◆SW2.0キャンペーン 駆け出し冒険者のためのセプテット 第十三話◆

◆成長報告&新キャラ紹介◆
 

GM:さて、皆さんお疲れ様です。えー、今回は新キャラクターのプレイヤーの紹介から入りましょう。

元トリーシャ:おっはよー♪(一同笑)

ロイド:どう見ても師匠のプレイヤーです、本当にありがとうございました。(一同笑)

GM:新キャラ作成については、皆さんが居ない間に二人でこそこそやってしまいました。通常作成の後に、成長回数13回、経験点は追加で23000点で作ってもらっています。

イクス:多いな!?

GM:皆さんもそれくらいですよ?シルフィさん達が今回分含めておよそ22500点。ロイドさんとアルトさんがおよそ24000点。丁度中間くらいと言う事で、この数字でお願いしました。

シルフィ:うん、良いと思いますよ〜。

元トリーシャ:私はもう少し低くても良いって言ったんだけどね……。

GM:まぁ、このくらいが妥当かと思い押し通しました。最初から参加してる皆さんより若干低めと言うのも考えたんですが、これ以上格差が出るのもなんなので、真ん中くらいに。

ネリネ:了解しました。

GM:で、前回の経験値は3650点です。エラい大量ですが……。

シルフィ:トリーシャさんの命と引き換え、と考えると……あと1万点くらい要求します。

元トリーシャ:私の命は経験点1万点なのね……。(一同笑)

GM:追加の報酬などはありません。とりあえずはこれで、成長お願いします。

一同:は〜い。

元トリーシャ:……もうキャラ出来てるから暇〜。(一同笑)

GM:……我慢してください(笑)。
 

 で、今回は一人足りない成長タイム。
 そう言うと深刻そうですが、当の足りない本人は煎餅を齧っていました。
 そしてイクスさんの知力が上がらないのまで毎度のこと。

 

イクス:……光る風を追い越したら  君にきっと会えるね〜♪(一同爆笑)

ロイド:歌い始めたぞオイ(笑)。

イクス:い、いや、新キャラの知力が俺以下であると、ヒエラルキー最下位脱出であると信じて……ッ!!(一同爆笑)

元トリーシャ:……いやあの、成長結果まで含めるとパーティー第二位になるんだけどね知力。(一同笑)

アルト:ほう、ボーナス4以上確定か。素晴らしいな(笑)。

イクス:ド畜生ォォォォォ!!?(爆笑)

GM:はいはい、それではそろそろ成長に入りましょうか(笑)。

シルフィ:あ、はーい。シルフィリア・アークウェイン、ソーサラーが8に、アルケミストが5になりました!アルケミ上昇で覚えた賦術は「リーンフォース」です。攻撃魔法の威力を上げる賦術ですね。

GM:ひぃ!火力が、火力が!!

シルフィ:で、上がった能力値は敏捷度です。ちょっと素早くなりました。あんまり必要無いですが……いや私、知力と精神力以外正味あんまり必要無いんですけどね。ああ、移動距離の関係があるから、敏捷はまだ使うのか。

ロイド:……生命力は?(笑)

シルフィ:……あれが上がったら、私じゃない気がしまして……。(一同笑)

GM:ていうか、これでエネルギージャベリンが飛ぶようになったんですね。……怖いなぁ。

シルフィ:打撃力40の攻撃魔法万歳!これで貧弱な豆鉄砲とは呼ばせません!!(一同笑)

ネリネ:……いえ、未だかつてマスターの火力を豆鉄砲などと評し得る相手には出会った事無いのですが……。(一同笑)
 

名前:シルフィリア・アークウェイン
種族:エルフ 性別:女 年齢:20(外見15) 生まれ:魔術師
身長:163cm 体重:50kg 髪の色:紫銀
能力値ダイス:技10 体2 心14 A8 B7 C1 D4 E11 F9
最終能力値:器用度19 敏捷度19 筋力3 生命力6 知力32+1 精神力25
保有経験点:460
合計名誉点:279
保有名誉点:214
HP:30 MP:49+2
冒険者技能:ソーサラー8 セージ3 レンジャー1 アルケミスト5
一般技能:ノーブル3 ハンター3 カスタネッター1 リコーダリスト1
戦闘特技:魔法誘導 魔法拡大/数 MP軽減/ソーサラー 鷹の目
習得賦術:バークメイル ヴォーパルウェポン パラライズミスト ポイズンニードル リーンフォース
使い魔:カラス(命名:ビグザム)
武器:銀のナイフ(発動体として使用可能)
防具:クロースアーマー
アクセサリ:とんがり帽子 アルケミーキット 専用マナリング 知力増強の指輪 薔薇のチョーカー
所持カード:赤Aランク3枚 緑Aランク3枚 黒Aランク2枚 赤Bランク1枚 緑Bランク3枚 黒Bランク5枚
予備装備:部族のジャベリン(必要筋力3/発動体として使用可能)
所持品:冒険者セット 白紙の本 羽ペン&インク ヒーリングポーション×2 ロバ(命名デンドロビウム) カスタネット リコーダー 魔晶石5点×10 魔晶石10点 魔晶石1点 消魔の守護石3点×2 魔香水×6 部族のお面 部族の羽飾り
所持金:266
 
 デュボール宮廷魔術師の傍流生まれのエルフ。
 貧弱な体力と、圧倒的な火力を併せ持つパーティーのメインアタッカー。
 高火力魔法も覚えたため、GMが毎回対処に頭を悩ませる存在。

 

ロイド:んで、俺か。ロイド・クラリクロイツ。上がった能力は知力で、22になった。これで腕輪持てば24、ボーナス4だな。いかんせんパーティー全体で資金不足なんで、今回は買えんが。

イクス:おのれ……。(一同笑)

アルト:貴様概ねキャラ成長に恵まれんな、イクス(笑)。

イクス:うん、13回も成長ダイス振っておいて、未だにボーナス3が1個も無いキャラって他に知りませんよ俺。(一同笑)

ロイド:……続き行くぞ?(笑) 上がった技能はファイターが7から8に。完全に正騎士ランクを超えたな。

GM:まぁ、皆さんそろそろ都市レベルで名前の通じる冒険者ですしね。そのレベルと言うのもおかしくはないでしょう。

アルト:問題は……私らずっと移動しながら冒険して来てるから、その「都市」ってどこ?と言う疑問だな。(一同笑)

シルフィ:むしろ、ホームだった最初の街では名前忘れられてそうなんですが……(笑)。
 

名前:ロイド・クラリクロイツ
種族:ナイトメア 性別:男 年齢:20 生まれ:神官
身長:188cm 体重:84kg 髪の色:漆黒
能力値ダイス:技6 体14 心10 A10 B7 C6 D6 E9 F7
最終能力値:器用度20+4 敏捷度13 筋力25 生命力21 知力22+1 精神力18
保有経験点:20
合計名誉点:312
保有名誉点:187
HP:75 MP:36
冒険者技能:ファイター8 ライダー1 プリースト/グレンダール6 エンハンサー1 アルケミスト1
一般技能:バトラー3 ハンター2 コーチマン2
戦闘特技:武器習熟/スピア 魔力撃 マルチアクション タフネス 頑強
習得練技:キャッツアイ
習得騎芸:攻撃指令
習得賦術:クリティカルレイ
乗騎:レンタル取りやめ
武器:専用パイク+1
防具:専用イスカイアの魔導鎧
アクセサリ:ブラックベルト 聖印 バンダナ 器用度増強の腕輪 知力増強の指輪 アルケミーキット
所持カード:金Aランク7枚 金Bランク3枚
予備装備:マトック ロングスピア 部族のショートスピア 部族のラウンドシールド 部族の腰ミノ 筋力増強の腕輪
所持品:冒険者セット 保存食×3食 ロープ10m フック くさび10本 小型ハンマー 部族のお面 魔晶石5点×8
所持金:95
 
 総合力ではパーティー最強であろう神官戦士。
 8Lvファイターともなると、もうどっかの国で騎士として召し抱えられそうなレベル。
 前回のラストで師であるトリーシャを失ったが……。

 

イクス:はい、イクス君っス。上がった能力は器用度か筋力かの選択で器用度を選びました。まぁ、筋力でゾロ目よりマシだと信じるっス。

アルト:しかし、相変わらず平たい能力値だな……(笑)。

イクス:だんだん諦めの境地が見えて来たっス。上がった技能はプリーストが7。8になれば強力な攻撃魔法も覚えられるっス。特殊神聖魔法は、アドベンチャーパート向けっスね。

