◆SW2.0キャンペーン 駆け出し冒険者のためのセプテット 第十五話◆

◆成長報告&状況説明◆
 

GM:さて、今回は前回のそのまま続きとなります。MPやHPは回復しません。……あ、レベルアップで増えた分だけは回復して良いですよ。

ロイド:その『あ、私優しいなぁ』みたいな顔がムカつく。(一同笑)

GM:え、やだなぁ温情措置じゃないですかぁ(笑)。

イクス:温情あるGMはこの消耗具合のキャラ相手にそんな事言わねェよ!!(爆笑)

GM:まぁ、今回はそんな感じからスタートです。買い物も出来ませんので、とりあえず成長だけしちゃってください。

ネリネ:現状で真っ当に戦えるのは私だけですね……。

アルト:貴様の継戦能力が、正直かなり羨ましい所だ。(一同笑)

シルフィ:ともあれ成長ですね。前回は物凄い経験点を得ましたが…。

ロイド:消耗の激しさに比例するように、な。

プリス:6100点かぁ……ううん、僕にとっては微妙な数字だなぁ。シューターを9まで上げるには足りないし…。

ロイド:このレベル帯でメイン技能が2Lv一気に上がることなんざ、普通はあり得ねぇよ。

GM:ま、とにかく成長しちゃってくださいな。

イクス:買い物も無しっすよね……キッツイなぁ。
 

 今回はレギュレーションが特殊ですので、成長はあっさり目です。
 関わって来るのは名誉点、経験点の増加に伴う成長と、能力値の成長のみ。
 相変わらず知力上がれコールが悲鳴に変わるのだけは変わりません。
 …ホント上がらないな、イクスさん。
 そして約一名だけ阿鼻叫喚の成長風景が終了し―――

 

シルフィ:えー、“天衣夢砲”のシルフィリア・アークウェイン。成長は知力です。ソーサラーが9に上がりました。

ロイド:もう少しで装備込みで知力がボーナス6になるか。

シルフィ:ですね。それと戦闘特技は≪武器習熟/スタッフ≫を取りました。買い物が出来るようになれば、マナスタッフ辺りを買って魔力UPを目論みます。

GM:いーやぁぁぁぁぁぁ!!(一同笑)

ロイド:これ以上魔力が上がるか……えげつないな(笑)。

シルフィ:あくまで攻撃魔法の使い方に特化した成長をと目論んでいます。最終的にLv13になれば、ほぼ成長が完了する感じですかね。

GM:え、そこまでキャンペーン続きますかね?(一同笑)

イクス:アンタ(GM)が疑問を呈すな、その問題だけは!?(笑)

シルフィ:まぁ、今回は買えないから意味が無いんですけどね……ともあれ、シルフィリア・アークウェインでした。
 

名前:“天衣夢砲”シルフィリア・アークウェイン
種族:エルフ 性別:女 年齢:20(外見15) 生まれ:魔術師
身長:163cm 体重:50kg 髪の色:紫銀
能力値ダイス:技10 体2 心14 A8 B7 C1 D4 E11 F9
最終能力値:器用度19 敏捷度19 筋力3 生命力6 知力33 精神力26
保有経験点:3971
合計名誉点:380
保有名誉点:285
HP:33 MP:53+2
冒険者技能:ソーサラー9 セージ3 レンジャー1 アルケミスト5
一般技能:ノーブル3 ハンター3 カスタネッター1 リコーダリスト1
戦闘特技:魔法誘導 魔法拡大/数 MP軽減/ソーサラー 鷹の目 武器習熟/スタッフ 鋭い目
習得賦術:バークメイル ヴォーパルウェポン パラライズミスト ポイズンニードル リーンフォース
使い魔:カラス(命名:ビグザム)
武器:銀のナイフ(発動体として使用可能)
防具:クロースアーマー
アクセサリ:とんがり帽子 アルケミーキット 専用マナリング 薔薇のチョーカー
所持カード:赤Sランク1枚 緑Sランク1枚 黒Aランク2枚 赤Bランク1枚 黒Bランク5枚
予備装備:部族のジャベリン(必要筋力3/発動体として使用可能)
所持品:冒険者セット 白紙の本 羽ペン&インク ロバ(命名デンドロビウム) カスタネット リコーダー 消魔の守護石3点×2 部族のお面 部族の羽飾り
所持金:2
 
 デュボール宮廷魔術師の傍流の次女。
 ソーサラーとして十全に通じるスペックで、戦場を蹂躙する悪魔。
 制御は苦手だが火力が高い、本人曰く『低速安定四ドアセダンではなく、高速ぶっ飛びスポーツカー』な魔法使い。

 

ロイド:ロイド・クラリクロイツ。上がった能力は筋力だ。

シルフィ:着実に上がってますねぇ。

ロイド:Lv11までに28まで届けば良いんだがな。目標はコルセスカ(Sランク槍)だし。

GM:それ持つと本当にえげつない攻撃力になりますねぇ。

ロイド:ふっ、褒め言葉だな。上がった技能はファイターが9に。≪魔力撃強化≫を取ったんで、魔力撃の命中がアホほど上がった。

イクス:知力ボーナス分命中が上がりますからね。旦那なら……+4?(笑)

ロイド:ああ。ファイターレベルで9、器用度ボーナスで4、知力ボーナスで4が入る計算だな。

GM:…基礎命中17って何の冗談かと。

ロイド:これに加えて、キャッツアイが入ればまだ上がる。格上相手にも相当な確率で当たる命中になったな。

ネリネ:ロイドさんの役目は攻撃……それも、対ボス戦における単体攻撃が基本ですからね。

ロイド:だな。まぁ、今回の俺の成長はそんな感じだ。以上、次の奴どうぞ。
 

名前:ロイド・クラリクロイツ
種族:ナイトメア 性別:男 年齢:20 生まれ:神官
身長:188cm 体重:84kg 髪の色:漆黒
能力値ダイス:技6 体14 心10 A10 B7 C6 D6 E9 F7
最終能力値:器用度20+4 敏捷度13 筋力26 生命力22 知力23+1 精神力18
保有経験点:2830
合計名誉点:447
保有名誉点:272
HP:79+2 MP:39
冒険者技能:ファイター9 ライダー1 プリースト/グレンダール7 エンハンサー1 アルケミスト1
一般技能:バトラー3 ハンター2 コーチマン2
戦闘特技:武器習熟/スピア 魔力撃 マルチアクション タフネス 頑強 魔力撃強化
習得練技:キャッツアイ
習得騎芸:攻撃指令
習得賦術:クリティカルレイ
乗騎:レンタル取りやめ
武器:専用パイク+1
防具:専用イスカイアの魔導鎧
アクセサリ:専用ブラックベルト 聖印 バンダナ 器用度増強の腕輪 知力増強の指輪 アルケミーキット
所持カード:金Bランク2枚
予備装備:マトック ロングスピア 部族のショートスピア 部族のラウンドシールド 部族の腰ミノ 筋力増強の腕輪
所持品:冒険者セット 保存食×3食 ロープ10m フック くさび10本 小型ハンマー 部族のお面
所持金:231
 
 前話でオーガバーサーカーのバルトロと激闘を制した、パーティー最強の戦士。
 魔力撃強化を取り、対ボス戦に特化し始めた。
 バランスの取れた能力で攻防回復の全てをこなすが、前話での消耗が激しい為、今回はスタート段階でボロボロ。

 

イクス:さて、俺の番っすね。相変わらず知力は上がらず、上がったのは器用度っす。まぁスカウトとしちゃ要らない能力値じゃないんで、ありがたく上げておくっす。

ロイド:そろそろボーナス3の数字が出始めるなぁ、イクス。

イクス:うぃ。そしてプリーストが9になった事で、色々魔法が増えました。戦闘補助にホーリー・ブレッシング。いざって時の攻撃用にフォース・イクスプロ―ジョン。死人が出た時用にブリザーベイション。(一同笑)

ネリネ:最後が最重要ですね。(一同笑)

イクス:うぃ。このパーティー、いつ誰が死ぬか分かったもんじゃないッスからね(笑)。

アルト:戦闘バランスがキツキツだしな……(笑)。

GM:……後ろ向きですねぇ。

シルフィ:GM、そう思うなら戦闘バランスをもう少し優しく!!(一同笑)

プリス:もしくは、今回みたいな買い物回復無しとか言う鬼畜レギュレーションを無しに!!(一同笑)

GM:いやぷー。(一同笑)

プリス:うわぁ、殺したい。(一同笑)

イクス:えーと、ともあれ俺の成長は以上っす。うーん、面白味無し。

プリス:戦闘特技増えたんだから良いじゃないか。僕は戦闘特技も取れてないよ。

ロイド:相変わらず成長が他に比べて遅れるな、お前は。

プリス:まぁ、仕方ないけどね。三つ技能を伸ばしてるわけだし。

イクス:ですな。さて、次はアルトの兄貴、どうぞー。
 

名前:イクス・フォード
種族:人間 性別:男 年齢:16 生まれ:冒険者
身長:165cm 体重:50kg 髪の色:茶
能力値ダイス:技8 体7 心6 A7 B7 C6 D7 E8 F7
最終能力値:器用度17 敏捷度18+2 筋力15 生命力16 知力15 精神力17
保有経験点:1780
合計名誉点:380
保有名誉点:265
HP:43+2 MP:44+2
冒険者技能:フェンサー1 スカウト7 プリースト/ル=ロウド9
一般技能:マーチャント3 クレリック2 リペアラー2
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法誘導 トレジャーハント ファストアクション MP軽減/プリースト 魔法拡大/確実化
武器:ショートソード
防具:バックラー ソフトレザー
アクセサリ:専用祈りのアミュレット 専用の聖印 敏捷度増強の腕輪×2
所持品:冒険者セット スカウト用ツール ロープ40m 小型ハンマー くさび×20 フック×2 手鏡 小型ナイフ ランタン 油×6 水袋×2 火縄壺 ベルトポーチ 魔晶石5点×2
所持金:4939

 斥候神官。先制判定に特化した能力を持っており、ラック、腕輪、運命変転を合わせてほぼ確実に先手を取りに行く。
 パーティーの縁の下の力持ちであり、特にプリーストとして全体の継戦能力を支えている。
 全体で唯一、前回のシナリオで魔晶石を使い切らなかった。ネリネと並んで、ギリギリだがまだ戦えた数少ない人物。

 

アルト:アルト・ディオスクロイツ。なんとコンジャラーが10になった。

一同:おお〜。

シルフィ:真っ先に10Lvですか……感慨深い。

アルト:そして上がった能力は筋力。(一同笑)

ロイド:…アイテム込み18、ボーナス3域に突入したな(笑)。

アルト:盾を持たないならば、腕輪が必要無くなったな(笑)。

イクス:羨ましいような羨ましくないような…(笑)。

シルフィ:それだけ筋力を重視する魔術師も珍しいですねぇ。

アルト:防具に直結するからな。まぁ、上げるとしてあと一回で、そこから先は普通に知力精神生命力を優先する事になるだろうが。

プリス:しかしまた硬くなったね。HPが装備込み50じゃないか。

アルト:うむ、純正魔術師にしてはかなりの水準だな。

ロイド:純正魔術師はオーガバーサーカーに殴られて生きてねェよ。(一同笑)
 

名前:アルト・ディオスクロイツ
種族:人間 性別:男 年齢:20 生まれ:学者
身長:173cm 体重:60kg 髪の色:金
能力値ダイス:技5 体7 心9 A5 B6 C5 D7 E9 F7
最終能力値:器用度10 敏捷度12 筋力16+2 生命力18 知力23+2 精神力19
保有経験点:280
合計名誉点:447
保有名誉点:262
HP:48+2 MP:49+2
冒険者技能:コンジャラー10 セージ7 アルケミスト1
一般技能:スカラー3 スクライブ3 ライブリアン1
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法収束 鋭い目 魔法誘導 弱点看破 防具習熟/非金属鎧
習得賦術:バーク・メイル
武器:メイジスタッフ
防具:専用ボーンベスト
アクセサリ:専用ひらめき眼鏡 知力増強の腕輪 筋力増強の腕輪 専用ブラックベルト アルケミーキット 
所持カード:緑Aランク6枚
予備装備:ピック タワーシールド 発動体のロングソード
所持品:冒険者セット 火縄壺 油×2 6人用テント 調理器具セット 食器(5人前) 魔化された樫の枝×4 可愛くない人形×2 部族のお面 頑丈なランタン
所持金:126
 
 恐らくサークル内外のツテで知り得る限り、最も近接戦を行っている純正魔術師。
 コンジャラーセージアルケミストと、前に出る要素が皆無な技能の癖に……やってる事は殆ど前衛。
 かと言って魔力が低いわけでもなく、むしろ魔術師としても十二分なスペックを持っている。能力値合計はパーティーで一番低いくせに。

 

ネリネ:さて、私の番ですか。

GM:重要塞マジカルネリネちゃんスターですね。

ネリネ:重要塞と言われると体重が重そうに聞こえるので、軽要塞でお願いします。

シルフィ:軽い要塞……なんか微妙に弱そうな響きですね。(一同笑)

ネリネ:御気になさらず。さて、“要塞小町”のネリネはファイターが9に、レンジャーが7に上がりました。≪不屈≫を自動習得。また、≪防具習熟/金属鎧II≫を覚えました。

GM:うわぁ、遂に覚えましたかそれ……。

ネリネ:一刻も早くミスリルプレートを買いたく存じます。まぁ……この状況じゃ無理でしょうが。その代わり、マスターが持っていたヒーリングポーションを4つほど受け取りました。

アルト:しかし、防具習熟の効果で今の防具でも防御力が+2されたのは大きいな。

ネリネ:そうですね。盾込みで現状でも13点ですか。装甲厚でアルト様と互角になるところでしたが、これで引き離しに成功しました。

プリス:いや、防御型ファイターが純正魔術師と装甲の厚さを競うってどうなのさ…?(一同笑)

ネリネ:アルト様の装甲の厚さが純正魔術師の領域に無いだけです。ああ、上がった能力値は敏捷度です。要らないとこが来てしまいました。

イクス:あるある。

ネリネ:ともあれこれで、大分防御性能が向上しました。“要塞小町”ねるねるネリネちゃんスターでした。
 

名前:“要塞小町”ネリネ
種族:ルーンフォーク 性別:女 年齢:4(外見17) 生まれ:戦士
身長:157cm 体重:49kg 髪の色:金
能力値ダイス:技9 体12 心5 A8 B3 C9 D11 E8 F2
最終能力値:器用度17+2 敏捷度14 筋力23+2 生命力28 知力16 精神力9
保有経験点:620
合計名誉点:380
保有名誉点:230
HP:100+2 MP:12+2
冒険者技能:ファイター9 エンハンサー1 レンジャー7 マギテック1
一般技能:ハウスキーパー5 コック4 テイラー1
戦闘特技:かばう 防具熟練/金属鎧 頑強 頑強II タフネス 治癒適性 防具習熟/金属鎧II 不屈
習得練技:ビートルスキン
武器:専用ヘビーアックス+1
防具:ブリガンティ 風車の盾
アクセサリ:専用ブラックベルト 筋力増強の腕輪 専用ホワイトプリム(ヴェール相当)
予備装備:ヘビーアックス タワーシールド
所持品:冒険者セット マギスフィア(大) 使い易い調理器具セット 保存食9日分(27食) 美味しい保存食8食分 救命草×6 アウェイクンポーション×2 ユニコーンの角×1 ヒーリングポーション×4 
所持金:695
 
 HPが遂に100の大台に乗った超耐久メイド。
 装甲とHP任せに敵の攻撃を耐えまくる、パーティーの防御の要。
 アークウェイン家の従者としてシルフィに付き従い、暴走を止めるどころか後押しする人。

 

プリス:最後は僕だね。他の皆に比べて地味だけど、シューターが8に、マギテックが7になったよ。

イクス:どこが地味やねん。

プリス:君らと違って、僕の戦闘特技は増えてないんだよ。戦闘特技が増えるのは大きいから、本当羨ましいんだけどね。まぁ、そこは仕方ない。

ロイド:7Lv以上の技能三つもあるからな、お前。

プリス:うん、シューター8マギテック7スカウト7だね。まぁ、スカウトはもう上げる予定は無いから、今後はマギテックとシューターで行くつもり。上がった能力は器用度で、装備無しでも28になった。

シルフィ:すごっ!?

プリス:いや、知力33が何を言うのか。(一同笑)

アルト:しかしそれは、指輪や腕輪が無くても専用武器の補正値だけでボーナスが5になるな。

プリス:そうだね、そこがかなり大きいかな。しかし結構現金を貯め込んでたんだけど、買い物不可というのが痛いね。買い物可能だったら魔晶石を17,8個買ったのに。(一同笑)

GM:…ほんと魔晶石を使うパーティーですよね(笑)。

プリス:まぁ、それはそうと。僕の成長はこんな感じ。以上、プリステア・シークスフィストがお送りしました。
 

名前:プリステア・シークスフィスト
種族:ナイトメア 性別:女 年齢:17 生まれ:魔動機師
身長:149cm 体重:38kg 髪の色:灰
能力値ダイス:技9 体9 心12 A11 B9 C4 D5 E10 F7
最終能力値:器用度28+3 敏捷度19+1 筋力14 生命力15 知力25 精神力21
保有経験点:510
合計名誉点:435
保有名誉点:135
HP:39+2 MP:42
冒険者技能:シューター8 スカウト7 マギテック7 エンハンサー1
一般技能:フォーチュンテラー5 マーチャント5
戦闘特技:両手利き 精密射撃 二刀流 射手の体術 トレジャーハント ファストアクション
習得練技:キャッツアイ
武器:専用デリンジャー+1×2
防具:ハードレザー
アクセサリ:専用ブラックベルト フローティングスフィア カチューシャ(ヴェール相当) 器用度増強の指輪 敏捷度増強の指輪 ペンデュラム(チェーン相当。100G支払い)
所持品:冒険者セット スカウト用ツール バレットポーチ×2 弾丸×13 タロットカード
所持金:9366
所有コネ:ダライアス・シークスフィスト@貴重な友人(ていうか義父/150点)
 
 戦闘開始直後に花火のように最大火力を叩き出す、パーティー最高の対単体瞬間火力の持ち主。
 高い器用度と知力に裏打ちされた攻撃能力は、剣の欠片で強化されていない大抵の敵は1ラウンドで露と消えるレベル。
 シルフィと並んで、ロイドの事が好きだと公言して憚らなくなってきた。ロイドの未来はどっちだ。
 

◆現状整理と、将軍もどき誕生と◆
 

GM:さて、前回のラストで皆さんはサイヴァリア、アレットの両部隊の援護を受けて後退し、要塞の中に引っ込んだわけですが……。

プリス:父上は?

GM:ダライアスさんは指揮に戻ってます。

ロイド:戦場はどうなってんだ、今? 両翼の部隊が中央の援護に来たようだが。

GM:はい、そこも含めて説明しましょう。今、皆さんは要塞内部の一室に案内されます。そこでは、恐らくアウェイクン辺りで意識を回復させたガレッガ老が皆さんを待っています。ただし、その右腕は肘から先がありません。

プリス:…ガレッガ老?その腕……。

GM/ガレッガ:「む、来たようじゃな。……いや、参った参った。してやられたわい」 と、渋面を浮かべるガレッガ老です。 「よもや、あんな捨て鉢な戦術で来るとはの。慢心の代償が腕一本で済んだのは、君らのお陰じゃの」

アルト:…ふむ、御老体。生やそうか?(一同爆笑)

イクス:生やす!?(笑)

アルト:いや、私も10Lvになったからな。欠損部位を再生させる『フィジカル・ギミック』が使えるようになった。この魔法で作った部位はディスペルされると消えるが、それ以外は一切変わらないレベルに治るぞ。

GM/ガレッガ:「それは有り難い話じゃが、作った腕はすぐには馴染まんと聞いたがの……」

アルト:ああ。一週間ばかりはその部位を使った動作に-2のペナルティがかかる。

GM/ガレッガ:「なれば、治癒するにしても後にして貰おうかの。今すぐ使えぬ腕ならば、この状況では意味は無いでな」

アルト:うむ、まぁでかい魔晶石が無いと治癒もかけれない程度に私も損耗しているしな。(一同笑)

ロイド:で、この状況で俺らを下げた意図は?いや、限界だったんで下げてくれたのは正直ありがたかったが。

GM/ガレッガ:「…現状で、君達がブルデの最大戦力だからじゃよ」 ふぅ、とガレッガ老が溜息を吐きます。 「少なくとも、この戦争で一番戦果を上げているのは……君達向日葵兵団なわけじゃ」

ロイド:なるほど、つまり―――俺らに何かをやらせる為に一度下がらせたわけだ。そして、その内容は恐らく俺らの戦力をアテにしたもの……。

GM/ガレッガ:「……話が早いのぅ」 と、諦めたようにガレッガ老は溜息を吐きます。 「本来なら、余所者である君達に頼らず済ませなければならん事なのじゃがな」

ロイド:まどろっこしい会話は望んでない。今この時にも、城壁では戦闘が続いてるんだ。アンタは俺達に何をさせるつもりなんだ?

GM/ガレッガ:「……その前に、現状を整理するとしよう。その方が恐らく、話が早い」 というわけで、前回の戦争フェイズでの影響を纏めましょうかー。

シルフィ:あ、そう言えば各部隊へのダメージ算出とかもしてませんでしたね。

イクス:結構、影響与えたと思うんですけどねー。

GM:影響大き過ぎですから、ルール変更を決定したほどですね。まぁ、これはまた次回以降の話としましょう。今回の状況はこんな感じです。
 

◇戦闘フェイズの数値移行◇
 
▽PC達の戦果により▽

 バルトロ隊戦力値
 864−209=655
 キマイラ隊戦力値
 456−56=400
 デュホン隊戦力値
 670−137=533
 
◇更新フェイズ◇

▽人族側被害▽
要塞線:1148/3000→180/3000
アウグスト隊の戦力値の25%(550)とバルトロ隊の戦力値の1割(65)と、デュホン隊の戦力値の1割(53)
イベントによる損耗(300)

※アウグストの特殊能力『攻勢』のデータ微変更。『戦争フェイズで自軍が勝利した場合、更新フェイズに敵戦力に与えるダメージを自戦力の20%から25%にする』になっている。

サイヴァリア隊戦力値:1238→1103
特殊能力『突撃』の効果により増加したダメージ分(93)+キマイラ隊の戦力値の1割(40)

ガレッガ隊戦力値:1305→905
司令官負傷による劣勢(100)。
イベントによる損耗(300)。
 
▽蛮族側被害▽
バルトロ隊戦力値:655→111
ダライアス隊の戦力値の2割(184)のダメージ。
司令官撃破による潰走(200)。
アレット隊の『射撃兵』能力により、アレット隊の戦力値の2割(160点)のダメージ。

キマイラ隊戦力値:400→0
サイヴァリア隊の戦力値の2割(246)のダメージ。
司令官撃破による潰走(200)。
部隊戦力が0になった。壊滅。

アウグスト隊戦力値:2200→2070
ガレッガ隊の戦力値の1割(130)のダメージ。

デュホン隊『治癒』使用。
アウグスト隊戦力値:2070→2123
デュホン隊の戦力値の1割(53)の回復。

※サイヴァリア隊は反撃の対象をキマイラ隊にした為、デュホン隊へのダメージは無し
 

プリス:あ、面倒だったキマイラが落ちてる。
 
ロイド:というか、誰かが剣の欠片入りキマイラを落としたのか?

