ!(一同笑)

プリス:ロイドの隣に寄り添って、幸せそうな顔で座ってるよ!!(笑)

シルフィ:反対側から、ロイドの腕に腕を絡めてみちゃったりして!!(笑)

ロイド:……うわぁい。(一同笑)

イヴ:ねぇねぇ、アルト君や。彼ら前からあんな感じなの?

アルト:まぁな。ネリネやイクスが居た時ならまだしも、私+あいつら3人というパーティー構成だと長旅の時に流石に気まずかったかもしれん。貴様らが来てくれて、正直助かっている。(一同笑)

クリストフ:……なんというか、平和だねぇ。 俺らは馬車の中で寝る前にそんな会話を交わしてるわけだ(笑)。

GM:で、順番は……まぁ、今の流れでロイド組が火の番をしている時で良いかな。聞き耳判定をお願いします。

プリス:む。(ダイスを振る)……げっ、酷い。14しか出ない。

ロイド:(ダイスを振る)…俺は10か。

シルフィ:(ダイスを振る)レンジャーで15です。野外だからOKですよね。

GM:全員聞こえますね。馬を全力で走らせている音なんで、目標値は10でした。結構遠くから気付いたので、行動して良いですよ。……あ、15を超えたシルフィさんは、その馬を追うように更に遠くから聞こえてくる蹄の音にも気付きます。

シルフィ:数はどうなんでしょう?

GM:追われている方は単独。追っている方は複数ですが、数までは分かりません。五騎は超えてる気がしますけどね。

ロイド:……おい、プリス、お嬢。

プリス:聞こえてるよ。これは……馬? けど、随分急いでるね。

シルフィ:……ちょっと失礼。 地面に耳を押しつけます。 ……んー……その後ろから更に蹄の音がします。これはもしかして、追われているのでは?

ロイド:……アルト、イヴ、クリストフ。ちょっと起きろ、何か来てるぞ。 と、馬車の幌を開けて中に声をかけます。

クリストフ:……む。分かった、少し待ってくれ。 起きて鎧を着込もう。

アルト:同じく、少しだけ眠そうにしながら起き上がる。

イヴ:……ぐー。(一同笑)

クリストフ:……おーい、イヴ(笑)。

イヴ:んにゅ……もう食べられない――――

ロイド:…ああ、なんてベタな…(笑)。

イヴ:――――なら、自分が食べてあげるわよ……。(一同爆笑)

シルフィ:やや斜め上を攻める寝言! 流石ですイヴさん!!(笑)

ロイド:アウェイクンかけるから起きろ!(笑) (ダイスを振る)…よし、かかった。(一同笑)

イヴ:シャキーン。良いわねこれ、ロイド君、明日から毎日これで起こしてくれない?(一同笑)

GM:……ホントにMP消費してるんですね(笑)。

イヴ:ごめん(笑)。まぁ、とりあえず鎧を着るけど、時間的には大丈夫?

GM:そうですね、丁度鎧を着る組が鎧を着終わった辺りで一騎の騎兵が皆さんの元まで駆けてきます。立派な白馬……データ的には恐らく名馬(移動力+5の軍馬)でしょう。それに跨った、金属鎧姿の青年です。金髪碧眼、25,6歳程度の目付きの鋭い青年ですね。

ロイド:……警戒はしているが、通り過ぎるならそのまま通り過ぎてくれって対応で行くぞ。厄介事の予感しかしない。

クリストフ:了解。

GM/青年:「……旅人、か?」 と、その青年は焦った様子で馬を寄せて来ます。良く見ると結構負傷しているようで、更にその腕には15歳ほどの少女が抱かれています。その少女も結構な傷を負っているようで、気を失って青年の腕の中で苦しげに息をしていますね。

イヴ:冒険者よ。…ねぇ、騎士サマ? 相手に立場を聞くなら、自分の立場を明かすべきじゃなくて?

GM/青年:「失礼した。…アノール家筆頭騎士、ヴェルナー・バルクホルン。いや、“元”アノール家筆頭騎士、か」 と、青年―――ヴェルナーは自嘲気味に笑います。そうですね、セージ/ノーブル/バトラー辺りで2回知力チェックして貰えます? ただし、デュボール出身者以外はペナルティが付きます。

一同:はーい。(ざらざらとダイスを振る)

プリス:……僕とイヴだけは平目だけど、他は全員平目じゃないから……割と高いかな? 最高値が一回目の判定は17、2回目は19だね。

GM:はい、では“白馬騎士”ヴェルナー・バルクホルンについては半数の人が知っていますね。アノール家の筆頭騎士であり、『現当主には過ぎたるもの』と言われる事もある清廉な青年騎士です。ワイバーンやドラゴンにこそ騎乗していませんが、実力的には準竜騎士団レベルと呼ばれる人材ですね。

ロイド:……それが何で『元』筆頭騎士なんて事態になってんだ。

GM:ま、その前に二回目の判定ですね。気付いたのはシルフィさんだけですか。彼に抱かれている少女……見覚えがあります。上流階級のパーティーか何かで見たんですかね。

シルフィ:………んん!?

GM:アノール家息女―――アルミナ・フォン・アノールさんです。ちなみに評判は、誰にでも分け隔てなく接する温厚な性格に、祖父の影響か女だてらに槍の腕に長けた庶民から人気のある貴族ですね。

シルフィ:うわぁ、気付いちゃった。……あの、すいませんヴェルナーさん。その子、アルミナさん……ですよね?

GM/ヴェルナー:「……もしや、君達はデュボールの住人か。ならば済まないが頼みがある。アルミナ様を連れて逃げてくれないか。……故あって、私はアノール家と敵対したのだ」

ロイド:……それって、当代の当主が最近妙な動きをしてるってのと関わってるのか?

GM/ヴェルナー:「……ああ。それに反対したアルミナ様を、当主様は抹殺しようとした。寸での所でお救いし、ここまで逃げて来たのだが……このままアルミナ様を連れたまま逃げ切れるものでもないだろう」 と、ヴェルナーは腰に付けていた革袋と剣を貴方達に渡します。 「現金が1万ほど。それと、その剣は先祖から伝わっている魔法の剣だ。私は槍の方が得意だから使わなかったが、売れば相応の金になるだろう」

シルフィ:つまり依頼ですか。彼女を連れて、アノール子爵に見つからないように別の場所へ逃げろと。

GM/ヴェルナー:「出来ればこの政変に関して、デュボール王家かベアール侯爵辺りに伝えてくれると助かる。細部に関してはアルミナ様が知っている筈だ」 と、ヴェルナーは馬首を翻します。

イヴ:…ちょいと騎士様。アンタはどーすんの?

GM/ヴェルナー:「追手がいる。騎兵が8騎ばかり……それなりの手練揃いだが、私が半分は仕留めよう。それに、そうすれば残った連中も君達を追う脚が遅れる筈だ」

アルト:……GM、ヴェルナーの実力について鑑定して良いか?

GM:構いませんよ。

アルト:(ダイスを振る)……17だが、どうだ?

GM:はい。それでは、ヴェルナーは9Lvファイターの8Lvライダーです。

ロイド:……半数、ねぇ。大した自信だこって。

GM/ヴェルナー:「手前味噌だが、私なら命を捨てれば半数道連れにする程度は出来る筈だ。それでアルミナ様が助かるならば、それで構わない。―――交渉は成立で良いのかな?」

シルフィ:……まぁ、アルミナさんを助ける事に異存はありませんが。

GM/ヴェルナー:「良かった。済まないが、アルミナ様をくれぐれも宜しく頼む」

イヴ:じゃあ、ここでビシッとヴェルナーに指を突き付けるわよ。 ―――待った、ヴェルナーだったわよね。一つ聞きたいんだけど。

GM/ヴェルナー:「何だ? 追手が迫って来ている。出来れば手短にお願いしたい」

イヴ:……アンタが半分倒すって事は――――残りの半分は自分が倒すって事で良いのかしら?

GM/ヴェルナー:そう来ますか(笑)。 「……すまない、どういう事だ?」 と、その言葉にヴェルナーは困惑の表情を浮かべます。

クリストフ:俺も同感だよ、イヴ。意味が分からん。

イヴ:別に難しい話じゃないわよ? 『半分』って言ってるって事は、一人じゃ追手に勝てないんでしょ? だから私も手を貸そうって言ってるだけなんだけど。

GM/ヴェルナー:「……待ってくれ。無駄な危険を冒さないで欲しい。これでは何の為にアルミナ様を預けたか……」

イヴ:アンタ死んだらこの女の子が悲しみそうじゃない。嫌よ私、泣いてる女の子を慰めるとか面倒くさいもん。

ロイド:……うっわぁー、お嬢以上に明快だわコイツ(笑)。

シルフィ:あ、私は『おぉぉぉ!』って感じで目をキラキラさせてイヴさん見てますんで。かっけぇ!(一同笑)

イヴ:元よりこの子の安全を優先するなら、変に敵を残すよりも全滅させてから進んだ方が安全じゃない。基本でしょ?

クリストフ:……い、いやイヴ。頼むからもう少し冷静にな……?

アルト:ああ、その通りだ。

クリストフ:お、珍しくアルトがストッパーに。 良いぞ、アルト君。君からも言ってやってくれ。

アルト:ヴェルナーとやらが半分、イヴが半分。―――となると、私の受け持ちが無いだろう。ここは私にも半分任せて欲しいものだな。(一同爆笑)

クリストフ:……一番好戦的な君に期待した俺がバカだったよ。(一同爆笑)

プリス:………半分+半分+半分に突っ込むべきかな、僕は。(一同笑)

クリストフ:…倒す分には問題無いと思うんだが、貴族のお家争いに本格的に巻き込まれるってのがなぁ………はぁ、まぁ仕方ないか。

GM/ヴェルナー:そんな会話をしていると、遠くから確かに8騎ばかりの騎馬が迫って来ているのが目に入ります。ヴェルナーは焦ったように貴方達に声をかけますね。 「何をしている、早く―――」

シルフィ:GMGM、ブリザード撃ち込んで良いですかっ!?(一同笑)

アルト:くくく……アシッドクラウドが唸る……!(一同笑)

GM:……ここから戦闘に入りましょう(笑)。
 

◇向日葵兵団+αVS正騎兵×8◇
 
 さて、まぁある程度予想のしていた展開です。
 ヴェルナー(9Lvファイター)で半分倒せる相手ならば、PC達が全力でぶつかればトイレットペーパー一枚分程度の障害にしかならないのは周知の事実。
 むしろ、ヴェルナー側に肩入れさせる事によって『完全に巻き込む』事がこの戦闘の狙いですね。
 
 ちなみに正騎兵はルールブックに載っているモンスターデータ『正騎士』に、追加の部位(馬)を持たせて『振り下ろし』の特殊能力を持たせただけの手抜き仕様です。
 まぁ、負けるの前提の戦闘ですから、お気になさらず。

▽ラウンド1〜2▽
 

GM:さて、距離は30m程としましょうか。それくらいの距離で向こうも貴方達を見つけたのか、「居たぞ!」とか「人数が多いぞ!?」とか「構うな、やれ!」などといった声が聞こえます。

ロイド:向こうも話し合いをする気はないようだし、気兼ねなくやっちまって良いか。

プリス:ああ、せめて話し合おうとしてくれれば……(笑)。

ロイド:向こうから喧嘩売って来たんだ、仕方ない。粉微塵になっても本望だろう。(一同笑)

プリス:いや、絶対悔いが残ると思うんだけど、敵さん(笑)。

ロイド:しかし距離があって数も居るな。30mとなると、届くのは……。

シルフィ:私とアルトさんの魔法、プリスさんのロングバレル、クリストフさんの移動攻撃……これくらいですかね。

イヴ:そねー。自分の魔法は届かないし。

クリストフ:まぁ、とにかく。(ダイスを振る)先手は取ったな、19だ。

GM:取られました。……あ、そだ。アルミナさんはどうします?

ロイド:……そだな、イヴ頼む。

イヴ:はいはい。じゃあ、お姫サマを預かりつつ3m後退。どうせこの後休めるだろうし、3倍拡大ブレスIIでアルト、シルフィ、プリスの遠距離攻撃組の火力を強化するわよ。

プリス:助かるよ。それじゃ、二人とも!

シルフィ:はい! それでは、『リーンフォース』でダメージを底上げしつつ、ブリザードを叩き込みますよー。(ダイスを振る)……達成値はこれは酷い。21ですね。

GM:……こっちの精神抵抗、17なんですけど。

シルフィ:あらやだ、ブレスされた私の魔力より低いじゃないですかぁ(笑)。あ、ダメージは……16回振るんですか?

GM:うわ、想定してなかったけどこれは面倒な。んー……一回振り?

ロイド:変転持ってない種族でそれはリスキー過ぎるだろ……。

シルフィ:まぁ良いや、ちょっとお時間頂戴しますよー、っと。(ざらざらとダイスを振る)…順に、えーと……27点、24点、24点、27点、37点……。

プリス:……うわー、えげつな(笑)。

アルト:私のアシッドクラウドも面倒そうだな(笑)。

GM:……まさかの弊害。
 

 しかしダイスを振る回数が多いだけで、然程何かあるわけでもありませんでした。
 シルフィが馬に対するダメージでピンゾロを振り、50点経験点を得ていますが、それだけです。
 騎乗している正騎士のHPは62。そしてアルト、シルフィの魔法ダメージの期待値は合わせて48。
 奇跡的にコア部位は1体も撃破されはしませんでしたが、騎士軍団の状況は既に『お察し下さい』レベル。
 ちなみに2体、馬が倒れた為徒歩になった騎兵も居たり。
 
 そこへ―――

 

プリス:比較的HPの減ってる奴から落とそう。騎乗している人間がコア部位だし、落とせば下の馬は無力化されるからね。

クリストフ:了解。通常移動で30m前進して、騎兵BとDに≪必殺攻撃≫。(ダイスを振る)ダメージは44点と27点!

GM:うわ、Bは首が飛んで、Dも倒れました!

プリス:更にロングバレルで狙撃するよ。(ダイスを振る)騎兵Fに20点、Gに19点だね。

GM:その二人も倒れますね。一瞬で半数になり、そのうち更に半数は乗騎を失い……ヴェルナーも呆然ですよ。

ロイド:呆然とするな、働け。(一同爆笑)

GM/ヴェルナー:「はっ……!? わ、分かった!」 と、ヴェルナーも移動攻撃をしましょうか。≪全力攻撃II≫で……(ダイスを振る)うん、35点ダメージとか出して、騎兵Hも落馬します。更に軍馬が蹴りを入れますが、これは出目が悪くて外れましたね。

ロイド:ま、そこそこの働きはしたわな。俺も一応全力移動で乱戦に介入しとくか。

プリス:残り3、うち2人は馬無し。―――勝ったね。

GM:くそう、反撃! 反撃――――っ!!
 

 ……結局。
 このラウンドの反撃も、クリストフとヴェルナーには全て回避され、唯一ヴェルナーの馬がちょっと手傷を負った程度で終わりました。
 そして第二ラウンド……。

 

アルト:アシッドクラウド。

ロイド:残った奴に魔力撃。

GM:ギャダバッ。
 

 味方が居ようと関係無く撃てるようになっている≪魔法制御≫持ちのアルトのアシッドクラウドと、運良くそれでも生き残った相手に対するロイドの魔力撃で、騎兵隊は全滅したのでした……。
 まぁ、予定通り。

 

ロイド:……さて、生きてる奴は縛り上げるか。

アルト:詰まらん、この程度か。ヴェルナーだったな、追手は他には無いのか?

GM/ヴェルナー:「え? あ、ああ。無い筈だ。あれだけの戦力、失敗するとは向こうも思っていなかった筈だろう」

プリス:……僕らどんどん感覚ズレて来てるよね。そうか、これは『あれだけの戦力』と呼ばれるレベルなんだ……。(一同笑)

ロイド:イヴ、手伝え。馬の治療をするぞ。

イヴ:馬の?

ロイド:訓練された騎馬が8騎だ。何かの役に立つかもしれん。ルール的な『所有権の奪取』は、Lv8ライダーであるヴェルナーが騎乗すればやれる筈だ。

GM:ロイドさんでも出来ますよ。これらの馬は普通の「ホース」ですから。

イヴ:まぁ良いけど。でも馬より先にあっちの女の子の治療すべきじゃない?

ロイド:……あ、確かに(笑)。

GM/ヴェルナー:「…そうだな、アルミナ様の治療を優先してくれ。それさえ汲んでくれるなら、馬の扱いは手伝おう」 と、ヴェルナーは頷きます。

クリストフ:じゃ、俺は倒れてる連中を縛り上げとくよ。
 

 そして、騎兵達(生存者4名でした)を縛り上げ、最低限死なない程度の治療だけ施した冒険者達。
 HPを全快まで癒したアルミナを起こして、ヴェルナーと共に事情を聞く事にします。
 ちなみに、各々奪った馬に分乗して移動中。騎兵の死体は放置し、生きてる連中は装備を剥いて猿轡を噛ませた上で馬車に突っ込んでいます。

 

GM:(移動しながら話を聞く、か。状況の危なさを悟ってなのか何なのか、行動は早いし馬を全部奪われたのは厳しいなぁ)

ロイド:さて、それじゃあ詳しい事情を聞こうか?

GM/アルミナ:「その前に、まずは感謝を。貴方達が私を助けてくれたのですね、ありがとうございます」 と、目を覚ましたアルミナが馬上から貴方達に礼を言います。 「状況が状況です。馬上からの言葉なのは礼を欠きますが、お許しください」

シルフィ:いえいえ、こちらも騎乗中ですし。困った時はお互い様ですよ。

GM/アルミナ:「そう言って頂けると助かります。……貴方達は冒険者ですね」

イヴ:まぁねー。レガリアとかミラボアでハシャいでたから、こっちじゃ名前が売れてないけど……元はこっち出身者が多いのかしらね?

クリストフ:プリス以外全員そうじゃなかったかな。特にシルフィなんか……。

シルフィ:ええ、まぁアルミナさんとは社交界で顔を合わせた事もあった……かもしれませんし。ウチ自体あんまりそういうのに積極的じゃなかったんで、記憶に全然無いんですけど。(一同笑)

クリストフ:って、そう言えば俺も家が潰れる前はその可能性はあったのか……? 記憶にないけど。(一同笑)

GM/アルミナ:……そういうのに疎いおうちだったのでしょう、両方とも(笑)。 「……あの? 失礼ですがどこかで…?」

シルフィ:いや、きっぱりさっぱり覚えていませんが(笑)。アークウェイン男爵家の次女やってたりもするんですけど、パーティーとかそういうのは料理を皿に盛って抜けだすのが仕事でしたし……。(一同笑)

ロイド:おま、あれ俺の所に持って来た時って終わったとかじゃなくて抜けだして来てたんか!!?(一同笑)

シルフィ:え? やだなぁ、当然じゃないですかぁ(笑)。

GM/アルミナ:「アークウェイン男爵家……!? まさか、“無双砲手-ザミエル-”クリスティーナ・フォン・アークウェイン様の妹君!?」(一同爆笑)

ロイド:そんなゴツい名前で呼ばれてんの、うちのお嬢様!?(爆笑)

GM:Lv12知力特化ソーサラーです。国家レベルで見ても屈指の真語術師ですね。セージとしてはレベルが低いですが、純粋な遠距離魔法戦ならば宮廷魔術師以上とすら噂されています。デュボールには珍しい、魔術師系の傑物ですね。

アルト:……ひたすらに火力としての魔術行使に特化したか……恐ろしい一族だな(笑)。

シルフィ:けど、所詮は男爵家ですからね。それに私、半ば家出中に近いですし。

ロイド:……まぁ、それはそうとだ。アルミナ様、詳しい話を伺っても構いませんか?