ロイド:上手く活用すれば凄い便利だぞこれ。

GM:へー。
 

 GMはこの時、この魔法を聞き流していたのを後で凄く後悔する事になります。
 

イクス:まぁ、成長は以上っすね。買い物も無いし、早いもんっス。

GM:あれ、前々回もそう言えば報酬上げてない気がする。(一同爆笑)

一同:気付いてなかったのか!!?(爆笑)
 

名前:イクス・フォード
種族:人間 性別:男 年齢:16 生まれ:冒険者
身長:165cm 体重:50kg 髪の色:茶
能力値ダイス:技8 体7 心6 A7 B7 C6 D7 E8 F7
最終能力値:器用度16 敏捷度17+2 筋力15 生命力16 知力15+1 精神力17
保有経験点:2210
合計名誉点:279
保有名誉点:214
HP:37 MP:38+2
冒険者技能:フェンサー1 スカウト7 プリースト/ル=ロウド7
一般技能:マーチャント3 クレリック2 リペアラー2
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法誘導 トレジャーハント ファストアクション MP軽減/プリースト
武器:ショートソード
防具:バックラー ソフトレザー
アクセサリ:祈りのアミュレット 専用の聖印 敏捷度増強の腕輪×2 知力増強の指輪 
所持品:冒険者セット スカウト用ツール ロープ40m 小型ハンマー くさび×20 フック×2 手鏡 小型ナイフ ランタン 油×6 水袋×2 火縄壺 ベルトポーチ ヒーリングポーション×1 魔晶石5点×7
所持金:303

 これだけ長期のキャンペーンに参加しながらも、未だ一つもボーナス3以上の能力が無い悲劇の少年。
 プリーストやスカウトとしては有能であり、パーティーを支える縁の下の力持ち。
 ただし、それ故に余り目立たないのが珠に瑕。

 

アルト:アルト・ディオスクロイツ。今回の成長は生命力だ。

ロイド:……ますます接近戦対応に……。(一同笑)

アルト:ふっ、私の右手が光って唸るぜ。だが、今回コンジャラーが8に、セージが7に上がった事で接近戦をする必要性は薄れたと思う。クリメイション覚えたし。

シルフィ:ああ、無理に近付かなくても高火力を放てるようになったんですね。

アルト:そう言う事だ。まぁ、前に出ると楽しいので、出る時は出たいが。(一同笑)

ロイド:良いから防具習熟でも取れよ、装甲薄いのが危なっかしくて仕方ねぇんだよお前!!?(一同笑)

ネリネ:流石、良くタッグを組んでる人は見るところを見てますね…(笑)。

アルト:ああ、あとついでに割る用に知力増強の指輪を買った。成長は以上。次はネリネだな。
 

名前:アルト・ディオスクロイツ
種族:人間 性別:男 年齢:20 生まれ:学者
身長:173cm 体重:60kg 髪の色:金
能力値ダイス:技5 体7 心9 A5 B6 C5 D7 E9 F7
最終能力値:器用度10 敏捷度12 筋力13 生命力17 知力23+2 精神力19
保有経験点:420
合計名誉点:312
保有名誉点:177
HP:41+2 MP:43+2
冒険者技能:コンジャラー8 セージ7
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法収束 鋭い目 魔法誘導
一般技能:スカラー3 スクライブ3 ライブリアン1
武器:メイジスタッフ
防具:ソフトレザー
アクセサリ:専用ひらめき眼鏡 知力増強の腕輪 知力増強の指輪 専用ブラックベルト
予備装備:ピック
所持品:冒険者セット 火縄壺 油×2 6人用テント 調理器具セット 食器(5人前) 魔化された樫の枝×4 可愛くない人形×2 魔晶石5点×5 部族のお面 頑丈なランタン
所持金:165
 
 接近戦上等のコンジャラー。眼鏡が無ければ即死だった。
 前話だけでもオーガ、デュラハン、バジリスク、ドレイクバロンなどと接近戦をする羽目になった人。
 頭脳労働型と本人は言い張っているが、体の張りっぷりは本当にハンパ無い。

 

ネリネ:はい、それじゃあ良い子のみんな!ねるねるネリネランド、はっじまっるよ〜☆!!皆、元気よくにゃあい☆って答えてね!!(一同大爆笑)

シルフィ:にゃあい!!(笑)

ネリネ:はい、聞こえな〜い☆もう一回元気よく!

シルフィ:にゃ、にゃあい!!!(爆笑)

アルト:……なんの劇場だ(笑)。

ネリネ:いえ、なんとなく(笑)。魔法少女ねるねるネリネちゃんスター、生命力が上がってファイター技能が8になりました。

ロイド:……うわぁ、くろがねの城の生命力がまた……(笑)。

ネリネ:HPはこれで97ですね。あと3点で100の大台です。

GM:……ボスモンスターも真っ青の耐久性ですね(笑)。

ネリネ:私がボスになったら、剣の欠片でますます固くなるんですね。今Lv8ですから……HP137で、重装甲型のボスですか。(一同笑)

ロイド:うわ、うぜー……(笑)。

アルト:はっきり言って相手にしたくないな……(笑)。

ネリネ:そんなネリネちゃんスター、今回の成長は以上です。ではラスト……新キャラクターさん、どうぞ。
 

名前:ネリネ
種族:ルーンフォーク 性別:女 年齢:4(外見17) 生まれ:戦士
身長:157cm 体重:49kg 髪の色:金
能力値ダイス:技9 体12 心5 A8 B3 C9 D11 E8 F2
最終能力値:器用度17+3 敏捷度13 筋力23+2 生命力27 知力16 精神力8
保有経験点:1810
合計名誉点:279
保有名誉点:149
HP:93 MP:11+2
冒険者技能:ファイター8 エンハンサー1 レンジャー5 マギテック1
一般技能:ハウスキーパー5 コック4 テイラー1
戦闘特技:かばう 防具熟練/金属鎧 頑強 頑強U タフネス 治癒適性
習得練技:ビートルスキン
武器:専用ヘビーアックス+1
防具:プレートアーマー タワーシールド
アクセサリ:専用ブラックベルト 器用度増強の指輪 筋力増強の腕輪
予備装備:ヘビーアックス
所持品:冒険者セット 救命草 ヒーリングポーション×9 魔晶石3点×2 マギスフィア(大) 使い易い調理器具セット 保存食9日分(27食) 美味しい保存食8食分 救命草×5 アウェイクンポーション×2 ユニコーンの角×1
所持金:459
 
 超HPと重装甲で、ありとあらゆる敵の攻撃を耐える重要塞。
 前回は魔法のクリティカルを食らおうが全く揺るがない耐久性を見せつけていた。
 最近、メルにアークウェイン家の常識を教え始めている。未来が不安だ。

 

GM:さて、では新規キャラクターの登場ですね。

元トリーシャ(以降プリス):うん、よろしく頼むよ諸君。僕はプリステア・シークスフィスト。プリスで良いよ。

ロイド:……僕っ娘?(一同笑)

プリス:うん。年齢は17、種族は―――ナイトメア。これは理由あってだけどね。これが一番シナリオ的に無理が無いから。

アルト:ふむ、どう言う事だ?

プリス:GMから言われてね。ダライアス将軍の関係者って事だそうだから……。

ロイド:だそうだから?

プリス:義理の娘になってみた。(一同爆笑)

ロイド:はい!?(笑)

プリス:元々はスラムで生きてた荒んだ娘だったのだがね。息子を亡くしたばかりの父上の財布を盗もうとして捕まり……後は良くある、お涙頂戴のお話さ。敢えて多くは語らないよ。僕にとっては大事な過去だしね。

シルフィ:色々あって、義理の娘として養われる事になった、と。

プリス:うん。だから父上には凄く感謝している。孤児だった僕を引き取ってここまで育ててくれた事も、こんな僕に本当の娘のように接してくれてる事も。で、父上の役に立ちたくて、一念発起して2年くらい前に冒険者に。その後しばらくレガリアで冒険者やった後、ごく最近ブルデに帰って来た感じかな。

ネリネ:ちなみに能力としてはどんな感じなのでしょう?