GM:どうやらサイヴァリアとレグランス姉弟の上げた戦果のようですね。

プリス:あれだね、きっと光り輝くギザルメーがキマイラにクリティカルで突き刺さったんだ。(一同笑)

イクス:メルっ子は当たれば味方NPC最強の攻撃力の持ち主ッスからね…(笑)。

シルフィ:メルちゃん……良い仕事です!!(笑)

アルト:これで敵の航空部隊が無くなったというのは大きいな。残りはデュホン隊とアウグスト隊、か。

GM:そして現状、アウグスト隊が捨て身で突撃を仕掛けて来ている状況です。

ネリネ:…多分、このままだと城壁が持ちませんね……。

プリス:……だね。

ロイド:城壁が崩れれば、残るは突撃してくるアウグスト隊との削り合い……なるほど、ガレッガ老。つまりは俺達に望むのは、アウグストの撃破だな?

GM/ガレッガ:「……その通りじゃ」 と、ガレッガ老は深く溜息を吐きます。 「それが成れば、統率を取る者の居なくなった敵軍は四散するじゃろう。逆説、それが成らねば泥沼の消耗戦……本来ならばワシがやるべきなのじゃが…」

アルト:腕がそれではな。再生させたとて、-2がかかっていてはドレイクバイカウント相手は厳しいだろうし。

イクス:けどガレッガ老、ご覧の通り俺らもう結構限界っすよ。

GM/ガレッガ:「分かっておるよ。故に、ダライアスに頼んでかき集めた補給物資がある」

ネリネ:何があるんですか?補給物資?保存食ですか?(一同爆笑)

シルフィ:まぁ!それは素晴らしいです!!(一同爆笑)

イクス:……あそこ二人は放置しましょう(笑)。

ロイド:……だな(笑)。というか保存食やるからドレイクバイカウント撃破して来いって言われたら、言った相手殺しても世論は絶対的に俺の味方だよな?(一同笑)

GM:いえ、ちゃんと魔晶石とかポーションとか魔香水とかカード類をそれなりにかき集めてますが!?(笑)

ネリネ:保存食はありますか?(一同笑)

GM:……ありませんが。

ネリネ:ではこの話はご破算です。(一同爆笑)

イクス:どんだけ食料に執着してるんだよ姐さんは!?(笑)

ネリネ:アークウェイン家の領地の基軸通貨は保存食です。(一同爆笑)

シルフィ:ネリネ、それ貨幣経済から遠ざかってます!(笑) 文明が崩壊期まで逆行してます!!(一同笑)

ネリネ:では、アークウェイン家侍女の基軸通貨は保存食です。

アルト:……外伝(パヴァーヌ)のマリーを考えると、あながち事実無根とも思えない件。(一同爆笑)

ロイド:俺の地元がどんどんおかしく……!!(笑)

プリス:あー……こうしてる間にも表では戦闘が起こってる筈だから、話を進めようか?(笑)
 

 さて、今回は時間を置いての回復が不可能な状況でのスタートです。
 前回のラスト戦闘前の纏めをご覧ください。あの時点ですら、パーティーの消耗度合いはあのような感じでした。
 そしてラスト戦闘が終了した段階でネリネ以外ほぼ全員―――特にロイドとアルトがHPとMPの残りカスになっていたのは言うまでもないでしょう。
 ロイド、HP2のMP0。アルト、HP1のMP1。帰って寝ろとしか言えないレベル。
 レベルアップで最大値が増えた分は回復していますので、ロイドはHP5のMP0に。アルトはHP4のMP4になっていますが、正直言って焼け石に水です。
 これでドレイクバイカウント倒せと言われたら、そりゃもう暴動物でしょう。
 
 で、その結果。
 今回はガレッガ老からの支給という形で、幾らかの回復剤と魔晶石を支給します。
 無論、全回復などしないような量ですが。
 
 支給品内訳はこんな感じです。

魔晶石@10点2個 5点8個
ポーション類@魔香水×6 ヒーリングポーション×10
カード類@赤・緑・黒・金の各色、AランクとBランクを5枚ずつ
 
 現金換算、17000ガメル。
 貰った冒険者たち、凄く微妙な表情。

 

ロイド:…この状況でこれだけかき集められた、と見るべき……なのか?

GM:そうですね。現状総力戦に近い状態で、この辺の物資は主力部隊に優先的に配ってしまっていましたので……落ち着いてかき集めればまだあるのでしょうけど、飛行船の突撃を見てから集めたにしては上々ではないでしょうか。

プリス:考えてみれば飛行船の突撃から、まだせいぜい十分程度だしね。十分でこれだけ集めて来た父上を、今は褒めよう。けど次からは、最初から非常用に備蓄しておいた方がいいと思う。(一同笑)
 

 これらのアイテムは決して少ない量ではありませんが、限界ギリギリである冒険者六名を戦闘可能な状態に引き戻すには足りな過ぎます。特にMPを回復する魔香水は、回復量が少ないので6本では全然足りません。
 魔香草を使う時間は無さそうとの裁定につき、物凄い微妙な表情を浮かべる後衛ズ。
 
 後衛―――特にイクスとシルフィは、MPが無くなった瞬間に出来る事が無くなるのでかなり必死です。
 アルトもプリスも、MPが無ければ出来る事は盾になりに行く事や投石くらい。
 そして色々相談した結果―――

 

ロイド:まず、魔香水はお嬢・アルト・イクスに2本ずつ。

ネリネ:私が使えば、レンジャー技能Lv+知力ボーナスで9点回復します。使う前にアルト様から知力増強の腕輪を借りれば、1本で10点回復する事が出来ます。

シルフィ:これでMPが各々20台半ば程度まで回復しました!!

ロイド:で、魔晶石は10点をお嬢に2個、5点をお嬢、アルト、俺、プリスで2個ずつ分配する。

プリス:僕とロイドは魔法は全て魔晶石から引き出して使う計算になるね。特にロイドは、MP0だし。

ロイド:……仮にも7Lvプリーストがシナリオ開始時からMP0とか、笑い話にもならん(笑)。

シルフィ:一応、キュアハート2回は出来るんですね。

ロイド:それ以外何もできない可能性も高いがな。まぁ、俺は今回は基本的に戦士に徹する。

ネリネ:では徹して貰う為にも、ポーションを使いますか。合計14本ありますが、負傷が激しく尚且つ前に出ることが確実なロイド様、アルト様から治療していきましょう。

イクス:俺やお嬢はHPは全快してるっすね。

プリス:僕もまぁ、問題無いかな。余ったらお願いしたいってレベル。

ネリネ:まず、使って行きましょう。そーれ!(ダイスを振る)
 

 で、スーパーポーションタイム。
 ロイドとアルトの口にこれでもかってくらいポーションを捻じ込むネリネ。
 いつの間にやら高レベルレンジャーになっていた彼女、一度ピンゾロを振りつつも、ヒーリングポーションの回復量期待値は15をマークしています。
 合計十三本で、ロイド、アルト、ネリネ、プリスとダメージを受けていた全員のHPが全回復しました。

 

ネリネ:余った一本は持っておきましょう。

ロイド:……ギリギリで戦闘可能領域に入った感じだな。

プリス:HPは辛うじて全快までこぎつけたけど、MPは主力後衛が半分程度。僕とロイドに至ってはほぼ零だからね。魔晶石も、いつもとは全然比べ物にならない量しか無いわけで。

GM/ガレッガ:「……やれるかの?」

イクス:いや正直……微妙っすねぇ。

ロイド:作戦次第だな。ガレッガ老、どうやって敵陣を突破し、アウグストに肉薄するのかによる。アウグスト単体相手ならば、フルメンバーでこの状態で当たれば十中八九勝てるが……。

GM/ガレッガ:「そこに行くまでに消耗していては分からない、と」

ロイド:そうなるな。

GM/ガレッガ:「正直、わしの考えだと正面からある程度削り合った上で、敵の薄くなった所を強行突破くらいしか考え付かんの」

プリス:正攻法だね。

GM/ガレッガ:「じゃが、それ故に被害も大きい。消耗戦を最後まで続けるよりはマシじゃろうがの。―――さて、ロイド君。何か考えはあるかの?」

ロイド:……俺?

GM/ガレッガ:「……君の戦術能力に関しては聞き及んでおる。さて、果たして君ならどのような策を出すかと思っての」

ロイド:……GM、戦場はどうなっている?状況をなるべく詳しく頼む。

GM:はいはい。お任せあれ。

イクス:お、マジで旦那が作戦考えるんすか?

GM:『そういうの』が好きなPLに、『出来得る』可能性のあるPCが揃ってますからね。最初からこちらが想定したとおりの形でやって貰っても良いですが、それよりも自分で考えて貰った方が面白いでしょう?

プリス:やれやれ、いつからSWは戦術シミュレーションになったのやら(笑)。

ロイド:良いから知恵貸せ、プリス。……PLレベルでいうと、お前の悪知恵が随一だ(笑)。

アルト:……楽しそうだな、お前ら(笑)。

GM:それと、戦争ルールは前回の超経験点と超戦果から、『戦闘フェイズ』では強制的に敵部隊と一度交戦し、それで終了とします。

ネリネ:最大三連戦ルールが無くなったんですね。

ロイド:個人の武勇より軍の総力のが重要になったわけだ。良いんじゃね?俺はそっちの方が好みだ。

イクス:……前回みたいな過度の消耗も無いっすしね。(一同笑)
 

 さて、戦争ルールに上記のように若干の変更が入りました。
 最大三連戦可能とした戦闘フェイズを、一戦のみに固定とします。
 その結果としてPCの過度な活躍を封じ、戦争を『軍VS軍』の物とする色が強くなります。
 
 そして同時に、アウグスト撃破を目的とした依頼を正式にガレッガ老から受けた向日葵兵団。
 具体的な手法を一任され、飯休憩と共に作戦タイム。
 幾つかの詳細な状況説明をすると、次々と議論して戦術を組み立てていくPL(一部)。
 主にロイド&プリスのPLですね。GMを納得させうる説得力と穴の無さを両立した戦術を組み立てるのは、過去に他のゲームでもやっていた軍師タッグなのである意味安心。
 一部PLは戦術ではなく銀英伝(田中芳樹先生著の小説)の話題で盛り上がっていたり、ガレッガ老に追加報酬をせびって十万の追加報酬を確約してもらったり。
 まぁ、十四話、十三話、十二話、十一話と無報酬に近い状態が続いていましたからね。十三.五話で一応多少はあげてますが、このレベルでこの人数のパーティーに行き渡る量では無かったり。
 つか、このレベルの冒険者だと1シナリオ1万くらいの報酬が普通なようです。ブルデ到着時は今よりレベルが低かったといえど、これまでの四話分+今回分の報酬となると……十二話で話されていた報酬と合わせて、前金込み合計16万。頭割り、2万5千と少し。……あれ、このレベルで五話分でこれって少なくねっすかね?

 ともあれ、PL側の質問からGMが裁定した状況は以下の通りです。
 
・敵戦力はアウグスト隊が中央に、デュホン隊が左翼に、バルトロ隊の残党が右翼に展開している。
・味方はサイヴァリア隊とアレット隊が中央を支え、ダライアス隊が左翼に、右翼は城壁と少数の傭兵で防衛している。
・ガレッガ隊は再編が終了次第、サイヴァリア隊と協力して中央のアウグスト隊を抑える。
・アウグストは現在敵陣の後方に陣取っていて、前に出てきていない。故に現状では狙えない。
・城門はあと一時間もせず破壊されるだろう。

 それらの情報を聞き、一先ず軍師担当が結論を出します。
 

ロイド:お手上げ。

イクス:……は?(笑)

ロイド:だからお手上げ。少なくとも、俺達だけではガレッガ老以上の策を出すことが出来ない。

ネリネ:……えーと、それは何の冗談ですか?(一同笑)

ロイド:いや、冗談でも何でも無くてな。俺の裁量で動かせる手駒が俺ら六人だけというのが、まず終わってる。チェスで言うならクイーン一個だけだな。対する相手は二百を擁するアウグスト隊。質もまぁ、雑魚じゃない。クイーン一個じゃポーン三十個には勝てねぇし、ましてや敵はポーンと呼べる水準の弱兵じゃない。

アルト:側面や後背を突いても無駄か?

ロイド:無駄だな。こっちの全員が俺やネリネのように近接されてもどうにかなる戦士ならまだしも、お嬢やイクスは接近されたら終わる。お前やプリスも即時終わりではないが、やはり近接されると危ない。側面や後背を突いても、アウグストだけを相手にするわけじゃないんだ。

シルフィ:…個々の能力で勝っていても、数で押されると脆いですか。

ロイド:そうだな。俺、ネリネ、アルト、プリスが前に出ても、止められるのは合計八部位までの敵だけだし。ドレイクバロンやらバジリスクやらが三体で許容量オーバーだ。

アルト:……やはりサイヴァリアやご老体の部隊が敵を削るのを待って、それから突入が最上か。

ロイド:(にやり)―――俺達だけならな。

シルフィ:……うわ、悪い事考えてる顔。(一同笑)

ロイド:GM、まず大前提なんだが。俺はジェネラル技能を修得し得るか?

GM:ほう?

ロイド:俺の一般技能、まだ上限まで取ってないからな。焼け石に水レベルだが……余ってるレベル分で、一般技能ジェネラルを習得したい。

GM:……ふむ、良いでしょう。GM裁量で特例として、ロイドさんにジェネラル技能6Lvを進呈します。

ロイド:……へ?6Lv?

シルフィ:それって、PCの上限レベル超えてません?

GM:ええ。ですが、ロイドさんとロイドさんの軍略の師であるトリーシャさんがこれまで積み上げてきた行動・言動は、それだけの価値があると判断します。このブルデ戦で、貴方とトリーシャさんは戦局を見る能力を示し続けていました。

アルト:……となると、こいつの指揮力基本値は9か。なんだ、本職で通じそうだな(笑)。

GM:それだけの動きはしてますよ、ロイドさんは。無論、異論があるなら認めますよー。

シルフィ:いえ、ありません。トリーシャさんの置き土産と思いましょう。

イクス:まぁ、トリーシャの姉さんの薫陶の賜物って事っすね。

ロイド:……よし、それならありがたく受け取る。ジェネラル技能6Lv………これならやれるか。

GM:ジェネラル技能を欲しがる所で、何をやるかある程度の予想は出来ましたけどね。

ロイド:ああ。……ガレッガ老、悪いが兵を貸して欲しい。三十も居れば良い。出来れば右翼の傭兵隊をそのまま借り受けさせて貰えると嬉しいんだが。

アルト:ああ、そうか。前話で良い働きをしてくれたあの傭兵が居たな。あいつ何レベルだ?

GM:ああ、それでは実際に会った方々、魔物知識判定どうぞ。

プリス:え、魔物?(笑)

GM:いえ、人間ですよ。『NPCのレベル、技能などはそのキャラの冒険者レベル+3を目標値に判別できる』という、ルールブック3に掲載されてたルールです。

プリス:あ、なるほど。(ダイスを振る)……うん、9だけどどう?

GM:残念、分かりませんね。

シルフィ:最低でも7Lvですか。それは心強い。

アルト:(ダイスを振る)18だが、分かるか?

ロイド:お前、それで分からなかったら最低でも16Lv……。(一同笑)

シルフィ:あの、すいません。それこの世界に存在しないレベルです(笑)。

GM:じゃあ、分かりますね。7Lvファイターで、フェアリーテイマー4、スカウト3を持っていたようです。

ロイド:(ダイスを振る)10が出たから、俺も分かったな。相当な手練じゃねぇか。

GM:実は余った時間でデータ組んでました。ああいう良い立ち位置になったキャラを、貴方たちが放置するわけありませんし。使わない可能性も考えてたんですが、使ってくれて良かったのか何なのか。

シルフィ:はーい、ロイド!その傭兵さんって誰ですか?(一同笑)

ロイド:……後で説明する(笑)。ともあれ、奴を含めて傭兵部隊を中心に俺の指揮下にある程度の部隊を貰うとして、だ。

プリス:その部隊でまず、バルトロ隊の残党を排除して……要塞から出るルートを確保する。

アルト:……ふむ?

ロイド:どうせ、要塞の耐久度を考えると門はもうすぐ破られるんだ。ガレッガ老、サイヴァリアとアレットへの指示は出来るか?

GM/ガレッガ:「……ふむ、内容次第じゃな」

ロイド:城門を突破されると同時に、城門から派手に突撃をして貰いたい。ガレッガ老の部隊も可能なら一緒に。

プリス:敵の目を正面に引き付けるって事だから、死兵になっての突撃とかはしなくて良いんだ。ただ、アウグストは現在後軍に居るから……。

GM/ガレッガ:「正面からの圧力を強めれば、アウグストの周囲は薄くなる……か」

ロイド:そこを狙って、側面からの一点突破だ。発見されない手段は考えてある。操霊魔法『イリュージョン』を使えば、人物や物体に幻影を重ねる事が出来る。それを使って、率いる部隊を隠す。範囲魔法だから、結構纏めて隠せるし。

アルト:ああ、あったなそんな魔法。(一同笑)

ロイド:むしろ、それがあるから奇襲作戦を選択したわけだが。まぁ、そんな感じでギリギリまで姿を隠した上で、一気に突撃してアウグストを討つ。そうなれば敵は総崩れになる筈だから……そこで今度こそ、本当に突撃をしてきてくれ。

プリス:それをやってくれないと、僕ら孤立するからね。

GM:……成る程。『イリュージョン』の魔法を使った奇襲……考えましたね。

ロイド:つっても、これは敵軍の数が減った今だからこそ使える手段だよな。他の敵部隊が壊滅しているから、アウグスト隊の横まで姿を隠したまま行けるんだ。姿を隠しても、実際はそこに『在る』わけだから。ブルデの前が敵に埋め尽くされていちゃ、どっかで多分見つかってた。

GM/ガレッガ:ともあれ、レガリアには高位の魔術師が少ないですからね。この発想は無かったようです。ガレッガ老も得心したように何度も頷きます。 「成る程、それなら確かに……効果が見込めそうじゃな」

ロイド:ただし、この作戦を実行するには幾つかの条件がある。タイミング……は、城門突破を合図にすれば良いから問題ないとしてだ。傭兵達を従わせるのに必要な物がある。

ネリネ:作戦の成功を信じさせる事ですか?

ロイド:そりゃ俺の仕事だな。それ以上に、傭兵は利で動く連中だ。危険手当ぐらい支給しねぇと、こんな危険な作戦に同意はしてくれねぇよ。

GM/ガレッガ:「……分かった。合計で十万。これで動かせるかの?」

ロイド:傭兵隊が三十人だとして……一人頭3000と少しか。もう少し出せねぇか?

GM/ガレッガ:「………十二万。これで限界じゃ」

プリス:…まぁ、財政も厳しくなるだろうからね。仕方ないといえば仕方ないか。

アルト:一応、一人頭4000なら6〜7Lvの冒険者の報酬レベルだな。

イクス:傭兵団の平均レベルがどれくらいかは知らんっすけど、最高位はさっき言ってた傭兵さんだろうから……まぁ、かなり増額された報酬を約束できるって事っすね。

ロイド:無茶をさせるんだから、もう少し報いてやりたい気もするがな……。

シルフィ:あ、じゃあそこは私が考えておきます。

ロイド:良いのか?じゃあ、頼む。……つーわけで、作戦の大枠は決まったか。

ネリネ:分かりました、二割くらいは。(一同爆笑)

ロイド:ごめん、誰かこの子に説明してやって!俺の手には負えん!!(一同爆笑)

プリス:まぁ、纏めよう。僕らのやるべき事は、右翼の傭兵団と合流して彼らを指揮する事を認めさせ、その上でバルトロ隊の残党を撃破して要塞外へ出る道を作る。これは要塞正門が破壊される前に、早急に行う事。そしてそれが成れば、アルト君の魔術で隠蔽しながら敵部隊に接近。要塞正門が破られてサイヴァリア隊・ガレッガ隊が突撃して敵の目を引き付けたら、アウグストの首を狙って突撃と。

ロイド:俺達が失敗しても、挟撃の形にはなる。消耗戦を行うにしろ、正面からだけ行うのに比べると犠牲は大分少なくなる筈だ。ガレッガ老としては、拒否する理由はあるか?

GM:いえ、ありませんね。ガレッガ老はその作戦を全面的に支持します。

シルフィ:失敗も考えてるんですか?

ロイド:まさか。これはガレッガ老を説得する為のファクターでしか無い。失敗する気は微塵も無ぇよ。

アルト:……まぁ、良かろう。貴様がそう言うならば、嫌々ながら従うだけだ。(一同笑)

プリス:まぁ、これで今後の行動の目処は立ったわけだよね。時間が惜しいし、動こうか。

ロイド:出来れば魔香草での回復する時間くらいは欲しかったが……そうも言ってられねぇんだよな。はぁ……。
 

◆傭兵部隊◆
 

 さて、方針を決めた一同は城門が無事なうちに行動を開始します。
 まず向かうのは戦場の右翼方向。城壁上で、未だ上ってこようとしているバルトロ隊残党を牽制していた傭兵達の元です。
 そこで戦っている、アルトが杖を預けた傭兵を探すと―――

 

GM:目的としていた傭兵―――黒髪の無精髭の青年は、槍を手に別の傭兵と組んで戦っている所ですね。隣の傭兵は両手剣を携えた、彼よりもう少し年上の目付きが鋭く額に刀傷のあるオッサンです。

ロイド:無精髭と額に刀傷だな。覚えた。(一同笑)

イクス:うっわぁー、酷い識別符号(笑)。

アルト:何と戦っているんだ?場合によってはロイドを投入するが。(一同笑)

シルフィ:ドレイクバイカウントです。(一同大爆笑)

ロイド:それはすげぇ!(笑) 何でここに居るんだアウグスト!(爆笑)

GM:居ませんっ!!(笑) 彼らが相手していたのはミノタウロスキャスターですね。そして丁度、ミノタウロスキャスターが轟音と共に崩れ落ちた所です。

アルト:やったのか!?

イクス:おおう、相当の手練。

ロイド:とりあえず、声をかけるぞ。おーい、いつぞやの傭兵!大丈夫か!?

GM/傭兵:「おやまぁ英雄殿、ご無事でしたか」 飄々としながら、槍を肩に担ぎます。 「いやはや、大事になってきましたが。英雄殿達がこちらに来たという事は、何か動きが?」

ロイド:そこも含めて今話す。敵の動きは?

