◆SW2.0キャンペーン 駆け出し冒険者のためのセプテット 第十七.五話◆
さて、前回のラストにてデュボールに向かうまでの同行を決めた向日葵兵団とイヴ&クリストフ。
そんな中、微妙に時間が取れた為に元々居るメンバーの中で、ロイドとアルトだけの参加で番外篇が組まれる事になりました。
GMは“キラーパスに定評がある”シルフィPL。
果たしてどのようなシナリオを組んでくるのか。
本来のGMの許可を得て行われた、幕間の番外篇の様子をお伝えします―――
◆成長タイム◆
シルフィPL(以下GM):はい、こんにちわ、こんばんわ、おはようございます。今日も元気だ野菜がおいしい、アークウェイン家次女シルフィリア・アークウェインPL改め、GMでございます。
ロイド:今回は番外編だって?
GM:ええ。本来のGM含め、女性PL陣で遊びに行った時に出たネタです。不肖、このシルフィPLがGMを任されましたので、今回は張り切って行きましょう。
アルト:…メンバーは私とロイドの二人だけか。
GM:タッグとして見ると一番映えるコンビですよねー。……と、まぁ。前回の経験点は3700点、お金は36700ガメルです。
アルト:…六等分すると6116ガメル、余り4だが……。
GM:面倒くさいので、二人とも6118ガメル貰っちゃってください。後の面々の分は次回以降分配しましょ。
ロイド:となると、今回はこれで成長だな。
アルト:……遂に届くか、11Lv……!(一同笑)
GM:……良いなぁ(笑)。
さて、そんなわけで。
古参組のうち二人によるセッション、成長タイムです。
二人だけなのでそれ自体は10分足らずで終了ですが。
で、その結果―――
ロイド:えーと、お嬢不在だからまずは俺か。向日葵兵団前衛担当、“黒獅子”ロイド・クラリクロイツ。名誉点20点でこの称号を得ました。…多分、命名はレオルグとかその辺。(一同笑)
アルト:ブルデ戦時の戦いぶりからそう呼ばれるようになったというわけか(笑)。
ロイド:そう言う事。んで、成長は筋力。……技能は280点足りずに見送り。(一同笑)
GM:あるある(笑)。
ロイド:もう少しでLv11ファイターに……まぁ、仕方ないので今回は保留。一番欲しかった筋力が上がったので、まぁ良しとしてやろう。
アルト:何で偉そうなんだ。(一同笑)
ロイド:で、買い物はアルケミ用のカードを補充しただけだな。割と今回、特筆すべき事は無いかもしれん。あ、前回貰ったマントを専用化して、MPが+2されるようにした事を忘れてたか。
GM:ロイド、地味に神官としてもそこそこ有能ですからね。知力ボーナス4の7Lv神官、本来ならば優秀な司祭ですよ。
アルト:将軍とか戦士とかとしての印象の方が強いんだがな……(笑)。
ロイド:…執事見習いだった筈なんだけどなぁ、俺(笑)。
アルト:お前のような執事見習いが居るか。(一同笑)
名前:“黒獅子”ロイド・クラリクロイツ
種族:ナイトメア 性別:男 年齢:20 生まれ:神官
身長:188cm 体重:84kg 髪の色:漆黒
能力値ダイス:技6 体14 心10 A10 B7 C6 D6 E9 F7
最終能力値:器用度20+4 敏捷度13 筋力27 生命力22 知力24 精神力19
保有経験点:7220
合計名誉点:668
保有名誉点:423
HP:82+2 MP:40+2
冒険者技能:ファイター10 ライダー1 プリースト/グレンダール7 エンハンサー1 アルケミスト1
一般技能:ジェネラル7 バトラー3 ハンター2 コーチマン2
戦闘特技:武器習熟/スピア 魔力撃 マルチアクション タフネス 頑強 魔力撃強化
習得練技:キャッツアイ
習得騎芸:攻撃指令
習得賦術:クリティカルレイ
乗騎:レンタル取りやめ
武器:専用パイク+1
防具:専用イスカイアの魔導鎧
アクセサリ:専用ブラックベルト 聖印 決死の鉢巻き アルケミーキット 器用度増強の腕輪×2 専用漆黒のマント
所持カード:金Sランク2枚 金Aランク12枚 金Bランク4枚
予備装備:マトック ロングスピア 部族のショートスピア 部族のラウンドシールド 部族の腰ミノ 筋力増強の腕輪 バンダナ
所持品:冒険者セット 保存食×3食 ロープ10m フック くさび10本 小型ハンマー 部族のお面 魔晶石5点×12
所持金:4331
敵にも味方にも才を認められた、名将の器を持つ執事見習い。
神官戦士としても優秀であり、強化魔力撃の一撃は命中・威力ともに凄まじい。
ナイトメアでなければ、絶対に各国が放っておかないであろう逸材。しかし本人はアークウェイン家以外に仕える気が無いと明言している、ある意味忠臣。
アルト:で、次は私か。アルト・ディオスクロイツ、上がった能力は待望の知力。これで指輪で補正しなくてもボーナス4が確定になった。そしてコンジャラー技能が11に!
一同:おぉ〜!
GM:最初期はLv2だったのに……強くなったものです(しみじみ)。
ロイド:イヴやクリストフも多分次回の成長でLv11になるけど、途中参戦だからな。やっぱり初期参加のキャラが強くなると言うのは、感動もひとしおだ。
アルト:『ヘイスト』、『アースヒールII』、『スニーク』、いずれも強力な魔法だ。やっとここまで来たかと思うと感慨深いな。
ロイド:頼りにしてるぜ、相棒。
アルト:ふん、任せろ。……あぁ、成長で得た戦闘特技は≪魔法制御≫だ。これで乱戦だろうと一切お構い無く魔法を放てるようになった。
GM:良いなぁ……前提条件が厳し過ぎるんですよね、それ。
アルト:魔法系垂涎の戦闘特技だからな。特にソーサラー。
GM:そうなんですよねー……ジャベリン乱射は威力的にと絵的には良いんですが、燃費が最悪でして。
アルト:ま、ともあれだ。アルト・ディオスクロイツ。今回の成長はそんな感じ、買い物はカードを数枚だ。宜しく頼む。
名前:アルト・ディオスクロイツ
種族:人間 性別:男 年齢:20 生まれ:学者
身長:173cm 体重:60kg 髪の色:金
能力値ダイス:技5 体7 心9 A5 B6 C5 D7 E9 F7
最終能力値:器用度10 敏捷度12 筋力17 生命力19 知力24+1 精神力19
保有経験点:2270
合計名誉点:668
保有名誉点:433
HP:52+2 MP:52+2
冒険者技能:コンジャラー11 セージ7 アルケミスト1 エンハンサー1
一般技能:スカラー3 スクライブ3 ライブリアン1
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法収束 鋭い目 魔法誘導 弱点看破 防具習熟/非金属鎧 魔法制御
習得練技:ビートルスキン
習得賦術:バーク・メイル
武器:メイジスタッフ
防具:専用ボーンベスト
アクセサリ:専用ひらめき眼鏡 専用ブラックベルト アルケミーキット 知力増強の指輪×2
所持カード:緑Sランク3枚 緑Aランク11枚
予備装備:ピック 専用タワーシールド 発動体のロングソード 筋力増強の腕輪 知力増強の指輪
所持品:冒険者セット 火縄壺 油×2 6人用テント 調理器具セット 食器(5人前) 魔化された樫の枝×4 可愛くない人形×6 部族のお面 頑丈なランタン 魔晶石10点×2 魔晶石5点×12 音運び ミスティックインク×2
所持金:118
初期メンバー三人組の最後の一人。前線で戦える魔法使い。一足先にLv11の領域に。
一見するとクールだが、その実物凄く好戦的という困った性格をしている人。
またの名を『見せかけクール』。言い得て妙である。
◆辻斬り◆
GM:さて、それでは日付は前回の翌日。色々な追及を避ける為に夜にそそくさと街を出た向日葵兵団は、レガリア首都であるマントワーズに到着しました。
ロイド:……こうして聞くと夜逃げみたいだな(笑)。
アルト:……いや、まんま夜逃げだろう(笑)。
GM:本来なら街から出る筈の報奨金とか全部ブッチしてるらしいんですよね(笑)。まぁ、その結果として国が事件を調査してディアームさんとエルザさんに繋がる要素が全部無くなったそうなんですが。
アルト:…だとすれば、まぁアリと言えばアリか。
GM:そして、街に到着したのは昼ごろ。夜を徹しての移動でしたので、皆さん宿に着くなり熟睡し、目が覚めたら夜とか言う生活サイクルブチ壊しの状態になってそうですが……。(一同笑)
ロイド:本来根無し草である冒険者に生活サイクルってのも無い気もするがな(笑)。
GM:まぁ確かに(笑)。ともあれ、少なくともシルフィやイヴさん、クリストフさん、プリスさんなどは宿を取るなり熟睡モードに入りまして、まだ起きて来ていません。時刻は現在、夜の十時過ぎとでもしておきましょうか。出来ればアルトさん、一人で出歩いててくれると嬉しいのですが。
アルト:む、そうだな。……では、他の連中より少し早く目が覚めた為、宿を出てマギテック協会に行ったのだが、受付が午後九時までだったとかで戻っている所だ(笑)。
ロイド:ああ、レジーナのトコに行ったわけだ。
GM:OKです。では、レジーナさんには会えずにマントワーズの街を歩いているアルトさん。現在、夜の通りには人通りが殆どありません。
アルト:主都なのだがな。……まぁ、こんなものかと思いながらテクテク歩いている。
GM/警備兵:すると、ランタンを手にした警備兵が近付いて来ますね。 「なんだ、旅人か?」
アルト:……ああ。何かあったのか? 夜とはいえ、首都にしては随分と人通りが少ないが。
GM/警備兵:「何だ、知らないのか? ここ最近はこの辺りで――――」 と、言い掛けた所で不自然に警備兵の言葉が止まります。
アルト:……む?
GM/???:そして、ずるり……と、警備兵の身体が崩れ落ちて―――その向こうに見知らぬ男が、剣を振り抜いた格好で立っています。警備兵の影で見えなかった形ですね。 「―――辻斬りが出て危ないですよォ?」
一同:…………へ?
GM:アルトさんの頬に、斬られた警備兵の血がパタパタと降りかかって来ます。そして、大きな黒い剣を持った親切に辻斬りについて教えてくれた男は、にやりと笑ってアルトさんを睥睨しますね。笠を被り黒い外套を装備した、頬のこけた男です。
アルト:何が親切だ!? 明らかに本人だろうが!!(一同笑)
ロイド:良いから対応しろ馬鹿野郎!?(笑)
アルト:馬鹿言うな!(笑) 杖を手に、バックステッポォ!!(一同爆笑)
ロイド:カカカカッ!!(一同爆笑)
・カカッとバックステッポ。
・『謙虚なナイト』ブロントさんネタ。
・……ブロントさんに関しては、ググって貰った方が早いだろう。FF11関連屈指の愛されキャラだと思われる。名言は枚挙に暇がない。
・どうでも良いが、この瞬間のアルトはかなり混乱していました。
GM:……混乱してますね(笑)。
アルト:混乱もするわ!(笑) いきなり単独行動時に事件の真っ只中って、これ本当にSWのオープニングか!?(笑)
GM/辻斬り:「―――んーん、その装備……見た所冒険者ですかぁ」 べろり、と辻斬りは血の滴る剣に舌を這わせます。 「この男の血は口に合わなかったようですが……貴方の血は“ペリジェラント”の口に合いますかねぇ」
アルト:ペリジェラント……?
GM:その言葉に応じるように、黒い剣がドクンドクンと脈打ちます。
アルト:……何だ、その剣は。魔剣、か……?
GM/辻斬り:「ご明察です。そして、これを前にしてその落ち着き。中々の修羅場をくぐって来た冒険者とお見受けします」 ちゃき、と辻斬りはアルトさんに刃を向けますね。 「―――貴方ならば、ペリジェラントも満足してくれるでしょうねぇ……」
アルト:……っ! GM、周囲の状況は!?
