◆SW2.0キャンペーン 駆け出し冒険者のためのセプテット 第十七話◆

◆新キャラクター登場◆
 

GM:さて、とうとう外伝を含めて18回のセッションが終わり、今回で本編も第17回目になりました。駆け出し冒険者の為のセプテットです。

一同:わーっ。

GM:で、事前に知っていた人も居るでしょうが、今回から若干のメンバー変更があります。具体的にはイクスさんとネリネさんが降板ですね。

ロイド:なんと!?……まぁ、イクスは分かるけどネリネは何で?

元イクスPL:何でイクスなら分かるんだよ(笑)。

ロイド:いや、だって。……最近、ヤムチャ化が著しかったし…。(一同笑)

プリス:ヤムチャってか……チャオズ?(一同爆笑)

アルト:そもそもお前、前衛大好きなタイプのPLだろ。何で後衛にした。(一同笑)

元イクスPL:……くっ……言い返せねぇ…(笑)。まぁ、そんな幾つかの事情もあるし、うっかり2回死んだ事もあるんで……。

元ネリネPL:イクスPLさんの別キャラ参入法案が可決されて、でも一人だけ別キャラだと技能の幅が限られるじゃないですかー。

ロイド:確かに、イクスが抜けるとなるとその穴埋めに絶対にスカウトは必須。プリーストも欲しい…。

元ネリネPL:と、いうわけで。私ことねるねるネリネも離脱して、二人で新キャラ投入という事に相成りましたー。他の四名に比べて、パーティーの中心から遠い立場やし。

プリス:そうする事によって、二人ともある程度のキャラ作成の自由度を得つつ新規キャラで参入出来るというわけだね。

GM:で、二人には今回の導入時点で、幾つかのお願いを承諾して貰っています。まぁそれについてはシナリオ中に言うとして……。

プリス:後は二人とも、僕がブルデに戻る前……冒険者をやっていた時代の仲間という設定もあるよ。この辺は合流し易くする為に、相談して決めた。

GM:ちなみに経験点は、プリスさんに合わせて44000点です。成長回数は17で作って貰っていますね。まず今回は、その二人の自己紹介から入りましょうかー。ちなみに渡したお金は6万ガメルです。

元ネリネPL:え、嘘!?うち6000ガメルで借金までして女神のヴェール買ったりして頑張って作ってたんですけど!?(一同大爆笑)

ロイド:少なッ!!?(爆笑) 何かおかしいと気付けよ!!(笑)

元ネリネPL:いや、だってこれ……(携帯電話を取り出し、開く)……うん、うち悪くないやん!

ロイド:あ?(携帯電話の画面を覗き込み)……おいコラGM、お前がネリネPLに送ったキャラ作成のレギュレーションのメール、所持金の0が1個足りねぇぞ。(一同爆笑)

GM:あ、あるぇー?(笑)

元ネリネPL:……ちょっと装備を買い直します。待ってー!!(笑)

ロイド:……じゃあ、少し早いけど飯食って待ってるか(笑)。

GM:じゃあその間に、元々居たキャラの皆さんも成長お願いします。前回の経験点は2020。金銭は16350です。

ロイド:そう言えばこれ、4人で分けて良いのか?

GM:気になるなら六等分しちゃってください。イクスさん、ネリネさんの離脱理由は冒頭で語ります。

シルフィ:前回(=六人時)の報酬ですから、六等分しましょう。

アルト:となると、今回は割り切れるな。一人頭、2725Gだ。

GM:では、それも含めて成長お願いします。その間に飯じゃー。
 

 で、飯休憩。
 ちなみにGMは誤伝達の罰として、弁当を選ぶ権利が最後になりました。
 おのれ。
 
 ともあれ、それから1時間後―――

 

元ネリネPL:お待たせしました。出来ましたー。

元イクスPL:こっちもそれに合わせて、少し構成を変えた。具体的には貸した金を返してもらったんだが。

ロイド:なぁ、元ネリネPLよ……自分が6000Gしか持ってないのに、相手がヴェール買えるほど金が余ってるなら、何かおかしいと気付こうぜ。(一同笑)

元ネリネPL:あーあー、聞こえなーい。ともあれ、どっちから行きませうか?

元イクスPL(以下クリストフ):あー、じゃあ俺から行くわ。クリストフ・ディスガーダー。経歴表で『かつては貴族だった』を振ったんで、没落貴族だな。その後『過去に仕えた主が居る』と出たんで、折角だからデュボールの侯爵であるバスティアン・べアール侯爵にコネを取った。

GM:元ベアール侯の配下ですね。この能力だと騎士でもやっていたんですかね?

クリストフ:いや、『濡れ衣を着せられた事がある』って経歴も出てるんで、そんな上等な仕事じゃなかったと思う。

ロイド:濡れ衣を着せられてお家没落、ベアール侯に拾われたって所か?

クリストフ:多分。末子だった俺のみが助命され、ベアール侯爵家の使用人として仕えていた。庭師見習い……かな。ガーデナー技能も持ってるし。ああ、冒険者技能はファイター10、スカウト7、エンハンサー2、アルケミスト1。クリティカルレイと≪必殺攻撃≫による一撃狙いの剣士で、同じファイターのロイドに比べて速度に優れる分威力と耐久力に劣る感じ。

GM:能力的にはイクスさんが信じられないくらい優秀ですね。

クリストフ:うん。3回振ってその中から能力値選べって言われてたんだけど、1回目で軽くイクスを凌駕した時には泣きたくなった。(一同笑)

アルト:……私一人だけ、物凄く能力値低い気がする。(一同笑)

ロイド:気にするな、お前はそれでもキャラは立ちまくってる上、十分に活躍しているだろ(笑)。

アルト:そうかもしれんが、なんか納得いかん……(笑)。
 

 計算して見たところ、能力値合計はロイドとプリスの2人が120オーバー。クリストフはギリギリ120に届かず。
 アルトは今回成長分を含めて100丁度でした。
 もう一人の新キャラやシルフィが100台半ばなので、パーティー最下位ではありますが劇的に低いわけでもありません。
 余談ですがイクスは成長回数の差から、アルトと同値でした。
 

クリストフ:話戻すぞ?で、その後ベアール侯爵家に仕えていたが、その折に武芸の素質をバスティアン・べアール侯爵に見出され、侯爵の部下として幾度か従軍して武勲を挙げた。その後、侯爵の許可を得て、冒険者として身を立てる為に旅に出た。……最終目的はお家再興かな。

ロイド:なんつーか、見事なまでに主人公してるな、お前の設定。(一同笑)

シルフィ:設定で見るならロイドよりも主人公臭いですね(笑)。

ロイド:俺、当初はただの執事見習いだったんだよな。

プリス:気が付けば蛮族にすら将器を認められる、師匠の死を乗り越えた若き英雄候補だからねぇ。行動で主人公っぽくなっていった、後天型だね。

クリストフ:俺も設定倒れで終わらないようにせんとな。で、その後冒険者として活動を開始し、プリスやネリネPLのキャラと出会った。プリスがブルデに戻る際にパーティーは解散したが、俺はネリネPLのキャラと組んでミラボアへ出向いていて……。

元ネリネPL:ミラボア最大の遺跡である『知識の井戸』で、内部からデーモンが溢れ出てくる事件があって、その場に居合わせた自分達は第14話、第15話もかくやという激戦を潜り抜けて来たのよ。(一同笑)

クリストフ:以上、高レベルキャラである以上はそれまでの人生でもそれなりに修羅場を潜っているべきという意見から、こんな流れに決定した。今はミラボアからマントワーズに戻って来た所なんだが……その理由はGMから本編で説明されるだろう。

プリス:僕はクリストフとももう一人とも知り合いなんだよね。クリストフってどんな性格で、何歳?あと、種族は?

クリストフ:おっと。種族は人間、年齢は22。性格は女好きの三人目って所か。

シルフィ:……三人目?(一同爆笑)

ロイド:……一人目と二人目は?(笑)

クリストフ:違う、三枚目!三人目違う!!言い間違い!!(爆笑)
 

名前:クリストフ・ディスカーダー
種族:人間 性別:男 年齢:23 生まれ:冒険者
身長:178cm 体重:66kg 髪の色:茶
能力値ダイス:技10 体8 心8 A9 B10 C6 D9 E8 F8
最終能力値:器用度22+2 敏捷度24+1 筋力20 生命力18 知力18 精神力17
保有経験点:4500
合計名誉点:550
保有名誉点:30
HP:63+2 MP:17
冒険者技能:ファイター10 スカウト7 エンハンサー2 アルケミスト1
一般技能:ガーデナー5 ジェネラル3 ノーブル2
戦闘特技:武器習熟/ソード 必殺攻撃 武器習熟/ソードII 防具習熟/非金属鎧 タフネス 防具習熟/非金属鎧II
習得練技:ガゼルフット キャッツアイ
習得賦術:クリティカルレイ
武器:専用首切り刀+1
防具:ドラゴンスケイル
アクセサリ:専用多機能ブラックベルト(+アルケミーキット) 敏捷度増強の指輪×3 リトルウィング
所持カード:金Aランク9枚
所持品:冒険者セット スカウト用ツール
所持金:0
所有コネ:バスティアン・べアール侯爵(友人/400点消費)
 
 露骨なクリティカル狙いの軽戦士。
 このレベルの戦士にしては軽い装備だが、機動力と命中に長けており、ロイドとトリーシャの中間のような戦闘スタイルを持つ。必殺を狙わない場合、非常に安定した戦士となる。
 ベアール侯爵家の元庭師見習い。ベアール侯爵に従っての従軍経験もあり、さりげにジェネラル技能を持っている。
 お家再興を目的として冒険を続ける、若き剣士。ミラボア王国の方では結構名が知れている。
 戦士職なのに、あれほど知力を渇望していたイクスより知力が上なのが泣ける。女好きで三枚目な伊達男。
 

元ネリネPL(以下イヴ):さて、次は自分ね?―――自分の名はイヴ・グリンフィード・サブタレイニアン。人呼んで“火焔の自由騎士”よ。

ロイド:お、二つ名付き。

イヴ:バスタードソードにタワーシールド、チェインメイルに身を包んだ典型的騎士スタイルに、グレンダールの聖印を付けた神官戦士よ。年齢は21。藍色のロングヘアが特徴ね。プリースト/グレンダール10Lv、ファイター7Lvよ。

プリス:神官二人目?それも凄いね。

イヴ:それには理由があってね。『師と呼べる人物がいる』って経歴表で出たんで、とある人物を選択したのよ。……ふふふ、誰かわかる?(一同笑)

プリス:……あ、嫌な予感がする。このキャンペーンで出てきた中で最高位のグレンダール神官って……。

イヴ:イエス!ロイドの母親、『ユフィリース・クラリクロイツ』さんを師とするグレンダール神官よ!!(一同爆笑)

ロイド:またうちの親の関係者かァァァァ!!(爆笑)

シルフィ:あ、名前決まったんですねー(笑)。

GM:いつまでも名無しじゃアレですからね。ロイドさんの母親の名は、ユフィリース・クラリクロイツ。父親はアーキス・クラリクロイツです。そしてシルフィさんの姉上はクリスティーナ・フォン・アークウェインさんです。爵位は男爵。

イヴ:まぁ、ロイドとは面識ない設定。自分がアークウェイン家の領地に居たのは、まだまだ幼い頃……その頃のロイドはシルフィに付き合って野山を駆け回っていて、自分は礼拝でユフィ様からの薫陶を受けていたのよ。

ロイド:……う、うわぁ。絶対ろくでもねぇ……(笑)。

イヴ:そう?自分が教えを受けたのは神官としての在り方だけよ。『右の手に女性を抱くなら、左の手にも女性を抱きなさい』。……偉人の言を捏造してまで語られる、そういうイカレた恋愛観は正直どうかと思うわよ、自分は。(一同爆笑)

ロイド:……おーい、母親ぁ(笑)。

GM:ちなみに、男は旦那様一筋ですよ(笑)。女の子相手には何股でもかけようとしますが。(一同爆笑)

ロイド:それは良かった……のか……?(一同爆笑)

イヴ:そう、自分が学んだのは一つ。たった一つのシンプルな答え。即ち、『神官は火力』!!(一同大爆笑)

一同:それは無いッ!!(爆笑)

イヴ:幼い頃に聞いたそれを真理として育った自分は、高い知力に物を言わせて魔法攻撃を連打する攻撃型神官になったのでした。まる。(一同爆笑)

ロイド:だから、あの母親は凄い勢いで他人の人生を愉快に間違った方向に導くなと……!!(笑)

イヴ:天界から悪戯天使が舞い降りたようなイメージでもってぇ……!今必殺の『フレイム・バースト』ォ!!

アルト:いや、違うからな?それの威力は間違っても悪戯ってレベルじゃないからな?(一同笑)
 

・『フレイム・バースト』。グレンダールの10Lv特殊神聖魔法。
・射程距離を除くならば、ソーサラーの10Lv魔法であるブリザードにほぼ互換し得る火力を持つ、プリーストにあるまじき性能の範囲攻撃魔法である。
・そして≪魔法制御≫を持っている上に知力特化型のイヴがこれを使うと、完全にソーサラー級の火力を誇るプリーストが出来上がる羽目になる。……流石に魔力差でシルフィには劣るが。

 

イヴ:そんな感じで、苛烈な攻撃魔法の嵐と戦士としての能力から、付いたあだ名は“火焔の自由騎士”なのよ。後の経歴は、人生に関わるような物じゃないんで……ユフィ様の薫陶を受けて旅に出てからの経歴は、クリストフと変わらないかな。プリスと出会ってー、暫く冒険してー、ミラボアで一山当てた所。モンスター経験点5000点とかのハジけたシナリオを潜り抜けて。(一同笑)

シルフィ:参考までに、残り二つの経歴は?

イヴ:『役に立たない特技がある』ので、腹話術が得意としたわ。ついでに腹話術用の人形も購入。ほーら、音が遅れて聞こえてくるよ……。

ロイド:(すかさず)黒神ファントム!!(一同爆笑)

アルト:それは違う!!(爆笑)
 

・『黒神ファントム』。西尾維新先生原作のジャンプ漫画、『めだかボックス』にて主人公の黒神めだかが使った技。
・突進で発生するソニックブームをぶつけてるっぽい。お前は何者だ。
・ちなみに、その前口上は『音が遅れて聞こえてくるよ』だった為、ロイドの発言がイヴの発言から続く事となる。

 

イヴ:ついでにオリジナルの一般技能で『ドールメイカー』なんてのも取ってみた。材料を揃えれば人形を自分で作れる!あとは、そうね。バウンサーが5Lvあるから、相手の胸倉を掴んで剣を突き付けての交渉とかは得意よ。(一同爆笑)

プリス:それ交渉じゃない!一般にそれは脅迫と呼ぶよ!!(爆笑)

イヴ:ちなみにクレリック技能は無いんで、神官としては神殿に置いておいても役に立ちません。攻撃魔法はありがたがられないし。(一同爆笑)

ロイド:そりゃそーだ!!(爆笑)

イヴ:魔法の腕は高司祭レベルなのにね。

ロイド:むしろ攻撃魔法大好きなその有様は、蛮族のグレンダール信者に近ェよ(笑)。

イヴ:今死ねェ!すぐ死ねェ!骨まで砕けろォ!!(一同大爆笑)

ロイド:もうお前他のグレンダール信者の為にも黙ってろ!!(爆笑)

プリス:うちのパーティーさ、高司祭級と司祭級のグレンダール神官が揃ってるけど、揃いも揃って神官って柄じゃないよね……(笑)。

アルト:…グレンダール、実は釈迦の如く寛大な神だな。あの二人が許容されているとは。(一同爆笑)

イヴ:ちなみに最後の経歴は、『純潔である』。この項目書いたSNEの人、怒らないから出て来なさい。(一同爆笑)

クリストフ:要は、その過激な性格のせいで男が寄り付かないんだよな。

イヴ:色恋沙汰が弱点ですが、流血は大好きです。(一同爆笑)

ロイド:うん、帰れ蛮族。(一同爆笑)
 

名前:“火焔の自由騎士”イヴ・グリンフィード・サブタレイニアン
種族:人間 性別:女 年齢:21 生まれ:神官
身長:172cm 体重:61kg 髪の色:藍
能力値ダイス:技5 体6 心10 A2 B6 C9 D10 E11 F5
最終能力値:器用度7 敏捷度12 筋力18 生命力19 知力28+2 精神力18
保有経験点:4000
合計名誉点:550
保有名誉点:225
HP:64 MP:48+2
冒険者技能:プリースト/グレンダール10 ファイター7
一般技能:バウンサー5 ドールメイカー3
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法誘導 魔法収束 魔法制御 タフネス MP軽減/プリースト
武器:バスタードソード+1
防具:タワーシールド チェインメイル
アクセサリ:専用ブラックベルト 専用女神のヴェール 祈りのアミュレット 聖印 勇者の証/心 知力増強の腕輪×3 大風の翼
所持品:冒険者セット 魔晶石5点×6 知力増強の腕輪×2 腹話術人形
所持金:260
所有コネ:トラト・パンパーニ(友人/100点消費) ユフィリース・クラリクロイツ(友人/100点消費)
 
 攻撃魔法型プリースト。ロイドと並べると、グレンダールの神官は攻撃しか能が無いのか不安になる。
 クリストフと同じくプリスの元冒険者仲間であり、当時のパーティーリーダー。一人称は『自分』。
 パーティーが解散してクリストフとタッグになってからも、持ち前の強引さで彼を引きずり回していた。
 ロイドと直接の面識は無いが、彼の母を神官としての師としている。
 極端に不器用だが知力はシルフィに次いで高く、特殊神聖魔法と相まって神官とは思えない火力を発揮する。戦士としての腕前はそこそこ。レベルは高いが、不器用だったり動きが鈍かったりして、同レベルの平均的戦士には劣る。
 

◆成長報告&お知らせ◆
 

GM:で、まぁ以上のような二名の新キャラを迎えての今回です。では、継投の皆さん、成長報告をお願いします。

シルフィ:1話から残って居るのは3人ですか。私、ロイド、アルトさん…。

プリス:ヒロイン、主人公、ライバル。物語の中核3人だね。

GM:ですね。さて、それではシルフィさんから成長をば。

シルフィ:はいはい。シルフィリア・アークウェイン。ネリネが抜けた分をカバーする為に、レンジャーを1から一気に4まで上げました。魔香水、魔香草、いずれも重要なファクターです。特に長期戦では。(一同笑)

プリス:ブルデ攻防戦から学んだね(笑)。

シルフィ:です(笑)。あと、遂に成長ダイスが3と4だけの回が出てしまいましたので、生命力を6から7に上げました。なんと16.6%もの急成長です!!(一同笑)

クリストフ:焼け石に水っつーか、魔人ブウにヤムチャっつーか……。(一同笑)

シルフィ:で、買い物はSランクカードを1個だけですね。まぁ、それほどの収入があったわけでもありませんので。

ロイド:消耗品ばっか買ってるから、金が溜まらないんだけどな。

シルフィ:まぁ、別に欲しい装備があるわけじゃないから良いんですけどね。以上、あっさり目の成長で、シルフィリア・アークウェインでしたー。
 

名前:“天衣夢砲”シルフィリア・アークウェイン
種族:エルフ 性別:女 年齢:20(外見15) 生まれ:魔術師
身長:163cm 体重:50kg 髪の色:紫銀
能力値ダイス:技10 体2 心14 A8 B7 C1 D4 E11 F9
最終能力値:器用度19 敏捷度19 筋力3 生命力7 知力34+2 精神力26
保有経験点:1011
合計名誉点:520
保有名誉点:375
HP:37 MP:56+2
冒険者技能:ソーサラー10 セージ3 レンジャー4 アルケミスト5
一般技能:ノーブル3 ハンター3 カスタネッター1 リコーダリスト1
戦闘特技:魔法誘導 魔法拡大/数 MP軽減/ソーサラー 鷹の目 武器習熟/スタッフ 鋭い目
習得賦術:バークメイル ヴォーパルウェポン パラライズミスト ポイズンニードル リーンフォース
使い魔:カラス(命名:ビグザム)
武器:マナスタッフ
防具:専用マナコート
予備装備:銀のナイフ(発動体)
アクセサリ:とんがり帽子 アルケミーキット 専用マナリング 薔薇のチョーカー 知力増強の腕輪×2
所持カード:赤Sランク2枚 緑Sランク2枚 赤Aランク11枚 緑Aランク5枚 黒Aランク4枚 赤Bランク6枚 緑Bランク5枚 黒Bランク10枚
予備装備:部族のジャベリン(必要筋力3/発動体として使用可能)
所持品:冒険者セット 白紙の本 羽ペン&インク ロバ(命名デンドロビウム) カスタネット リコーダー 消魔の守護石3点×2 部族のお面 部族の羽飾り 魔晶石10点×3 魔晶石5点×12 魔香水×8 魔香草×10 救命草×3
所持金:727
 
 魔法砲台。従者が抜けた分、レンジャー技能を上げ始めた。
 改めて見ると、消耗品の塊のようなキャラシーである。
 魔力に優れ、高火力で戦場を蹂躙する典型的砲台型ソーサラー。実家の爵位は男爵家だったらしい。

 

ロイド:ロイド・クラリクロイツ。プリーストを上げるには足りず、今回は技能の成長は無しだな。上がった能力値は精神力。

アルト:こうして見ると、貴様も魔法使い系として過不足無いスペックだな。

ロイド:知力24、精神力19。魔法使い系メインでもやって行けたかもな?……まぁ、それはともかく。買い物としては、『決死の鉢巻き』を購入した。

GM:……うわぁ……。
 

・決死の鉢巻き。頭部装備。
・鉢巻きを使い捨てる事で、≪捨て身カウンター≫が使えるようになる。要は、相討ち狙い。
・ロイドのように一撃火力タイプのファイターが持つと、かなり剣呑な事になる装備。

 

アルト:使ったら鉢巻きが壊れるから、角が見える事になるが?

ロイド:そうも言ってられない状況の為の、最後の武器だな。それに、ブルデを経てナイトメアである事を晒すのにそれほどの恐怖は無くなった。戦場だからという事もあるんだろうが、俺を受け入れてくれた奴らも多く居たんだ。

シルフィ:私はカッコイイと思うんですけどねー、その角。

ロイド:……お前のそういう能天気さには、救われているよ。正直な。
 

名前:ロイド・クラリクロイツ
種族:ナイトメア 性別:男 年齢:20 生まれ:神官
身長:188cm 体重:84kg 髪の色:漆黒
能力値ダイス:技6 体14 心10 A10 B7 C6 D6 E9 F7
最終能力値:器用度20+4 敏捷度13 筋力26 生命力22 知力24 精神力19
保有経験点:3370
合計名誉点:587
保有名誉点:412
HP:82+2 MP:40
冒険者技能:ファイター10 ライダー1 プリースト/グレンダール7 エンハンサー1 アルケミスト1
一般技能:ジェネラル7 バトラー3 ハンター2 コーチマン2
戦闘特技:武器習熟/スピア 魔力撃 マルチアクション タフネス 頑強 魔力撃強化
習得練技:キャッツアイ
習得騎芸:攻撃指令
習得賦術:クリティカルレイ
乗騎:レンタル取りやめ
武器:専用パイク+1
防具:専用イスカイアの魔導鎧
アクセサリ:専用ブラックベルト 聖印 決死の鉢巻き アルケミーキット 器用度増強の腕輪×2
所持カード:金Sランク2枚 金Aランク10枚 金Bランク4枚
予備装備:マトック ロングスピア 部族のショートスピア 部族のラウンドシールド 部族の腰ミノ 筋力増強の腕輪 バンダナ
所持品:冒険者セット 保存食×3食 ロープ10m フック くさび10本 小型ハンマー 部族のお面 魔晶石5点×16
所持金:433
 
 一撃の威力に定評のある神官戦士。アークウェイン家を主家と仰ぐ執事見習いの筈が、何故か将軍級の武力と指揮能力を持っている変わり種。
 ネリネが居なくなった為、HPで見るとパーティーで一番頑強な人になった。
 主人公ポジションとサークル内外で言われているが、本人は否定している。本人だけは。
 

アルト:さて、私か。アルト・ディオスクロイツ。成長は筋力。これで17になり、タワーシールドも腕輪の補助無しに持てるようになったな。これで筋力増強の腕輪を予備装備入りさせられる。

ロイド:……高くなって来たな、筋力(笑)。

アルト:うむ、筋力が18回中5回成長していると言うのは、魔術師としてどうかと思う。まぁ、おかげで今の重装甲があるので、一概に悪いとも言えないが。技能の成長は無いが、多分次回でコンジャラーが11に上がる。

GM:流石の成長速度ですねぇ。

アルト:魔法制御が一刻も早く欲しいと言うのもある。スパークやアシッドを味方に構わず撃てるようになるのは大きい。クリメイションを一々拡大していては、燃費が悪過ぎる。私はシルフィ程のMPは無いんだ。

シルフィ:でも魔法生物やアンデット相手のクリメイションは、ともすると私以上の火力になりますけどね。

アルト:その辺は状況とバランス次第だな。買い物は知力増強の指輪を、予備まで含めて4つ買った。それと、プリスとロイドに金を借りて、Sランクのカードを2つ。

クリストフ:後は、パーティー最硬になったって事かな?