GM/傭兵:「上がって来た大物はとりあえず片付けた所でさぁ。後は城壁の下でうろついてるみたいだけど、どうする気なんですかねぇ」 と、指差す先では城壁の下に、ボガードやゴブリン、レッドキャップを中心に時々ミノタウロスなど……知力「低い」に分類される敵がウロウロしています。登ろうか逃げようか仲間と合流しようか、統率が取れていない状態ですね。

イクス:あーらら、烏合の衆でやんの。

ロイド:それも、知力の低い連中ばかりが残ってるか。如何して良いのか分からないって状況っぽいな。

GM:今もミノタウロスが、その辺にあった攻城用の梯子を引っ掛けようと頑張っています。が、途中で折られていて長さが足りないんで、頑張ってぴょんぴょん跳ねていますが届きません。(一同笑)

シルフィ:…ちょっと可愛いです(笑)。

ロイド:ま、好都合か。悪いがここら辺を守備している傭兵を集めて貰えるか?依頼主―――ガレッガ老から指示がある。命令書はこれだ。えーと……名前、そういや聞いてなかったな。

GM/傭兵:「ああ、そーいやそうですな。俺はレオルグで、こっちが……っと、おーい大将。ラムゼイの大将!」 と、無精髭―――レオルグは隣の傭兵に呼びかけます。

GM/ラムゼイ:「ああ、叫ぶんじゃねぇ。聞こえてる」 と、鬱陶しげに応じるラムゼイ……刀傷の傭兵です。 「あんた達がブルデ戦の英雄って奴か。噂は聞いている。……ラムゼイだ。ここら辺を守備している傭兵の、一応の取り纏めをしている」

ロイド:ああ、俺はロイド・クラリクロイツだ。宜しく頼む。……早速で悪いが、レオルグとラムゼイ。周囲の傭兵を集めてくれ。

GM/ラムゼイ:「…分かった。何やら、依頼人からの追加依頼のようだからな。おい、野郎ども集まれ!」

GM/レオルグ:「はい集合!状況が変わったみたいだ、儲け話を逃したくない奴は集まんな!!」 と、二人が声をかけると周囲で城壁の下を警戒していた傭兵達が集まって来ますね。

プリス:さて、説明とかはロイドに任せようか。責任者だしね?

ロイド:了解。さて、どんな反応が返って来るか……。
 

 集めた傭兵は、ラムゼイ・レオルグの両名が率いる傭兵団を中心に30人少々。
 彼らを前にロイドが件の作戦を説明しますが、反応はイマイチ。
 無謀とまで言うレベルではないものの危険性が高い作戦である事を、傭兵らしい嗅覚で理解しているようです。

 

アルト:まぁ、そうだろうな。レガリアを守るためなどと説明しても、傭兵は元々根無し草。あまりモチベーションには影響すまい。

シルフィ:うん、まぁそこでなんですけどね。報酬増額を私は提言するわけですよ。

ロイド:……さっき、私に任せろみたいな事を言ってたけど……増額って?

シルフィ:私ら、戦争終わったら15万受け取る権利があるじゃないですか。けど、そんなに貰っても余るから切り崩せば良いかなーって。(一同笑)

プリス:……ああ、なるほど。自腹切るんだ(笑)。

シルフィ:少なくとも、私の分の報酬を辞退すればそれなりに上乗せは出来るかなーって(笑)。

ロイド:……いや、そう言う事なら思い切って行こう。皆、すまんがちょっと無茶をして良いか?

アルト:任せる。

プリス:お任せで。

ネリネ:私はポッキー食べるのに忙しいんで。(一同笑)

イクス:……姐さんはもう…(笑)。

ロイド:……よっしゃ。それじゃ、諸君。今回の依頼は危険な作戦である事は理解して貰えたと思う。だが同時に、一定の成功の可能性が見込める物だという事もな。

GM/ラムゼイ:「ああ、そうだな。確かにアンタの言う通り、魔法を使って上手くやれば一切気付かれる事無く奇襲は可能だろう。アンタ達の上げた戦果にも疑いの余地はねぇ。だが、危険が大き過ぎる。一歩間違えば全滅。そうならなくても、最激戦地になる事は疑いの余地は無ぇ」

ロイド:だろうな。故に報酬に関してはかなり毟っておいた。全員で27万、これでどうだ?

GM:………………はい?(一同爆笑)

シルフィ:(爽やかに)うん、私の想定の斜め上ですね!!(笑)

プリス:(爽やかに)僕らの報酬全額を上乗せしてるよね、それ!(笑)

ネリネ:(淡々と)いえ、私は保存食貰えれば別に良いのですが。(一同笑)

GM/レオルグ:「…おいおい英雄殿。また破格の報酬だね、そりゃ。俺ら30人ばかりに、それだけの報酬を出す事をよくブルデ側が納得したもんだ」

ロイド:待てコラ、俺らの取り分まで持ってくんじゃねーよ。これは俺ら6人+お前ら30人ばかり、合わせて40人弱の合計報酬だ。

GM/ラムゼイ:「…アンタ達のも、か?」

ロイド:同じ死線を潜るんだ。もし参加するなら、アンタらも俺らも等しく運命共同体。俺ら含めて、報酬は頭割だ。どうだい、ラムゼイの親分。良い稼ぎになると思うぜ?

GM/ラムゼイ:「……妙な奴だな、アンタは。破格に過ぎるぞ、この扱いは」

ロイド:会ったばかりの俺に命を預けてくれと頼むんだ。出来得る限り誠意は見せるさ。……率いる兵との間に一定の信頼が無ければ、それは隊として機能しえない。これも師匠の受け売りだがな。

GM/ラムゼイ:「……トリーシャ・アールクラフトか」

プリス:……え?

ロイド:……知ってんのか?

GM/ラムゼイ:トリーシャさんが居れば分かったのかもしれませんがね。折角なので設定を捏造。 「旧い話だ。……俺がアンタよりまだ若かった頃、駆け出しだった頃に少し……な」

プリス/故トリーシャ:『昔むかーし、ね?まだまだラムゼイ坊やが小さかった頃、彼の御父上の傭兵団での話ですわ』 なんてね?(一同笑)

シルフィ:PLが認めましたね(笑)。

ロイド:………そうか……師匠の。 ふぅ、と溜息を吐く。 つー事は、アンタあれか。俺の兄弟子って事になるのかね?

GM/ラムゼイ:「師弟と呼べるほど何かを教わったワケじゃねぇよ。あの人の弟子はアンタ一人だ。……確かにアンタは、あの人の弟子だろうよ。たかが傭兵に向ける過度な誠意も含めてな」 ラムゼイは背にした両手剣を背負い直します。 「分かった、俺は請けよう。俺の隊の連中は自由参加だ。一山当てたい奴は付いてきな」

ロイド:感謝する。レオルグ、アンタはどうする?

GM/レオルグ:「ふむ、まぁ……全員参加でも頭割で1万弱。それに加えて、上手くいけばブルデを救った英雄ですな」

プリス:そうだね。ひょっとしたら、ブルデの女の子達にモテモテになるかも知れないよ?

GM/レオルグ:「そりゃ良いや。ついでに、美味い酒も優先的に回してもらえれば言う事はありませんな」

プリス:……要塞の補給担当者の娘としては立場を利用するようで複雑だけど、まぁ了承しようか。出来るだけの事はしてみるよ。

GM/レオルグ:「それじゃ、俺も参加と行きましょうか。なに、英雄殿達には流石に劣るでしょうが、ここで上手くいけば一躍ブルデ戦の英雄の仲間入りも夢じゃないんでね。凡人らしく、欲をかいてみましょう。そいじゃま、宜しく頼みますよ。英雄殿?」 と、レオルグはウィンクしますね。

ロイド:よっしゃァ!それじゃあレオルグ、ラムゼイ。悪いが、傭兵の中から参戦希望者を集ってくれ。条件は今の通り。ただし、明らかに死ぬのが分かってるようなひよっ子はお前らの判断で除いてくれて構わん。

アルト:足手纏いは要らんか。

ロイド:まぁ、厳しい言い方をするとそうなる。それに最低限の守備は残しておかんと不味いしな。で、それが終わり次第、城壁の下にまだ残っている残党を排除。その後は姿を隠して敵に接近し、突撃だ。

プリス:GM、城壁の上から見ると、敵ってどれくらい居るの?

GM:そですね、ボガード種、ゴブリン、レッドキャップが合わせて30匹くらい。2匹くらいミノタウロスが混じってます。

ロイド:うーむ、昔は俺らもボガードに苦戦してたんだよなァ。(一同笑)

ネリネ:それくらいの戦力なら、編成している間に掃討したくなってきますね。いや、消耗が激しくなるんでやりませんが(笑)。

イクス:旦那がボガードにボコられていたのが、遥か昔のようですな(笑)。

プリス:あ、そだ。傭兵の人達で、魔晶石とか余ってる人居ない?今なら市場価値の倍額……ううん、三倍で買い取るよ!!

イクス:あ、それなら俺も買いたいっス。三倍出しても、5点なら3つ買える!!

GM:む、そうですね。持っていてもおかしく無い以上、持ってる人がいるか……ダイスで決めてみますか。(ダイスを振る)む、5点なら5つほど出されます。

プリス:よし、これは大きい!とりあえず、僕が全額出すよ。4つで7500ガメルね。アルト君に2個、イクス君に1個、ロイドに1個渡しておく。僕も1個保有。

ロイド:おお、これはかなり助かる。

GM:しかし三倍とは、金にあかせてますな。あんたらバブリーズか。(一同笑)

プリス:命の危険が金で減るなら、僕は迷わないよ。ああ、さっきの27万支払うのもある意味そうだよね。

GM:いや、あれはアリですよ。自分らも含めて頭割り……それは『英雄』と見られ始めている貴方達が、傭兵達を仲間と認めるという事ですからね。誠意としては、金額以上にある意味大きな物でしょう。

ロイド:当然だろ、同じ死線を潜るんだ。

GM/ラムゼイ:「……それを当然と言い切れるんだ。アンタは良い将になれるな、小僧」
 

 さて、これは正直、GMとしても予想外です。
 傭兵サイドは多少渋って見せるつもりはあったのですが(対応次第で戦力を減らすつもりだった)、なんとゆーか……GM側がPCに渡したつもりの報酬、殆ど支払う覚悟で来られるとは。
 うーん、なんというかロイド、良将の片鱗を見せ始めてませんか。自分の報酬を捨てて兵の信頼を取ったわけですし、これ。
 少なくともGMはその覚悟に報いる意味でも、傭兵達が当初の予定よりもかなりロイド達に好意的に動いてくれるように裁定し直します。
 
 その結果、傭兵団からの参加人数は29人。
 腕に覚えの無い駆け出し数名がこの場に残ります。流石に敵にはもう予備兵力も何も無いだろうと見ての編成。
 何かあったら、全力で逃げて味方を呼ぶように指示してあります。
 
 そして、元はガレッガ隊とダライアス隊に含まれていたこの傭兵隊の戦力ですが、ロイド達を含めるとこんな戦力になります。
 ついでに、幾つか候補を作った中からロイドさんに指揮官用の特殊能力を一つ選んで貰いました。
 サイヴァリアが持っている『突撃』やら、ガレッガ老の持っている『老練』やらといったのと同じ、戦争ルールでのみ通用する特殊なスキルです。
 GMが幾つか用意した候補の中からロイドさんが選んだのは『不屈』。戦争フェイズでのダイスの振り合いで敗北しても、更新フェイズで受けるダメージが減る特殊能力です。
 ミュラーにでもなる気か。
 

・ロイド隊
指揮官:ロイド・クラリクロイツ
兵数:35
戦力値:200
指揮能力:9
戦力ダイス:19
重要NPC:レオルグ ラムゼイ
特殊能力:『不屈』@戦争フェイズで敗北した場合、更新フェイズで自軍が受けるダメージを『敵軍の戦力値の20%』から『15%』に減少する。

 

アルト:む、数の割に高い戦力値。

ロイド:四分の一以上は俺らなのを忘れるなよ。(一同笑)

プリス:でも、それでも練度は高いね。平均して5Lv弱くらいの実力を持ってる事になるよ、傭兵団。

GM/レオルグ:「ウチとラムゼイの大将のとこは結構名が知れてるからね。そりゃ、相応程度の腕はあるさ」

ロイド:うし、じゃあ後は……城壁の下に集まっている雑魚の掃討か。

プリス:降りるルートはあるの?

GM:梯子を下ろせば、ありますよ。

シルフィ:邪魔されません?それ。

GM:……あ、されそう。(一同笑)

ロイド:…まぁ、昇って攻撃してくるよりは楽だろうけどさ、降りて攻撃って(笑)。

プリス:……仕方ない、スカウト技能と回避能力持ちの僕が先行する。梯子は複数あるんでしょ?一つ降ろして、途中で破壊されたら僕ならそこから飛び降りても軽業でダメージ軽減出来るし。で、下に降りて橋頭保を確保するから、出来るだけ早く下りて来て。

ロイド:……分かった、それで行こう。

GM:そうですね。では、軽くレギュレーションを考えましょうか。
 

・最初のラウンドはプリスのみ参戦。
・次のラウンドから一人ずつ戦闘に参加出来る。ただし、梯子を降りるのは主動作。
・ダイスを振って、『戦闘に参加している人数より大きな数』が出たら梯子を守り切れず破壊される。
・梯子が破壊された場合、半分まで降りていたと裁定。10m落下としてダメージを算出する。

 

プリス:うーん、流石に一人で橋頭保の確保は難しいか。二人目や三人目は結構な確率で落ちるね。

ロイド:まぁ、それは仕方ない。敵よりも落下ダメージが厄介なレギュレーションだな。

GM:蛮族が攻め込む時も、向こうはそんな苦労を背負っていたのでしょう。時々飛んでましたが。(一同笑)

シルフィ:降りる順番は、プリスさん、ネリネ、ロイド、アルトさん、イクスさん、私という感じですかね?

アルト:私の代わりにラムゼイやレオルグ辺りもアリかもしれんがな。

GM:まぁ、とりあえずやってみましょう。敵はミノタウロスが2体と、ボガードトルーパーが3体です。

ロイド:この場に残っている中では大物揃い、か。

GM:他のソーズマンやら並ボガードやらその他諸々は、上から傭兵団が弓撃ったりして牽制しているという事で一つ。あと、怖くて近づけないとかですね。では、始めましょうかー。
 

◇VSバルトロ隊残党◇
 
▽ラウンド1〜2▽
 
 さて、第一ラウンド。
 イクスが先手を取り、プリスが主行動で下りる途中で梯子が破壊されます。
 それは想定通りなので、10m落下して受け身。
 8点ばかりのダメージを受けますが、ほぼ無事に着地します。
 
 ついでに、≪ファストアクション≫効果で行動がもう一回あるプリス。
 両手の銃からソリッドバレットを放ち、ミノタウロスAのHPを削ります。
 が、極端にHPが高いミノタウロスを倒すに至るダメージではありません。

 

プリス:……うーん、単純にHPが高過ぎるんだよね、ミノタウロス。僕とは相性が悪いかな。

ネリネ:…仕方ありません、このままプリス様を一人で立ち向かわせるのもアレです。私も参戦しましょう。

シルフィ:参戦って、ネリネ……梯子は次のラウンドにならないと。

ネリネ:いえ、お構いなく。ラムゼイ様やレオルグ様の御手を煩わせる必要はありません。今さっきの落下ダメージを見て、このネリネ……ある事に気がつきまして。

ロイド:嫌な予感しかしないけど、言ってみ?

ネリネ:はい。では、マスター。……舞います。

GM:……はい?

ネリネ:いえ、ですから宙に舞います。飛び降ります。(一同大爆笑)

アルト:おい、シルフィ。何か貴様の所のメイドが城壁の端へ向けてクラウチングスタートの体勢を取っているが。(一同爆笑)

シルフィ:あれ、ネリネ。どうしたんですか?おトイレはそっちじゃありませんよ?(一同爆笑)

ネリネ:いえ、御気になさらず。“要塞小町”ネリネ、参戦致します!とうっ!!(一同爆笑)

GM:え、ホントに行くんですか!?(笑)

ネリネ:10mから落ちたら30点ダメージ。20mからでも60点ダメージ。大丈夫です、装甲で減らせば60点食らっても半分は残ります。(一同爆笑)

イクス/レオルグ:「……あー、隊長殿?」(笑)

ロイド:……何だ?レオルグ(笑)。

イクス/レオルグ:「今さ、メイドの嬢ちゃんがスゴい勢いで城壁から身投げしたように見えたんだけど」(笑)

ロイド:気のせいだ、あんな蛮行をする馬鹿はうちには居ない。あれは、えーと、アレだ。要塞に住み着いたメイド妖精だ。運が良かったなレオルグ、あんまり出現しないレアモンスターだぞ。(一同爆笑)

GM/ラムゼイ:「現実逃避するのも良いが、大丈夫なのかあれ。この城壁、相当高かった筈だが」(笑)

ネリネ:(めっちゃ良い笑顔で)―――I am sky!!!

プリス:(淡々と)私は空です。(一同爆笑)

ネリネ:え、『私は飛べる!』的な事言いたかったんですが……ああ、I can fly!!(一同爆笑)

ロイド:お前(PL)なんで高校卒業できたの!!?(一同大爆笑)

ネリネ:英語と数学以外は成績が良かったのですが……って、PL会話は止めましょうよ。

ロイド:異議あり!俺の直系の後輩がマトモな学生だったかどうかの境界線上の会話だ!!(一同爆笑)

プリス:少なくとも『I am sky』はヤバいよね……(笑)。

GM:…まぁ、続けますよ?(笑) えーと、ではネリネさんは20m落下して強引に参戦ですね?

ネリネ:あ、GM。そこで提案があるのですが。

GM:ん、何でしょうか。

ネリネ:『受身判定』でダメージを軽減する代わりに、『軽業判定』で落下場所を変えても良いでしょうか?

GM:受け身よりも落下位置の調整を優先する、ですか?構いませんが、どこに落ちるつもりかによって目標値を変えますよ。どこへ落ちるつもりですか?

ネリネ:ミノタウロスAへの直撃コースで。(一同大爆笑)

ロイド:直撃!?(笑)

プリス:20m自由落下体当たり!?(笑)

GM:…う、うわぁ……!?(笑) えーと、うん、まぁ、良いや。今回は重要な戦闘でもないし、その度肝を抜く発想力に免じて許可しましょう!目標値はミノタウロスの回避値を上回る数字……15以上です。

ネリネ:敏捷度ボーナスが2、レンジャーレベルが7。(ダイスを振る)達成値19で成功です!!
 

 ※軽業判定や受け身判定など、一部の判定では金属鎧によるペナルティが発生します。
 今回は-4される筈だったのに、誰もその場では気付かずスルーしていました。
 まぁ、-4されても成功しているので特に問題は無かったわけですが。

 

GM:……えーと、じゃあこれどうしよう(笑)。ミノタウロスとネリネさんの双方に60点ダメージ?(一同笑)

イクス:何すかその疑似メテオ(笑)。

ネリネ:47点食らいました。ぴんぴんしてます。

アルト:うん、その基準はおかしい。(一同笑)

GM:え、ミノタウロスAは52点食らって倒れました。(一同爆笑)

ロイド/SE:ひゅうううううううう………ぐしゃっ!!(一同爆笑)

イクス:擬音が生々しい!!(笑)

ネリネ:大丈夫です、『ぐしゃっ』はミノタウロスが発した音ですから。(一同笑)

プリス:……えーと、僕からすれば目の前に居たミノタウロスの頭部に降って来たネリネが直撃して、ミノタウロスの首が有り得ない方向に曲がったのかな(笑)。

ネリネ:ええ、では地面に転がった後、のっそりと起き上がります。 プリス様、援護に参りました。

プリス:……うん、援護は嬉しいけど、僕はどこから突っ込めば良いんだろう……。(一同笑)
 

 で、敵の行動。
 ミノタウロス、ボガードトルーパー共にプリスやネリネに攻撃を仕掛けますが……。
 基礎回避力が11一応のプリス&ネリネ。ボガードトルーパーやミノタウロス程度の攻撃には当たりません。
 次のラウンドにて、落下する事も無くロイドが到着した時点で、GM側は詰み。
 プリスはMP温存の為、投石攻撃に行動を留めています。ネリネはミノタウロス相手にそこそこのダメージ。
 まぁ準備運動のような戦闘なので、そこまで気にしてはいません。GM、ここで改めてPC側の戦力を確認しておく腹積もりでした。
 

▽ラウンド3〜6▽
 

 3ラウンド目、参戦したロイドの火力がミノタウロスを襲います。
 流石に即死はしないものの、頑丈な筈のミノタウロスがネリネの攻撃も合わせて4ラウンド目に撃沈。一応、3ラウンド目に反撃を当ててネリネのHPを少し削ってはいたのですが。
 この時点で、ほぼ勝負は決しています。
 9Lvファイター2人を含む戦力にボガードトルーパーで何をしろと。
 
 更には機転を利かせたネリネが梯子に≪かばう≫を使用。
 安全になったところで、ラムゼイ・レオルグの二人も下りて来ます。
 MP温存の為、シルフィ達三人は待機。

 まぁ、それでも降りて来た傭兵達とロイド・ネリネ・プリス(投石)の手によって、バルトロ隊残党主力は6ラウンド目には排除されたのでした。
 

ロイド:やるな、ラムゼイ。ファイター/アルケミスト/エンハンサーで重戦士タイプか。

GM:あと、レンジャーも持ってますけどね。

アルト:なるほど、純前衛としてはこの場の面々ではロイド・ネリネに次ぐな。

GM:そして、橋頭保を完全に確保した事で、梯子から次々と傭兵団の皆さんが下りて来て、ボガードやゴブリン、レッドキャップと戦い始めます。

ロイド:俺も手伝う。ネリネ、お前も来い!

ネリネ:了解しました。装甲侍女ネリネ、参ります!!
 

◆激戦◆
 

 さて、レッドキャップやゴブリン等を(イベント扱いで)掃討したところで、負傷者をイクスとネリネが治療します。
 傭兵達は自前でポーションを持ってたりするので考えなくて良いとしました。
 結果、イクスがキュアハートではなく燃費の良いキュア・ウーンズを連発。
 魔晶石2個を犠牲に、ネリネとプリスのHPを全回復させます。

 

ロイド:流石の燃費だな。

イクス:キュア・ウーンズなら2点で発動できますからね。MP軽減に感謝ですな。

アルト:さて、問題はここからだな。まだ城門が生きているうちに、近付くだけ近づかねば。『半径3m以内の空間』が対象だから……5人巻き込みというところか?