GM:薄暗い道、人通りはありません。ランタンと警備兵の死体が地面に転がっており、ランタンから漏れる明かりのお陰で幸いにして行動にペナルティを負うほどではありませんね。
アルト:逃げられるか!?
GM:試してみたいならどうぞ。ああ、まずは戦闘に入らせて頂きましょうか。
アルト:いきなり!?
ロイド:……あー……何だ、このホットスタートは(笑)。
◇アルトVS辻斬り?◇
さて、一つ伺いたいのですが。
……これは本当にSWの導入なのでしょうか。
OPで謎の敵と遭遇、戦闘。これ、なんてFEAR系?
そんな感じで焦るアルト、ロイドのPL。しかし考える時間を与えないまま、状況は進みます。
▽ラウンド1▽
GM:さて、こちらの先制値は14です。
アルト:(ダイスを振る)…ふっ、7。(一同笑)
遠くのロイド:……倍だな(笑)。
GM:では、こちらの行動ですね。距離は3mとして、辻斬りは制限移動でアルトさんに乱戦を宣言。≪全力攻撃II≫を宣言し、命中23です。
アルト:やる気だな!? (ダイスを振る)ええい、回避達成値は9……!
GM:ではダメージ38点です。更に、魔剣が鳴動。主動作で魔法を使います。『サンダーボルト』!魔法達成値は22ですよ。
アルト:それは……(ダイスを振る)抵抗失敗。魔法剣士か!
遠くのロイド:いや、今の演出から察するに……魔法を使ったのは剣の方か!?
GM:正解です。アルトさんのセージ知識は、魔剣が魔法を使ったと判断します。あ、ダメージは魔法ダメージ27点になりますね。
アルト:……げっ、それは……駄目だ、HPがマイナスに突入。(ダイスを振る)生死判定には成功したので、気絶する。
遠くのロイド:斬撃と同時に、剣から雷が迸ったと。
アルト:……ぐっ……貴様…ッ!!
GM/辻斬り:そしてアルトさんは薄れゆく意識の中で、こんな声を聞きます。 「おや、これでも生きてらっしゃるとは……成程、これは『当たり』でしたかねぇ? それでは――――……む?」
遠くのロイド:……む?
GM/辻斬り:「チィッ……邪魔が入ったようですね」 と、その声を最後に、足音が遠ざかって行きます。そして同時に、別の足音が近づいて来た辺りで―――アルトさんの意識は完全に途切れます。
アルト:…待、て……。 と、最後に呟いて、意識を失うとしよう。
GM:――――以上、オープニングでした。それでは本編に入りましょうか。
遠くのロイド:あれ、これトーキョーN◎VAとかダブルクロスとかの、FEAR系TRPGだっけ?(一同笑)
・FEAR系TRPG。ここで言われているのは、所謂『シーン制』のTRPGの事。
・その手のシステムではオープニングで敵と戦い、負け、因縁とモチベーションを持っておくのは良くある事。
・しかしそれをSWに流用するなと声を大にして言いたい。
GM:お気になさらず。そして、時間は翌朝まで進みます。……ロイドさんの方ですね?
遠くのロイド:嫌な予感しかしねー。(一同笑)
◆元悪徳冒険者◆
GM:では、翌朝。ロイドさんは他の皆さんよりも早く目が覚めます。
ロイド:マントワーズまでは強行軍だったしなー……お嬢とプリスは、まだ寝てるか。
GM:多分、資金的にも余裕が出て来たから個室で泊まってるのかな? まぁ、他の部屋からパーティーメンバーが出て来る気配はありませんね。二階が宿屋、一階が食堂という典型的な宿なんですが、一階の食堂に行っても他の人達は誰も居ません。
ロイド:ちーっす。おばちゃん、何か軽くメシくれー。 ボサボサの髪を手櫛で適当に整えながら、適当な椅子に腰かけよう。
GM/おばちゃん:はい、では宿のおばちゃんがスープとパンを持って来てくれます。 「はいよ、冒険者さん」
ロイド:ども。……俺の仲間、まだ全員寝てるのかな?
GM/おばちゃん:「ん、確かその筈――――あ、いや」 と、おばちゃんは少し考え込む素振りを見せます。 「眼鏡の人、居たでしょ? あの人、夜に出かけたっきり帰って来てないよ。……遊郭にでも行ってるのかね?」
ロイド:そーゆー柄じゃねぇ気もするんだがなぁ。つか、レジーナのトコに行くって言ってた気もするし。……あぁ、なるほど! 朝帰りか!!(一同笑)
行方不明アルト:違ぇ!!?(爆笑)
GM/おばちゃん:「まぁ、最近物騒だから気を付けておくれよ? なんでも辻斬りが出るとかで――――」 と、おばちゃんが言いかけた所で、街人らしき男性が駆け込んできます。
GM/男性:「おい、聞いたか!? また辻斬りが出たって話だぞ!!」 と、叫んだ男性は、知り合いが固まっているらしき別のテーブルに行きます。それを見て、おばちゃんが溜息を吐きますね。
ロイド:辻斬り、ねぇ?
GM/おばちゃん:「そうなんだよねぇ。ブルデの方で蛮族が攻めて来たばっかりだっていうのに、今度は街の中が物騒だってんだから笑えないよ。お兄さんも気を付けなよ?」 と、おばちゃんは去って行きますね。
ロイド:……どーすっかねぇ、アルトの奴がレジーナへの借金返済云々を纏めねぇ事には、この街からも動けねぇし。 ずぞー、とスープを啜り終わったら、少し出かけてみるとするか。
行方不明アルト:…どこへ行く気だ?
ロイド:適当に時間を潰してから、マギテック協会かねぇ。あんまり早く行って気まずい場面に出くわしたら困るし。(一同笑)
行方不明アルト:……貴様の頭の中では、私はレジーナの部屋に泊った事で確定か(笑)。
ロイド:マギテック協会に行くっつって帰って来なかったんだもん(笑)。お前が辻斬りごときに負けるとは思ってないしなー。
行方不明アルト:……あれはただの辻斬りと呼ぶには剣呑過ぎたがな。魔剣……それも相当強力な何かだろう。
ロイド:ま、とりあえず出掛けるさ。……或いはその途中で、辻斬りのあった場所を通りがかるかもな?(笑)
GM:OK、ではそれで行きましょう(笑)。
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
ロイド:では、適当にぶらぶらと街中の店屋なんかを冷やかしながら歩いていると―――
GM:通りの真ん中で、警備兵と野次馬が集まっているのが見えます。
ロイド:……噂の辻斬りかなー、と思いながらその横を通って行く。通り抜けざま、ちらりと長身を活かして覗き込んでみたりもするけれど。
GM:……では、ロイドさん。布をかぶせられた死体と、その横に遺留品か証拠品かという品が幾つか残されているのが見えます。目立つ所でランタンと――――見慣れた杖。
ロイド:一瞬通り抜けかけてから、ぐわっと振り返る! ……おい、そこの警備兵!! と、声を荒げるぞそれは!
GM/警備兵:「なによ、野次馬! こっちは今、忙しいの――――って、え!?」 と、検分に当たっていた女性警備兵がロイドの声に振り返り、驚愕したような声を上げます。冒険者レベル+知力ボーナスで、目標値14くらいで振って貰えます?
ロイド:ピンゾロ以外か。(ダイスを振る)……20だが、見知った顔か?
GM/警備兵:「……あ、あああ、アンタのせいで私はね―――っ!!」 と、叫んでいるのは……バルゼムに雇われていた悪徳冒険者軍団のうち一人。ドジっ子属性持ちだった妖精剣士の女性です。
ロイド:おぉ!? なんか懐かしい顔が……って、お前どうして警備兵なんかやってんだ?
GM/元悪徳冒険者:「……アンタ達のせいで国に捕まってから、格安料金で宮仕えをする事を条件に仮釈放されたのよ」 ぶすっとした表情で、女性は言います。 「まぁ、全員じゃないわ。聴取に協力的だった私とブレックだけ。後は投獄されてたり……リーダーは非協力的だったし、事情が事情だから処刑されたわよ。……まぁ、これは仕方ないとは思うけどね」 はぁ〜、と溜息を吐く女性。ちなみに名をラーナといい、あの冒険者達の中では比較的良識的な人でした。まぁそれでも、仮釈放時にギアスかけられてますが。
ロイド:うっせーやい、こっちだってお前らのせいで無実の罪で投獄されかかってたんだよ。しかも捕まってたら多分バルゼムが圧力かけて来て死刑にされてただろうし。……って、んな事はどうでも良いんだ。その杖ちょっと見せろ!
GM/ラーナ:「どうでも良いって何よ、どうでも良いって……駄目よこれは、貴重な証拠物品なんだから。辻斬りに斬られた警備兵の横に残っていた、警備兵の物じゃない所持品! これはチャンスよ、ここから犯人を捕まえて、私は仮釈放から本釈放にステップアップするんだから!」(一同笑)
ロイド:野心駄々漏れだぞお前!(笑)
GM/ラーナ:で、その辺で警備兵の先輩から無駄口叩くなと怒られたりして。 「す、すいません先輩! でも私は悪くないですよ!!」(一同笑)
ロイド:……なんだろうな。ゼーア(件の冒険者パーティーのリーダー)はそれなりに格の高い悪党だったんだが、こいつはゲゲゲの鬼太郎のネズミ男とかその辺レベルの憎めない小悪党って感じがする。(一同笑)
行方不明アルト:言い得て妙だな(笑)。……ところでGM、そこに転がっているのは本当に私の杖か?
GM:ロイドさんの目から見て、ほぼ間違いないと思います。Lv9ファイターの剣を受けとめた傷とか、無駄に接近戦の痕跡が豊富なメイジスタッフです。(一同笑)
ロイド:間違いない、そんな棒切れを頼みに接近戦する馬鹿は一人しか居ない!(一同爆笑)
GM/ラーナ:「……? 何よ、その反応」 と、ロイドさんの様子がおかしい事に気付いたのか、ラーナが声をかけてきます。
ロイド:……これ、俺の仲間の杖だと思うんだが。
GM/ラーナ:「へ? ……仲間って、アンタの仲間で杖使ってた奴って言うと……エルフの女魔術師? それとも、ゴーレム人海戦術やってくれた人間の方?」
ロイド:後者。……昨日から帰って来てねぇから、女の家に転がり込んでるもんかと思ってたが……。ちょいと、ここの責任者に話を通して貰えるか?
GM/ラーナ:「わ、分かった」 と、ラーナは先程彼女を怒った『先輩』の所に駆けて行きますね。
ロイド:……何に巻き込まれたんだ、あいつは。
さて、ロイドの言葉を聞いた警備兵の隊長は、ロイドからの事情聴取を決定します。
アルトが犯人か―――という疑いがまず起こりましたが、それに関しては数日前から起こっている辻斬り事件に対して、アルトは発端の時期にはブルデに居て、その後も昨日までマントワーズに居なかった為に疑惑は晴れます。
無論、その辺の裏付けの為に警備兵が動きますが。
一方でロイドも警備兵からの情報により、辻斬りについての詳細情報を得ています。
数日前からマントワーズにて、夜間に無差別に発生している辻斬り。犠牲者は既に確認されているだけで5人。
どうやら強い相手を狙っているようで、最低限なにがしかの戦闘系技能を持ってる類の人間が狙われている模様。
中には正騎士レベルの実力者も居たそうです。
斬られた人間は全員死んでいますが遠目に目撃者が居たそうで、曰く『魔法を使っていた』、『まるで生きているかのような剣だった』という話も。
ロイド:(頭抱え)……あかん、アルトの奴ならば狙われる理由としちゃ十分だ。
GM/ラーナ:「なによ、操霊術師なんでしょ? 近接職じゃないなら、狙われる理由は薄くない?」
ロイド:……少なくとも正騎士とならタイマンで勝てるんだよ、あいつ。
GM/ラーナ:「……え、あいつ操霊術師なんでしょ?」
ロイド:ああ、操霊術師で学士だぞ。
GM/ラーナ:「………………え? あれ?」(一同爆笑)
行方不明アルト:困惑している!?