アルト:(素で)無ぇよ!?(一同爆笑) い、いや。タワーシールドを持ってビートルスキンを使ったフルアーマーモードでなければ、パーティー最硬ではないぞ?

ロイド:逆説、そうすればお前が一番硬いって事だろが。(一同笑)

アルト:……基本装甲は12点になる(笑)。
 

名前:アルト・ディオスクロイツ
種族:人間 性別:男 年齢:20 生まれ:学者
身長:173cm 体重:60kg 髪の色:金
能力値ダイス:技5 体7 心9 A5 B6 C5 D7 E9 F7
最終能力値:器用度10 敏捷度12 筋力17 生命力19 知力23+1 精神力19
保有経験点:6220
合計名誉点:587
保有名誉点:352
HP:49+2 MP:49+2
冒険者技能:コンジャラー10 セージ7 アルケミスト1 エンハンサー1
一般技能:スカラー3 スクライブ3 ライブリアン1
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法収束 鋭い目 魔法誘導 弱点看破 防具習熟/非金属鎧
習得練技:ビートルスキン
習得賦術:バーク・メイル
武器:メイジスタッフ
防具:専用ボーンベスト
アクセサリ:専用ひらめき眼鏡 専用ブラックベルト アルケミーキット 知力増強の指輪×2
所持カード:緑Sランク2枚 緑Aランク3枚
予備装備:ピック 専用タワーシールド 発動体のロングソード 筋力増強の腕輪 知力増強の指輪×2
所持品:冒険者セット 火縄壺 油×2 6人用テント 調理器具セット 食器(5人前) 魔化された樫の枝×4 可愛くない人形×6 部族のお面 頑丈なランタン 魔晶石10点×3 魔晶石5点×19 音運び ミスティックインク×2
所持金:0
 
 ネリネがパーティーから離脱した為、HPはともかく防護点で言えばパーティーで最も硬くなった専業魔術師。
 専業魔術師の筈が、知力と精神力の合計値ではパーティー5位。下には魔法技能を持たない戦士であるクリストフしか居ない辺り、涙が止まらない。他のパーティーならば魔法戦のエースになり得る能力値だろうに。
 本人達は認めていないが、ロイドとは誰が見ても無二の相棒関係。

 

プリス:さて、ラストは僕かな。プリステア・シークスフィスト。前回正式に向日葵兵団に所属したけど、まぁそれは前回も言ったから良いか。成長はマギテックを上げても良かったけど、ここはシューターを上げる為に貯金しておくよ。これ以上成長が遅れるわけにはいかないからね。

イヴ:でも器用度高いからね。レベルは遅れていても命中はむしろ、ロイドの魔力撃を除けば武器補正もあってパーティー屈指じゃない。

プリス:そだね。だから焦って上げる事も無いかなって思ってたんだけど……ネリネが抜けて前線が薄くなったでしょ?じゃあ、僕も前に出る機会が増えるのかなって思うと……ね。回避能力にも直結するシューターが低いままってのもどうかなって。

ロイド:お前はお嬢と並んで後衛イメージがあるけどな。

プリス:前にも出れるんだから、出れる準備はしておく主義だよ。上がった能力値は敏捷。……うーん、正直筋力があと1欲しいんだけど、まぁそう言っても仕方ないか。

イヴ:ああ、あと1点で指輪外せるんだ。

プリス:うん。アラミドコートとロングバレルがあるからね。買い物は銃弾を24発。

ロイド:回避力で見れば、お前は俺よか上なんだよな。……どの道気休めだけど。

プリス:君より上って、何の自慢にもならないからね。『運がかなり良ければ避けられるかもしれない』レベルでしょ、それ。実戦で期待するのは酷だよ。格下相手ならともかくね。……ま、僕の成長はこんな所かな。

シルフィ:ブラオファルケンも元気そうでなによりです!!

プリス:……。ああ、荷馬か!!誰かと思ったよ、その無駄にカッコ良い名前!!(一同笑)
 

名前:プリステア・シークスフィスト
種族:ナイトメア 性別:女 年齢:17 生まれ:魔動機師
身長:149cm 体重:38kg 髪の色:灰
能力値ダイス:技9 体9 心12 A11 B9 C4 D5 E10 F7
最終能力値:器用度28+2 敏捷度20+1 筋力14+1 生命力15 知力26+1 精神力21
保有経験点:4000
合計名誉点:575
保有名誉点:60
HP:42+2 MP:42
冒険者技能:シューター9 スカウト7 マギテック7 エンハンサー1
一般技能:フォーチュンテラー5 マーチャント5
戦闘特技:両手利き 精密射撃 二刀流 射手の体術 トレジャーハント ファストアクション 武器習熟/ガン
習得練技:キャッツアイ
武器:専用デリンジャー+1×2 専用ロングバレル+1×2 専用ロングボウ
防具:専用アラミドコート
アクセサリ:専用ブラックベルト フローティングスフィア カチューシャ(ヴェール相当) 敏捷度増強の指輪 ペンデュラム(チェーン相当。100G支払い) 知力増強の指輪 筋力増強の指輪 バレットポーチ
所持品:冒険者セット 背負い袋 スカウト用ツール タロットカード バレットポーチ 魔晶石5点×4 荷馬(名前:ブラオファルケン) 弾丸42発 矢24本 矢筒
所持金:0
所有コネ:ダライアス・シークスフィスト@貴重な友人(ていうか義父/150点)
 
 向日葵兵団所属のマギテックシューター。瞬間火力ではパーティー随一。
 様々な射撃武器を持っており、歩く武器庫の様相を呈している。
 クリストフやイヴとは元々一緒にパーティーを組んでいたのだが、この三人だけ見ると何とも攻撃特化なパーティーだっただろうとしか思えない。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇ 

GM:さて、それでは開始前に幾つか連絡があります。

ロイド:連絡?

GM:第三期に入るに当たり、当初の予定を遥かに上回る速度で成長して来たPC達に合わせて、一部の敵NPCのデータに上方修正を入れました。具体的にはウォルフガング・ルウガルウとリゼリア・ミルヒヴァイス。前者はレベルが上がった上、特殊能力が追加されています。後者はリャナンシー・アサシンに妖精魔法を13Lvで持たせたデータになりました。(一同爆笑)

プリス:ひどッ!?(笑)

シルフィ:……えー……これがスカーレットテーブルの3位と5位となると、2位とか1位はいったい……(笑)。

GM:要は、『名のある魔物』扱いですね。あ、倒せば名誉点貰えますよ?名のある魔物ルールに従って。

ロイド:倒せるかい(笑)。アウグストを軽く上回る格上が2人だぞ(笑)。

GM:まぁ、業務連絡は以上です。イヴさん、クリストフさんには前もって状況を伝えておきましたが、さて、どうなるか……。ともあれ、考えるより産むが易し。始めてみましょうか。それでは、宜しくお願いします。

一同:よろしくお願いしまーっす!!
 

◆離脱◆
 

GM:さて、それでは前回から三日が経過し、皆さんはマントワーズに行く途中にあるドルデアにまで戻って来ました。

ロイド:……ようやっとか。前にここに来てから、随分と長く経過した気がするぞ。

アルト:半月も経っていない筈なのだがな。

GM:ちなみにまだイクスさんとネリネさんは居ますが、この街に着いた辺りで別行動を取る事になります。まず、ネリネさん。流石にこの一件に関しては実家に誰かが報告に行かないと不味いという事になり、ネリネさんが馬車で先に行く事になります。

ロイド:わーい、不安しか無い人選。(一同笑)

GM/ネリネ:「それでは行って参ります、マスター。おやつは私のポシェットの中です」

シルフィ:はい、ネリネ!でも貴方が行っちゃったらそのおやつも一緒に行っちゃいますよね?その伝言の意味は何ですか?(一同爆笑)

GM/ネリネ:「何を仰るのですか、マスター。これは私のおやつです、あげません」(一同爆笑)

シルフィ:うん、益々それをわざわざ私に言う意図が不明ですね!(笑)

GM:で、まぁ……余りにも不安な人選なのもありますし、二度ほど連続で死んでしまったのもあって、イクスさんもそれに同行して一度デュボールまで戻るのを志願します。

アルト:……無理もないか。連続死亡は流石に堪えたと見える。むしろ今まで、よく付き合ってくれた。

GM/イクス:「……んー、そんなわけで、ネリネの姐さんの見張りついでにデュボールに戻って、一度ゆっくり時間を取りたい所っす」

ロイド:良いんじゃね?今のお前の力量なら、神殿に行けば高司祭レベルだぞ。就職先には困らん筈だ。

シルフィ:私達も追ってデュボールに戻りますから、その時はまた会いましょうねー。あ、お姉様への報告、どうぞ宜しくお願いします。

GM:で、それに伴い、トリーシャさんの遺体も一緒に連れて行って貰う事になります。お墓は地元、アークウェイン家の領地に作る方針で。

ロイド:……そか。頼んだ、ネリネ、イクス。気を付けて行けよ。

GM/イクス:「うぃっす。旦那たちこそ気を付けて」 と、イクスさんもトリーシャさんの亡骸とネリネさんの乗った馬車に乗ります。それと、フルメリさんも一度、トリーシャさんに会いに来ました。

ロイド:……来たか、母将軍。

GM/フルメリ:「……ああ。すまぬが、トリーシャに会わせて貰えぬかの?」 と、言葉少なにフルメリさんはトリーシャさんの亡骸への面会を希望します。

ロイド:分かった。了承した上で、何も言わずに二人にしてやる。亡骸は馬車の中か?……なら、馬車から出る。

GM:……はい。では、馬車の中から震える声での謝罪と、懺悔の言葉が僅かに聞こえました。

ロイド:………何も聞かなかったふりをするか。この件は、墓の中まで持っていく。

プリス:あー……トリーシャのPLとしてGMにお願いがあるんだけど。自己満足だけどさ、キャラクターシートのコネの部分。フルメリとの関係を、『顔見知り』から『貴重な友人』にまでランクアップさせたい。

GM:……良いでしょう。ロストしたキャラの事だと言うのもありますし、トリーシャさんの成した行動にはそれだけの価値がありました。それに、シナリオの流れでもそんな感じですしね。

プリス:ありがと。感謝するよ。

GM:それで、ネリネさん、イクスさん、トリーシャさんを乗せた馬車を見送った所で、皆さんは少しマントワーズへ向かう道を逸れる事になります。

ロイド:お、何だ何だ?

GM:それに関してはプリスさんの事情が関わってくる事になります。プリスさんは元々、一時的にダライアス将軍の元を離れて冒険者をやっていた時期があるのは――――プリスさんのみならず、他の皆さんもご存知ですよね?

遠くのイヴ:(両手を振ってアピールしている)

ロイド:……ああ、アレとかその辺も当時の仲間だったんだろ?(一同笑)

遠くのイヴ:アレ扱いッ!!?(笑)

遠くのクリストフ:いや、至極妥当だと思うがね(笑)。

GM:で、ですね。プリスさん、以前フローティングスフィアがもう一つ欲しいって言ってましたよね?

プリス:うん?……うん、そうだね。魔動機術で使ってる間、そのマギスフィアが使えなくなる魔法も幾つかあるから。予備がもう一つ欲しいなと思ってた所。

GM:では、丁度良いツテがあるのです。貴方のかつての仲間であり、セージにしてアルケミストで、マギテックもあった男性……ディアームさんという方が、マントワーズの南東にある農業都市に居るのですよ。

遠くのクリストフ:へぇ、って事は俺からしても元仲間か。

GM:です。元々、パーティーの解散は彼が結婚して定住を決めた為でもありました。ちなみにプリスさん達の元仲間で、プリスさんが再度冒険に出た今では唯一の定住者です。そして、腕利きアルケミストでマギテックでもあった彼ならば、道具さえあれば安くフローティングスフィアを作れるでしょう。

プリス:そりゃ、挨拶はしておくべきだね。お金もそれほど無いし、フローティングスフィアの調達もある。寄って行きたいと言うよ。

シルフィ:それくらいなら構いませんよ。けど、レガリアにもそういう街があるんですね。要塞都市国家と聞いていましたんで……。

GM:字面だけ見ると、5つの要塞都市だけで構成されているようにも見えますけどね。私は万を超える人口の要塞都市を支える為には、食糧生産の基地となる農業都市が必要と考えまして。そも、メインがその5つであるだけであり、他にも幾つか都市や農村はあるでしょう、流石に。

アルト:成程、道理だな。

GM:というわけで、ドルデアの東。マントワーズの南東にある、イスタン川にほど近い人口1000人ばかりの農業都市―――エルヴァニアが今回の目的地となります。

シルフィ:では、イクスさん&ネリネと別れましたら、私達はマントワーズへ直接は向かわずそちらで寄り道をしてから向かいましょう。

一同:おー!!
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:さて、それではドルデアから南東に、マントワーズへ行く道から途中で分岐している街道を通って行きます。途中で野営をして、進んだ結果―――翌日の昼くらいに、エルヴァニアに到着しますね。レガリアの主要五都市程ではありませんが、大きめの都市ですので周囲には防壁などが作られています。

シルフィ:まぁ、何です。とりあえず、街に入りましょう!

GM:うん、検問などはありますが、皆さんは特に後ろ暗い事もありませんしね。多少厳しい検査がありますが、それを通って入る事が出来ます。

アルト:時期が時期だしな。多少警戒が厳しいのも仕方ないか。

GM:まぁ、ブルデで戦があったものの、勝利した後ですからね。現在は平和な物です。ほら、道端では少女が鳩に餌をあげて、突かれて逃げ回っていますよ。(一同笑)

プリス:うっわぁー、平和ぁ(笑)。

ロイド:で、どうする?プリスの知り合いはどこに居るんだ?

GM:まぁまぁ、説明をば。この都市はイスタン川の水を利用した農耕を主体とした都市だけあり、市街地―――つまり、城壁の中の居住区に住居や店が。その外側に広大な農地と水路が広がっている形になっています。そして、運送と移動の為に、街の中にも水路が縦横無尽に通っているわけですね。

ロイド:へぇ。ちょっとした水の街か。面白いな。

GM:プリスさんなんかはゴンドラに乗って移動すると早いのも知っていますね。目的の家の場所も分かっています。

プリス:そうなんだ。じゃあ、ゴンドラに乗って移動しようかな。

GM/渡し守:「ああ、すまない。このゴンドラは乗客は二人が定員なんだ」 と、近くの渡し場に行くと渡し守のおじさんは言いますね。細い水路もあるので、この街のゴンドラのスタンダードはこの大きさです。ちなみに、今は他のゴンドラはこの渡し場にはありません。

ロイド:……どうする?

プリス:うーん……別に別れても良いかな。場所は教えておくから、次のゴンドラで来てよ。GM、それでOK?

GM:構いませんよー。

シルフィ:じゃあ行きましょうプリスさん!わぁ、水ですよ水!テンションあがりますね、エルフ的に!!(一同笑)

プリス:はいはい、ゴンドラから落ちないようにね(笑)。

GM:それじゃ、乗る人は一人頭3ガメルを支払ってくださいねー。

プリス:ふっ、僕の今の所持金は0なんだけど。(一同笑)

シルフィ:…私が出しておきましょう(笑)。
 

 さて。
 PLも若干、敢えて乗ってくれた(というか、断る理由が無かった)感がありますが。
 シナリオ序盤で一時的にパーティーが別れます。
 シルフィとプリスがゴンドラに乗り、先にプリスの元仲間に会いに行きます。
 
 そして渡し場に残ったのはアルトとロイド。
 この組み合わせは自然に出来ていました。むしろ、プリスとシルフィが軽く牽制し合ってました。ロイドと一緒に乗る権利を争って。
 まぁ、この組み合わせが残るは想定内。……別に残り二名が残ったり、別の組み合わせが残ってもまだ想定はしていたのですが。
 ともあれ、ここでGMは早速事件を起こすとしました。

 

GM/少女:では、シルフィさん達を見送ってからほどなく。 「ぎにゃーっ!!」 と叫んで渡し場に突っ込んでくる影があります。道端で鳩に餌をあげていた少女が、鳩に絡まれまくって前も見えずにジタバタしています。(一同爆笑)

ロイド:おい大丈夫かそれ!?(笑)

アルト:……と、とりあえず避けるが(笑)。

GM/少女:避けると少女は凄い勢いで桟橋から落ちます。 「がぼっ!がぼがっ!?」(一同笑)

ロイド:手を差し出すぞ! おーい、大丈夫か!?

GM:では、軽くパニックに陥ってた少女は少女らしからぬ力で思い切りロイドさんの腕を掴みます。あ、ピンゾロ振ると一緒に落ちてしまいますので。

ロイド:うげ。俺、エルフ生まれのナイトメアだから水は苦手なんだよなぁ……。(ダイスを振る)よし、成功。

GM:はい。鳩の餌を全部水路に落としてしまった紫の髪の少女は、ぜぇはぁと荒い息を吐いて桟橋にへたり込んでいます。ちなみに、鳩は水路にぷかぷか浮いているパン屑に殺到しています。(一同笑)

アルト:…だ、大丈夫か?(笑)

GM/少女:「ぜはぁ……はひぃ……あ、ありがとう、そこの人。危ない所を助けてくれて、感謝するのだよ」

遠くのプリス:……んん!?

ロイド:……あ、あれ?この特徴的な喋り方に、紫色の髪……?

GM/リゼリア:「全く、薄情な鳥類なのだよ。落ちた私を顧みずパン屑に夢中…と……は………」 で、四つん這いから顔を上げた少女―――そうですね、一度リテルで会った顔です。お察しの通り、リゼリア・ミルヒヴァイスは顔を青くして言葉を止めます。で、 「サラダバー!…じゃない、さらばだー!」 と叫んで再度水路に飛び込んで逃亡しようとしますが、止めます?(笑)

ロイド:止める!(笑) ちょ、おま!? とか言いながら腕を引っ掴む!!(笑)

GM/リゼリア:では、逃亡を阻止されたリゼリアは半泣きになって振り返ります。 「なんでいるの!?なんでいるのだよ君達!?」(一同笑)

アルト:いや、どう考えてもそれは私達の台詞だろう!?(笑)

ロイド:……で、でも引っ掴んだのは良いけど、ここからどうするか。正直言ってだな、こいつと正面切って戦うとフルメンバーでも危ないんだが。

遠くのプリス:いや、危ないって言うか普通に全滅コースだよね……。
 

・リゼリア・ミルヒヴァイス。第十話登場。謎の蛮族組織『スカーレットテーブル』の第五階位……らしい。
・第三期からのデータ調整により、リャナンシーアサシンが妖精魔法を習得したような能力の持ち主になった。つまり、元から強かったのに更に激強くなった。
・しかし独特のスタンスを持っており、『気に入った相手』とは人族相手でも積極的に敵対しようとはしない、変な蛮族。
 

GM/リゼリア:とりあえず、リゼリアは半ベソで爪を出しながら言います。 「ちょ、黙ってて!黙ってて!今、私はお忍びなのだよ!お忍びって言うか、アレ?今は人族と敵対する気は無い系のそんな感じのアレ!!」(一同笑)

ロイド:爪を出すな!?(笑) わ、分かった、落ち着け、話し合おう!!(一同笑)

GM/渡し守:で、そんな状況でゴンドラが渡し場にやって来ます。 「次の人、乗るのかーい?」

GM/リゼリア:で、それを聞いたら 「乗らないッ!この状況のこの二人を、事情説明もせずに放置はできないのだよ!」 と、リゼリアが叫びますね。(一同笑)

ロイド:いや、お嬢達が待ってるんで……。

GM/リゼリア:「嘘だッ!ここで逃がしたら、きっと神殿とか冒険者の宿に連絡して私をやっつけに来るんだ!!」(一同爆笑)

ロイド:その辺の神殿や冒険者の宿で人募っても、返り討ちにされる未来しか見えねぇよ!!(笑) 良いから落ち着け!!(笑)

アルト:……どうする?(笑)

遠くのプリス:うーん……この子、必要なら容赦はしないけど、必要無ければ人族と敵対しようと言う意図はなさげなんだよねぇ。どうも芝居には見えないし。

ロイド:まぁ、芝居ならもう少し上手くやるわな。……リャナンシーとしての特殊能力で俺らを無力化しようとは考えないのかね、こいつ。

GM:それやろうとしたら、こんな公衆の面前で正体を曝け出す事になりますからね。リゼリアはあうあうしてます。この子、策士型ですが予想外に弱いんで。(一同笑) 逆に、ウォルフは予想外の状況でも直感に従って即断即決出来るタイプですね。

ロイド:……あぁ、奴も来てるのかね。……来てたら相当面倒事になってる予感しかしないが。

アルト:というか、そもそもだな、ロイド。実力行使に出られたら、私と貴様では対抗できん。アサシン級リャナンシーの誘惑の吸血に抵抗できるか?

ロイド:……無理だわな。ただ、向こうもこの状況で自分の正体を周囲には知られたくないみたいだし……互いに互いの弱味を握っている状況か?これ。

GM/リゼリア:「そ、そうなのだよ。だから人気の無い倉庫裏にでも行かない?」(一同笑)

ロイド:ぜってーやだ(笑)。……事情を説明する気があるなら聞くぞ。その辺の人通りの多い場所で。

GM/リゼリア:「むむ……それが落とし所だね。仕方ないのだよ」 はぁ、とリゼリアが溜息を吐きます。 「……まぁ、グレンフォードとも知り合いの君達なら、悪いようにはしないだろうけど」

ロイド:それと、お嬢達に伝言したいんだけど、それは構わないか?最低限、遅れる事は伝えないと探しに戻って来かねん。

GM/リゼリア:「分かったのだよ。ただし、伝言の内容を私にも教える事」

ロイド:別にそこまで凝った事をするつもりは無ぇよ。ゴンドラの渡し守に20ガメルほど渡して、目的地を教えて遅れる旨を伝えてくれるように頼む。理由を聞かれたら、知り合いに会ったと伝えておいてくれ。

アルト:……まぁ、嘘ではないな。

GM/リゼリア:「んむ、それなら良いのだよ。ところでロイド君、私、ストロベリーサンデーが食べたい」(一同笑)

ロイド:……お前は……(笑)。
 

 ……さて、お気付きの方も居るでしょうか。
 今回は意図的にPC達を分断してみました。
 ただでさえ今回スタート時点で2チームに別れてるのにね!!
 
 まぁ、色々意図はありましたが。
 こうした方が面白そうだし、各キャラクターが好き勝手に動ける分、新キャラの色も出るかな……という見込みがありました。
 やりたい事もありましたし、ね。
 

◆混迷◆
 

GM:さて、ではここで場面を変えましょうか。新規のお二人の方ですが、事前情報は覚えていますね?

イヴ:うん、自分は覚えてるわ。クリストフは?

クリストフ:OK、俺も大丈夫さ。……じゃあ、そのシーンから?

遠くのプリス:何だ何だ、秘密主義な事だね。

GM:まぁ、それもこれまでですよ。さて、先の向日葵兵団のシーンに遡る事一時間ばかり。お二人は、旧知の仲間であるセージ/マギテック/アルケミストの男性……ディアームさんに呼ばれて、この街にやって来ていました。

イヴ:うん、この街に来るのは久しぶりだぞ。鳩の餌を買って、ばら撒いて、凄い勢いで鳩にたかられて楽しそうな悲鳴を上げてる。きゃっほー!(一同笑)

クリストフ:おーい、イヴ。ディアームが俺達に何か用があるんじゃ無かったっけか?(笑)

GM:本来ならば近場に住んでるプリスさんを頼りたい所だったのでしょうが、実は手紙はプリスさんと行き違いになっていたりします。これは誰も知らない事実ですね。

遠くのプリス:なんと。本来ならば僕の所にも困りごとの手紙が届く筈だったのか。

GM/???:はい。それで……街の入り口で鳩まみれになっているイヴさんと、その横に居るクリストフさんの所に声をかけてくる人がいます。 「…クリストフ、イヴ!」 と、目深にフードを被った男性ですね。

クリストフ:…誰だ?