GM:そですね、半径3mの魔法は巻き込み可能人数が5人というのが定説ですし。基点となる人と、その周囲に集まった4人までなら巻き込めるとします。

アルト:流石に基点となる人物からバラバラに動かれれば、カバーしきれないか。まぁ良い。人数は35人だから、7倍拡大だな。シルフィ、悪いが10点の魔晶石をくれ。その代わり5点のをやる。

シルフィ:はいはい、分かりましたよー。

プリス:あ、人じゃなく、その人が持っている何かを基点にする方が良いかもね。戦闘中まで幻覚が継続するとアレだし。突撃時に投げ捨てられるように、その辺で拾った小石を基点に魔法をかけるとか。

アルト:ではそれで。シルフィから貰った10点の魔晶石を潰して、4倍拡大でイリュージョン。(ダイスを振る)……成功。続いて、自前の5点を潰して3倍拡大。(ダイスを振る)こっちも成功。ただし、私のMPは大分削れている。戦場では然程の働きは期待するなよ?

ロイド:十分だ。悪いな、アルト。

GM:では、これで全員が幻影の中に隠れる事になりましたね。傭兵達は自分達の姿が互いに見えなくなった事に驚いているようです。

アルト:…手でも繋いで行動した方が良いかもな。互いに見えないなら、途中でバラけてしまう危険がある。

ロイド:だな。そう指示を出そう。

プリス:指示を出してるロイドの右手を掴みます。(一同笑)

シルフィ:はい、じゃあ私左手!!(笑)

ロイド:いや、俺最前線に立つから、お前らもう少し後ろに居ろよ!?(笑) 最前線の俺と手を繋いでたら、自然とお前らも最前線だぞ!!(笑)

プリス:それと、これは音は消せないから、物音は極力立てないようにね。向かう先は戦場だから大丈夫だと思うけど。

ロイド:準備が出来たら行軍開始だ。城壁が破られる前に、急ぐぞ!!

GM:それでは、こっそり接近中の辺りで一度戦争ルールでの判定をしましょうか。貴方達が居ない間に、アウグスト軍とブルデ軍で起こった戦闘です。

ロイド:げ。

シルフィ:うう、皆無事だと良いんですが…。
 

◇戦力表示:人族◇

※PC達、並びに傭兵部隊の離脱により、一部部隊の戦力は低下している。

・中核部隊
指揮官:ガレッガ・ウィスタリア
兵数:170
戦力値:830
指揮能力:13
戦力ダイス:54
重要NPC:ガレッガ・ウィスタリア
特殊能力:『老練』@イベントや敵の能力により、戦力ダイスや戦力値、戦闘力にマイナス補正を受ける場合、減少分を半分に減らす。

・第二部隊
指揮官:ダライアス
兵数:265
戦力値:825
指揮能力:5
戦力ダイス:46
重要NPC:ダライアス
特殊能力:『補給確保』@戦争フェイズに参加していなかった味方の回復する戦力値を、『現戦力値の5%』から『8%』に引き上げる。電卓を用意しよう。

・第三部隊
指揮官:アレット・ウィスタリア
兵数:220
戦力値:800
指揮能力:11
戦力ダイス:51
重要NPC:アレット
特殊能力:『射撃兵』@戦争フェイズにおいて、前線への参加を放棄した(ダイスを振らなかった)場合でも、敵に対して(自分の戦力値/5)分のダメージを一方的に与える事が出来る。その場合、更新フェイズに自軍の消耗は無い。ただし、他に前線に出る味方部隊が必要。
      『策謀』@戦争フェイズに参加している敵軍勢のうち一つの戦闘力を1割減させる。判定前に宣言。自分の軍勢が前線に出ている必要性あり。
 
・第四部隊
指揮官:サイヴァリア・クルーグシャフト
兵数:230
戦力値:1079
指揮能力:10
戦力ダイス:63
重要NPC:サイヴァリア、バーン、メル
特殊能力:『突撃』@更新フェイズで消耗する戦力が2倍になるが、戦争フェイズで算出される戦闘力値を3割増に出来る。判定前に宣言。連続した戦争フェイズに使用は出来ない。

◇戦力表示:蛮族◇
 
・中核部隊
指揮官:アウグスト(ドレイクバイカウント)
兵数:370
戦力値:2133
指揮能力:10
戦力ダイス:116
特殊能力:『攻勢』@戦争フェイズで自軍が勝利した場合、更新フェイズに敵戦力に与えるダメージを自戦力の20%から25%にする
 
・第三部隊
指揮官:デュホン(邪教の高司祭)
兵数:70
戦力値:533
指揮能力:7
戦力ダイス:33
特殊能力:『治癒』@味方軍勢のうち一つの戦力値を、更新フェイズで自部隊の現在値の10%回復させる事が出来る。元値以上にはならない。
 

◇戦争フェイズ◇
 

 さて、ここで改訂版戦争ルールによる戦争の開始です。
 とはいえ、戦闘フェイズでの戦闘回数が1回に減った以外はこれまでと変わりません。
 PC達が参加していない今回は、戦闘フェイズも発生しないんで実質変化なし。
 
 戦場中央ではアウグスト隊に対して、サイヴァリア隊とアレット隊が。
 戦場左方ではデュホン隊に対してダライアス隊が対応しています。
 ガレッガ隊は再編中。
 
 その結果―――
 

▽サイヴァリア隊&アレット隊▽
 
アレット隊特殊能力『策謀』発動。
判定時、アウグスト隊の戦力を一割減。

サイヴァリア隊:224
アレット隊:169
VS
アウグスト隊:399*0.9=359
 
393-359=34

サイヴァリア・アレット隊勝利
アウグスト隊戦力値:2123→2091

 

イクス:おおう、どっちに転んでもおかしくない互角の戦力かと思えば……そういえばアレットにはこんな特殊能力が。

ロイド:っしゃぁ!良い働きしてくれるぜ、サイヴァリアもアレットも!!

シルフィ:本業の将軍ですからね、指揮能力ではロイドより明らかに格上ですし(笑)。

ロイド:というか、幾ら薫陶受けてたつっても俺が実戦で兵を指揮するのはこれが初だしな。

シルフィ:子供の頃は、戦争ごっこで百戦百勝だったでしょう?(笑)

ロイド:一緒にすんな、それと(笑)。敵にも味方にも色々と失礼だ(笑)。
 

▽ダライアス隊▽
 
ダライアス隊:171
VS
デュホン隊:118

171-118=53

ダライアス隊勝利
デュホン隊戦力値:533→480

 

ロイド:こっちは順当に押してるな。

プリス:父上は戦上手とは言えないけど、まぁ戦力で大きく勝ってるしね。無理をしなければ、ここも負けは無いか。

GM:ですね。ですがそれでも、更新フェイズのダメージで城門は壊されるはずです。

シルフィ:とすると、もうすぐですね。私達の出番。
 

◇更新フェイズ◇

▽人族側被害▽
要塞線:180/3000→0/3000
アウグスト隊の戦力値の1割(209点)
余剰ダメージ:29点 サイヴァリア隊へ。

サイヴァリア隊戦力値:1079→1050

ダライアス隊戦力値:825→777
デュホン隊の戦力値の1割(48)

ガレッガ隊、戦闘非参加による休息で回復。
ガレッガ隊戦力値:830→896
現戦力値の8%(66)回復。

▽蛮族側被害▽
アウグスト隊戦力値:2091→1717
サイヴァリア隊・アレット隊の戦力値の2割(374)のダメージ。

デュホン隊戦力値:480→315
ダライアス隊の戦力値の2割(165)のダメージ

デュホン隊『治癒』使用。
アウグスト隊戦力値:1717→1748
デュホン隊の戦力値の1割(31)の回復。

 

ロイド:……抜けた。

GM:ええ、城門が破壊されたのが皆さんの目からも見えますね。

シルフィ:ロイド! 小声で呼びかけますよー。

ロイド:じゃ、こっちも小声で返す。 まだだ。……サイヴァリア隊、ガレッガ隊の突撃。それに対応するために敵本陣が薄くなるまで、俺らの出番はまだ無い。

アルト:道理だな。この小勢、敵が陣を崩さぬうちに突撃を開始しては、早晩力尽きる。

ロイド:そして、それが分からないブルデの将軍達でもない。囮の役目はこなしてくれる筈だ。ラムゼイ、レオルグ。まだ待機だ。

GM/ラムゼイ:「分かった。兵に小休止を取らせる」

ロイド:そいやGM、今の場所はどの辺だ?

GM:はい、敵本陣を横から見る位置ですね。多少距離はありますが、これ以上近付くと突撃前に気付かれる危険が生まれるでしょう。

ロイド:じゃあ、このまま待機だな。小休止っつっても、いつでも動けるようにはしておいてくれ。

GM/レオルグ:「はいはい。しかし前線ではドンパチが始まってるってのに、俺らだけここで待機っつーのも何か悪いね」

アルト:悪いものか。ここから先、我らが間違いなく最激戦区に飛び込むんだ。それだけの権利はある。

プリス:しかし敵の勢いも落ちてきたね。城門は破壊されたけど、このまま消耗戦になってもブルデが勝つか。

シルフィ:その消耗が馬鹿にならないから、この作戦が必要なんですけどね。

プリス:まぁね。

ロイド:まぁそれでも、敵も余力が無くなって来てるんだろうな。以前ほどの戦力も勢いも無いし、何だかんだでこっちの戦力は未だに900近く居る。損耗率は2割と少しってところか。

アルト:傭兵や冒険者まで含めれば、最初は1100以上居たのだがな。減ったものだな。

プリス:大丈夫、それ以上に敵が減ってるから。

ロイド:ま、ともあれ今は動くわけにもいかん。近付き過ぎて気づかれても意味が無い。この場で待機、小休止だな。

ネリネ:あ、では魔香草を使いましょうか。

GM:ぐ、そうか。それがあった。

ネリネ:ではマスター、魔香草を貸してください。

シルフィ:え、私持ってませんよー。ネリネの使ってもらえません?

二人:(なんか沈黙)………。

ロイド:……お前らまさか、魔香草持ってないのか?(一同笑)

シルフィ:(沈痛な面持ちで)……迂闊でした。(一同笑)

ネリネ:…てっきり、マスターが持っているものかと。

シルフィ:私はネリネが持っているものかと。

ロイド:……まぁ、仕方ないな。一先ず観戦といくか。
 

◇戦力表示:人族◇

・中核部隊
指揮官:ガレッガ・ウィスタリア
兵数:185
戦力値:896
指揮能力:13
戦力ダイス:57
重要NPC:ガレッガ・ウィスタリア
特殊能力:『老練』@イベントや敵の能力により、戦力ダイスや戦力値、戦闘力にマイナス補正を受ける場合、減少分を半分に減らす。

・第二部隊
指揮官:ダライアス
兵数:250
戦力値:777
指揮能力:5
戦力ダイス:43
重要NPC:ダライアス
特殊能力:『補給確保』@戦争フェイズに参加していなかった味方の回復する戦力値を、『現戦力値の5%』から『8%』に引き上げる。電卓を用意しよう。

・第三部隊
指揮官:アレット・ウィスタリア
兵数:220
戦力値:800
指揮能力:11
戦力ダイス:51
重要NPC:アレット
特殊能力:『射撃兵』@戦争フェイズにおいて、前線への参加を放棄した(ダイスを振らなかった)場合でも、敵に対して(自分の戦力値/5)分のダメージを一方的に与える事が出来る。その場合、更新フェイズに自軍の消耗は無い。ただし、他に前線に出る味方部隊が必要。
      『策謀』@戦争フェイズに参加している敵軍勢のうち一つの戦闘力を1割減させる。判定前に宣言。自分の軍勢が前線に出ている必要性あり。
 
・第四部隊
指揮官:サイヴァリア・クルーグシャフト
兵数:225
戦力値:1050
指揮能力:10
戦力ダイス:62
重要NPC:サイヴァリア、バーン、メル
特殊能力:『突撃』@更新フェイズで消耗する戦力が2倍になるが、戦争フェイズで算出される戦闘力値を3割増に出来る。判定前に宣言。連続した戦争フェイズに使用は出来ない。

◇戦力表示:蛮族◇
 
・中核部隊
指揮官:アウグスト(ドレイクバイカウント)
兵数:310
戦力値:1748
指揮能力:10
戦力ダイス:97
特殊能力:『攻勢』@戦争フェイズで自軍が勝利した場合、更新フェイズに敵戦力に与えるダメージを自戦力の20%から25%にする
 
・第三部隊
指揮官:デュホン(邪教の高司祭)
兵数:45
戦力値:315
指揮能力:7
戦力ダイス:22
特殊能力:『治癒』@味方軍勢のうち一つの戦力値を、更新フェイズで自部隊の現在値の10%回復させる事が出来る。元値以上にはならない。
 

◇戦争フェイズ◇
 

 さて、今回の戦争フェイズもPC達は非参加。
 敵の目がサイヴァリア隊、ガレッガ隊に集中するのを待つ形です。
 城門を破ったアウグスト隊に対して、サイヴァリア隊とガレッガ隊が逆に突撃を仕掛け出鼻を挫き、更には後方に引いたアレット隊から容赦ない援護射撃。
 
 デュホン隊に対しては、戦力で勝るダライアス隊が食い止める形です。
 その結果―――
 

▽サイヴァリア隊&ガレッガ隊▽
 
サイヴァリア隊特殊能力『突撃』発動。
判定終了後、サイヴァリア隊の戦闘力を三割増に。

サイヴァリア隊:229*1.3=298
ガレッガ隊:181
VS
アウグスト隊:334
 
479-334=145

サイヴァリア・ガレッガ隊勝利
アウグスト隊戦力値:1748→1603

 

ロイド:流石に頼りになるな、サイヴァリア。

シルフィ:変態はこういうとき強いですね。(一同笑)

プリス:そこ、変態だから強いみたいに言わない!!(一同笑)

ロイド:ともあれ、これで大分削れると同時に、敵の目が正面に向く。……そこが好機か。

アルト:突撃準備だな。総員、小休止も終わりだ!準備しておけよ!!

プリス:待って、まだ父上の部隊が残ってるから!(一同笑)
 

▽ダライアス隊▽
 
ダライアス隊:144
VS
デュホン隊:87

144-87=57

ダライアス隊勝利
デュホン隊戦力値:315→258

 

プリス:うん、こっちは心配ないね。

シルフィ:そら、ダイスの数がほぼ倍ですしね…。

ロイド:倍の戦力で押し込んでるって事だわな。まず負けは無いか。

アルト:数で見ればもっと差が開いている。戦場左翼は、まぁ問題あるまい。

プリス:いや、父上の戦場だからちゃんと見ておかないと。(一同笑)

イクス:(ぼそ)……ファザコン。(一同笑)
 

◇更新フェイズ◇

▽人族側被害▽
サイヴァリア隊戦力値:1050→702
アウグスト隊の戦力値の2割(348)のダメージ

ダライアス隊戦力値:777→752
デュホン隊の戦力値の1割(25)

※アウグスト隊は反撃の対象をサイヴァリア隊にした為、ガレッガ隊へのダメージは無し

▽蛮族側被害▽
アウグスト隊戦力値:1603→1054
サイヴァリア隊・ガレッガ隊の戦力値の2割(389)のダメージ。アレット隊『射撃兵』能力を使用。アレット隊の戦力値の2割(160)のダメージ。

デュホン隊戦力値:258→103
ダライアス隊の戦力値の2割(155)のダメージ

デュホン隊『治癒』使用。
アウグスト隊戦力値:1054→1064
デュホン隊の戦力値の1割(10)の回復。

 

ロイド:……アウグスト隊の戦力はかなり落ち込んできている。GM、連中の動きは?

GM:そうですね、正面からのサイヴァリア隊、ガレッガ隊、アレット隊の攻撃に対応するために、戦力を正面に集めている所です。予想通り……貴方達が見ている本陣は薄くなってきていますね?

ロイド:頃合だな。……いいか、てめぇら。こちとら三十人そこそこの小部隊。これで敵の大将のとこまで行くには、幾ら敵陣が薄くなっていると言っても余計な戦いはしていられねぇ。密集し、一気に駆け抜ける。先陣は俺、ネリネ、ラムゼイ、レオルグと最強の戦力を固める。その後ろにお嬢―――シルフィ、アルト、プリス、イクスと火力の高い後衛を集める。他の連中は後衛を守り、前衛の作った道を追従するよう徹底しろ。敵の撃破は二の次でいい。あくまで目的は大将首だ。

アルト:そして敵中を突破して、アウグストの元に辿り着いたら?

ロイド:決まってる。俺ら『向日葵兵団』が戦るのさ。流石にドレイクバイカウントの相手は、俺ら以外じゃ厳しい。ラムゼイ、レオルグ。そこまで行ったら、あんた達で周辺の傭兵を取り纏めてくれ。俺達がアウグストを倒すまで、横槍を入れられないようにして欲しい。

GM/ラムゼイ:「…分かった。大将首は期待するぞ」

GM/レオルグ:「大将さえ潰せば、大将が力で押さえ付けることで統率されている蛮族軍だ。そこで崩れるのは間違いない……逆説、そこまでが勝負になるねぇ」

ロイド:そういうこった。例えるならばこの部隊は一本の矢だ。お前らが腕の立つ傭兵揃いなのは分かってるが、個々で戦おうと思うな。小部隊の利を活かし、一丸となって突撃するんだ。

プリス:……行けるかな。ううん、行けるよね。

ロイド:無論。―――さて、小難しい話はここまでだ。諸君、カッコいいトコ見せに行こうぜ。狙いは敵の総大将の首だ、一丁英雄になりに行こうや!!

GM/ラムゼイ:「……くくっ……分かり易くて、俺らみてぇな傭兵としてはそっちの方が好みでいい。分かってるな、大将」

GM/レオルグ:「ついでに、寝物語で女に聞かせるにも最適だね。これほどの自慢話、そうは無ぇさ」

ロイド:……っしゃあ!それじゃ行くぞ野郎ども!―――総員突撃!俺に続けェ!!
 

◆ロイド隊◆
 

GM:さて、では貴方達が突撃を開始しても……気付くのかな、これ。

プリス:イリュージョンに関しては、見破るのに達成値が必要だとは書かれていないね。ただ、見てるだけじゃ本物と見分けがつかないみたいだよ。

アルト:一応、『何も無い荒野』に偽装してはいるが……。

プリス:でもこれ、僕らからも敵が見えないんじゃない?

ロイド:だとしたらさっきまで、俺らどうやってブルデ戦の様子確認してたんだろうな。(一同笑)

イクス:多分、幻覚の端からすこーしだけ顔出してっすよ。(一同笑)

GM:そうですね、今回は突撃するにあたり、幻覚を捨てないと戦闘行動できないとしましょう。こちらからも向こうが見えないと裁定します。そうじゃないと強すぎる。

プリス:了解。それじゃ、突撃前にアルト君が作った幻覚の基点である石を投げ捨てるわけだ。

GM/蛮族:で、その段階で敵本陣が貴方達の動きに気付きます。 「……っ人族!?右方、敵襲だ!!」 と、貴方達から比較的近い所に居た蛮族が叫びます。

アルト:チッ……もう気付かれたか!

ロイド:構わねぇ!ここまで来れば、後はもう行くだけだ!!

アルト:応ォ!!

GM:さて、ここからは戦争ルールで、局地戦をしてみますか。

ロイド:局地戦?

GM:一先ずアウグスト隊本隊やらデュホン隊やら、ブルデの部隊やらは放置します。そっちはそっちで戦っているとして、アウグストの親衛隊と貴方達の戦闘だけを戦争ルールでやってみようかと。

プリス:その間、本隊の方の戦闘はどうなるの?

GM:続行中ですが、そこは一旦省きます。場面を突撃を仕掛けたロイド隊だけに一旦固定するわけです。

イクス:つまり、他は一旦気にせず、俺らは俺らの敵をブチのめせば良いって事っすよね。

GM:そう言うことです。

ロイド:OK分かった。で、敵親衛隊の戦力は?

GM:そうですね、参加戦力の再確認と行きましょうか。
 

◇戦力表示:人族◇
 
・ロイド隊
指揮官:ロイド・クラリクロイツ
兵数:35
戦力値:200
指揮能力:9
戦力ダイス:19
重要NPC:レオルグ ラムゼイ
特殊能力:『不屈』@戦争フェイズで敗北した場合、更新フェイズで自軍が受けるダメージを『敵軍の戦力値の20%』から『15%』に減少する。
 
◇戦力表示:蛮族◇
 
・アウグスト護衛部隊
指揮官:ドレイクバロン
兵数:40
戦力値:300
指揮能力:6
戦力ダイス:21
特殊能力:無し

 

ロイド:チッ、流石に本陣を守護している部隊……。

ネリネ:私達の奇襲の成否はここでの戦争ルール戦の結果如何によって変わるわけですね。

アルト:だが、敵のほうが戦力が多いな。

GM:ですが、今回は奇襲が成立しています。二回目以降はともかく、一回目の判定においては敵側は判定後に戦闘力を三割減じます。

ロイド:ならいける。今回で敵戦力をうちの部隊より削れば、突破も夢じゃない!ラムゼイ、レオルグ!行くぞ!!

GM/ラムゼイ:「おう!」

GM/レオルグ:「あいさ!」

ロイド:―――総員突撃!俺に続け!!

アルト:チッ……突撃馬鹿が!背中を守る身にもなれ!!

プリス:…この期に及んで相変わらずだね、君ら(笑)。
 

◇戦争フェイズ◇
 

 さて、GMもシナリオ作成段階ではこうなるとは思っていなかったので大分アドリブが入っていますが。
 傭兵達を率いてのロイドの初指揮。あんたは冒険者じゃなくて将軍にでもなるつもりかという勢いで部隊を指揮し、突撃を開始しました。
 本陣を守護する敵を切り抜けて、ドレイクバイカウント―――アウグストの元まで辿り着けるのか。
 当初予定していなかった展開ですのでバランス調整もいまいち不安ですが、ここでロイド隊の初陣が始まります。
 

▽ロイド隊▽
 
ロイド隊:76
VS
護衛部隊:77*0.7=53
 
76-53=23

ロイド隊勝利
護衛部隊戦力値:300→277

 

ロイド:よし、負けてねェ!!

GM/ラムゼイ:「当然だ!こいつらを誰が鍛えたと思ってやがる!!」

ロイド:いや、ナイス!頼りにしてるぜ、ラムゼイの親分!!

アルト:喜んでいる場合か、ロイド!正面、来るぞ!!

GM:ええ、アルトさんの言葉通り、正面に貴方達を止めようと精鋭部隊が待ち構えていますね。あ、ラムゼイやレオルグは戦闘フェイズで貴方達の戦闘に参加はしません。他で戦います。

イクス:ああ、貴重な前衛が……。

プリス:まぁ仕方ないね。GM、何が来る?