GM/アルミナ:「……ヴェルナー、彼らならば身元も確かでしょう。話します、構いませんね?」

GM/ヴェルナー:「…しかしアルミナ様、事に依ると貴方の家が……」

GM/アルミナ:「家を惜しんでいる場合でも無いでしょう。……現在、アノール子爵家は分裂状態にあるのです」

プリス:それは、お父君派とアルミナ様派? 悪いけどそれだと分裂って言うか……主流派に対して圧倒的に少ない反対派が潰されかかってるだけのような。

GM/アルミナ:「確かに、私だけならそうです。しかし、無理な軍拡のみならず不自然な動きが多い父上に対して、シオン兄上は以前苦言を呈して領内の僻地に送られていました」

ロイド:参考までに、不自然な動きってどんな?

GM/アルミナ:「はい。アノール子爵家は役割としては、南西のルデア山脈から来る魔獣や蛮族に対する防衛などが挙げられる家です。位置的にもそうですしね」

ロイド:まぁ、な。

GM/アルミナ:「しかし父上は増強した軍備を、専ら人族の、それもレガリアの領土に向けて備えさせているのです」

一同:……は?

クリストフ:それ、不味くないか?

GM:非常に不味いです。とはいえ、ここ数日の事ですがね。更に、どこからとも知れぬ人材を大量に雇い入れたりした事もあったりして、現在この領地の軍は非常に不安定だとのこと。

イヴ:ここ数日……って、そんな短い時間で一気に悪化するもんなの?

ロイド:世には電撃戦って言葉もあってな。……まぁ、ありゃ航空部隊との連携も重要なんだがそりゃさておき。そうなるほどに動きが急過ぎたって事だろ?

GM:正解です。既に、譜代の家臣がこの動きを止めさせようと提言し、処刑されたりもしてるそうで……。

イヴ:うーわぁー……。

プリス:下手すれば戦争フラグだよね? レガリア側からは何か無いの?

GM:お忘れですか、プリスさん。ザヴィーエ王は未だ、ブルデ攻防戦の後始末で……。

プリス:……あー。まだブルデに居るんだ。

ロイド:となると、これを機と勘違いした馬鹿な子爵が領土欲むき出しにして隣国に攻め入ろうとしているって事か?

アルト:しかも結構、上手くやってるな。レガリア側の宿場町ではさしたる情報を得られなかっただろう?

ロイド:存外上手く情報封鎖をやってるって事かね。……さて、それを踏まえた上でどうするか、だな。

クリストフ:国家レベルの陰謀とか……勘弁してくれ。

イヴ:国家レベルじゃないわよ、まだまだ地方貴族レベル。

シルフィ:しかし皆さん、そこの息女を前に好き勝手ですねぇ(笑)。

一同:あ(笑)。

GM/アルミナ:「……いや、良いんだ。悪いのは父上だし……」 と、アルミナ様は落ち込みます(笑)。

シルフィ:うう、すいませんアルミナさん……(笑)。

ロイド:…でも大筋で事実だしな(笑)。

アルト:…まぁな(笑)。
 

 さて、移動しながらの情報収集タイムです。
 先の会話で出た情報に加えて、PCが得たのは以下のような情報。
 
・領主が急に行動を変えたのは一週間ほど前から。(ブルデ戦終了後くらい)
・どこからか怪しげな連中を多く雇用し始め、そいつらを重用し始めた。
・アルミナの兄の片方は父に従い、もう片方はフィアブルクから一日程度の位置にある別荘に軟禁されている。
・軟禁というか、殺されそうなのを察知して半ば自分から避難した?

 

ロイド:……一週間前か。となると、リゼリアやウォルフ、パーシヴァルは関係無いな。

クリストフ:スカーレットテーブルと関係付けて考えるのは危険じゃないか?

ロイド:そだな、前提からそう考えるのは止めるか。警戒はしておくが……しかし時期を見ると、先のブルデ戦の直後くらいからなんだよな、この動き。

プリス:無関係、と考えるのも危険だね。さて、ここからどうする?

ロイド:レガリアに知らせる、デュボールの信頼できる偉いさんに知らせる、シオンとかいうアルミナの兄に合流する……考えられるのはこんな所か。しかし下手すると外交問題だぞ、これ。

プリス:そうだね。解決できるならデュボール国内で解決してしまうのが一番だろう。人族間で禍根を残すというのは、正直頂けないからね。それに、レガリアに知らせるにしてもデュボールの偉いさんが代行してくれた方が分かり易い。責任回避的な意味で。(一同笑)

クリストフ:なら、どうするね?

ロイド:………今が好機、ではあるんだよな。追手がアルミナとヴェルナーを始末したと思ってる間なら―――いや待て、本当にバレていないかどうかが不安ではある。

プリス:使い魔とか、マジックアイテムとかね。可能性としてはあるか……。

ロイド:希望的観測に従って動くのは止めるか。……ここはフィアブルクからレガリア側におよそ一日といった位置なんだな?

GM:そですね。ちなみに、フィアブルクはアノール子爵領です。この辺りもそうですね。そこから先はまた別の人の領土ですが……。

ロイド:…街道を通ってデュボールの他の領地に行く場合、敵地を横断する事になるわけだ。ぞっとせんな。

プリス:シオンだっけ。アルミナの兄の居場所は?

GM:それはフィアブルクから一日。ここからは……そうですね。馬の脚ならば、整備された道が無い事を差し引いても3時間程度でしょうか。

ロイド:馬車で行けるか?

GM:デュボールは草原の多い国みたいですからね。問題はありません。

ロイド:ならそっちへ。デュボール王国への報告云々は、そこに到着してからでも遅くは無いだろう。それに、結構MPを消費してる奴も居るしな。休める場所が欲しい。

イヴ:えへへー(笑)。どうせ休めるとか思ってたんだけど、すぐさま逃亡に入る事を考えてなかった(笑)。

GM:はい、では三時間ほど強行軍で馬を走らせました。

シルフィ:当然、夜間ですからライトかけてますよ。目立つでしょうが、移動速度には代えられません。

ロイド:それにまぁ、仮にアルミナに監視が付いてるなら今更見つかる事を心配しても無駄だしな。

プリス:逆に見つかってない場合――――それはつまりは、敵が追手に十分な戦力を出して安心し切ってる場合だろうから、わざわざ他の追手を出してないと思うんだよね。だから多分安全。もし見つかったら運が悪かったと思う方針で。

GM:はい。すると、深夜……日付が変わって少し経ったくらいの頃合いに、周囲を塀や堀で補強された小さな館が見えて来ます。ただし、周辺では篝火が焚かれて、何台もの馬車や馬が留められていますね。人影も結構見えます。それを見たヴェルナーとアルミナがほっとしたように息を吐きますね。

アルト:まぁ、頼ろうと思った相手がどうやら敵の手に落ちていなかったようだからな。

クリストフ:そりゃ、ほっともするか。

ロイド:……厳戒態勢か。こりゃ期待できそうだ。動きが早いし、兵力を集めている節もある。

シルフィ:そういえば、アノール子爵家には息子が二人いて、お兄さんの方は優秀なんでしたっけ。

GM/アルミナ:「………え?」 と、アルミナが馬上で首を傾げます。

プリス:……なに? その反応……。

GM/見張り:プリスさんのその言葉にアルミナが反応を返す前に、ライトでピカピカ光りながら接近する皆さんに対して当然ながら見張りが気付きます。 「動くな、そこの馬車と騎兵! 悪いがそこで止まって貰おう!」

ロイド:まぁ、言われた通り止まるぞ。

クリストフ:同じく、だ。馬車も止めよう。(←御者)

GM/ヴェルナー:すると、ヴェルナーが見張りに向けて声を上げます。 「アノール家家臣、ヴェルナー・バルクホルンだ! アノール家息女であるアルミナ様を保護し、冒険者の協力を得てこちらに参った! シオン様がいらっしゃるならば、お目通り願いたい!」

GM/見張り:「“白馬騎士”……!? 分かった、そのまま暫し待ってくれ!」 と、念の為でしょう。貴方達をそこに待たせたまま、見張りの中の一人が屋敷に駆け込んで行きます。

ロイド:……ほぅ。

アルト:感心してるな?

ロイド:悪くねぇ対応だからな。名乗られただけで無条件で信頼されても困るだろ。こりゃシオンとやらの私兵か?

GM/アルミナ:「…シオン兄様は軍事などに関する権限は持っていませんでした。恐らくこれは―――」

GM/見張り:と、アルミナさんが言おうとしたところで、見張りのうち一人がロイドさんを見て驚いたような声を上げます。 「……っ!? おい、そっちの騎兵!」

ロイド:あ? 俺?

GM/見張り:「“黒獅子”の旦那じゃねぇか!? オイ、誰か団長呼んで来い! 急げ!!」 という声がして、ざわざわと一部の見張りがざわめきます。 「まさか、向日葵兵団か!?」

アルト:こっちじゃ通ってない筈の向日葵兵団の名が通ってる。しかもロイドが真っ先に識別された? となると……。

ロイド:――――こいつら傭兵か! しかもまさか……。

GM/ラムゼイ:「……何だ、随分と早い再会だな」 と、屋敷の中から出て来たのはラムゼイさんです。懐かしのブルデ攻防戦で出た傭兵団の団長ですね。覚えてます?

ロイド:額に刀傷のある、30歳くらいのベテラン傭兵だろ。忘れるわけねぇし、そこまで懐かしくもねぇよ(笑)。 ……よ、ラムゼイ。妙な所で会うな。

GM/???:「……へぇ、ラムゼイの知り合いか。彼らがヴェルナーと一緒にアルミナを連れて来てくれた……っと。妙な縁もあるものだ」 そして、ラムゼイさんの後ろから出て来たのは、ヒョロっとした感じの見るだに優男といった黒髪の青年です。へらへらとした軽そうな雰囲気と、胸元の大きく開いた服が印象的ですね。

ロイド:……ん?

GM/???:「あぁ、初めまして冒険者諸君。そして、久しぶりだねアルミナ。―――俺がアノール家次男のシオン・フォン・アノールだよ。……ボンクラボンボンの方が通りが良いかな?」

プリス:え………あ……。

ロイド:……こっちかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(一同大爆笑)
 

◆ボンクラボンボン?◆
 
 さて、まぁわざと出さなかった情報ではあるのですが。
 早めに離脱し、アノール子爵から距離を取っていたのは子爵の息子二人のうちボンクラボンボンと名高い弟の方でした。
 名をシオン・フォン・アノール。しかしアルミナは彼の方に懐いているようです。
 ……てっきり評判高い兄の方が居ると思っていた冒険者達の一部に動揺が走ります。

 

クリストフ:……どうしよか、これ。(一同笑)

イヴ:勝てる気がしない……ッ!!(一同笑)

ロイド:(ぼそりと)……どーだか。

シルフィ:……ロイドの意見は違うみたいですね。

ロイド:状況を見て離脱する先見、傭兵とは言えこの状況でこれだけの数を集める行動力、そしてラムゼイから一定の信用を得ている様子……ただの『ボンクラボンボン』じゃないと思うがな。

GM:ちなみに、傭兵に混ざっていた魔術師が一言断ってセンス・エネミィをかけてきます。抵抗します?

一同:しませーん。

GM/シオン:OKです、それが完了したらシオンは頷いて貴方達を屋敷に迎え入れます。 「悪いね、誰が敵で誰が味方かも分からないもんだからさ」 と、アルミナとヴェルナー含めて応接間まで通されますが、何かします?

ロイド:あー、敵方の騎士っぽいのを捕虜にしたんでどうにかしてくれ。馬車に突っ込んであるから。

GM/シオン:「へぇ、それはそれは。分かった、それはこちらでどうにかしよう。説得出来ればそれに越した事は無いしね」

プリス:……保留、かな。まぁお手並み拝見と行こうか。

シルフィ:でもこれまで、優秀な人ってどっかこっかネジ外れてましたからね。私は先程のヴェルナーさんの登場から先、いきなり脱ぐとかそういうのを警戒し続けていたんですが。(一同爆笑)

GM/ヴェルナー:「アークウェイン様は私をどんな目でみていらしたのですか!?」(爆笑)

シルフィ:ああ、すいません。以前共闘したレガリアの将軍の方とか、他の知り合いとか、実家とか……優秀な人はどこかネジ飛んでるのが普通だと言う印象がありまして。ぶっちゃけ完璧超人っぽいヴェルナーさんとアルミナさんには何があるのかと戦々恐々。(一同爆笑)

アルト:……『清廉潔白、文武両道、実直で優しく誰からも好感を持たれるハードゲイ』。こんな感じか。(一同大爆笑)

シルフィ:ええ、まさに! その最後で台無しな感じが竜鳴艦クオリティ!!(一同爆笑)

GM/ヴェルナー:「濡れ衣です!」 と、ヴェルナーが叫びますよ流石に(笑)。

シルフィ:で、では何が……? 正直、腕は立つし顔も良いし頭も良いし性格も良い相手が存在しているとか、私の常識では考えられないのですが。(一同笑)

GM/アルミナ:「……あの、貴方これまでどのような人生を……」 アルミナが若干ヒいてます。(一同笑)

ロイド:……あー、それはそうと、現在の状況は? それと、これまでの経緯も教えて貰えれば嬉しい。

GM/シオン:ああ、応接間に着くまではシオンは女性陣に向けて薔薇を差し出したりしています。 「やぁ、美しいお嬢さん方。もし良ければお名前を聞かせて頂けないだろうか」(一同爆笑)

ロイド:聞けよッ!?(爆笑)

イヴ:甘いッ! 自分を落としたいなら食用の薔薇、或いはバラはバラでも豚バラ肉を持って来いッ!!(一同大爆笑)

クリストフ:うっわぁー、潔い!?(爆笑)

シルフィ:っていうか、豚バラ肉で落ちるんですか!?(笑)

プリス:あ、僕好きな人居るんで。 パタパタ手を振ってスルーしてるから(笑)。

GM:まぁ、そんなこんなで応接間に到着します。ラムゼイはシオンの後ろに、ヴェルナーはアルミナの後ろに控えますね。

ロイド:……んーじゃ、説明して貰おうか?

GM/シオン:「OK、何が聞きたい?」

ロイド:分かる限り。一つ一つ聞いて行くより、そっちが順に話した方がやり易いだろう?

GM/シオン:「道理だね、じゃあ話そう。質問は最後に纏めてお願いするよ」
 

 さて、ボンクラボンボン改めシオン君による状況説明タイムです。
 基本情報はロイド達がヴェルナーとアルミナに聞いていたのに加えて、以下の通り。
 
・アノール子爵の人が変わったようになる前後で、領内南部での蛮族討伐があった。
・その時子爵に随行していた家臣の様子も、実はおかしかったように思う。具体的には、子爵の変節に一人も異を唱えなかった。
・シオンはそれを不審に思い、早い段階で理由を付けて(苦言を呈し、何か言われる前に『当主へ無礼な口をきいた』という理由で自分から謹慎を宣言)、この別荘にまで離脱した。
・その後、ツテを使って冒険者や傭兵を雇い、情報収集に努めていた。また、話の通じそうな騎士や兵士への働き掛けも行っている。

 

ロイド:……で、その過程でラムゼイの親分にも声がかかったと。

GM/ラムゼイ:「あぁ。うちは冒険者の真似事の出来る連中も居るから、最初期にな。払いも良かったし……まぁ、そう悪い依頼人じゃねぇ。女癖以外はな」 と、ラムゼイはちらりとシオンを見ます。

ロイド:そういや、親分の所って何人くらいの所帯よ? あと、レオルグの奴は居るのか?

GM/ラムゼイ:「レオルグの奴の所とうちは別の傭兵団だからな。奴は居ねぇよ、こっちに来てからは別行動だった。ついでに、うちは俺も含めて15人程度だ」

ロイド:結構デケェ傭兵団だなー……。

GM:ちなみに、レオルグさんに関しては今回のシナリオに関係ある立ち場ではないので放置して下さい。また、ラムゼイさんはブルデ戦後にレベルアップしてたりもして、現在はLv9ファイターです。

ロイド:並の騎士より腕は立つわけだ。善哉善哉。

GM/シオン:「……ま、そんな彼がこっちに雇われてくれたのは嬉しいね。だけど、そのお陰で妙な事も分かった」

アルト:…妙な事?

GM/シオン:「父上はどこからか、どこの者とも知れない人材を多く雇っている。俺はてっきり、冒険者か傭兵の類かと思ってたんだけどね?」

GM/ラムゼイ:「……子爵に雇われた連中の話なんざ、傭兵の界隈でも冒険者の界隈でもとんと聞かねぇ」

プリス:……つまり、最低限ここらの傭兵や冒険者の類じゃない。

GM/ラムゼイ:「調べた限りじゃ、最低限リーゼン地方の外だな」

ロイド:現実的な距離じゃねぇわな。……となると、これは。

プリス&シルフィ:(ハモって)……蛮族。

イヴ:んー、まぁ蛮族討伐行って帰って来たらおかしくなってたんだし、妥当かな?

ロイド:オーガか? リャナンシーか? それ以外か? ……うーん。

GM/ラムゼイ:「あぁ、その蛮族討伐ってのはオーガ討伐だったらしいから、恐らくオーガ種だろうなって話になってる」

GM/シオン:「……ま、状況に関しちゃこんな所かな。こっちの兵は傭兵とこっちに付いてくれた兵を合わせて60って所。丁度、ブルデで戦争が終わって多くの傭兵が流入して来てくれてたお陰だね」

ロイド:なるほど、ブルデ戦の戦力か。そりゃ都合が良い。

GM/アルミナ:一方で、話を聞いたアルミナは蒼白な顔で呟きます。 「……そんな、まさかお父様はもう……」

GM/シオン:「…ヴェルナー、悪いけどアルミナを頼めるかな」 と、それを見たシオンが指示を出し、アルミナはヴェルナーに伴われてふらふらと部屋を出て行きますね。

ロイド:……それを見送ってから呟くか。 お前さんは落ち着いたもんだな? 親父さんは操られてるか死んでるかってトコだろうに。

GM/シオン:「取り乱して良いなら幾らでも取り乱すけどね。今は俺が最高責任者なわけだよ、冒険者君」

ロイド:――――へぇ? にやりと笑って、シオンを見よう。

GM/シオン:「だから俺は責任者とか嫌なのだよ。デュボールの貴族らしからず武才も無いし、面倒な事は兄貴任せにしたかったんだが――――」 と、言いながら肩を竦めます。 「――――兄貴は元々思想が過激過ぎた。上昇志向が強すぎたっていうのかな。あの人に関しては、正気のまま向こうに協力している可能性すらある」

クリストフ:…似てない兄弟だなぁ。

イヴ:長男がエリート志向の俺様系、次男が一見駄目そうだけど優秀なユルキャラ、その下の長女が真っ直ぐさん。……うん、似てないわねー。

GM/シオン:「別段優秀じゃないよ、俺は。むしろバカなのを自覚している。―――だからこそ、人を集めるんだ」

ロイド:……お嬢。

シルフィ:にゃい?(一同笑)

ロイド:……気の抜ける返事をしおって(笑)。まぁ、良い。ああいうのも名君の器だ。覚えとけ。……お前が俺の主君なんだからな?