GM/ディアーム:「僕だ、ディアームだよ」 と、近付いて来て少しだけフードを取ります。確かにディアームさんの姿ですが、焦燥が顔に張り付いているのが分かりますね。 「呼び立ててすまない……君達にしか頼めない事があるんだ」

イヴ:きゃっはー☆(一同爆笑)

クリストフ:どうしたって?何か余裕が無いけど……何かあったのか?

GM/ディアーム:「ああ。……僕の妻の事については、話しただろう?」 ちなみに彼の妻は、一度会った事がありますが……ふんわり穏やかな雰囲気の、小柄な女性でした。

遠くのロイド:……ふんわり穏やか……。よし、リゼリアじゃないな!(一同笑)

遠くのプリス:ああ、僕もそれ一瞬考えた(笑)。

GM:違います(笑)。名はエルザさんと言いまして、彼女との結婚を期にディアームさんは冒険者を止めたわけですね。

クリストフ:ああ、あの美人さんか。……どうかしたのか?

イヴ:きゃっきゃうふふー☆(一同爆笑)

GM/ディアーム:「……」

クリストフ:……。

GM/ディアーム:「……お変わりないようで」(一同笑)

クリストフ:……うん、まぁ。(一同笑)

GM/ディアーム:「とりあえず、場所を変えよう。……今は家じゃなく、別の場所に身を隠しているんだ」

クリストフ:おいおい……穏やかじゃないな、本当に何があったんだ?

GM/ディアーム:「詳しくは、隠れ家に着いたら話すさ。―――ついて来てくれ」

クリストフ:……アレはどうするよ?(笑)

GM/ディアーム:「……連れて来てくれ、頼む」(一同笑)

イヴ:やーだー!自分はまだ鳩と戯れるんだー!(一同爆笑)

クリストフ:突き落として良いか、こいつ水路に!!(一同笑)

遠くのプリス:しかし今更ながらさ。……隠れ家に行ってるって、じゃあ僕とシルフィはどーなるの?行った先誰も居ないんじゃない?(一同笑)

遠くのシルフィ:……あー……確かに(笑)。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

 さて。
 初っ端からいい感じで暴走しているイヴの襟首を引っ掴んで引きずるクリストフと、先導するディアーム。
 ぶーぶー言いながら引き摺られているイヴは話を聞いているのかどうか怪しいのですが、ディアームはとにかく二人に事情を説明します。
 話の内容は、彼の妻を守って欲しい。或いは彼の妻をこの町から脱出させたいので、護衛をして欲しいという内容でした。

 

クリストフ:……ふむん?何ぞ、狙われるような事でもあったのか?

GM/ディアーム:「……心当たりはある。けど、それも隠れ家に着いたら話すさ」 と、言ってやって来たのは……水路の繋がりの関係で周辺の水路が急流になっていて、『危険。立ち入り禁止』という札が立っている区域ですね。そこに小さな小屋が建てられていて、ディアームはそこのドアに手をかけます。
 
イヴ:鳩いなーい。つまんなーい。(一同笑)

クリストフ:……うん、少し黙ろうな?(笑) けど、人気の無い場所だな。何でこんな場所に?

GM/ディアーム:「……多分、妻を見てくれれば納得してくれると思う」 と、言いながらドアを叩く。 「エルザ、僕だ。入るよ」

GM/エルザ:「あ、はい。大丈夫です……」 と、鈴の鳴るような声が中から応じ、ディアームさんがドアを開けます。で、そこでは少し辛そうにベッドに横になっている一人の小柄な女性の姿が。ただし、背中に蝙蝠の羽が生えていますが。(一同爆笑)

イヴ:(寸分の間も置かず)お邪魔しまーす。(一同爆笑)

遠くのロイド:って、おい!?(笑)

クリストフ:…………ディアーム。これは?

イヴ:ディアーム、お茶はー?あとお菓子。自分はお菓子を所望する。(一同爆笑)

クリストフ:うん、少し黙ってろお前(笑)。

GM/エルザ:その言葉には、エルザさんが答えますね。 「……申し訳ありません。その、見ての通り私は……人族ではないんです」

クリストフ:……うん、まぁ……見れば分かるが、ええと……ごめん、少し考えを纏めさせてくれ。―――まず、ディアームは彼女が蛮族だと言うのは承知の上で結婚した。…というか、蛮族で良いんだよな?種族は何だ?

GM/エルザ:「は、恥ずかしながら……」 と、エルザさんは頬を染めて顔を伏せます。 「サキュバスです」

クリストフ:……そりゃまた。

イヴ:(ダイスを振る)ねぇ、サキュバスって何?自分は魔物知識判定失敗したんだけど。(一同笑)

クリストフ:(ダイスを振る)……あ、俺も知らん。(一同笑)

遠くのロイド:なぁ、お前らさ。サキュバスって聞いても分かんなくて、「へぇー」ってなんとなく頷いてるだけだろ。(一同笑)

GM:……そこは流石に説明しますよ(笑)。
 

・サキュバス。12レベル蛮族。エロい。
・操霊魔法と神聖魔法を12Lvで操り、『淫夢』の特殊能力で対象を眠りに誘う。かなり強力な蛮族。
・ただしその分、純粋な殴り合いは不得意。
 
 ……で、その説明をディアームが二人にするのですが……。

 

GM:ぶっちゃけそのサキュバスという種族からは考えられないほど、エルザの服装はぴっちりしてますね。

遠くのシルフィ:肌にぴっちり張り付くエロ衣装とな。(一同笑)

遠くのロイド:よし、自重しろ馬鹿野郎(笑)。

GM:いえいえ、肌を出そうとしていないと言うべきでしょうかね。凄い恥ずかしがりなようで、自分の種族について言及されている間中、顔を真っ赤にして俯いています。

イヴ:(朗らかに)やだなぁ、ディアーム。冗談ばっかり。こんな初心そうな女の子が、そんなエロ種族なわけないじゃないか。(一同笑)

GM/ディアーム:「……それがエルザが通常の蛮族……サキュバスと違うところなんだよ。彼女は人族に対して敵意は無いし……サキュバスらしからず、そっち方面の事が大の苦手なんだ」(一同爆笑)

遠くのロイド:……このGMの出す蛮族って奴ぁどいつもこいつも……。(一同笑)

GM/ディアーム:「ちなみに、結婚するまでは手を握るだけのお付き合いだった」(一同大爆笑)

クリストフ:中学生かっ!!(爆笑) ……つか、うーん……リャナンシーじゃないから、ディアームが操られているっていう説は無い……のかなぁ。

イヴ:真偽判定してみていい?あと、ディテクト・フェイス。彼女が本当に人族に敵意を持ってないのかを知りたい。

GM:そうですね、良いですよ。

イヴ:(ダイスを振る)真偽判定、達成値は24。ディテクトフェイスは出目悪くて18だけど。

GM:うん、彼女もディアームもは嘘を吐いていないと……いえ、一点だけ嘘がありました。結婚するまで手を繋ぐまでしか許していなかったというところです。

イヴ:……どゆこと?

GM/エルザ:それを聞かれるとエルザさんは顔を真っ赤にして、 「じ、実は結婚式の前日に……か、彼と、その………せ、せせせせせ、接吻を……」 と、茹蛸のようになって答えます。 「は、はしたないと思わないでくださいね?」(一同笑)

イヴ:……ああ、うん。お幸せに。(一同笑)

GM:それと、ディテクト・フェイスは抵抗しないので通ります。彼女はリルズ信者ですね。

イヴ:今からでもグレンダールに改宗しませんか?今ならグレンダール信者の鍛冶師が作った武器が一本付きますよ?(一同爆笑)

GM/エルザ:「まぁ……。確かに最近、包丁を研ぎに出さないとと思っていましたが…」(一同爆笑)

クリストフ:よし、向こうは放置しよう。あの天然かつ初心なお嬢さんが通常のサキュバスでないのは嫌ってほど分かった!!(一同爆笑)

GM/ディアーム:「そうか、分かってくれて何よりだよ」 と、ディアームは胸を撫で下ろします。 「君たちの事は信頼していたが、やはり彼女は蛮族だ。受け入れて貰えるかどうかが、まず不安だった」

クリストフ:俺は美人の味方だよ、ディアーム。……で、ここから先は実務的な話だ。依頼の基本は彼女を守って欲しいという方向性のようだが、何があった?そして、何がある?

GM/ディアーム:「…まず、見て貰った方が早いか。エルザ、護符を」

GM/エルザ:「はい……」 と、頷いたエルザが懐から取り出した護符を付けます。するとエルザの姿から羽が消え、完全な人間のようになりますね。そして、辛そうだった表情がほっとしたように緩みます。 「これは、蛮族から一時的に穢れを払い、人族の街に入り込めるようにする為の護符です。その中でも特に効果が強い物でして……私くらいの力の蛮族でしたら、一ヶ月は連続で使える品なのです」

遠くのアルト:……待て。それ、実は物凄まじく凄い品じゃないか?

GM:ええ。この手の護符は数が少ないうえ、効果が長続きせず、無理をすると壊れるものが殆どです。

遠くのロイド:なるほど。しかも、サキュバスほどの高ランク蛮族の穢れすら抑え込める……しかもそれが一ヶ月持続、か。

GM:その後は一週間ほどのインターバルを置かないと再度は使えないそうなんですけどね。そして、この街の守りの剣がそこまで大きくないというのもあるでしょう。ですがそれでも、およそこの手の護符としては屈指の性能です。そして、ディアームさんが言うには、この護符とエルザさんが現在狙われているそうなのです。

クリストフ:……分かった。詳しく聞かせてもらえるか?
 

 さて、ここでディアーム氏とエルザさんによる解説タイム。
 事の起こりは五日ほど前。
 エルザさんが持っている護符の存在を知った蛮族が、それを欲して動いているという情報が信頼できる友人からエルザの元に届けられた事から始まりました。
 本来ならば知らせるべき所に知らせれば良かったのでしょうが、エルザ自身が立派に蛮族。迂闊に他の人に知らせる事も出来ません。
 また、下手に街を移動しようにも、先のブルデ戦の影響で街の出入りの審査が厳重になっています。そこでエルザの正体がバレては全てが終わります。
 その結果、この街から動けなかったディアームとエルザは、ディアームの昔の仲間であったクリストフ達に助けを求めたのでした。
 

遠くのロイド:(頭抱え)……大筋は分かった。何故リゼリアが『グレンフォードとも知り合いなら大丈夫』と言ったかも分かった。

遠くのプリス:……あー……エルザさん、リゼリアの知り合いだね。多分。

GM:はい。エルザさんがその情報の元……友人からの手紙を見せてくれるんですが、最後の方に『リゼリア・ミルヒヴァイス』って署名が乗っているのが見えます。

遠くのロイド:よし、じゃあとりあえず今回はリゼリアは敵じゃないな……多分。

遠くのプリス:油断は出来ないからねぇ、この子……。

クリストフ:まぁ、分かった。けどこの友人って誰だ?蛮族の動きを正確に知ってる……もしかして蛮族?

GM/エルザ:「はい。私と同じく変わり者の……」 少し小首を傾げて、エルザさんは言葉を纏めます。 「元々、私や彼女を含めた一団は……かつて、このリーゼン地方の南西。蛮族の勢力圏の中で、一大勢力を率いていたノスフェラトゥの配下でした。しかしそれも、別のノスフェラトゥにそのノスフェラトゥが殺された事で状況が変わったんです。大半の、私達の元主であったノスフェラトゥに心酔していた者達は殺されました。しかし私を含め、そのノスフェラトゥに然程忠実ではなかった者はそこで散り散りになりました」

遠くのアルト:ふむ、仮名『エーレンブルク卿』は恐らくノスフェラトゥか…。

GM:ちなみに、ノスフェラトゥは自分が血族にした下位のノスフェラトゥに対し命令する能力があります。逆説、エーレンブルク卿はウォルフガングやグレンフォードに対するその手の絶対的な命令権はありません。

遠くのロイド:あの戦闘狂がそれでも従ってるんだ、どんな相手か興味はあるが…。

GM/エルザ:まぁ、それはさておき。 「その時に、私の友人だったリゼリアとウォルフガングさんは、元主を倒したノスフェラトゥに恭順しました。詳しいことは私には分かりませんが……そのリゼリアから、危険を知らせる手紙が届いたんです」

クリストフ:そのリゼリアって子が操られてるとか、そういう可能性は?

GM/エルザ:エルザは、手紙をぺらっと裏返します。そこには、『そういえば結婚したんだって?おめでとー☆』と、下手糞なイラストのクリーチャーが祝辞を述べています。 「洗脳されている人は、こんな行動をしないと思います」(一同笑)

クリストフ:……イヴ並みに緊張感の無い……(笑)。

GM/ディアーム:「とにかく、そういう事情でエルザは……より正確に言えば彼女の持っている護符が、リゼリア君の所属している蛮族の組織に狙われているらしいんだ。……頼む、彼女を守るのに協力してくれ」

クリストフ:……分かった。けど、この護符があればまた同じ事の繰り返しになりかねないぞ?

GM/ディアーム:「分かってる。護符はこの際、諦める。敵に渡すか、破壊するか、レガリアに譲り渡すか……どれでも構わないが、エルザがもう護符を所持していない事は蛮族に知られるようにしたい」

イヴ:そうしないとまた狙われかねないからね。その場合、守りの剣のある場所で生活するのは辛くなるけど?

GM/ディアーム:「そうだな。守りの剣が無い農村にでも移って暮らすさ」 と、ディアームは苦笑しますね。

クリストフ:……分かった。最終目的はとりあえず分かったよ。だが、現実問題としてここからどうするか……だな。敵がどれだけ、どうやってくるか……。

イヴ:そうね。……プリスが居ればもう少し策の立てようもあったんだけど。 言いながら、自分はドラクエの勇者のように棚を漁っています。(一同爆笑)

クリストフ:おぃぃぃぃぃぃ!!(爆笑) お前何してんの!?お前何してんの!?(笑)

イヴ:おなかすいた!(一同爆笑)

クリストフ:もうやだこのゆゆ様!!(一同爆笑)
 

・ゆゆ様。東方妖々夢6ボス、西行寺幽々子様。天衣無縫の亡霊。
・二次創作界隈では、暴飲暴食の大食いキャラとして描かれることが多い。クリストフの叫びはここから。
・能力のえげつなさと、本人の得体の知れなさではラスボスの中でもトップクラスだと思う。
 
 ともあれ。
 この段階でクリストフ・イヴ組はある程度実務的な話を開始します。
 言ってしまえば、勝利条件の策定。
 彼らが「エルザを守る」という目標を達成する為に必要なのは、

・短期的に見て、『敵の排除』
・中期的に見て、『敵にエルザが狙う価値が無いと思わせる事』=『護符を手放した事を敵に認識させる』
・長期的に見て、『その後、敵の目の届かないところに移住』
 
 と、言うところで話が纏まります。
 主に纏めたのはプリスとロイドなのは敢えて言いますまい。
 長期的な話の部分は、蛮族が人族の中で暮らしている事とその居場所を知られたままだと、後に別の陰謀に利用される可能性があると言う事から。
 GMはそこまで考えていなかったのですが、確かにそれだけでも上手く利用すれば陰謀に使えそうな要素です。
 で―――それらの勝利条件を聞いた二人の行動は。

 

クリストフ:とりあえず待機……かな。

イヴ:敵に護符の不所持を知らせないといけないなら、嫌でも一度は敵に接触しないといけないしね。そこで倒した上で、護符を渡して追い返すか……護符をレガリアに譲渡するところを目撃させるってのが良いトコじゃない?

クリストフ:とりあえず、外への見張りを決めて軽くトラップを張るくらいはしておくがな。

GM:では、お二人は一先ず待機という事ですね。それじゃ、他の人に場面を移しましょうかー。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:さて、それではプリスさんとシルフィさん。ゴンドラに揺られて数分で目的の桟橋まで到着します。ここから少し歩くと、目的地であるディアームさんの家ですね。

プリス:……誰も居ないんだよねぇ、行っても……(笑)。

シルフィ:まぁ、それは私達は知りませんし。普通に行こうとしちゃうでしょうね。

プリス:だよねぇ……。じゃ、GM。とりあえずディアームの家に移動します。

GM:はい。では、ディアームさんの家はこの街では中堅くらいのランクの住宅街にある一軒家ですね。プリスさん達との冒険で貯めたお金と名誉点で手に入れた家でしょうか。

プリス:ん。それじゃあ、ドアをノックしてみよう。

GM:はい。では、ドアを叩くと『ギィ』と音を立ててドアが内側に向けて開きます。

プリス:……んん?

GM:それで、ですね。開いてからよく見ると、一見して外からは分かりませんでしたが……。ドアの鍵部分が壊されています。外からは分からないようにカモフラージュされていたようですね。

シルフィ:……プリスさん、これ……。

プリス:……分かってる。シルフィ、僕の後ろへ。

GM:更には、家の中を見ると……荒らされたようで、物が酷く散乱しているのが分かります。

プリス:……聞き耳と罠発見を。(ダイスを振る)む、後者はピンゾロったけど、前者は20が出たよ。

GM:十分です。中からは呆れたような溜息と、強い血臭がしますね。

プリス:……ゆっくりとドアを閉めます。(一同笑)

シルフィ:……あの、プリスさん?(笑)

プリス:いや、何ていうか、ロイド達も居ないのにここで何かするのは死亡フラグにしか思えないって言うか?(笑)

GM/???:いえ、その前に動きがあります(笑)。 「くっだらねェ……人が調子悪ィってのに雑魚が、わざわざ手間ァ取らせンじゃねぇよ」 と言う声と共に、返り血で服を赤く染めた白い髪の青年が部屋の中から出てきます。で、貴方達と目が合いますね。

一同:うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?

遠くのロイド:こ、こっちに居たのかウォルフガング・ルウガルウ!?
 

・ウォルフガング・ルウガルウ。元人族、現レッサーヴァンパイア。第十話登場。リゼリアとコンビで動いている、『スカーレットテーブル』の第三階位。戦闘以外は苦手な分、直接戦闘能力は凄まじく高い。
・戦闘狂の狂戦士であり、ロイド達とも一度は邂逅しているが、まだ伸びしろがある(彼談)ロイド、アルト、トリーシャの三人を見逃した。
・強者との戦いに生き甲斐を見出している分、他には人族蛮族問わずに基本的に無頓着。

 

プリス:目が合った瞬間に、全身を総毛立たせてバックステップ!腰の銃に手をかける!!

GM/ウォルフ:「へェ……?何だオイ、良い反応するじゃねェか、ちっこいの」

プリス:良く言うよ、それだけ全身から殺気を発してて……!君は誰だ?ディアームとエルザさんに何をした!!

GM/ウォルフ:「あァ?ディアーム……ってなァ、エルザの旦那だったか。何をしたも何も……ってか、オイオイ。見知った顔が居るじゃねェか」

シルフィ:……お久し振りです、ウォルフさん。 んー……流石に少し、複雑そうな表情を浮かべます。トリーシャさんの件、直接ウォルフさんやリゼリアちゃんが関わってないのは分かってますけど、スカーレットテーブルの暗躍の結果でもありましたからね…。

GM/ウォルフ:「……テメェら、まさかエルザの知り合いか?」

シルフィ:いえ……私は違いますが、こちらのプリスさんが。

プリス:ちょ、ちょっと待って!シルフィ、君はこの男と知り合いなのか!?

シルフィ:知り合い……と言うか、何と言うか。とりあえずウォルフさん、一つ聞かせてください。その血……誰のですか?

GM/ウォルフ:「あァ……この雑魚のだよ」 と言って、部屋に戻ったウォルフは真っ二つに引きちぎられた緑色の鱗を持った人型生物を引きずって来ます。身長2.5mほどの……まぁ、魔物知識判定して貰いますか。

シルフィ:(ダイスを振る)ウォルフさん、何ですかこれ?(一同笑)

GM/ウォルフ:「あァ?知るかよ、俺も分からねェが……俺が来た時にはもう家はこの有様。こいつが部屋を漁ってやがって、俺を見るなり襲い掛かって来やがったんで……潰したまでだ」

プリス:どう見ても真っ当な人族には見えないね。……蛮族に居るっけ?こういうの。

GM/ウォルフ:「……言葉は最低限、汎用蛮族語じゃなかった気ィするんだが……っと、まぁ分かっただろ?お前らの危惧―――俺がエルザやその旦那をどうこうしたって話じゃねェよ」

プリス:……なるほど。そのよう……だね、うん。腹芸が得意なタイプにも見えないし。

シルフィ:でも、どうしますこの状況?

GM/ウォルフ:「……その様子だとテメェらはエルザかその旦那の知り合いか……つまりは、敵じゃねェな。確かにそっちの小娘は良い反応をしてやがったが……チャンバラやる職業でも無さそうだ。殺し合っても詰まらねェだろうし……」

プリス:あっぶなぁぁぁぁぁ!!? こ、これ前衛が来てたら血が滾ったウォルフに襲われてた!?(一同笑)

遠くのロイド:その可能性は十分にあるな(笑)。

シルフィ:さて、ではここは両者とも知り合いである私が説明役になりましょう。(歌うように)―――そう、それはうだるほど暑い、雪の降る、夜―――。(一同笑)

プリス:はじめまして、かな。僕の名前はプリステア・シークスフィスト。多分、君がシルフィ達に会った後に向日葵兵団に入った新人―――という認識で間違っていない筈だよ。

GM/ウォルフ:「……ウォルフガング・ルウガルウだ。向日葵兵団の連中とは……あァ、分類するとすりゃ敵か。一時休戦……って所で良いのか?今回は」

シルフィ:ちょ、全スルーは酷いでしょう!!?(一同笑)
 

 そして、とりあえず互いに自己紹介。
 妄言を垂れ流すシルフィをスルーし、互いに状況を聞き合うウォルフとプリス。
 結果、プリスとシルフィはウォルフはエルザの昔の知人であること。そして、彼女が―――というか、彼女の持っている護符が蛮族側に狙われていることなどを聞き出します。
 

プリス:……ちょっと待って。…ちょっと待ってよ?シルフィ達がレッサーヴァンパイアと知り合い……うん、まぁこれは分からないでもない。他にも居たしね……本人とは会ってないけど、グレンフォードさんだっけ?

シルフィ:ええ、まぁ。

プリス:けど、そのレッサーヴァンパイアであるウォルフと古い知り合いって……エルザさんって、何者? いや、PLは知ってるんだけどね、さっきの向こうでの会話から。

GM/ウォルフ:「……あー……」 さて、ウォルフはどう説明した物か悩んでいる顔です。って言うか、『アレ?これって言って良いっけ?』って顔。

プリス:……まぁ、概ねの想像はつくけどね。『穢れを鎮める』っていうタイプの護符を、わざわざエルザさんが持ってるくらいだから。ただ……気になるのは、ディアーム……かな。まさかエルザさんに騙されてる、なんて事は無いよね?