GM:前衛にダークトロールが2体とワーウルフが2体、後衛にフェイスレスが2体という配置です。……あ、魔物知識判定してください。(一同笑)

シルフィ:…判定前に正体バラしてどうするんですか(笑)。

ネリネ:不確定名『わぁうるふ』と、不確定名『だぁくとろぉる』と、不確定名『ふぇいすれす』ですね、分かります。

イクス:それ、『不確定名』付ける意味あるんすか…?(笑)

ネリネ:いえ、鑑定が成功すれば、『わぁうるふ』がハラヘラズの指輪と言う事も。(一同大爆笑)

GM:どんだけ節穴なんですか、最初に『わぁうるふ』とか言った人の目は!?(笑)
 

・ハラヘラズの指輪。不思議なダンジョンシリーズの元祖、トルネコより。
・持っていると満腹度が減らなくなる便利な指輪。
・間違っても人型生物に見間違える形状はしていない筈。

 

アルト:……あー、盛り上がってるところ悪いが、魔物知識判定は成功。フェイスレスの弱点は抜けなかったが、ダークトロールとワーウルフの弱点は抜いた。

ロイド:ダークトロールに関しては嬉しいが、ワーウルフは正直余り意味が無いな。銀武器なんて持ってる奴いたっけ?

シルフィ:(挙手)あい。銀のナイフ持ってます!!(一同笑)

ロイド:うん分かった、前に出るな!!(笑)

GM:……それじゃあ、はじめますよー?(笑)
 

◇戦闘フェイズ◇

◇向日葵兵団VSダークトロール×2+ワーウルフ×2+フェイスレス×2◇

▽ラウンド1▽
 

 さて、敵は8Lv蛮族が6体。
 10Lv〜8Lvとなっている向日葵兵団を相手にするには戦力不足ですが、倒すことが目的ではありません。
 要はアウグスト戦までに如何にして消耗させるか。
 ついでに手傷でも与えられて、負傷した状態でボス戦に持ち込めれば最上……だったのですが。

 

イクス:(ダイスを振る)あい、先手取りましたよー。

プリス:んー、距離が近いね。5mか……。

ロイド:迂闊に乱戦を開始すると、乱戦エリアの大きさの関係から後衛が戦闘に巻き込まれかねない距離だな。

プリス:いやまぁ、ちょっと考えがあるんだよね。前衛は僕が『纏めて潰す』から、イクス君、終わったら魔晶石分けてくれない?

GM:……はい?

イクス:いやまぁ、良いッスけど。プリスさんや、あそこ4体固まってますぜ?

プリス:うん、だから好都合なのさ。この距離で4体……獲物だね。―――『ショットガンバレット』を使うよ!!

GM:げ、ゲゲェ―――――ッ!!?(一同爆笑)
 

・ショットガンバレット。マギテック5Lv魔法。
・散弾を発射する。射程は短くなるが、範囲攻撃になるソリッドバレットのような性能。
・つまりプリスは短距離にまでなら、最初のラウンドに限り4連続で範囲魔法を飛ばせるようなもの。

 

プリス:いやまぁ、射程が短いからこれまで使えなかったんだけどね。折角だからやらせて貰うよ!!(ダイスを振る)えーと、基準値15だから命中は19、22、21、24だね。

GM:……ダークトロールはピンゾロ以外全命中です。ワーウルフも3以下振らない限り全命中です。つまり全弾当たってます。(一同笑)

プリス:うっし、ダメージは16点が2回、17点が1回と19点が1回!!

GM:全員纏めて蜂の巣になりました。(一同笑)

ロイド:……ミンチよりひでぇや。(一同笑)

プリス:冗談言ってる場合じゃないよ。ほら、道が開けたんだから前衛、順次突撃!!

シルフィ:その前に削りましょうか。魔晶石を一個割って、ファイアボール!!(ダイスを振る)…くっ、低い。達成値19です!!

GM:うん、出目5でフェイスレスの精神抵抗を抜くのはおかしい。(一同笑)

シルフィ:え、抜けたの?やった!じゃあダメージ、フェイスレスAに17点、フェイスレスBに20点です。……チッ、さっきから出目が低い……。

ネリネ:ダイス運を温存していると思いましょう。

ロイド:それに、17点も削れば十分だ。残ってる方は俺が一撃で仕留める……20点減った方は任せるぞ、ネリネ!

ネリネ:倒せるかどうかは保証しかねますが、やってみましょうか。

ロイド:つーわけで、異貌を発動しながらHPが多く残ってるフェイスレスAに吶喊!魔力撃強化込みで、(ダイスを振る)弱点込み命中26!!ダメージは期待値で37点!!

GM:うん、全てがおかしい。(一同笑)

イクス:わぁ、フェイスレスが交通事故みたいに空を飛んだっすよ……。(一同笑)

ネリネ:それを横目に、続きましょう。アックスを振りかぶって、フェイスレスBに特攻かけます。(ダイスを振る)弱点込み、18!当たったならダメージ22点です!

GM:ネリネさんのダメージも、コンスタントに20を超えるようになってきましたね…。

ネリネ:もう一人のファイターがコンスタントに30台後半を叩き出すので、全然攻撃力が高くなった印象は無いのですが。(一同笑)

ロイド:お前がHP100越えてるから、俺だって硬くなった印象が無いんだよ!?(一同笑)

GM:ともあれ、流石にフェイスレスもそれでは沈みません。

イクス:あと8点ってとこっすか。ここは兄貴に任せた方が良いっすね。とりあえず俺は、魔晶石をプリスに渡しておくっす。

プリス:助かるよ、ありがとう。

アルト:で、私か。全く、仕方が無い……魔晶石5点を割りつつ、クリメイションだ。(ダイスを振る)達成値20、ダメージ18点だ。燃え尽きたな?

GM:はい、それでフェイスレスBは焼き尽くされて死亡です……って、あれ?私の手番は?私の手番どこ行ったの?(一同笑)

ロイド:マグロ漁船で出稼ぎに出ました。(一同笑)

GM:嘘ぉ……幾ら8Lvモンスターって言っても、僅か1ラウンドで全滅とは。

アルト:何度も出来る戦いではないがな。私とプリスは継戦限界が物凄く近いぞ、今回。(一同笑)

プリス:残弾7発だしねぇ、僕(笑)。

ロイド:それが無くなる前に突破出来れば良いがな。

プリス:…今度、弓でも買おうかな。MP切れの時用に。

GM:ともあれ、今回の結果で―――
 

◇更新フェイズ◇

▽戦闘フェイズの結果▽
 
護衛部隊戦力値:277→229

▽人族側被害▽
ロイド隊戦力値:200→178
護衛部隊の戦力値の1割(22)のダメージ。

▽蛮族側被害▽
護衛部隊戦力値:229→189
ロイド隊の戦力値の2割(40)のダメージ。
 

◇戦力表示:人族◇
 
・ロイド隊
指揮官:ロイド・クラリクロイツ
兵数:30
戦力値:178
指揮能力:9
戦力ダイス:17
重要NPC:レオルグ ラムゼイ
特殊能力:『不屈』@戦争フェイズで敗北した場合、更新フェイズで自軍が受けるダメージを『敵軍の戦力値の20%』から『15%』に減少する。
 
◇戦力表示:蛮族◇
 
・アウグスト護衛部隊
指揮官:ドレイクバロン
兵数:24
戦力値:189
指揮能力:6
戦力ダイス:15
特殊能力:無し

 

GM:……こんなんなりました。

ロイド:戦力値はやや負け。指揮能力差で戦力ダイスは微妙にこちらが上、か。

アルト:2個差など、安心はできんがな。

ネリネ:何人か戦闘不能になってますね、こっちも。

ロイド:…死人の分は、アルト頼むわ。

アルト:向こうが応じるか否かはともかく、とにかく一度はリザレクションということだな。一晩回復の為の時間をくれれば、まぁ良かろう。

GM:全員死んでるというわけでもないんですけどね。気絶で戦闘不能という事もあるでしょうし。

ロイド:まぁ、どっちにしろ覚悟はしてるがな。戦争やってるんだ、死人は出るさ。

アルト:ともあれ、この護衛部隊を突破することが先決だ。リザレクションをするにしろ何をするにしろ、この場で勝たねば話にならん。

イクス:正論っすね。

GM:では、続きと参りましょうか。この護衛部隊を突破できるかな、冒険者達よ!!
 

◇戦争フェイズ◇
 
▽ロイド隊▽
 
ロイド隊:57
VS
護衛部隊:56
 
57-56=1

ロイド隊勝利
護衛部隊戦力値:189→188

 

ネリネ:ギリギリ優勢という所ですね。

ロイド:戦闘フェイズで削って行くしかねぇな。部隊同士での戦闘はほぼ五分なわけだし。

プリス:とはいえ、戦闘フェイズが過酷過ぎると、今度はアウグスト戦で戦う余力が残らなくなるのも厄介だね。

ロイド:その辺は戦いながら考えるしかねぇな。辿り着けなければ終わり、辿り着いても戦う力が残らなければ終わり……難しいもんだ。

GM:さて、それでは貴方達の進撃を防ぐように、敵戦力が立ち塞がります。前衛にヒルジャイアントを配して、後衛にバジリスクが2体ですね。

プリス:参ったねぇ、敵の護衛部隊の指揮官……ドレイクバロンがまだ残ってるから、もう一回は戦闘がある筈なんだけど。

ロイド:……これ以上プリスを消耗させるのも不味いか。

プリス:投石で良ければ援護するけど。(一同笑)

アルト:……まぁ、期待せずに期待しておく。(一同笑)

シルフィ:ええい、次から次へと厄介な……そこをどきなさい、この、えーと、バーカ!!(一同爆笑)

ネリネ:マスター、もう少し気の利いた罵声を叫びましょう!(笑)

GM:……始めますよー?(笑)
 

◇戦闘フェイズ◇

◇向日葵兵団VSヒルジャイアント+バジリスク×2◇

▽ラウンド1▽
 

プリス:(ダイスを振る)お、先手取ったり。こっちからだね。

ロイド:っしゃ、まずは目の前のヒルジャイアントか。

プリス:どうする?僕が最大火力を行使すれば排除出来ると思うけど。

GM:その場合、アウグスト戦に向けて弾が残りませんね。

プリス:そうなんだよねぇ……。

ロイド:なら、まず俺が全力でヒルジャイアントを殴ってみる。それでHP減らしたら、お嬢やアルトの攻撃で倒せる筈だ、多分。

アルト:バジリスクどもは1ラウンド目は変身で終わるしな。ロイド、任せる。

ロイド:っしゃ、踏み込んでヒルジャイアントの上半身に攻撃。クリティカルレイ、Aランク起動!!≪魔力撃≫!!

GM:おっと、ヒルジャイアントは≪大きい≫という特殊能力がありますからね。コア部位である上半身の回避は+4されて22ですよー。

ロイド:(ダイスを振る)命中24。(一同爆笑)

イクス:(爽やかに)うん、旦那の命中がおかしくなってる!(一同笑)

ネリネ:第一話では命中の低さに悩まされていた人と同一人物には見えませんね…(笑)。

ロイド:で、ダメージが……(ダイスを振る)…お、出目8。クリティカルレイ効果で回った。

GM:ギャース!!(一同爆笑)

ロイド:ダメージ、弱点込み47点だ!!

GM:うわ、防御力引いてもめっちゃ痛い!

シルフィ:そこにリーンフォースをAで使いつつ、エネルギーボルトを撃ち込みます!(ダイスを振る)達成値20、ダメージは19点です!!

GM:うわ、ヒルジャイアントがこうまであっさり……プリスさんも動いてないのに!!

アルト:残ったのはバジリスクが2体……人間形態の間に倒したいが、、一瞬での撃破は厳しいか。

ネリネ:まぁ、厳しいでしょうね。プリスさんやアルトさんが温存を考えなければ可能でしょうが……。とりあえず今回は、ある程度の距離まで近づいておきますか。
 

 しかし、ネリネは接近のみ。乱戦エリアを構築せず、3mくらいの距離で足を止めます。
 アルト、プリス、イクスもMP温存の為に待機を選択した為、状況は動かず。一応、プリスとアルトは移動だけはしていましたが。
 結果として、このラウンドの裏にバジリスクは無事変身に成功します。

 

GM:ふははははー!強いぞー!かっこいいぞー!!

ロイド:チッ……たかが石蜥蜴が、調子に乗るなよ。

イクス:長期戦になると、魔法無しでも十分な破壊力を出せるロイドの旦那が主力になりますな。

シルフィ:短期決戦だと私やプリスさんなんですけどね。
 

▽ラウンド2▽
 

ロイド:さて、バジリスクどもの行動の前に、最低でも1体は仕留めておきたいところだが。

プリス:その前に、各々の継戦能力の確認と行こうか。アウグスト戦まで戦力は残しておかないといけないし。

シルフィ:前回の私みたいにラストでMP切れとか、笑い事にもなりませんからね…(笑)。

プリス:後にして思えば、あれはあれでアリだった気もするけどね。
 

 さて、ここでPC達は相談タイム。
 『イリュージョン』でMPを損耗したアルトと、弾薬が足りないプリスは継戦能力的にこれ以上無理をしたくない状況です。
 イクス、シルフィはMPは半分くらい。
 ロイドはMPは0ですが、槍一本あれば十分戦えます。ネリネもロイド以上にMPに依存しない純粋戦士なので、問題無し。
 結果、まずはアルトとプリスを除く面々でどうにかしようという話になり、まずは基礎魔力14からシルフィがファイアボール。
 出目4ですがそれでも抵抗を抜く辺り、立派に悪魔。
 その火力で削れたバジリスクAのコア部位に、ピンゾロ以外で当たるロイドが魔力撃を叩き込んであの世に送ります。

 

イクス:うーわぁー、お嬢と旦那のコンビがますます洒落にならなく…。

ロイド:くくく、撃墜スコアを数えるのも面倒になってきたぜ(笑)。

ネリネ:Bには18点ですが、倒れます?

GM:いえ、残念ながらその程度では倒れませんね。

イクス:ちっ、残り推定18点……俺の火力では倒せませんね。

シルフィ:どうします?反撃を甘受しますか?

プリス:いや、さっき拾っておいた石を投げつけてみる。(ダイスを振る)命中19、ダメージ13点!!

GM:あいたっ!?う、5点抜けて来た…。

イクス:お、これなら行けるか?フォース……いやさ、ゴッドフィスト捻じ込みます!(ダイスを振る)んー、『ラック』使いましたが抵抗抜いて、ダメージは14点っす!!

GM:うげ、それでバジリスクBも撃破されました……。

ロイド:っしゃあ!またもや敵に行動させる前に終わらせられたか。

GM:……行動させろよ。

シルフィ:いやプー。(一同笑)
 

◇更新フェイズ◇
 

 さて、PCを損耗させる事が目的なので敵はそれほど強力な相手を出していませんでしたが……それにしたって行動する前に終了が連発とか、PCの戦力強化が著しいです。
 ……少なくとも部位数合計ではPC達を上回る相手を出しているのですが。
 ロイドの攻撃が格下相手には必中レベルになっているのが大きい気がします。強化魔力撃恐るべし。
 それでもイクスやシルフィのMPは削っているので無駄ではないのですが。
 ……設定的に大物の敵を出せないのが苦しいですね。
 アウグスト軍にバルトロ以外のオーガバーサーカーやら、クレイナ以外のヘルスキュラが居るのもおかしな話ですし。
 ともあれ―――
 

▽戦闘フェイズの結果▽
 
護衛部隊戦力値:189→115

▽人族側被害▽
ロイド隊戦力値:178→167
護衛部隊の戦力値の1割(11)のダメージ。

▽蛮族側被害▽
護衛部隊戦力値:115→80
ロイド隊の戦力値の2割(35)のダメージ。

 

◇戦力表示:人族◇
 
・ロイド隊
指揮官:ロイド・クラリクロイツ
兵数:27
戦力値:169
指揮能力:9
戦力ダイス:17
重要NPC:レオルグ ラムゼイ
特殊能力:『不屈』@戦争フェイズで敗北した場合、更新フェイズで自軍が受けるダメージを『敵軍の戦力値の20%』から『15%』に減少する。
 
◇戦力表示:蛮族◇
 
・アウグスト護衛部隊
指揮官:ドレイクバロン
兵数:8
戦力値:80
指揮能力:6
戦力ダイス:10
特殊能力:無し

 

アルト:……押せ押せだな。

GM/レオルグ:「いや全く。ここまで上手く行くとは思っていなかったよ。護衛部隊ってのはこんなに脆いもんなのかい」 と、多少負傷しながらも、貴方達に付いてきているレオルグの言葉です。

GM/ラムゼイ:「敵が弱いんじゃねぇ。こいつらの突破力が出鱈目なんだよ」 と、それにラムゼイが返していますね。

ロイド:それも無いとは言わんが、やはりこれは奇襲の効果だ。指揮系統が働かないなら、軍なんてこんなもんだろ。特に力で下を従えている、蛮族の軍みたいなタイプはな。

GM/レオルグ:「……その心は?」

ロイド:上が下をしっかりと統率しているが、逆に上が指示を出さねば軍としての力を発揮できないというタイプって事さ。逆にある程度の裁量権を持たされてると、上手く対応してくるんだろうがな。ましてや、こんな密集地に小勢が割り込んでくるなら尚更だ。大軍の利は薄れ、敵は戦力を小出しにして来る羽目になる。

イクス:確かにさっきの戦闘フェイズ2回の敵が、纏めて来てたらヤバかったっすよね。

ロイド:そういう事。アウグストがこっちの指揮をとれば俺らもヤバくなるんだろうが、そしてそのアウグストは、眼前のサイヴァリアやガレッガ老の突撃の相手で俺達どころではない。故に上手くいく。―――それが即ち、“虚”を突くという事だ。

GM/ラムゼイ:「……戦場に不慣れな奴の台詞じゃねェな。どんな教育をしてたんだ、お前の師匠は」

ロイド:結構スパルタだった気もするなぁ。まぁ、これが初の指揮だ。至らないところも多いだろうが、そこはフォロー頼むわ、ラムゼイの親分。

GM/ラムゼイ:「ふん……一番キツい所はお前らが持ってくれてるからな。報酬分よりは随分楽させて貰ってるさ」

ロイド:そいつぁ良かった。さて、護衛部隊を突破できるまであと少しだ。足止めるなよ、野郎ども!

シルフィ:戦争フェイズは今回で多分最後ですね。押し込みましょう!!
 

◇戦争フェイズ◇
 
▽ロイド隊▽
 
ロイド隊:51
VS
護衛部隊:37
 
51-37=14

ロイド隊勝利
護衛部隊戦力値:80→64

 

イクス:押し切れそうですね!

GM:はい。敵も次々と討ち取られ、もう数えるほどの人数になっていますが……貴方達の突撃を防ぐように、ゴーレムを従えたドレイクバロンが立ち塞がります。

ネリネ:敵部隊の隊長ですね。

シルフィ:すいませーん、そこを通してくださーい!!(一同笑)

アルト:なんという気の抜けた降伏勧告だ(笑)。

GM/ドレイクバロン:「おのれ、人族風情が……ここは通さんぞ!!」 と、こちらはやる気ですね(笑)。

ロイド:押し通る……ッ!ここを突破すれば、敵本陣は目の前だ!!

GM:ええ、ゴーレムやドレイクバロンの向こうに、本陣を示す大きな旗がありますね。

プリス:GM、敵の構成は?

GM:欠片込みドレイクバロンを後衛に、前にアイアンゴーレムが1体です。

シルフィ:ぬぁ……欠片持ちとは流石に護衛隊長。ロイドやアルトさんが一山幾らで潰してたドレイクバロンとは違いますか。

ロイド:ちっ……面倒な。

GM:何とでも言ってください。流石にこれは、1ラウンドでは倒し切れないでしょう?

アルト:だな。……プリステア。流石に温存とも言ってられなくなってくるぞ、これは。

プリス:はぁ……仕方ないね。やるだけ、やってみようか。
 

◇戦闘フェイズ◇

◇向日葵兵団VSドレイクバロン+アイアンゴーレム◇

▽ラウンド1▽
 

イクス:(ダイスを振る)おっし、先手取ったりぃ!!

プリス:取ったのは良いけど、ここからどうするかだよね。流石にアイアンゴーレムは1ラウンドで抜けられる壁じゃないよ。僕やアルト君が温存を捨てれば別だけど……。

ロイド:……そこは任せる。ここを抜けないと、アウグストには辿り着けないんだ。

シルフィ:とにかく、弱点も抜けた以上はゴーレムに一番利くのはエネルギー属性攻撃。ロイドにAでヴォーパル使いつつ、2倍拡大エネルギーボルトです。5点の魔晶石を割って、ブチ込みますよ!!(ダイスを振る)…ぐっ、達成値18……。

GM:それは抵抗してますねぇ。

シルフィ:ぐぅ、左右の半身に11点ずつです。アイアンゴーレムは抵抗力高いから嫌いです。

アルト:チッ……ここで手間取るわけにはいかん。ロイドにバークメイルをAで使いながら、スパークを発動!焼き払う!(ダイスを振る)よし、達成値22!ダメージは右半身に16点、左半身に15点だ!!

プリス:……全弾はここじゃ使えない。けど、3発までなら!ショットガンバレット、二連射!(ダイスを振る)ダメージ、右半身に16点と17点!左半身に13点と16点!!

GM:ふむん?一気にきましたね。これで左半身が壊れましたが……。

プリス:うん、僕はもう色々限界が見えてる。アウグスト戦では最初の一手以外には何も期待しないでね。(一同笑)

ネリネ:では、ガタガタになったアイアンゴーレムにトドメを刺します。(ダイスを振る)……命中はしましたが、ダメージが16点……。

GM:あ、それ装甲で止まってます。

ネリネ:くっ……申し訳ありません、仕留め損ねました。

イクス:しゃーないっす。ここはフォースを叩き込みますよ!(ダイスを振る)抵抗されて、半減で6点っす。

GM:それでも倒れてるんですよね。ゴーレムは力尽きて崩壊します!

ロイド:っしゃァ!では、変身前のドレイクバロンの所まで走り込む!魔力撃だ!!

アルト:どうせ倒し切れないんだから、防御面の落ちる魔力撃は要らないのではないか?

ロイド:うーん、変身するならHPを減らしても無駄なのは分かるんだがな。こいつ、欠片補正でHPが98もあるから、GMもこのラウンドに変身するかどうか分からないんだよ。ていうか俺がGMなら、このHPに任せて1ラウンド耐えて人間形態での反撃を選択する。

GM:ぎくっ。

ロイド:嫌らしいバランスなんだよな……俺らが全力を絞れば、人間形態なら次のラウンドで撃破は可能なんだよ。その場合、アウグスト戦への余力を使い果たすが。

プリス:逆説、アウグスト戦に余力を残すなら……1ラウンドキルは出来ないから、敵は耐久力を活かして人間形態で1,2ラウンドは粘れると。

ロイド:そう言う事。……まぁ、アレだ。そういうわけなんで、削っておいて損は無い。魔力撃―――(ダイスを振る)げ、当たったのは良いがダメージでピンゾロ!?