プリス:能力値で見ると非常に優秀。ロイドとタメを張れるね。ダイス運に感謝。

アルト:それは頼もしいな。

プリス:で、技能はシューター7、スカウト7、マギテックが4でエンハンサーが1。ガンナーだね。まだマギテックのレベルは低いけど。2丁拳銃タイプで、≪射手の体術≫もあるから前線が張れるタイプかな。ただ、回避も防御も普通レベルだから、トリーシャさんほどの捌きっぷりは期待しないでほしいけど。

ロイド:どっちかっつーと、アタッカーだな。

プリス:そうだね。まぁ……まだマギテックレベルは然程でもないから、そこまでの火力は無いけど。手数で押すガンシューターだと考えて貰えれば。命中率には自信あるしね。器用度ボーナス4だし。装備込みで5。

ロイド:器用度特化だな、能力値。いや、知力も高いか。

プリス:ロイド君は敏捷度以外の穴が無い平均型で、僕は器用度と知力に特化した特化型ってところかな。お互いナイトメア基準でもかなり高い能力値だとは思うけどね。

アルト:くっ、魔術師として知力で負けっぱなしと言うわけには……。(一同笑)

イクス:いや、それを言うなら俺はどーすれば……。(一同笑)

プリス:で、一般技能はフォーチュンテラーとマーチャントが5Lvずつ。前者は趣味、後者は父上の仕事を手伝ってる時期に覚えた感じだね。僕としては、将来は商人として生計を立てていけたらなぁとか思ってるけど。

ロイド:商人は分かるが、フォーチュンテラーか。

プリス:うん。お金を払ってタロットカードとペンデュラムを購入してる。まぁ、あくまで趣味と考えて。キャラ立て、でも良いね。

イクス:占いが趣味の僕っ娘タイプ火力シューターって事っスね?(一同笑)

プリス:……まぁそうなる……かな?(笑) 性格はご覧の通り、冷静で気取った中性的な喋りをするタイプ。結構狡猾だけど、根は情の深いタイプ……に、なれたら良いな。(一同笑)

ロイド:まぁ、セッションの流れ次第で分かってくるだろ(笑)。

プリス:そうだね。まぁ、そんな感じのシューター小娘だよ。よろしくね?
 

名前:プリステア・シークスフィスト
種族:ナイトメア 性別:女 年齢:17 生まれ:魔動機師
身長:149cm 体重:38kg 髪の色:灰
能力値ダイス:技9 体9 心12 A11 B9 C4 D5 E9 F7
最終能力値:器用度27+3 敏捷度19 筋力13 生命力15 知力24 精神力20
保有経験点:500
合計名誉点:300
保有名誉点:0
HP:36+2 MP:32
冒険者技能:シューター7 スカウト7 マギテック4 エンハンサー1
一般技能:フォーチュンテラー5 マーチャント5
戦闘特技:両手利き 精密射撃 二刀流 射手の体術 トレジャーハント ファストアクション
習得練技:キャッツアイ
武器:専用デリンジャー+1×2
防具:ハードレザー
アクセサリ:専用ブラックベルト フローティングスフィア カチューシャ(ヴェール相当) 器用度増強の指輪×2 敏捷度増強の指輪 ペンデュラム(チェーン相当。100G支払い)
所持品:冒険者セット スカウト用ツール ガンベルト×3 弾丸×36 タロットカード
所持金:0
所有コネ:ダライアス・シークスフィスト@貴重な友人(ていうか義父/150点)
 
 遅れて来た対単体最大火力。パーティーで一番ちっこいチビっ子でもある。
 両手の拳銃で目前の敵を薙ぎ払いまくる、単体攻撃の女王。
 冷静タイプだが情が深い。結構愛情に飢えているところも。
 

◆プリス加入と彼と彼女と◆
 

GM:さて、では……前回のラストから、数時間が経過しました。皆さんは何をしていますか。

ロイド:……とりあえず、要塞内に宛がわれた一室で、壁に背を預けて無言で立っている。事情は全部聞いた。

シルフィ:同じ部屋で、ベッドの上で座り込んでいます。時々、しゃくりあげる声が聞こえたり。

アルト:……では、私はそこには邪魔だな。要塞の城壁の上で、ダライアスの部隊に混じってよう。

ネリネ:お供しましょう。

イクス:……じゃ、俺もそっち組っすね。 ――なんか、まだ信じられないっス。

アルト:そういう気持ちは、あの二人が一番大きいだろうな。付き合いの長さも深さも、私達の比ではない。

ネリネ:……同感です。

アルト:だが……今すぐ立ち直れ、とは言わん。しかし、いつまでも落ち込んでいられるほど戦場は温くない。あの状態で戦場に出れば、奴らとてトリーシャの二の舞になるぞ。

ネリネ:……アルト様は冷静ですね?

アルト:そう見えるか。ならば重畳だ。

イクス:……ねーさん、アレが冷静に見えるなら、その目は節穴っスよ。ありゃブチ切れる寸前、噴火直前の活火山っス。ああ見えて兄貴は完全な直情タイプっスよ。

ネリネ:……出過ぎた真似を申し上げました。お許しを。

アルト:いや……構わん。だが、らしくないな、ネリネ。貴様はそう言う皮肉を言うタイプではないと思っていたが。

ネリネ:……それだけ私にとっても、トリーシャ様は大きな存在だったと言う事です。

アルト:そう、だな。やはり奴は年長者だったよ。こう言うと怒るだろうがな。……私達だけでは足りない部分を、常に何も言わずに補い続けていてくれた。

イクス:居なくなって初めて分かるもんスね、そう言うのは。

アルト:だが、落ち込んでばかりもいられまい。ロイドとシルフィは、すぐには動けんだろう。その間は何かあっても私達がどうにかする。文句は無いな?

イクス:あいさ、兄貴。付き合いますぜ。

GM:とは言え、蛮族側も現在は大きな動きを見せる事が出来ないようです。部隊二つの指揮官が死亡、或いは行方不明になったので……一旦下がって再編中のようですね。

アルト:……行方不明?

GM:エスティア・ヴィルヴェントは要塞突入後、行方不明になっているそうですよ?

アルト:……おい待て、それまさか潜伏……。

GM:では、そこでシーンを切り替えましょうか。ロイドさん達の方ですね。

ロイド:あいよー。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:さて、今回の導入に関してはプリスさんには既に説明してあったので、ここはお任せしましょうか。

プリス:ん?僕の判断で動いて良いのかい?

GM:ええ、ロイドさん達を巻き込んでくれれば。

プリス:結構。では、ロイド君達の部屋に行こう。部屋の前に到着したら、ドアを軽くノックするよ。
 

 プリスには前もってこのシナリオの導入部分の情報をある程度与えています。
 ので、GMから指示するのではなくその情報を元に彼女に動いて貰う形をとりました。

 

ロイド:……ノックされたなら、壁に背を預けて立ったまま言うか。 ……開いてるぞ。

プリス:じゃあ、外から声をかけようか。 開けても?

ロイド:……構わん。

プリス:じゃあ、ドアを開けるよ。 ―――失礼、ここは向日葵兵団の方々の部屋で合ってるかな。少々話を聞きたいんだけど……。

シルフィ:……一瞬だけプリスさんを見て、すぐに体育座りに戻ります。

プリス:……う〜ん……困った顔で頬を掻きます。

ロイド:……何の話だ?

プリス:……先の一件。

シルフィ:それを聞いて、ビクリと身体を震わせます。

ロイド:……外で構わないな? 返事も聞かずに、さっさと歩きだすぞ。

プリス:……うん、分かった。

シルフィ:では、私は部屋の中で一人、ベッドの上で座ってます。いってらっしゃ〜い。(一同笑)

遠くのアルト:……PLが笑顔だから、いまいち深刻になり切らんな……。(一同笑)
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

プリス:では、場所を移動した先は……そうだね、ブルデ内の適当な公園にでも。ベンチに腰かけてから切り出そう。 ―――すまないね。あの場であのような話を。

ロイド:……いや、構わん。それで、お前は?

プリス:ああ……自己紹介もまだだったか。重ね重ね失礼した。僕はプリステア・シークスフィスト。……ダライアスの義理の娘、と言えば通じるかな。

ロイド:……親父殿の? 驚いた様子でプリスを見よう。

プリス:うん。それで、僕は父上から少し調べ物を頼まれたんだ。内偵、と言い換えても良いかもね。

ロイド:……内通者か。

プリス:その通り。鋭いね。

ロイド:馬鹿でも分かる。敵の将軍が一人、砦の中で行方不明になっている。そして、そもそも城門を開けたのも……誰か内部から開けた奴がいるって事だろう。つまるところ、内通者だ。多分、エスティアだったか。奴を匿ってる奴がいる。

プリス:その通りだよ、ロイド君。なるほど、聞いていた通り君は聡いね。父上が君の事を褒めていたよ。知恵も回り義を解する、素晴らしい青年だとね。

ロイド:……ハッ、そんな大したもんかよ、俺が。……自分の手で師匠を殺したような、そんな男だ。

プリス:……扉を閉めたのは確かに君かも知れない。だがあれは……。

ロイド:…議論は後だ。それより、先にやらなきゃならねー事があるんだろ?