GM/ウォルフ:「逆なら分かるが、そりゃねェな。あいつは生粋の善人だ。蛮族どころか人族でも希少種なレベルだぞ。……いつだったか、待ち合わせの時に四時間遅れて行ったンだ。寝過して」

プリス:最悪だね。(一同笑)

GM/ウォルフ:「流石に俺でも否定できねェな……。で、四時間待たせた後のあいつの言葉、何だったと思う?」

シルフィ:『おなかすいたー』?(一同爆笑)

遠くのロイド:そりゃお前だ。しかも3分遅刻しただけで腹が減る燃費の悪さ。(一同笑)

GM/ウォルフ:「『あ、良かった!怪我でもしたのかと思って心配したんですよ』」(一同爆笑)

プリス:善人過ぎる!!(爆笑)

GM/ウォルフ:「……流石の俺でも、少しばかり後ろめたくなった」(一同笑)

遠くのアルト:……無理も無い(笑)。

プリス:……まぁ、君は腹芸出来るタイプには見えないしね。その言動は信頼しよう。で―――

GM/ウォルフ:「この街に来た段階で手分けをリゼリアに命じられてな。俺ァとりあえず住所を知ってたこの家に来たんだが……」

プリス:この有様、と。―――しかし、手分けを命じられた?家を知ってるなら、二人で来た方が手間が無いだろうに。

GM/ウォルフ:「さてな。何か考えでもあったんだろうが、俺ァ知らねェよ」 と、興味なさげに欠伸をします。

遠くのロイド:うわぁい、嫌な予感。

GM/ウォルフ:「……まァ、あいつは事によると俺よりエグいからな。注意した方が良いぜ?」

プリス:エグいって……シルフィの話を聞くと、まぁ味方じゃないよね。リテルでやらかした事は聞いてるし。でも、それでも蛮族にしては話の通じる相手だと思うんだけど。

GM/ウォルフ:「違ェよ、あいつは人族蛮族の区別をして無いだけだ。気に入ってる奴、気に入って無い奴、友人、仲間、それらの別に蛮族人族を考えてねェ」

シルフィ:そりゃ確かに……珍しいですけど。

GM/ウォルフ:「反面、あいつは興味の無い奴に対してはどこまでも冷淡だ。人が歩く時に、虫を踏んでも気にしないのと同じようにな」

プリス:…………つまり、気に入った相手には立場や種族の別を超えて親身になるけど……。

GM/ウォルフ:「そうじゃねェ相手は、路傍の石以下にしか見てねェって事だ」

プリス:ゾクリとしたように、身を震わせます。 ……怖いね、それは。事によると普通の蛮族よりよほど。

シルフィ:……んー、怖いと言いますけど、具体的には?

GM/ウォルフ:「つまりよォ……あいつは、この状況からエルザを救うために必要ならば、この街一つくらいスケープゴートとして壊滅させるのすら辞さないタイプって事だ」

シルフィ:何とスケールの大きい。(一同笑)

プリス:その一言で済ませる辺り、君も大物だね。

シルフィ:けど、それはちょっと困りますよね。リゼリアさんはどこにいらっしゃるか分かります?出来ればお話を伺いたい所です。……プリスさんはどうします?

プリス:ディアームは仲間だからね……一応、何かに巻き込まれてるなら詳しく話が聞きたいかな。

シルフィ:OKです。では、ウォルフさん。今後の行動指針が他に無いなら、私達をリゼリアさんの所に案内してくれませんか?

GM/ウォルフ:「……まぁ、一応居場所は分かるがな。互いに誓いのアンクレットなんてェもん付けてるし」

プリス:じゃあ、それで。……あぁ、ロイド達が来るまで待たないと(笑)。

遠くのロイド:伝言は頼んだ筈だけど……。

GM:ああ、ではプリスさんがそう言った所で、外から悲鳴が聞こえます。

一同:………はい?

GM/???:「ば、バケモノだァァァァァァァ!!」(一同爆笑)

遠くのクリストフ:何だ何だ、何があった!?

プリス:銃を構えて、家から飛び出す!!

GM:はい。ではプリスさんの目に、映ったのは……桟橋の辺りで暴れている、ウォルフさんが真っ二つにしていたのと同じ異形の二足歩行生物です。

プリス:……な、何なのさこいつ!?大量発生してる!?

GM:で、どうやら渡し守らしき男性が這うようにして逃げようとしている所です。

プリス:チッ……いけない、このままじゃ!

シルフィ:行きますよ、プリスさん!ウォルフさんは……そこで立っていてください!!(一同笑)

GM/ウォルフ:「…ぞんざいだなオイ」

シルフィ:下手に何か頼んでも後が怖いですし。それに、興味無いでしょう?襲われてる人にも、襲ってる相手にも。

GM/ウォルフ:「まァな。お前らが片付けるってンなら、まぁ確かに俺が何かする必要も無ェか。詰まらねぇ喧嘩にわざわざ行っても興醒めなだけだしなァ」

シルフィ:そーゆー事です。―――さて、行きますよ!!
 

◇VS???◇
 

 さて、モロに識別を失敗している今回。
 プリスは『なんとなく』アタリを付けていたようですが、相変わらず『プレイヤー知識≠キャラクター知識』の良識に従い口には出さず。
 けど、それで時々殊更に自分や仲間の首を絞めてるんだから、時々は緩めても良いと思うGMは変でしょうか?まぁ、偏り過ぎても良くないと言うバランスの問題なんでしょうけどね。
 
 で、敵はお察しの方も居るでしょう。
 公式リプレイにて某ルーンフォークがお亡くなりになった戦闘で出て来た下位魔神……『メルビズ』です。
 二部位10Lvモンスター。緑色の鱗と背びれを持つ半漁人みたいな魔神で、水中でも一切の遜色なく行動できます。
 防具の防御力を落とす酸のブレスなどと言うのも吐く強敵―――なのですが。

 

プリス:先手取ったよ。見た所二部位……だけど、何となくPLが正体が予想出来てるんで、私は戦術の決定権を放棄する。シルフィが決めて。

シルフィ:……それも難儀なもんですね。えーと、まぁどう考えても上半身がコア部位でしょう。プリスさんが前に出つつ、私は後ろに下がりつつ――――粉砕します。(一同笑)

遠くのロイド:考えてみりゃ、そっち瞬間火力がスゲェ組み合わせのメンバーだな……(笑)。

プリス:ラジャ。それじゃ、片付けようか。手早くね。
 

 さて。
 まぁ、なんていうかこの街で起こり始めた事件を匂わす為に出したに等しい敵なのですが。
 ソリッドバレット四連射(全弾命中。ダメージ四発で67点)からエネルギージャベリン(23点)のコンボを食らって生きていられるわけなどなく、一瞬で上半身を吹き飛ばされて御臨終いたしました……。

 

GM/ウォルフ:「おー、やるねェ」 ウォルフが後ろでにやにや笑いながら、ぱちぱちと手を叩いています。

シルフィ:ありがとうございます。……しかし、何なんですかコレ?

プリス:そこは逃げていた人に話を聞いてみようか。これは一体どうしたんだい?あと、怪我は?

GM/渡し守:「た、助かった……ありがとう。あいつらはいきなり運河の中から出て来たんだ」

プリス:運河の中から……ねぇ。嫌な想像が励起されるよ、全く。

シルフィ:あのー………もしかして、こんなんが沢山水の中に居るとか?

プリス:可能性は無いでもないから、笑うに笑えないのさ。……アルトなら分かるかな、これ。

シルフィ:とりあえず、食べられそうにない事は分かりますが。

遠くのロイド:誰かどうにかしてくれ、この馬鹿娘。(一同笑)
 

 そして始まる相談タイム。
 渡し守はロイド達が伝言した相手だったので、言伝を聞いたプリスとシルフィが頭を抱えたり。
 そりゃこの状況で別行動を言い渡されれば、頭も抱えたくなるでしょう。
 その渡し守は速攻で街の警備隊に話を通しに行って貰いました。
 返り血満載の格好のウォルフは、もう一体同じ奴が出た事を渡し守に説明し、それの返り血であると伝えた為問題無く終わります。

 また、ウォルフも『他の心当たりに当たってみる』と言っていたリゼリアの言葉から勝手に動いていただけで、リゼリアの動向は全く分からない模様。
 

プリス:あー……成程ね。とりあえず、僕らの取り得る行動指針は4つか。1.『ロイドとアルトを探す』、2.『ディアームとエルザを探す』、3.『ウォルフが居場所を分かるリゼリアの元へ行く』、4.『この謎の怪物について調査をする』……と。

シルフィ:あくまでPC視点で判断するなら、私は1か3ですねー。

プリス:僕は1か2かな。3がそのまま1に繋がってるなんて思わないだろうし……。

シルフィ:じゃあ、両方の意見が合致した1で行きましょう。ウォルフさん、私達はとりあえずロイド達と合流したいんで、ここで……。

GM/ウォルフ:「おい待て。……俺も連れてけ」

シルフィ:……良いんですか? リゼリアさんと合流とか考えなくて。

GM/ウォルフ:「あァ? ……んー、まァ多分良いだろ」 くぁ、と欠伸を噛み殺します。 「つーか、どっちでも良い。どうせ今この状況であいつらと戦っても面白くねェしな……」

シルフィ:あぁ、そうか。リゼリアさんはリャナンシーなんでフルパワーですが、ウォルフさんは守りの剣の効果で弱体化してるんですね。

GM/ウォルフ:「まァ、ある意味実力が近付いてるンで面白いって見方も無ェわけじゃねェが……」

シルフィ:今はエルザさん優先でしょうから、止めましょうね?(一同笑)

GM/ウォルフ:「……リゼリアの奴もそう言うだろうからな。まぁ、そう言うこった」

プリス:…なんか核爆弾連れて歩いている気分だけど、仕方ない。一先ず、渡し守に乗った地点にまで戻って、ロイド達の足取りを追おう。

シルフィ:了解しました。……水運は使わない方が無難ですよね?

プリス:陸上ならともかく、船の上で襲われるのは御免だよ。回りくどいかもしれないけど、徒歩で行こう。ウォルフさんも構わないね?

GM/ウォルフ:「その辺の面倒くさい事はお前らに任せる。ただし、面白ェ敵が出たら俺に譲れよ?」(一同笑)

プリス:……あ、うん。その時はもう喜んで譲るから。(一同笑)

シルフィ:……相変わらずですね、この人……(笑)。
 

 かくして、シルフィ・プリス組はウォルフガング・ルウガルウと遭遇。
 成り行きで合流しての行動と相成りました。
 アルトやロイドが来てたら一悶着あったのかも知れませんが、毒気を抜かれるシルフィとそもそもウォルフとの面識の無いプリスという組み合わせでしたので、ウォルフ側から合流を提案していたりします。
 ある意味裏表の無さでは人族以上に信頼の置ける戦闘狂ヴァンパイア、ウォルフ。その性格面もあってか、裏があるか否かに関してはPLも最低限の警戒しかしていません。
 まぁ、それでも最低限の警戒を欠かさない辺りは流石ですが。
 
 そして、最後の一組―――
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:では、ロイド・アルト組に目を向けましょうか。

アルト:そうだな。リゼリアに事情を説明した所……か?

GM:そしてリゼリア側も事情を説明し終わります。……とは言え、これまで他のシーンで語ったのと同程度の事ですけどね。彼女達の昔の仲間であるエルザという、人族に敵対する気の無い蛮族の女性の存在、そしてその彼女が持っている護符、それを狙ってリゼリアとウォルフ以外のスカーレットテーブルの誰かが動いている……と、こんな所でしょうか。

ロイド:ディアームについての話が出てないなら、そこには俺ら気付かないだろうな(笑)。

アルト:とりあえず聞くが、リゼリア・ミルヒヴァイス。貴様ら以外のスカーレットテーブルが動いているという話だが、誰が動いているかのアタリはついているのか?話せる範囲で構わん、話せ。

GM/リゼリア:「うーん……人族の街って事も考えると、“血の伯爵夫人”(エリザベート)か“影踏”。……最悪なのは“軍勢”(レギオン)かな」

ロイド:二つ名で話されても分からんが、“血の伯爵夫人”は聞くだに不吉だし“軍勢”ってのもそんなにヤバいのか?

GM/リゼリア:「ヤバいっていうか……うん、“血の伯爵夫人”は普通にヤバいのだよ。なんてーの、嗜虐趣味の女王サマ?」

ロイド:ああ、普通に関わり合いになりたくねぇな。……で、“軍勢”の方は普通じゃなくヤバいってか?

GM/リゼリア:「…まさに、なのだよ」 リゼリアが心底嫌そうに顔を歪めます。

ロイド:……マジか。

GM/リゼリア:「……“軍勢”の本領は、無差別大規模破壊工作。普段から単身で行動しているから動向なんて分からないし、もし仮にこいつが人族の街に入って本気で暴れたら一日で終わるのだよ。人族だから潜入し易いし」

遠くのプリス:――――召喚師。

ロイド:む? ……あぁ、“軍勢”の使う魔法!!

遠くのプリス:高位フェアリーテイマーか、一部神官の高位特殊神聖魔法かな。……単騎でそれ以上の規模の戦力。“軍勢”とは言い得て妙。違うかな?

GM:正解です。よくまぁ読み切りますね。

ロイド:じゃあ、そんな電波が届いたんで口に出すか。 ……召喚系の魔法だな?

GM/リゼリア:「正解なのだよ。……更に言うなれば、信仰しているのはラーリス。狂神の高位神官だけあって、思考も言動も読めない読めない。性格が悪いのは分かるんだけどね」

遠くのプリス:(がっくり項垂れ)……終わった。間違いなく来てるのはこいつだよ……。(一同笑)

遠くのシルフィ:……さっきの半漁人っぽいのを召喚して回ってるわけですね、多分……。

遠くのプリス:ラ―リスなら特殊神聖魔法に魔神召喚の奴があったしね。間違いないんじゃないかな……。うわ、憂鬱。(一同笑)

アルト:まぁ、現状では分からんしな。とりあえず嫌な顔をして頷こう。

ロイド:……で、この状況でどーすんだ、リゼリア。

GM/リゼリア:「…とりあえず、誰が来てるか分からなかったからウォルフを撒き餌としてエルザの家に送りこんでみたのだよ。エルザが居れば良し。居なかったら危険を察知して隠れている可能性が高い。まだ目的の護符を手に入れたって報告は無いからね」

遠くのプリス:なるほど、先のシーンでウォルフが言ってたリゼリアの意図はこれで分かったけど……。

ロイド:派手な撒き餌だなオイ……。

GM/リゼリア:「無論来てる奴もエルザの家は真っ先に当たってるだろうからね。ウォルフが行けば何らかのリアクションがある筈。で、これで“血の伯爵夫人”が来てたら―――あの二人は最悪に仲が悪いから、両者が鉢合わせして、とっくに現場は焼け野原なのだよ」

アルト:つまりそこまで大規模な騒ぎが起こっていない以上、“血の伯爵夫人”は無し、と。

ロイド:……人族サイドとしては有り難い限りだな。聞くだに面倒そうだ、そいつは。

GM/リゼリア:「蛮族らしい蛮族だからね。私達ともソリが合わないのだよ。……まぁ、分かり易いと言えば分かり易いんだけど」

ロイド:で、残り二名。“影踏”と“軍勢”の場合は?

GM/リゼリア:「“軍勢”は予測不能。……“影踏”の場合、戦闘能力的には私にもウォルフにも及ばないから、話の通じないウォルフにじゃなく話の通じる私の所に来るのだよ。そうなれば後は簡単。武力を背景とした交渉で、あいつの代わりに私達が護符を持ち帰る事を了承させればいいのだよ」

ロイド:お前らも護符は持ち帰るつもりなんだな。

GM/リゼリア:「まぁね。総大将の命令だから、ここで来てる奴を退けても次にはまた誰かが来ると思うのだよ。だったら、出来るだけ穏便に私が回収するのが一番。それに、最終的に回収が成れば、仲間内で争っても言い訳が利くしね」

アルト:雑な組織だな……。

GM/リゼリア:「否定はしないのだよ。度を過ぎた実力本位、仲間内の争いをすら肯定している節のある組織だからね。でもだからこそ、多少味方と争う事になってもエルザを助ける事が出来るから、そこは雑な組織に感謝なのだよ」

ロイド:……面倒な状況だな。お前らの存在が敵にバレるのは、まぁOK。けど、人族にバレたら色々面倒……そう言う状況だろ今。

GM/リゼリア:「まぁね。で、さっきも言ったように私は護符を持ち帰るつもりだけど、そこの所はどうするつもりか聞いておくのだよ」

ロイド:…………止めれるなら止めたい気もするが、それが出来る戦力差でもない。お前らが本気で護符を持ち帰ろうと思ったら、向日葵兵団が全員居ても止められる気がしないからな。―――今はまだ。

アルト:……今は、か。

ロイド:ああ、今はだ。……ま、そんなワケで。『穏便に』事を収めてくれるなら、むしろ積極的に協力して貸しを作ってやるくらいのつもりで行こう。否やは無いな、アルト?

アルト:まぁ、妥当な線だろうな。貴様と同意見というのが些か気に食わんが、私も同じ考えだ。

ロイド:つーわけだ、リゼリア。お前が事を穏便に収めようとしている限り、俺達はお前に積極的に助力する。

GM/リゼリア:「それは助かるのだよ。まぁ、エルザの動向が分かったら――――っとと」 と、リゼリアが言うと、丁度見知らぬ男性が手を振りながら駆けて来る所です。一見すると普通の、どこにでも居そうな青年ですが―――懐には目立たないように、短剣が結いつけられていますね。お二人は気付いて良いですよ。

ロイド:……おい、リゼリア。あいつは?

GM/リゼリア:「あー、えーっと……」 と、リゼリアがバツの悪そうな顔で説明に苦慮していますと、すぐ傍まで駆け寄ってきた男性が、

GM/男性:「リゼリア様!お探しの夫婦は数日前から家におらず、街の中のどこかに潜伏しているようです!目撃証言などから二箇所にまで絞り込みました!」 と、熱視線をリゼリアに送りながら青年が報告します。(一同笑)

ロイド:…リャナンシーの誘惑の吸血を使ったな!?(笑)

GM/リゼリア:「…あ、あははー……土地勘とかも無いから仕方ないのだよ。ほら、一回しか噛んでないし、まだ軽度軽度。放っておけば治る感じ」(一同笑)

アルト:盗賊っぽい奴を噛んで手下にしたか……で、情報収集をさせていたわけだ。

GM/リゼリア:「そういう事なのだよ。……ねぇ、君。ありがとう、私とっても嬉しいのだよ。……ちゅっ」 と、リゼリアは青年に投げキッスをします。で、2,3言会話を交わした後、青年は幸福の絶頂のような表情で去って行きました。(一同笑)

ロイド:……便利だなー、お前。

アルト:……現時点では敵対していないと言うのは、本当にありがたいな。

GM/リゼリア:「ふふふ、もっと褒め称えるのだよ。……ともあれ、エルザは推定、既にどこかに逃れている――――と」

ロイド:して、その候補地は2箇所か……OK、二手に別れよう。リゼリア、片方は任せる。もう片方は―――。

アルト:私と貴様か。シルフィ達はどうする?

ロイド:……現状、何が起こっているのか分からんからな。戻って来た時の為に、船着き場に居るオッサン辺りに金を渡して伝言を頼んでおこう。とりあえず、他人を介しての伝言なわけだから……リゼリアなどの詳しい事は伝えられんな。目的地だけ告げておく。

遠くのプリス:ちなみにGM、まだあの半漁人についての騒ぎは起きてないの?

GM:時間軸が多少前後してますからね。『一方その頃―――』という話ですから、移動時間も鑑みると、この時点で丁度シルフィ・プリス組が半漁人と遭遇した頃でしょう。

遠くのプリス:つまり、騒ぎになるのはまだ―――と。

GM:そういう事です。では―――どうしますね?

ロイド:先にも言った通り、リゼリアと一時的に別れる。ここはリゼリアを信用しよう。『穏便に収めようとする限り、俺達の協力が得られる』という状態なら、放置してもそこまで人族に被害を与えるような事はしない筈だ。

アルト:……16Lv蛮族なぞ、既に天災に近いからな……。(一同笑)

GM/リゼリア:ふむ、なるほど。ではリゼリアもそれを了承します。名無しの盗賊から得た情報のうち、片方の地図を貴方達に預けますね。 「じゃあ、こっちは頼んだのだよ。連絡手段は―――」

ロイド:何事も無ければ、二時間後にここに集合。何かありゃ――――ま、集合時刻に来なかった方がアタリって事だろ。もう片方の向かった場所に、遅れて向かう。

GM/リゼリア:「通話のピアスとかも無いしそれが妥当かな。了解なのだよ。……そだ、この件の報酬とか、どうしようか?」

ロイド:……くれるのか?

GM/リゼリア:「君相手に借りを借りっぱにしておくのは怖いのだよ。その程度には、私は君を評価しているよ? ――――ブルデ攻防戦の英雄さん」

ロイド:……あの話を持ち出すのは止めようぜ。俺としても、あの一件のおかげでお前とウォルフガング以外のスカーレット・テーブルの連中は完全に敵と見なしてるんだ。ウォルフガングとお前は、敵っちゃ敵だが会話の余地はあるな。こんな感じで。

GM/リゼリア:「……そだね、ブルデ戦の件は失言なのだよ。詫びる」 リゼリアはバツが悪そうに頭を下げます。 「トリーシャさん、か。もう一度会ってみたかったのだよ」

ロイド:悪いな。お前らのせいじゃないし、気持ちの整理もある程度はついてんだが。……どうしてもな。

GM/リゼリア:「………まぁ、そういうものなのだよ。で、報酬だけどね。……えーと、お弁当に持って来た漬物が良い感じで漬け上がってるのだよ」(一同笑)

遠くのクリストフ:なぁ、それ現金に換算するとどれくらいだ?(笑)

GM:……んー、漬物……。1皿で1,2ガメルくらいですかね?(一同笑)

ロイド:なぁ、キレるとこだよな?それで貸し借り無しにしようとしているお前に、ここキレていい所だよな?(一同笑)

GM/リゼリア:「現金……だと、あんまり用意できないのだよ。1万くらい?」

アルト:保留だな。他に何がある?

GM/リゼリア:「……マジックアイテムかな?それだとある程度のストックがあるけど」

遠くのシルフィ:はーい。魔力の上がる指輪とかありません?

GM:まぁ、色々考えていますけどね。幾つかオリジナルアイテムを用立ててますので、その中から選んでください。

遠くのイヴ:おお、それは楽しみだぞ!幾ら火にかけてもお湯が湧かない魔法のヤカンとか無い?(一同爆笑)

遠くのクリストフ:何に使うのそれ!?(爆笑)
 

 と、いうわけで。
 リゼリアからのアイテム提供タイムです。
 そろそろ、このレベルのパーティーに対しては現金だけじゃなくて貴重なマジックアイテムなんかも報酬にした方が面白いかなーと思いまして。
 このレベル帯のパーティーの相手はこのパーティー以外にやった事は無いので、若干バランス分かりかねますが。
 
 ともあれ、リゼリアが提供できると話したのは以上のような品。
 
・世界樹の小さな実×5個
・このナイフで傷を付けた対象の位置が分かる、魔法の+1ダガー。『登録』しておけるのは一人だけで、別の対象に傷を付けると前の対象の位置情報は分からなくなる。
・発動体になる装飾されたバスタードソード。発動体として使う事で、魔力を+1出来る。
・黒いマント。装備している限り、防御力と物理攻撃の追加ダメージ、魔法攻撃の与ダメージに装備者の『穢れ度』をプラスする。人族専用。背中装備。
・MPを充填しておけるマナ・スタッフ。日に10点までのMPを保有するキャラクターの代わりに消費できる。他はマナスタッフと同様。
 
 この中から好きな物を選べと伝えます。
 後半の三つは、最序盤から参戦しているアルト、ロイド、シルフィ用。
 まぁ、第1話からずっと続けてるメンバーなので、彼らが使いそうなアイテムを用立てても良いかなという気分で出してみました。
 
 結果――――

 

アルト:マントで。

遠くのプリス:マントだね。

遠くのシルフィ:主人公強化は基本ですよね。

ロイド:俺ッ!!?(笑)
 

 全会一致で、ロイド用のマントに決定します。
 いやまぁ、予想してたっちゃー予想してましたけど……余りにもあっさり決まったもので、GMちょっとがっくり。
 他のアイテムも一応検討してくれと思うのは、アイテムを作った本人故のワガママでしょうか。ぐすん。

 

遠くのイヴ:穢れ度で強化される癖に人族専用かー。扱いが難しそうね。

GM:元々は、ナイトメアが装備する為に作りだされた物だと思われます。実はダルクレム信徒製作の品ですが、第一の神の信者が装備してもペナルティは何もありません。

ロイド:まぁ、穢れによって強化されるなんて発想からして、ダルクレム系だわな。だがまぁ、使えるもんなら使わせて貰うか。防御力と物理・魔法の追加ダメージが背中装備で向上するのはかなり大きい。

GM/リゼリア:「おっけ、じゃああげるのだよ」 と、リゼリアは収納ブレスレットからバサっと音を立ててマントを取り出しますね。 「どうせ、どっかで換金して活動資金にするつもりの物だったしね」

ロイド:……じゃあ、バサリと羽織る。―――ふむ、どうだ?