シルフィ:あれ、私の評価シオンさんより低いです!?(笑)

ロイド:…私人としてならともかく、公人としては比べものにならねぇよ(笑)。自分に何が出来ないかを分かってて、人材を集める大切さと自身の役割を分かっている。こりゃ君主としちゃ中々の器だぜ?

GM/シオン:「そりゃどうも。良ければ君も、俺に仕えてみないかい? 高給優遇するよ。直観だが君、相当強いだろう?」

ロイド:御冗談。アークウェイン家以外が俺を雇いたいなら、最低でもザヴィーエ王以上の器を持ってきな。

GM/シオン:「―――……!」 シオンは驚いたように目を見開きます。 「こりゃ驚いた。まさか、レガリアの“鉄人”に声をかけられた事が?」

ロイド:一応な。……ま、それは良い。仕えるのは無理だが、冒険者として雇われるなら考えても良いぜ? ……事によると、俺らの知ってる蛮族も絡んでそうだしな。

アルト:勝手に決めるな―――と、言いたい所だが賛成だ。大体、この状況ではおちおちデュボールまでも行けん。

シルフィ:それに、戦争フラグとか放っておいたらレジーナさんが後で危険な事になるかもしれませんしねー?(一同笑)

アルト:ロイド、そこの駄エルフはもう少ししっかり躾けておけ。頼むから。(一同笑)

シルフィ:まぁ、躾けられ……!? ぽっ、と頬を染めてクネクネしてます。(一同爆笑)

イヴ:はいはーい、自分も参加! 何か大事になりそうな予感だし!

クリストフ:……大事になりそうな予感って……いやまぁ良いけど。それにまぁ、ここで働いておけば……後のお家再興に有利に働く、かな?

ロイド:ちなみに、デュボールの他の領土へ伝令は?

GM/シオン:「そりゃもう、ありとあらゆる手段を用いて最優先でやってるよ。何かやるにしても、ここに集まってる戦力だけじゃ圧倒的に足りない。事態を収めようと思えば、余所から持って来るしか無いんだ」

プリス:……気付かれてないの?

GM/シオン:「気付かれていないわけはないと思う。けど、こっちもそれを承知の上でとにかく考え得る限りの手でやっているさ。届いているかどうかは分からないが―――」

ロイド:―――それは向こうも同様。完全に遮断できているかどうかは分からないわけだ。『届いていないだろう』という楽観的な予測で行動してくれれば楽なんだがな。

GM/シオン:「ま、最悪を想定しておこう。俺が蛮族の指揮官なら、デュボール本国が動く前に目的を達そうとする。恐らく―――」

ロイド:レガリアに攻め込んでの戦争勃発狙い。人族間での仲違いが目的……と、現状では見えるな。

GM:(……マジ便利だなぁ、この人)
 

 勝手にすいすい類推して正解してくれるPLはGM的に便利です。
 一から十までNPCに喋らせる手間も無く、またPL側も自分達で考える事で『参加している』という雰囲気になってくれますからね。
 
 ともあれ、引き出せた情報はここまで。
 敵の動向は斥候や使い魔で偵察を続けているという話を聞き、冒険者達は一旦休息を取る事を選択します。
 徹夜すると色々な判定にペナルティがかかりますし、MPが減っている面々が多いのでここで無理をしても良い事はありません。
 
 で、去り際―――

 

ロイド:じゃあ、部屋を出て行き際にラムゼイに声をかけておく。

GM:む、良いでしょう。なんて声をかけます?

ロイド:また仲間として戦う事になりそうだ。宜しく頼むぜ、親分。

GM/ラムゼイ:「……あぁ、頼りにしてるぜ、“英雄”」

クリストフ:……なぁ、プリス? ロイドって本職何?(笑)

プリス:あー、うん。ロイドは軍才をザヴィーエ王に認められているからねぇ。その気になれば本職で将軍出来るんじゃないかなぁ……(笑)。
 

 …そんな会話をしつつ。
 その日は解散して、冒険者達は館の中に部屋を借りて休息を取ったのでした―――
 

◆彼らなりの動き◆
 

GM:では翌朝です。MPの回復は完了していて構いませんよー。

イヴ:良く寝たー……ぐー。(一同笑)

クリストフ:また寝てどうする!!?(笑)

ロイド:さーて、こっからどうするかなー。雇われる事はほぼ確定っぽいから、シオンと値段交渉もしたいし。

クリストフ:俺は家が再興する時の為のコネが出来るならそれで……!(一同笑)

プリス:後は、貰う情報に頼るばかりじゃなくて、自分らからも情報を集めに動くべきじゃないかな。情報弱者になるのは御免だよ。

ロイド:となると、やるべき事は情報収集と報酬交渉か。出来れば俺はラムゼイに話を聞きたいんで、誰か報酬の交渉に行ってくれるか?

イヴ:交渉は任せろー、バリバリ。(一同爆笑)

クリストフ:やめて!(爆笑) いや、テンプレ云々じゃなくてお前が交渉はマジやめて!(一同爆笑)

アルト:……そう言えばフィアブルグにはイクスと私の実家があるんだったか。フィアブルグが今どうなってるのかも知りたいな。

ロイド:あー、イクスがそこにいる可能性もあるのか……。

GM:そういえばアルトさん、ご家族構成ってどうなってるんですか?

アルト:両親死亡、兄一人健在。互いに無関心。以上。

GM:……雑な。まぁ、了解です。それと、ラムゼイは副官のような感じでシオンの補佐してますんで、同じ執務室に居ますよ。来るなら一緒にどうぞ。

ロイド:んじゃ班分けするか。情報収集組と、シオン達に話を聞きに行く&報酬交渉する組だな。
 

 そして、シオンの拠点である館の内部にて別行動を開始する冒険者達。
 ロイドとシルフィとプリスは、シオン&ラムゼイに話を聞きに。
 アルトとクリストフ、イヴは他の情報集め。
 
 GM、少し悩みましたがロイド組から進める事にしました。

 

GM:では、ロイドさん達から始めましょうかー。

プリス:まぁぶっちゃけ、報酬交渉とは言ってもまずシオンさんに会えるのかの段階だよね。クソ忙しいだろうし、彼は。

GM:いえ、彼も貴方達に話があったようですね。貴方達の訪問が告げられると、程無くして面会が許可されます。執務室で、部下からの報告書を手にラムゼイと議論を交わしていた所ですね。周囲には投げ捨てられた書類が散らばっています。

ロイド:……忙しそうだな、シオン。出直すか?

GM/シオン:「いーや、構わないよ。こちらこそ散らかってて失礼」 と、シオンは屈託なく笑いますね。とはいえ、その顔には多少疲れが見えますが。 「あの後、改めて君の戦歴について聞いたよ、“黒獅子”。この状況で君が手を貸してくれるなら、正直言って凄く助かる。それで、何の用だい?」

プリス:とりあえず報酬の交渉と、契約の正式な締結かな。 ……イヴとクリストフの分もやっちゃっていいの?

遠くのイヴ:あーうん大丈夫、自分はプリスを信頼してるからね!

プリス:面倒だから投げたの間違いじゃ……いや良いけど。 まぁ、そんなわけでシオン様、報酬交渉と正式な契約をしたいんだけど、時間はある?

GM/シオン:「そうだね、進展の無い報告を聞くのも飽きていた所だ。美人さん二人の顔を見ながら交渉するのも良いだろうさ。おっと、ロイドに怒られるかな?」

ロイド:口説き落とせるなら好きにやってくれ。出来るとは思わんがな。 と、肩を竦めて勝手にその辺の椅子に座るか。

GM/シオン:「ははっ、余裕だねぇ。流石色男」 と、シオンは嫌そうな様子を欠片も見せず、むしろ楽しそうに笑いますね。 「とは言っても、正直現在のアノール家に払えるような資産は余り無いからね。家督なり領地なりは召し上げられる可能性が高いし、財産関係は……まぁ、既に傭兵や冒険者、こっちについてくれた騎士に払うのが大半だ」

ロイド:まぁ、俺はそれでも構わねぇよ。とりあえず、そうだな。上に今回の件を話す時に、クリストフのお家復興に関して何かしらの口利きをして貰えると嬉しい。

プリス:僕らが来たのはイレギュラーだったって事だよね。……ま、戦闘終結後に国にでも掛け合おうか。クリストフのお家復興と言う目的があるから、クリストフやイヴも今更抜けたとは言わないだろう。僕ら向日葵兵団も、シルフィの事があるからね。

シルフィ:ええ! デュボール貴族の端くれとして、この状況は見過ごせません!

プリス:ね? となると僕らも参加確定と言うわけだ。払えないなら払えないで、まぁ上に口聞いてくれれば良いよ。

ロイド:払えないなら払えないって事を聞きたかったわけだしな。とりあえず、働いた後国に掛け合うでよかろ。んじゃ契約内容に移るぞ?

GM/シオン:「…まぁ、こちらとしては懐が痛まないから嬉しいけどね。君達は冒険者と言う感じがしないな、改めて」 と、シオンは苦笑を浮かべます。 「ロイドとシルフィだけなら分かる。デュボール貴族の従者とその主だからね。けど、他の皆もよくそれで了承するもんだ」

プリス:まぁ、クリストフとイヴは除外するよ。クリストフはお家復興って目的があるし、イヴはこの手の騒ぎが大好きなトラブルジャンキーだ。僕はまぁ、ロイドとシルフィがそう言うならそれでも構わない程度には、この二人を信頼している。……アルト君は、どうなんだろうね? 男の友情ってのは僕には分からないよ。

ロイド:……ふん。 不機嫌そうに鼻を鳴らす。

シルフィ:アルトさんも、ロイドがそう言うなら『お人好しが、付き合う私の身にもなれ』とか嘲笑顔で言いつつ、それでも絶対抜けないと思うんですよね。

GM/シオン:「……良いチームだね」 と、シオンが柔らかく笑います。 「分かった、各役出来る報酬は何も無いが、国に訴えかけてゴネまくろうが何をしようが、十分な報酬は用意しよう。君達の協力に対する俺なりの礼だ」

ロイド:……ま、そこらは適当に頼む。ついでに、時間はまだあるか? 分かる範囲で尋ねたい。状況によれば、俺らクラスの戦力があと一人か二人手に入る。

GM/シオン:「へぇ? 言ってみてくれ」

ロイド:俺らの仲間が事情があって先行していて、フィアブルグ周辺を通り抜けた筈だ。ただ、神官の方はフィアブルグに実家があって、逗留している可能性がある。また、戦士の方もそれに付き合って逗留している可能性は低くない。無論、二人ともさっさと抜けてしまっててもう居ない可能性もあるが…。

GM/ラムゼイ:その言葉には、ラムゼイが答えます。 「アンタらのあの後の行動については、ブルデで多少聞いていたからな。イクスとネリネだったか。あの二人はもうフィアブルグを抜けて、デュボール方面へ向かっている。多分、この状況には気付いていないだろう」

ロイド:……了解。ま、最悪の状況でもないか。あいつらが変な感じに巻き込まれている事が最悪のパターンなわけだし。

シルフィ:とりあえず無事だって事が分かっただけでも良しとしますか。

ロイド:懸念は一つ消えたな。で、姫さんはどーしてる?

GM/シオン:「姫さん……あぁ、アルミナか。あのお転婆がそう呼ばれるとはね……くくっ」 と、ひとしきり笑ってから真面目な顔に戻ります。 「……まぁ、とりあえずまだ部屋だ。父上の事は辛いだろうし、あいつもそれなりの腕はあるが、この状態で戦線に出しても足手纏いになるだけだろう」

GM/ラムゼイ:「それとまぁ、あの姫さんが殺されかけて逃げてきた事が広まったみたいでな。古参の騎士や兵士の中から、結構こっちに転ぶ奴が出始めてるらしい。昨日の晩、お前らが逃げ込んで来てから、20は来た」

GM/シオン:「広まったっていうか、広めたんだけどね。……ある程度、これで戦力も揃って来たか」

ロイド:センス・エネミィだけは忘れるなよ。その魔法に抵抗したら敵だ。オーガ種が相手である以上、そこで手は抜けない。

GM/シオン:「当然だ。後ろからブスリなんてのは俺も御免だからね。……しかしまぁ、こっちからアルミナの生存を喧伝した結果、敵の余裕を良くも悪くも奪ったと言える。市井にまで情報を流したわけで―――」

ロイド:人の口に戸は立てられない。何れ遠からず、デュボール本国にも子爵領の政変は伝わる。そうなればこちらの勝ち。向こうにとってのタイムリミットが完全に切られた。

GM/シオン:「故に、遠からず向こうは動く。こちらの戦力はまだ整っていないが、まぁ仕掛けのタイミングとしては上々―――というより、こちらに選択の余地は無かっただろう」

プリス:時間をかければこっちが徐々に戦力取り込んで有利になるけど、時間があれば向こうが目的を達成してしまう可能性も高いからね。

ロイド:……敵戦力は?

GM/シオン:「こっちに流入して来た騎士たちの情報から、恐らく100人程度の中規模の部隊だね。それに加えて、兄貴とその近習が敵にまわってるとしたら+20」

ロイド:なるほど。で、どう見るシオン。俺は敵の取りうる行動は大雑把に分けて三パターンと見るが。―――まず、俺らを無視してレガリアに向かうパターン。この場合、俺らの取るべき行動は―――ま、横撃だな。レガリアに向かおうとする所を、横面を殴りつけて邪魔をする。

GM/シオン:「機動力ではこちらが上だからな。……幾らレッサーオーガやオーガが変身しても、奴らは騎馬の扱いに慣れていない。騎馬兵主体のこちらの方が機動力は上だ」

ロイド:この作戦を敵が取る場合、奴らにとってのメリットは『速度』だ。リスクは高いが、上手く行けば最速で目的を達成できる。

プリス:デメリットは僕達の存在だね。敵はある程度の戦力を持つ敵対勢力、つまりは僕達に横腹を晒して移動する事になるわけだ。

ロイド:第二に、先に俺達を潰そうとするパターン。この場合、向こうのメリットは『安全』。まぁ、むざむざやられる気は無いが―――俺らを潰して行動のフリーハンドを得る事が出来る、と向こうは考えるだろうな。逆に向こうにとってのデメリットは『時間』。デュボール本国に情報が伝わる可能性が高くなるのがデメリットってわけだ。

プリス:一長一短だね。戦力的には向こうの方が上だけど、絶望的と言うほど離れているわけでもない。奇襲や強襲が上手く決まれば、向こうに軍事行動としての戦闘が不可能な程度のダメージを与える事も不可能じゃないだろう。そうなればデュボールを装ってのレガリアへの軍事行動による人族間の仲違いという目論みは現実的に実現不可能になる。

ロイド:また、竜騎士や準竜騎士団が投入されりゃ、流石に『詰み』だ。単純な武力・戦力で言えば、デュボールは現状人族国家でトップ2は確実だろ。唯一対抗し得るのはルキスラだな。

GM:竜騎士は文字通り一騎当千の戦力ですからね。レッサードラゴン乗りと考えると、最低13Lv。ドラゴネットでも10Lv。準竜騎士団にしても最低でも7Lvの集団です。

ロイド:それが来るとなると、流石に100体程度のオーガじゃどうにもならん。率いているのがどんな奴かは知らんが……仮にアウグスト級の輩でもどうにでもなる。

プリス:うん、その2パターンについてと、そのメリットデメリットは分かったよ。じゃあ3つ目のパターンは?

ロイド:その複合。隊を二つに割って、俺達の足止めと、目的を遂行する部隊に分ける。この場合、俺達の戦力次第では各個撃破の好機にしかならない事と、人数が減る分レガリアへの軍事行動のインパクトが薄れる可能性があるが、安牌と言えば安牌ではある。

GM:(……考えてるなー)
 

 意見を列挙し、合理的に敵の次の行動を探ろうとするロイド。
 プリスもそれに合わせて意見の補足などを出しています。
 その横のシルフィ、空気と同化していました。
 この辺は頭の良し悪しというより、得意不得意でしょうか。
 
 とはいえ、現状では決め手となる判断材料も無く、とりあえず時間は味方である上に敵が動いたのを知ってから動いても間に合う足があるため、結局は待機という事で落ち着きます。
 まぁ、GM側では特に邪魔せず聞いてましたが、判断を決定付ける『動き』が丁度ここら辺で来る予定だったのは都合が良いと言うべきか。

 

GM/伝令兵:では、意見が落ち着いた所で、ドアをノックもせずに息せききった伝令が部屋に駆け込んできます。 「失礼します、シオン様!」

ロイド:…何事だ!? 立ち上がるぞ、それは。

GM/シオン:立ち上がったロイドさんを手で制し、シオンが伝令兵に問い掛けます。 「ふむ、その様子だと何かあったようだね。出来ればノックはして欲しかったけど、まぁ良いさ。言ってくれ」

GM/伝令兵:「はい、それでは――――」 と、言った所で時間軸を少々戻して、残りのお三方にカメラを移しましょうか。

遠くのアルト:む、こっちに来るか。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:と、いうわけで少し時間軸が戻って、アルトさん達三名の方に話が行きます。屋敷内か屋敷の外かで、情報収集ですっけ。

クリストフ:だね。まぁ、屋敷の外かな。見張りの兵士とかに話を聞いてみよう。

アルト:邪魔にならん程度にな。私達が原因で敵見逃したとかになったら、笑うしかない。

イヴ:じゃあ、邪魔にならないように……その辺で『カッコ良いポーズ』の練習してる。(一同笑)

クリストフ:物凄い邪魔だと思う、それ。(一同笑)

アルト:とりあえず情報を聞こうと思うが……聞きたい事はフィアブルグの件も含めて、ロイド達が聞いてくれたからな。

クリストフ:他に傭兵や兵士が持ってる目新しい情報って何かあるか?

GM:あー、そうですね。では、フィアブルグの情報とかに加えて、シオンやアルミナ、そしてその兄についての評判が聞けます。

アルト:お、それは興味深い。そう言えば、シオンの兄はどのような輩だ? エリート志向の俺様系かという話は出てたが。

GM:はいはい。シオンの兄は名をガイゼルと言いまして、権力志向の強い準竜騎士だそうです。腕は非常に立ち、単純な実力では準竜騎士団でもトップクラスだそうですが……。

クリストフ:……が?

GM:強い権力主義志向故に、大きな手柄は立てていますがそれ以上に味方からも警戒されているタイプの人ですね。ありていに言えば、優秀ですがやり過ぎでした。部下や味方の被害を惜しまず自分の手柄の為だけに戦うタイプの人で、それが度を越してまして。

遠くのロイド:うっわぁー、俺が嫌いなタイプだなそりゃ。

アルト:だろうな。……となると、優秀だが危険な人物と言う事か。そして周囲から警戒されて、上への道が塞がれていたならば、蛮族側に与しての栄達を目論んでも不思議ではない人物……というところか?