GM:そりゃ困惑もしますよ!!(一同笑)
ロイド:これでもかなり控え目に申告してるんだからな?(笑) こいつ、10秒準備時間を与えさえすれば、ドレイクバロンを単騎で倒し得るし。
GM/ラーナ:「まぁ、色々置いておくとして……あの操霊術師が狙われたとして、杖だけ残ってる理由って何よ?」
ロイド:…やられそうになって逃げたか、撃退して追いかけたか、誰かに連れ去られたかって所か。
GM/ラーナ:「……血痕から察するに、これ一人分の血じゃないのよね。やられた警備兵と……多分、あと一人」
ロイド:アルトの血だな。あいつは火か電撃、酸に生命力収奪といった魔法しか攻撃手段がない。出血させるような類の攻撃手段は無い筈だ。
GM/ラーナ:「……やられたの?」
ロイド:だとしても、死体が無い理由が不明だ。……いや、そもそもあいつが簡単に死ぬタマかよ。悪運の強さと生存性は折り紙付きだ。
GM/ラーナ:「ふーん……ま、良いわ。現状、そいつが唯一の手がかりだし……ちょっと待ってて、先輩に話通してくる」 と、ラーナは先程の先輩の所に走って行きますね。
ロイド:……おい、何する気だ?
GM/ラーナ:「アンタのとこの操霊術師の遺留品が残ってたって事、分かってるでしょ? そいつが犯人かそれに近しい立場って容疑も、まだ晴れたわけじゃないのよ。アンタの証言だけじゃ弱いしね」
ロイド:……監視、か?
GM/ラーナ:「話早いわね。そうよ、私が同行するから、操霊術師を探すにしても便利よ? 警備兵って立場だけで、街中じゃ大分動き易くなるもの」
ロイド:……別に俺はあいつを探すなんて一言も言ってねぇだろ。
GM/ラーナ:「探さないの?」
ロイド:……探す。(一同笑)
GM:……ツンデレですねぇ(笑)。
さて、ロイドは元悪徳冒険者であるラーナに(一応)監視されつつ、アルトの捜索を決定します。
警備兵側としてもアルトの情報は欲しいらしく、監視と言うよりは協力体制という感じでしょうか?
とりあえず、目撃証言から当たる方向で動き始めたロイドとラーナ。
そして一方――――
◆アルトの行方◆
GM:では、アルトさん。貴方には知る由も無い事ですが、先のロイドさんのシーンとほぼ同刻。貴方は薄暗い闇の中で目が覚めます。倒れる直前の事は覚えておいてくれて構いませんよ。
アルト:……っ!? 飛び起きるぞ、それは! というか今、私はどこだ!?(笑)
GM:薄暗闇と湿った冷たい空気。……感覚としては洞窟の中という感じが近いですね。貴方は岩肌の上に敷かれた藁束の上に寝かされていたようです。
アルト:……どこだ、ここは。 呟いて周囲を見回すぞ。あ、私の今の装備は?
GM/???:はい、斬られた時の装備のままで、傷の治療だけがされています。恐らく魔法でしょうね。それで、周囲を見回すとすぐそばに妙に青い壁があったりするのですが、壁の上の方から轟音のような声が聞こえます。 「……起きたか、人族」 と、魔法文明語ですね。
アルト:……誰だ? 視線を壁に沿って上げてみるが。
GM:では、分かります。貴方が今まで壁と思っていた物は、どうやら大きな生き物の胴体だったようです。……魔物知識判定して貰えます?
アルト:え? えーと……(ダイスを振る)…15だが。
GM:ルデア山脈に時々居らっしゃるドラゴンさんな気がしました。
一同:……はい?
GM:えーとですね、デュボールやレガリアの傍にあるルデア山脈は別名竜王山脈とも呼ばれ、多くのドラゴンが住む事で有名な地なのです。んで、アルトさん的にはレッサードラゴンだと分かります。達成値が18を超えたら名前とかも分かったんですけど、今回は分かりませんね。
アルト:まぁ、なんかレッサードラゴン、と。(一同笑)
遠くのロイド:雑な……(笑)。
アルト:……私の傷を治療してくれたのは貴殿か。感謝する、ドラゴン。 と、レッサードラゴンを見上げて声をかけるぞ。
GM/レッサードラゴン:その言葉を聞いて、ドラゴンは目を細めますね。 「……ふむ、肝の据わった人族だ。なに、貴様を助けたのは我の事情もある。頼みさえ聞いてくれればそれで良い」
アルト:……頼み? まぁ、推定命の恩人の言葉だから余程無茶じゃない限りは無碍にはせんが。ただ、ここはどこだとか、何故私を助けたとか、聞きたい事は山積みなのだが。
GM/レッサードラゴン:「……その前に人族、名は?」
アルト:む………失礼したな。アルト・ディオスクロイツ。冒険者で、普通の操霊術師だ。
GM/レッサードラゴン:「そうか、我の知る操霊術師はもう少し装甲が薄かった気もするが……時代は変わる物だな」(一同爆笑)
遠くのロイド:言われてる、ドラゴンになんか言われてる!!(爆笑)
GM/レッサードラゴン:「さて、では我も名乗ろう。―――我は青竜デュランダル、ルデア山脈に居を構え、古竜アーデルタイド様に仕える者だ」 と、名乗ってからデュランダルは可愛く付け足します。 「ちなみにここ、我のおうちね。別荘だけど」(一同爆笑)
アルト:……連れ去られてたッ!!?(爆笑)
遠くのロイド:……そら、見つからん筈だ(笑)。
と、いうわけで。
アルトは青竜デュランダルに事情を聞き、幾つかの情報を入手します。
曰く、
・デュランダルは件の魔剣『ペリジェラント』を探していた。
・探している最中、アルトとやり合っている辻斬りを発見。
・辻斬りは逃してしまったので、アルトを治療して回収して来た。
・ここはルデア山脈南東部のデュランダルの別荘。ドラゴンの速度なら3時間程度でマントワーズに戻れる。
アルト:……なるほど。昨晩遅くに私を回収して、ここに連れて来たと。今は……昼頃か。
GM/デュランダル:「ああ。で、我の頼みというのはだ。人族よ、あの魔剣の破壊を手伝ってくれぬか?」
アルト:……破壊、ね。
GM/デュランダル:「うむ。本来ならば我が出向く所だが、あいにくと人族の街に潜まれていては我では探すのも一苦労だ。見つけ出しても逃げられれば追いかける事も敵わぬ。ちなみに我は人族の街ではちゃんと変装していたぞ」
アルト:……変装?
GM:イリュージョン。
アルト:それ、外面誤魔化しているだけで本質は何も変わっていないから、ドラゴンが入れる広さのある空間じゃないと入れないだろ!!(一同笑)
GM/デュランダル:「うむ、壁とか削ったり、人族が我にぶつかって驚いたりとか、めっちゃ大変だった。その結果、無理だと判断した次第だ」(一同笑)
アルト:……こ、このフレンドリーなボケドラゴンは……!!(笑)
GM:ちなみに、PLには開示しておきましょう。さっきの魔物知識判定の目標値18で分かったんですが、デュランダルは人族に友好的なドラゴンとしてデュボールで時々名が出ます。ただし、やる事なす事大雑把というか雑と言うか、『やってみてから考える』精神の持ち主なので、時々困った相手として名前が出る事もあります。(一同爆笑)
遠くのロイド:駄目ドラゴンじゃねぇか!?(爆笑)
アルト:……まぁ、私はそれを知らんわけだ(笑)。
GM/デュランダル:「貴様、ペリジェラントに斬られた上に魔法の直撃まで喰らって死なんのだから、結構強い冒険者なんだろう? 報酬はやるから手伝え」 と、デュランダルは鼻先でアルトさんをつんつん突きます。(一同笑)
アルト:ええい、突くな!(笑) あー、私としてもやられっ放しは趣味じゃないので、意趣返しをするに異論は無い。だが、デュランダル。一つ聞くが、何故に貴殿はペリジェラントだったか。あの魔剣を追っている?
GM:デュランダルは目を逸らします。(一同爆笑)
アルト:おい!!?(爆笑)
GM/デュランダル:「……人族よ、怒らない?」(一同爆笑)
遠くのロイド:……なんだ、この可愛らしいドラゴンは(笑)。
アルト:何をした、洗いざらい吐け!(笑) まさか原因は貴様かこれは!?(笑)
GM:では、デュランダルはポツリポツリと話し始めます。どうやら、あの魔剣ペリジェラントはデュランダルの管理下にあった品らしいですね。
アルト:……やはりか、貴様(笑)。
以下、デュランダルからの情報です。
・元々ペリジェラントは、デュランダルの住処に近い魔剣の迷宮に眠っていた魔剣。
・使用者の自我を浸食する危ない魔剣であったが故に、古竜アーデルタイド様から『誰かが持ち出さないように注意していろ』と言われていた。
・しかしデュランダル、50年くらい経った所でうっかり失念。
・先日、狩りから戻って来たら魔剣の迷宮がいきなり消えててびっくり。誰かが魔剣の迷宮に潜り、ペリジェラントを手にした結果らしい。
・その結果、アーデルタイド様激怒。魔剣の破壊か回収を命じられて今に至る。幸いにして持ち出されてから然程時間は経っていなかったらしいが……。
……完全に彼のせいです、本当にありがとうございました。
ちなみに古竜アーデルタイドは、初代デュボール国王と契約を結んだ、ルデア山脈のボス格の竜です。推定20Lv前後くらいありかねん予感。
アルト:……事情は分かった。だいたいお前のせいだな!?(笑)
GM/デュランダル:「えーと、うん、まぁ」 と、デュランダルはバツが悪そうです。 「で、我じゃどうにもならん感じだから、使えそうな冒険者が死にかけてたんで拾った感じで」(一同笑)
アルト:……まぁ、嘘を吐いていないのは評価する(笑)。壊してしまって良いんだな?
GM/デュランダル:「取り戻してまた管理命じられるのもやだもん」(一同笑)
アルト:雑だ……!!(笑)
GM/デュランダル:「それに、危ないし。魔剣と言っても明らかに第二の剣関連の品だから良いかと。死人も出ている以上、リスクを看過して放置は出来ないだろう」
アルト:……そこは同感だ。では、私をさっさとマントワーズまで戻せ。探して壊すにしても、この場からではどうにもなるまい。
GM/デュランダル:「うむ、分かった。では、人族の操霊術師よ。我からの感謝の気持ちを込めて、魔法のアイテムを貸与しよう。依頼完了したら、そのまま持って行ってくれて構わん」
アルト:……ふむ? 何があるんだ?
GM/デュランダル:「我が手で集めたマジックアイテムだ。―――そうだな、秘蔵の一品である『幾ら火にかけてもお湯が湧かないヤカン』などどうだ」(一同爆笑)
アルト:鞘に入れたままのロングソードで殴ります。(一同爆笑)
遠くのロイド:うわ、容赦無くなって来た!(笑)
GM/デュランダル:「うぉ!? 痛くはないが何をする人族!」
アルト:黙れポンコツ竜族!(笑) それのどこが秘蔵だ! いや確かにある意味珍しいのかもしれんが!!(笑)
GM/デュランダル:「馬っ鹿人族、お前これドラゴンのブレスでも中の水が水のままなんだぞ? 凄くね?」(一同爆笑)
アルト:……そう言われると確かに凄い気がする(笑)。炎ダメージ無効の効果でも付いているのだろうか……って、それ貰ったら私はそれをどう有効活用すれば良いんだ!!(笑)
GM/デュランダル:「……………あ」
アルト:わざわざそんな長く考えないと分からん事かッ!!(笑)
GM/デュランダル:「…いや、珍しい物をあげようと思ったら、実用性にまで気が回らなくてな……いやぁ、我失敗失敗」 てへっ☆(一同爆笑)
アルト:……最初だけ敬意払って損したぞ、この駄ドラゴン(笑)。
遠くのロイド:このキャンペーン、本当に人格と能力共に揃ったマトモな奴がいねぇな……(笑)。
アルト:ザヴィーエ王は……あれは公式NPCか(笑)。
遠くのロイド:このキャンペーン、外伝まで含めてGMやった奴が出したNPCでチョイ役以外で、有能で人格もマトモな奴がいたか!?(笑)
GM:……ガレッガ老?