アルト:着ているのが貴様でなければ、良い感じだっただろうな。(一同笑)

ロイド:はっはっは……殺すぞボケ魔術師(笑)。

GM/リゼリア:「おおー、似合っているのだよ。うむうむ」 と、リゼリアは満足げに頷きます。 「じゃあ、これで契約成立って事で良いのかな?」

ロイド:そだな。では先の約定通り、お前が事を穏便に済まそうとしている間は、俺とアルトはお前の味方。同時に、このマントでその件に関する貸し借りは無し。構わないな?

GM/リゼリア:「OK、契約成立なのだよ。―――じゃ、お互いガンバろっか」

ロイド:そだな。では、2時間後にここで。
 

 かくして、ロイド&アルト組も動き出します。
 目的はエルザの確保。ディアームとエルザが夫婦という事は、このグループは知らない情報です。
 かくして、各々が別々に欠けた情報で、各々の目的の為に動き出したこの状況。
 加えて、まだ姿を見せないスカーレットテーブル。
 どうなるのか。GMの立てた予定は、この辺りから段々とズレ始めたのでした―――。
 
 いやまぁ、いつもの事ですけどね。
 

◆遭遇戦◆
 

 さて、状況が動き出した中。
 まずはプリスとシルフィはウォルフを伴い、水路を使わずに歩きで最初の地点へ戻ります。
 その過程で、まだ他の場所には半漁人は出ていない事を確認。
 どうやら、まずはエルザ&ディアームの家に出た一匹&追加の一匹だけのようでひと安心するプリスとシルフィです。
 
 そして、走って到着した最初の地点。
 そこで船着き場に居たおじさんから、ロイド達からの伝言を聞きます。
 『ロイド達が人探しを引き受け、その対象が居ると思しき隠れ家に向かう』との旨。
 聞いたシルフィ&プリス、オマケのウォルフはそれを追う選択を選びます。
 
 状況は未だ分からず。しかし、戦力としてはウォルフという最強のオマケがいるので、ぐいぐい進むシルフィチーム。
 そして―――

 

GM:では次は、ロイドさん達。『危険、立ち入り禁止』という札が立っている、急流になっている水路の近くの区域です。見張り中のクリストフさんからは、武装した二人の男が近付いて来たのが見えますね。

ロイド:……あー、アタリ引いちまったよ。

クリストフ:となると、イヴは小屋の中。俺は潜伏中……か?

ロイド:ふっ、俺とアルトは戦闘ラウンドが始まると隙は無いが、始まるまでは隙だらけだぞ。(一同笑)

GM:……スカウトもレンジャーもありませんからねぇ(笑)。で、クリストフさんは見張りをしつつ、罠を張ってるんでしたっけ?どんな罠ですか?

クリストフ:まぁ、鳴子かな。殺傷力高いもん作って、万一無関係の奴が当たったら後味悪いし。小屋の中で鳴子が鳴る感じで。俺自身は外で潜伏しておく。隠れる・トラップの達成値は―――(ダイスを振る)隠れる方が15、罠が16……低いな。

アルト:案ずるな。私とロイドは15どころか12以上の数値で6ゾロ以外の目が無くなるぞ。(一同笑)

ロイド:見るが良い、我が素晴らしき探索判定!(ダイスを振る)―――4。(一同笑)

アルト:ピンゾロ狙いで振るだけ振るか……(ダイスを振る)5、駄目だな。

GM:ではお二人は何も気付きません。ただ、札の横を抜けて少し歩き、小屋が見え―――その小屋に近付く途中で、足元に張ってあった紐を切った感触がしました。

ロイド:……ん?

アルト:どうした?

ロイド:今、足元で―――。

クリストフ:と、言った所でGM、先制攻撃をして良いだろうか?(一同笑)

アルト:やる気か!!(笑)

クリストフ:まぁ、この警戒している状況にどう見ても堅気には見えない連中が来たからな。先制攻撃で多少なりとも戦う力を削いで―――と思うのは、別におかしな話じゃないだろう?

遠くのシルフィ:ちょっと、交渉の余地とかは無いんですか!?(笑)

ロイド:武力は最も原始的で効率的な交渉の方法だ。良いね、その割り切りは気に入った。来い!!

アルト:……私ら気付いてないけどな。(一同笑)

GM:まぁ、とりあえずお三方。仕掛けるクリストフさんは隠密判定を。仕掛けられるお二人は危険感知判定をどうぞ!

クリストフ:(ダイスを振る)17!

ロイド:(ダイスを振る)3!(一同爆笑)

アルト:(ダイスを振る)4!(一同爆笑)

小屋の中イヴ:……酷い虐めを見た。(一同笑)

プリス:…足しても半分にもならないってのは、正直どうかなーと思うよ…(笑)。
 

◇ロイド&アルトVSクリストフ◇
 
 ……さて。
 なんか暴力的な接触になったファーストコンタクト。
 クリストフは初手でロイドとアルトを無力化し、情報を聞き出すつもりの模様。
 しかしロイドとアルトの好戦コンビも、ただでやられるタイプではありません。
 ―――GM、内心でドキワクしながら戦闘の行方を見守ります。期待半分、不安半分。
 ロイドもクリストフも攻撃型前衛ですから、火力が高過ぎて事故一つで死ぬ可能性もあるんですもん。
 
 まぁ、そんなGMの心配をよそに―――

 

クリストフ:……まぁ、ダイスを振るまでも無く先制はこっちだな。不意打ちだし。

アルト:むしろ、不意打ちが無かろうとこっちの二人が先制を取れる図が思い浮かばん。(一同笑)

クリストフ:んじゃ、早速だ。行くぞ――――死ぬなよ?

ロイド:殺されたら、まぁそれなりに恨んでやるよ。

アルト:さっきのマントがあるから、穢れ度の上昇=パワーアップチャンスなんじゃないのか?(笑)

ロイド:……最後の手段として、覚えておくよ(笑)。
 

▽ラウンド1▽
 

GM:では、戦闘ラウンドの開始です。この段階で、ロイドさんとアルトさんはクリストフさんに気付いてませんね。場所は……まぁ、距離は20m程としますか。

クリストフ:離れた所で、茂みにでも隠れているわけだ。OK、それじゃあ茂みを飛び出して、補助動作で腰の剣を抜き放つ!

ロイド:―――っ、アルト!! 警告の声を上げる!

アルト:な……っ!?

クリストフ:遅いッ! ≪ファストアクション効果≫で2回攻撃。通常移動で二人に接近して乱戦エリアを構築し、二人に一発ずつ攻撃!(ダイスを振る)ロイドに22、アルトに25だ!!

ロイド:うわ、こいつ命中高ぇ!?(ダイスを振る)……くっ、不意打ちペナもある。避けられん!

アルト:(ダイスを振る)同じく、だな。警告されたが、間に合わず―――と言った所か。

クリストフ:じゃあ、ロイドに26点、アルトに24点だな。そこまで大きくは無いか。

ロイド:十分痛ェよ!9減らして、17点喰らった!

アルト:私は16点か。ざっくり斬られたが、まだ浅いな。2/3は残っている。

ロイド:二人同時に切り払われて、血の尾を引きながらも僅かに距離を取った、と。 ……っクソが!あの女、明らかに俺らに貧乏クジ引かせやがったな!

クリストフ:じゃあ、それを見て驚いたような表情を浮かべる。 ―――やるな。結構本気で行ったんだけど。……まぁ、良い。何の話か知らないが、ここを知られた以上放置はできない。暫く眠っていて貰うよ。

ロイド:やるな、じゃねぇよ切り裂き魔。テメェ、誰だ?どうしてここに居る? 背負っていた槍を、構えながら問い掛けるぞ。

クリストフ:―――さて? 踏み込んで来たのはそっちだろう。こんな場所に、何の用がある?

ロイド:切り裂き魔に教える事情も無ェな。―――アルト、動けるか?

アルト:一応な。さて、スカーレットテーブルの手の者か。“血の伯爵夫人”、“軍勢”―――どちらという感じでもないな。あるとすれば“影踏”か。

ロイド:或いは、番号外の下っ端とかどうよ。現地雇用とか。

アルト:見たとこ人族だ。可能性は低くはないな。……少なくとも、近接戦の実力はエスティアと五分程度はありそうだ。

クリストフ:スカーレットテーブル……?

ロイド:……なんだ、その反応。

アルト:構わん、叩き潰して話を聞けば片が付く。(一同笑)

遠くのプリス:うわ、スイッチ入ってる。(一同笑)

アルト:斬られた胸元から流れる血を拭って、にやりと笑う。 ―――こちらだけ血を見たんだ。多少やり返してから話を聞くのは、正当な権利だろう?

ロイド:確かにな。やられっ放しってのもガラじゃねぇ。

遠くのシルフィ:…改めて思いますけど、ストッパーの居ないパーティーですねぇ(笑)。

遠くのプリス:……最悪、僕だけになるのを覚悟しておくよ。アルト君もロイドも、第1話の頃はもう少し……いやまぁ、僕の知らない過去だけどね。

ロイド:つーわけで、反撃行くぞ。こいつの回避力考えると、素で殴っても半々より分が悪いから……≪マルチアクション≫から『ブレス』!自分の器用度を+6して、更に攻撃!イスカイアの効果で命中が+1され、更にブレスで+1で――――(ダイスを振る)命中23!

クリストフ:(ダイスを振る)…くっ、駄目だ。良いだろう、一撃なら貰ってやる!!

ロイド:可愛く28点!(一同笑)

クリストフ:可愛くねぇ!!くそ、一気に19点も削られた………。

アルト:じゃあ、そこに補助動作でバーク・メイルのAを自分に使いながら、クリストフに魔晶石を使って『ドレイン・タッチ』をかける。(ダイスを振る)えーと、達成値は22だが抵抗するか?

クリストフ:(ダイスを振る)……駄目だな、喰らった。ダメージは?

アルト:では16点吸った。丁度全回復。(一同笑)

クリストフ:……俺、こいつと一対一で戦ったら負けるんじゃないだろうか……(笑)。ともあれ、HPを吸われて驚くぞ。 ―――高位操霊魔法!?操霊術師か!

アルト:この杖を見ろ。戦士だとでも思ったか?

クリストフ:判断に困ったよ!お前ボーンメイルにメイジスタッフって、どの職業か真剣に分からんから!!(一同爆笑)

小屋の中イヴ:白兵戦を挑んだら挑戦的に笑い返す。それを見て『あ、これ前衛かな?』と思ったら近接魔法。もう何の職業なのか、混乱するのも無理はないわ。(一同笑)

GM:ともあれ、戦闘の初動は終了ですね。ロイドさんとクリストフさんは双方それなりに負傷。特にクリストフさんは二人がかりでボコされて、HPが半分以下に。アルトさんは負傷するも、ドレイン・タッチで全回復ですか。……器用な。

クリストフ:こいつら、強い…!一対一でも俺と互角か……!? と、内心で叫ぶ!

ロイド:この野郎、強ェ…!一対一でやり合ったら、どっちが勝つか……!!(一同笑)

アルト:この男、手練か……。一対一でやり合えば……さて、どうなるか…。(一同笑)

遠くのプリス:あー、実力認め合っちゃってるよ、どうしよう(笑)。

遠くのシルフィ:青春ですねぇ。

GM:ちなみに、イヴさんも鳴子がなったので気付いて良いです。

小屋の中イヴ:そこから動かないでいて! と、ディアームとエルザに一声かけてからドアから飛び出す!ただし、ドアの中が視認できる位置で。

GM:ふむ、OKです。では、見知らぬ男二人とクリストフさんが対峙しているのが見えますね。クリストフさんの方は結構な手傷を負っています。……あぁ、行動は次のラウンドからですが何か言います?

イヴ:クリストフ、そいつらは!?

クリストフ:…謎の強敵ってところか。何やら事情を知っている様子だが……!

ロイド:お互いさまって所だな。そっちの援軍……まさかまだ居るとか言わねぇだろうな。

アルト:そっちの女もこの男と互角程度の実力者だとすると、2対2ならば相性の勝負だな。―――さて、どうするか。見たところ、金属鎧で武装した戦士のようだが。

GM:と、言った所で次のラウンド―――に、入る瞬間に!
 

▽ラウンド2―――?▽
 

GM:このラウンドの頭で、水面を突き破って3体の影がロイドさん達の後方に降り立ちます!魔物知識判定をどうぞ!

アルト:なに……!?(ダイスを振る)…21が出たか。何者だ?

GM:ふむ、では分かります。メルビズ―――Lv10魔神ですね。緑色の鱗と背びれを持った、身長2.5mばかりの半漁人くさい魔神です。ちなみに、シルフィさん達が遭遇したのも同じ奴ですね。

遠くのプリス:…やっぱね。

アルト:魔神だと……!?

ロイド:引き込まれて挟撃された――――って、感じでも無ぇな。おい、そこの戦士二人。俺らと同じくらい驚いてるって事ぁ、こいつはお前らの手引きじゃねぇんだな?

クリストフ:……こっちの台詞だ。魔神……それが3体?

アルト:それもある程度は高位の、だ。そこらの騎士など歯牙にもかけん。

イヴ:……あのさー、魔神の行動はどんな感じ?

GM:とりあえず、目につく四人全員敵かなーって感じです。

クリストフ:―――三つ巴か。

ロイド:そうみてェだな。―――ったく、リゼリアの野郎……こりゃ恐らく“軍勢”の手勢か。

アルト:奴が嘘を吐いていないならば、そうなのだろうよ。

イヴ:……リゼリア?

クリストフ:……ん?

イヴ:覚えてる。そのドリアとリゾットを足して二で割ったみたいな名前は―――何だっけ、エルザ!!?(一同爆笑)

GM/エルザ:名前だけしか覚えてねェ!!(爆笑) 「私の友達です!わ、忘れないで下さい……」 と、小屋の中から突っ込みが飛びます。

ロイド:……エルザ?って、リゼリアが探していた……。

アルト:成程、こちらがビンゴか。となると貴様ら……エルザとやらが雇った護衛か。

クリストフ:――――。最低限、完全な敵というワケでも無さそうだね?

ロイド:そうみてェだな。お互いの雇い主については、今名前が出た通りってわけか。……OK、互いの細かい状況次第じゃ敵に成り得るが、それ以上にどちらにとっても敵になる奴が目の前に居る。一時休戦、終了次第交渉―――結果次第で再戦と行こう。

アルト:―――――フン。 詰まらなそうに鼻を鳴らす。

遠くのプリス:あー、戦いたかったんだねこの人。(一同笑)

遠くのシルフィ:アルトさん、一番好戦主義ですよね、実は。(一同笑)

イヴ:何だかよく分からないけど、とにかく分かった!強大な敵を相手に、敵対していた同士が手を取り合う。自分的には王道!(一同笑)

ロイド:……うわ、テンション高ェ……(笑)。

アルト:強大?―――ハッ、これが『強大』などという敵か。何なら貴様ら、見ているだけでも構わんぞ。私達だけでも十分だ。(一同笑)

クリストフ:御冗談を。そっちこそ、魔法使いならマナが枯渇する前に引っ込んだ方が利口なんじゃないかい?

アルト:ほざけ。この程度で息切れするほどの雑魚に見えたか?

クリストフ:いんや、言ってみただけだ。それじゃ、改めて戦闘開始と行こうか?

GM:そうですね。では、ここで改めてイニシアチヴを振って貰いましょうか。

クリストフ:勝てば、≪ファストアクション≫は乗る?

GM:OKとしましょう。では、どうぞ。こっちの先制は16です。

クリストフ:(ダイスを振る)……く、まさかの14。指輪を割って先手を取る!!

GM:良いでしょう。では、そちらの先手です!!
 

◇(改めて)ロイド&アルト+クリストフ&イヴVSメルビズ×3◇

▽ラウンド1〜2▽
 
 さて、ここらで出た方が分かり易いかと思って出してみた、メルビズ×3。距離はクリストフ・ロイド・アルトから5mほどです。
 案の定、動揺したPC達は(PLにとってはある程度予定調和的に)雇用主の名前から、互いが少なくとも完全な敵ではないという事を知り、共同戦線を選択します。
 
 ―――メルビズ三匹。
 決して弱い相手ではありません。弱い相手ではありませんが……。

 

イヴ:魔神ねぇ……頑丈なの?そこの魔法使いだか戦士だか分からない人。(一同笑)

アルト:それは私か(笑)。……そうだな、並の人間より余程頑丈だ。多少の攻撃では倒れるまい。

イヴ:そう――――でも、殺して死なないわけではないわよね。

アルト:当然だ。

イヴ:じゃあ、それを聞いてにやりと笑いを浮かべながら、手に焔を生み出します。

アルト:……む?

イヴ:つまりさ……潰せばいいんでしょ?内蔵とか、骨格とか!――――アハハハハハ!!(一同大爆笑)

遠くのプリス:大丈夫!?グレンダール大丈夫なのこれ!!?(爆笑)

ロイド:……うわぁ。(一同笑)

クリストフ:…か、彼女はあれでも高司祭級のプリーストだ!安心してくれ!

ロイド:……いや、安心できる要素欠片も無ぇよ。っていうかアレ、火ィ出してるけどグレンダール?うっわぁ、同宗派なのが嫌になるんですけどマジで。(一同笑)

クリストフ:………な、なんか御免!(一同爆笑)

遠くのプリス:謝った!?(爆笑)

イヴ:先手滅殺!魔晶石からMPを引っ張り出して、焼き払うわよ。 ――――燃えて尽きろ。『フレイム・バースト』!!(ダイスを振る)達成値はあんまり良くない20!

GM:…う、ギリギリ抜けて来てる。しかも弱点属性……。

イヴ:グレンダール神官相手に焔が苦手な相手とはねぇ。ダメージはA上半身に25、下半身に22、B上半身に26、下半身にクリティカルで35!C上半身に22で、下半身に24!!

アルト:……大した威力だ。下手をすればシルフィに匹敵するか……。―――さて、純粋に威力だけを見ればクリメイションを3体に撒くのが早いが……燃費を考えてアシッドクラウドか?

GM:いえ、メルビズは毒無効なので、毒属性であるアシッドクラウドは効きません。……以前この処理でミスってた時がありましたけど。
 

※以前、毒無効の敵にアシッドクラウドが効いていた場面がありました事を、この場を借りてお詫び申し上げます。
 

アルト:……MP回復手段を持っているシルフィと合流できるか分からんしな。敵は然程強くない。スパークでお茶を濁しておくか。(ダイスを振る)……20、ギリギリだが抵抗は抜いているから、ダメージはA上半身に15、下半身に17。スパークは5体まで対象で、B上半身は対象から外れてしまったので……B下半身に16。C上半身と下半身に14、と。

GM:……きゃー、もう結構ヤバいんですけど。

アルト:それと、補助動作でロイドにAランクのバーク・メイル。……ふむ、カードの手持ちがヤバいな。余裕があれば後で買い足すか。

ロイド:金のアテなら目の前に居るしな。

GM:……え、剥ぎ取った品で買い足す気?(一同笑)

ロイド:その通り。んじゃ、クリストフ。先に頼む。お前が乱戦エリアを構築してくれれば、俺は補助動作で乱戦に介入できるようになる。そうなれば、ヒートウェポンを使いつつ殴りかかれる。

クリストフ:分かった。じゃあ、≪必殺攻撃≫を宣言しつつ、一番耐久力が減っているAの上半身に斬りかかる。クリティカル・レイもかけて……(ダイスを振る)命中21、ダメージは24。……もう一度クリティカルレイかけて≪必殺攻撃≫!(ダイスを振る)命中23、ダメージはクリティカルで38!!

GM:ぐ、それは―――駄目ですね。クリストフさんの片刃の剣で斬り裂かれた一体目のメルビズは、それで倒れます。

クリストフ:一体目!

ロイド:やるねぇ。じゃあ、3m制限移動で残ったB&Cとクリストフの乱戦に介入しつつ、補助動作で『ヒート・ウェポン』。火属性になった武器で、クリティカルレイしつつCに≪魔力撃≫!(ダイスを振る)命中は24、ダメージは一回回って弱点足して52点!(一同笑)

GM:うわ、早ッ!二体目もそれで倒れます!

ロイド:……二体目だな!

GM:……ええい、残ったBは抵抗します!≪酸のブレス≫!当たると防具が劣化する嫌な攻撃ですよー。怖いですよー。対象は……まぁ、人間並みの知能ですし、一番嫌な攻撃をしてくれたイヴさんに。目標値19で回避して下さい!

イヴ:(ダイスを振る)……げ、防護点減少かぁ。まぁ良いや、とりあえず受けとく。変転使ってまで回避する理由も無し。ダメージは……14点物理?じゃあ、5点だけ食らう。

GM:防御力が減少する装備は、プレイヤーが選んで良いそうですよー。

イヴ:マジ?じゃあ、タワーシールドが良い感じに溶けました。盾の防御力半減。

ロイド:…ま、被害額に直しても大したダメージじゃ無ぇな。最後っ屁にしてもお粗末だ。

GM:……終―――了ォ――――。(一同笑)
 

 ……ええ、まぁ。
 クリストフの攻撃は回避したものの、ロイドの魔力撃の直撃とアルトのクリメイションで、メルビズBは1ラウンド遅れで仲間の後を追ったのでした。
 ぐすん。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

 さて、とりあえず倒したメルビズの死体を勝手に漁っているイヴを横に。
 クリストフとロイド、そしてアルトは雁首を揃えて情報交換に入ります。その様子を、小屋のドアから顔を出して伺うエルザと彼女を庇うように立っているディアーム。

 

ロイド:――――なるほど。お前らはエルザの旦那の元仲間。リゼリアからの忠告を聞いたディアームとやらが呼び寄せた護衛ってワケだ。

クリストフ:大筋、それで間違っていない。で、そっちはリゼリア・ミルヒヴァイスと一時的な同盟関係にある冒険者……か。

ロイド:たまたま遭遇してな。放置するより、あいつに協力した方が穏便に事件が終わりそうだと判断した。遭遇しちまった以上、向こうも俺らも互いも放置できない。これが多分、最善だろ。

アルト:本来は敵だ。今回は、向こうが人族サイドに近い立ち位置であったからこそ協力体制が成り立っただけでな。

クリストフ:…お互い、大雑把な説明はそんな所かな。

ロイド:……さて、どうする?エルザとやらの件に関して言えば、リゼリアをここまで連れて来てあいつの手に護符を渡す。で、その護符を持ち帰って貰えば、エルザが狙われる最大の原因が消える。その間に雲隠れをして守りの剣が無い農村にでも移り住めば、解決だ。

アルト:他にも問題がある、とでも言いたげだな。

ロイド:あるさ。―――問題は、エルザ以外。

クリストフ:……エルザ以外?

ロイド:“軍勢”。……街の生命線である水路に魔神を放つようなイカレが、簡単に帰ると思うか?

クリストフ:“軍勢”……?

ロイド:スカーレット・テーブル。……俺らが何度かやり合った蛮族組織。そこの幹部の一人―――らしい。ちなみにリゼリアも、その相方もそこの幹部だ。

アルト:幹部の中でも下位打線なら一人倒したが、あの程度の小物なら代わりは幾らでも居るだろうな。

ロイド:だな。それに対して、リゼリア、ウォルフガング、そして恐らく“軍勢”も代えの利かない上級幹部だ。

遠くのプリス:上級、ねぇ。リゼリアは第五位じゃなかった?

ロイド:だとしても、だ。恐らく下位は入れ替えが効くが、最低でも第五以上の位階は入れ替えが効かんメンバーと見て良いだろう。あんな戦力、蛮族の中にもそうは居ねぇよ。

アルト:……確かにな。

クリストフ:……となると、あの護符を狙っているのはそんな蛮族組織……か。渡して良いのか?

ロイド:悪いが、目を付けられた時点で拒否権は無いに等しいな。護符を得ると言う目的は、ここに来ているスカーレット・テーブルの三者全ての共通目的だ。違いはその過程で、エルザの命を助けようとしているか否かに過ぎない。……ここで護符自体を渡さず、例えば燃やしたりしたら?

クリストフ:……どうなる?

ロイド:街が無くなる程度で済めば御の字だな。無論、渦中ど真ん中の俺達も生きちゃいねぇだろうよ。

クリストフ:――――。 肩を竦めよう。 正義のヒーローのようにはいかんね。我が身可愛さに蛮族と取引か。

ロイド:反対か?