シルフィ:…ああ、さっきまでの活躍の反動が……(笑)。

GM/ドレイクバロン:「…抜かせぬよ、人族!!」 と叫んで、ドレイクバロンはロイドさんの槍を剣で受け止めます!

ロイド:まぁまぁ強いじゃねぇか……それでこそだ!!

GM/ドレイクバロン:「ほざけェ!!」 ではドレイクバロン、ビートルスキンとキャッツアイを起動しつつ、≪魔力撃≫で斬りかかります!命中20ですね。当たればダメージ30点。死ねェ!!

ロイド:チィ……!かなり削られた……。

イクス:うわぁ、アウグスト戦で余力なしってのは勘弁っすよ、旦那!!

ロイド:敵に言え!こいつ、かなり強ェぞ!!
 

▽ラウンド2▽
 

シルフィ:……うーん、人間形態の内に削るべきか、ロイドに任せるべきか……。とりあえず、ネリネにもAでヴォーパルをかけておきます。(思考中)……うん駄目だ、ここは私はMP温存行動に走ります。『スティール・マインド』でMP吸収活動開始!!

GM:うざっ!?そういえばそんな魔法がありましたっけ!?

シルフィ:相手にMPダメージを与え、自分のMPを回復する魔法です。……ちょっとさっきまで存在忘れてましたが。(一同笑)

アルト:……それがあれば、もう少し楽に……(笑)。

シルフィ:あーあー聞こえなーい!!(ダイスを振る)よし、MPダメージ15点。私のMPが5点回復します。魔法の消費分考えて、差引4点!

GM:うざっ!!

ネリネ:……さて、ロイド様。こうなれば、私と貴方でここは押しこむしかありません。これ以上後衛を消耗させては、ここから先がもちません。

ロイド:……チッ、了解!

アルト:私は5m前に出て、他の後衛に対する壁になっておくか。ついでにネリネに、Aでバーク・メイル。

ネリネ:ありがとうございます。では、ダッシュでロイド様とドレイクバロンのエンゲージに介入。≪かばう≫を使いつつ、ドレイクバロンに斧で斬りかかります。(ダイスを振る)当たって、ダメージ22点!

ロイド:助かる、ネリネ!もう一発≪魔力撃≫だ!クリティカルレイ、Bランク起動!(ダイスを振る)当たりでダメージ37点!!

GM:ほう……流石に痛いですね。

プリス:投石!ダメージは13点!(一同笑)

ロイド:このレベルになって石投げてるシューターなんて、俺他に知らねぇよ!!(一同笑)

プリス:僕だって知らないよ!!(笑) ええい、弓買う!これ終わったら、僕は絶対にロングボウを買ってやる!!(一同笑)

GM:一応1点食らったから、無駄じゃないんですけどね(笑)。

プリス:よし、硬い石持ってきて、硬い石!!(一同笑)

ネリネ:薄くて平べったい、軽い石が良いんでしたっけ。(一同笑)

プリス:君は水切りでもやる気なの!?(笑) 重くて鋭くて硬い奴!!(笑)

GM:ふむ、行動は以上ですか?なら、こちらの反撃!ネリネさんに攻撃しつつ、≪マルチアクション≫からドレインタッチ!!

ネリネ:げっ、敵のHPが回復するんですか!?

GM:アルトさんのお得意の戦術ですよォ!!命中20で、魔法達成値17です!

ネリネ:(ダイスを振る)…くっ、両方ともモロ食らいです。

GM:ならダメージ17点と、魔法が13点!

ネリネ:ダメージは大した事ないんですが……回復されるのがウザい…。

ロイド:野郎、削り合いを挑む気か!?

GM:ふっふー。消耗させてくれるわぁ!!
 

▽ラウンド3〜4▽
 

 そして3ラウンド目。
 ロイドとネリネとプリス(投石)はドレイクバロンに攻撃。シルフィは『ポイズンニードル』の賦術でそれを援護します。
 賦術は自動抵抗されるも、『抵抗:短縮』なのでドレイクバロンの行動終了の度にダメージを3点与えるシルフィ。ついでにMPの吸収を続け、抵抗されるもやはり差引4点のMPを回収しています。
 そして、3ラウンド目の投石で1点ダメージを与えるプリス。
 地味に削り続ける彼女達の努力に乾杯。
 ネリネの攻撃は回復分を相殺しきれるか否か程度のダメージ。主砲のロイド、クリティカルレイ効果を以てしてもクリティカルが出ず不調です。それでも36点とか叩き出す辺り、十分鬼ですが。
 流石に下手をすると落とされる領域になった為、第3ラウンドの裏にドレイクバロンは変身。
 竜形態になり、これまで受けたダメージを消し去ります。

 そして4ラウンド目、変身したドレイクバロンに対し、シルフィが牙を剥きます。
 

シルフィ:MPの素!私のMPの素!!(一同爆笑)

ロイド:ドレイクバロンをMPの素扱いすな!?(笑)

シルフィ:3倍拡大、スティールマインドです。(ダイスを振る)…達成値は18で抵抗されましたが、MPダメージを与えると同時に各部位の最大MPの1割のMPを回復します。3点使って、10点吸う!!(一同笑)

ネリネ:ああ、マスターの顔に生気が満ちる…。(一同笑)

シルフィ:ふふふ、いざ、南無三―――ッ!!(一同笑)
 

・いざ、南無三。東方星蓮船の6ボス、聖白蓮の決め台詞。
・正確にはその少し前からの一連の台詞で決め台詞だと思われるが、そっちは数パターンあるので割愛。
・ロイドとアルトの両PLは人気投票で白蓮姐さんに投票していたらしい。15位おめでとうございます。

 

シルフィ:このまま長期戦に持ち込めば、MP全快も夢じゃありませんねぇ。

ロイド:つっても、お嬢が幾らMPを吸っても出来るのは攻撃だけだからな。回復に関しては期待できねーし。

プリス:そうだね……ドレイクバロンとの戦闘が長引くと、アウグスト戦での回復がキツくなってくるか。

シルフィ:う、なるほど。それは確かに。回復に使えるファクターは限られてますしね。

イクス:俺、アルトの兄貴、ロイドの旦那のMPだけが頼りですけど、どれもこれも限界目の前ですからねぇ。とりあえず、俺はロイドの旦那とネリネの姐さんにキュア・ウーンズ!(ダイスを振る)12点ずつ回復ですぜ。

ロイド:すまんな、助かる。

イクス:なんの。けど、余り長くはもちませんぜ。

ロイド:となると、一気に本体を落とすべきか……。已む無し、魔力撃を叩き込む!!(ダイスを振る)…命中25だけど避ける?(一同笑)

GM:貴方は何と戦うつもりですか(笑)。避けられるわけありません、当たりますよ。

ロイド:おっしゃ!(ダイスを振る)お、クリティカル。49点ダメージだ!!

GM:ぶっ。

プリス:ああ、これは流石にドレイクバロンでも痛いだろうね……(笑)。

イクス:むしろ、あれが痛くないモンスターを相手にするなら帰りますよ、俺は(笑)。
 

 しかし、ロイドの攻撃は大ダメージを与えるものの、ネリネは盛大に攻撃を外します。プリスの投石はダメージダイスがふるわず、実ダメージ0。
 更にドレイクバロン側の反撃で、練技を使いながらネリネに噛みつきとドレインが。ロイドに羽での攻撃が2発飛びます。
 結果、ネリネは25点の物理と14点の魔法ダメージを食らい、ロイドは16点と17点の物理ダメージ。
 イクスの回復した分以上に削られています。

 

ロイド:いってぇ……HPが3/4にまで減ってる。

ネリネ:私もそれくらいですね。ですがそれ以上に、回復されるのが面倒です。

GM:削り合いに持ち込めば……長期戦になれば次のアウグスト戦が有利になりますからね!!

ロイド:忠臣だなぁ、こいつ。……だが、それ故に腹立つ。こいつといいバルトロと言い、これだけの忠臣を擁しながら……アウグストはそれを扱いきれていなかったようにしか思えん。

プリス:まぁ……戦力では明らかにアウグスト側が上だったものね。上手くやられてたら多分、ブルデが落ちてた。

ロイド:まぁ、上手くやられてたらそれはそれで困った事になってたんだろうけどな。人材を使いこなせない上司というのは、何というかムカツク。

プリス:君らしいというか何と言うか。同じ指揮官型として許せないってところかな?

ロイド:かもな。……まぁ、その怒りをぶつける為にも、こいつを排除しないとならんわけだが。

シルフィ:粘ってくれますね……厄介というか、何というか。
 

▽ラウンド5〜6▽
 

 第五ラウンドの展開も、第四ラウンドとほぼ変わらない削り合いです。
 シルフィがMPを差し引き7点ばかりドレインし、ロイドとネリネがドレイクバロンのコア部位に近接攻撃。ロイドはクリティカルこそしないものの、35点のダメージ。ネリネは23点のダメージを与えています。
 アルトは観戦、プリスは投石するもダメージ無し。
 イクスはキュアウーンズで、ロイドとネリネのHPを微妙に癒しています。
 そしてドレイクバロンは先程と同じ振り分けで反撃。しかし物理攻撃は全弾命中したものの、ネリネがドレインタッチを珍しくレジスト。
 僅か7点の吸収に被害を抑えます。

 

イクス:これは好機っすね。押し込みましょう。

シルフィ:敵のHPも、推定43まで落ちて来ています。吸った分のMPがあるから、かなりチャージ出来てますしね。私も攻撃に参加しましょう。

ロイド:助かる!じゃあまずイクス、回復を!

イクス:あいやさ。キュア・ウーンズ2倍拡大!(ダイスを振る)うし、旦那と姐さん、16点ずつ回復してください。
 
ロイド:っしゃ、ほぼ全快!

ネリネ:ではまず、私から行きましょう。斧を構えて突撃します。(ダイスを振る)駄目でした。(一同笑)

ロイド:……いや、良いけどさ別に(笑)。

シルフィ:まぁ、そこは私がフォローしましょう。エネルギーボルトを捻じ込みます!(ダイスを振る)達成値17で抵抗されますが、ダメージは弱点込み10点です!!

GM:うわ、それは痛い!!

ロイド:そこに魔力撃!(ダイスを振る)当たって、ダメージ37……くっ、残したか!!

GM:そうですね。12点残して生きてます!

プリス:仕方ないね。そこにソリッドバレット。(ダイスを振る)…うん、当たってダメージ15点。それで終わりだね?

GM/ドレイクバロン:うぐぅ……まぁ、これだけ消耗させたんですから、良しとしましょうか。 『ぐっ……だが貴様らも……ここで終わりだ…』 と、言ってドレイクバロンは倒れます。 『アウグスト様……我らの仇を……』

ロイド:……その言葉を聞いて、槍を肩に担ぎ直す。 ……悪いな、やらせねぇよ。こっちだって、色々あって戦ってんだ。

GM:お見事でした。それでは、最後の更新フェイズに行きましょうか。
 

◇更新フェイズ◇
 

▽戦闘フェイズの結果▽
 
護衛部隊戦力値:64→12

▽人族側被害▽
ロイド隊戦力値:167→166
護衛部隊の戦力値の1割(1)のダメージ。

▽蛮族側被害▽
護衛部隊戦力値:12→0
ロイド隊の戦力値の2割(33)のダメージ。
部隊壊滅。

 

ロイド:抜けた…!

GM:ええ、貴方達がドレイクバロンを仕留めると同時、未だ展開していた他の蛮族を傭兵達が倒し終えます。貴方達から数十mの距離で、天幕が敷かれた敵本陣が見え……そこに立っていた青年が、貴方達の方へ向き直った所です。

アルト:……あれがアウグスト、か……?

ネリネ:でしょうね。前後の状況から考えまして。

ロイド:…っし!ラムゼイ、レオルグ!お前らは敵本陣を迂回!前線から敵が本陣に戻って来ないように止めてくれ!

GM/ラムゼイ:「分かった!……しくじるんじゃねぇぞ、小僧!」

ロイド:黙って待ってな、大将首を拝ませてやるからよ!!

シルフィ:それでは向日葵兵団、突撃です!参りましょう!!

プリス:あ、ついでに4点の魔晶石をイクス君に渡しておくよ。僕は弾切れでこの魔晶石を使い切る前に行動不能になるし。

イクス:あいさ、では有り難く預かっておきます。

シルフィ:あ、じゃあ私もMP回復したんで、この6点の魔晶石をアルトさんに渡しておきます。上手く使ってくださいね。

アルト:助かる。……さて、いよいよ最後か。どうなる事か…。
 

◆向日葵の旗◆
 

GM/アウグスト:では、天幕の横……大きな旗を立てたアウグスト軍の本陣には一人、角を生やした姿の青年が剣を片手に立っています。 「……来たか、忌々しい人族」

ロイド:来たぜ、蛮族軍の総大将。

GM/アウグスト:その言葉に、アウグストは鼻を鳴らすような笑みを浮かべます。 「……考えれば考えるほど、忌々しい奴らだ。貴様らが……我が軍の策の悉くを破った人族どもだな?冒険者―――“向日葵兵団”などと言ったか」

シルフィ:…ご存知でしたか。名が知れ始めてる……のかなぁ?

GM/アウグスト:「まだまだだ。……だがまぁ、我を撃破すればさぞや名が知れるぞ?道化を演じさせられているとはいえ、私とて名が知れたドレイクの貴族だ」 自嘲するような笑みのまま、片手に持った剣を弄んでいるアウグストです。

イクス:……道化…?

GM/アウグスト:「これを道化と言わず何と呼ぶ。策の悉くを貴様らに破られ、消えゆくだけの敗軍の将―――付き従ってくれた部下すら、悉くを死なせた愚か者だ」

ロイド:……ならば、途中で退けば良かっただろうが。内通作戦が失敗した段階で、まだバルトロやさっきのドレイクバロンだって残っていた。飛行船だってあった。まだ幾らでも再起が利いただろう。

GM/アウグスト:「それが出来んだけの理由があったとすれば?」

ロイド:……あぁ?

GM/アウグスト:「我が今回率いた戦力には、我の直接の部下ではない者も居た。それはどこから、どういう条件で借りて来たと思う?」

プリス:……スカーレットテーブルから借りた戦力。そして同時に、それを借りる条件として……ここで失敗したら後が無くなる類の条件を飲まされていた?

GM/アウグスト:「正解だ。エーレンベルクと賭けをした、と言うべきか。戦力と資金を貰い受ける代わりに、もし我がここでブルデ攻略に失敗すれば、我の領地は奴の物となる」

ロイド:……受けるなよ、そんな条件。

GM/アウグスト:「そう言うな。……いや、我の見通しが甘かったのだろうがな。少なくとも我は貴様ら人族を殲滅し、要塞を抜くだけの戦力を揃えたつもりだった。貴様らが居なければな」

シルフィ:(胸を張って)えへんぷい!(一同爆笑)

イクス:うわぁ、すげぇ勢いで緊張感が掻き消える!!(笑)

ロイド:作戦が失敗した以上、あんたが選んだのは……可能な限りブルデの戦力を道連れにするという選択か。

GM/アウグスト:「そうだ。せめて我が名に恥じない戦いを見せつけてやろうとな」

ロイド:……ッざけんな。

GM/アウグスト:「……なんだと?」

ロイド:領土を取られる?それがどうしたよ。テメェにゃテメェに付いて来てくれる部下って財産が居ただろうが。退いて領土を失っても、まだ幾らでも再起が利いただろうが。それを巻き込んでまで、どうして無茶な負け戦をしやがった!!

GM/アウグスト:「……ふん。貴様には誇りは無いか。……生き易いものだな、羨ましいよ」 と、どこか本当に羨ましそうにアウグストは呟きます。

アルト:……相容れん主張だな。『誇り』を取るアウグストと、『仲間』を取るロイドか。

GM/アウグスト:「そうだな。少なくとも、そこな人族の語った生き方は我には出来ぬ。だが、我の生き方もまた、そこな人族には出来ぬだろう」

ロイド:どっちが正しい、間違ってるじゃねぇよな……。多分、互いの生き様とか……大事な物の差だ。

GM/アウグスト:「そうか。そうだろうな。……人族、貴様の名は」

ロイド:……ロイド。ロイド・クラリクロイツ。

GM/アウグスト:「覚え置こう。我に説教をした、酔狂な人族の将とな」

ロイド:将なんて身分じゃねーよ。冒険者にして、デュボール貴族の従者の出だ。

GM/アウグスト:「……勿体無い。貴様の将器ならば、もし部下として我に仕えていれば――――いや、言うまい。くだらぬ問答はここらで仕舞いだ」

ロイド:そうだな。その仮定には意味は無いし、お互い敵だ。……思っていたほど嫌いなタイプじゃなかったぜ、アンタ。

GM/アウグスト:「ふん……お互い様だ、ロイド・クラリクロイツ。少なくとも我は、貴様らを高く評価している。……ここで貴様らを倒せば、胸を張って部下の元へ逝けると思う程度にはな!!地獄への道行き、付き合って貰うぞ!!」 と、アウグストは手の中で弄んでいた剣を正眼に構え直します。

ロイド:そいつは残念、地獄へは一人で行きな!この戦、三途の川も大混雑だ!テメェと乗り合いで三途を渡るなんざ、まっぴら御免だね!! 槍を構え直して、対峙する!!

GM:さて、それではブルデ篇のラストバトルと参りましょうか!敵はドレイクバイカウント、アウグストです!!

シルフィ:皆さん、気合入れていきますよ!!

一同:おうっ!!
 

◇向日葵兵団VSアウグスト◇
 

 長かった……本当に長かったですが、漸くここまで辿り着いたブルデ篇のラストバトルです。
 敵はドレイクバイカウントのアウグスト。
 単独ですが現状でのPC側の消耗具合に加えて、多くの剣の欠片を持つ為に耐久力は十二分。
 自身が敗軍の将である事を悟っていますが、一人でも多くを道連れにする気満々です。

 広義では第九話から始まっていた、ブルデを巡る攻防戦。
 トリーシャに至っては死亡したこの一連の戦争の最終決戦が、始まりました―――
 

▽ラウンド1▽
 

イクス:いやしかし、ああいう言い合いをやらせると旦那は本当に映えるっすねぇ。

アルト:というか、得意なんだろうなこいつは。PLレベルで、ああいう言い合いが。

ネリネ:これは本当に、騎士とか将を目指すのもありなのではないでしょうか。敵にまで認められてますよ、ロイド様。

ロイド:……考えとく。それよりイクス、イニシアチブ頼む。

イクス:あいやさ。(ダイスを振る)えーと、出目4で14。≪運命変転≫を使って、先手にします!

プリス:よし、ナイスだよイクス君!……人間形態のうちに倒せればいいんだけど、それは多分無理だよね。

ロイド:まぁ、十中八九不可能だわな。HPも150越えてるし。

シルフィ:硬いですよねぇ……まぁ、地道に削って行きますか。

GM:で、距離は10mばかりです。どうしますか?

イクス:まず俺っすね。3m前に出つつ魔晶石を潰して旦那と姐さんにセイクリッドシールド。そしてバトルソングを歌い始めます!!―――以上、俺のラスボス戦終了。(一同爆笑)

シルフィ:早くもですか!?(笑)

イクス:ガス欠っす。もう煙も出ません。(一同笑)

シルフィ:早っ!!(笑)

プリス:で、僕か。ソリッドバレット、4連射!!(ダイスを振る)イクス君の援護もあって、命中は17基準で23、24、26、21……最後は外れる所を、器用度増強の指輪を割って23!!

GM:む、それは流石のアウグストでも避けられませんね。全弾当たります。

プリス:ダメージは18、17、20が2回。……くっ、一度もクリティカルせずか。期待していたんだけどね。

GM:ぐあ、流石にデカい。一瞬でアウグストのHPが半分近くまで削れましたよ。

プリス:そして弾切れ。もう煙も出ません。(一同爆笑)

シルフィ:1ラウンド目から戦力が激減しました!!(一同爆笑)

ロイド:分かっちゃいたが、ここまで疲弊していたか……(笑)。

プリス:ふふ…………無念、だね。ここまでなんて……。(一同笑)

ネリネ:まだ貴方には投石があるではありませんか。

プリス:投石でどうやってドレイクバイカウントにダメージを与えろと!?(笑) ……あ、いや。バトルソングの効果があるから、あながち間違いと言うわけでも無いのかな。運が良ければ、1,2点のダメージなら期待できるのか。

ロイド:お前、本当に地道に出来る事をやるよな(笑)。

プリス:君やシルフィが派手だからね。まぁ、バランスの面では悪くないでしょ。

シルフィ:じゃあ、その派手な私ですか。とはいえ長期戦を見越すと、無駄撃ちは出来ませんね。バーク・メイルのSをロイドにかけて、エネルギーボルトを飛ばします。(ダイスを振る)22ですよー!

GM:それなら同値抵抗ですね。

シルフィ:くっ、久しぶりですね……出目8を出しても抵抗が抜けないなんて。ダメージは9点です!!

GM:いたたた。けど、まだ平気ですよ。

アルト:で、私か……そうだな、3m前進しつつネリネにバークメイルのAをかけて、前衛二人にプロテクションIIだ。

ロイド:助かる。これで俺とネリネは防御系賦術や魔法でガチガチに固められたな。

ネリネ:20点以上止める要塞になってます、今の私。

ロイド:そいつは重畳。じゃあ、突撃するぞ!!突っ込んでクリティカルレイ込みの≪魔力撃≫! ―――ロイド・クラリクロイツ、推して参るッ!!(ダイスを振る)命中26!!

GM:…貴方は何と戦う気だってレベルの命中ですね。当たります!

ロイド:(ダイスを振る)ダメージ、クリティカルで48点!!

GM:あたた……流石に効きますね、ロイドさんの攻撃は。

ロイド:むしろこれが効かなかったらどうしろと。(一同笑)

ネリネ:で、私もビートルスキンを使いながら乱戦エリアに突入します。≪かばう≫をロイド様に使用しつつ斧で攻撃。(ダイスを振る)…20、外しました。

GM:(ふむ、どうにかなりましたね…)
 

 このアウグスト戦、一番怖かったのは向日葵兵団お得意の火力集中により、アウグストが1ラウンドで落ちる事です。
 一応、多分そうはなるまいと計算していましたし、最悪の場合用に予防線は張っておいたのですが……使う必要が無くて何よりでした。
 
 プリスの火力が無くなった以上、向日葵兵団の対単体火力は半減と言っても良い状況です。
 ここから先は純然たる削り合い。
 13Lvモンスターの本領発揮です。

 

GM:では、アウグストはここで変身します。輝く鱗を持った巨大な竜が戦場に現れました。

ロイド:……へっ。ここから本気ってかぁ?

GM/アウグスト:『…ふん。その軽口、いつまで続くかな!?』
 

▽ラウンド2▽
 

アルト:さて、ここから本領だ。―――アルト・ディオスクロイツ、参戦するッ!!クリメイションでコア部位に攻撃!(ダイスを振る)……達成値は24か。

GM:うげっ。それは流石に、アウグストでも抵抗抜けてます。

アルト:ならばダメージ20点!!……流石にこれは効くだろう!?