アルト:…孫馬鹿だが、まぁ妥当な線か。……と、それはともかく。何か戦闘に役立つアイテムをよこせ、竜族。
GM/デュランダル:「……うーん、人族、お前操霊術師だよな?」
アルト:まぁ、そうだな。
GM/デュランダル:「魔法がかかって水上歩けるフルプレートとか、使う?」(一同笑)
アルト:……使うとしたら私以外の誰かだな(笑)。
GM/デュランダル:「後は……これは昔、人族の魔術師にあげようとしたら『ふざけんな』って言われて落ち込んだんだよなぁ、我」 と、デュランダルは一対の純白の手甲を洞窟の奥から持ってきます。
アルト:……手甲か?
GM/デュランダル:「うん。発動体を兼ねた手甲なんだけど、重いわ効果が限定的だわで、不評で不評で。レアいんだけどなー……」
アルト:……鑑定して見て良いか?
GM:構いません。目標値は18です。
アルト:(ダイスを振る)…お、出た。19。
GM:では分かりますね。『迫撃の手甲』というマジックアイテムで、恐らく魔法文明時代の品だと思われます。データ渡しますので確認して下さいねー。
・『迫撃の手甲』。魔法文明期の品であり、とある魔術師が自分用に作った特殊な魔術師用装備。
・頑強な手甲であり、発動体として使用できる。ただし、手を動かし難くなるので手先を使う作業に-2のペナルティが付く。
・『射程:接触』の魔法における魔力を+2して扱う事が出来る。それ以外の射程の魔法を近接対象に使うときは、このボーナスを得る事は出来ない。
・必要筋力は18。防御点2。両腕に装着した上で更に他の武器や防具を持てるが、その場合は動き難さから物理攻撃の命中(武器を持った場合)や回避(盾を持った場合)に-4のペナルティがかかる。
・打撃力18の打撃武器として扱う事も可能だが、クリティカル値が12なので武器として扱うのは厳しいだろう。命中補正も無い。
遠くのロイド:こ、これは確かにレアい……こんな限定的なモン使う奴なんか、そうそう居ねぇ…!(笑)
GM:大半の専業魔術師には重くて使えない。魔法戦士が装備するには、命中のペナルティが痛すぎる。仮に筋力が届いたとしても、後衛が装備するメリットは殆ど無い。―――つまり……。
アルト:前衛を務める専業魔術師が扱う場合にこそ、真価を発揮するというわけか。何と言う限定的な……。
GM:元々はアルトさんと似たタイプの近接型魔術師が使っていた品だそうです。攻撃を魔法に頼り、防御面は装甲で耐える。そういう戦い方に特化した装備ですね。
アルト:……誂えたように私向きだな。
GM:アルトさん、総合力ではパーティー最弱なのに初期から頑張ってきてましたしね。本来のGMとも相談した結果、登場が決定したアイテムです。
アルト:よし、素晴らしい。デュランダル、これを寄越せ!!
GM/デュランダル:「へ? あ、これで良いの?」
アルト:構わん。これはこの上無く私向きだ。 あ、筋力増強の腕輪を装備して、筋力を19にしておく。そうしないと装備出来んし。
遠くのロイド:…また堅くなったなー(笑)。
アルト:ふっ、遥か古の魔術師よ……貴様の魂、私が受け継ぐ! 装着、シャキーン!!(一同笑)
GM/デュランダル:うわぁ、ノリノリだぁ……(笑)。あ、ちなみにデュランダルはそれ以外にも、『七色の鱗』とか『鋭い牙』とか、動物や蛮族から取れる系の戦利品を合計で10000ガメル分くらい渡してくれます。 「あとこれ、要らないからやる」
アルト:有り難く受け取るが、これ貴様の食べ残しだろう?(一同笑)
と、いうわけで。
アルトはうっかりドラゴンであるデュランダル(元凶)の依頼を受け、魔剣ペリジェラントの破壊を決めます。
そのままデュランダルの背に乗り、一路マントワーズに戻ります。
……デュボール人であるアルト、ドラゴンの背に乗れてちょっぴりご満悦。
で、その頃ロイドはと言うと―――
◆情報収集◆
ロイド:……よし、俺はやっぱ情報収集には向いていなかった!!(一同笑)
遠くのアルト:……分かっちゃいたがな…(笑)。
……ロイド・クラリクロイツ。スカウト技能、セージ技能、レンジャー技能無し。
戦闘特化キャラである彼は、分かっちゃいましたが探索では役に立ちません。
ある程度自前で情報を聞き回ったものの、得た情報は噂話レベルと何も変わりません。
他には、『壁が削れてた』とか『見えない壁みたいなのにぶつかった』とか『大きな足跡があった』とか『大きな影が空を飛んでいた』とか。
……どう見てもデュランダルです、本当にありがとうございました。
ちなみに、流石に一度宿に帰っていましたが……他のメンバーは折悪く全員外出中。
シルフィとプリスはマントワーズにてショッピング。もしかしたらレジーナの所に向かったのかもしれません。
クリストフとイヴは、知人に会いに行ったとかなんとか。
一応、『アルトの行方が分からなくなったので探している。面倒事に巻き込まれた可能性アリ。手が空いたらこの宿で待っていてくれ』との伝言を残していますが……。
ロイド:……まぁ、シナリオの都合上頼りには出来んだろ。(一同笑)
GM:まぁ、NPCですからね(笑)。
ロイド:一切相談なしも不自然だから宿に寄ったが、そこまで期待しちゃいなかった。……さて、となると俺に出来る事は……後はもうアレしかねーか。
GM/ラーナ:「アレ?」 と、一緒に付いて来ていたラーナが首を傾げます。
ロイド:囮作戦だ。強い相手を狙うってんなら、俺がターゲットになる可能性はある程度ある。
GM/ラーナ:「ふふん、何よ。ちょっと強いからって良い気になって……私だってあの時より強くなってるんだから、もうアンタ達には負けないわよ」 と、ラーナは胸を張ります。
ロイド:……GM、ちなみにこいつのレベルは?
GM:Lv6ファイターでLv4フェアリーテイマーです。
ロイド:……警備兵として見るとかなり優秀なんだろうが、俺らのレベルの戦闘に首を突っ込んだら即座に涅槃が見えるぞ(笑)。
GM:本人はいつの間にか更に開いていた実力差に気付かず、『えへん』と胸を張っています(笑)。
ロイド:……こいつは……(笑)。段々愛着湧いて来たぞ(笑)。
GM:と、アルトさん。この辺で帰って来てくれて良いですよ。デュランダルはイリュージョンで姿を隠しつつ、街の近くでアルトさんを下します。
アルト:む、連絡とかどうすれば良いのか分からんが、街の近くで下してくれるなら普通に街に入り直すぞ。
GM:はい。じゃあ、デュランダルは通話のピアスを貸してくれます。『これはやらんぞ。返せよー』と言いつつ、ばっさばっさと帰って行きますね。
アルト:……まぁ、首都の中で無理に手伝えとは言わんが……完全に丸投げしやがったな、あの駄ドラゴン(笑)。
GM:一応、近くには待機してますよ?(笑) 通話のピアスで呼べば、10分くらいで駆け付けられる距離。
アルト:戦闘中に呼んだら絶対に戦闘終了後に到着だな(笑)。
GM:ちなみに街の中には普通に入れますね。丁度、ロイドが宿に他の仲間が誰も居なくてどーしよっかなーという感じでラーナと話している所で到着でしょうか。
アルト:じゃあ、宿の扉をカランコロンと開けて入ってくる。
ロイド:……では、そのアルトを見つけて一瞬瞠目してからにやりと笑う。 よぉ、朝帰りか色男。
アルト:黙れ天然タラシ。隣の女は誰だ? シルフィとプリスが暴走しても私は知らんぞ。
ロイド:馬ー鹿、お前覚えてないのか? バルゼムん時の敵だった冒険者だよ。今は無償奉仕期間で警備兵やらされてんだとよ。
アルト:…ああ、道理で見覚えがあると思ったわけだ。
ロイド:その返答に苦笑しながら、警備兵から預かってたアルトの杖を投げて渡します。
アルト:では、パシッと受け取って背中に背負おう。で、そのままロイドとラーナが座っているテーブルに同席する。 警備兵と一緒という事は、既に無関係ではあるまい。……どこまで知っている?
ロイド:殆ど何もって所だな。お前の杖が辻斬り現場に落ちていたから何かに巻き込まれたのかと……その程度だ。
アルト:成程。正解だ、と言っておこうか。
GM/ラーナ:「……って、何平然と会話してるのよ!!」 と、漸くラーナが声を上げますよ(笑)。
ロイド:……ま、どーせ生きてるだろうとは思ってたからな。何があったかだけ聞かせて貰うか。お前、地味に警備隊の重要参考人っぽいし。
アルト:成程。……まぁ、話そう。ただし警備兵が居るから、『原因』の辺りはボカす。ドラゴンがたまたま魔剣を探してたと言う事にしよう。
と、言うワケで。
アルト、『原因』の部分(デュランダルのうっかりミス)だけをボカして、二人に事情を説明します。
警備兵であるラーナが居なくなったら、仲間には全部話すつもりな模様。
アルト:一応デュランダルはデュボールとも交流のある竜なので、デュボール・レガリア間の国交を鑑みてだな。……まぁ、竜のやった事だからどうこうも無いだろうが、不和の芽は出さないに越した事はないだろう。
ロイド:…被害者には申し訳ない気もしないでもないが。
アルト:その辺、後でデュランダルと話し合ってみるか。遺族に多少補償をして貰っても罰は当たるまい。
GM/ラーナ:「…で、どうにかするって依頼を受けたみたいだけど、具体的にはどうするのよ?」 と、事情を聴いたラーナは首を傾げます。
ロイド:……PCとしては他の仲間の到着を待ちたい所だが、PLとしてはそれが無駄だってのが分かってるんだよな。
GM:シナリオ上の都合でそうなんですけどね。……まぁ、それではここでテコ入れをしましょうか。
ロイド、PL知識をPCが活用するのに若干の抵抗がある模様です。
それを鑑みたGM、即座にシナリオを軌道修正。
……とは言っても、単純にPCを引くに引けなくさせるだけですが。
GM/ラーナ:「…えーとね、今晩遅くに警備兵が集まって、大規模な狩り出しを行う予定なのよ。だからアンタ達が無理しないでも、どうにかなる気もするのよね」
ロイド:………。
アルト:………。
ロイド:ラーナ、お前って警備兵の中ではどれくらい強い方?
GM/ラーナ:「うん? まぁ、相当腕利きよ」 ふふーん、と胸を張ります。
ロイド:………やべぇ、放っておいたら今晩にでも最悪大量虐殺が起きる。(一同笑)
アルト:同感だ。……戦士としてだけならまだしも、真語魔法がヤバい。多勢を相手取るには一番向いている魔法形態だからな……。
ロイド:ラーナ、それ、止めらんね? 敵めっちゃ強いから、警備兵がワラワラ死ぬぞそれ。
GM/ラーナ:「え? ……うーん、こっちも身内殺されてるし、収まらないんじゃないかなぁ。それにまぁ、大丈夫よ。たかが辻斬りの一人くらい、警備兵が2,30人がかりで挑めば楽勝よー」(一同笑)
ロイド:その発想は苦戦フラグだと……いや、まぁ良い。今夜遅くって何時くらいだ?
GM:午前零時くらいを目安に動くそうです。
ロイド:……その前に囮作戦をして、ペリジェラントを狩る……?