クリストフ:いや、この状況じゃ仕方ない。俺だって命は惜しいしな。

ロイド:O.K。話が通じるようで何よりだ。―――さて、お互いの目的と立場も明らかになったところで、話を進めるぞ。……とりあえず、そこの女は何してんだ?(一同笑)

イヴ:剥ぎ取ってます!剥ぎ取ってます!まぁ奥様、このウロコ幾らで売れるかしら!!(一同笑)

ロイド:誰が奥様!?(笑)

イヴ:まぁ、そこに若奥様は居るけれど。ねぇエルザさん、これ幾らで売れると思う?(一同笑)

GM/エルザ:「え、その……それ、売るんですか?」 と、エルザは引き攣った笑みを返し、

GM/ディアーム:「……イヴの奇行はともかく、最終的にエルザを守ってくれるならば、僕は過程を問わない」 と、これまでディアームは自分の意見を言います。

ロイド:良し。……じゃあまず、必要なのは最終目的の決定だ。エルザを守り、リゼリアに護符を渡す。その上で“軍勢”を叩き返すか、撃破する。ここまでで質問は?

一同:(無い、と各々首を振る)

ロイド:……O.K。具体的な手段の検討に入る。まず、戦力――――クリストフとイヴだったな。お前らは相当戦えるな。俺らと五分……って所か。

アルト:五分、と言うのが気に食わん。いずれ雌雄を決したい所ではあるな。

イヴ:あー、やだやだ。男ってどうして群の中で順位付けたがるかね。

クリストフ:俺だって嫌だよ。こんな血の気の多い連中と一緒にしないでくれ。(一同笑)

遠くのプリス:ごめんねー、僕らもっと血の気の多いの一人連れてそっち向かってる途中。(一同笑)

遠くのシルフィ:………血の気多いって言うか、ウォルフさんは血の気の塊ですよね(笑)。

ロイド:……だな。まぁ、それはさておき。 ……後二人、俺らの仲間がいる。火力担当の後衛だ。

クリストフ:ごめん、それだと君らのパーティー全員攻撃型じゃね?(一同笑)

ロイド:否定要素は無ェな。成り行きで防御と回復の要が離脱しちまったし。防御の方はともかく、回復の方は戻ってくるかどうかも分からん。……流石に短期間で2回死んだら、そら冒険者稼業を止めるかどうか考えそうなもんだ。

クリストフ:……なんとも血生臭いね。

ロイド:最も、冒険者稼業じゃなくて戦争だったがな。あいつが死んだ原因は。

イヴ:んん〜……?戦争? その言葉に首を傾げる。

ロイド:ブルデでの攻防戦だ。……まぁ、それは良い。残り二名を探すか―――向こうから来るのを待つか。

アルト:シルフィは読めんが、プリスならば問題無いだろう。奴は優秀な斥候だ。

ロイド:その気になれば、その手の心得の無い俺達の足跡くらいは掴む―――か。

クリストフ:……その場合、敵にもバレるんじゃないか?

ロイド:かもな。或いはさっきの半漁人達も、俺らを追って来たのかもしれん。だが、それでもさして変わらないだろう?大きめの街とは言え、所詮王都や主要都市には及ばねぇ。いずれ敵の索敵に引っかかっていたのは疑い無ェだろ。

クリストフ:多少、それが早くなった。

ロイド:その代わり、使える戦力を得た。悪くない交換だと思わねェか?

クリストフ:―――確かに。

イヴ:じゃあ、とりあえずその人たちを待とう。……ところで、リゼリアって人は?

ロイド:二時間後に待ち合わせをしてるが、時間までに片方が待ち合わせ場所に戻らなかった場合、もう片方が戻って来てない方の調べに行った場所に行く手筈になってる。だから、待ってればそのうち来るだろ。

イヴ:OK。それじゃ暫く、待ちの姿勢ね。この半漁人どうしよか?

クリストフ:……穴でも掘って埋めようか。放置して腐敗しても嫌だし。

GM:と、言う所で――――ロイドさん達の目撃情報を辿って来たシルフィさん達も到着して良いですよ。

シルフィ:あ、はーい。じゃあ、ダッシュでロイドに突撃しまーす。わーい、ロイドロイドーっ!(一同笑)

ロイド:……っと、お嬢か。早かったな?

プリス:早かったな、じゃないよ。ロイド、何があったか知らないけど、この街は現在結構剣呑な事に―――って……。

イヴ:……あら、プリス?(笑)

プリス:イヴ!?それにクリストフも、ディアームまで!君達、どうしてここに!?(笑)

ロイド:え、何!?知り合い!?(笑)

GM/ウォルフ:「ハッ……久しぶりじゃねェか、ロイドにアルト。ちったァ食いでのある強さになってきたか?」

ロイド:……ウォルフガング・ルウガルウ……。まさかお前がお嬢達と行動を共にしていたとは……。

GM/エルザ:「あら……ウォルフさん、お久しぶりです。ご健勝そうで何よりです。何年ぶりでしょうか?」

GM/ウォルフ:「……うげ。エルザか……」 と、ロイドさん達を見て嬉しそうに笑っていたウォルフは、エルザの顔を見て毒気を抜かれたような嫌そうな表情をします。

プリス:……あー、100%善人みたいなタイプの相手は苦手なんだね(笑)。

クリストフ:……待て。待ってくれ。………なに、この状況?(一同笑)

ロイド:……全員、落ち着こう。その後、順に自己紹介。異論は無いな?(笑)

プリス:……そうだね。想像以上に人間関係と状況が混線してるっぽいし……(笑)。

GM/ウォルフ:「……面倒臭ェ」

アルト:……同感だ。だが、やっとかないともっと面倒な事になる予感しかしない。

GM/ウォルフ:「……こっちも同感だ」
 

◆自己紹介+α◆
 
 と、言うワケで。
 ロイドの提案で、やたら混線している人間関係であるここに集った一同、小屋の中に車座になって自己紹介を開始します。
 レッサーヴァンパイアであるウォルフに、知らない面々が驚いたり。
 ロイドの姓を聞いたイヴが自分の先生も同じ姓だったと告げて、意外な所から繋がりが明らかになったり。
 エルザの善人オーラにパーティーの腹黒組が敗北感を抱えてみたり。

 

ロイド:……よし、これで一通り自己紹介は終わったな?………終わったよな?(笑)

シルフィ:めしー、うまー。(一同笑)

イヴ:ハムッ ハフハフ、ハフッ!!(一同爆笑)

クリストフ:はいそこ二人、何してるのかな!!?(爆笑)

シルフィ:むぅ、ご飯タイムです。シルフィさんは燃費が悪いのですよ。

イヴ:まぁ、仕方ないわねー。腹八分目とも言うし。

ロイド:これでかよ……。

イヴ:でもまぁ、ロイド君だっけ。まさか先生のお子さんとはねー。意外意外。

シルフィ:まぁ、ユフィさんの性格を考えると、イヴさんみたいな愉快型の弟子の一人や二人不思議ではないのですが。奇妙なご縁ですねー。

プリス:しかも、イヴとクリストフ、ディアームは僕の元仲間ときたもんだ。出来過ぎだね。

アルト:更にはその元仲間の一人の結婚相手が、リゼリアとウォルフガングの古い知り合いか。

クリストフ:……いやもう、本当に何が何やら。よくぞまぁ、ここまで人間関係が絡まり合ったもんだ。

イヴ:まぁ、何の接点も無いよか協力し易くて良い感じ。自己紹介は終わったし、お互いの立場を表明しよっか。自分とクリストフは、ディアームからの依頼でエルザさんの護衛をしているわ。

クリストフ:最終目的については先程、ロイド君やアルト君と話したな。護符をリゼリア嬢とやらに渡して、その上で“軍勢”とやらを撃退する。これが基本方針。

ロイド:“軍勢”ってのが勝手に帰ってくれるなら良いんだがね。ウォルフ、そこんとこどうよ?

GM/ウォルフ:「知るかよ。“軍勢”の奴の行動なんか俺が分かるか」 と、ウォルフはにべもありません。

ロイド:……無理に問い詰めたら面倒そうな奴だしな。まぁ、そこは相手の出方次第か。じゃあ次。―――俺とアルトは、先程リゼリア・ミルヒヴァイスと遭遇。互いの損得・立場などの条件から、一時的な休戦・同盟を結んだ。この一件の解決まで、リゼリアが穏便に事を済まそうとしている場合に限り、俺達はあいつの目的―――エルザの保護と護符の入手に力添えをする。

プリス:護符の入手の妨害……なんてのは、まぁ非現実的だね。僕らが命を捨てれば護符を焼き捨てるくらいは出来るだろうけど、割に合わないにも程がある。

ロイド:この約定でどこまでアイツの行動を縛れるかは分からんが、この約定が有効な間は表立って人族側に被害を与える動きはしない筈だ。次、お嬢とプリス。お前らは?

プリス:僕はフローティングスフィアを作って欲しくてディアームの家を訪ねただけだから、そこまで明確な目的は無いかな。そこでさっきのバケモノ……メルビズだっけ?あれと遭遇、ウォルフさんとも遭遇。その結果、成り行きで同行する事になったって程度かな。敢えて言うなら、ロイド達との合流が目的だったわけだけど。

シルフィ:大筋、私とプリスさんの目的はロイド達と同じと見てくれて構わないでしょう。パーティーですしね。

イヴ:へぇ、プリス冒険者稼業を再開するんだ。御父上は良いの?

プリス:うん。ロイドの力添えのおかげで、中央への復帰は決まったしね。そうなると、アキレス腱になり得る僕は一時的に離れていた方がいいかもしれないって言われて、冒険者再開。……ま、それだけじゃないけどね。 意味ありげにロイドに流し目を送ります(笑)。

GM/ウォルフ:「……あー……」 それに気付いたのか、意外と目端の利くウォルフが物凄い嫌な笑みを浮かべていますね。(一同笑)

ロイド:こめかみに青筋浮かべて中指立てるぞ(笑)。 …文句あンのか、このヴァンピー?

GM/ウォルフ:「別にィ?お盛んなこったな、ロイド」

ロイド:……槍に手をかけて、じりじりと間合いを計ります。(一同笑)

GM:じゃあウォルフも、腰の後ろの斧に手をかけて、いつでも立ち上がれるように重心を移動させます。(一同笑)

シルフィ:私が正室で、プリスさんが側室なのですよ! 空気読まず満面の笑顔でぶっちゃけます!(一同爆笑)

ロイド:お嬢ォォォォォォォォ!!(爆笑)

GM/エルザ:「……え、そんな。不潔です!」 と、エルザはプンプン怒ります(笑)。

イヴ:道端で潰れた犬のフンでも見るような目でロイドを見ます。(一同爆笑)

ロイド:……あれ、俺死んだ?これ社会的に死んだ?(一同爆笑)

アルト:……冷めた目でそれを見ていよう。まぁ、頑張れ(笑)。

ロイド:……小屋の隅で体育座りをします。(一同笑)

イヴ:まぁ、自分は君達の昼メロ的な人間関係に口出しする気は無いわ。三人ともが納得してれば、別にそれで。ただしロイド君は自分の半径1万キロメートル以内に入らないように。(一同爆笑)

ロイド:あの、大陸外退去を命じられたんですが。(一同爆笑)

シルフィ:で、まぁそんなロイドを放置して、笑顔のままクルッとウォルフさんに向き直りましょう。 ウォルフさんはご友人の危機に駆け付けて下さったんですよね?

GM/ウォルフ:「アホか。俺がそんなタマに見えるか?」

シルフィ:(即答で)はい。(一同爆笑)

ロイド:……うっわぁ、迷い無く断言しやがった(笑)。

シルフィ:だってウォルフさん、本当にどうでも良ければここまで来ないでしょう?リゼリアさんと別行動した後も、一応自分なりに動いてる事がその証拠ですよ。

GM/ウォルフ:「―――――チッ!八割がリゼリアの付添だ。勘違いするんじゃねェ」 と、ウォルフは顔を逸らしますね。

アルト:2割は認めるワケだな(笑)。

ロイド:はいはい、ツンデレツンデレ。(一同笑)

GM/ウォルフ:「テメェら……今ここでリテルでのケリ付けてやっても良いんだぞ……?」(笑)

シルフィ:まぁそれはともかく、各々の目的はかなり近い軸にあるわけですよ。エルザさんの安全を確保した上で護符をウォルフさんとリゼリアさんに渡し、“軍勢”にお帰り願う。皆、基本的にこれが最終目的でしょう?

ロイド:…ま、多少のズレはあるが三者三様の目的を組み合わせれば、妥協点はそこに落ち着くわな。とりあえず、エルザ。護符は無くても平気か?

GM/エルザ:「えぇ、風邪を引いたような頭痛と倦怠感に苛まれますが……この街の守りの剣は大きくは無いので、行動不能になるレベルでもありません」 具体的には、全行動に-3のペナルティがかかります。逆説、それ以外のペナルティはありません。

ロイド:OK、じゃあまず護符をそこの吸血鬼に。その代わり、ウォルフ。“軍勢”が来たら……そうだな。立場的にどれくらいまでやり合える?

GM/ウォルフ:「ま、殺さねェ限りは俺の立場が悪くなる事ァ無ェな」 と、獰猛に笑って肩を竦めます。 「それに、“軍勢”は基本的に他の円卓からは疎まれてる。俺もまァ、そうだがな」

ロイド:……そういや、その“軍勢”ってな円卓何位よ?

GM/ウォルフ:「第四階位。俺とリゼリアの間だな。スカーレットテーブル第四位、“軍勢”パーシヴァル――――飛びっきりのイカレ野郎だ」

アルト:……完全に上位打線だな。ラーリスの高位神官……か。種族は?」

GM/ウォルフ:「エルフ。もう300年は生きてるっつーから、俺よか年上だな」

ロイド:……ま、厄介そうなのは確かだわな。さて、じゃあその“軍勢”ってのをどうするかの問題だが。

プリス:1.積極的に潰しに行く。

アルト:2.ここで待ち構える。

シルフィ:あとは……3.放置してエルザさんを連れてこの街を離脱。そのまま撒く。―――って所でしょうか?

ロイド:だな。……1の場合、エルザとディアームをどうするかで少し分岐するが。

プリス:意見を出し合いながら、決を取ろうか。

GM:いえいえ、その前に―――バタン、とドアを開けて小さな影が駆け込んできますよ。

ロイド:何だ!?

GM/リゼリア:「うわ、皆いる!?良かった、関係者全員集合なのだよ!」 と、焦った様子のリゼリアですね。

アルト:……リゼリアか。どうした?まだ待ち合わせの時間にもなってなかった筈だが。

GM/リゼリア:「うん、でもちょっと大惨事になってきてるのだよ。私としては放置しても良かったけど……エルザやディアーム、それに向日葵兵団の皆は気にするだろうし。まぁそれより何より、エルザが無事で良かったかな」

プリス:……この子がリャナンシー?全然見えないけど。

GM/リゼリア:「むむ、そこの子も含めて3名ばかり知らない顔が居るのだよ」

ロイド:そこは気にするな。エルザの旦那の仲間と、俺らの仲間だ。それよか何があったんだ?

GM/リゼリア:「ああ、うん。……街の各所に魔神が出現して、大暴れしているのだよ」

一同:……………は?

クリストフ:……な、なんですとッ!!?
 

 駆け込んできたリゼリア曰く、数十分前(恐らくロイド達がメルビズを撃破して少し経過した辺り)から、街の各所に魔神が出現。暴れ回っているとの事。
 話を聞いてすぐに駆け出そうとするシルフィとイヴを他の面々が止め、状況を整理します。
 結果―――
 
・出現している魔神は街の東西南北から。
・うち2体はなんかデカい。ゴツい。
・こっちきてる!こっちきてる!(リゼリアの台詞原文そのまま)
 
 ―――つまり、街の四箇所に出現した魔神が、恐らくこの隠れ家目指して戦闘しながら移動を開始しているとの事。
 その動きと街の地図とロイド達を向かわせた地点を照合、そしてウォルフに持たせている誓いのアンクレットの位置情報がそこにある事から、こっちがアタリだったと気付いてダッシュして来たというリゼリア。
 そして―――

 

アルト:(ダイスを振る)……『デカいの』は―――恐らくフォルゴーンか。

プリス:…うわ、正直勘弁してくれって感じのチョイスだね。
 

・フォルゴーン。Lv13魔神。
・赤黒い肌をした、身長6mばかりの巨人。一本角があり、下半身は山羊のよう。
・12Lvまでの神聖魔法を操る神官戦士タイプ。3部位あり、コア部位である頭部へは胴体を破壊するまで射撃/白兵攻撃が当たり難い。

 

ロイド:つまり、対単体最大火力であるプリスの初手全力攻撃が弱点に当たり難いって事だからな。―――っと、さて。じゃあ動きを決めるぞ、時間が無い。

プリス:まず、敵の目的地はここ。ソースはリゼリアの観測しか無いけど、これは大前提だから、まずはこれを信じよう。リゼリアが僕らに嘘を吐く理由も無いしね。けど、その場合目的はなんだろうね?

アルト:燻り出しと言うのはどうだ?

プリス:それは相手の居場所が分からない時にやるものだよ。居場所が分かっててやるならむしろ―――戦力の分散が狙いかな。

アルト:戦力の分散……?

プリス:んーとね、このまま放っておいたら街に大被害が出るよね。これ、許容できる?

シルフィ:出来ません!他国の民ですが、放置はできません故、行動を提案します!

イヴ:こんな大騒ぎ、乗らずして何が江戸ッ子かァ!!(一同笑)

プリス:……と、まぁこんな感じで、何人かは迎撃に出たい。一方で、ウォルフさんやリゼリアさんはエルザさんが守られれば、人族の街はぶっちゃけどうでも良い。

GM/リゼリア:「まぁね。だから、すぐさまここからの離脱を提案するのだよ」

プリス:ほら、互いの意図がずれ始める。―――最初から最大戦力でここに来るのが敵にとっての正解かと思ってたけど、なかなかどうして、これは神の一手だね。こっちは目的が『近い』だけの寄せ集めなんだ。分散させるには有効な手段だよ。

クリストフ:……対策は?

プリス:最低限の勝利条件だけ満たすなら、ここで待ち構えて迎撃すれば良い。戦力を分散してしまっているのは敵も一緒。こっちが全員で迎撃すれば負ける要素は無い。ウォルフさんが第三位、“軍勢”が第四位と言う事もあるし、本人が直接出て来てもどうにかなる筈。

ロイド:代わりに街がどうなっても知らんけどな。―――ウォルフ、リゼリア。エルザを守るのはお前らの意思だな?

GM/リゼリア:「勿論なのだよ」

GM/ウォルフガング:「……ま、そうだな」

ロイド:良し、護符をウォルフに渡せ。その上で、お前らとエルザは混乱に乗じてこの場から離脱しろ。エルザを守りながらな。

GM/ウォルフ:「……へェ?」 と、ウォルフは面白そうに唇を歪めます。

ロイド:俺らは迎撃に出る。“第四階位”相手に“第三”と“第五”だ。これが実力主義に基づく序列だってんなら、敵の本体がそっちに来た所でお前らが負ける要素は無い。違うか?

GM/リゼリア:「……ん、それは確かに。“軍勢”は本人だけじゃなく、召喚する魔神の戦力まで含めた戦力評価なのだよ。単騎なら、私の方が強いくらい」

ロイド:OK、じゃあそっちは逃げる分にはそれでOKだな。

プリス:護衛対象を預けて、戦闘要員だけで迎撃に出るってワケだね。護符がウォルフさんの手にあるなら“軍勢”がウォルフさん達に積極的に戦闘を仕掛ける理由も薄い……のかなぁ?その辺が完全には分からないのが厳しいけど。

ロイド:つっても、魔神の迎撃をこいつらに頼むわけにもいかんだろ。衆目のど真ん中で戦われてみろ。大騒ぎだぞ。

プリス:あー、うんまぁ、リャナンシー・アサシン・フェアリーテイマーとレッサーヴァンパイア・バーサーカーのタッグだもんねぇ。(一同笑)

ロイド:……新しい種族作るなよ。まぁ、間違っちゃねぇけど。

クリストフ:それに、その二人には迎撃に参加する義務も無いしね。

ロイド:そゆ事。故に、こいつらに頼めるのは『エルザを守る』という内容だけ。それ以外は、言っちゃなんだが信頼し切れん。

GM/リゼリア:「当然なのだよ」 と、リゼリアはにやりと笑います。 「無条件で信頼されても困るのだよ。私達は私達の目的の為に動く。それに邪魔なら、人族だろうと蛮族だろうと潰して進む。それだけなのだよ」

ロイド:だがその分、エルザの護衛に関しては全幅の信頼を寄せ得る。故に、エルザはこの二人について行ってくれ。一番、それが安全だ。

GM/ウォルフ:「で、お前らは“軍勢”の召喚した魔神を迎撃して―――」

ロイド:可能ならばそのまま“軍勢”の本体を探して、そのまま叩き返す。……そいつ単独なら楽なんだがな。他のスカーレットテーブルが来てるって事は無ぇだろうな。

GM/リゼリア:「恐らく単独だとは思うのだよ。分かった、エルザを守って脱出は、私達が責任を持ってやるのだよ」

GM/ウォルフ:「……ったくよォ……面倒臭ェったらありゃしねぇ。殺して潰せば片が付くってのになァ」  と、ウォルフが嫌そうに頭を振りますね。

アルト:それが出来ない。だからこそ、私達に声をかけた。違うか?

GM/リゼリア:「声をかけたのは、半ば成り行きだったけどね。頼んで良かったのだよ。少なくとも、君達のおかげで敵の戦力は分散する」 うんうん、とリゼリアは頷きます。 「計画通り、なのだよ」

クリストフ:……十秒くらい前に『半ば成り行き』って言ってなかったっけ?(一同笑)

GM/リゼリア:「聞き間違いなのだよ」(一同笑)

ロイド:まぁ、大筋はそれで良いみたいだな?

GM/リゼリア:「敵の目は迎撃に出た君達に集中するだろうしね。私達の脱出も楽になるだろうし、その面では君達は依頼を果たしてくれてるのだよ」

プリス:……よし、それじゃあ細部を詰めに入ろうか。
 

 大筋が決まった所で、本格的に作戦会議です。
 エルザはリゼリアとウォルフに護衛されて離脱。護符はウォルフが持ちます。脱出後の合流地点は相談済み。街の中の別の場所ですね。
 ディアームは、ウォルフ達に護衛を任せて良いかどうか非常に危ういラインだったため、PC達に同行して貰う事に。一時的に別れる事となるディアームとエルザ、ラブラブ劇場開催。
 
 それを歓声を上げながら見てるシルフィとプリスを放置し、迎撃の班分けを決めます。
 千人規模の街とは言え、流石にLv13魔神の相手を出来る人材は多くなかろうと判断。パーティーを二つに分け、2体のフォルゴーンを潰しに行く構えです。
 メルビズは放置。そこまで手を回せないと言うのが正直なところのようです。
 
 ちなみに、“軍勢”の思考はPC達の予想と大分ズレています。
 これに関しては後述しますが、PC達が警戒しているほど彼は合理主義でも任務に忠実でもありません。
 むしろこの段階で、Lv10魔神をあっさり撃破した向日葵兵団とイヴ&クリストフに興味が向いてきています。
 
 ともあれ、この時点で作戦は決定。
 ロイド・プリス・アルトの腹黒トリオと、シルフィ・イヴ・クリストフにディアームの変則チームで二手に分かれて行動を開始します。
 目的地は北部から攻めてくるのと南部から攻めてくるのと、合わせて二体のLv13魔神フォルゴーン。

 

ロイド:……まぁ、本来は街を守る義理も無いんだがな。

プリス:冷めてるねぇ……まぁ、同感だけど。

アルト:シルフィはこういうのを放っておけないタイプだしな。イヴも同類か。

イヴ:自分の場合、暴れたい成分も多いけどね。ま、そっちは頼むわよ。向日葵兵団さん。

プリス:うん、そっちこそうちのリーダーをよろしく頼むよ。ちょっと虚弱だけど、魔法使いとしては相当だから。

シルフィ:褒められました!(笑)

イヴ:OK。それじゃ、共同戦線と行きましょうか?

プリス:了解。……久しぶりだね、君と一緒に戦うのも。

イヴ:全くよ。……腕は鈍ってないでしょうね、プリス。

プリス:勿論。これでも、君達と別れてからも死線を幾つも潜ったんでね。そっちこそ、鈍ってないだろうね?

イヴ:これでも大分、腕は上げたわよ。

ロイド:……っし、どうにかなりそうだな。それじゃあ、行くぞ!!

一同:おーっ!!
 