プリス:―――。 唇を尖らせながら、言葉をひっこめる。 まぁ……敢えて言うまい。そうだね、じゃあ僕の事情を説明しよう。
 

 さて、これはGMが前もってプリスPLに渡していた情報なのですが。
 
・前の一件から考えて、砦内部に内通者が居ることは明白。
・城門の開閉装置を守っていた兵は行方不明。血痕が残っていた事から、殺害後遺体をどこかに捨てたものと思われる。リザレクション対策だろう。
・事態を重く見たガレッガ将軍は他の将軍たちと協議し、内通者を洗い出す事にした。
・ダライアスも義理の娘であり優秀なスカウトでありプリスに内通者の洗い出しを頼んだ。

 

ロイド:……成程、放置は出来んな。分かった、俺に出来る事ならば協力しよう。

プリス:……大丈夫か?

ロイド:問題ねーよ。師匠が居なくなったんだ。その分、弟子の俺が気張らないでどうする。

プリス:………。 なんか、無理してるように見えるんだよなぁ……。

ロイド:さてな〜(笑)。

プリス:……まぁ、そう言って頂けるならありがたい。ともあれ、私としては内通者から探すのではなく……君達と一戦したという、敵将を探したい。

ロイド:その根拠は?

プリス:その足取りを辿れば自ずと内通者にも行きつくだろう?内通者から洗うのは、ガレッガ将軍の部下とかがやってくれる。ならば私は逆方向からアプローチしてみるまでだよ。

ロイド:……分かった。知ってる限りは話すが……俺とてそう、多くを知ってるわけじゃねーぞ?

プリス:敵将がどっちへ向かったかとか、何を話していたかとか、それだけでも大分違うさ。相手の性格と言うのも、重要なプロファイルだよ。

ロイド:確かにな。分かった。それじゃ、話すぞ。
 

 ―――説明中。
 
 GMとしては幾つか方向を考えていたのですが、どうやらロイドはプリスに協力して捜査を進める方向で動くようです。
 まずはエスティアの動きの洗い出し。

 

ロイド:……まぁ、俺から話せるのはこれくらいだな。

プリス:ふむ……GM、今の情報から思いつく潜伏場所は……それこそ幾らでもあるか。

GM:逃げた方向だけですからねー。幾らでもありますし、もしかしたら最初の動きはブラフで、通路一本だけ移動してから逆方向に逃げたのかも知れません。幾らでも考え付きます。

プリス:となると、足で稼ぐか。ありがとう、ロイド君。感謝するよ。

ロイド:……待て、俺も行く。

プリス:君も?だが―――

ロイド:師匠ならそうした。そんだけだ。

プリス:――――。分かった。 頷いて、歩き出す。で、ロイドに聞こえないように小さく呟くよ。

ロイド:……お?

プリス:―――父上が言っていた程の男には見えないな。二言目には師匠、師匠、か。それだと、模倣でしかないよ、ロイド君。
 

◆彼女が抜けた穴◆
 

GM:さて、それからおよそ2時間後。ダライアス将軍から、「当分動きは無いようだから、君達は休んでいてくれ」と言われたアルトさん達です。

アルト:ふむ、そう言うなら戻らせて貰うか。だが、ダライアス氏。先の城門の件―――。 周囲に聞こえないように声を潜めよう。 誰がやったか、目星は付いたか?

GM/ダライアス:「……いや。今、各々の将軍が自分の部下を使って内偵を進めさせている。私も元冒険者である義理の娘に頼んだが……」

アルト:ふむ?まぁ、良い。こちらでも何か掴んだら知らせよう。

GM/ダライアス:「頼む。―――それと、済まない」

アルト:謝罪はするな。あの女は全て覚悟の上であの選択をした。なればこそ、謝罪は侮辱だ。言うならば、奴の墓前で感謝の言葉を添えてやれ。

GM/ダライアス:「……分かった」

アルト:それとな、ダライアス氏。こうなった以上、トリーシャの死を美談にして利用しようと、何をしようと……絶対に中央に戻れ。貴様が戻り補給線と後方支援の態勢を整えれば、第二第三の犠牲は防げる。

GM/ダライアス:「……彼女の死を利用しても、か。やれやれ、分かっていたが天国には行けそうもないな、私は」

アルト:それを提案した私もそうだろうよ。地獄どころか、そこの番犬の餌がせいぜいだ。だが、それでも……そうする事が奴の死に報いる一番の方法だろう。奴は徹底した合理主義者だ。自分の命すら駆け引きの天秤に乗せ、その効果を測り得るほどのな。

GM/ダライアス:「……そんな彼女に報いるならば、彼女の死すら利用して最大限の効果を上げろ、か」

アルト:言い方を変えれば、奴の死を無駄にするなと言う事だ。

GM/ダライアス:「……やれやれ、ロイド君には恨まれそうだ」

アルト:どうだろうな。今の、師匠の死で混乱している奴ならばそれもあるかもしれんが……本来のロイド・クラリクロイツは、物事の本質を捉えられる男だ。奴も、恐らく私と同意見となるだろうよ。

イクス:…実はアルトの兄貴がロイドの旦那を一番買ってるのかも知れないっスね。

アルト:ふん、どうだかな。 答えはせずにそっぽを向こう。

ネリネ:ツンデレですね、分かります。(一同笑)

アルト:おいポンコツメイド。貴様シリアスをぶち壊しにする事に生き様を見出してないか?(笑)

ネリネ:重苦しいばかりでは息が詰まりますよ、アルト様。辛く苦しい状況でこそ、くだらない事を言って笑ってやれ。それもまた、ロイド様の母君の教えです。

アルト:……苦しい時こそ強弁しろ、か。道理ではあるがな……。

ネリネ:……問題でも?

アルト:時と場合によると言う事だ。弱音を吐けるときには弱音を吐いてガス抜きをするのもまた、必要な事だ。強弁ばかりを続けていては、気の休まる暇があるまい。

ネリネ:……成程。

アルト:そう言う意味では、ロイドよりシルフィの方がよほど健康的な精神の動きをしているよ。悲しいから泣いて、感情を発散させている。ロイドの場合、弱みを見せずに貯め込んでいる。破綻せねば良いがな。

ネリネ:……無言でうなずいておきましょう。

イクス:それじゃ、ダライアスのオッサン。俺ら、もう行くっスよ〜。 パタパタ手を振って、その場から離れますかね〜。

GM:あぁ、離れる際に気付くんですが、周囲の兵士達は貴方達を見ると敬礼を返してくれます。

遠くのロイド:……どう言う事だ?

GM:確かに冒険者ではない一般人にとって、ナイトメアは畏怖し恐怖する対象です。ですが、常に最前線に立つ兵士だからこそ、命の重さには敏感です。―――命を捨ててまで自分達を救ってくれた相手に、感謝をしない人は少数派ですよ。

遠くのシルフィ:……これもトリーシャさん効果ですか。

遠くのロイド:……要塞の兵士が概ね好意的になったって事だよな。全く、師匠の奴……ホント、大きな置き土産を残してくれたよ。良い意味でな。


■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

アルト:さて、では宛がわれた部屋まで戻ってきたが……。

ネリネ:……そう言えば、ロイドさんとマスターが二人きりなんですよね。なんか、こう、勢いでスゴい事になっていたらどうしましょう。(一同爆笑)

部屋の中シルフィ:凄い事!?(笑)

イクス:うわ、凄い勢いで喰いついたよ(笑)。

ネリネ:互いに心に傷を負い、慰め合うために……とか。トリーシャ様の読んでた本に書いてありました。(一同笑)

遠くのロイド:ああ、師匠の奴ホント大きな置き土産を残してくれたよ、こいつに変な教育しやがって!?(一同爆笑)

遠くのプリス:……いや、これは本人の資質だと思うけど……。(一同笑)

ネリネ:まぁ、とりあえずドアを開けてみましょう。がちゃ。

イクス:ノックしろよ。そんな想像してるなら特に。(一同笑)
 
シルフィ:あー、では部屋のベッドで泣き疲れて寝てる私の姿だけがあります(笑)。

アルト:……おや。

ネリネ:……事に及んだ後でしょうか。(一同爆笑)

イクス:うん、ネリネのねーさんちょっと黙ってて貰えますか!?(笑)

ネリネ:冗談です。泣き疲れて寝てしまってるようですね。 では、毛布をかけて差し上げましょう。

遠くのロイド:……あー、GM。俺らのシーンの後、一度戻って置き手紙だけ残してて良いか?ちょと先の一件について調べてると言う事を伝えておきたい。

GM:ん、構いませんよ。

遠くのロイド:じゃあ、机の上に置き手紙がある。親父殿の義理の娘と一緒に、城門の一件に関して調査に行くという事について書いておこう。

アルト:……それを見て、溜息を吐こう。全く、奴は……一杯一杯な時に更に無理をしても、ロクな結果にならんのが分かっていないのか。

遠くのロイド:辛い時に、何かをする事で紛らわせたいと言うのもまた、人間の正常な精神の作用だと思うがな。まぁ、今回の俺は無理に無理を重ねているだけか。

遠くのプリス:そうだね、僕もそう思うよ。

ネリネ:……さて、それでは皆さんどうなさいますか?私はマスターが起きた時の為に甘い物でもご用意しようと思うのですが。

アルト:甘いもの、ね。何を作る気だ?