GM/アウグスト:『……ぐおぉ!?』 アウグストは炎に巻かれています。 『…成程、貴様がロイド・クラリクロイツと共にバルトロを倒したという魔術師か!!』

アルト:アルト・ディオスクロイツだ。覚え置け、アウグスト!

プリス:いやぁ、僕も一応その場に居たんだけどね?……オーガ退治してただけだけど。(一同笑)

ロイド:…援護の弾丸、的を外して味方兵士を回復させたりしてたしな(笑)。

シルフィ:さて、変身された事でエネルギー属性魔法は通じなくなりましたしね……。ここはこの距離から、ロイドに最後のSランクカードでヴォーパルウェポンをかけつつリープスラッシュ!(ダイスを振る)……くっ、23が出たのに抵抗されて10点です。

イクス:お嬢の魔法が抵抗されまくるっていうのも、珍しい光景っすねぇ。

シルフィ:硬い……抵抗力が高すぎます、こいつ!!

GM:竜形態になったおかげで、精神抵抗が23まで上がってますしねぇ。

プリス:(ダイスを振る)…うん、僕の投石とか当たってもダメージ通ってないしね。強いなぁ、アウグスト。(一同笑)

イクス:この緊迫した戦闘の中で投石で頑張るって、すっげぇシュールゥ……。(一同笑)

ロイド:で、俺の行動か。無論強化魔力撃!(ダイスを振る)ぐっ、23…。

GM:お、それは飛行による+1もありまして、回避しました。回避しましたよー!!

ロイド:くそっ、強化された魔力撃にバトルソングがかかっても必中じゃねぇ……こいつ、流石に強いぞ!

ネリネ:ロイド様でそれですから、私は更に絶望的ですね…。とりあえず、≪かばう≫を入れつつ…。(ダイスを振る)うん、20でハズレです。

ロイド:なにげに投石当ててるプリスが凄い件。(一同笑)

プリス:器用度28を甘く見ない事だね!……って言っても、僕じゃダメージ出ないんだけどなぁ。

GM:ふふふ、ではこちらの番ですね?よしよし、予想通りそちらの攻撃能力が激減していますね。ではアウグスト、各々の部位で練技を使いつつ、≪エネルギーブレスII≫!!全員巻き込むように達成値23でブレスを吐きます。半径6mなので、位置を上手くやれば全員巻き込みますよね。抵抗成功すればダメージ半減の、エネルギー属性魔法ダメージ!!

アルト:(ダイスを振る)6ゾロ。(一同爆笑)

ロイド:……何なんだ、お前のそのブレスに対する異常なまでの耐久性は……!!(笑)
 

 とは言え、謎の抵抗力で抵抗成功したアルト以外は全滅状態。
 そら23なんて、基準値11以下のイクス、プリス、シルフィ、ロイド(魔力撃ペナ有り)は6ゾロ以外不可能。ネリネやアルトでも出目10以上ですからね。
 そしてダメージは大きめの27点。アルトは半減で14点です。

 

アルト:ふむ、私はまだ行けるな。

プリス:行けるのは君だけだよっ!君以外の後衛はズッタズタだよ!!(一同笑)

ロイド:前衛も結構痛いぞこれ…。一応、プロテがあるが…。

シルフィ:あうう、私は残りHPが6です。次は何を食らっても倒れますね、多分。

プリス:僕やイクス君も、間違いなく一撃領域だね。今のブレスがもう一度来たら確実に倒れるよ。

アルト:…仕方ない。次のラウンドで、位置取りを少々考えるか。

シルフィ:…うう、エネボが届かないので、火力支援をしようと思ったら10m以内にいないと不味いんですよね。

アルト:とは言え、前に出た私が壁になろうにも……前に出れるのはあと2mだぞ。それ以上は乱戦エリアに踏み込んでしまう。

シルフィ:となると、私とアルトさんの間で取れる最大距離は5m。ブレスが半径6m範囲である事を考えると、やっぱり私は巻き込まれるんですよね。

イクス:バトルソングの効果範囲の関係も考えると、俺もこれ以上下がれないっすよねぇ。

ロイド:もっと声出して歌え!!(一同爆笑)

イクス:それで効果範囲が広がれば苦労は無いわ!!(爆笑)

GM:で、アウグストの両の翼はロイドさんを狙って二回攻撃。一発はネリネさんが≪かばう≫で受けるんですよね。

ネリネ:そうなります。バリアー!(一同笑)

ロイド:出ねぇよ!?(笑) あぁくそ、こっちも回避失敗。

GM:で、ダメージはロイドさんに23点、ネリネさんに25点です。

ロイド:…すげぇ、5点だけしか抜けてこねぇ。

ネリネ:2点だけ貰います。余裕ですね。

GM:……アウグストがスゲェ嫌そうな顔をしました。(一同笑)

アルト:どうやらアウグストの想像以上に前衛が硬かったようだな(笑)。

GM:うーん、やっぱり魔法主体で行くべきですねぇ。

シルフィ:それはやめて!(絶叫)
 

▽ラウンド3▽
 

アルト:さて、こちらの番だが……どうしたものか。

ロイド:何か懸念が?

アルト:回復か攻撃か、だ。もし後衛を狙われた場合、現状では上手くいなす手段が無いからな。瀕死のシルフィを回復すべきか、攻撃に回るべきか。

シルフィ:うーん、そうですね。回復お願いできますか?アルトさんの手が減る分、私が攻撃しますから。

アルト:了解した。では、3倍拡大でイクス、プリス、シルフィを―――

プリス:待った。僕は要らないよ。現状で僕が残っても、戦闘に貢献出来るわけじゃないからね。その分のMPは温存しておくべきだ。

イクス:俺も似たレベルですし、ここはお嬢だけ回復でお願いしますかね。

アルト:…分かった。シルフィとロイドを回復、17点だ。

シルフィ:ありがとうございます、助かりました。そしてここで、ヴォーパルウェポンをネリネにAで使いつつリープスラッシュ!(ダイスを振る)…っし、抵抗抜けた!ダメージは20点!!

GM:あたた……流石に痛いですね、これは。

シルフィ:(完全に素で)これが痛くなかったら、あたし帰る!おうち帰る!!(一同爆笑)

ロイド:落ち着けお嬢、PLの素がだだ漏れだ!!(笑)

シルフィ:はっ!?(笑)

アルト:さて、これでダメージを受けて倒れる事はあれど、即死はあるまい。……最悪、後衛が全員倒れたら……後は頼むぞ、前衛。

ロイド:……その場合でもお前は生きてそうだよなぁ。(一同笑)

プリス:え、アルトの分類って『後衛』なの?僕、普通に『前衛』に数えてたけど。(一同笑)

アルト:酷い話だ、どう見ても普通の魔法使いだろうに(笑)。

ロイド:『普通の魔法使い』ほど信用ならねぇ『普通』は無いんだよ。(一同笑)

ネリネ:まぁ、それはさておき。私は今回もアウグストの本体狙いです。翼はぶっちゃけ、無視して良い程度のダメージしか生みません。

プリス:わぁー、20点オーバーのダメージって無視して良いんだ。初めて知った…。(一同笑)

ネリネ:そこはメイドの神秘というやつです。ともあれ攻撃、今回は珍しく当たってダメージ24点!!

GM:ふむ、こちらもネリネさんの攻撃はさほど痛くありませんね。6点だけ貰います。

ネリネ:くっ……流石に頑丈ですね。

ロイド:だったら俺だ!最後のAランクカードでクリティカルレイ!≪魔力撃≫で命中26!(ダイスを振る)っしゃ、出た!出目9が11扱いになってクリティカル!!(ダイスを振る)もう一丁、出目11でクリティカル!最終ダメージは66点!!

イクス:うわ、えっぐいダメージが…(笑)。

ロイド:エスティア戦で出したダメージには劣るがな。

GM:くっ、これがあるから厄介なんですよロイドさんは!一撃で状況ひっくり返しかねないんですから!!

シルフィ:お見事ですロイド!惚れ直しそうです!!(一同笑)

GM/アウグスト:『……っくく……なるほど、バルトロが負けるわけだ。一撃の威力を最重視した戦い方……これが貴様か、ロイド・クラリクロイツ。―――だが、まだ終わらんぞ!!』 こっちの手番!リカバリィでHPを回復しつつ、≪マルチアクション≫からアシッドクラウドを放ちます!全員巻き込め!達成値は22!!

一同:ぎゃあああああああああああああ!?
 

 ロイドの火力は一気にアウグストのHPを削り取っていますが、アウグストは範囲攻撃で向日葵兵団全体にダメージを与える戦法を選びます。
 放たれたアシッドクラウドは、補助や攻撃の範囲の関係で10m圏内に留まっていた後衛を含め、向日葵兵団全員を巻き込む位置で発動。
 達成値22での魔法に、抵抗したのはシルフィのみ。

 

シルフィ:っしゃー!9点だけ貰います。アルトさんに回復してもらった分が活きてます。これなら倒れません!!まだです、まだ終わりませんよ!!

GM:ダメージは自前で振ってくださいねー。

ネリネ:(ダイスを振る)……(ダイスを振る)……(ダイスを振る)。

ロイド:あの、そこのメイド、無言で振り足しまくってるんだけど。(一同爆笑)

シルフィ:ね、ネリネ?大丈夫ですか?(笑)

ネリネ:一応二回転で止まりました。被ダメージ36点ですね。軽い軽い。(一同爆笑)

アルト:だから、それ級のダメージを軽いと言えるのは貴様くらいだと何度…(笑)。

ネリネ:まぁ、次はユニコーンの角で行動決定ですけどね……単品だとそこまででもないのですが、累積ダメージが馬鹿にならなくなってきています。

ロイド:俺は19点、それを減少して16点と。プロテや回復のおかげで、まだHPが半分以上ある。

プリス:僕は21点食らってダウン。ごめんね、ここまでだよ。生死判定は成功したから、そこらで倒れてる。

アルト:私は20点。まだやれる……次のラウンド辺りが勝敗の分かれ目か。

イクス:(ダイスを振る)……(ダイスを振る)……(ダイスを振る)……(ダイスを振る)。

ネリネ:あの、すいません。そこで私よりも多くダイスを振ってる方が。(一同大爆笑)

シルフィ:ちょっとぉ!?(爆笑)

イクス:えーと、何でしょうかお嬢。俺は今ちょっと死ぬのに忙しい感じっすが。(一同爆笑)

GM:え、何それ……三回転?四回転?

イクス:三回転っす。流石にそこで止まりました。

ロイド:……どちらにしろこのキャンペ始まって以来の最大級クリティカルだな。何点よ?

イクス:えーと、かるーく40点っすね。(一同爆笑)

アルト:……おい、生きてるかそれ?

イクス:うーん、HPが……−21?生命力抵抗が11っすから、出目10以上で生存っすね。

ロイド:……えーと、大丈夫かそれ?

イクス:(ダイスを振る)……兄貴は戦闘開始前に聞いてました。俺が「へへっ……俺、この依頼が終わったら故郷の家族に仕送りするんですよ。ああ、姉ちゃんの子供が最近言葉を喋り始めたんだ……俺、この仕事が終わったら家族に会いに行くんだ…」とか言ってたのを。(一同大爆笑)

プリス:え、何その死亡フラグ!?(笑) っていうか、もしかして…。

イクス:(可愛らしく)ちんじゃった♪(一同爆笑)

GM:……え、えぇぇぇぇぇ!!?(笑)
 

 イクス、まさかの事故死。
 魔法ダメージ三回転という、交通事故のような死に方です。
 硬直するシルフィとネリネ。乾いた笑いを浮かべるしかないロイド。何か昆布みたいな踊りを始めるプリス。ルールブックを開き、何か手段がないか探し始めるアルト。
 そして張本人、諦め切った笑顔でお茶を啜る。
 ちなみにGMは『誰か死ぬんじゃないかなー』くらいのつもりで敵を出していましたが、ここまで事故死のような死に様は想定外でした。

 

プリス:(昆布のように踊りながら)どどど、どうしようか!?何かない、何か!?

アルト:とりあえず踊るな馬鹿!?(笑)

プリス:神への祈祷だよ!こ、これでどうにか生死判定の成功を祈る!頑張ってイクス君!

故イクス:いやぁ、祈祷は出来れば振る前にお願いしたかったっすねぇ。もう≪運命変転≫もラックも無いんで……というか変転しても無理だし。

プリス:ああ、もう振ってたんだっけ!?(一同爆笑)

ネリネ:…落ち着きましょう、プリス様(笑)。

ロイド:…仕方ない。大丈夫、アルトも居るし明日になればリザレクション出来る。今はそう割り切ろう。

シルフィ:プリスさんも倒れたんですよねぇ。…おのれ、アウグスト!!

アルト:已む無しだな。次のラウンドで勝負をかけるしかあるまい。

故イクス:じゃあ俺は皆さんが早くこっちに来るように応援するっすよ。

ロイド:おう。……おう?(一同爆笑)

アルト:待て、それはどっちを応援するつもりだ!?(爆笑)

故イクス:(おどろおどろしく)兄貴達もこっちに来いよォ……楽しいよォ……?(一同爆笑)

プリス:聞こえない、全然楽しそうに聞こえない!!(笑)

故イクス:(裏声で)楽しいよォ……楽しいたのしたのしたのたのたのしヒィィィィィィィ!!!(一同超爆笑)

プリス:(←声が出ないほど笑っている)

ロイド:ぜってぇ嫌だぁ!!(爆笑)

GM:……あー、進めますよ?(笑) アウグストは≪マルチアクション≫を使ってたので、噛み付きと羽二発をロイドさんに見舞います。最初の噛み付きだけがプリスさんに命中ですね。ダメージは噛み付きが28点、羽が22点と20点です!!

故イクス:ふはははははぁ!死ねやおらァァァァァっす!!(一同爆笑)

アルト:お前敵だろやっぱり!?(笑)

プリス:……その程度で止まってやるほど、私はお人好しではありません。僅か5点のダメージです。

ロイド:2発貰ったが、合計6点。まだやれる!!

アルト:……さて、敵もボコボコだがこちらも限界が近いか。次で勝負だ、分かってるな?

ロイド:分かってるさ。総員、勝負に出るぞ!!
 

▽ラウンド4▽
 

シルフィ:では、今回で総攻撃ということですねー。

アルト:うむ、私から行く。魔法『カースドール』を使う!

プリス:ああ、藁人形にごっすんごっすん五寸釘やる奴だね。(一同笑)

アルト:人形を破壊することで敵にダメージを与える、呪い属性魔法だな。そして私はまだ腕輪も変転も残している。今ならドレイクバイカウントと言えど、一発なら確実に抵抗を抜ける!!

GM:うわぁ……リソースを最後の最後まで温存してましたね。……こんな長期戦の中でよくぞまぁ最後まで。

アルト:切り札は隠し持つものだろう?(ダイスを降る)…出目6。変転した上で+1されて9。魔力と足して23で、腕輪を割って25!ダメージは24点だ!!

GM:ぐ……それでアウグストの竜の身体が大きく傾ぎます。

シルフィ:続きます。アウグスト本体にAランクでパラライズミストを入れながら、リープスラッシュ!(ダイスを振る)…くっ、全然抵抗は抜けていませんが、それでも9点ダメージ!ロイド、後は任せます!!

ロイド:っしゃァ!≪魔力撃≫行くぞ!腕輪を割ることを考えると、お嬢のパラライズミストと合わせてピンゾロ以外当たる!(ダイスを振る)……うし、出目は4だが腕輪割って命中!

アルト:行け、相棒!!

シルフィ:ロイド、これで終わりです!!

プリス:これで僕たちの勝ちだ!!

イクス:ぇー。(一同大爆笑)

ネリネ:そこで落とさないでください(笑)。

ロイド:ええい、とにかく行くぞ!(笑) ダメージは基本値31に、ダイスで……(ダイスを振る)出目7。合計41点ダメージだ!

GM:む……お見事です。それでアウグストの身体は力を失い、重い音と共に地面に落ちます。

ロイド:……では、その竜の首に槍を突き付ける。

GM/アウグスト:『……見事……と、言わせて貰おうか』 アウグストは血と共に言葉を吐きます。

ロイド:…その言葉、そのまま返すぜ。この人数差だ。誇る気なんか起きねぇよ。

GM/アウグスト:『愚か者が……そこまで含めて、貴様らの力だ。誇ってくれ、それが手向けだ』

ロイド:……分かった。―――敵将アウグスト。何か言い残すことはあるか?

GM/アウグスト:『ふん……今更じたばたと言い残すような言葉も無い。何か言いたい相手は皆、向こうで我を待っている。だが、そうだな―――これも手向けだ。貴様らの仲間だったと言う女の遺体は、そこの天幕にある』

プリス:……え?PL発言だけど、もしかしてトリーシャ?

ロイド:……師匠の?

GM/アウグスト:『敵とはいえ、得難き勇者だ。野晒しにするのも、慰み者にするのも忍びないとバルトロがな。……デュホンに命じてブリザーベイションをかけてある。蘇生は拒否していたので、事が終われば墓に入れてやるつもりだったが……どうせだ、貴様らがやってやれ』

シルフィ:トリーシャさんが死んだ原因である貴方達に言うのもおかしな話ですが……ありがとうございます。貴方達もまた、得難き敵でした。

GM/アウグスト:『……我らは強き者には敬意を払う。敵だろうと味方だろうとな。……それだけだ』

ロイド:……強かったよ、お前らは。 言いながら、槍を振り上げる。

GM/アウグスト:『そう、だな。その言葉こそ、最高の手向け……』 アウグストは、ゆっくりと目を瞑ります。

ロイド:……槍を振り下ろし、首を断ち切る。

アルト:ではその瞬間叫ぶぞ。―――敵総大将アウグスト、向日葵兵団がロイド・クラリクロイツが討ち取った!勝鬨を上げろ!!

GM:はい。ではその言葉の聞こえる範囲でまず雄叫びが。そしてそれは徐々に戦場全てに伝染し、戦場全てを揺るがす勝鬨となります。

ロイド:で、それを聞きながら空を見上げて呟くか。 ……終わったぜ、師匠。見ててくれたか……?

シルフィ:呟いたロイドの横に、そっと寄り添います。……見ててくれましたよ、きっと……いえ、絶対に。
 

◆戦後処理◆
 

GM:さて、貴方達がアウグストを討つと、敵の戦線は崩壊します。将を失い士気が崩れた敵軍は統制を失い瓦解。残った残兵が僅かに、蛮族領へ向けて逃げ延びた程度です。

ロイド:それよか、傭兵隊の皆は無事か?他の敵が俺らとアウグストの戦いに乱入しないように足止めを頼んでし、被害が出てなきゃいいが…。

GM:被害はありますが、許容範囲というところですね。ラムゼイ、レオルグといった中核は無事で、貴方達の元へ駆け寄ってきます。

アルト:ラムゼイ、レオルグ。無事だったか。

GM/ラムゼイ:「ああ、敵は前線からの圧力を捌くのに必死で、こちらにまでは余り来なかった。多少は抜けてきたが、全部止めてやったぜ。……どうよ?」

ロイド:十二分だ。……感謝するぜ、ラムゼイ、レオルグ。 それだけ言って、ふらふらとプリスとイクスの所に行くか。起こそうとする。(ダイスを振る)…プリスにアウェイクン成功。

プリス:…ん……勝ったんだね、ロイド。

ロイド:……ああ。

プリス:そう……良かった。僕達の勝ちだ。 では、ロイドに軽く抱きつきます。

GM/レオルグ:「……なぁ、魔術師の旦那。ちょっと聞きたいんだが……槍使いの旦那の女って、あの二人のどっちよ?」(一同笑)

アルト:……りょ、両方?(一同笑)

GM/レオルグ:「……モテる男は辛いねぇ」 と、レオルグは肩を竦めます(笑)。

ネリネ:では、その間に私は敵の天幕からトリーシャ様の亡骸を連れてきましょう。

GM:はい。では、綺麗に身なりを整えられた状態で、トリーシャさんの亡骸が寝かされてました。ブリザーベイションもかかっているようで、遺体は綺麗なままです。

プリス:…トリーシャのPLとして言うけど、アウグストとバルトロに少し礼を言いたい気分。敵をこんな厚遇してくれるなんてね。

ネリネ:……では、トリーシャ様の亡骸を背負い、天幕から去ります。最後に天幕の中へ向けて一礼しましょう。……誇り高い敵への、私なりの礼儀です。

ロイド:で、その辺で気付くんだよ。プリスの次にイクス起こそうとして、『あれ?こいつ死んでね?』って。(一同爆笑)

故イクス:うわぁ、トリーシャの姐御の時と比べて死人の扱いがぞんざいな事。(一同笑)

シルフィ:いえ、トリーシャさんの死は何というか劇的でしたし、戦略的に大いに意義がある……言ってしまえば『盛り上がる』死に方でした。けど、イクスさんの場合、その、なんていうか。

ネリネ:(ぼそ)……盛り下がる?(一同大爆笑)

シルフィ:ああっ!私が気を使って言わなかった事実を!!(笑)

故イクス:いやまぁ事故死でしたけどね!?(笑) ひどくね!!?(でも爆笑)

プリス:…まぁ、そこも含めてこれからだね。悪いけどアルト君、君はこれから暫く引っ張りだこだよ。

アルト:……リザレクションか。

プリス:希望者が何人居るか分からないけどね。出来ればイクス君も早く起こしたほうが良い。ブリザーベイションを使える神官は、非常に少ないよ。もしかしたら彼くらいなんじゃないかな?