 かくして。
 冒険者たちはエルザをウォルフとリゼリアに預け、“軍勢”の迎撃に出たのでした――――
 

◆世界は舞台◆
 

GM:では、まずはロイド・プリス・アルト組から行きましょうか。

プリス:いやぁ、安定感のある組み合わせだよね、このトリオ。

ロイド:安定感は良いけど、流石に三人でLv13魔神相手ってのはちょっと厳しいぞ。これが剣の欠片持ちだってんならもう……。

プリス:まぁ、欠片持ちと考えるべきだろうね。大丈夫、このトリオならやれるよ。

アルト:無論だ。……ともあれGM、現在街中はどうなっている?

GM:混乱状態ですね。人々が逃げ惑い、混乱があちこちで発生しています。

ロイド:人の波に逆らって走ってるわけだな、俺ら。

GM:はい。それで暫く走ったところで、道が開けます。少し通りが広くなった広場のようなところ。横には流れの速い水路もあります。どうやら水運用の集積所か何かだったのでしょうか。

アルト:……居るのか?

GM:ええ。丁度、二足歩行で山羊の足の巨人―――フォルゴーンが、駐在の騎士らしき男性を引き裂いたところです。

プリス:……うわっ。

GM:足元には血だまり。兵士や騎士、そして一般市民達の遺体が十数体転がっています。

アルト:……貴様……。

ロイド:…ちょいと遅かった……か。

アルト:やるぞ、ロイド、プリス。……彼奴はここで潰す。これ以上被害が拡散する前に終わらせるぞ。

ロイド:…お前も結構、こういう状況で張り切るよな。

プリス:僕やロイドはナイトメアって事もある。迫害された過去とかがあるから、無関係の人の命にはそこまで敏感じゃないのかもね。

ロイド:……かもな。その点、普通に見知らぬ他人の為に怒れるこいつやお嬢が羨ましく感じることもあったり無かったり。

GM:さて、では丁度獲物が居なくなった所で乱入してきた皆さんに、フォルゴーンも狙いを定めますよ。身長6mばかりの巨人が皆さんを睥睨します。

ロイド:――――くくっ。

プリス:……ロイド?

ロイド:温いな。俺をビビらせてェなら、せめてウォルフ程度の殺気は放ってみせな! 槍を抜き放ち、構える!

プリス:比較対照が悪すぎ!ああもう、楽しそうだね君はっ!! こっちも銃を抜くよ。距離は―――後衛からは15mか。ならロングバレルだね。前衛ポジションに居るロイド、アルトからは10m、と。

アルト:こちらはフルアーマーはせず、メイジスタッフで良いか。……さて、それでは行くぞ!

ロイド:テメェが仕切るな、ボケ眼鏡ッ!!
 

◇ロイド&アルト&プリスVSフォルゴーン◇

▽ラウンド1▽
 
 さて、Lv13モンスターであるフォルゴーン戦です。
 Lvで言えばドレイクバイカウント―――アウグストと互角の筈のフォルゴーン。
 指輪を割りながらの魔物知識判定で弱点は抜けたものの、精神抵抗が固定値で25という鉄壁には、アルト(魔力14)の攻撃はあまり通じそうにありません。
 プリスも若干距離があるため、最初のラウンドはお得意のデリンジャーではなくサブウェポンのロングバレルを構えています。
 そして先手は、敏捷度増強の指輪を破壊したプリスがギリギリでゲット。

 

プリス:良し、先手必勝!3m前進しつつ、キャッツアイを使った上でロングバレルから『ショットガン・バレット』!一発目を撃ったら、一丁目を投げ捨てて二丁目でも射撃するよ!(ダイスを振る)……命中は23と22だけど、どう!?

GM:ふむ、脚に2発、胴体に1発命中ですね。ダメージくださいな。

プリス:くぅ……流石に避けるなぁ。胴体に当てるなら6以上、か。まぁ良い、ダメージは弱点込みで脚部に19点と22点。胴体には22点だね。
 
GM:ふむ、流石にプリスさんの攻撃は痛い……。

ロイド:……さて、アルト。どうする?

アルト:……どうする、とは?

ロイド:守るか攻めるか。守るならプロテが欲しいが、攻めるなら全力で魔法を叩き込め。

アルト:……そうだな。個人的には攻めたいところだ。このラウンドで脚部を落とせば、貴様一人で敵を止められるようになる。

ロイド:攻撃回数を減らせるなら、それに越したことも無いしな。じゃあ攻撃で試してみるか。流石に即死はしない見込みだし。……まず俺が突っ込んで魔力撃をカマすから、脚部を落とせそうなら魔法攻撃で支援頼む。異貌開放、通常移動で前進してキャッツアイ+クリティカルレイをかけての強化魔力撃で脚部を狙う!(ダイスを振る)…命中27、ダメージ53!!(一同笑)

遠くのイヴ:え、なにそれこわい。(一同笑)

アルト:命中もダメージも頭ひとつ違うな(笑)。

GM:むぅ、流石にエラい削られましたね。

アルト:……よし、狙えるな。ロイドにSランクでバーク・メイルをかけつつ、3m前進で三倍拡大クリメイション!(ダイスを振る)50点!(一同爆笑)

GM:……経験値がですよね?(笑)

アルト:(しおらしく)……うん。ピンゾロ。(一同笑)

ロイド:お前って奴ぁ……(笑)。

アルト:…い、いや待て(笑)。ここで≪運命変転≫を宣言。ダイス目をひっくり返す!!達成値は26だ!

GM:うげ、抜かれた。

アルト:良し。ではダメージは弱点込み胴体に36点、脚部に21点、頭部に私の経験点が50点だ!!(一同爆笑)

一同:またピンゾロかよ!!?(笑)

GM:(……げっ、笑い事じゃなくダメージがヤバ……脚部が潰れたし、胴体もガタガタ!?)
 

 さて、いきなり想定外のダメージです。
 初手で集中攻撃をされたら一部位くらいは落ちるかなー、と思ってたのですが。
 アルトが抵抗を抜くのと、胴体へのダメージでクリティカルを出すのは計算外。
 この時点で、頭部は無傷ですが胴体のHPは半分に。
 ……あれ、レベル13モンスターなんだけど、これ。
 護衛を付けるべきだったでしょうか……プリスの射撃がコア部位に当たり難いからと油断していました。
 
 そしてGM側の反撃―――

 

GM:では、頭部がまず2倍拡大で『ホーリーブレッシング』。頭部と胴体に疑似HPが30点付きます。

ロイド:はっ、防御に回ったか。好都合!

GM:で、胴体がロイドさんに殴りかかります。命中は23が2発です。

ロイド:(ダイスを振る)……む、一発ピンゾロで回避失敗。

遠くのクリストフ:君らピンゾロ多くないか、この戦闘(笑)。

ロイド:だな。全体に出目が極端っつーか。まぁ、二発とも喰らった。ダメージ寄越せ。

GM:では18点と19点……って、2D6+12点くらいじゃ……。

ロイド:5点と6点か。これくらいなら、大した事無いな。

GM:……くっ、次のラウンドから攻勢に出るべきでしょうか……。

アルト:いやまぁ、厄介と言えば厄介なんだがな、ホーリーブレッシングも。
 

▽ラウンド2▽
 

アルト:『ファナティシズム』2倍拡大。ロイド、プリス、やれ!!

GM:うわ、攻撃一辺倒で来た。

ロイド:おっしゃ!じゃあ、胴体に向けて強化魔力撃を叩き込む!補助動作でヒート・ウェポンとクリティカルレイを使って……(ダイスを振る)命中は基本値が21、ダイス目で4、合計25。(一同爆笑)

GM:……よ、避けれねぇ……。ピンゾロ以外絶対当たるんですが!?

ロイド:ダメージは少し低めで、38点か……。

GM:低くない、全然低くない!!(笑) 胴体のブレッシング分が一瞬で消えた!!

プリス:それじゃ、そこに向けて銃撃しよう。制限移動で3m前進しつつロングバレルを捨てて、両腕にジャカッとデリンジャーを構えるよ!クリティカルバレット連射、胴体に!(ダイスを振る)命中は24と27!ダメージは20点が2発か。

GM:ぬぁ……このメンバー攻撃的だなぁ。

遠くのイヴ:さて、どうするねGM?ジリ貧に見えるけど(笑)。

GM:……そうですね。ええい、このままでは不味い!『ゴッド・フィスト』を≪マルチアクション≫から詠唱!達成値23でロイドさんに叩き込みます!ついでに頭部と胴体でロイドさんに集中攻撃!

ロイド:(ダイスを振る)……抵抗も回避も全部失敗したな。ダメージは……魔法ダメージ23と物理24、18、20?HP27まで減ったが、まだ健在。

GM:……堅ェ……。全力で攻撃したのに…。

ロイド:ネリネほどじゃないけど、俺も相当頑丈だからな。知らなかったか?

GM:うーん、頑丈なのはネリネさんってイメージがあったんですけど、ロイドさんも相当頑強ですね……。くっ、このままじゃジリ貧……?

ロイド:くくく、勝ったな。

遠くのクリストフ:負けフラグ乙。(一同爆笑)

ロイド:誰が負けフラグだこの野郎!!?(爆笑)
 

▽ラウンド3〜6▽
 

ロイド:とりあえず、≪マルチアクション≫でキュアハート使って回復しつつ胴体を落とすか。(ダイスを振る)……。胴体に31ダメージ。

GM:げっ、倒れた―――んですけど、何か回復魔法のダイス目が酷い事になってますが。

ロイド:……ピンゾロ。キュアハートでHPが回復しなかったのは痛いな。何かホントに出目が偏ってるぞ、今回。

アルト:仕方ない、アースヒールでロイドを回復だ。(ダイスを振る)……14点。

ロイド:良い回復量に見えるけど、出目が悪くて魔力分だけなんでそこの所、リプレイでは書くように。(一同笑)

アルト:横暴だ!!(笑)

プリス:どうする?僕も回復に回ろうか?

ロイド:……そうだな、安全策で行こう。回復頼む。

プリス:あいさー。(ダイスを振る)14点が2回だね。

ロイド:69点、と。これなら即死は無いな。

GM:(……あかん。こっち全員回復手段があるから、残りの一部位で全力攻撃しても……PC達の回復能力の方が圧倒的に上だ)
 

 ……うわぁん。
 見通し甘かったですかねー、パーティーメンバー入れ換わり後の初戦闘だからと、護衛までは出さなかったのですが。
 Lv13なら一体でも十分やれると思ったんですよね。相手三人ですし。それに前回前々回と死人出してますし。
 ……しかし、三名でも十分な戦闘能力を持っていました、このトリオ。
 
 ……うーん、仕方ない。
 ちょっと脅かす程度が関の山ですが、最後にもうひと暴れさせて貰いましょう。

 

GM:仕方ない、ここは狙いを切り替えます。三倍拡大『ゴッド・フィスト』!達成値23でばら撒きますので、抵抗をお願いします。

プリス:げっ。(ダイスを振る)……駄目!僕は抵抗失敗。

アルト:(ダイスを振る)…あ、私は耐えた。抵抗した。

ロイド:(ダイスを振る)お、魔力撃使ってなかったから俺も耐えた。

GM:ちっ、抵抗失敗したのはプリスさんだけですか。では―――(ダイスを振る)……お。(ダイスを振る)……っし、回ってダメージ32点!

遠くのクリストフ:振り足すなァァァァァァ!!(笑)

プリス:……げっ、めっちゃ痛い。残り12点!?

GM:ロイドさんとアルトさんには11点ずつですね。

ロイド:アルト、回復!

アルト:分かってる、急かすな!!
 

 とは言え。
 フォルゴーンの抵抗はここまででした。
 ロイドが≪マルチアクション≫からのキュア・ハートで、アルトが≪魔法拡大/数≫からのアースヒールで回復し、すぐにプリスを含めて全員がほぼ全快まで持ち直されます。
 次のラウンドも駄目元で全体拡大ゴッド・フィストを放ちましたが――――それでほぼガス欠。
 フォルゴーンのMPが切れるまで回復に徹し、そこから始まったPC達の反撃を……フォルゴーンは耐えられませんでした。
 
 迎えた第六ラウンド。ロイドの槍が突き刺さり、フォルゴーンはお亡くなりになったのでした―――

 

ロイド:っし、これで仕舞いだな。

プリス:……うーん、これで終わり?本当に……?

アルト:何か気になるのか?

プリス:……このGMにしては温いなって思っただけ。もっと死人を出す勢いで敵を出してくると思ってたからね。

ロイド:まだ何かあると見るか?

プリス:多分……ね。急いで他の皆に合流しよう。嫌な予感がするよ。

GM:……。(←見込みが甘かっただけとは言えず沈黙するGM)
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

 さて、ロイド達は割とあっさり担当の敵を片付け、アイテムを剥ぐのも放棄してもう片方――――シルフィ・イヴ・クリストフ組の方へ向かいます。
 そしてそのシルフィチーム。
 こちらはディアームも同行していますが、彼はセージ/アルケミスト/マギテックな上、カードもさほど常備していません。戦闘要員としては余り期待できず。

 

GM:では、シルフィさん達の方ですね。こちらはロイドさん達の方に比べて若干遅れて、敵と接触しました。深い意味はなく、場所の関係ですね。

クリストフ:あー、敵も図体がでかいから移動ルートが制限されたとか?

GM:そんな感じですね。その関係で接触が遅れました。

シルフィ:それだけ被害が広がったって事ですよね……うーむ、困った。

GM:それはそうと、通りで暴れているフォルゴーンに皆さんは接触します。皆さんが路地から飛び出すと、丁度そこに建物を邪魔っけに破壊しているフォルゴーンが居るって感じですね。

シルフィ:――――見付けたッ!

イヴ:クリストフ、突っ掛けるわよ!

クリストフ:良し来た! GM、腰の剣を抜いて吶喊します!

GM:OKです、フォルゴーンも自分に喧嘩を売ろうとして突っ込んでくる人族に気付きました。ではこちらも、戦闘に入りましょうか。
 

◇シルフィ&イヴ&クリストフ+ディアームVSフォルゴーン◇

▽ラウンド1▽
 

GM:さて、ディアームは後衛……シルフィと同じ辺りの位置に陣取ります。セージLv7、アルケミストLv7、マギテックLv5ですので活用して下さい。カードはAランクを各々5枚ずつ持っています。データ管理はロイドさんに任せましょう。

遠くのロイド:…微妙に活用し辛ェー。

遠くのプリス:突撃前衛のクリストフ、前線火力のイヴ、後衛火力兼スカウトの僕、サポート担当のディアーム。こういう構成だったのかな、前のパーティー。

イヴ:お嬢ちゃん、プリスの代わりは任せるわよッ!

シルフィ:お任せを!向日葵兵団団長、“天衣夢砲”のシルフィリア・フォン・アークウェイン参ります!!

クリストフ:その前に先制判定だな。目標値は19か…。

ロイド/ディアーム:待て、その前にディアームが『イニシアティブブースト』を使う。(ダイスを振る)……発動は成功、イニシアチヴに+2! 「クリストフ、今だ!」

クリストフ:お、感謝するよディアーム。(ダイスを振る)よし、元値が11でダイスで5、補助で2で指輪割って20!辛うじて先制は取った!!

シルフィ:まずはブリザードを叩き込みますよ。(ダイスを振る)達成値27……抵抗抜いてダメージ24、24、25!

GM:うわぁ、平然と抵抗抜いて来た!?(一同笑)

イヴ:ヨーホーッ! 歓声を上げて剣を構えて突撃!まぁ、当たるとは思ってないけど脚に……(ダイスを振る)うん、駄目。でも乱戦エリア構築ね。

ロイド/ディアーム:ディアームは主動作で、前衛二人にバーク・メイルとヴォーパルウェポンをAランクでかける。≪連続賦術≫持ちだから補助は強いな。

クリストフ:助かる!それじゃ、突っ込んで胴体にガゼルフットとキャッツアイとクリティカルレイかけつつ≪必殺攻撃≫!(ダイスを振る)命中は24、当たってダメージは……(ダイスを振る)クリティカル!(ダイスを振る)…またクリティカル!

GM:げっ。首切り刀の本領発揮ですね…。
 

・首切り刀。クリストフの持っている剣。Sランクの魔法武器。
・通常の剣としてのデータに加え、『クリティカルすると、振り足し時の打撃力レーティングが10ずつ上がる』という特性を持つ。
・Sランク装備故の打撃力の高さもあり、上手く回ると破壊力は非常に高い。……今回のように。

 

クリストフ:ダメージは52点だ。かなり効いたか!?

GM:ぐむぅ、それは効いてます。胴体を深く抉られ、フォルゴーンは轟音のような悲鳴を上げますね。

シルフィ:凄っ……速い!?

イヴ:(にやりと笑って)―――当〜然。クリストフを誰だと思ってるのよ。あいつはこの“火焔の自由騎士”サマの相棒よ?並の剣士じゃないわよ。

ロイド/ディアーム:「そうは言っても……僕やプリスと別れた時とは比較にならないぞ!?」

イヴ:そりゃ、これでもその後にも幾つも死線を潜ってるもの。自分も含めてね。

GM:むぅ、痛い。しかしこのまま終わるフォルゴーンではありません。頭部、全周拡大ゴッドフィスト!範囲外に逃げたシルフィさん以外の3人纏めて吹き飛べッ!!達成値は23ですよ!

シルフィ:あ、ディアームさんも攻撃対象になるんだっけ。大丈夫ですか?

遠くのロイド:抵抗は失敗。一応、HPは39点か。……まぁ、余程出目が酷くない限り即死はせんだろ。

シルフィ:危ないと思ったら引いて下さいね?

イヴ:自分は失敗……クリストフも?じゃあ全員抵抗失敗じゃない。

GM:よし、このまま死ねェ!(ダイスを振る)……あ、ショボ。全員20点ダメージです。胴体と脚部はイヴさんに攻撃!ダメージは17、17、20!……これまたショボ。

イヴ:…ショボくは無いわね。結構痛い。自分は次は回復に回るから、攻撃は頼んだわよお嬢ちゃん!

シルフィ:シルフィ。シルフィリア・アークウェインです。名前覚えて下さいよ、イヴさん!

イヴ:そりゃ悪かったわね、シルフィ!じゃあ一発派手なの頼むわよ!
 

▽ラウンド2▽
 

シルフィ:じゃあ、行きます。拡大三倍、エネルギージャベリン!(ダイスを振る)達成値24、腕輪割って26!抵抗を抜きましたよ……これで弱点込み、22+レーティング40の魔法ダメージ!!

GM:なにそれこわい!(一同笑)

シルフィ:(ダイスを振る)頭部に46点、胴体に32点、脚部に27点のダメージです!

GM:回った!?(絶叫)

イヴ:あははははは!タリホー!!良い火力じゃない、シルフィ!

シルフィ:当然!アークウェインの魔術師は火力が全てです!

イヴ:ここは私も攻撃に加わりたいけど……仕留めそこなったら事だしね。3m前に出つつダメージ受けてる全員にキュア・ハート。(ダイスを振る)…うん、24点回復。ゴッドフィストの分は回復した感じね。自分はまだダメージ残してるけど…。

遠くのロイド:プリーストらしい働きしてるなぁ。

イヴ:そりゃプリーストだもの。それ以外の何かに見えた?

遠くのロイド:……火力信者に見えた。(一同笑)

イヴ:酷いわ、泣いちゃうかも!(笑)

遠くのロイド/ディアーム:それはともかく、ディアームはこのレベルの戦いに加わるにはHPが低すぎる。万一があるから、敵のゴッドフィストの射程から離れさせて貰うぞ。3m後退しつつ、パラライズミストをAランクでかける。抵抗されたが、抵抗効果が『短縮』だからこのラウンドの間だけ回避は落ちる。

イヴ:了解、そうしなさいな。ここは私とシルフィで十分!

シルフィ:まぁ、HPで見れば私の方が下ですけどね。クリストフさん、このラウンドで胴体落とせます?

クリストフ:んー、(ダイスを振る)…すまない、外した。無理だった。

シルフィ:……まぁ、仕方ありませんね。敵の反撃ですね。

GM:んー、そうですね。こっちが3部位だから乱戦離脱して敵後衛に肉薄したいんですけど、乱戦に加わっていないけど乱戦範囲内にイヴさんが居るんですよね…。

イヴ:離脱しようとしたら即座に乱戦に参入するわよ。そうすれば2:3で乱戦エリアから無条件離脱は出来ない!

GM:それが厳しいんですよ……。ゴッドフィストの射程に入っているのは、前線のお二人のみですからね。仕方ない、攻撃をイヴさんに集中!落ちて頂きましょう!!≪マルチアクション≫からのゴッドフィスト含めて、集中攻撃!魔法達成値は23、攻撃命中値は22、23、22、22です!

イヴ:む、そう簡単にやられるほど自分はヤワじゃないわよ!……ちょっと危ないけど。えーと、(ダイスを振る)……よし、≪運命変転≫を使って魔法はレジスト!流石に戦士としてハンパな自分だと、攻撃は一発も避けれなかったか。無念。

GM:むぅ、ゴッドフィストを抵抗されたのは痛いですね。ダメージは魔法で11点、物理で25、20、15、18です!

イヴ:くっ、残りHP2……ギリギリ生きてる!!

シルフィ:イヴさん!!

イヴ:仮面が無ければ即死だった……って言っても、自分はHPブーストの専用効果は付けてないんだけどね。まぁ、自分が倒れても勝てる勝負ではあるんだけど。

クリストフ:初参戦で倒れると言うのも少々見栄えが悪い。このまま押し切ろう、イヴ。

イヴ:当然!気合入れていくわよ、クリストフ!!
 

▽ラウンド3▽
 

GM:くぅ、このままでは……どうしようもないかなぁ。

イヴ:さて、どうなるかしらねー? まずシルフィ、撃ち込んじゃって。

シルフィ:あいあい。では、2倍拡大でエネルギージャベリン!胴体と頭部に達成値21で、抵抗は抜けませんが……ダメージ14点、12点!

GM:げ、そろそろHPが……。フォルゴーンの巨体がぐらりと傾きます。

クリストフ:―――イヴ、今だ!

イヴ:あいよ、お任せッ! 全力全開フレイム・バースト!回復しても自分は落ちる公算が高いし、だったらここで潰す!(ダイスを振る)達成値、24か……よし、勝った!腕輪割って達成値26!抵抗抜いたんで、頭部にダメージ20点、胴体に―――

GM:……いえ、それで十分ですね。コア部位である頭部を爆炎で焼き潰され、フォルゴーンは轟音を上げて崩れ落ちます。

イヴ:ざーんねん。自分、これでも結構やるのよ? にひゃ、と笑みを浮かべて倒れたフォルゴーンを見ましょっか。

クリストフ:……二人じゃ危なかったけどな。ディアームとシルフィ……だったよな。

シルフィ:ええ、シルフィですよ。シルフィリア・アークウェイン。冒険者『向日葵兵団』団長です。気軽にシルフィとお呼びください。 と、無い胸を張りますよー(笑)。

クリストフ:OK、シルフィ。助かった。俺とイヴだけじゃ多分手に負えなかったからな。けど、団長さんがこっちに来て向こうは大丈夫なのか?

シルフィ:……いやぁ、ロイドとアルトさんがタッグ組んでる以上、心配するのって無駄じゃないかなぁ……とか。(一同笑)

遠くのプリス:いやもう、ホントにね……回復防御攻撃をこなせる万能ユニット二人だから、僕居なくても正直どうにかなった気がしないでもないよ、こっちは(笑)。

シルフィ:そこに加えて単体最大火力のプリスさんも居ますし、向こうはどうにでもなるかと。こちらは多少不安でしたが、お二人が強くて助かりました。ディアームさんも御無事で何よりです。

GM/ディアーム:「悔しいが、僕は然程役に立っていなかったけどね」 と、ディアームは肩を竦めます。 「そう長い事第一線から離れていたつもりは無かったんだけどな……」

クリストフ:イチャラブ生活で鈍ったのか、はたまた俺達が修羅場をくぐりすぎたのか……多分後者か。

シルフィ:…冒険開始2カ月足らずでこの領域に来た向日葵兵団初期メンバーよりは良いかと。(一同笑)

GM:――――と、いったところでですね。

一同:ん?