ネリネ:All Round Semiauto Mighty Assault Duelistic Cake―――日本語訳、【-汎環境決戦用亜自立型重攻撃御菓子-】、名付けてサテライト花子ケーキをば。(一同大爆笑)

遠くのプリス:何それッ!!?(爆笑)

アルト:食えるのかそれ!?(笑)

ネリネ:冗談です。まぁ―――アルトさん。マスターはこれでも大分、打たれ強い方です。精神面では、ね。

アルト:………む。

ネリネ:泣いて、寝て、起きて、食べて、そうすれば前に向き直ります。それまでは少々、お時間を頂くことになりますが。

アルト:……強いな。

ネリネ:女は強いものです。ご存じありませんでしたか?

アルト:いや……そうだな、済まなかった。 苦笑を浮かべて、椅子に座ろう。 その言葉を信じるとすると、問題はむしろロイドか。立ち直ったわけではなく無理に前を向き続けている状態だろうな、今の奴は。

イクス:……うーん、心配っスねぇ。ちょっと探しに出てみます?

アルト:……いや、私達も一先ず休もう。無理をしているのは私達も一緒だ。休める時に休んでおく。ロイドが崩れた時にフォローする為にもな。

GM:(おやおや、そう来ますか)
 

 どうやらアルト達は探索に関してはロイド達に一任する模様です。
 その分あの二人を信用しているとも取れますが。
 
 シナリオの攻略よりも、キャラクター達の心の動きに重点を置いた行動とも言えます。
 ある意味ロールプレイの鑑。しかし、容赦無くこちらの魔の手は動いているぜ、フハハハハ。
 

 GMはこの時、そう思っていました。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:では、探索組のお二人の方に戻りましょう。とりあえず、どうしますね?

ロイド:……なぁ、プリス。ちょっと良いか?PL発言だが。

プリス:ん、何かな?

ロイド:(くいくいと手招き)

プリス:……ふむ、ちょっと密談だな(笑)。構わないかな?

遠くのアルト:うむ、任せる。貴様らの判断に従おう。

遠くのイクス:文句は無いっすよ〜。

ロイド:OK。じゃあ、今後の動きだけど――
 

 で、ロイドとプリスの打ち合わせタイム。
 実は―――この段階でロイドのPLは、あっという間に内通者を特定する策を考え付いていたそうです。
 早いよ。
 
 で、まぁそういうわけだから。
 いつでも発見できるんだし、ここはちょっとトリーシャを喪った事で駄目化しているロールプレイをしたいという方向性で相談が纏まった二人。
 なんと、「わざと」空振り調査を始めます。

 

プリス:では、暫くの調査の後に僕は溜息を吐いて砦の一室から出てくる。 ―――ここも空振りか。

GM:(←まだ状況を理解し切ってない)……え、良いの?調査は?

プリス:そっちはPL発言だけど、ロイドが策を出してくれたからね(笑)。しばし、ロールプレイタイムだよ(笑)。

ロイド:……クソ……こう言う時、師匠なら……。

プリス:―――。 そう呟くロイドの横顔を見上げて、溜息を吐こう。 焦りが出てるよ、ロイド。

ロイド:……悪いかよ。ただでさえ、こっちはしてやられて……死人も出てるんだ。

プリス:死んだのは彼女だけじゃない。

ロイド:………っ!!

プリス:可愛げ無い物言いだけどね。君はやっぱり、冒険者だね。兵士じゃない。恒常的に人が、友人が死んでいく現場には慣れていない。いや、慣れちゃ駄目なんだろうけどね、人間的に。

ロイド:……。 無言で、殺意を込めてプリスを睨む。

プリス:……辛いなら辛いと言えばいいのに、それが出来ないと言うのも難儀だね。君を動かしているのは何?怒り?後悔?悲しみ?それとも別の何か?―――知らないけど。

ロイド:……テメェに何が分かるッ!? …衝動的にプリスの胸倉を掴み上げる。

プリス:何も分からないよ。黙って抱え込まれたままだったらね。

ロイド:……っ。

プリス:ただ、君は感情の行き場を無くしている。恐らく君の師匠は凄い人物だったんだろうね。彼女の最期を人づてに聞いただけの私でもそれは分かる。君の言動を見ていると尚更ね。だけど、君はその師匠ではないだろう。無理に代理を務めようとしても、出来ないものは出来ないよ。

ロイド:……。 胸倉を掴み上げたまま、無言で聞いている。

プリス:……僕から言える事は、君は現在無理をしていると言う、それだけだよ。会ったばかりの僕が看破出来るくらいね。

ロイド:…正論ってなァ、随分と腹立たしいもんだなオイ。

プリス:それを正論と理解できるだけの冷静さは残っていたようだね。評価を少しだけ改めよう。

ロイド:………ガキが、知った口を。

プリス:可愛げがないと良く言われるよ。ただ、これでも17歳なんでね。ガキ扱いは止めて貰えるかな?

ロイド:……そりゃあ悪かったな、クソチビ。

プリス:―――メソメソ後ろ向きな考えしか出来ない駄目男が、言ってくれるね。

ロイド:――――。

プリス:――――。

ロイド:投げ捨てるようにプリスを離します。

プリス:では、少しバランスを崩しながら着地を。 ―――全く、礼儀がなってないね。

ロイド:そりゃどうも。それで、正論ばっか繰り出してくるクソ真面目なチビガキさんは、これからどうする気だ?

プリス:調査を続けるさ。君は―――休みたまえよ。

ロイド:……休んで何かが解決するかよ。

プリス:時間は、どんな心の傷にも効く唯一の薬だよ。悲しくても辛くても、時間が経てば少しはその痛みが薄くなる。他に発散の仕方が無いなら、君に必要なのは時間だよ、ロイド君。

ロイド:―――。他に発散の仕方、ね。

プリス:そうだね、例えば兵士の皆を見てると……娼館に行って女を抱くとか?

ロイド:……遠慮しとく。

プリス:真面目だねぇ。評価をもう少し上方修正しよう。その部分は好感が持てるよ。

ロイド:―――。なぁ、お前は何がしたいんだよ。

プリス:ん?まず、内通者を発見したいけど―――

ロイド:俺に関してだ。

プリス:―――ふむ?

ロイド:煽るように正論をぶつけて来たかと思えば、変に気遣って来やがる。何がしたいんだ、お前。

プリス:……怒らないかい?

ロイド:内容に寄るな。まぁ、言ってみろ。

プリス:……傷ついているのが、見ていられなかったから……かな?同情だよ、怒るなら怒って構わない。

ロイド:―――。 それを聞いて、睨みつけるようだった顔をきょとんとさせる。

プリス:何だい、その顔は。君が言えと言ったから言ったのだろうに。

ロイド:……いや、予想外の答えだったんで。なんだよ、要はお節介か。

プリス:そうだよ。怒ったかい?

ロイド:―――……いや、気が抜けた。怒鳴って悪かったな、プリステア。

プリス:……おや、意外だね。 今度はこちらがきょとんとしよう。 君のようなタイプは同情は嫌うのかと思ったけど。

ロイド:……確かに腹は立ったがな。それでも、それはお前なりの優しさだったんだろ。潰れる前に休め、ってな。

プリス:……珍しいタイプだね、君は。私のお節介が感謝されたのは希有な事例だよ。可愛げのない性格だからね。善意で言っても、悪意で取られる事が多いんだ。損な性格だとは思うけどね。

ロイド:改めろよ、そう思うなら。

プリス:……努力はしているのだがね。どうしても放っておけないんだ。

ロイド:……お前さぁ……実はお人好しだろ?