ロイド:可能性は無いでもないな。レガリアは魔法使いや神官が少ない『武』の国だ。……つーか、早く起こさんと色々やばそうだよなこいつの場合。怨念とか。(一同笑)

ネリネ:トリーシャ様との扱いの差に全私が別に泣かない。(一同爆笑)

故イクス:うっせーやい!!(笑)

GM:で、その後……敵を追い払い、味方の負傷兵を収容したブルデでは祝宴が開かれます。

ロイド:俺ら参加する余裕無いだろうけどな。(一同笑)

プリス:まず疲れ切って全員ダウンだろうし、起きたら起きたで負傷者の治療に奔走確定だよね。(一同笑)

アルト:シルフィを除いて全員が回復手段を持ってるからな……。

GM:…確かにそれはあるかも。ラムゼイやレオルグは参加してくるそうですが。

ロイド:おう、行って来い行って来い。お前らだって結構な武功を挙げてんだからな。

GM/レオルグ:「…英雄殿達は真面目だねぇ」

ロイド:事後処理がひと段落したら参加するさ。それまでに酒を飲み尽くすんじゃねぇぞ、お前ら。

アルト:それとまぁ、身内贔屓と言われるかもしれないが……傭兵隊で死んだ奴には優先的にリザレクションをかけるか。

GM/ラムゼイ:「……良いのか?奴らも俺も、蘇生代金を払えるほど裕福じゃねぇぞ」

アルト:たわけ。誰が仲間から金を取るか。

GM/ラムゼイ:「……そうか、なら頼む。この恩は忘れねぇ」

アルト:ふん、とっとと忘れて構わんさ。

GM:で、翌日にはマントワーズからの援軍がブルデに入ります。国王……“鉄人”ザヴィーエ・ボアギュールが率いる精兵300がブルデに入城し、要塞の復旧作業が始まります。

シルフィ:まぁ、その辺の折衝やら復旧作業は偉い方に任せますか。

アルト:翌日になったならイクスにリザレクションかけておくか。後は御老体にあるだけ魔晶石を持ってきてもらって、リザレクションをかけ続ける仕事の始まりだ。

シルフィ:あー、じゃあ向日葵兵団の泊めてもらってる宿舎の辺りで、治療用の簡易病院でも作りますか。

アルト:……リザレク目的で運ばれてくる死体が多かろうから、明らかに病院というよりモルグ(死体置き場)なんだが…。(一同笑)

GM:まぁ、そうですね。とりあえずイクスさんと、傭兵団の死者9名ばかりをお願いしましょうか。

ロイド:イクス含めて35名の部隊の内、死者は10名か。任務の過酷さを考えると少なかったと見るべき……かな。

アルト:まぁ、とりあえず初日のリザレクションだ。蘇れイクス!(ダイスを振る)……うむ、角が生えたがまぁ良いか。(一同笑)

イクス:良くねェ――――ッ!!(爆笑) 角が生えた頭で頭突きするぞコンチクショウ!?(笑)

アルト:ちなみに魔晶石を借りても、一日に復活させられるのは4、5人が限度だ。10点が2個、5点が2個あれば1日に4人いける。10点4つあれば5人か。

イクス:……うう、とりあえず死んでた事について事情説明受けて落ち込んでます。

ロイド:落ち込み終わったら、ブリザーベイションで死体の保存な。(一同笑)

イクス:あんたは鬼や!!(一同爆笑)

GM:ではまぁ、10点の持ってきますんで、最初の二日で傭兵団全員復活チャレンジしてみてください。ちなみに―――(ダイスを振る)3人ばかりは、蘇生に応じませんね。

アルト:そうか。まぁ、そこまで含めてそいつらの選択だ。構うまい。(ダイスを振る)…ふむ、2人ほど角が生えて、1人身体に痣が出来たが全員復活成功した。

ロイド:暫くアルトは忙しいだろうな。死者蘇生に、欠損した身体の修復。どちらもこなせるだろ、お前。

アルト:……流石にそこまで足止めされるのは嫌だぞ私も。

GM:ああ、大丈夫です。流石に武国レガリアでも首都にはそういうレベルの術者がいますしね。ザヴィーエ王が連れてきていますんで、アルトさんの仕事は大分減ります。特にリザレクション(7Lv)でしたら複数名いるでしょうし。

アルト:なら助かる。私は結局、部外者だからな。……ああ、手が空いたならトリーシャの遺体にリザレクションをかけてみる。

GM:応じませんね。

アルト:まぁ、PLは分かってた。では、それを確認してから小さく、『馬鹿が……』と呟く。どこか遣る瀬無いような表情で。

プリス:……ごめんね?

GM:それで、ですね。シルフィさんとロイドさん、どこに居ますかね。

シルフィ:ふむ?固まっていたほうが良いですかね。

GM:出来ればそれでお願いします。プリスさんは居ないほうが良いですね。まぁ、後で出てきてほしいのですが。

プリス:OK、そのタイミングは任せるよ。

GM:はい。それでは、主にイクスさんとアルトさんが事後処理に奔走している間に、それは起こります。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:さて、戦闘の終結の三日後。マントワーズからのザヴィーエ王率いる援軍が城に入り、復旧作業を開始してから二日です。事はロイドさんとシルフィさんが、割り当てられた宿舎に居るときに発生します。

ロイド:まぁ、三日も経てば俺が出張らなきゃならんような怪我人の治療は大体終わってるだろうから、窓際で椅子に座って窓の外を見てる。

シルフィ:ロイドの横で、椅子に座って本を読んでます。

ネリネ:では、メイド服姿でお茶を淹れて横に控えてましょう。

遠くのアルト:完全にアークウェイン家の風景だな。(一同笑)

GM:窓から見る街の景色は、復旧に向けて動いている明るくも騒々しい物ですね。未だ、酒場などでは酒宴が続いているようです。

ロイド:聞くでもなしに、その喧騒を聞いているか。何か気が抜けた。

シルフィ:久しぶりに、ゆったりとした空気ですね。最近ドタバタ続きでしたし。

GM/ガレッガ:で、そんな折にドアがノックされます。ガレッガ老の声で、 「入って構わんかね?ロイド君」

ロイド:……どーぞ。 と、窓の外を見たまま告げます。

ネリネ:では、しずしずとドアに近づき開けましょうか。

GM:はい、ではドアを開けると、まず見えるのはガレッガ老とその横に筋骨隆々の偉丈夫が―――

ネリネ:ドアを閉めます。(一同大爆笑)

ロイド:閉めるな!?(爆笑)

シルフィ:……あの、ネリネ?今、誰か見えたような気がするんですが……(笑)。

ネリネ:熊のような大男が見えました。驚いたので思わず。(一同笑)

ロイド:いやお前今めっちゃ冷静に閉めてたろ!?(笑) つか、この状況でここに来るそーゆー容貌の相手って…。

GM/ザヴィーエ:貴方達は一度会った事がありますね。レガリア王、“鉄人”ザヴィーエ・ボアギュールです。 「……いきなり閉められるとは思わんかったぞ」 と、呆れ顔で言うその横ではガレッガ老とダライアス将軍が胃を抑えて痛そうにしています。プリスさんも一緒に出て来て下さいな。

プリス:では、父上の横でガチガチに緊張してる。(一同笑)

ロイド:おーおー、珍しい。上がってやんの。

シルフィ:―――従者が失礼致しました、レガリア国王ザヴィーエ・ボアギュール様。『初にお目にかかります』。冒険者“向日葵兵団”が長にして、デュボール宮廷魔術師傍流アークウェイン家次女、シルフィリア・アークウェインと申します。 一礼しますよ。

プリス:あれ?初にお目にって……。

シルフィ:前回のあれはお忍びだったみたいですしね。公的には私たちと王様はこれが『初対面』なんですよ。

プリス:あ、そか。よく覚えてたね、一本取られたよ。

GM/ザヴィーエ:その言葉にザヴィーエ王も鷹揚に頷きます。 「レガリア王、ザヴィーエ・ボアギュールだ。活躍は聞いている、楽にしろ」

シルフィ:は……。 では、下げていた頭を上げましょう。外交モードでおとなしく。

GM/ザヴィーエ:「……つーか、別にンな畏まるな。この場に居る面々は俺が特に信を置いている奴かお前らの仲間だ。前の一件も知られて困る相手は居ねぇよ」

シルフィ:……私の努力を返してください。(一同笑)

ロイド:…宜しいのですか、ザヴィーエ王。まだ忙しい時期でしょう?ブルデは復興の真っ最中ですから。

遠くのイクス:うわぁ、丁寧語の旦那って珍しいなぁ(笑)。

ロイド:流石の俺でも丁寧語を使うときは使うわ(笑)。

GM/ザヴィーエ:「あー、まぁそうなんだがな。これも仕事の一環だ。主な復旧の案件や、欠けた兵の補充の話は部下でも出来るが……これは俺じゃないと出来ん」 と、ザヴィーエ王はロイドさんに向き直ります。 「―――“向日葵兵団”が神官戦士、ロイド・クラリクロイツ。貴殿を此度の戦の勲一等とする。褒美を持参した、受け取れ」 王は持参した金貨の入った袋を貴方に渡します。恐らく10万ガメルと言う所でしょうか。

ロイド:……俺が勲一等?

GM/ザヴィーエ:「……おい待てお前、何でそんな不思議そうな面してるんだ。お前戦争終わってから何してた?」

ロイド:寝て回復して、神官なんで怪我人の治療を手伝って、それも終わったら気が抜けたんで部屋で寝てました。

GM/ザヴィーエ:「ああ、知らないわけだ。………お前の相棒に感謝しておけよ。アルト・ディオスクロイツだったか」

ロイド:……あいつが何か?

GM/ザヴィーエ:「外に出ればお前らの……特にロイド、お前の話はそこら中で聞けるぞ。今回の戦争、敵将は六名。その内半数をお前が討ち取ったんだ。総大将すら倒したのはお前……勲一等間違い無しと、そこら中で評判だ」

ロイド:え?……バルトロとアウグストと……あ、エスティアか。小物過ぎて将軍って印象無かったわ。(一同笑)

シルフィ:考えてみると凄いですねぇ。しかもエスティア戦は殆ど一騎討ちですよ。

遠くのアルト:しかし私、何かしたか?

GM/ザヴィーエ:「これだけ広まってるのはアルトの功績だな。味方を鼓舞する為だろうが、お前が敵将を討ち取る度にお前の名を声高に明かしていた。結果としてお前の名を知らない兵士はこの街じゃ殆ど居なくなってる有様だ」

遠くのアルト:ああ、『敵将、討ち取ったり!』系の事なら何度か叫んだな。

ロイド:……ああ、俺も味方を鼓舞する為だと思って気にしていなかったが。……予想外の効果が。

GM/ザヴィーエ:「つーわけで、この戦争で最も働いたのも最も名を高めたのもお前なんだよ、ロイド・クラリクロイツ。勲功第一はお前で決まりで、これだけの大戦で最大の武功を挙げた相手に対して王自身からのお褒めの言葉のプレゼントだ」

プリス:……なるほど、そういう相手への褒美の授与だから……王自身が来たわけだね。……ですか。(一同笑)

GM/ザヴィーエ:「お前さんも良い線行ってたって話じゃねぇか、ダライアスの娘―――プリステア・シークスフィスト。敵親衛隊の隊長を仕留めてる上、向日葵兵団との協働での戦果は聞いている」

プリス:はっ……お褒めに預かり、恐縮の至りです。

GM/ザヴィーエ:「あとまぁ、目ぼしい所ではサイヴァリアとレグランスっつー冒険者姉弟か。双方、敵将を一人ずつ倒している」

ロイド:あ、デュホンはサイヴァリアが倒したのか。

GM/ザヴィーエ:ですよ。その功と部隊指揮の巧妙さと果断さを以て、サイヴァリアは今回の戦での勲功第二位に挙げられています。 「で、第三位はお前だよ。……シルフィリア・アークウェイン」

シルフィ:はにゃ?(一同笑)

GM/ザヴィーエ:「戦局を引っ張っていくだけの戦功を挙げた“向日葵兵団”、そのリーダー。そして同時に、敵軍のナンバー2と目されていたヘルスキュラのクレイナを序盤に討ち取った働きは大きい」

シルフィ:あ、トドメ刺したの私でしたっけ。(一同笑)

ロイド:……戦功第一位と第三位が無自覚ってのもどうよ(笑)。

プリス:ちなみにロイド、君のは間違いなく断トツの一位だからね?今王が挙げられた戦果に加えて、内通者の発見も君の力なんだから。

ロイド:いや、俺は発案だけで働いたのはイクスだろ。その功はあいつにやろうぜ。(一同笑)

プリス:ルーデルじゃないんだから、マイレージか何かのようなノリで戦果を他人に譲るのは止めようよ。(一同笑)
 

・ルーデル。第二次世界大戦でのドイツのエースパイロットの一人。専門は対地攻撃。
・公的な戦果だけでも戦車を五百台は破壊している、リアルチート野郎。
・しかも先にプリスが言ったように、マイレージみたいなノリで部下や戦友に戦果を分け与えてたらしい。実際の戦果は恐らく八百台以上だとか。
・詳しく調べれば色々出てくる。アンサイクロペディアに嘘を言わせなかった男。

 

GM/ザヴィーエ:「あー……それで、だ。物は相談なんだがロイド・クラリクロイツ」 ごほん、と咳払いして、ザヴィーエ王はロイドさんを正面から見据えます。 「……お前、このままブルデで将軍をやってみる気はないか?」

プリス:……は? 思わずぽかーんと、ザヴィーエ王を見上げる。

GM/ザヴィーエ:「レイストームの後釜という形だが、お前にならその席も惜しくはない。個人の武勇に加えて、高い戦術・戦略能力……まだ荒削りだが、お前は磨けば間違いなく天下に名を轟かす将軍になれるだけの器だ」

ロイド:その言葉を聞いて、深く頭を下げよう。

シルフィ:では、微笑みながらそれを見守ります。

ロイド:―――戦功第一位、並びに将軍の位。謹んで辞退させて頂きます。

プリス:…ちょっと、ロイド!? 思わず、王の存在も忘れて叫ぼうか。

GM/ザヴィーエ:「……そいつは結構な無礼になるぜ。俺を納得させられるだけの理由はあるんだろうな?」 と、ザヴィーエ王も目線を険しくします。将軍職だけならまだしも、勲功第一まで断られるとは思っていなかったようで。

ロイド:まず第一に、将軍職についてです。俺が仕える相手は―――後にも先にもただ一人。アークウェイン家の、シルフィリア・アークウェインだけです。

GM/ザヴィーエ:「……忠臣は二君に仕えず、か?」

ロイド:違います。ガキの頃の約束ですよ。 言って、頭に巻いたバンダナを解こう。王の目からも、ナイトメアの角が見える。 ご覧の通り、俺はナイトメアです。その事に関しては、異貌を晒して暴れまわったんで兵士連中も多くが知ってるでしょうがね。ただ、こいつが初めてだったんです。忌み子である俺に対して、それを知った上で……気を遣うでもなく、忌避するでもなく……素直な笑顔で手を差し伸べてくれた馬鹿は。嫌いで嫌いで仕方なかったこの角を見て、『カッコいいですよ』なんてタワケた事を言ってくれた大馬鹿は。

GM/ザヴィーエ:「…………」 ザヴィーエ王は無言でそれを聞いています。

ロイド:―――あの差し出された手に、俺は如何ほどの対価を乗せれば良い。どうすれば俺は、こいつに対して何かを返せる。……悩んだ結果、決めました。一方的に約束を取り付けました。―――強くなると。

シルフィ:……笑顔で、ロイドの声を聞いています。

ロイド:護るのか、支えるのか、助けるのか。隣を歩むのか、先を行き道を開くか、後ろを付いて行き支えるか。いずれの形でも構わない。男としてか、友としてか、臣としてか。どれでも構わない。―――この大馬鹿野郎の傍にあり、こいつの力になりたい。それが最初で、それが全てです。故に俺が仕える相手は、貴方じゃない。

プリス:……敵わないな。 小さく笑います。 やっぱり正妻は君以外にありえないよ、シルフィ。ロイドにここまで言わせるような相手は君しかいない。

シルフィ:んー、でも私はロイドだけのものですけど、ロイドは私だけのものじゃなくても良いと思ってますよ?例えばプリスさんとか。

プリス:……その心は?

シルフィ:そりゃもう、ロイドが私の手の中に納まり切るような器の持ち主ではないからです。ノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)ではありませんが、それだけの力を私の為だけに振るうというのはいかにも勿体無いでしょう?折角持ってる力なんですもの、もっと多くの人の為に役立てるべきです。

ロイド:いや、それと妻二人でもOK理論は噛み合うようでどこか噛み合わんぞ。(一同笑)

シルフィ:私が良いと言っているんですよ、ロイド。ここは頷いておいてください。 くすくすと笑います。

プリス:……い、良いならそれは嬉しいけど……う、うん。嬉しいな……ロイドはどう? と、顔を赤くして上目遣い。(一同笑)

ロイド:……降参、とでも言うように両手を上げます。(一同笑)

GM/ザヴィーエ:「……あー、続き良いか?俺はいつからノロケ大会の会場に来たんだ?」(一同爆笑)

シルフィ:ああっ、ガレッガ老とダライアスさんが凄く胃が痛そうに!誰がこんな酷い事を!!(一同爆笑)

遠くのイクス:あんたらだ!!(笑)

GM/ザヴィーエ:「将軍を辞す理由はそれで納得できた。お前が仕えるとしたらアークウェイン家……最悪でもデュボール王国って事だな」

ロイド:そうですね、デュボールでならアリかもしれません。アークウェイン家がデュボールに仕えている以上はね。

GM/ザヴィーエ:「……分かった、そっちは諦めよう。だがもう片方はどういう事だ?勲功第一を辞すとは言うが、お前がそれを辞しては他に示しが付かん」

ロイド:ザヴィーエ王、一人忘れています。この戦、最大の功労者を。

GM/ザヴィーエ:「……功労者?」

ロイド:トリーシャ・アールクラフト。ブルデ正門前で敵軍を食い止め散った、我が師の事です。

GM/ザヴィーエ:「……あの姉ちゃんか……出来ればもう一度、話を聞いてみたかったんだがな」 と、以前マントワーズで会った時の事を思い出しているのか、ザヴィーエ王は少しだけ苦い顔をします。

遠くのイクス:そういえば、あの時王様に一番高評価を貰ってたのはトリーシャの姐御でしたね。

ロイド:俺の軍略も、全ては師匠の教えの元に鍛え上げられたものです。ならば俺の勲功は師の勲功でもある筈……お願いします、ザヴィーエ王。我が師、トリーシャ・アールクラフトに対して何か報いてやってくれませんか。

GM/ザヴィーエ:「……何が望みだ?」

ロイド:……異国のナイトメアの剣士が一人、ブルデを護る為に命を賭け、そして散ったと。どうか語り継いで下さい。師の名前は出さなくて構いません。むしろ名が売れるのを嫌がるでしょう、あの人は。

GM/ザヴィーエ:「…それで良いのか?」

ロイド:はい。そこから少しでもナイトメアに対する意識が変わり……一人でも多くのナイトメアが救われるならば。

GM/ザヴィーエ:「分かった、“鉄人”ザヴィーエ・ボアギュールの名に於いて約束する。だが、それでもお前が勲功を受け取ってくれねぇと他に示しが付かないのも事実だ。これは受け取れ、良いな?」

ロイド:もうひとつ願いを聞いて頂けるならば受け取りましょう。

プリス:……君はほんとにルーデルみたいな事を言うね(笑)。

遠くのアルト:『二度と私に地上勤務を命じないならば、その勲章を受け取りましょう』だったか(笑)。

GM/ザヴィーエ:「お前はホント……いや、まぁ良い。お前はそれだけ働きをしているんだ。聞いてやるから、言ってみな」

ロイド:はっ。……そこにいるダライアス将軍の、中央への復帰を。

GM/ザヴィーエ:「……ふぅむ?」 と、ザヴィーエは口元を歪めます。 「同じ話をさっき、ダライアス本人とガレッガからも聞いたが……」

ロイド:ダライアス将軍は元来、前線に出る将ではありません。むしろ補給・兵站を整えるタイプの内政屋……まして、サイヴァリアとアレットの両将軍との不和もある。前線であるブルデに配置するのは、正直申し上げまして不適材不適所です。

GM/ザヴィーエ:「ふん……ま、そうだろうな。文官連中がこいつを中央から遠ざけたがっていたが……」

ロイド:有能な者は妬まれますゆえ。

GM/ザヴィーエ:「だろうな。まぁ、こっちとしてもこいつを中央に引き戻す口実が欲しかった所だ。お前の言と功、利用させて貰うぜ」

ロイド:存分にどうぞ。俺の目的にも合致します。

プリス:…ありがとう、ロイド。父上の為に……。

ロイド:親父殿には恩義もあるし、人物的にも気に入ってんだ。お前が気にする事は無ぇよ。

GM/ダライアス:「……いや、それでもありがとう。お礼を言わせてくれ、ロイド君」

ロイド:礼はまだ早いぜ、親父殿。ここからがアンタの戦場だろう?文官達の陰謀飛び交う中で、上手くやってくれよ?そうじゃなけりゃ、俺がここまでした意味も無いしな。

GM/ダライアス:「ああ、任せてくれ。……だが、ロイド君。心苦しいが一つ頼みたい事がある。シルフィ君にもだ」

シルフィ:はいはい、何でしょうか?

GM/ダライアス:「プリスを連れて行って欲しい。文官の戦場、陰謀戦において娘は私にとってのアキレス腱になり得る。君達の傍に居た方が安全だろう」

プリス:……父上。僕だって役に立てる事は……。

GM/ダライアス:「ロイド君に付いて行きたいんだろう?」

プリス:……う。

ロイド:……どうするよ?プリス。決めるのはお前だぜ? にやりと笑って、手を差し出そう。

シルフィ:歓迎しますよ?大事なお友達ですもの! にっこり笑って、手を差し出します。

プリス:……うんっ!! じゃあ、父上の横から飛び出して、二人の手を握るよ!
 

 ―――さて。
 ブルデ攻防戦、終幕。多くの武功を立てたロイドは仕官を勧められますが、それを蹴り、一先ずはシルフィと共に冒険者を続ける道を選びます。
 そしてプリスもそれに付いて行く事を決めた模様。レガリアではこれからも色々と事後処理があるでしょうが、それは彼らには関わりの薄い事になって来ます。
 とは言え、傭兵団やらレグランス姉弟やら、向日葵兵団と関わりの深い人々とのお話はまだ少しあるのですが―――それは次回と致しましょう。
 とりあえず、ロイド達三人がそんな会話をしている間―――

 

ネリネ:そんな会話の横で、私はガレッガ老やボアギュール王と一緒に空気との一体化運動をしていました。割り込む隙が無い。(一同笑)

イクス:いや、ここで割り込むのもKYってもんでしょう(笑)。

ネリネ:可愛い幼女の略ですね、分かります。

アルト:……お前らがそんな事やってる間、私はフィジカル・ギミックで野戦病院の真似事をやっているわけだが……。(一同笑)
 

 ……彼らは彼らで、どーしようもない感じになっていましたが、まぁこれも味でしょう。
 ブルデを巡る攻防戦で大きく成長した向日葵兵団。
 今回はキャンペーン第二部、仮称『ブルデ篇』の最終話ですので基本経験点が2000点になっています。
 まぁ、次回にも事後処理は食い込みますけどね!!
 

・獲得経験点:4420+各々の1ゾロ分
・獲得報酬:10万G(王様から)+46285G(ブルデからの報酬、傭兵団と頭割り)+4200G(戦利品)=150485G
・使用消耗品:魔晶石(5点×9+10点×2)+カード(S×2+A×17+B×3)+魔香水×6+ヒーリングポーション×14+腕輪×3+指輪×1=8500+7460+9700=25660
 

 久しぶりに纏まった報酬を上げれた気がします。
 いやぁ、最近殆ど上げてませんでしたし……。
 ともあれ、これにてブルデ攻防戦は終了。……なんか最後に約一名事故死したのは、目を逸らす方向で。
 ともあれ、これにて一先ずは。
 

                  ……ミッションコンプリート!!

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