GM/???:ぱちぱちぱち、と拍手の音が聞こえて来ます。 (鼻につく声で)「―――見事、見事……と、言わせて貰おうか。“向日葵兵団”、噂には聞いていたが素晴らしい。そちらの“火焔の自由騎士”殿とその相方も、実に心躍る戦いだったと言えよう。感動を禁じ得ない」

遠くのロイド:……何だ、この腹立つ喋り方。
 

 この腹の立つ喋りを音声でお伝えできないのが残念で仕方が無い。
 

クリストフ:……っ!誰だ!?

GM:見やると、路地の奥の方から……ゆっくりと黒いカソックを纏った青年が歩いて来た所です。長い金髪に長い耳……エルフですね。薄笑いを浮かべ、厭世感漂う青年です。

クリストフ:―――止まれ。 刀を構えて、警告するぞ。イヴとシルフィ、ディアームを庇うように前に出る。

イヴ:……誰よ、あんた。

GM/青年:では、青年は指示された通りに足を止めましょう。 「―――失礼、些か不躾だったかな。…パーシヴァル。パーシヴァル・ヴァルクホルンという者だ。見知り置きを」

シルフィ:……“軍勢”パーシヴァル!?

GM/パーシヴァル:「ふ、む。……情報源は、ウォルフガングとリゼリアか。私としては自分で名乗りたかった所だが、まぁ良かろう。私の手駒を倒した冒険者達に対し、自前で正体を明かしたかったが……驚く顔が見られたというのも、中々どうして悪くはない。―――改めて名乗ろう。スカーレットテーブル第四位、“軍勢”パーシヴァルだ」

クリストフ:……その“軍勢”が何の用だ?

GM/パーシヴァル:「―――なに、くだらない仕事の筈が面白いものを見れると悟ったのでね。少しばかり御挨拶に伺ったまでだよ、名役者」

クリストフ:……名役者?

GM/パーシヴァル:「世界とは即ち舞台。人は須らく、その舞台に立つ役者だ。―――その点、君達は素晴らしい。我が舞台に相応しい役者だとも」

イヴ:…あんたの舞台、ね。あのさ、護符とか良いの?そっちが目的じゃないの?

GM/パーシヴァル:「無粋、と言わせて貰おうか。君達のような名優を前にして、他に気がそぞろになるほど私は気の多い男ではない。ウォルフガングとリゼリアも関わっているようだし、私はそちらからは体良く身を引くさ」

クリストフ:そりゃ有り難い。ついでにお褒めに預かり光栄って所だが……偉い仰々しいね。役者だの何だの、何ぞ舞台でも開くつもりか?

GM/パーシヴァル:「いかにも。だが、相応しい役者が不足していた所でね。ここで君達に出会えた事は僥倖と言えるだろう。―――嗚呼、その礼と言うわけではないが。件のサキュバスは見逃そう、素晴らしい役者達に対する出演料と思いたまえ」

クリストフ:……勝手に出演を決めてくれるなよ。

GM/パーシヴァル:「残念だが、世界と言う舞台から役者は逃れる事は出来まいよ」

クリストフ:そういう言い方されるとな……確かに世界を舞台と呼ぶならば―――

イヴ:―――自分達は既に舞台に上がっている、と。成程、道理ね。

GM/パーシヴァル:「ふむ、理解頂けて嬉しいよ」

クリストフ:良いさ、その出演依頼、承ろう。―――ただし。

GM/パーシヴァル:「……ふむ?」

クリストフ:―――お前はここで舞台から退場だ。 言って、刀を構えて前傾姿勢!戦闘準備!

イヴ:―――自分達の物語に、三流の脚本家は必要無いわ。 同じく、炎を出して掌をパーシヴァルに向ける!!

遠くのロイド:…おぉぉ!?

GM/パーシヴァル:「――――くくっ……素晴らしい……!!」 その言葉を受け、パーシヴァルが片手で顔を覆い、天を仰ぎます。

クリストフ:……何を―――

GM/パーシヴァル:「君達は本当に素晴らしい――――ッ!!」 ―――パーシヴァルが叫んだ刹那、轟と音を立てて地面が鳴動。幾何学的な魔法陣が描かれ、そこから染み出すようにして魔神の群が湧きあがります。―――≪魔法拡大/数≫、そして超高位プリーストのMPにあかせた大量召喚ッ!!『コール・デーモン』です!

シルフィ:なっ……!? 思わず叫びますよ、それは!

GM:ご安心を。コール・デーモンはMP消費の大きい魔法。MP全快でも一度に喚べるのは5体がせいぜいです。……というわけで、5体のデーモンが貴方達の前にずらりと雁首を並べました。その向こうでパーシヴァルが狂ったような高笑いを上げています。

遠くのプリス:全力じゃないかッ!!(一同笑)

GM:いえいえ、魔晶石使えばまだ増やせますからね。全力違いますよーん?(一同笑)

クリストフ:…うわ、腹立つ…(笑)。

遠くのロイド:おい、GM!俺達はどうなってる!?

GM:はい、良いタイミングで聞いてくれましたね。ロイドさん達三人も丁度、その場に辿り着いた所です。5体のデーモンと対峙するクリストフさん達の後ろの路地に登場ですね。

ロイド:お嬢!?これは……!?

シルフィ:敵……“軍勢”パーシヴァルです!マナの回復手段がある限り無限に召喚される軍勢―――ここまで厄介だなんて!

クリストフ:プリスか!?

プリス:僕だけじゃないけどね。…しかし、面倒だね。向こうで高笑いしているアレのせいか、この状況は。……これで合わせて、最低でもこの事件で合計13匹のデーモンを操っていたわけだ。

イヴ:それにまぁ、相当なイカレっぷりよー? 舞台がどうの役者がどうのって、自分らはそんな大層なもんじゃないってのに。

GM/パーシヴァル:「くくっ……謙遜を」 と、高笑いを止めてパーシヴァルは皆さんに向き直ります。 「役者は揃った―――と、言うことか。そちらの二人は、ウォルフガングがご執心の神官戦士と操霊術師だったかな?」 すっ、とパーシヴァルは皆さんの方を指差し、それに従うようにデーモンが動き出します。 「まぁ、構うまい。ここで倒れるようならば、所詮これまで。―――しかし、ふむ。前座にしては聊か凝り過ぎたかな?」

クリストフ:前座? ―――違うな。ここはお前のフィナーレだ。

GM/パーシヴァル:「―――くくっ、見事。……見事見事見事ッ!! この状況で吠え猛るその心根、実に快しッ! 三百余年を生きた私が認めよう、汝は英雄の器なり!! なればこの場を切り抜け、私に刃を突き立てに来るが良い!」 ばさり、とカソックの裾を翻し、パーシヴァルは『エスケープ』を使用。この場から離脱します。 「願わくば、次の邂逅の折には私に刃を突き立てるに足る力を持ち合い見えん事を! それでは、さらばだ千両役者達よ。存分に踊るが良い!!」

クリストフ:待―――っ!!

イヴ:走り出そうとしたクリストフを止める! …待ちなさい、相棒。その前に目の前の連中どうにかしないと。アンタが抜けたら、多分抑えきれないわよ。

クリストフ:……イヴのHP、そういえば残り2だっけか。ボロボロでそう言うイヴの姿を見て、大きく息を吐く。 ―――分かった。すまないが手を貸して貰えるか、向日葵兵団。

ロイド:構わねぇよ。別にスカーレットテーブルの連中とは縁が無いワケじゃねぇからな。……しかしまぁ、ウォルフに輪をかけてぶっ飛んだ野郎だ。 槍を構えて、クリストフの横に並ぶ。GM、敵は?

GM:ああ、数だけしか言ってませんでしたね。前衛にメルビズが3体、後衛にフォルゴーンが1体と、その横に複眼と羽を持った、人間に近い外見のデーモンが一体です。セージの皆さん、知力判定して貰えますか?

シルフィ:(ダイスを振る)ピンゾロ!(一同笑)

GM:…そのデーモンが笑い転げています(笑)。

アルト:(ダイスを振る)…弱点は抜けなかったが、正体は分かった。ティキティキか!!
 

・ティキティキ。Lv13魔神。神聖魔法を操る魔法使い型モンスターであり、トリッキーな特殊能力を多く持つ。実はティキラというLv9魔神による群体。
・他人の6ゾロを1ゾロに強制変換する『超不運』。他人が1ゾロを振ると笑い転げてティキティキ自身が魔法使用不能になる『笑い上戸』、そして群体生物である事を活かした『散開/集合』と『撹乱』など、戦場を混乱させる困ったちゃん。
・魔法使いとしてはかなり優秀。

 

イヴ:……うっげ、面倒なのが……。

クリストフ:面倒なのはこっちの状況もだな。イヴは満身創痍、向日葵兵団の皆も無傷じゃないだろう?

ロイド:俺が少しダメージ負ってる程度だが、MPは半減程度には減ってるな。

プリス:GM、弾薬補給はしててOK?

GM:構いません。では、パーシヴァルは離脱し、彼が残した魔神5体が目の前に残されました―――それでは、今回のクライマックス戦闘を始めましょうか!!

イヴ:頼りにしてるわよ―――向日葵兵団!

シルフィ:お任せあれ!そっちこそ、頼りにしてますからね?火焔の自由騎士!!
 

◇向日葵兵団+イヴ&クリストフ+ディアームVS魔神軍団◇
 
 さて、敵はLv10魔神×3が壁に、魔法を使えるLv13魔神が2体。
 誰も剣の欠片で強化はされていないものの、ロイドとイヴは負傷中。
 ―――特にイヴはHPが2の瀕死状態です。
 
 フルメンバーでの戦闘ならばどれくらいやれるか。
 イクス&ネリネが居た頃に比べて、防御能力は大幅に落ちていますが―――火力は圧倒的に上がっている向日葵兵団。
 GM側としてもワクドキしながらの見切りタイムの始まりです。
 
 距離はPC達の前衛に対して、敵前衛が5m、後衛が更にそこから5mの距離。
 主に後衛、ティキティキとフォルゴーンの攻撃魔法の為に取った距離でした。後衛から10m。
 しかし、それがGMの大失敗の始まりでした―――
 そう、『こちらから射程内』という事は、『向こうからも射程内』という事なのです。
 

▽ラウンド1▽
 

クリストフ:指輪割って、先制値は20!まぁ、≪運命変転≫残してたから今回は確実に取れたね。

プリス:人間で優秀なスカウトは便利だよね。変転があるから出目が悪くても取れる可能性が高いわけだし。

クリストフ:その分、リソースを先制判定に残しておかないと怖いって欠点もあるけどね。さて、敵は5体10部位と。……まずは数を減らさないと、かな?

ロイド:ああ。プリス、お嬢、アルト、イヴ!

イヴ:あいさっ! 自分は今回後衛ポジション。ここから足止めて、全力で『フレイム・バースト』を撃ち込むわよ!

アルト:回復を捨てるか。

プリス:人数が多いし敵は『鷹の目』持ってないから、攻撃を喰らわない位置取りが出来るんだよ。イヴとシルフィはそういう位置取りを。敵は残り四人で止めるから、攻撃に集中して。

イヴ:うぃやさ。半径5m範囲なんで、敵前衛を中心にブチ撒ければ全員に当たるね。(ダイスを振る)達成値は出目良く25、けどこれでも足りないから腕輪割って27!

GM:うげ、全員抵抗失敗!?

イヴ:ダメージはティキティキに26点、フォルゴーンに弱点込み、頭部37点、胴体に21点、脚部に23点、メルビズA、B、Cの上半身下半身順に、24、ピンゾロ、34、26、27、27!!

GM:ぐぁ、なにそれ!? プリーストの火力!?

イヴ:それが私の全力全開ってね! ―――シルフィ!

シルフィ:続きます!3m下がりつつ、敵全員を巻き込むように『ブリザード』! 更に補助動作で『パラライズミスト』をティキティキにAランクで!

GM:わぁ、後衛に回避低下補助魔法って……このラウンドで前衛全部薙ぎ払う気満々ですね。

シルフィ:まぁ、最低限それくらいは。(ダイスを振る)達成値は出目7で24。腕輪割りまして、26です!!

GM:Lv13モンスターの抵抗を出目7で抜くな!(悲鳴)

シルフィ:やだなぁ、出目7で腕輪割らないと抜けないんですから、結構面倒なんですよ? まぁ、ダメージはティキティキに24点、フォルゴーンの各部位に29、29、28。メルビズにAから順に24、22、28、27、27、26です。……こんだけ振ってクリティカルが出ないと言うのも何とも。

GM:……凄く嫌な予感がして来たんですけど、この戦闘。

イヴ:焔と氷、なんとも見栄えのする連携じゃない。じゃあ、剣を構えてシルフィと背中合わせに立つわよ。 ―――やるじゃない、シルフィ。自分を凌駕する火力と範囲を持った魔法使いなんてそうは居ないわよ?

シルフィ:―――御謙遜を。単純な火力、範囲の両面で並の真語術師を凌駕する神官なんて初めて見ましたよ! こっちも杖を構えたまま、背中合わせで笑いましょうか!(笑)

イヴ:はっ、並の真語術師ならね。けど、あんたは違う―――良〜い火力じゃない、気に入ったわ。流石アークウェイン家ってところかしらね。

シルフィ:当代のお姉様にはまだ劣りますけどねッ!

アルト:―――それは良いが。 言って、3m前に出つつ、10点の魔晶石を潰して3倍拡大クリメイション。メルビズの上半身狙って叩き込もう。(ダイスを振る)…達成値は19か。流石のメルビズでもこれでは…。

GM:そうですね、抵抗しています。

アルト:……ええい、魔法使い組最後の一人としてのプライドがある。指輪破壊、達成値21で抵抗を抜く! 更に弱点属性がセージの≪弱点看破≫で倍になり、6点のダメージボーナスだ!(ダイスを振る)…ダメージはメルビズAに27点、Bに24点、Cに28点!!

GM:……げっ、メルビズ3体がいっぺんに消えました。アルトさんの手から放たれた炎を浴びて、メルビズ3体は悲鳴を上げながら崩れ落ちます。

アルト:―――前衛、突撃ッ!

ロイド:了解ッ! ……って、オイこらテメェが指示出すな! 叫びながらも、槍を構えて突撃する。

クリストフ:同じく刀を構えて突撃と行こうか。そっちのデカいのは任せるよ、黒い大将!

ロイド:そりゃ俺かよ、剣士の兄ちゃん!

アルト:……まぁ、今の貴様は真っ黒だよな。黒髪黒眼に、黒いマントに。

ロイド:……称号決めようかな、“黒獅子”とかに。

シルフィ:良いんじゃないですか? ベタベタですが、カッコイイと思いますよ、それ。

ロイド:じゃあ、名誉点を後で消費しておこう。まぁその前に、強化版≪魔力撃≫でフォルゴーンの頭を狙う! キャッツアイを重ねて、命中は19スタート。(ダイスを振る)26、そこに器用度増強の腕輪を破壊して+2で28ィ!!

GM:うわぁ……≪大きな身体≫で回避力が上がってるのに当てて来るよ、この人。

プリス:この戦闘は腕輪・指輪の大盤振る舞いになってるけどね、皆。

ロイド:(ダイスを振る)ダメージは出目が悪いな。32点だが。

GM:それでも死ぬんですよねぇ。分かっててダメージ上昇系の魔法使ってなかったんでしょうけど。

ロイド:では、フォルゴーンの身体を駆け上がって頭部に一撃を加える。 Auf wiedersehen-じゃあな-、デカブツ。

GM:……その一撃でフォルゴーンは首を刎ね飛ばされ、地面に倒れますね。残ったティキティキが愕然とした表情で戦場を見ています。

クリストフ:じゃあ、その呆然としている所にキャッツアイとクリティカルレイを使いつつ、≪ファストアクション≫からの連続≪必殺攻撃≫だ。(ダイスを振る)命中は20と23、20を≪運命変転≫して27に!

GM:うげ、両方命中ですね。

クリストフ:出目7以上で一回目なら回る……(ダイスを振る)1発目は回らず、24点。2発目は回って38点!!

GM:お、ギリギリ生き残って――――

プリス:Jack Pot.(ダイスを振る)デリンジャーから銃撃。一発目は出目3で外したけど、二発目で当たってダメージは16点。

GM:……クリストフさんの剣を浴びた上で、銃弾を頭に喰らったティキティキは『何が起こったのか分からない』という表情のまま、ゆっくりと倒れ伏します。……あれ?(一同笑)

イヴ:戦場マップが綺麗に片付いたわね(笑)。

ロイド:……ヤベェな、強いぞこのパーティー。攻撃している時だけは(笑)。

プリス:…まぁ、今回はGMが敵を固めてくれたおかげだと思うけどね。また随分と……派手にやったもんだよ、今回は。

ロイド:―――さて、詳しく説明して貰うぞ? 何がどうなってこうなったんだ、クリストフ、イヴ、お嬢。あとディアーム。(一同笑)

GM/ディアーム:あ、ディアームさんは今の一瞬の間に巻き起こった戦闘に呆然としています。 「……何と言うか……言葉も無いな。何だ、今の攻撃力……」

イヴ:やるじゃない、向日葵兵団! へーい、ハイタッチ!(笑)

プリス:じゃあ、『やれやれ』とでも言いたげに片手だけ上げてパチンと手を打ち合わせよう(笑)。

シルフィ:じゃあ、イヴさんのもう片方の手に元気よく手を打ち合わせます!(笑)

クリストフ:……やれやれ、説明は俺の役目か。OK、順を追って話そう。

GM:あ、かくかくしかじかでOKですよ?(笑)

ロイド:魔法の呪文だな(笑)。
 

 そして、かくかくしかじかで説明を受けたロイド達。
 とりあえず、エルザは見逃す云々の言葉に嘘は無いだろうという結論に落ち着き、ウォルフとリゼリアの手引きで街中に潜伏しているエルザと合流する方針で6名の方針は一致したのでした―――
 

◆後始末◆
 

 ―――で。
 街中に潜伏していたウォルフ&リゼリア+エルザと合流する事にした一同。
 人気の無い廃屋を占拠していたウォルフ達に合流し、エルザが皆の前でディアームに抱きついてセルフで赤面するなどの微笑ましい事態を眺めつつ―――

 

GM/リゼリア:「結局私が思うに、今回この街で起こった事件の全貌を理解している人など居なかったのだよ。各々が各々の目的で動き回ってたが故にね」

ロイド:お前も含めて、か。全く、何がどうなってたんだよ。―――なぁ、おい“宵姫”。

GM/リゼリア:「いやいや、まさかここまで大事になるとはね。まぁそれでも、思ったより被害が少なくて何よりだったのだよ」 ちなみに、貴方達がスルーしてたメルビズは双方、街に滞在していた冒険者の手によって討たれたそうです。まぁ、フォルゴーンほど出鱈目な相手じゃありませんからね。

シルフィ:それは何よりですね。

GM:ちなみに片方は大勢でかかってどうにか倒したのですが、もう片方は腕利きの冒険者パーティーが倒したのだそうです。3人パーティーで、魔法使いが居ないパーティーだったそうな。

ロイド:……じゃあ、それを聞いてにやりと笑います。 元気そうなこって。

GM/リゼリア:「……? まぁ、良いのだよ。それより、面倒臭い事になる前に私達は街を出るのだよ。目的は果たしたしね」

ロイド:ああ、エルザの安全と護符の入手か。

GM/リゼリア:「そ。……ここから先は人族の領域での話だし、君達に押し付けるのだよ。出来ればレガリアの農村辺りに落ち着いてくれると嬉しいかな。私らこれからデュボールの方で色々忙しくなりそうだし」

シルフィ:……うわぁ、余計な事を聞いてしまった予感。ピクピクと耳が動きますよ。

クリストフ:……ま、エルザに関してはサキュバスって事がどっかにバレたワケじゃないからね。イリュージョンなりラミアの首飾りなりを使えば、ここから出るのは難しくないだろうし。後は君達とパーシヴァルが言いふらさなければ問題無しだ。

GM/リゼリア:「そこは神に、ううん、私の名誉にかけて誓うのだよ」 と、リゼリアは頷きます。

ロイド:ま、その辺は信じるとして、だ。―――おい、ウォルフガング・ルウガルウ。

GM/ウォルフ:「……ふん」 その声に、部屋の隅に座っていたウォルフさんは楽しげに笑います。 「随分マシになってきたみてェだよなァ、ロイド」

ロイド:……デュボールの方でお前らが色々やるってンなら、まぁどうせまたぶつかる事になるだろうからな。次会ったなら――――

アルト:――――その時は敵同士、だな。 横合いから口を挟もう。こいつとの因縁は貴様だけの物ではないのだからな。

GM/ウォルフ:「ハハッ……楽しみにしてるぜ」 と、ウォルフは外套をはためかせて廃屋から出ていきます。

GM/リゼリア:「あ、ちょっとウォルフ……! ああもう、仕方の無い奴なのだよ。けど、次も味方とは限らないのは事実なのだよ。なるべく戦いたくは無いんだけどね」

ロイド:戦うとなったら容赦はしない。お前はそういうタイプだろ?

GM/リゼリア:「ごもっともなのだよ。でもま、今回はありがと。それとエルザ、お幸せになのだよ」

GM/エルザ:「あ、うん……リゼリア、ありがとう。私、今回の恩は忘れないから」

GM/リゼリア:「忘れて良いのだよ。友達相手に、恩の貸し借りなんて無いのだよ」 と、リゼリアもウォルフの後を追って廃屋を出ていきますね。

プリス:……じゃ、それを見送ってから深い溜息を吐こうか。 ……疲れた。

ロイド:今回はエラくややこしい事になってたからな。今日はこの街で宿を取るか。ディアームとエルザはどうする?

GM/ディアーム:「そうですね、混乱しているうちに街を出ようかと。……僕を訪ねて来てくれたプリスには悪いけど」

プリス:まぁ、仕方ないかな。節約とか考えず、フローティングスフィアは普通に店で買うよ。マントワーズに行けば売ってるだろうし。

イヴ:あ、そかー。ディアームとエルザは行くんだ? 護衛とか無くて平気?

GM/ディアーム:「…蛮族の組織とかが来ない限り、その辺の魔物相手に後れは取らないよ」 と、ディアームが苦笑してエルザを見ます。

クリストフ:ああ、忘れてたけどこの人Lv12蛮族だっけ。人目を気にしなければ相当強いわけだ。

GM/ディアーム:「クリストフ達は……これからどうするんだい?」

クリストフ:そうだな……まぁ、今後の目的とかも無かった事だし。

イヴ:一路デュボール、ってトコかな。 ここで、にやりと笑います。 スカーレットテーブルだっけ、あいつらデュボールで何かやるんでしょ?

クリストフ:……特にあの、“軍勢”パーシヴァルだったか。どうやら俺達は目を付けられたようだし。

イヴ:だったらこっちから行ってやりましょ、ってね。私達の故国でもあるし。

ロイド:そういや同郷だったっけか、お前ら。……んじゃ、行先は同じか?

イヴ:あ、そっちも戻るんだ?

ロイド:俺はそのつもりだが……他の意見はどうよ?

シルフィ:私も賛成です。お姉様の所に、そろそろ顔を出さないといけないでしょうし……。

アルト:まぁ、反対する理由は無いな。

プリス:同じく。……そうだね、イヴ、クリストフ。もし良ければ同行しないかい? こっちは今、フルメンバーじゃなくてね。戦力面で不安があった所なんだ。

イヴ:こっちから頼もうと思ってた所よ、宜しく頼むわね、向日葵兵団!!

アルト:……デュボール、か。

ロイド:……あぁ。何があるのかまでは分からんがな。
 

 ―――さて、かくして成り行きで同行を決めた向日葵兵団と元プリスの仲間二人。
 この後エルザとディアームを見送り、彼らからのお礼を受け取ったり。
 デーモン撃退に関しては街の方に名乗り出る事無く、こっそり抜け出す方針で纏まったりしました。
 エルザやディアーム、ウォルフやリゼリアについての事情の説明を厭った為ですが……その為に報酬はGMの想定より少なめになったのは、まぁ気にしない方針で。
 

・獲得経験点:3700+各々の1ゾロ分
・獲得報酬:3万G(ディアーム&エルザから)+6700G(戦利品)=36700G
・獲得名誉点:81点

 今回から計算が面倒になったので、消耗品の価格算出は止めにします。
 その代わり、名誉点の表記が入ったり。
 
 ともあれ、かくして始まった第三部。
 冒険者達はマントワーズを経由してデュボールを目指す事と相成りますが。
 ともあれ、これにて一先ずは。
 

                  ……ミッションコンプリート!!

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