プリス:と言うより憧れかな。父上は何の縁もゆかりも無い、それどころか父上に害を為した私を救ってくれた。無償で、何の見返りも求めずにね。私もああなりたい、なんて言うのは贅沢かな。とにかく、君は見てて放っておけなかった。意外と母性本能をくすぐるタイプかもね、君は。

ロイド:……母性、ねぇ。母性の象徴が非常にお寒い限りなんだが、お前さんは見る限りで。

プリス:なっ!? 胸を隠すように自分で自分の身体を抱いて、後ずさります。 ど、どこを見ているんだ君は、いやらしいな!?(一同笑)

ロイド:……娼館がどうのと人に勧めた奴の対応じゃねぇな。いや、胸倉掴んだ時にちょっと。ブラすら必要無いのな、お前。(一同笑)

プリス:なっ……だ、誰にも触られた事が無かったのに……!け、汚された……。(一同笑)

ロイド:意外とウブな対応するな、お前……。

プリス:……何か言う事は無いのか、ロイド君。 自分の身体を抱いたポーズのまま、ちょっと赤い顔で睨みつける(笑)。

ロイド:え?えーと、まぁ………ありがとう?(一同大爆笑)

プリス:ふんっ!! 全力で脛を蹴ります!!(一同爆笑)

ロイド:おうフ!?(爆笑)

プリス:ふん! と鼻息荒くそっぽ向いて、ずかずかと歩き出します(笑)。

ロイド:ま、待てコラてめぇ……!!?(笑)

GM:……じゃあ、ここらでシーンを一旦切りましょうか(笑)。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

睡眠中シルフィ:う〜ん、むにゃむにゃ……なんかロイドが変なフラグを立ててる気が……ライバルの予感……ぐ〜。(一同笑)

アルト:……変な寝言を発しているな。どうする?(笑)

イクス:…疲れてるんじゃないっスかね、そっとしておきましょう(笑)。

ネリネ:とりあえず、コック技能でケーキ作ってます。(ダイスを振る)……うん、達成値15。良い出来です。

GM:……皆さん非常にまったりしてますけど、何か無いんですか?(笑)

アルト:ふん、私達に今できる事は待つだけだ。

イクス:カッコ良く言ってるけど、要はロイドさん達に調査とか全部押し付ける魂胆っすよね。PLが。(一同笑)

ネリネ:いえいえ、やはり師匠の死を乗り越えてこそですよ。こう言うシーンは必須ですね。

睡眠中シルフィ:ぐー……(笑)。
 

 結局、アルト達の元にアレット・サイヴァリア組の調査員としてメル&バーンが。
 後はガレッガ老の副官がエスティアに関する聞き取り調査に来ますが、実際に会ったアルトとしても知ってる事は少なく、ほとんど互いに成果も無く終わります。
 
 メルやバーンは心配してくれましたが、寝てるシルフィを起こさないために早めに退散。
 ―――実はこのシーンにも伏線はあったのですが、活用される事はありませんでした。
 

◆泣いても良いよ◆
 

GM:さて、ではシーンを調査組に戻しますが……。進展なしで大丈夫です?

プリス:PLとして言うと余裕。ただし、キャラクターは多少の焦りはあるかもね。

ロイド:……で、次はどうするんだ、プリステア。

プリス:…君は休まなくて良いのかい?

ロイド:……あー、怒ってるなら改めて謝るが?

プリス:確かに怒っているがね。君は乙女の胸をなんだと思っているんだ。

ロイド:男のロマン。(一同爆笑)

プリス:……君は……。 溜息を吐いて頭振ります。 ……と言うか、まぁ、それは良い。忘れよう。むしろ忘れてくれ。―――僕が言っているのはだな。……大丈夫なのか?

ロイド:……分からん。正直まだ、頭の中がグチャグチャだ。お前に正鵠射られて、ある程度纏まったが……いや、ある程度纏まったからこそ、グチャグチャなのが見えて来たっつーべきか。

プリス:……。 ここは、聞きに徹します。

ロイド:―――何で……いや。

プリス:……どうした?

ロイド:らしくねぇな、泣き言なんてよ。

プリス:別に恰好を付ける必要も無いだろう。

ロイド:殆ど知りもしない相手の前でか?

プリス:殆ど知りもしない相手の前だからこそ、さ。

ロイド:……。

プリス:なまじ知らない相手の方が、内心を吐露出来る場合もあるだろう?

ロイド:……あー、クソ。

プリス:……む、すまん。気に障ったかな?

ロイド:……いや、自分に毒づいただけだよ。こんな生意気なチビ助相手に、内心吐露しても良いかなって思い始めている自分に対してな。

プリス:チビ助チビ助と……確かに僕は背は低いが、これでも立派なレディの……いや、違うか。むぅ、ロイド。立派なレディとはどういうモノなのだろうか。……僕がレディらしくないのは分かるが、レディらしくある為にはどうすれば良いのかが良く分からない。フリフリの服を着て、語尾に『りゅん☆』を付けたら……僕を見た父上が身震いしながら逃げ出した事もある。(一同爆笑)

ロイド:……どうなったんだ、それ(笑)。

プリス:数分後、医者と神官を連れて戻って来た。アレはショックだったな。(一同爆笑)

ロイド:……いや、俺は親父殿の気持ちが非常に良く分かるが(笑)。

プリス:それで、どうするんだ?

ロイド:どうするって……。

プリス:調査も進まない、ここは一つ休憩しても良いだろう。丁度良く人もいない場所だ。私で良ければ、泣き言程度幾らでも聞こう。

ロイド:………。

プリス:他人に頼れるのも技術だよ、ロイド・クラリクロイツ。君は確かに有能なのかもしれないがね、誰かに頼られるばかりではなく、誰かに頼る時があっても良いだろう。

ロイド:それがお前だと?

プリス:他の誰かでも構わないさ。それに、僕だって言うほど強くない。これでも誰かに頼る事は多い方でね。ああ、ロイド。もし僕に頼るなら、逆に僕にも頼らせてくれよ?それが人情ってものだ。

ロイド:お前みたいな冷徹っぽい奴に人情語られるとはなぁ……。

プリス:おや、傷付いたぞロイド。僕は冷静であろうとはしているが、感情の無い木石ではないよ。

ロイド:分かってるよ。―――……なぁ、プリステア。

プリス:……何だい?

ロイド:……何で、師匠は死んじまったんだろうな。

プリス:……。

ロイド:俺が無理に配置換えを願ったりしなければ、こうはならなかったのかな……。

プリス:違うよ。もし君が居たとしても何も出来なかった。あの状況は、そう言う状況だった。

ロイド:……分かってるんだよな。師匠が取ったのが最善の行動であり、それ以外の道が無かったって事も。そうしなけりゃ、そうだな。サイヴァリアが師匠の代わりに突撃かけてた場合は、サイヴァリアが死んで……アレットも崩れる。となると、ブルデの防衛そのものに大きな亀裂が入り、死者はもっと増えていただろう。

プリス:………うん。

ロイド:行ったのが師匠だけだった事で、他の面々は要塞内部に踏み込んできた敵の掃討に回れた。結果、孤軍となった敵の大半は討ち取る事が出来、ピンチが逆に大戦果となった。

プリス:……そうだね。

ロイド:分かってるんだ、あれが最善だったって。でも――――。

プリス:……でも?

ロイド:―――何で、死んじまったんだよ、師匠……ッ!! 顔を伏せて、声を震わせて、絞り出すように。

プリス:……仕方ないなぁ、君は。 ―――少しだけ困ったように、苦笑を浮かべよう。 ……泣きたい時は、泣いても良いんじゃないかな。

ロイド:……。

プリス:僕の胸で良ければ貸すよ。辛ければ辛いって泣いて、泣くだけ泣いて、それから考えよう。それは何も恥ずかしい事じゃないんだから。―――ね?

ロイド:……では、そう言われてから躊躇って……。

プリス:躊躇ったロイドの頭を引き寄せ、優しく抱きすくめます。 ―――ね?