GM:ですね。シオンが『蛮族側に付いていてもおかしくない』と評したのは、そのような経緯や性格があるからです。ただ、実力的には先にも言った通り、準竜騎士の中でもトップクラスだったとの事です。具体的に言うなら、ファイター10、ライダー9です。ジェネラルも6くらいで持ってますね。

アルト:……結構な傑物だな。

GM:一方、シオンは道楽貴族と評される事が多く、頭の固い人からの評判は兄に輪をかけて最悪です。市井に紛れ込んで育った彼に対する評判は『悪童がそのまま大きくなった』などという意見が多いですね。そりゃもう貴族から庶民まで同じ評判。

遠くのロイド:……あー、泥まみれになって戦争ごっことかに興じてたわけだ。お嬢みてーなもんじゃねぇか、そりゃ。(一同笑)

遠くのシルフィ:戦争ごっこはロイドがやってたのに付き合ってですけどねー(笑)。

GM:供も連れずふらっと旅に出る事も何度かあり、冒険者の真似事をしていた時期もあったとかいう噂もありますね。また、父や兄がちゃんと居るため、内政や軍事に携わる事も無く、自称『悠々自適な自宅警備員』だそうです。(一同笑)

アルト:……ユルキャラだな(笑)。しかもそれ、自分で言っているのか(笑)。

GM:反面、よく市井に紛れ込んでいるため、庶民からは親しまれているという側面があります。まぁ、『親しまれてるけど無能』という評判が大きいですけどね。……ただ、この一件の中で兵士や騎士の間でその評判は徐々に変わりつつあるようですが。

遠くのロイド:だろうな。行動力、先見、人心掌握術……どれを見ても相当のタマだぞこいつ。部隊指揮能力や個人の武勇は未知数だが。まして、自分の能力を過大評価せず、部下を積極的に集めようともしてる。間違いなく器としては兄より上だろ。

GM:で、アルミナさんは普通に優秀な評判ですね。清廉潔白、文武両道、ややお転婆に過ぎるきらいがありますが、上にも下にも評判が良い人です。ファイター7にプリースト/ザイアが6くらいで持ってますね。

クリストフ:まぁ、戦闘能力は『邪魔にはならない』レベルだな。

ロイド:一番真っ当――――悪く言えば面白みの無い評判と能力だな。

GM:そうとも言えるかもしれませんね。とはいえその分、家臣の忠誠は掴んでいるようです。現に彼女が殺されかけて、筆頭家臣である“白馬騎士”に助けられたという話から、こちらに転ぶ騎士や兵士も一気に増えてますし。

アルト:……なんかこの一件を収めた後、アノール家が存続したとしたら家督争いが起きそうな気がして怖いな。次男と長女、タイプは違うが有能なようだし。執務能力的にはシオンが上だろうが、アルミナの方が方々への評判良いし。

クリストフ:まぁ、その辺はこの場を切り抜けてからだろ。

アルト:……確かに、そうだな。

GM:ちなみに、もしアルトさんがインドア派じゃなかったらシオンと面識はあってもおかしくなかったかも知れませんね。同世代で、シオンは市井に紛れ込みまくってたわけですし。……もしかしたらイクスさんは顔知ってるかも?

アルト:……連れて来ていなかった事が悔やまれるな(笑)。

GM/見張り:で、アルトさんとクリストフさんがそんな感じで情報を聞いてますと、見張りの兵が声を上げます。 「―――何か来るぞ! 対上空、警戒態勢!!」

クリストフ:腰の剣に手をかける!

アルト:杖を手にする!

イヴ:カッコ良いポーズ!(一同大爆笑)

クリストフ:それはもう良いから、他に何か無いのか!(笑)

イヴ:おなかすいた!(一同爆笑)

遠くのロイド:隔離しろ、この腹ペコ神官。(一同爆笑)

GM:えーと……まぁ、それはそれとしまして。見やるとどうやらワイヴァーンと、それに跨った騎士が屋敷に向かって飛んで来た所ですね。見張りの兵が屋敷の外に降りるように指示を出して、騎士はそれに従います。

アルト:……騎士。まさか準竜騎士か!

GM/準竜騎士:正解です。 「失礼する! こちらにアノール家次男、シオン・フォン・アノール様はいらっしゃるか! 此度のアノール家の政変について、デュボール王都からに届いた伝令に対する返答を持って参った!」

遠くのロイド:おぉ!? やるなシオン、ちゃんとデュボールまで情報を届けてたか!

GM/準竜騎士:「つきましては、早急にシオン殿へお取次を願いたい!」 という準竜騎士の言葉に、まず伝令を先にシオンの所に走らせ、ソーサラーがセンス・エネミィをかけてから案内を開始しますね。

アルト:あぁ、折角だから私もついて行こう。厳戒態勢だ、準竜騎士も文句は言うまい。

GM:ですね。一瞬『誰コイツ?』って目で見られますが、何も言いません。で、場面はロイドさん達のさっきのシーンに繋がります。一足先に報告に向かっていた伝令からの報告を受けていたシオンとロイドさん達の所に、アルトさんと準竜騎士が来た所ですね。

ロイド:……成程、こう繋がるか。
 

◆急転直下◆
 
 さて、デュボールから来た伝令の内容はこうです。
 
『アノール家の政変と、それが恐らく蛮族の蠢動の結果であろう事は了解した。
 事後処理については後日協議するとして、早急にレガリアへの伝令を送り、シオン・フォン・アノール殿への援軍を送るので、それまで耐えられたし』
 
 つまり、『援軍が来るまで耐えれば勝ち』という勝利条件が完全に確定したわけです。

 

ロイド:おー、よしよし、状況はこっちに有利に動いてる。

プリス:……まぁ、そうなんだよね。けどPLとしては、『絶対に何かある』って疑っちゃうよね、これ。

ロイド:……まぁな。
 

 で、まぁ。
 ロイドとプリスの言う通り、ここまでの状況は殆どPC達が動く事無くNPCが作り上げた状況です。
 メタな読みですが確かにTRPGとして、このまま『待てば勝ち』というのはぶっちゃけ有り得ない話ですよねー。
 無論GMも、そのつもりでシナリオを組んでいます。
 
 ともあれ、ロイド達の見ている前で情報をシオンに渡した準竜騎士。
 アルトとプリスがそれを見送りに行き、ロイドとシルフィ、そしてラムゼイとシオンが残されます。

 

ロイド:―――さて、状況は確定したわけだが、シオン。ここからどう動く?

GM/シオン:「方策は二つあるね。ここで待つか、動くか。大きく分けて二択。君はどっちが良いと思う?」 と、問われたシオンはロイドさんに目を向けて笑います。

ロイド:……敵の行動パターンは先に言った三通りだろうからな。だったら俺は、動くのを薦める。少なくとも、いつでも動けるように準備が出来ているなら、この場を動くべきじゃないか?

GM/シオン:「論拠は?」

ロイド:敵の戦力は推定、こっちより上。だがこちらは時間まで敵を妨害しつつ耐えてれば勝ち。だがしかし、ここは多少改造はしてあるようだが、ただの屋敷だ。持久の防衛戦には向いてねぇよ。だったらむしろ、地の利があるのを活かしてゲリラ戦に出るべきだ。そもそも敵がここに攻めてくるのかも分からんしな。

遠くのプリス:むしろ、レガリアの近くに陣を張るべきかな? 敵の行動を妨害する意味でも。

ロイド:そっちの方が敵の動きは読み易いわな。その上で、戦場に罠を張れれば最上だ。

GM/シオン:「……確かにね。OK、その策を採用しよう。ラムゼイ、全隊に指示を。動く準備は出来ているだろう?」 と、シオンが指示を出した所で……また場面を他のメンバーに移しますか。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:さて、準竜騎士を外まで見送りに来たアルトさんとプリスさんです。イヴさん、クリストフさんとも合流して良いですよ。

イヴ:荒ぶるバタフライのポーズ!(一同笑)

クリストフ:……それはどんなポーズなんだ?(笑)

GM/準竜騎士:準竜騎士は『何アレ』って顔をしながら、ワイヴァーンに跨ります。 「それでは、私はこれにて。遠からず、我ら準竜騎士団が援軍に駆け付けます故、それまでお待ちください」

プリス:そのお言葉、千の援軍を得た思いです。騎士殿もお気をつけて。

クリストフ:……猫かぶってるなぁ。(一同笑)

プリス:相手によって話し方を変えるのは基本だよ。交渉のね。

GM:で、プリスの言葉に満足げに頷いた準竜騎士は空へ飛び立ちます。――――が。

アルト:あ、何か嫌な言葉が付くらしい。(一同笑)

GM:ええ。王都へ向けてバサバサ飛んで行ったワイヴァーンとそれに跨った準竜騎士が、200mと行かないうちに撃ち落とされます。

一同:……へ?

GM:地上から放たれたのは、エネルギーボルトでしょうかね。それも二十を超えて放たれたそれに、準竜騎士とワイヴァーンは撃墜されて地面に落ちて行きました。

アルト:(即座に)―――周囲の兵! 敵襲だ、ロイドとシオンに知らせろ! ―――急げッ!!

プリス:あ、ナイス反応! 咄嗟の判断は流石だね、アルト君!

GM:チッ、良い反応。えー、はい。アルトさんの予想通り、偽装しながら屋敷から200mほどの位置にある森の外縁部まで近付いて来ていたのは――――その正体を晒した、オーガの部隊ですね。

アルト:……チッ! その上空を通ろうとして撃墜されたか、準竜騎士!

GM:ですね。そしてそのオーガの群れの奥の方から何事か指示らしき言葉が飛び、オーガ軍は館に向けて突撃を開始します! 数は目に映る範囲だけで、およそ60以上!

遠くのロイド:半数以上か。となるとこっちが足止めで、残りがレガリアって線は消えたな。

プリス:かな。軍事行動らしく見せかけるって事になると、そこそこの数は必要だろうし。

アルト:冷静だなお前ら!?(笑) ……えぇい、仕方ない! GM、一応この館にも防衛設備があっただろう!? どれくらい使える!?

GM:そうですね、簡素ながら防壁と堀があるので、堀を越えるのに飛行能力の無いキャラは主動作が1回必要で、その後の防壁は防御力10点、HP40点ほどの耐久値がある構造物扱いとします。ただし、防壁に1度に近接攻撃できるのは3体までとします。同じ場所に攻撃集中しないと、ぶっちゃけ無駄ですし。

アルト:……それでも防壁で1ラウンド、堀で1ラウンド稼げるか。堀を越えられた時点で全力で後ろに向かって前進するとして、この場で可能な限り足止めするか。

プリス:捨て奸って手もあるけど、あれはまぁ最後の最後の最後の手段だね。

遠くのシルフィ:……すてがまり?

プリス:島津義弘の関ヶ原、敵中突破による超強引超強行、前代未聞の前進突破撤退戦で使われた戦術。……足止めの兵を数名残して、それがやられたら次にまた数名。そんな感じで本隊を生き残らせるためだけに使われた戦り方だよ。ちなみに兵は狙撃兵で、完全な置き捨て。指揮官の狙撃をやって、後は特攻だね。……銃装備の兵士じゃなくても効果あるのかな、これ。

遠くのロイド:つか、こちとら撤退するだけじゃ駄目なんだよ。こいつらがレガリアに入るのを、本国からの援軍が来るまで邪魔し得る程度の戦力は確保しておかないといけねぇ。戦力をすり減らすのは愚の骨頂だ。

プリス:じゃあどうする? 捨て奸は些か極論だけど、全員無事脱出は厳しいと思うよ、これは。

アルト:待てプリス。まずは状況確認だ。GM、この場に兵は何人いる?

GM:そですね、見張りや休憩、センス・エネミィ役の魔術師まで含めて10名ほどです。

プリス:……そうだね、まずは先の話より、この状況を極力被害が少ないまま切り抜ける事だ。方針は撤退でOK?

遠くのロイド:それで行こう。奇襲を受けている以上、この場での抗戦は下策だ。たかが20秒程度しか敵を押し留められない防衛設備に、狭い屋敷。これで防戦を行えると思う方がどうかしてる。

プリス:オーライ、立て直しだね。全員先んじて屋敷の中へ入って、脱出の準備を! そこの人、シオンさんとラムゼイさんに事態を伝えて! そっちの人はアルミナさんに! 他の人は可能な限り敵襲と撤退を触れ回って!

GM/兵士:「撤退だと!? 勝手に何を―――」 と、一部兵士は不満をあらわにしますね。

プリス:シオンさんが真っ当な戦術眼を持っているなら、間違いなくここは退く! 君達だって、この設備で防戦が出来るとは思ってないでしょ!? 玉砕するにもまだ早い! 先の準竜騎士の伝令で、こっちの勝利条件は出揃ってるんだから!

GM/傭兵:「あいよ、姐さん了解! 黒獅子の旦那はどうする!?」 と、傭兵の方は逆に動きが早いです。ブルデで貴方達の戦いを見ていたというのもありますしね。

プリス:ロイドはシオンさんと一緒に居る筈! 僕達もすぐに後退する旨だけ伝えておいて!

GM/傭兵:「了解!」 と、傭兵が素早く、兵士がやや後ろ髪を引かれながら屋敷の中に入って行った所で、そろそろオーガと堀の距離が100m程度まで近付いて来ましたね。

クリストフ:ひゅーっ、来た来た。大将首はどこかねぇ。

アルト:……いや、無理に首取らんでも。というか首取る余裕あるのか、これ。

クリストフ:武勲を示すならやっぱそれだろ。さーて、手柄首はあるかねぇ……っと。

アルト:……貴様は今少し血の気が少ないと思っていたのだがな。

クリストフ:いやまぁ、そりゃそうさ。何も無い所で戦ったって、何の利もありゃしないだろ。……けどここは違う、戦場だ。ここでの戦働き次第で、お家復興も夢じゃない。ならば多少の無茶もするさ。家臣もベアール侯に預けっぱなしだ。そいつらの期待にゃ答えんとね。

イヴ:その手段が武勲獲得に依るお家復興なわけね。

クリストフ:そーゆーこと。……ってなわけで、敵さん敵さん早よおいで。手柄首引っ提げてくれてると、尚良いね。

プリス:……わぁ、そっか僕達と旅してる時にも時々あったなぁ。国にアピール出来そうな事があればこうだっけ、クリストフ……。

イヴ:なんてか、こいつも権力志向よねー……。

アルト:まぁ、なんだ。何はともあれ、フルメンバーではないが……開戦と行こう。敵の脚を止めるぞ!
 

◇VSオーガ軍◇
 
 と、いうわけで。
 奇襲をかけてきたオーガの軍に、たまたま屋敷の外に居たパーティーメンバーだけで迎撃を行う事と相成りました。
 GMとしては全員が中に居た場合なども考えていたのですが、4名が外に居るこの状態は想定の中ではかなり高火力が揃っているパターン。
 
 結構削られるかなー、などと思いつつ、出した敵はオーガ20体。
 とりあえず全員が範囲攻撃に巻き込まれたりはしない程度に、2mぐらいずつ距離を離しつつ配置しました。この世界だと魔法使いが居るので、過度の密集とかはしないと思うんです、軍とか。
 
 7Lvが20体。個々の戦力では向日葵兵団の相手にはなりませんが、こいつらに乱戦される=後続の本隊が来るのに逃げられないという最悪のフラグになるため、被乱戦≒死に近い様相を呈しています。
 
 そんな中、先手を取ったのは当然向日葵兵団。
 Lv7、先制値14のオーガに対し、スカウトが二人揃っている彼らが後れを取る理由はありません。
 

▽ラウンド1▽
 

クリストフ:さて、どーする? ぶっちゃけ撤退戦である以上、俺あんまりやる事無いような気がしてきたんだけど。(一同笑)

プリス:じゃあ僕の横に居て。撃ち捨てする銃、受け取って持っててくれると助かる。投げ捨てて逃げるとなると、専用装備を失ったって事で名誉点が下がるし、そもそも補給の目処が無い状況で武器を捨てたくないし。

クリストフ:りょーかい。

アルト:……ふむ、距離は100……敵の移動力を考えると2ラウンドで堀に到着。3ラウンド目で堀が越えられ、4ラウンド目で塀が破られると言った所か。

イヴ:自分やアルトの移動力考えると、2ラウンド目に撤退開始かな? オーガの移動力18で、自分とアルトは12止まりだし。

アルト:……魔晶石に余裕があるなら、ブレスで移動速度を上げるのも手だな。或いは私がヘイストをかけるか。接近前にかけておいたそれで、一手余計に使えるのは大きい。

プリス:ヘイストは止めておこう。あれは少しばかり、消耗が激し過ぎるよ。イヴ、初手は自分とアルトに敏捷度増強の『ブレス』を。僕は……そうだね、初めて使う魔法だけど、『ショック・ボム』に補助動作で『タイマークロック』を付ける。1分後に爆発するようにセットして、屋敷の入り口辺りに……あ、ねぇ、クリストフ。暇なら雑で良いから10秒で穴掘ってくれない? これ埋めて。(一同笑)

クリストフ:……まぁ、敵と接触したら不味いって状況で、俺に出来る事はそれくらいなのは分かるけどさ(笑)。まぁ良いや、じゃあGM、通常移動で屋敷入口まで後退して、主動作で穴掘る。……ショック・ボムの大きさってどれくらいだ?

GM:……さぁ……?(笑) まぁ、10秒で半分埋まる程度、20秒で隠せる程度の穴が掘れるで良いですよ、面倒だし。

クリストフ:2ラウンド穴掘って、3ラウンド目に土かぶせるんだな。こういう作業は一般兵士にやらせろよ(笑)。

プリス:全員屋敷の中に行かせちゃったしねぇ。まぁ、ごめん。僕の采配ミスだね。

クリストフ:いやまぁ、俺他に何も出来る事無いし。穴掘ってます。

遠くのロイド:……シュールだ(笑)。
 

 で、どっかのアイドルよろしく穴掘りに精を出し始めたクリストフを余所に、イヴは自分とアルトに2倍拡大『ブレス』。オーガに追いつかれない程度の移動力を確保します。
 そしてアルト、敵がオーガである為攻撃魔法が飛んでくる事を懸念し、全員にプロテクションII。
 各々魔晶石を潰しながらですので、消耗は殆どありません。
 そして、迎撃準備をするアルト達に対して、オーガ達は全力移動で54m前進です。
 
▽ラウンド2▽
 
 で、第二ラウンド。
 まず、クリストフが穴掘り完了しました。あと50秒で爆発する電磁グレネードを埋め始めます。
 そしてプリス、距離が遠い事に舌打ちしつつ、二つ目の時限式ショック・グレネードを作ります。
 外見イメージは手榴弾。逃げる時に補助動作で足元に落とす気満々で、40後作動するようにセット。
 
 イヴ、距離があるんで仕方なくフィールドプロテIIで味方の補助をします。
 これで少し離れて穴を掘ってた為に効果範囲外だったクリストフ以外、全員がダメージ減少5点を持つ計算に。
 で、アルト・ディオスクロイツ。
 ここで――――まぁ、ロイドのPLと休憩(買い出し)中に相談していたらしい非常手段の準備に入ります。

 

アルト:『ドール・サイト』。藁人形に自分の視覚を移す。今はまだ、自分の視覚で行動しているがな。

プリス:……ドール・サイト? この状況で何を……。

ロイド:あー、やっぱ使うんね、それ。良いね、乗ってやろうじゃねぇか。

アルト:済まんな、頼むぞ。

GM:……買い出し中に何か相談してましたね?