アルト:まぁ、犠牲を抑えるならばそれが最善だろうな。……ちなみに、シルフィ達は? PLとしては戻って来ないだろうと思って聞くが。
GM:ですね。シルフィとプリスさんは二人で買い物ではしゃいでるようで、帰って来ません。連絡は付きませんね。……イヴさんは友人宅に寄った後、地下水路辺りにキノコ狩りに行ったようです。(一同爆笑)
ロイド:何やってるんだあいつは!!(笑)
GM:休憩時間中にPLから送られてきたネタですので、文句は本人に(笑)。クリストフさんもそれに付き合わされているようです。
ロイド:……もうあの鋼の粘菌術師は置いておくとしてだ。(一同爆笑)
アルト:粘菌術師!?(爆笑)
GM:うわぁ……粘っこそう…!(爆笑)
ロイド:戦力として期待できるのは俺とお前、と。まぁ生半な連中連れてった所で足手纏いだわな。
GM/ラーナ:「…なんかさっきから聞いてると、自分達が滅茶苦茶強いとでも言いたげじゃなーい?」 と、ラーナが胡乱げな目で見て来ますね(笑)。
ロイド:……いやぁ、強くならないと死ぬレベルの激戦に放り込まれてな……。(一同笑)
アルト:貴様らの事件の後から、更に色々とな……?(笑)
GM/ラーナ:「……まぁ、良いけどね。痛い目に合うのはそっちの自由だし。ただ、その前にそっちの魔術師。警備兵の詰め所までちょっと来て貰える?」
アルト:ああ、事情聴取か。構わんよ、何ならデュランダルにも来て貰おうか?
GM/ラーナ:「……その辺は隊長の判断で。うっかり街中に着陸されたら、目も当てられないわ」
で、ロイド&アルト、警備隊詰所へ。
今の所辻斬りに対する唯一の生存者であるアルト、事情聴取に応じます。
ドラゴンに助けられたと言う辺りで、『何言ってんだコイツ』という反応をされますが……。
アルト:じゃあ、通話のピアスを通してデュランダルを呼んで良いか? 街の近くまで来てくれ。攻撃されないくらいの距離で。
GM/デュランダル:「ふむ、我了解。しーきゅーしーきゅー、待ってろ人族。今助けに我が行くZE!!」(一同爆笑)
ロイド:いや、助けに来るって言うか、証拠として姿見せるだけで良いからな!? あんまり変な事するなよ!?(爆笑)
で、マントワーズの近くでやたら自己アピールを繰り返すドラゴンの姿が確認されるに至り、警備隊も納得した模様。
ちなみにデュランダルはあんまりうろつくと怖がられるので、また少し遠くに隠れて貰いました。
ロイド:そういや、隠れてる間は何してるんだ?
GM:デュランダルは彼のお宝である『どんなに火にかけてもお湯が湧かないヤカン』を、ファイアボールで作った火にかけて遊んでいます。(一同爆笑)
アルト:誰かまずこいつを火にかけろッ!!(一同爆笑)
GM:ひどいわっ!!(笑)
ロイド:……で、アルトの供述に伴って何か目新しい事実は出たか?
GM:警備兵の中では出ませんね。ここから何かしたいなら、自分達で動いて下さい。犯人と関連があるのではないかという疑惑もほぼ解けたので、監視もここで無くなります。希望すればラーナを連れ歩く事も可能ですよ?
ロイド:いや、情報収集では下手に居られても邪魔かもしれん。GM、現在時刻は?
GM:現在、およそ午後四時ごろですね。
アルト:……警備兵主導による捕り物開始まで、あと八時間といったところか。
ロイド:ちなみに、止めて止まるか?
GM:いえ、奇しくもアルトさんからの証言で、蛮族の陰謀とかではなく普通に人族の犯罪者だという事が明らかになりましたしね。これは警備兵の仕事ですし、その辺は譲りません。彼らは自分達で打倒し得る相手だと思ってますしね。
ロイド:……そーいや、魔剣の方は分かったんだが下手人については一切分かってないんだよな。
アルト:そちらから当たってみるとするか。
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
さて、警備兵の詰め所を辞したロイドとアルト。
以前のバルゼムの一件で知っている盗賊ギルドの連絡員に繋ぎを取る事にします。
GM:では、以前イクスさんと一緒に行った酒場に、以前会った連絡員が折よく座って酒を飲んでいますね。
ロイド:おーっす、旦那。景気はどうだい?
GM/連絡員:「ん? ……向日葵兵団の冒険者か!」 と、連絡員は瞠目します。
ロイド:……あれ、俺ら有名?
GM/連絡員:「盗賊ギルドにはそれなりの連絡網がある。ブルデでの話は聞いているよ。バルゼムの一件以来か」
アルト:なるほど、その折は世話になったようだな。ロイドと同じ向日葵兵団の団員、アルト・ディオスクロイツだ。
GM/連絡員:「ご丁寧にどうも。……で、何か用か? ブルデ戦の英雄」 と、連絡員は貴方達に座るように促します。
ロイド:いやなに、ちょいと聞きたい事があってな。盗賊ギルドの方で、最近噂の辻斬りについてはどこまで掴んでる?
GM/連絡員:「ああ、あれか……中々面倒な手合いでな。盗賊ギルドの商売としても夜間が色々と本番だから、ああいうのがうろついていると困るんだ。しかし、結構な凄腕らしく、正対したなら正騎士だろうと斬り殺されてるって話だな」
アルト:…此方が掴んでいる情報以下か。
ロイド:いや待て。聞き方を変える。……ここ一ヶ月以内程度で、ルデア山脈に冒険に行った後に行方不明になっている剣士。これに該当するのは何人くらいだ?
GM/連絡員:「……何か掴んでいるのか?」
ロイド:色々とな。開示するぞ、アルト。
アルト:構わん、やってくれ。
盗賊ギルドの連絡員に、デュランダルや警備兵から得た情報を洗いざらいぶちまけるロイド。
目的はデュランダルの住処の近くにあった魔剣の迷宮から、ペリジェラントを持ち去った相手についての情報です。
痩せぎすな三十歳前後の男性で、ルデア山脈に踏み入って帰って来ないそこそこ以上に凄腕の冒険者。
その要件に合うのが一人だけ、盗賊ギルドの情報網にありました。
……ちなみにギルドに戻って調べて貰う間、ロイドとアルトは酒場で食事しながら待っていました。
役に立たない二人。
GM/連絡員:では、二時間ほど待たされた所で、連絡員が戻って来ます。戻ってくるなりロイド達の対面に腰掛け、にやりと笑って、 「情報料、500」(一同笑)
ロイド:ツケとけ。(一同笑)
GM/連絡員:「ツケとくって、どこにだよ」
ロイド:(渋く)……お前の心にだ。(一同笑)
アルト:ワケ分からん事言ってる場合か(笑)。幸い、デュランダルから貰った戦利品を換金した金があるからな。そこから払おう。
GM/連絡員:「毎度」 と、連絡員は金をポケットに入れてから話し始めます。 「―――ちょいとヤベェのが一人、行方不明になってるな。犯罪者の半歩手前に足踏み入れていたような手合いだ。名をダインって言って、元々はレガリアじゃ名が知れた冒険者だったが……」
ロイド:……が?
GM/連絡員:「一種の狂戦士だな、ありゃ。何かを斬る事に恍惚とする類の人間らしくて、誰かと組んでは気味悪がられてパーティーを解消されていた。最近、ルデア山脈南部にあるっていう剣の迷宮の情報を得て、その時組んでいたパーティーを連れて向かったようだが……」
アルト:その後行方知れず、と。恐らく仲間は死んでいるな。……迷宮で死んだか、奴が殺したか。或いは仲間の死を切っ掛けに精神の平衡が崩れたか、元々狂っていたか、単純に剣に取り込まれただけか……分からんが。
ロイド:その辺はまぁ、どうでも良いっちゃ良いな。既に状況はそこを問題とする段階じゃない。奴を打倒する方法の問題だ。
GM:ちなみに、当時のスペックは10Lvファイターにスカウトそこそこ、レンジャーそこそこです。
ロイド:典型的脳筋型ファイターっぽいな。魔法は……剣か。
GM:そですね、アルトさん、魔物知識判定して貰えますか? 今得た情報と相対した時の情報から、目標値15以上で敵データが判明します。弱点は19以上です。
アルト:ふむ。(ダイスを振る)……いかんな、17か。指輪を割ろう。19だ。ついでに、すぐに予備の指輪を付け直しておく。
GM:OKです。では、情報を開示しましょう。
レベル:11 名前:“人斬り”ダイン
知能:人間並み 知覚:五感 言語:交易共通語 リーゼン語 生息地:リーゼン地方 反応:敵対的
知名度/弱点値:15/19 先制値:14 移動速度:25
生命抵抗力:14(21) 精神抵抗力:13(20)
部位名 攻撃方法 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
人間部分 剣撃 16(23) 2d+18 16(23) 10 100 12
魔剣部分 − − − 15(22) 15 70 115
部位数:2(人間部分/魔剣部分) コア部位:なし
弱点:魔法ダメージ+2
特殊能力:
●人間部分
「全力攻撃II」
補助動作で戦闘特技≪全力攻撃II≫を使用できます。物理ダメージに+12されますが、回避力が次のラウンドの手番まで-2されます。
「足さばき」
制限移動距離が10mになります。ダイン自身に意味はありませんが、ペリジェラントが魔法を使う場合には有効になってきます。
「剣の下僕(従)」
部位:魔剣部分に近接攻撃/射撃攻撃が命中しようとしている時に、自動で対象を庇います。魔法は庇えません。また、範囲攻撃は庇えません。
●魔剣部分
「真語魔法11レベル/魔力15(22)」
全体に黒く、脈打つように鳴動している魔剣です。意思のようなものをを持ち、言語を使わずに魔法を行使します。
「魔法適性」
≪魔法拡大/数≫と≪魔法拡大/距離≫、≪魔法収束≫、≪魔法誘導≫、≪魔法制御≫の戦闘特技を持っています。
「魔剣の身体」
真語魔法、操霊魔法、魔動機術による魔法ダメージを10点減少します。
刃を持つ武器はクリティカルしません。
「魔法生物」のHPを回復出来る魔法でなければ、部位:魔剣部分のHPを回復できません。
「剣の下僕(主)」
部位:人間部分のHPが0以下になっても動きを止めず、そのまま動き続けます。
ただし、戦闘特技は全て失われます。また、部位:魔剣部分のHPが0になった場合、この能力は失われます。
●特殊
「下僕化」
ペリジェラントを用いた攻撃で倒した対象に『剣の下僕(従)』とし、思考を浸食する事が出来る。
どの程度まで思考に干渉できるかはGMの判断次第である。
また、その場合それまで下僕としていた持ち主は支配から逃れる。
戦利品
2〜5=無し
6〜10=魔剣の欠片(1500G)
11〜=魔剣の欠片(1500G×1D6)
ロイド:……うわぁ、面倒な。
アルト:かなり堅いな……まぁ、貴様と私なら削り切れない相手ではないし、削り合いならば向こうは回復手段が無いから……。
ロイド:まぁ、そこそこやれるか。ただし、1ラウンド目からアルトが接敵するのはアウトだな。耐久力的に。
アルト:……補助魔法が無いと、流石に耐えきれんからな。補助をかけたら接近戦もアリだが。
ロイド:……そうなんだよなぁ、その篭手のおかげでお前、対物防御じゃパーティー最強だし。精神力と基礎レベルも高いから魔法にも強い……HPさえ見なければ一番硬いんじゃね? 総合で。
アルト:HPの低さが致命傷なのだがな。……まぁ、それは良い。貴様が囮になって引き出すか……。
ロイド:居場所が分かれば、こっちから仕掛けるのが一番分かり易いわな。
アルト:だな。……奴とて亡霊の類ではあるまい。夜に人斬りをやってようと、昼に消え去っているわけではないだろう。どこかに隠れている筈だ。
ロイド:探せれば……だな。うーむ、スカウトが居れば楽なんだが。
アルト:……盗賊ギルド、金払うから手伝ってはくれないか? …見付けられるなら。
ロイド:……相手の人となりが分かったなら、ある程度の傾向は掴めるんじゃないか?
アルト:……確かに。
GM/連絡員:「…そうだな、その情報もあるし、そろそろ事件も六件目だ。ギルド側も動き始めているから……情報を得る事は不可能じゃないかもしれん」
ロイド:OK、じゃあ3000出すからその情報をくれ。あとは……。
アルト:ゴーレムでも作っておくか?