ロイド:う。……覚悟決めるか。―――では、抱きすくめられて……少しだけ、その胸で泣きます。

プリス:……うん。少しだけ、今だけ気を緩めて良いよ。誰も見てはいないもの。

GM:……では、ここでシーンを切りましょうか。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

シルフィ:(げらげら笑いながら)いやーっ!ロイドが、私のロイドがーっ!!(←しかし、プリスとロイドのシーンで一番『GOGO!』言ってた人)

アルト:……二股か?(一同爆笑)

ロイド:ばっ、畜生、あのシーンで他にどうしろってんだ!!(笑)

プリス:話の流れ的にねぇ?(笑) いや、可愛いなロイド君は。(一同笑)

ロイド:うわぁ恥ずかしい、俺今リアルに恥ずかしい!!(一同笑)

シルフィ:だ、駄目ですプリスさん!ロイドはあげませんっ!!(笑)

プリス:うん、じゃあ君が正妻で良いよ。(一同爆笑)

シルフィ:正妻っ!?その言葉、なんかトゥルーンと来ました!!(一同爆笑)

プリス:まぁ、話の流れのまま勢いで胸貸しちゃったけど、僕自身としてはどうなるかまだ分からないね。ロイド君がカッコ良いトコ見せてくれれば惚れるかもよ?結構乙女だから、僕(笑)。

ロイド:……全力で情けないところ見せてしまった後だが…(笑)。

プリス:おや、知らないのかい?ちょっと情けない所を見せてくれた方が良いって女の子も多いのさ。その後カッコ良いところを見せてくれれば……そのギャップがたまらないかもね?(笑)

ロイド:……ここから本気出すつもりだった俺……どうすれば?(笑)

シルフィ:ロイド……うちの実家、一応貴族でして。

ロイド:……うん。

シルフィ:貴族だと、本妻以外に妾を娶るのは結構普通なんですよ?(一同爆笑)

イクス:はい、本妻から許可出ましたー。(一同爆笑)

シルフィ:まだ会っていませんが……なんかプリスちゃんとは仲良くなれそうです!!(一同笑)

プリス:うん、僕もシルフィ君とは仲良くなれそうだね!!(一同笑)

ロイド:(素で)……えー……っと、あれ?(一同爆笑)

アルト:今お前、PLの素で困惑したろ(笑)。

ロイド:あのさ、プリス、シルフィ。お前ら俺を陥れるために打ち合わせかなんかしてた?(笑)

プリス:いやいやそんな、とんでもない(笑)。僕はそもそも、こう言う流れになるつもりは無かったからね。話の流れに従って喋ってた結果だよ、これは(笑)。

シルフィ:全く打ち合わせとかはしてませんでしたが、プリスちゃんなら良いかなーって見てて思いました(笑)。

プリス&シルフィ:―――ヘイッ!!(ハイタッチ)(一同大爆笑)

GM:……流石の息の合い方ですね(笑)。

ロイド:……もう流れに身を任せるか……(笑)。

ネリネ:流水に身を任せ同化する……!!(一同爆笑)

イクス:ジョインジョイントキィ。(一同爆笑)
 

・「流水に身を任せ同化する」「ジョンジョイントキィ」
・格ゲー北斗の拳ネタ。ゲームバランスが世紀末。

 

GM:まぁ、それはともかく。ここまで全く調査は進めて無かったようですが……何か策でも?

ロイド:それは、まぁ次のシーンだな。

GM:ほほう。では次に移りますか。
 

◆ロイド・クラリクロイツ◆
 

ロイド:では、数分後、プリスと顔を合わせないようにして咳払いしている俺の姿があった。(一同笑)

プリス:照れてるねぇ(笑)。

ロイド:……すいません、頼むから誰にも言わないでくれると助かります。(一同笑)

プリス:まぁ、君の態度次第かな?(笑) いや、可愛いところを見せて貰ったよ。

ロイド:うっせぇボケ。―――……あー……でも、まぁ……感謝する。

遠くのイクス:デレ期入りましたー。(一同笑)

遠くのシルフィ:くぅ……なるほど、ロイドをデレさせるにはこうすれば良かったんですね!!(一同爆笑)

プリス:いやまぁ、僕のこれは弱味に付け込んだ形なのだろうけどね(笑)。トリーシャが死んでなければ、ロイドはこんな弱味を見せる事は無かったと思うよ、多分。

ロイド:……まぁな。 ―――さて、プリステア。

プリス:プリスで良いよ。長いでしょ、プリステア。

ロイド:……じゃあ、プリス。悪かったな。

プリス:いえいえ。 くすくす笑ってます。

ロイド:……まぁ、何か腹立つが……それはともかくとして、一通り無様を見せたおかげか、頭の中がスッキリして来たぜ。全く、馬鹿か俺は。わざわざ歩き回らんでも、敵を探せる手段はあるだろうに。ははっ、良いね。次から次へと策が沸いて来たぜ。

プリス:……ロイド?

ロイド:プリス、とりあえず向日葵兵団の部屋に戻るぞ。イクスを探す。

遠くのイクス:……へ、俺?

ロイド:おう、お前がキーだ。―――見てな、エスティア。一瞬で追い詰めてやるよ。

プリス:―――。 先程までとは顔つきの違うロイドの姿に圧倒され、僅かに頷くのみです。 ……分かった、任せるよ。

遠くのアルト:よし、漸く出番か。待ちかねたぞ(笑)。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

シルフィ:あ、はい。その前に私、もぞもぞと部屋で起き上がり始めます。

ネリネ:……マスター、お目覚めですか。

シルフィ:……あぁ、ネリネ。……はい、大丈夫です。

アルト:……本当に大丈夫か?

シルフィ:大丈夫ですよ、アルトさん。泣くだけ泣いて、悔やむだけ悔やみましたからね。

アルト:……トリーシャの事は?

シルフィ:……悲しいですし、辛いですよ。でも、仲間が死んだのは私たちだけじゃありません。この防衛戦では、何十人……あるいは三桁以上の人たちが死んでいるんです。

アルト:……あぁ、そうだな。

シルフィ:確かに悲しいですけど、生憎と今は悔やんでられる時間はありません。時間は悲しみをいやす特効薬ですが―――時間が無ければ、無い物ねだりはしてられないんです。悔やんでばかりで何もしないなんて、死人か聖人のやる事です。私の流儀じゃありません。

ネリネ:……マスター……。

シルフィ:トリーシャさんの事は、ほんと、悲しいですよ。でも……私達は前に進む!それが私達に、今できる事です!!泣くだけ泣いて、泣き言を言うだけ言った後にこう言うのは自分勝手ですかね?

ロイド:―――いや、それが正解だ。つっても俺は、他人に気付かされたがな、それ。 そこで登場。部屋のドアを開けて入ってくる。

アルト:……なんだ、ロイド。随分とマシな顔になったではないか。自分を追い詰めて死にそうな顔だった分際で。

ロイド:はっ、これが俺の本来のハンサム顔だよ馬鹿野郎。

アルト:―――何だ、急にやる気になったな。何があった?

ロイド:何も無ぇよ。だから何かを起こしに来た。

イクス:……我に策ありって顔っスね、旦那?

ロイド:おうよ。その為にはお前の協力が不可欠だがな。

イクス:……俺?いやまぁ良いっスけど。

プリス:……えーと、ちょっと良いかな。 と、ここでロイドの後ろから顔を出そう(笑)。 失礼、向日葵兵団の皆さんは……勢ぞろいか。

アルト:……誰だ?その子供は。

プリス:……失礼だな、君は。僕はプリステア・シークスフィスト。ダライアス・シークスフィストの義理の娘だよ。

ロイド:城門を開けやがった内通者と、俺らを手玉に取ってくれやがったエスティアの奴を探してんだとよ。

アルト:あぁ、置き手紙にあった話か。……それを手伝う気か?

ロイド:おうよ。――俺らはしてやられた。それはもう、見事にやられた。だが、ここで敗北を認めるってなァ柄じゃないだろ?右の頬を殴られたら、左の頬にパイルドライバー、だ。敗北を認めずに、次の勝利の為に考えろ。考えて考えて、為すべき事を、為せる事を為せ。―――リベンジだ。それが俺の師匠のスタイルだろう。

アルト:訂正一つ。 くく、と楽しそうな笑みを浮かべよう。 トリーシャのだけではない、私達の、だ。良いだろう、トリーシャには恩があった。それを返さぬまま逝かれたと言うのは正直業腹でな。意趣返しが出来るならば、私が乗らない理由は無い。

ロイド:OK。話は纏まったか?

シルフィ:いえ、私、ロイドの後ろに居るプリスに向けて無言の威嚇をしています。頭上に竜が見えます。ただし、サンリオ辺りがデザインしたようなファンシーなのが。(一同爆笑)

ロイド:うっわぁ、迫力ねぇ〜……(笑)。

シルフィ:がうっ、がうがうがう!!(一同笑)

イクス:お嬢、それ竜やない。犬や。(一同笑)
 

 閑話休題。
 とりあえず、ネリネが作ったケーキを食しながら自己紹介タイム。
 今更ながら初対面(シルフィとは少しだけ顔を合わせてたけど)なロイド以外の面々とプリスが、互いに自己紹介をしています。暫くお待ちください。
 
 そんな中、ネタを織り込んだ約二名。

 

ネリネ:ネリネと申します、プリス様。以後お見知り置きを。

プリス:年齢は?