アルト:発案はロイドだがな。……さて、それではこの人形とあと一体の藁人形を―――そうだな、プリスに預ける。

プリス:え? いや、預けられても……。

アルト:このメンツで一番ロイドに早く合流する可能性が高いのは貴様だ。ロイドの所まで行ってくれれば、使い方は分かる。
 

※ちなみに。
 この作戦は物凄く重大な欠点が一つあったのですが、シナリオ終了以降まで全員気付かなかったのでそのままスルーされています。
 GMもキャンペーン中に何度かやったミスですが、ルール運用に厳しい方はどうか寛大な目で見て下さい。基本的に、巻き戻し適用をしないサークルです。
 
 そのミスについては後述をば。
 重ねて言います。ご容赦ください。
 とりあえず戦犯のロイドとアルト、土下座。
 ……ルールブックの数が一個足りなくて、簡易魔法表とか作ってたのが敗因ですね。
 今度サークル内で金徴収して基本ルルブを人数分揃えるのを提唱しよう、そうしよう。

 

プリス:……とりあえず了解。何か策があるんだね?

アルト:まだ仕込みだがな。さて、こちらは全員の行動が終わったぞ。そちらは?

GM:はい、全員が堀に辿り着きました。次のラウンドの行動で堀を越えるか、援護射撃かですね。また、皆さんから100m程の地点に、第二波が登場です。今度は30人ほどのオーガの群れ。

プリス:……壮観だね。全部オーガじゃないか。レッサーは居ないの?

GM:レッサーは頭が悪く、作戦に関して致命的なミスをする可能性があったので連れて来ていないという事情があったりします。レッサーが居れば数と戦力は増えたでしょうが、隠密性優先でしたし。子爵軍を装うのに、300人とかの人数は不要どころか余分だったというのもあります。

プリス:精鋭軍か。ま、オーガと言うと人族なら正騎士クラスの実力者だしね。さしずめ一般的な国の騎士団員が100人級か。

アルト:まぁ……とりあえず、相手が強かろうとここで死んでやる気は無い。

イヴ:いかにも! 最後に勝つのは――――勇気ある者だァァァァァァァァァァ!!(一同笑)

クリストフ:自重しろ勇者王。(一同笑)
 

▽ラウンド3▽
 

イヴ:さーて、それじゃ射程圏! ―――泣き喚け蛮族。今宵、貴様らに神は無い!

プリス:いや、神官が否定しないでよ、神様を。(一同笑)

アルト:それはそうと、どうする? 出来れば私の行動は最後に回して貰いたいのだが。

クリストフ:あ、じゃあ俺から。掘った穴に入れたグレネードの上に土かぶせました。以上。(一同笑)

プリス:お疲れ。……そうだね、僕から行こう。塀の隙間、銃眼から狙いを付けてショットガンバレットをばら撒く。とはいえ、半径3m範囲だから、巻き込めるのは3体だね。それでもまぁ、削れる分は削っておくか。(ダイスを振る)……うし、命中は弱点込み24と25。ダメージは17が2回だね。

イヴ:そこで弱った所に、フレイムバースト! ―――燃えて尽きろ!(ダイスを振る)うし、達成値は20だけど抵抗は抜いてるよね。ダメージは可愛らしく23点どかーん!(一同笑)

クリストフ:……可愛くねぇー(笑)。

GM:…それでオーガが3体倒れましたね。生死判定は―――(ダイスを振る)3体とも成功。健在です。

イヴ:チッ、足止めにはなるけど、起こされて回復されたら狐ごっこね。

遠くのロイド:いや、イタチなそこは。(一同笑)

遠くのシルフィ:ちぇえええええええええええええええええええええええええええん! と、叫ぶのが狐ごっこです。(一同爆笑)

アルト:自重しろ九尾。(一同笑)
 

・ちぇええええええええええええええええええええええええええええええん。東方二次創作系ネタ。
・九尾の狐の妖怪である八雲藍が自分の式である橙(ちぇん)を溺愛し、愛を込めてその名を呼ぶとこんな感じになるらしい。二次界隈では結構定説?
・さぁ、皆さんご一緒に。ちぇえええええええええええええええええええええええええええええん!

 

アルト:ふむ、倒しただけでは起こされる。―――ならば、これならどうだ? ……GM、突撃して来ているオーガ20体を全員巻き込んで魔法を撃つぞ。

GM:はぁ!? む、無茶苦茶しますね……一撃で倒せなかったら無意味じゃないですか?

アルト:一撃で倒すのさ。まぁ、倒れるのは6ラウンド後だがな。『ペトロクラウド』―――4倍拡大!

GM:ふぎゃー!!?(一同爆笑)
 

・ペトロクラウド。10Lv操霊魔法。かけた相手を6ラウンド後に『永続的に』石化させる魔法。
・石化する前に術者を倒すか、石化や呪い属性解除の魔法・アイテムなどを使えば石化は解ける。逆説、そうしないとずっと石化している。
・効果の発現が遅いが、確かに『足止め』としては神の一手かもしれない。

 

プリス:あー、なるほど。良いねそれ、敵が塀と堀で手こずってる間に屋敷に逃げ込めば、1分後には石像が出来まくってるわけだ。

遠くのロイド:一応、ある程度以上の神聖魔法使いが居た場合、キュア・ストーンなどで無力化される危険はある。だがキュア・ストーンは対象が『接触』の魔法。拡大は出来んから、術者は一人一人触って治療しないといけない。

アルト:そう言う事だ。最低限1分稼げばこの場での足は止まる。(ダイスを振る)……良し、魔晶石から10点引き出して、残りは自前で消費して22点。大魔法だが、達成値は24だ。抵抗してみろ!

GM:出来ませんて! では、敵第一陣はこの1分後に石化が決定したわけですね。戸惑ったような声や怒りの声、悲鳴などがオーガ語で叫ばれますが、後ろから飛んだ声は前進を命じています。

アルト:……理解出来るのは私だけか。チッ、怯んでくれれば楽だったのだが、奴らやる気だぞ。

プリス:アルト君に魔法の集中砲火が来る可能性は?

アルト:そうしてくれれば重畳だな。なんにせよ、敵の動きを一手遅らせる事が出来るのには変わりは無い。この状況、10秒の時間はとてつもなくでかい。

プリス:同感だけど、生きてられそう?

アルト:然程問題はあるまい。今ならダメージを5点軽減する上に、オーガの魔法ならばピンゾロ以外で抵抗だからな。イヴとプリスが倒した分を除くと17体、全員でリープスラッシュを放ったとしてもダメージは抵抗すれば期待値で2点だ。余程運が悪くない限り倒れはせん。

GM:ですよねー。ではこっちは、10体が堀を越える作業に入ります。で、残り7体は塀に攻撃!

遠くのロイド:お、その手があったか。

プリス:まぁ、こっちの取れる手番が一手少なくなるだけで、次のラウンドから逃げれば良いんだけどね。

GM:ええ! というわけで、リープスラッシュ三連射! 塀よブチ壊れろ!(ダイスを振る)……えーと、構造物なんで魔法ダメージが半減された結果、6,7、7、6、9、7……6体目の魔法で壊れたか。塀がこれで破壊されて、その部分に穴が空きました。

プリス:さて、仕方ない。ここは逃げよう、諸君。これ以上の抗戦は無謀だしね。

クリストフ:OK、それじゃ―――
 

▽ラウンド4▽
 

クリストフ:―――逃げろぉ!

イヴ・アルト・プリス:(やけに楽しそうに)いやっほぉう!!(一同爆笑)

遠くのロイド:……楽しそうに逃げ出したな(笑)。

プリス:あ、ついでに補助動作で足元にさっき作った電磁手榴弾落として行く。あばよーとっつぁーん、って奴だね。

GM:では、ここで一旦場面を切り替えましょうか。……うーん、予想外にやられたなぁ。石化は……皆に追いつく頃には石になってるだろうし。スタン・グレネードの効果は敏捷度を一時的に-12する事……。

プリス:お、予想外に良い感じだった?

GM:そですね、10体くらいやられたらって所までの猶予時間のパターンは作ってたんですけど、最前衛20体が全員無力化されるのは正直想定外でした。……と、いうわけで猶予時間はGMの想定よりも多めです。戦闘以外の面での初手での対応もほぼベストでしたしね。

遠くのロイド:……となると、一手分程度の余裕は生まれるか? ……さて、ここから何人生き残れるか。

アルト:……不吉な事を言ってくれるな、おい。

遠くのロイド:いや、このメンツは普通に生き汚いから大丈夫な気もするし。兵の話な、今のは。

プリス:確かにね。シオンやアルミナと言う看板だけあっても、戦力となる騎士や兵、傭兵が削られ過ぎたら不味いよ。

遠くのロイド:……一応撹乱用の策はあるんだが、使えりゃ良いがね。

GM:(……ほほう)
 

 GM側も展開は色々考えていましたが、PL側からアプローチがあるならば、そしてそれに説得力があるならば採用するのが竜鳴艦式。
 内心何が来るのかニヤニヤしながら、GMは状況を動かします。
 即ち、プリス達が稼いだ時間を使って行動を起こすべき―――ロイドの場面です。
 
◆我に策アリ◆

 

GM:と、いうわけでロイドさん。先の準竜騎士が出て行って程無くして、シオンと話していた所にものっそい勢いで兵士が数人駆け込んできました。かくかくしかじか―――まぁ、事情の細かい説明は先のシーンで知ってるでしょうし省きますね。オーガの軍団が襲撃して来た、という旨です。また、傭兵の一人によってプリスさん達が足止めしてる事と、すぐに合流する旨も伝えられます。

ロイド:……まず、シオンの対応は?

GM/シオン:「―――来たか。慌てるな、正面にそれだけの戦力が来たなら他はまだ薄い筈。恐らく、先の準竜騎士の足取りを追って来たんだろう。飛んでると目立つしね」 と、最後で軽く肩を竦めて、兵士達に脱出の指示を行います。 「馬車、軍馬の用意は出来ている。後は全員がそれに分乗して逃げるだけさ」

ロイド:準備の良いこって。……しかし逃げ切れるか?

GM/シオン:「―――」 し、と人差し指をロイドさんだけに見えるように立てます。 「皆、迅速に行動してくれ。それと、ヴェルナーとアルミナにも伝令を―――あ、もう行ってるのか? 良い判断だ」 などと、シオンは先に一通り兵士に指示を出しますね。

ロイド:……成程。失言だったようだな、黙って見てる。

シルフィ:……失言?

遠くのプリス:上に立つ者は泰然としてるのも仕事。弱気を見せたら駄目って事さ、シルフィ。他ならないロイドがブルデ戦の時に言ってたよ。

シルフィ:あ、なるほど。兵士たちに対しては『大丈夫だ』っていうパフォーマンスが必要って事ですね。だから、『逃げ切れるか?』という質問をこの場はシャットダウンしたと――――ってそれ、内心ではちょっとヤバいんじゃないかって思ってるって証左ですよね?

GM/シオン:ええ。一通り兵士に指示を出して、この場がシオンとラムゼイと貴方達だけになってから、シオンは今のシルフィさんの感想を裏付けるように、苦い笑みを浮かべます。 「―――想定の範囲内。ただし、最悪の部類……とでも言う所かね、これは」

ロイド:予想の中にはあったが、当たって欲しくない予想だったって所か。

GM/シオン:「概ね正解。攻めて来られた場合、早めに察知して全力で逃げるってのがこっちの作戦だったんだけど、それが察知できなかったってパターンだね。……原因は準竜騎士。見張りが多分、本国からの伝令と聞いて緩んだね」

ロイド:そこにタイミング悪く、敵が押し寄せてきたと。―――なるほど、してやられたってワケだ。

GM/シオン:「いや全く。機先を制された、か。参ったね、こりゃどうも。元より真っ向勝負じゃこっちに勝機は無い。オーガとタイマンで勝てるのは正騎士クラスの腕は必要だからね。それが最低60体、こちらは油断を突かれて奇襲を食らっている。………状況としては最悪の部類だ」

ロイド:こちらの戦力は? 昨日からこっち、抜けだしてきた兵や騎士が合流しただろ。それも合わせて。

GM/シオン:「腕利きの傭兵が30人少々、騎士かもしくはそれに準ずる腕前の持ち主が10人少々、残りは正規の訓練を受けた正規兵が30人少々って所か。合計80人程度。後は俺とラムゼイとヴェルナー、アルミナ、そして君達」

ロイド:……勝ち目はあるが、この状況は最悪だな。一旦逃げて立て直す必要があって、その準備も出来てて、馬や馬車があるなら機動力はこっちが上――――。

GM:あ、そこら辺でプリスさん達も駆け込んできてくれて良いですよ。

プリス:OK、じゃあ飛び込もう。ロイド、シルフィ! ……情報は聞いたみたいだね?

アルト:時間は無いぞ、戦術担当。ここからどうする?

ロイド:シオンと相談して、脱出は決定した。現在、全員に脱出を通達している。脱出の準備自体は出来てるらしいから、後は時間との勝負だが……。

GM:上手く逃げ切れればいいですね?(笑)

イヴ:……絶対何かあるわよね、その言い方だと(笑)。

シルフィ:けど、現状はジリ貧ですよ。仕切り直さないと、このままじゃ……!」

プリス:立て直せるの!? ここまで崩れた、この状況から!?

ロイド:その前に状況確認だな。アルミナとヴェルナーはどうなってるのか……。

GM:あぁ、アルミナとヴェルナーには先のシーンでプリスさんが伝令走らせてましたからね。脱出用の馬車や馬の所に一足先に移動中です。

クリストフ:うし、そっちは一先ずOKって事で。

シルフィ:じゃあ私達も、急いで脱出しましょう!

GM/シオン:「―――そうだね。可能な限りの手段は取った筈だ。これで俺達が脱出し損ねたとか言ったら、笑い話にもならない」

ロイド:アルミナとヴェルナーだけ残っても、正直困るだろうしな。戦術家が居ねぇよ、俺か――――そうだな、シオン。お前でも良いか。

GM/シオン:「ははっ、そう言われてもね。俺は元来、文官志望なんだけど」

ロイド:同じ頭脳労働系なら軍師になれよ。お前の今回の事件に対する対応は、ほぼ最上だ。少なくとも戦略眼なら俺より上。不穏な状況に気付きいち早く離脱し、戦力を整えつつ本国に情報を伝達。その後のこの奇襲は、まぁ運とタイミングが悪かったか。

GM/シオン:「持ち上げてくれるね、全く。……まぁ確かに、ヴェルナーは典型的なデュボールの騎士。個人の武勇は高いが、指揮能力は並だ。―――俺としては前線指揮は君に任せたいんだけどね? ブルデ戦の英雄、“黒獅子”ロイド・クラリクロイツ」

ロイド:そっちこそ、偉く持ち上げてくれるじゃねぇか。そこまでの器じゃねーよ、俺ァ。

プリス:はいはい、その話は脱出してから。……脱出っていうけど、手筈は?

GM:遺跡を利用した地下通路ですね。それなりの広さを確保しており、馬車もどうにか通行出来る大きさです。正確には、魔動機文明期にドゥームなどを製造していたと思しき工場の上にこの屋敷が立てられた……と言った方が正しいでしょうか。

シルフィ:あ、なるほど。その工場の搬入・搬出用の通路を改造して、非常用の脱出経路に使ってるんですね。

GM/シオン:ですね。シオンの祖父が整備した仕掛けだそうで、それがシオンがこの屋敷を潜伏場所に選んだ理由だったりします。 「まぁ、じい様はこう言うのが趣味だったからね。俺に嬉しそうに教えてくれてたよ」

ロイド:良い脱出路だな。準備完了だったって事は、そこに繋がる場所に既に馬車や馬を待機させていた、と。

GM/シオン:です。既に順繰りに脱出が始まっている頃ですね。 「こっちだ、ついて来てくれ」 と、シオンは貴方達をそっちに案内して来ます。同時に、屋敷の正面の方から破壊音が聞こえて来たり。

ロイド:本格的に侵攻を開始されたか。とはいえ、大分遅らせられた―――んだよな?

GM:ですね、GMの想定よりは随分遅いです。その努力の結果は、被害人数をGMの想定より減らすと言う事でご容赦を。

シルフィ:あ、GMGM。移動しながら魔香水でアルトさんとイヴさんのMPを回復しておきます! 何があるか分かりませんし、特にアルトさんは大分消耗してます。

アルト:あ、それは本気で助かる。

GM:はい、OKです。やっちゃってくださいな。

シルフィ:よっし! じゃあアルトさん、30点MPを回復させてください! イヴさんは10点!

GM:って、うわ。凄い治りますね、魔香水。

シルフィ:知力ボーナス依存ですからね。私が使うとレンジャーレベルの差があっても、ネリネと変わらないくらい治ります。

ロイド:よし、この場のメンバーはこれで立て直したな。

アルト:まぁな。……さて、脱出と行こう。

GM/ラムゼイ:はい。では、 「こっちだ、ついて来な」 と、ラムゼイが先導する形で館の中を移動していき、館の奥の方に向かいますと、とある扉の横に完全武装の騎士が一人立っています。貴方達と、主にシオンを見ると敬礼しますね。

ロイド:ヴェルナーか?

GM/シオン:いえ、別人ですね。どうやらここが抜け道がある部屋のようで、シオンはその騎士に声をかけます。 「お疲れさん。避難状況はどうだい?」

GM/騎士:「はっ! 恐らく生存者は全て脱出路に入ったと思われます。アルミナ様、ヴェルナー様も既に」

GM/シオン:「……人数はどれくらいだい?」

GM/騎士:「正確には分かりませんが……70人少々かと」

ロイド:……これ、GMの想定より多いのか?

GM:ですね。当初の予定だと40〜60+1D6人って感じの予定でしたけど、今回は70+1D6人生存で。っていうか奇襲かけて死亡者10名未満なんだから、蛮族側からすれば完全に『してやられた』レベルですよこれ。

アルト:……数人はやられたか。

プリス:戦争やってるんだ、人は死ぬよ。……むしろ、ブルデで兵士やってた身から言わせて貰えば、戦力で上の相手に奇襲受けてこの犠牲で済んでるのは奇跡的だよ。

GM/シオン:ですね。……で、シオンが 「……仕方ない。それじゃ俺達も脱出しようか」 と、脱出路がある部屋に入ろうとするんですが―――その時。

クリストフ:なんだ、何が起きる!?

GM/騎士:はい。立っていたモブ騎士のすぐ横の壁が、木っ端微塵に砕けます。そこに立っていたのは強靭な肉体を持ち、巨大で無骨な剣を手にしたオーガの戦士種――――オーガバーサーカーです。 「……な……ッ!」 と、咄嗟に動こうとする騎士ですが、その脳天から股間までをそのオーガバーサーカーの剣が両断し、騎士はその場に倒れますね。

ロイド:……っオーガバーサーカー!? 槍を抜き放つ!

GM/シオン:「……チッ、裏口から回って来たのか!? それにしたって壁を壊してショートカットとは……あーあー、やってくれちゃってまぁ!」 と、シオンも腰の剣を引き抜きますね。

クリストフ:……GM、状況は?