ロイド:……んー、微妙だな。あれば便利なんだろうが、時間を考えると用意できて2、3体……それに街中で運用する事を考えると、作れてオークやロームパペットだろ? 正直、範囲魔法のある相手には……なぁ?
アルト:…そだな。それで警戒されたり、職務質問をされるのも嫌だ。とりあえず、それは止めておくか。
ロイド:ま、盗賊ギルドからの連絡が来れば良し。もし発見できずに連絡が来なかったら囮作戦でGOだな。
そんなわけで。
ロイドとアルト、スカウトが無いので情報収集は盗賊ギルドに任せます。
後にGMに聞いたところ、上手くやれば地力で辿り着ける形式だったようですが……。
ともあれ、念の為に他の仲間の捜索や、巻き込まれないようにする為の言伝も。
そして宿に戻ってチェスしながら、盗賊ギルドからの連絡を待っていた所で―――
GM:では、PLから先程の休憩中に電話で許可を貰ったので、イヴが丁度宿に帰って来ていた所です。
ロイド:おぉ? 意外だ。おーい、イヴ。
GM/イヴ:「んー? あぁ、ロイドとアルトじゃない。……何かあったの?」
ロイド:いやまぁ、ちょっとした事情で辻斬り事件に首突っ込む事になってな。お前も一枚噛まね? 他の連中も連絡付けば手ェ貸して欲しいんだが……。
GM/イヴ:「へぇ……でも残念、自分は今、別の依頼を受けちゃってるのよね。知人から頼まれて、地下水道のキノコ採取」
ロイド:あぁ、依頼だったのかそれ。
アルト:まぁ、こいつとクリストフはうちのパーティーに所属しているわけじゃないからな。この状況も已む無し、か。一応注意は促しておくぞ。万が一にも巻き込まれないように。
GM/イヴ:「あいよ、了解したわ。ちなみにその知人、それなりに資産家だから今度紹介してあげようか? 良い冒険の種になるかもよ?」
ロイド:ふむ? どんな奴だ?
GM/イヴ:「人呼んで―――“鋼の粘菌術師”」(一同大爆笑)
アルト:採用ッ!?(爆笑)
ロイド:イヴじゃなくて知人の称号になった!!(爆笑)
GM/イヴ:「ゆくゆくは幼女と菌類に囲まれた街を作りたいそうよ。粘菌手帳のポイントが溜まると様々な特典が!!」(一同爆笑)
ロイド:うん、このキャンペーンの中でも屈指の人格破綻者だって事は容易に分かった!!(爆笑)
GM/イヴ:「……まぁ、というわけで自分も自分で忙しーの。そっちもそっちで、危ない事に首を突っ込むのは良いけど死ぬのは勘弁ね。これからデュボールまで同道するんでしょ?」
アルト:…この辺のドライさは、現状別パーティーであるが故のものだな。
ロイド:まぁな。そっちこそ、変な事に首突っ込んで変な事になるなよ? 色々面倒だから(笑)。
GM/イヴ:「自分がそんなミスを犯すとでも? ―――ふっ、甘いわ。今の自分はキノコ狩りの女、イヴ・グリンフィードッ! そのようなミスなど犯さん!」
アルト:お前はどこのスパイダーマンだ。(一同笑)
ロイド:もう良いからファンガスでも採ってろよ。(一同笑)
GM/イヴ:「はいはい。……で、何やってんの? チェス?」
ロイド:ああ、アークウェイン式はこいつが理解出来ないんで、普通ルールだけど。
アルト:出来るか、あんなルール。(一同笑)
※第三話あたり参照。
ロイド:まぁ、とにかく。普通のチェスでも俺は師匠に鍛えられていたからな。――――そして師匠から教わった必殺の奥義がある。
GM/イヴ:「奥義?」
ロイド:―――奥義、ブルーマウンテンッ!! 叫びながら普通にチェックメイトかけます。(一同笑)
アルト/店員:「オーダーのコーヒーお持ちしましたー」、と店員が来る。(一同爆笑)
ロイド:……見ての通り、この技を使うと何故かコーヒーが運ばれてくる不思議な技だ。この極意、今だ俺にも分からん。(一同爆笑)
GM:……通ったんでしょう、オーダー。(一同笑)
で、そんな馬鹿な会話をしながら待つこと暫し、盗賊ギルドから連絡が来ます。
連絡員が来たときの彼らは――――
アルト:くくく……倍プッシュだ……ッ!! と、『ざわ……ざわ……』という空気を纏いながらアゴの長い顔をしている。(一同爆笑)
ロイド:奈落……ッ! 地獄への一本道………ッ! 逃れられない………ッ! こいつにギャンブルで勝負を挑んだ時点で……ッ!! と、五枚のカードを手に顔面蒼白になってる。(一同爆笑)
GM:うわぁ、面倒臭い事になってるなぁこの二人!?(笑)
ロイド:あ、情報来た? 御苦労、今しがたその払いは全額俺持ちになった。(一同爆笑)
GM:それで決めてたの!?(爆笑)
……ともあれ。
盗賊ギルドの連絡員から情報を受け取った二人は、早速情報にあった場所に向かいます。
場所は街外れの小さな屋敷。
……冒険者ダインが自らの名誉点で得た、彼の自宅でした。
ロイド:って、自宅かよ!?(爆笑)
GM:灯台もと暗し。そもそも、誰もダインを犯人と認識していませんでしたからね。
アルト:ああ、遭遇した奴は基本全員斬り殺されてたしな。……しかし、そう考えると盗賊ギルドに払う3000は……いや、まぁ良い。ロイドの報酬から出す金だ。惜しむまい(笑)。
ロイド:……この恨み、奴にぶつけてやる……(笑)。
GM:逆恨みですよ、それ(笑)。
そして―――
◆“狂戦士”◆
ロイドとアルトは警備兵の詰め所へ行き、まだ捕り物開始まで3、4時間ほどあるのを良い事にラーナを連れ出します。
ダインが犯人である事への証明などを、警備兵の立場である彼女にして貰うのが目的。
何気に6Lvなので、流れ真語魔法の一発程度に死にはすまいという目算もありました。
ロイド:ここがあの女のハウスね!(一同笑)
アルト:男だろ、奴は(笑)。
ロイド:いや、様式美として(笑)。
GM/ラーナ:「本当にここに居るの? あたしを連れ出して変な事しようって魂胆じゃないでしょうね?」 と、ラーナは露骨に疑ってますね。ここ、普通の住宅街ですし。
ロイド:まぁ、違ったら違ったでその時考えようや。 あぁ、アルト。先に補助魔法を宜しく。
GM:いえ、その前に動きがあります。音も立てずにドアが開き、頬のこけた痩せぎすの男が出て来ますね。……で、その男はアルトさんを見て瞠目します。
アルト:……当たりか。
GM/ダイン:です。男―――ダインはにやりと笑みを浮かべますね。 「ほう、あの時の……ご健勝そうで何よりですよ」
アルト:お陰さまでな。妙な相手に借りを作った。
GM/ダイン:「私としても、あのような相手と事を構えるのは御免でしてね。……まぁ、この街の中で動く限りは問題無いでしょう。レッサードラゴンが踏み込んできたら、周囲もただでは済みませんからね」
アルト:そして人族との対立を望んでいないドラゴンである以上、踏み込んで来ての戦闘はまず無い……と。狡猾だな。
ロイド:目端は利くみてぇだが……さて、狂戦士とかいう評判を聞くがどれ程のもんかね。 GM、補助魔法は無理でも陣形はOKか? 俺、他の二人から10mほど前に出ておきたいんだが。
GM/ダイン:ああ、それは到着した時に宣言してましたしOKですよ。その言葉に応じるように、ダインは腰から漆黒の魔剣を抜き放ちます。ドクンドクンと剣が脈動していますね。 「あぁ、落ち着いて下さいペリジェラント。今、血を吸わせて差し上げますよぉ……!!」
アルト:……やれやれ、ロイドの手を借りねばならんというのも業腹だがな。 言いながら、剣と盾を持とう。フル装備だ。これで現在、私の装甲値は12点。
GM/ラーナ:うわ、オリジナルアイテムで強化されてるとは言え魔術師の装甲じゃねぇー……。あ、ラーナは、 「げ、マジで!? あ、でもこれお手柄のチャンス!?」 と言いながら、剣を構えます。
アルト:間違っても前に出るな。むしろ、私の後ろに下がっていろ。格が違うぞ。可能ならば3m後ろに押しのける。射線が通らんように。
GM/ラーナ:「何でそんなに偉そうなのよ、アンタは!」 と、言いつつも押しのけられますね。無理に危険に首を突っ込みたくはないのかもしれません。
アルト:少なくとも貴様より強いからだ。まぁ、見ていろ。一合見れば実力差も分かるだろう。
◇ロイド&アルト+ラーナVS“人斬り”ダイン◇
さて、クライマックスです。
敵は魔剣ペリジェラントに半ば支配されている冒険者、“人斬り”ダイン。
2部位11Lvモンスター相当の扱いですが、剣の欠片で強化されているのでそこそこ強敵です。
ちなみに元々のデータはアルケミストワークスに載っている『名のある魔物』、ダークナイトの“翼のない堕天使”ラザロが元です。
ラザロとどちらが強いかは微妙。……多分、回復手段を持っているラザロの方が強いでしょうが、その分ラザロのような追加で貰える名誉点は無く、使ってくる魔法は真語魔法のみですが1Lv分高位に、そして人間部分であるダインの戦闘能力のみで見ればラザロより上となっています。
剣まで含めて考えると、攻撃力のダイン・継戦能力のラザロという形でしょうか。
ともあれ、先手の取れないメンバーであるロイド&アルト+ラーナ。
当然の如くダインが先手を取り、戦闘は開始されます。
▽ラウンド1▽
GM:では、まずこちらの行動ですね。ダインは制限移動で10m前進。ロイドに乱戦を挑み、補助動作から≪全力攻撃II≫。摺り足で一瞬で間合いを詰め、凄まじい勢いで剣を振り抜きますよー。命中は23!
ロイド:まぁ、俺は回避は苦手だし……(ダイスを振る)…ちっ、やはり駄目か。18で回避失敗。
GM/ダイン:ではダメージ、36点ですね。 「ひゃはぁっ!」 と叫んで振り抜かれた剣が、ロイドをざっくり斬り裂きます。
ロイド:9減らして27……ハッ、温い!
GM:まだです。更に剣から雷が飛び、ロイドとアルトさんに襲い掛かります! ≪魔法拡大/数≫からの『サンダーボルト』! 達成値は―――22!
ロイド:ダイスで9以上……!(ダイスを振る)チッ、駄目か!
アルト:(ダイスを振る)こちらは捌いた。出目8で精神抵抗22……同値で抵抗だ!
GM:(ダイスを振る)…ふむ、ではダメージはロイドさんに27点です。アルトさんには半減で14点ですね。煙を上げ、ドカンと雷が両者に落ちます。
ロイド:……づぉ……ッ! 叫んだ俺が、煙の中に消えると。
GM/ラーナ:で、ラーナは今しがたの攻防を見て叫びます。 「……な、何よ今の!?」
アルト:何と言われてもな……ご覧の通り、あれが最近噂の辻斬りだ。
GM/ラーナ:「辻斬りってレベルじゃないわよ! 剣筋とか全然見えなかったし、何この魔法!?」
アルト:剣の特殊能力らしい。私より前に出るなよ、狙われても知らんぞ。
GM/ラーナ:「頼まれたって出ないわよ!」 と、こっちは既に半ベソですね(笑)。 「ていうか、今の食らって大丈夫なのアンタ達は!?」
アルト:さて、私はレジストしているからな。……で、向こうはと言えば……。
ロイド:HPが30まで撃ち減らされたが、まだまだ元気だな。 ……おー、痛ぇ。効くねこりゃ、強烈だ。 煙が晴れた所で、槍を担いで血を流しながら立っている!!