GM:あ、はい。そのオーガバーサーカーが破壊した壁の向こうに、三体ほどのオーガの姿が見えます。どうやらシオンの言う通り裏口から侵入した、正面から来た敵とは別の別動隊のようですが、手分けしてこっちの兵を探していたらしく、それ以外の敵はまだ見えませんね。

ロイド:……行け、シオン、ラムゼイ! 先行って兵と合流しろ!

GM/シオン:「おいおい、君達はどうするんだ!?」

イヴ:撤退の援護は任せろー、バリバリ。(一同爆笑)

シルフィ:やめて!?(爆笑)

ロイド:……あー、まぁこんな感じだ。とりあえず、ある程度食い止めたら、或いはこいつらを片付けたら俺達も後を追う!

プリス:脱出路の先に敵がいる可能性は?

ロイド:……あー、無いわけじゃないな。シオンの兄も向こうについてる可能性があるわけだし。

アルト:ならば―――そうだな、何が起きても状況に対応出来る貴様は先に行け、ロイド。

ロイド:……了解。お嬢、プリス。俺達は先行組だ。

GM:(……ありゃ、脱出優先ですか。そっちのボスも一応設定してるから、数を調整した上でロイドさん達はそっちルートですかね)

ロイド:それと……そうだな、ラムゼイ。馬に関してだが、俺らが鹵獲して来た分多少は余ってるだろう? その分集めて、脱出路のこっちに近い位置で待機させておく。プリスかお嬢が居れば、一つ仕掛けが出来る筈だ。

アルト:残る私達の脱出用か? 乗って行く為の。

ロイド:それもあるけど、別の策もある。俺らの人数分より多ければそれに越した事は無い。

GM/ラムゼイ:「……分かった、何か考えがあるんだな?」 と、ラムゼイは頷きます。

ロイド:ああ、策はある。問題はそれを為すだけの時間が稼げるか……。

アルト:私の策に関しては、まぁ貴様に任せる。可能な距離を測り損ねるなよ。

ロイド:了解。まぁ、上手くやるさ。

プリス:むむむ、何か企んでる予感……。

クリストフ:まぁ、そこらは任せるよ。俺の仕事は―――うん、オーガバーサーカーとか非常に良いね。手柄首だ。手柄首だろ、アンタ。

ロイド:……え?(笑)

クリストフ:にやぁ、と笑みを浮かべて腰の太刀を引き抜く。 ―――首置いてけ。その首、俺が貰い受ける。

ロイド:……うわぁ。(一同笑)

イヴ:(朗らかに)あっはっはー、あかんわー、スイッチ入ってるわー。

プリス:……あー、忘れたい記憶。クリストフ、首狩りモード。(一同笑)

ロイド:コイツこーゆー危険人物だったの!?(一同爆笑)

プリス:(目を逸らしながら)……強いのは保証するよ、強いのは。お家再興が関わるとこうなるけど。(一同笑)

アルト:……前の街とかで大人しかったのは、直接そっちに関わらない相手だったからか(笑)。

GM:えーと、それじゃあシルフィさんとプリスさんとロイドさんが、シオンとラムゼイを伴って撤退ですか。残るのはアルトさんとイヴさんと首置いてけ。(一同爆笑)

クリストフ:あれ、俺の名前!?(笑)

ロイド:……さて、敵の数を考えると、これで終わりとは思えんな。次々来る筈だから、脱出のタイミングを見極めんと……。

GM:(そりゃまぁ、これだけで終わるのも……ねぇ?)
 

◇VSオーガ軍その2◇
 
 と、いうわけで。
 増援前提の今回のボス戦です。弱点はオーガバーサーカー、オーガ共にアルトが抜く事に成功。
 粘れば粘るだけ経験値を稼げる上に後を楽に出来るかもしれませんが、その分脱出が厳しい状況になって行くでしょう。
 
 PL側はシルフィ、プリス、ロイドが撤退準備をするラムゼイや撤退に入っているシオンに同行。どうやら、逃げ重視の思考で動くようです。
 ……約一名、首狩りに狂的な熱意を出している人もいますが。
 そして先手を取ったのは妖怪「首置いてけ」もとい、クリストフ。
 

▽ラウンド1▽
 

クリストフ:とりあえず、俺はオーガバーサーカーに突っ込む。雑魚は任せるよ。

イヴ:ああ、うん。そこに割り込むと怖いから、そっちは任せる。(一同笑)

アルト:長期戦の可能性もあるしな。まず、私は全員にプロテを張る。(ダイスを振る)……よし、全員ダメージ減少+3と。ついでに、クリストフにバーク・メイルをAでかけておく。

イヴ:じゃ、私はフィールドプロテIIで。これでこの場に残る面々は合計5点のダメージ減少が付いたわけね。それじゃ、ここらで剣を手にロイド達に叫びましょ。 ――――退路は自分達が守る!

アルト:―――行けッ!! と、こちらも杖をロイドに投げ渡し、ロングソードとタワーシールド装備で叫ぼう。

ロイド:……っ任せる! シオン、隠し通路はどこだ!?

GM/シオン:「こっちだ! この下にある!」 と、シオンが先導して走り出します。その部屋の壁に隠し通路が開いていて、階段で下に行くようです。

プリス:イヴ、クリストフ、アルト君! 絶対に追いついて来てよ!? 言いざま、ダッシュで先行するよ。道行きの障害は排除しておくからね!

シルフィ:先行します……御武運を! プリスさんに続きます!

ロイド:――――ちらりと、アルト達に目をやる。

アルト:中指立ててそれに答えるぞ。(一同笑)

イヴ:カッコ良いポーズ!(一同爆笑)

クリストフ:首置いてけぇぇぇぇぇ!!(一同爆笑)

ロイド:どいつもこいつも……こりゃこんな所で大人しく死ぬタマじゃねーわな! 急ぐぞ、シオン。時間との勝負だ!

GM:はいはい、それではアルトさん、イヴさん、クリストフさんの三名を除いて全員が脱出ですね。脱出路はイヴさん、アルトさん、クリストフさんの後方5mの位置にあると裁定します。それと、オーガバーサーカーまでの距離は10m。オーガはそこから更に5mですね。とりあえず、他の皆さんはさて置いて、こっちはこっちで進めましょう。

クリストフ:行動残ってるのは俺だけだな。通常移動ダッシュで踏み込んで、『ガゼルフット』と『キャッツアイ』! 更に『クリティカルレイ』をAでかけてオーガバーサーカーに≪必殺攻撃≫で斬りかかる!(ダイスを振る)命中24、ダメージは……(ダイスを振る)出目7が補正されて9。クリティカル!

GM:いきなり!?

クリストフ:(ダイスを振る)合計39点ダメージ!

GM:うげ、痛いオープニングヒット。しかし≪必殺攻撃≫を使ったのは失策ですよ! ≪全力攻撃≫と≪連続攻撃II≫が乗った反撃です。命中は22!

クリストフ:(ダイスを振る)出目5、指輪割って達成値22。同値回避。(一同笑)

GM:……あれー?(笑)

脱出中ロイド:うわ、こいつ≪必殺攻撃≫使っても出目7で避ける上に、三つも装備してる指輪のお陰で回避率が酷い事になってやがる!?(笑)

クリストフ:他愛無いっ! ギリギリの見切りで一撃を避けるぞ!

GM:……オーガはどうしよっかなぁ。ここに踏みこむの嫌だけど、踏み込まないと奥を狙えないんだよなぁ(笑)。

イヴ:来る? それとも、クリストフを狙う?

GM:うーん、ダイスで決めます。(ダイスを振る)……ふむ、オーガ3体は短く相談した結果、オーガバーサーカーとクリストフさんのエンゲージを抜けて奥を狙いたいようです。と言うわけで、Aが乱戦エリアに踏みこんでクリストフさんに攻撃。命中17!

クリストフ:(ダイスを振る)ひょーい。

GM:ですよねー! でもこれでクリストフさんの受け持ちが埋まったんで、BとCは通常移動で乱戦エリアを突破し、後衛二人に攻撃を仕掛けます!(ダイスを振る)アルトさんとイヴさんに一発ずつ! 命中17!

イヴ:(ダイスを振る)出目3、回避は11じゃァ! ばっちこーい!

アルト:私も直撃。まぁ、元々避けるキャラじゃないからな。

GM:ではダメージ、イヴさんに20点、アルトさんに17点です!

アルト:弾いた!(一同爆笑)

GM:この装甲お化け!(一同爆笑)

イヴ:非金属鎧なのに自分より硬い!(笑) 自分は6点ほど喰らっておきます。

GM:くぅ、倒せねぇ。でも良いんです、足止めになるから。あ、第二ラウンドの頭に、奥に2体のオーガが登場します。オーガDとオーガEですな。

脱出中シルフィ:増えたーっ!!?(一同笑)
 

▽ラウンド2▽
 

アルト:……イヴ、まず近くの奴らから片付けるぞ。こいつらに纏わりつかれたままでは、脱出も儘ならん。

イヴ:あいさっ! じゃあ、クリストフ達と自分らの中間点を狙って、魔晶石潰して『フレイム・バースト』。これで新たに出現した2体を除く敵を全員巻き込める!(ダイスを振る)達成値20……しょぼっ。

GM:あ、オーガバーサーカー抵抗! 抵抗しましたー!!

イヴ:ちっ、ここで時間はかけられないわね。指輪砕いて達成値を22にする! ダメージは……(ダイスを振る)オーガバーサーカーにダメージ、弱点込み22点! オーガAに22点、オーガBに26点、オーガCに36点どかーん!!

GM:え、なにそれこわい。(一同笑)

アルト:最後のダメージでクリティカルしたのが大きいな。私は同じく、オーガABCとバーサーカーを巻き込む位置を基点にして魔晶石を潰しつつ『アシッドクラウド』だ。補助動作でイヴにAランクで『バークメイル』もかけて……(ダイスを振る)達成値21で全員の抵抗を抜いたな。ダメージはオーガバーサーカーに弱点込みで23点、オーガABCにそれぞれ16点、22点、17点と。

GM:あ、それでアルトさん達に接近していたオーガBとCが死んだ!? クリストフさんとオーガバーサーカーの乱戦エリアに居るAはまだ生きてるけど……。

クリストフ:まぁとりあえず、オーガバーサーカーの首狙いで≪必殺攻撃≫も乗せて刀を叩き込もう。(ダイスを振る)命中低っ! 20だけど当たるか!?

GM:あー、オーガバーサーカー自体回避キャラじゃないですからね。≪全力攻撃≫すら使ってるし、直撃してますよ。

クリストフ:あ、出目3でも当たるのか。ダメージは……(ダイスを振る)ちっ、そう毎回は回らんか。ダメージ27点!

GM:ぐあ、もう首の皮一枚しか残ってねぇ!?

遠くのロイド:……なんだ、欠片補正無しか。バルトロよりは格下だな。

GM:何気にバルトロ、片言ですけど交易共通語喋れたりして、欠片補正以上に微妙に普通のオーガバーサーカーじゃなかったんですけどね。

アルト:それにまぁ、クリストフの相性の問題もあるのだろうが―――バルトロほどの武威は感じんな。

遠くのプリス:まぁ、あの時に比べて成長したってことでしょ。

遠くのロイド:それに例えデータ的にほぼ互角だろうが、バルトロ程の武人とただのオーガバーサーカーじゃ比べ物にならねーよ。

遠くのプリス:……君ら何気にバルトロへの評価高いよね(笑)。

GM:くっ、このオーガバーサーカーだってやれば出来ます! クリストフさんに≪全力攻撃≫乗せて反撃!

クリストフ:(ダイスを振る)出目7、回避。(一同笑)

GM:ギニャァァァァァ!!(一同笑)

遠くのロイド:……回避力の高いクリストフ相手は、オーガバーサーカーじゃ相性悪かろうて(笑)。

GM:くっ、まだまだ。オーガADEはクリストフさんに狙いを絞って集中砲火をかけます! DEはリープスラッシュ、Aはブラスト!! 達成値は15が3回です!

クリストフ:(ダイスを振る)ふっ、幾ら俺でもその達成値なら―――(ダイスを振る)あかん、出目3で一回抵抗失敗した。(一同笑)

イヴ:しかもよりによってブラストの抵抗失敗してるし…(笑)。
 

 ※どう考えてもミス。
 クリストフの精神力抵抗は13なので、ピンゾロ以外に失敗は有り得ません。
 計算ミスでうっかり抵抗失敗するクリストフ。そして―――

 

GM:ダメージは15点と、11と13が各々が半減で6点と7点ですね。

クリストフ:5点減らして10点と1点と2点か……やっば、オーガでも数が揃うと馬鹿にならんね。

GM:うるせぇまだ70点以上残ってるくせに。(一同笑)
 

▽ラウンド3▽
 

GM:さて、では第三ラウンドです。ここでオーガバーサーカーの奥、増援ポイントに、豪奢な装飾を纏ったオーガがやってきます。

遠くのロイド:……豪奢、な……?

遠くのプリス:……うわぁ。

クリストフ:…分かったのか? 何だありゃ、手柄首か?(一同笑)

遠くのロイド:あー……まぁ、手柄首なのは間違いねぇが(笑)。
 

 脱出組の約二名、特徴を聞いただけでどの敵かおおよそ看破した模様です。
 流石と言えば流石ですが、脱出中につきその知識は役に立たず。
 一方、アルトは焦らず騒がずセージ技能判定。
 弱点は抜けませんでしたが、正体は判明します。

 

GM:では、アルトさんは分かりますね。Lv13蛮族、オーガウォーロードです。

アルト:(悲鳴)ウォーロード!?

イヴ:あ、なんか名前聞いた事ある。

GM/ウォーロード:言ってしまえば、オーガの最高種……一種の王ですね。 「……何を手こずっている。敵はこの先に逃げたのだろうが!」 と、オーガ語で部下を叱咤しているのが耳に入ります。アルトさんなら分かりますよね。

ロイド/いきなりオーガE:「し、しかし強力な人族が数名足止めに残っており……!」(一同笑)

GM/ウォーロード:その言葉を聞き、バーサーカーと切り結んでいるクリストフさんを見たウォーロードは感嘆の声を上げます。 「……ほう、見事也。我が軍の精鋭と互角以上に切り結ぶか」

アルト:クリストフ、クリストフ。褒められてるぞ。

クリストフ:へぇ、そいつはありがたい。……で、アルト。あの偉そうなオーガは何だ? 手柄首か?(一同笑)

アルト:……まぁ、手柄首なのは保証する。オーガウォーロード……オーガの王だ。とんだ大物だな、格で言えばドレイクバイカウントであるアウグストにも全く劣らん。

GM/ウォーロード:「……アウグスト? 何故ここでその名が出る」 と、アルトさんの声を聞き、会話を交易共通語に切り替えて聞いて来ます。 「貴様ら、ブルデ戦に参加していた傭兵か?」

アルト:あぁ、訂正を。傭兵ではないし、この場に居る中ではブルデ戦に参加していたのは私だけだ。―――逆に聞くが、貴様こそ何故アウグストと聞いて即座にブルデ戦が出る?

GM/ウォーロード:「傭兵ではない……冒険者か。何、我の場合はそう難しい理屈も無い。……我が主君や不肖の同僚があの戦に一枚二枚噛んでおったと言うだけだ」 言ってから、ウォーロードはにやりと笑います。 「なるほど。そう言えば貴様の出で立ちは噂に聞く、ある冒険者と共通点が多い。……戦士と見紛うほどの重武装の魔術師。あの戦いでアウグストを討った“黒獅子”の副将とは貴様か」

アルト:誰が副将だ。奴が主で私が従だろう、その言い方だと。それは些か納得いかんぞ?

GM/ウォーロード:「くくっ……それは失礼した。操霊術師、アルト・ディオスクロイツで相違無いな?」

アルト:いかにも。―――向日葵兵団所属、重装魔術師。アルト・ディオスクロイツだ。貴様の所属もある程度の予想が付いたがな。

イヴ:……ええ、自分にも分かって来たわ。

GM/ウォーロード:「ふっ。まぁ、隠すつもりも無い。……名乗るぞ、向日葵兵団ッ! スカーレットテーブル・第九位。ディクセン・グランガイツ・“鋼将-アイゼン-”だ!」

イヴ:……す、スカーレットテーブル!?(一同笑)

アルト:え、貴様分かってたんじゃなかったのか!?(笑)

イヴ:(完全に素で)………て、てっきりシオンの兄かと思うとったんですけど。(一同大爆笑)

アルト:オーガウォーロードには変身能力は無いから人族になりすます事は不可能だッ!(爆笑)

遠くのロイド:っていうかそれは所属じゃねぇ!(一同爆笑)

イヴ:……だ、誰もが見落とす心理的罠ね。まさかスカーレットテーブルの輩だったなんて……。

アルト:貴様以外誰も見落としとらんわ!(一同笑)

イヴ:……ま、まぁ良いわ。向日葵兵団じゃないけど、私も居るわよ! 居るわよ!(一同笑)

遠くのシルフィ:自己アピールしてる!!(笑)

GM/ディクセン:「―――ふん。向日葵兵団に同行中の冒険者というところか。なるほど、雑魚ではあるまい」

イヴ:お、褒められた!

GM/ディクセン:「しかし、貴様ら三人でこの状況をどうにか出来るとでも? ……前門から60、裏口から40。我が精鋭部隊は続々とここに集まって来るぞ」

アルト:――――なるほど、その数ならば抜け道は張られていないな。

イヴ:……まぁ、そりゃそーだろうけど。

遠くのロイド:……ここで放棄だな。基本作戦に変更無し、アルト頼む。

アルト:心得た。稼げるだけ私が稼ぐ。イヴ、クリストフ。このラウンドか次のラウンドで離脱しろ。

イヴ:……って、アルトは?

アルト:私は脱出の策がある。プリスに仕掛けを渡し、ロイドの奴に頼んであるから大丈夫だろう。

クリストフ:まぁ、とりあえず目の前のオーガバーサーカーくらいは倒したいわな。ちょい待ってくれ。

アルト:まぁ、今ラウンド中にはそれはどうにかなるか。とりあえず、脱出の下準備だ。3m前進して自分にバーク・メイルをSでかけつつ、10点魔晶石を潰してクリストフに『ヘイスト』だ。

クリストフ:あ、これは助かる。

イヴ:で、自分は3m下がりつつ……アルトに『セイクリッド・シールド』! これでかけれるだけの防御魔法はかけたわよ、アルト! 後はどうにか生還しなさいな。出来るんでしょ!?

アルト:無論だ。私を誰だと思っている!

イヴ:OK、じゃあその言葉を信じて、私は次のラウンドから逃走開始するから。クリストフ、目の前どーにかなさい!

クリストフ:了解! じゃあ、『クリティカルレイ』に≪必殺攻撃≫を乗せて……(ダイスを振る)当たってダメージが……(ダイスを振る)おし、回って……(ダイスを振る)お、また回った。ダメージは合計51点だ!!

GM:死ぬわッ! HPは残り3だっちゅーねん!!(一同笑)

遠くのプリス:いや、念を入れて殺しに行ったのは正解だよ。倒すだけじゃ、私らが逃げた後に復活させられる公算が高い。息の根は、可能な限り止めたいね。

クリストフ:そう言う事だ! GM、生きてる?

GM:いえ、めっさ死んでます。HPが-35とか言ってます。生死判定に失敗、首を斬り飛ばされました!!

クリストフ:よっしゃ、刀を片手に持ち換えて、首を掴む!!(一同爆笑)

GM:持ってくの!?(爆笑)

遠くのロイド:そんな土産はいらねぇ!!(爆笑)

クリストフ:次のラウンドから全力離脱だな。あ、ヘイストの追加行動は発生してない。

アルト:まぁ、仕方あるまい。要は逃走速度の為の物だ。貴様は1ラウンドは絡まれるのが決定してるしな。

GM:んで、こっちの番ですな。ディクセンはアルトさんを狙いに行くつもりですから……そですね、部下のオーガDにクリストフさんの所に突っ込むように指示を出します。それで、クリストフさんの受け持ち数が埋まった所でアルトさんに突撃≪魔力撃≫!

クリストフ:このッ……! アルト、抜けたぞ!

アルト:仔細無い。想定の範囲内だ。

GM:とりあえず、Dの攻撃は達成値17。ディクセンの一撃は24です!

アルト:(ダイスを振る)回避4。(一同爆笑)

遠くのシルフィ:相変わらず避ける気ありませんね……(笑)。

GM:じゃ、ダメージはほぼ最高値の40点ドカーン吹き飛べヒャッホー!(一同笑)

クリストフ:こっちはDの攻撃なら避けた。そんなトラックの正面衝突みたいなダメージ音がしたら、顔をアルトの方に向けて、思わず叫ぶぞ。 アルトッ!?

遠くのロイド:ああ、アルトの居た所にもうもうと煙が上がってるんだな。(一同笑)

GM/ディクセン:では、ディクセンは他のオーガ達に指示を出そうとします。 「ふん、魔術師が接近戦などを行うからこうなる。……総員、まずはそちらの剣士を―――」

アルト:――――待て、そう急くな。私を殺すのだろう? ならば他に目をくれるな、オーガの王。 と、煙の中から声が聞こえる。(一同笑)

GM/ディクセン:「……なにッ!?」

アルト:ダメージ40、基本装甲値12、バーク・メイルで4、セイクリッドシールドで3、プロテ二種で5、ビートルスキンで2。26点止めて、14点だけ食らって額から血を流してる。(一同爆笑)

イヴ:あー、じゃあ僅か6m先でそんな会話されてる自分は、流石に口元引き攣らせてます。(一同笑)

アルト:―――ここは私に任せろ。行けッ!!

GM:むむ、これは予想以上。……つか、どんだけ硬いんですかアンタ。

アルト:今の私なら、対蛮族ならば物理防御力21のダメージ減少5だな。(一同笑)

イヴ:要塞や……要塞がおる……!!(一同笑)

GM:……そうですね、しかしクリストフさんの離脱が完了するまで推定今回含めて3ラウンド。オーガウォーロードの攻撃を耐え凌ぎ切れますか?

アルト:3ラウンドか。ならば問題はあるまいよ!

GM:くぅ、言いよるわ。オーガAはアルトさんに、Eはクリストフさんにリープスラッシュを放ちますよ。達成値は15!

二人:(ダイスを振る)――――抵抗!

GM:おのれ。ではアルトさんに6点、クリストフさんに9点のダメージです。

アルト:ぬるい。1点だけ食らったがまだ行ける。

クリストフ:こっちは4点か。抵抗して無けりゃクリティカルだったかな。危ない危ない、っと。

GM:……粘るなぁ。

遠くのロイド:……殺しに来てね? 結構マジで。

GM:貴方達がGMの想定よりキツいルートを選んでますからね。犠牲を少なく、その分を自分達が受け負う感じで。ヴェルナー辺りが時間稼ぎをして散るのを想定してましたし。策もあるみたいだし、ギリギリを狙うバランスで行かせて貰ってます。

遠くのプリス:……おっかないなぁ。
 

▽ラウンド4▽
 

GM:このラウンドに増援ポイントにオーガFが出て来ます。

アルト:次々来るな、面倒な!

クリストフ:じゃあ、このラウンドに俺は乱戦離脱を宣言するよ。回避が-4されるが、当てられるもんなら当ててみろ並オーガども!(笑)

イヴ:で、私は全力移動で戦場から脱出。隠し通路に駆け込む!

GM:はい、イヴさんは戦場離脱ですね。クリストフさんも脱出準備中、と。アルトさんはどうします?

アルト:決まっている。近接しているオーガウォーロード……ディクセン相手にドレインタッチだ。魔晶石5点を潰して、(ダイスを振る)達成値は25。足りないから指輪を割って27! ダメージは22点だな。全快した。

遠くのシルフィ:胡散臭ェくらいの頑丈さですねこの人マジで。(一同笑)

遠くのイヴ:本気でネリネが居ない今、パーティー最硬なんじゃない?(笑)

アルト:いや、回避力まで考えるとクリストフの方が壁としての適性は高いと思うのだがな。とにかく、ディクセンに触れた場所から生命力を吸い取り、傷を癒す!

GM/ディクセン:「……チッ……! 重装甲の魔術師と聞いていたが……ここまで硬いだと!?」 ディクセンは驚いたような声を上げていますね。

アルト:生憎と馬鹿に付き合って前線に出る必要があったのでな。必要に応じて、という奴だ。

GM/ディクセン:「―――見事也! だが、我とてオーガの王! たかが魔術師の一人を打倒出来ぬとあっては末代までの恥ぞ!」 さて、ここから本番! ≪バトルマスター≫効果で≪魔力撃≫と≪マルチアクション≫を同時に使います! 『エネルギージャベリン』!

アルト:……さて、≪運命変転≫があるから一撃は抵抗確定だが……。魔法は下手をすると沈むか。(ダイスを振る)うむ、避けれないが精神抵抗は22! 抵抗した!

GM:では物理ダメージ34点と魔法ダメージが半減で13点ですね。魔法ダメージの出目は11か……。

遠くのロイド:……抵抗失敗していたら死んでたな。

アルト:まぁ、問題無い。両方とも軽減したら8点になって、合計16点。

GM:なにこれこわい。(一同笑)

アルト:いやまぁ、こいつと遭遇する前にフル強化していたからこその防御力だがな。考え得る上限近くまで硬くして居なかったら、まず二十秒と持たん。流石だよこいつは。内心は冷や冷やものだ。

GM:ではこちらは……うん、この状況だとどうするかな。首領がアルトさんに足止めされてるし……クリストフさんに攻撃を集中して見ましょう。ブラスト2発とリープスラッシュ2発が飛びます。

クリストフ:(ダイスを振る)……チッ、駄目だ。リープスラッシュ一発抵抗に失敗した!
 

 ※どう考えてもミス。
 クリストフの精神力抵抗は13なので(以下略)。

 

GM:じゃあダメージ、半減で9、7、8と通常ダメージで14ですね。

クリストフ:……ぐっ!

アルト:クリストフ!

クリストフ:大丈夫だ、走れる!!
 
GM:(これでクリストフさんには逃げられる……か。さて、アルトさんとロイドさんの策はどんなものやら)
 

▽ラウンド5▽
 

GM:一応、このラウンドでオーガGが登場します。

クリストフ:よし、乱戦から離脱! 全力移動でアルトとディクセンの乱戦エリアを避けるように、大周りに抜けて脱出ルートに逃げ込む。通り抜けざま、アルトの方を見やるぞ。

アルト:―――早く行け。恐らくロイドの奴が一つくらい仕掛けを用意している筈だ。 にやりと笑って見送ろう。

クリストフ:分かった……死ぬなよ! オーガバーサーカーの首を持ったまま、脱出!(一同爆笑)

遠くのプリス:うわぁ、要らないよそれ!(笑) 君どこの戦国武将さ! この世界って恩賞は首と交換だっけ!?(笑)

アルト:で、こっちの手番と。ドレインタッチでHPを吸うぞ。(ダイスを振る)……うむ、達成値は24か。もう一度指輪を割って、26で抵抗を抜いてダメージ21!

GM:わー、また全快された。これこのまま10ラウンドくらい続けてたら押し切られませんかディクセン!?

アルト:いや、その前にそちらの魔法がこちらの抵抗を抜き、こちらの魔法が抵抗されて詰むだろう。それに仮に勝てるとしても、この場で勝利するまで延々と削り合いを続けさせてくれるほど易くはあるまい。周囲にはまだ部下が居て、それが次々とここに集まって来るんだ。向こうはただ、待てばいい。

GM:まぁ、確かに。……あ、狙う相手が居なくなったんでオーガ達もアルトさんに攻撃開始しますよ。クリストフさんと乱戦してたAとDはリープスラッシュ。残りの3体は距離の関係でエネボです。15を5回抵抗して下さい。

アルト:む、(ダイスを振る)……危ないな、こんな所で出るか。1発1ゾロでエネボに抵抗失敗。残りは全て抵抗!

遠くのロイド:……変転は?

アルト:ここで使って、ディクセン相手の抵抗に失敗したら即死の危険もある。多少危ないが、ここは温存だ。

GM:(ダイスを振る)……んー、ダメージはあんまり奮いません。6点2発、5点1発、8点1発、抵抗失敗したエネボが12点ですね。

アルト:合計12点、と。さぁ来いディクセン。これを凌げば、私の勝ちだ。

GM/ディクセン:「…貴様、何を狙っている?」

アルト:消失マジックだ。プリンセス・テンコーも吃驚のな。

GM/ディクセン:「―――っ……貴様は、危険だ。この状況で脱出を欠片も諦めていない気概。幾ら補助魔法があるとはいえ、我と互角に渡り合う戦闘能力。この場を離脱するという策を練る知略。どれを取っても貴様は我らの障害になり得る」

アルト:――――さて、評価されたものだな。私は弱いぞ? 恐らく向日葵兵団最弱の、ただの学者崩れの普通の魔法使いだ。

GM/ディクセン:「……この状況でそう言える心胆を持ち、尚且つ脱出の策があるとかいう奴を危険と言わず何と言う。―――貴様は確実に、ここで殺さねばならん相手だッ!!」 ≪バトルマスター≫から≪魔力撃≫! そして≪マルチアクション≫で『エネルギージャベリン』です!

アルト:(ダイスを振る)……ふっ、命中がいくら高かろうが関係無い。何せ私は回避能力皆無な上、ダイスも最悪だからな。ほら3出た!(一同笑)

GM:じゃあ魔力撃、ダメージは37点です!

アルト:11点喰らった、と。(ダイスを振る)魔法は≪運命変転≫で抵抗! ダメージは……12か。なら、7点だけ食らって残り24点。エネルギージャベリンと剣を食らって、ごほっと血を吐く。

GM/ディクセン:「ゾンビか、貴様……!!」 尋常じゃない硬さにディクセンが呻くような声をあげますね。3手費やし、部下の援護攻撃を貰っても倒し切れなかったわけだし。

アルト:――――さて、稼ぐだけ稼いだか。これで失敗したらただの馬鹿だな。……そうなれば恨むぞ、ロイド。

GM:では、戦闘中断。そのロイドさんのシーンに場面を移しましょうかー。
 

◆脱出◆
 

GM:多少時間は撒き戻ります。ロイドさん、プリスさん、シルフィさんがシオン達と一緒に隠し通路を降りて行くと、確かに魔動機文明期の遺跡と思しき場所に出ます。三十メートル四方ほどの格納庫のような部屋に出て、壁の一面に金属製のゲートがあり、そこを通って皆次々と脱出しているようですね。馬や馬車は全部ここに元々運び込まれていたようで、飼い葉やら何やらが部屋の隅にあったり。

ロイド:そりゃ大掛かりだな。馬車や馬はどれくらい残ってる? あと、脱出待ちの人員は。

GM/騎士:馬車が1台、馬は15匹としますか。人員は5名ほど、殿を務めるらしき騎士が。 「シオン様、お待ちしておりました!」

ロイド:上は稼げてあと1分程度だ。まず、移動速度の遅い馬車から動かせ! GM、脱出通路の広さは?

GM:ん、そですね。6mくらいとしますか。馬車がすれ違うにはキツイですが、単体なら悠々走り抜けられます。

ロイド:……となると必要なのは4匹くらいだな。シオン! 馬車に乗り込んで先に行け! ラムゼイの親分は馬に乗ってその護衛! 騎士5人、馬を……4+4で8匹配置する。手伝ってくれ。4匹は出口の方を向くように、広間入口から30m程の位置。もう4匹は広間の方を向くように、広間入口から10mほどの位置に。

GM/シオン:「了解! ……この場の指揮官は彼だ、従ってくれ!」 と、シオンは騎士に指示を出し、騎士もそれに従って動き始めます。

プリス:……出口向いてるのは脱出用だよね。広間に戻る用に配置したのは……。

ロイド:……馬には悪いが、少しばかり木曾義仲に習うとする。火牛ならぬ火馬計だ。松明をくくりつける時間は無いが、ファイアボールなりグレネードなりを後ろで爆発させてやれば、乗り手が居ない状態ならば臆病なのが馬と言う生き物だ。暴走してくれるだろ。

プリス:なるほど、狭い通路の中で暴走する馬を追撃してくる敵に突っ込ませて出鼻を挫こうというわけだ。GM、これは有効かな?

GM:そうですね、多少は時間稼ぎになると思います。流石に倒せはしないでしょうが。

ロイド:それで十分だ。後は、アルトから預かった人形があるな? プリス。

プリス:え? あ、うん。アルトがドールサイトをかけたのと、普通のと。

ロイド:OK、脱出用の馬の横にその二つを向きあうようにして置く。……チェンジ・ポジションだ。

GM:……あ、それがあった。
 

 ※さて、前述したこの作戦最大のミスはここです。
 チェンジ・ポジションは12Lv魔法。今のアルトではまだ使えません。
 しかしこの場では誰も気付かずスルーされてしまいました。
 キャンペーン最大級のうっかりミスですが、スルーして下さい。申し訳ありませんでした。
 (Byサークル竜鳴艦一同)

 

ロイド:今のアルトのMPなら3倍拡大、つまり直線距離で90mまでの距離なら人形と位置を入れ換えれる。ここならアルトの位置から90m以内な筈。……だよね?(一同笑)

GM:そうですね、それは有効です。

ロイド:よし、じゃあお嬢かプリスの片方はここで待機しててくれ。クリストフとイヴ、そしてアルトが来たら即座にあっちの火馬計用の馬を暴走させて、こっちの脱出用の馬で逃げろ。戦闘しなければライダー技能が無くても乗馬は可能だしな。オーガ種の脚なら、馬で十分逃げ切れる。

プリス:もう片方はロイドと同行して先行、と。そういうわけだね。

ロイド:脱出路で何があるかも分からんしな。

シルフィ:ふむ、そういう事ならスカウトであるプリスさんがロイドと一緒に先行して下さい。ここは私が残ります。

プリス:良いの?

シルフィ:何があるか分からない先行組になら、スカウトのプリスさんが行った方が良いです。私が残るのは消去法ですね。遺跡の中だとレンジャー技能も役立たずでしょうし。

プリス:……分かった。ここは任せるよ、シルフィ! GM、ここで『オートモビル』の魔法を使って、魔動バイクを作る。(ダイスを振る)……成功、ロイド乗って!

ロイド:あいよ! じゃあ、プリスの後ろに乗る。

プリス:これなら馬の倍近い速度が出るから、馬で進むよりも早くこの通路の中を進んでる脱出組の先頭に追いつける筈!

GM/シオン:はい、では指示に従って馬車に乗っていたシオンを、すぐに追い越す事が出来ますね。馬車の御者台からシオンが声をかけてきます。 「――何も無いと良いんだがね! 何かあったら……済まない、頼むよ!」

ロイド:おう、任せとけ!!

GM:(しかしまぁ、次から次へと色々考えるなぁ、この人ら……)
 

 現在の状況は、シルフィは脱出してくるイヴ達を待って脱出路の最初の方で脱出用の馬と共に待機。
 イヴ・クリストフは先の戦闘シーンの通り、少し経過すれば脱出して来るのが確定しています。
 アルト、まだ上で時間稼ぎ中。
 シオンはこの場はロイドの方策に従い、馬車で脱出中。ラムゼイはその護衛。
 アルミナとヴェルナーは恐らく先発組で脱出しているだろうという予想です。正解ですがねっ。
 
 ともあれGMは少々迷ったものの、ロイド達の場面から処理してしまう事にします。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:では先行したロイドさん達の場面から片付けます。バイクで走行しながら、次々と他の脱出班を追いこして行くわけですね。

ロイド:左に寄れ、左に! シオンの命令で先行してるんだ、早くしてくれ! とか叫んでる(笑)。

GM:はいはい(笑)。それでは、左に寄った馬車や馬を避けるようにして抜けて行った先、先頭集団の所にまで来ましたね。横の馬車とその護衛と思しき先頭を走っている騎兵には、見覚えのある顔が。

ロイド:馬車にはアルミナ、騎兵はヴェルナーか!

GM/ヴェルナー:「冒険者達か!? シオン様は―――」

ロイド:後ろの方だが脱出中! 殿は俺らの仲間がやってる。俺らは露払いの為に先行して来た!

GM/アルミナ:「兄上は無事なのだな!? ……良かった……。父上に続いて兄上まで失ったら私は……」 と、アルミナは溜息を吐きます。

プリス:まぁ、そんな話はともかく。この通路、あとどれくらいで抜けれるの?

GM/ヴェルナー:「シオン様から聞いた話ならば、馬の脚を考えるともうすぐ――――」 と、ヴェルナーが言った所で―――行き先から轟音が響きます。

プリス:……っこれは!?

GM:先頭集団の一番先頭の更に向こう、ロイドさん達の少し先の所で爆発が起こります。

ロイド:……案の定、何かがあったか。

GM:見やると、壁に大穴が空いていて……そこから一体の魔動機械が顔を出した所ですね。今の爆音は壁を破壊した音のようです。四足歩行で大砲を背負った大きな魔動機械ですね。

プリス:……壁の向こうから? まさか、まだ生きているセキュリティがあったのか!?

GM:そのようですね。どうやらこの騒ぎを襲撃か何かと勘違いした様子で、壁を破壊してこっちに来たんじゃないかとマギテックのプリスさんは推測できます。

ロイド:待て、GM。その敵はまだ通路の方までは出て来て無いんだな?

GM:ん、確かにそうですね。

ロイド:プリス、このままあそこに突っ込むぞ! 通路にまで出しゃばられちゃ、脱出が大きく遅れるし……倒した後も馬車が抜けられなくなる可能性が高い!

プリス:〜〜〜〜ああもう、このバイクの元になったフローティングスフィア高かったのに! 受身は自分で取ってよ、知らないからね!!

GM:ほう、突っ込ませますか! そうですね……まぁ、ぶつかるだけなら判定要らないか。敵にはダメージ無しで、ただし元々そいつが居た空間に押し戻す事に成功したとしましょう。そこは20m四方ほどの部屋で、今動いている機械とよく似たのが何機か。ただし、他は全部壊れているようですがね。あ、バイクで巨大機械に突っ込むなんて無茶をしたお二人は、派手な交通事故みたいな感じで30点ダメージ喰らって下さい。受身判定で軽減できますよ。

ロイド:一般人なら死んでるダメージだな。(ダイスを振る)…おっし、駄目だ。受身の達成値は金属鎧ペナもあって2。(一同笑)

プリス:達成値2なんて平目でもまず無いよ……(笑)。僕は20、と。装甲もあって僅か8点ダメージにまで抑え込んだね。

ロイド:12点軽減。18点喰らって着地、と。槍を背から外して手に持ちながら、地面を転がる。

プリス:……いたた……。 頭を振りながら起き上ろう。 何なんだい、こいつは。アルトが居れば分かったのかもしれないけど……。

ロイド:バイクはどうなった?(笑)

GM:あー、粉砕してますね(笑)。フローティングスフィアも再利用不可能です。

プリス:ああああ、もう! まぁ、もう一個あるから戦闘継続は可能だけどさ! つか何これ、敵は何GM!?