アルト:……頑丈な奴だ。モロに喰らっていた筈なのだがな。
GM/ラーナ:「…あ、アンタ達が私達と戦ってから、まだせいぜい一ヶ月くらいでしょ? ……アンタ達、どーゆー修羅場潜って来たのよ…」
ロイド:そらまぁ、嫁候補が一人増えるような?(一同笑)
アルト:それもある意味、修羅場だな(笑)。さて、動くぞロイド。貴様の方でもう一ラウンド凌げ。その間にこちらは補助を完成させる。―――3m前進しつつロイドにSランクで『バーク・メイル』。更に『ヘイスト』2倍がけ! 私とロイドの移動力が+12され、追加行動の可能性が1/3で生まれる。
GM:……これ、使い方と運次第で戦術崩壊しかねないんですよね……。
アルト:気にするな。ちなみに私の追加行動は、(ダイスを振る)……お、発生した。では自分とロイドとラーナに≪魔法拡大≫からの『プロテクションII』だ。
GM:ギャー、一気に硬くなった!
ロイド:ナイス! じゃあそこに≪マルチアクション≫で自分を癒しつつ人間部分狙って攻撃。『キュア・ハート』は20点で、更に『キャッツアイ』と『クリティカル・レイ』と『ヒート・ウェポン』だ。(ダイスを振る)…む、命中はしたがクリティカルせず。ダメージはそこまででもなく、29点……。
GM/ダイン:「ほう……あれを凌ぎますか」 と、一撃を食らったダインは驚いたように目を見開きます。あ、ラーナに指示があればその都度言って下さいね? 何も言わないと、制限移動で3mずつこっそり逃げます。(一同笑)
アルト:ラーナ、手が空いているなら治癒魔法でも使え!
GM/ラーナ:「うげ!? ……うぅ、なんでこうなるのよー!」 と、半ベソで『プライマリィ・ヒーリング』です。≪魔法拡大/距離≫を持たせていた本来のGMのお手柄でしょうか、13mからでも届きますね。ロイド、10点回復して下さい。
ロイド:あ、すげぇ助かる。これは計算に入れてなかった。HPは60にまで持ち直したぜ。
GM:しかしそれでも、この攻撃を何度も受けてはもたないでしょう? ククク……。
ロイド:…お前がGMだと生死の狭間を死の方向へ越えかねんバランスの敵出すからなぁ……。
アルト:油断はならん、か。
▽ラウンド2〜3▽
さて、ラウンド2のダインの行動は、全力攻撃をロイドに叩き込みつつ、『スロウ』をロイドとアルトに放ちます。
ルールブックには書かれていませんが、『スロウ』と『ヘイスト』が同じキャラにかかると処理がおかしくなるため、今回は『スロウ』と『ヘイスト』が同時にかかった場合は両方の効果が打ち消し合うとして裁定されました。
結果、抵抗失敗したアルトは『ヘイスト』の効果を失います。ロイドは抵抗。しかし全力攻撃分、物理で37ダメージ。
ロイド:おー、痛ェ。……だが、サンダーボルトの直撃よか随分マシだな。
GM:…くっ、真語魔法ではロイドで出目9、アルトさんで出目8以上で抵抗……悪くない確率で抜けると思ったのに。補助魔法がかかった状態では、ロイドには物理は致命傷にはならない……!
ロイド:いや、それでも21点抜けて来てるがな。ま、それでもダメージ量は俺の回復量と然程違わない。――――『クリティカルレイ』をかけて、≪マルチアクション≫から『キュア・ハート』しつつ一撃!(ダイスを振る)HP回復は19点、与えるダメージは28点! ……うーん、さっきの抵抗以外、出目が奮わんな。追加行動も無し、と。
GM:……じりじり来るなぁ。
このラウンド、受けたダメージを自身の回復でほぼ相殺したロイド。
対するアルトは、3m前に出つつ『バーク・メイル』で自分の防御力を強化し、拡大『アースヒール』。
自身とロイドの負傷をかなり癒し、更に遠くから逃げつつラーナの回復魔法でロイドが10点回復。
それでロイドとアルトのHPは完全に回復します。
アルト:仕切り直しだな。
ロイド:おうよ。……こっから本番だ!
GM:……うう、おっかないなぁ。
そして第三ラウンド―――
GM操るダインは、弱体化を諦めたのかダメージ魔法による戦局打破を目論みます。
GM/ダイン:「チィッ……! しかし、そう何度も耐えられる物でもないでしょう!」 ダイン、再び拡大サンダーボルトです! 無論、全力攻撃をロイドに入れつつ。魔法は相変わらず達成値22、全力攻撃は23だ!
ロイド&アルト:……抵抗失敗!!
ロイド:更に全力攻撃もモロで喰らった!
GM:ではダメージ、全力攻撃が出目悪くて33点ですが……(ダイスを振る)お、ロイドへのサンダーボルトのダメージでクリティカル。魔法ダメージ、36点です!! アルトさんへは期待値の25点!
アルト:……い、生きてるか?(一同笑)
ロイド:この程度で沈むかよ。まだまだ、残り34点。癒せばまぁ、大丈夫な領域だな。
アルト:……頑丈な奴だ。
GM/ダイン:「……くっ、今ほどの手応えで…!」 と、ダインの顔には徐々に焦燥が張り付いて来ています。……何せ、もう魔剣のMPが半分切ってますし。
アルト:早っ!?
GM:サンダーボルトはMP馬鹿食いするんですよ。……ジャベリンに切り替えようかなぁ。
ダインの火力は高いものの、アルトとロイドは回復力の高いタッグです。押し切るには若干力不足。
このラウンドも、ロイドは自分を癒しつつ攻撃。アルトは二倍拡大した『アースヒール』で自分とロイドの傷を癒しています。
そして、遂に19mの距離まで後退したラーナ、最後のプライマリィでロイドを回復させます。
GM:ぬおおお……全然減らない。
アルト:僥倖だな。クリティカルが何度も出ない限り、こちらの回復力は敵の攻撃力に匹敵する。……とはいえ、ラーナのMPはもう限界か。
GM/ラーナ:「もう無理! もう限界! あと、今使った魔晶石の分は後で絶対お金貰うからね!!?」(一同笑)
ロイド:……あー、うん。それくらいで良いなら(笑)。
GM/ラーナ:「そのブルジョワじみた経済観念が腹立つ!!」(一同笑)
ロイド:どうしろと!?(笑)
▽ラウンド4▽
GM:そろそろ、ダインが本格的に焦り始めますね。 「ええい、大人しく死になさい! 貴方達は私に斬られ、ペリジェラントの糧となる運命なのですよォ!!」
ロイド:……へぇ? その言葉を聞いて、詰まらなそうに眉を顰めようか。 ……これが“人斬り”、“狂戦士”……ねぇ。
GM/ダイン:「……何だ、その目は」 と、その視線にダインが激昂します。 「そんな目で――――私を見るなァァァァァァ!!」 ≪全力攻撃II≫+拡大『サンダーボルト』ッ!! 無論、≪全力攻撃II≫はロイドさんにですね。
ロイド:(ダイスを振る)……お、魔法には抵抗した。斬撃は喰らったが。
アルト:(ダイスを振る)こっちも抵抗成功だな。……今回から攻撃に回れるか?
GM:うぐ。では、ロイドさんに物理で39点と魔法で12点。アルトさんには魔法で14点です。
アルト:よし、大したダメージじゃない。今回から攻撃に回るぞ!
ロイド:俺はキュア・ハートを自分にかけなきゃならんがな。……まぁ、潮時か。
GM/ダイン:「……何故です、何故斬れない! 何故死なない!」 と、ダインが遂に叫びますよ。
ロイド:これが狂戦士ねぇ……あの情報屋、ガセ掴ませやがって。 なぁオイ、その名を冠するならば楽しめよ狂戦士! 打倒し得るか得ないかギリギリの敵手! 楽しいだろうよこの状況が! さぁ、どちらに傾く天秤はまだ水平だぞ、見せろ見せろ見せてみろ、まだ何かあるなら出してみろ! 全てを吐き出し全力を絞り出し闘争とその果てにある勝敗を享受しろ!!!
アルト:うわ、ノリノリだ(笑)。
GM/ラーナ:「ちょ、ちょっと……何かノリノリなんだけどアイツ?!」 と、ラーナは驚いてますよ!?(笑)
アルト:……全く。 その様子を見ながら、小さく笑おう。 ―――狂戦士と言うならば、私がまず思い出すのはウォルフガング・ルウガルウだが、次点に挙げるのは間違いなくロイドだ。共に本質で言えば根からの戦士。強くなる事と強者と戦う事を喜ぶ人種だからな。
GM/ラーナ:「……えっと、前者の名前は分かんないんだけど…」
アルト:気にするな。……まぁ、あいつは普段はそれを出さない。シルフィにプリスのような守る相手が居る場合、そちらを優先する程度には理性が働く。そこまで大事な相手でなかろうとも、無辜の誰かを犠牲にしてまで闘争を優先するタイプではない。……つまるところ、甘いんだ。
GM:向けた視線の先では、ロイドの叫びに対してダインが大きく飛び退って距離を置いた所ですね。……腰が引けていると言っても良いかもしれません。
アルト:……だが逆に、その手の守る相手が居ない場合、つまり一切の後顧の憂いの無い状況だとああいう面が出るわけだ。あそこまで露骨なのは、まぁ初に目にかかるが……元々あいつは闘争自体を楽しんでいるような言動は多かった。純度としてはウォルフに劣るが、あいつも確かに狂戦士の素養はある。
ロイド:解説どうもッ!(笑) じゃ、このラウンドの俺の行動行くぞ! Sランクで『クリティカルレイ』から≪キュアハート≫かけつつ攻撃。(ダイスを振る)20点回復しつつ、与ダメージ29点……(ダイスを振る)…お? ヘイストの追加行動発動!!
GM:うげッ!?
ロイド:好機ッ! ≪魔力撃≫で一気に仕留める!(ダイスを振る)えーと、命中が26でダメージが(ダイスを振る)……出目が7。クリティカルレイで10。クリティカル発生!
GM:げ、ゲゲェ――――ッ!!?(一同笑)
ロイド:ダメージは――――52点ッ!!
GM/ダイン:「ひぎッ……!?」 その槍で、半ば胴体を貫かれてダインは悲鳴を上げますね。
アルト:よし、ならば3m前進して射程に踏みこむ。 ――――さて、倍返しの時間だ。
GM:……さっきからずーっとジリジリ近付いて来てましたものね。リベンジのチャンスを虎視眈々と狙ってましたか。
アルト:無論だ。やられっ放しで、尚且つ補助役だけで終わってやるほど私は大人しくはない。乱戦に踏みこみ、『ドレインタッチ』だ!(ダイスを振る)達成値、篭手の補助もあって25。ダメージは弱点込み22点だ!! これでHPも全快した。
GM/ダイン:うわウザ。……ではこれで、ダインのHPがマイナスに突入しました。 「ギ、ヒィィィィ!!」 と叫んで動きが一瞬止まりますが、次の瞬間には眼球が裏返り……人形のような不自然な動きで剣を構えます。
アルト:死んだか気絶したか……まぁ、魔剣の操り人形となったか。
ロイド:この状態になったんで、≪魔剣の従者(従)≫の特技が消えて……魔剣本体にも攻撃が通るようになったわけだ。
GM:どうするかなぁ、逃げちゃおうかなぁ。……魔剣ももうこれ、勝ち目が無い事に気付いて良いですよね?
ロイド:逃げれるもんならな。今の俺、ヘイストと専用装備で移動力は30くらいあるぞ。
GM:……わぁ、追いつかれる(笑)。けど、うーん……よし、決めた。
ロイド:何を決めたのか知らんが、MP切れてるラーナ、全力で離れろ! アルトが乱戦に介入したから、お前にも射線が通ってる! 全力移動で距離を取るか、遮蔽を取れ!!