GM:そですね、目標値は16/20で魔物知識判定を。

二人:(ダイスを振る)出るかい。(一同笑)

GM:じゃあ分かりませんね、不確定名魔動機械です。ただし、これまで遭遇した敵の中ではドゥームに非常に近い形状をしているのは分かります。主砲と機銃二つの合計三部位モンスターで、まぁぶっちゃけドゥーム系列のオリジナルモンスターです。

ロイド:……チッ、この非常時にまた面倒そうな相手が。

GM:(まぁ、二人しか来ていませんから護衛も無しなんですが……コア部位無しのこの相手はプリスさんじゃキツいですよー。お得意の火力集中が効果薄ですし)
 

・オリジナルモンスター『ウォードゥーム・カスタム』。Lv10モンスター。
・全部位のHPが5上がり、打撃点が+2。防護点と先制値、移動速度が+1。全判定の達成値が+1されただけの手抜き強化モンスターです。
・特殊能力≪対人兵器≫のダメージも+2されており、抵抗目標値も19から20に上がっています。

 

ロイド:―――ま、やるっきゃねぇさ。見たトコ相当強そうだしな。俺ら以外に、どーこー出来る奴ァ居ねぇだろ?

プリス:……いや……。ヴェルナーさん、居る!?

GM/ヴェルナー:「あ、あぁ! ここに居る!」 と、壁の穴の向こうから声が聞こえますね。

プリス:僕達だけじゃ荷が重い、手を貸して! アルミナさんはそのまま進んで脱出を! すぐにシオンが来る筈だから! あとは、誰か一人くらいそこの壁の穴の横にでも立って、後続の脱出班に事情を説明して! ここは僕達がどうにかするから真っ直ぐ進め、ってね!

ロイド:……手を借りるのか?

プリス:少なくとも、ヴェルナーさんは戦力になるよ。僕らの戦いに入っても足手纏いにはならない。こういう言い方は何だけど、僕は耐久力が無い。壁が要る。

GM/ヴェルナー:「―――心得た。少なくとも貴殿らをここで失うわけにはいかん!」 と、ヴェルナーは馬首を巡らせ、壁の穴を抜けてこちらに来ます。

プリス:……評価されたものだね。

GM/ヴェルナー:「君達の戦力は見た。戦術的な見識も申し分ない。少なくともこの戦いに於いて、君達は私以上にシオン様とアルミナ様の力になれる。―――重ねて言うが、ここで失うわけにはいかない」

ロイド:アンタもそうだろ。アノール家筆頭騎士、アンタが居ないとアイツら困るだろうしな。とっととこのデカブツ片付けて脱出するぞ!!

GM:はい、魔動機械も貴方達を本格的に敵と認識したようで、主砲と機銃を向けて少しだけ距離を取ります。では戦闘に入ります。ただし今回、6ラウンド以内に片付けられないと、脱出の最後尾が来てしまいます。それより遅れて出ると……。

ロイド:……オーガの大群に鉢合わせするってか。

プリス:つまり6ラウンド以内に片付ければ良いんでしょ。―――行くよ、ロイド。ヴェルナーさん! こんな時代遅れのガラクタに構ってられるほど、僕達に暇は無い!
 

◇VSウォードゥームカスタム◇
 
 さて、今回二回目―――ロイド組のボス戦となります。改造ウォードゥーム戦です。
 6ラウンドの時間制限。敵は刃物がクリティカルしないウォードゥーム。
 そんな不利な状況の中、デュボールの騎士であるヴェルナーと共同戦線を張る形でロイドとプリスの戦闘が開始されます。
 距離は10mほど。ヴェルナーはロイドとプリスの後方更に5mほど。この距離はショットガンバレットを警戒したGMが壁際まで後退させた状態でスタートさせたのですがね。
 
 しかし―――
 
▽ラウンド1▽

 

プリス:(ダイスを振る)……嘘ォ!? 出目3……先制判定達成値13。ゴメン、先制取り損ねた!

ロイド:……ちょっと幸先悪ィなこりゃ!

GM:お、マジ? それじゃあ主砲と機銃を……狙えるのは機銃はプリスさんとロイドさん。主砲は鷹の目ありますから、ヴェルナーとヴェルナーの馬も狙えますね。まぁ、まだそっちが行動して無いからランダムですかね。(ダイスを振る)主砲はプリスさん、機銃は二発ともロイドさんに飛びました。主砲の命中は17、機銃は20が2発です!

ロイド:出目7で避けれるのか。(ダイスを振る)……って、何で出目7で避けれるのに両方喰らってるんだよ俺!!(一同笑)

遠くのアルト:……大丈夫か? 貴様らダイス目とか(笑)。

ロイド:……た、多分(笑)。

プリス:僕はこれならピンゾロ以外で避けれる。(ダイスを振る)…良し、出目3。回避。(一同笑)

遠くのイヴ:何でそんなに心臓に悪い出目なのよ!?(笑)

GM:あー、ではロイドさんに防御無視の18点と20点ですね。あ、マントの効果で1点減るのか。

ロイド:え? このマントの効果って、防御力じゃないのか?

GM:追加ダメージとダメージ減少と魔法の与ダメージですね。あれ、私防御力って言ってましたっけ? 手元のデータ帳にはダメージ減少って書いてるんですけど。

ロイド:……防御力って言ってたよな?(笑)
 

 ※録音データを確認したところ、16話でしっかり『防御力』と言ってました。
 

GM:あれー? まぁ、それはとりあえずダメージ減少ですから、毒や呪い以外の全てに有効ですよ。

ロイド:なら、2発で36点か。……死ぬほど痛いが、まだ動けるな。

プリス:ロイド、大丈夫!?

ロイド:まだ無事だ! ……だが、また集中攻撃されたら持たねぇ。機銃から潰す!

プリス:ラジャ! 腰のデリンジャーを引き抜いて、機銃Aにクリティカルバレット左右で連射!(ダイスを振る)命中は22と25で、ダメージは17と18!

ロイド:そこに突っ込んで、今ダメージを受けた機銃を破壊する! 『クリティカルレイ』を使いつつ強化は使わず、普通の≪魔力撃≫!(ダイスを振る)……っし、命中してダメージ41! 後は多分、ヴェルナーの攻撃をここに乗せれば―――。

GM:いえ、そこまでするまでもなく、機銃は破壊されましたね。

ロイド:多部位だが一ヶ所一ヶ所はそこまで頑丈ってワケでもねぇんだな。

プリス:ドゥーム系の特徴そのまんまだね。ヴェルナーさん、もう片方の機銃狙いで攻撃を!

GM:はいはい。ではヴェルナーはシルフィさんに担当して貰いますか。……今回、どっちのボス戦にも参加して無いし。(一同笑)

シルフィ:はっ、そういえば……(笑)。

GM:では、ヴェルナーのデータはこれです。プリスさんの指示に従うもよし、自分で考えて行動するもよし。まぁ、好きなようにやってみて下さい。

シルフィ:はいはい。……では、指示を受けたヴェルナーは通常移動で乱戦エリアに突入します。【チャージ】が発生し、ダメージ+3。≪全力攻撃II≫を宣言してダメージ+12。【振り下ろしII】で+4されて、合計+19点のダメージ増加!!

ロイド:……って、強っ!

シルフィ:(ダイスを振る)うん、命中は19で当たってますね。ダメージ、40点!!

遠くのアルト:……ロイド並だな。筆頭騎士は伊達ではないか。

GM:くっ、これは痛い……。

プリス:……凄い。これがデュボール騎士の騎馬突撃……。

ロイド:さっすが、正統派騎士のお家芸! ひゅぅ、と口笛を吹くぞ(笑)。

GM/ヴェルナー:「私からすれば、地上から振るう槍でそれを上回る威力を出す君の方がとんでもないのだがな!」

ロイド:そいつぁどうも! なんとかなりそうだな、正直アンタが来てくれて助かってるよ!

GM:くそう。では、次のラウンドに行きましょう!
 

▽ラウンド2〜3▽
 
 さて、第二ラウンド。
 ウォードゥームカスタムはダメージを与えたロイドに攻撃を集中させますが、当たった機銃のダメージが最悪(というかピンゾロ)。受けたダメージはマントのダメージ減少効果も合わせて、僅か13点のダメージに抑え込みます。
 
 とはいえ累積ダメージが危険域に入って来たロイド。
 しかし、ロイドとプリスは命中の高い機銃砲座を排除しての速攻を選択します。
 次のラウンドは敵主砲はリロードのみ。そこを狙っての戦術でもあります。
 結果として、まずはプリスの銃撃で機銃砲座が吹き飛びます。
 残った主砲を搭載している胴体にロイドとヴェルナーが波状攻撃。43点と36点の物理ダメージを与え、主砲砲座を半壊させます。って言うか残り欠片補正だけ。
 
 そして次のラウンド、煙を上げながらリロードを完了した主砲砲座に向けて―――

 

ロイド:魔力撃。ダメージ41!

GM:……それで落ちますね。魔動機械……まぁ、名前を出しましょうか。ウォードゥーム・カスタムはそのダメージで動かなくなります。

ロイド:っしゃ、脱出だ! 壁の穴から脱出路に戻って、俺達も逃げるぞ!

プリス:もう一度『オートモビル』を使うよ。コレ壊したら、マギスフィアが無くなるんで色々僕の存在意義が怪しくなるから絶対壊さない事! 良いね?

GM:はいはい。では皆さんは脱出する人々の最後尾辺りに出ますね。

ロイド:アルト達は……。

GM:そうですね、ではここでアルトさん達に場面を戻しましょう。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:そして、再び場面はアルトさんに戻ります。オーガの群れに取り囲まれ、目の前にオーガウォーロードたるディクセンが居る状態……さっきの続きですね。

アルト:となるとあの次のラウンド、私の手番からか。 ―――さて、潮時だ。私はここらで失礼するぞ、オーガの王。魔法詠唱、10点魔晶石を潰して3倍拡大チェンジ・ポジションを使う!

GM/ディクセン:「―――信じられんな」

アルト:……ふむ?

GM/ディクセン:「貴様ほどの人族が、“黒獅子”の影に隠れてブルデ戦では然程名を響かせなかった事だ」

アルト:……簡単だ、あいつが私より余程バケモノだというそれだけだろう。 ……本人を前にしては絶対に言わない事を、誇らしげに笑って言ってやろう。

遠くのイヴ:ツンデレー。(一同笑)

アルト:やかましい!(笑)

GM/ディクセン:「……二つ名はあるか、人族。覚え置く」

アルト:特に無いな。“普通の魔法使い”……などと言うのは周囲がどうやら納得しないようでな。何なら次に会うまでに貴様が考えておいてくれ。なに、どうせ遠からず相見える。

GM/ディクセン:「―――その手の事には疎くてな。良い名では無いかも知れんが、考えておこう。死にゆく貴様に送る戒名とする為にな」

アルト:――――ふん。 何も答えず、笑って魔法を発動する。人形の視覚に切り替え、その眼前に置いてある人形と位置の入れ替え!(ダイスを振る)……っし、成功!

GM/ディクセン:はい。では、アルトさんはシルフィさんの横に転移完了ですね。それを見届けた直後、ディクセンは叫びます。 「―――散々と足は止められたが、まだだ! 急ぎ敵の脱出路へ兵を送り、追撃せよ! このまま残しておいては奴らは確実に我らの作戦の邪魔になるぞ!」 そしてその言葉に弾かれるように、オーガが次々と地下通路に向けて走って行き――――そこでシーンをシルフィさんに切り替えましょう。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

シルフィ:うわこっち来た! 何が起こるんですか!?

GM:はい、ロイドさん達が先行して、シオンの馬車や馬の設置を手伝ってくれた騎士が行ってすぐに、まずイヴさんが。次いでクリストフさんが広間に繋がる階段を駆け下りて来ます。

イヴ:あぁぁぁ、自分の足の遅さが恨めしい!(笑) 1ラウンド36m移動って!!(一同笑)

クリストフ:俺殆ど倍だからな。追いついたぞ途中で!(笑)

シルフィ:クリストフさん、イヴさん、こっちです! 喜色満面で手を振りますよー!

イヴ:シルフィ! 待っててくれたの!? この通路にこっち向きに並んでる馬は何!?

シルフィ:それはちょっとした作戦です! 触らないで隙間通ってこっちに来て下さい!

イヴ:りょーかい! じゃあ合流……出来る?

GM:出来ますね。で、イヴさんとクリストフさんがシルフィさんの所に合流したタイミングで、床に置いてあった人形が光を放ちます。一瞬後にはそれは完全武装状態のアルトさんの姿になりますね。

アルト:……ふぅ、脱出成功か。

クリストフ:あ、アルト!? まぁ、とりあえず驚くな俺は(笑)。

イヴ:凄……どういう手品よ、これ!?

アルト:なに、次元連結システムのちょっとした応用だ。(一同笑)

遠くのプリス:君はどこのゼオライマーだ!!(笑)
 

・『次元連結システムのちょっとした応用』。冥王計画ゼオライマーネタ。
・スパロボに出たりもした結構前のロボットアニメ……だった筈?
・『○○のちょっとした応用』というのは中々に汎用性の高いテンプレだと思う。

 

アルト:まぁ、それはともかく。稼ぐだけ稼いだが、すぐに来るぞ。

シルフィ:あ、はい。皆さん脱出しましょう。馬に乗って下さい! と、自分も脱出用の四匹の馬のうち一匹に跨りますよー。

アルト・イヴ・クリストフ:馬に乗ります!

GM:はいはい。では、皆さんが馬に乗った辺りで、やっと広間の向こう、階段の辺りにオーガが何匹も降りて来るのが見え始めます。

シルフィ:……さて、これが最後の仕掛けです! 『ファイアボール』詠唱! 罠用の馬のすぐ後ろで爆発させます!

GM:はい、では騎手の居ない状態で背後での爆発に晒された馬はパニックを起こし、出鱈目に前方に駆け出します。突如突っ込んできた馬に、オーガ達は混乱しますね。

アルト:この狡い手……。発案はロイドだな。

シルフィ:ええまぁ。さ、今の内に行きますよ! 馬を走らせます!!

GM:はい、では今ので出鼻を挫いたのと、馬の速度のおかげでオーガに追撃される事無くその場からの脱出に成功します。そして―――
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:それから程無く、ロイドさんとプリスさんはシオン達と一緒に脱出路の出口の外で待機……で良いんですよね?

ロイド:あぁ、他の連中が来るまで待つつもりで待機している。

GM:はい。脱出路の出口は館から少し離れた丘の麓に続いており、外からは分からないようにカモフラージュされていたようですね。

ロイド:シオン、ここからどうするんだ? 殿を務めている連中の後ろから、まだオーガは追って来ている筈だが。……ここで迎撃か?

GM/シオン:「そうなると正面切っての削り合いだ。戦力としては向こうが上な以上、ご遠慮するさ」 と、シオンは通路の壁のパネルを見ながら答えます。 「じい様から聞いた話だとこれでどうにかなる筈……。システム、生きててくれよー……駄目だったら全力で逃げるっきゃ無いんだからさ」

ロイド:ただ逃げたら――――馬車は移動力がオーガより低かったか。

プリス:追いつかれる危険もあるわけだ。……まぁ、中に生きてる防衛機構もあったんだし、何をやるつもりか分からないけど多分大丈夫じゃないかな?

GM/シオン:「それに関しちゃ悪かった。手間かけさせたみたいだね」 ―――と、言った所で馬に乗った残りの四名が通路の向こうから馬で走って来るのが見えます!

プリス:シルフィ、イヴ、アルト、クリストフ! 手を振るよ!!

ロイド:……っしゃ! ガッツポーズをするぞ、思わず!

イヴ:ひゃっはー! あの村を襲えー、種籾を奪えー!!(一同爆笑)

クリストフ:いかん、馬で爆走してるうちにイヴのテンションがおかしく!?(笑)

シルフィ:いえ、その。オーガバーサーカーの首を持ちっぱの貴方も相当ですが。(一同笑)

アルト:良いから馬を走らせろ特上馬鹿ども!?(笑)

GM/シオン:そして、皆さんが脱出路から出た所でシオンがにやりと笑います。 「良し、これで―――」 そして、壁のパネル――――ガラスで保護されたスイッチに、拳を叩き付けます。 「―――シャットアウトだ!!」 と、次の瞬間にガシャアアアアンという轟音が鳴り響きますね。

クリストフ:…な……なんだぁ!?

GM:鉄の障壁が壁からスライドして飛び出て来ました。通路をそれが塞いで、閉じてしまった音です。

アルト:……ふむ、良い仕掛けだ。

GM/シオン:「まぁね。さて、これで追撃は大丈夫だろう。今の内に移動しよう。とりあえず、君達は身体を休めた方が良いし、怪我人は他にも居る。何をするにしてもそれからだ」 と、シオンは馬首を巡らせます。

ロイド:そういや俺はまだプリスとバイクにタンデム中か。じゃあ、バイクを操作してシオンの後を追おう。

シルフィ:……良いなぁ、プリスさん。ロイドとタンデム……。

プリス:ふふ……まぁ役得って奴だね? にしし、と嫌な感じで笑おうか(笑)。

アルト:……。 私は無言で、屋敷のあった方向を睨んでいる。

ロイド:……アルト?

アルト:―――手強いぞ、ロイド。今回の敵は、オーガの王だ。

ロイド:オーガの王……まさかウォーロードか!?

アルト:あぁ。スカーレットテーブル第九位、ディクセン・グランガイツ・アイゼン。……どうやらデュボールに対して奴らが何かしようとしているという話は本当だったようだな?

ロイド:……そりゃまた、面倒なこって。

GM/シオン:「……ふむふむ? 後でその辺、詳しく聞かせて貰えるかな?」

ロイド:はっ……まぁ、後でな。

GM:―――と、言った所で。脱出成功を以て今回のシナリオは終了とさせて頂きます。オーガの軍との決戦はまた次回、ですね?

イヴ:……これ、戦記モノだっけ?(一同笑)
 

 ―――さて、デュボールに戻った彼らを待っていたのは、貴族のお家騒動……に見せかけた、蛮族の蠢動でした。
 偶然その貴族、アノール家の息女を助けた事から、その真っ只中に首を突っ込む事になった向日葵兵団+α。
 彼らは果たして、スカーレットテーブルに所属するオーガウォーロード、ディクセン・グランガイツ・アイゼンの動きを阻止できるのか。
 
・獲得経験点:3715+各々の1ゾロ分(ディクセン含め、『戦ったけど倒していない』相手の経験点は半分に計算しています)
・獲得報酬:6700G(正騎士からの戦利品のみ)
・獲得名誉点:0点(剣の欠片回収する暇無し)
 
 ……ショボッ。今回の報酬ショボッ!!
 ……ま、まぁ。 ともあれ、これにて一先ずは。
 

                  ……ミッションコンプリート!! & ゴートゥネクストミッション!!

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