GM:……うわぁ。(一同笑)
ロイド:…まさかとは思ったが、ラーナを狙いに行くつもりだったか(笑)。
GM:読まれてた? 読まれてた!!? ええい、その辺に都合よく一般人は居ないかな!?(一同笑)
ロイド:諦めろ、一般人を従えたところで殺さずに無力化する程度容易いぞ。(一同笑)
GM/ラーナ:ともあれ、指示を受けたらラーナは待ってましたとばかりに走り出します。 「分かった! こんなデタラメーズの戦闘にこれ以上関わってられないわよぉ! 警備兵の詰め所まで行ってくるから、それまでに勝って待ってなさいよ私の手柄!!」(一同笑)
ロイド:……元気だなー、あいつ(笑)。
アルト:守銭奴というか、自分に正直と言うか…(笑)。
GM:くぅ、何をもう終わった気になってるんですか。まだ終わってないもん、まだ戦えるもん。
▽ラウンド5〜6▽
……とは言ったものの。
この段階で、ペリジェラントのMPはサンダーボルト2発分。
状況を打破する為には、ロイドのヘイストが無効化するまで(あと2ラウンド)待つか、スロウを撃ってそれが通った上で逃げるか……。
PC側もそれは分かっているので、アルトはヘイスト掛け直し分のMPをきっちり確保したままです。
GM:……きっちり残している……ええい、共闘慣れしてるなぁ、この二人は! 仕方ない、イチバチだ。ロイドに『スロウ』。これが通り、ヘイスト掛け直されて、もう一度スロウが通れば逃げれる!!
ロイド:…最早行動は逃げ一色か。狂戦士……もうちっとばかり期待してたんだがな?
アルト:自分より弱い奴を相手にするというのは、戦略的には間違っていないのだがな。勝率3割ならば逃げるのも戦略だろう?
ロイド:まぁな。けど、そこで勝つからカッコ良いんじゃねぇか。ま、お嬢やプリスが関わってるなら退くけどよ。
アルト:貴様らしいと言えば貴様らしいが、奴らが居ない場所でとは言え無茶して貴様が死ぬと、奴らが泣くという事は覚えておけよ。……というか、居るのが私だけだと容赦なく暴走モードに入るんだな、貴様は。
ロイド:ンだよ、気ィ使って欲しかったのか?
アルト:死んでも御免だな。貴様に気など使われるくらいならば死を選ぶぞ、私は。(一同笑)
ロイド:…そこまで言うか、いっそ潔いな(笑)。
アルト:それとも何だ? 貴様、逆の立場だとして私に気でも使われたいのか?
ロイド:ハッ、死んでも御免だ。(ダイスを振る)……あ、『スロウ』は抵抗した。(一同笑)
GM:……ギャー。(一同笑)
アルト:逃げ場の無いGM、心の叫びであった。(一同笑)
GM:うっせーやい。≪全力攻撃II≫は消えたけど、マリオネットのような動きでダインがアルトさんに斬りかかりますよ。(ダイスを振る)当たったなら、ダメージは24点!
アルト:5点抜けた。(一同爆笑)
ロイド:あの、すいません。装甲で見れば軽く俺を凌駕している上に、貴方様確かビートルスキン未使用でしたよね?(一同笑)
アルト:うむ、MP的にな。……ところでGM、この剣って魔法生物か?
GM:え? ええ、魔法生物扱いですね。
アルト:ならば、『クリメイション』だな。ダメージが+5される。(ダイスを振る)……よし、抵抗は抜いてダメージ―――(ダイスを振る)クリティカル!!
GM:ブッ!
アルト:次が出目3……≪運命変転≫でクリティカル!!
GM:ゴフっ!?
アルト:(ダイスを振る)最終ダメージ、弱点込み49点だ!!
GM:コンジャラーの火力じゃねぇ!!? ≪魔剣の身体≫で10点減らしますが、それでもめっさ痛ェ……。
アルト:燃えて尽きろ―――などと言うのはイヴの専売特許だったか。
ロイド:だな――――っとォ! アルトの魔法に合わせるように突撃! ≪魔力撃≫で魔剣をぶん殴る!(ダイスを振る)よし、命中は出目が悪くて23だがそれでも当たってるな? ダメージは44だ!!
GM:あかん壊れる、あかん壊れる!!(一同笑)
ロイド:(ダイスを振る)……あ、追加行動。(一同笑)
GM:ギャー!!?(爆笑)
ロイド:もう一発魔力撃だ。壊れちまいな……ッ!!(ダイスを振る)ダメージ、42!
GM:の、残った。2点残った、けど……。
アルト:詰み、だな。
GM:……離脱行動はラウンドの最後。真語魔法には回復手段が無い。敵のHPは健在。MP切れかけ。……完全な詰みですが、ここで回収されても破壊されるのは分かってますからね。魔剣は最後の悪あがきを開始します。
ロイド:―――来るぞ、アルト!
GM:第6ラウンド、最後のMPで2倍拡大、エネルギージャベリン!! 万が一ですがこれで二人とも倒せれば……これが唯一の生存の可能性です。まぁ、万より低い確率でしょうが。
ロイド&アルト:(ダイスを振る)……抵抗失敗!!
GM:では、ロイドに26、アルトさんに24点のダメージです。ああ、MPも尽きた……。あ、ダインの攻撃はアルトさんに、ダメージ26点です。
アルト:では、エネルギージャベリンと斬撃に貫かれて血を吐きながら、カウンターで剣に手を触れよう。
GM:……あぁ、終わった……。
アルト:――――残念だったな、貴様のミスは私に喧嘩を売った事だ。 (ダイスを振る)―――『ドレインタッチ』、達成値は22に指輪を割って24。ダメージは弱点込みで25点。
GM:……駄目ですね。アルトさんが触れた所から亀裂が入り、魔剣ペリジェラントは粉々に砕けます。
アルト:それと同調するように、私の傷がほぼ全快した。(一同笑)
ロイド:……吸血鬼か何かかお前は、マジで……(笑)。
GM:ぐすん。良い線行くと思ったのになぁ……。
◆事は終わり◆
GM:では地面には魔剣の残骸が散らばり、息を引き取ったダインが転がっています。
ロイド:……あれ、死んだのか。
GM:半ば剣と命を共有しているような状態でした。剣を壊せば、そのまま死にます。
アルト:だとすれば、仕方あるまい。
GM:で、何もしなければ数分で、警備兵を引き連れてラーナが戻って来ます。
ロイド:余剰のMPで、それまでにキュア済ませちまおう。
GM/ラーナ:それは構いません。で、ラーナは 「私の手柄ーっ!!」 と叫んで走って来ようと……して、怖いのか路地の陰から顔だけ出して様子をうかがっています。(一同笑)
アルト:こいつは……(笑)。
ロイド:こっちは終わったぞ。……手柄はやるから事後処理は任せて構わないか?
GM/ラーナ:「マジで!? よし、任せ―――」 と、ラーナが言いかけた所でその頭に拳骨が落ちます。
GM/警備兵:「すまない、冒険者殿。どうやら私達の想定以上に強力な手合いだったようだな。この馬鹿から話しは聞いている」
ロイド:ああ、良いって良いって。つか、獲物横取りしたようで悪かったな?
GM/警備兵:「それは多少、思う所が無いでもないが――――」 と、サンダーボルトで抉れた地面を見て溜息を吐きます。 「この様子だと、私達がやった所で死人が増えていただけだろう。それは、こいつに殺された私達の仲間も望むまい」
ロイド:……さよか。
GM/警備兵:「貴殿らに感謝を。良ければ、泊っている宿を教えて貰いたい。明日にでも謝礼を届けさせよう」
アルト:…どうする?
ロイド:貰える物は貰おうぜ。……とりあえず、宿泊している宿を教えておく。
GM:はい。では、明日の昼頃にでも5千ガメルほどの礼金が届けられる事になります。
ロイド:それは後で処理するとして、だ。後始末は任せて構わないのか?
GM/警備兵:「2,3聞きたい事があるので、少しだけ付き合ってくれ。時間は取らせない」
ロイド:あいさ。……あぁ、アルト。デュランダルの方に報告は良いのか?
アルト:む、そうだな。では警備兵の方はロイドに任せて、一言断ってから通話のピアスを起動する。
GM/デュランダル:『アーブダークショーンッ!!』(一同大爆笑)
ロイド:何事ッ!?(爆笑)
GM/デュランダル:『ん? おや、人族。終わったのか?』
アルト:終わったは終わったが……何してたんだ、貴様(笑)。
GM/デュランダル:『暇だったから召喚魔法ごっこしてた』(一同笑)
ロイド:召喚魔法って言うか、それは世界観的に呼んじゃいけない物を呼びそうな……(笑)。
GM/デュランダル:『ともあれ、この短期間で方を付けてくれるとは……流石我の見込んだ冒険者。流石我。我サイコー』(一同爆笑)
アルト:怒って良い所だよな、これは!?(一同爆笑)
GM/デュランダル:『あ、じゃあピアス回収するね。汝らの助力は、我が忘れない限り忘れない。たぶん』
アルト:多分て!(笑) っていうか、確認とかは良いのか?
GM/デュランダル:『魔剣は砕いたんだろう?』
アルト:ああ、それは間違いなく。
GM/デュランダル:『なら問題はない。これでも我は、150年くらい生きてるからな。嘘を吐かれても見破れるつもりだし、ちゃんと壊してくれたなら後の憂いも無い』
アルト:信用してくれている、というわけか? ……存外大物だな、デュランダル。
GM/デュランダル:『お、我褒められた?』(一同笑)
アルト:……うん、まぁそれで良いや……。(一同笑)
GM/デュランダル:『うむ。では、また会う事があれば今度は我が何か手伝ってやろう。チャオ♪』 と、軽い捨て台詞と共にデュランダルはアポートを発動。アルトさんの耳から、通話のピアスが消え去ります。
アルト:おお、そう言えばそんな魔法もあったな。
GM:今が昼ならマントワーズの城壁の彼方に、ルデア山脈へ向けて飛んでいく竜の姿が見えたかもしれませんね。
アルト:さて、これは……コネが出来たと思うべきか?
ロイド:まぁ、馬鹿だが悪いドラゴンには思えんし? 悪い方には働かんだろ。
GM:で、警備兵達も必要な事柄を聞くだけ聞いたら、貴方達を解放してくれます。そろそろ夜の零時にならんというところですが……。
ロイド:疲れたから、宿に戻る。欠伸しながらな。
GM/シルフィ:では、宿に戻ればプリスとシルフィが貴方達を待っていた所でした。シルフィはダッシュでロイドに抱きつきますよ。 「ロイドロイド――――っ!!」
ロイド:緊急回避!!(一同爆笑)
GM:では、柱に顔面から直撃して気絶します。きゅう。(一同笑)
アルト:…何がしたかったんだ(笑)。
GM/プリス:「や、アルト。……何か妙な事に巻き込まれてたみたいだけど、無事みたいだね?」
ロイド:あ、伝言は聞いたんだな。
GM/プリス:「うん、ロイド。それで出来る事はあるのかなー、とか二人ともどうしたのかなー、とか話しながら待っていた所だよ」
アルト:ああ、問題はない。大した事はなかった。
GM/プリス:「それは何よりなんだけどね。君もロイドも、余り心配をかけさせないで欲しいというのが本音かな。男二人だけだとどこまでも無茶しそうな気がするんだよね、君らは」
アルト:今回は巻き込まれただけだ。……まぁ、その後に意趣返しの為に多少積極的に動いたのは否定しないが。(一同笑)
GM/プリス:「ま、良いけど。……君ら何だかんだで、こういう時は息が合うって言うか仲が良いよね?」
ロイド&アルト:(ハモって)死んでも御免だ!!(一同爆笑)
GM/プリス:「いやまぁ、別に……そう言い張るなら言い張るで良いけどさ……」(笑)
―――さて、キャンペーンの主軸となるロイドと、その相棒であるアルト。
彼らが挑んだマントワーズでの事件はこれで終わりです。
ぽんこつドラゴン・デュランダルとの出会いは、これからデュボールに行くにあたってどのような意味をもってくるのでしょうか。
・獲得経験点:1220+各々の1ゾロ分
・獲得報酬:5000G(警備隊からの褒賞)=5000G(デュランダルから貰った金の余剰分は、全て被害者の救済に使って貰う為に国に譲渡)
・獲得名誉点:25点
なんか戦利品は拾えず、名誉点ダイスも散々だった今回。経験点も久々に常識的な範疇に収まっており、ある意味一安心。
ともあれ、これにて一先ずは。
……ミッションコンプリート!!