ネリネ:思春期です。(一同爆笑)
 

 それはともかく。
 自己紹介が終わった所で、ロイドは「策」を一同に打ち明けます。
 それは―――

 

ロイド:イクスの特殊神聖魔法。「パスト・ヒアリング」を使う。これは一日以内にその場で起こった物音を再生する魔法だ。これをエスティアと遭遇した場所から順に使えば……。

イクス:あ。―――簡単にエスティアの逃走経路が割り出せる!?

GM:げ、げげぇ―――――ッ!!?(一同爆笑)
 

 ―――はい、出ました。
 GMが完全に想定していなかった追跡策。
 この魔法を使い、ロイド達が遭遇した落とし扉の部屋から追跡されればあっという間にエスティアの隠れ場所までの追尾が可能となります。
 完璧に想定していなかった解決策。してやられました。
 
 同時に、GMが作っていたイベントやギミックの八割が無駄になった瞬間とも言います。
 そう言う時は諦めて爽やかに予定を破棄しましょう。
 GM、内心で「南無三ッ!!」と叫びつつシナリオの予定を放棄しました。後は彼らの行動に任せる所存です。

 

プリス:―――成程。 それを聞いて、感心したように頷きます。 流石だよ、ロイド君。私の見込みが甘かった。父上の見立て通り……いや、それ以上の知将だな、君は。

ロイド:ハッ、どうよ。見直したか?

プリス:うん、さっきまで私の胸に顔を押し付けてた人とは思えな―――あ。(一同大爆笑)

ロイド:『あ』じゃねぇぇぇぇぇぇ!!?(大爆笑) PL、絶対わざとだろ今の!!(一同爆笑)

シルフィ:ろ、ロイド……まさか、そんな……!?わ、私の胸じゃ駄目なんですか!?今からでも遅くは無いですよ、ほら!ほら!! 両手広げてカモーンとやってます。(一同爆笑)

ネリネ:制限移動で3m、ロイドさんから距離を取ります。(一同爆笑)

イクス:まぁ、旦那も男っスからね……小さい子が好きだとは思いませんでしたが。(一同爆笑)

シルフィ:ぷ、プリステアさん!負けません、負けませんからねーっ!! ビシッ!!(一同爆笑)

プリス:……ふむ。まぁ確かに、ロイド君は良い男だしね。(一同笑)

シルフィ:そうです、ロイドはとっても良い男なんです!カッコ良いけど時々抜けてて、あんまり弱いところを見せてくれないのが悩みですが……とにかく、あげませんからね!?私、20年も前から予約済みなんですからねーっ!!?(一同大爆笑)

アルト:……ロイド。貴様、何を考えてフラグを立てた?(一同笑)

ロイド:……いや、その……弱音とか聞いてもらったりとか……。

プリス:自分で言うのもなんだけど、僕はナイトメアだから愛情に飢えているからね。僕は君の弱音を聞いたけど、君も君で、僕の本質を理解してくれた。その上、本気になった瞬間に私ではどうにもならなかった事柄をスパンと解決してしまうカッコ良さだよ。本気で惚れたかはともかく、興味は持つね!!(一同笑)

アルト:……ロイド。

ロイド:……うん。

アルト:……愚痴なら聞くぞ。(一同笑)

ロイド:……うん、本気でありがとう。マジで感謝する……。(一同笑)
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:で、一通り馬鹿騒ぎが終わったら……どうします?(笑)

ロイド:無論、落とし扉の部屋に行く。イクス、頼むぞ。

イクス:あいさ、お任せあれ。

GM:うう……では、あっさり到着できます。入口の扉の前と、入ってすぐの所に大きな血痕が残った落とし扉の部屋です。

イクス:さて、この魔法……効果範囲は半径3mなんスよね。

ロイド:さて、まずはこの場でだな。

アルト:む?最初にエスティアがどちらに逃げたかは分かっているだろう?

ロイド:その前さ。俺らがここに来た時にはもう見張りの兵士の死体が無かっただろう?エスティアが一度死体を処分しに行ってから戻って来た、と考える事も出来るが……そこまでする理由も薄いだろう。恐らく、見張りを殺して死体を処分したのはエスティアを引き入れた「内通者」の仕業だ。

GM:(口から魂)……わーい、シナリオの中核まで一瞬でブチ抜かれた。(一同笑)

イクス:じゃ、かけますよー。(ダイスを振る)……うし、かかった。これで一日前までの音声が再生できます。

ロイド:よし、まずは巻き戻しだ。(一同笑)

GM/エスティア:『―――やはり、ここに来たわね。門が開いた以上、閉めに来るのは道理。分かっていたけどね』 ……と、声が聞こえます。これはロイドさん達が遭遇した時に、エスティアが言った言葉ですね。

ロイド:……もう少し巻き戻せるか?

イクス:うぃ。キュラキュラキュラ(巻き戻し音)。

GM/???:『あ、将軍。どうなさったのですか?今、将軍の部隊は―――』

一同:……え?

GM/???:ざしゅ、どしゃ! 『な、将軍……なに、を―――』 がちゃん。 『どうした、何があった!?な、将軍!?これはどういう……ぐわぁ!!?』 ―――びちゃびちゃ、ばたん。

イクス:……あの、将軍って聞こえるんですが。

プリス:……誰?一体誰!?イクス君、早送り!早送り!!

GM/エスティア&???:で、それから数分して……。 『―――ふむ、定刻通りね。安心したわ……もしかしたら貴方が二重スパイなんじゃないか、って少し疑ってたから』 『……それは無いな。私は二十年も前から、アウグスト様の配下だ』 『それを手元から離れて十年経っても続けられるのが凄いのよ。……まぁ良いわ。じゃあ、貴方はこの死体をお願い。ここに誰か来た場合は―――私がどうにかするわね』

ロイド:……うあー、ノーマーク。

プリス:……聞き覚えのある声、だよね?

GM/エスティア:ええ、プリスさんは聞き覚えがあります。 『―――じゃあ、宜しく頼むわね。レイストームさん?』

一同:……うわぁぁぁぁぁ……。
 

 はい、シナリオの中核が一瞬でバレました。
 内通者は―――ガレッガ将軍の腹心であるレイストーム将軍。
 人格的にも能力的にも問題なしとされ、PC達の誰もがマークしていなかった相手です。
 その為に無個性だが有能な人物、という情報を流していたわけですが。

 

ロイド:……こいつ、十年もの間ひそみ続けたスパイかよ。

アルト:ドレイクの寿命を考えろ。確かに十年の仕込みと言うのもあり得ない話ではない。

ロイド:……とりあえず、プリス。急いでガレッガ将軍呼んで来い。これ聞かせる。

プリス:わ、分かった!! では、ダッシュでガレッガ老を呼びに行く!!

GM:……うーん、完全にイクスさんにしてやられたなぁ。

イクス:……いや、これはシナリオ開始直後からこの解決法を考え付いていた旦那の手柄っスね。
 

 で、大急ぎでガレッガ老を呼びに走ったプリス。
 連れて来られたガレッガ老に「パスト・ヒアリング」の内容を聞かせると、絶句。
 とは言え、歴戦の兵であるガレッガ老、流石にすぐに平静を取り戻します。

 

GM/ガレッガ:「……すまんの。これは……わしの不手際じゃ。トリーシャ君の件も含めて、わしの責任じゃな……」

ロイド:誰も責めやしねぇよ。それより今は、俺らをコケにしてくれやがったクソ野郎の顔面にどうやって槍をブチ込むかだ。

プリス:ガレッガ老……許可さえ貰えれば、僕と彼らでレイストーム将軍を討ちますが。

ロイド:ンだよ、お前も付き合ってくれるのか?

プリス:乗りかかった船だよ、ロイド。……ただ、問題は……裏切ったのがレイストーム将軍だけなのかどうか、と言うところだね。

シルフィ:そうですね。部下の方々まで引き入れられていては……。

GM/ガレッガ:「恐らく、それは無かろう。居たとしても少人数で間違いない筈じゃ」

ロイド:ふむ、論拠は?

GM/ガレッガ:「兵の振り分けはワシがやっておる。奴の息のかかった兵士を登用しようとしても、振り分けるのはワシじゃからな」

ロイド:手勢を入れる事は恐らく出来てない。向こうに引き込まれていても恐らく少数、か。成程な。

GM/ガレッガ:「他の将にはわしから伝えておく。兵にも動揺が生じないように上手くやろう。……頼む、レイストームを討ち取って貰えるか?」

ロイド:構わないんだな?

GM/ガレッガ:「うむ……こうなっては、是非も無い。証拠は今ので十分じゃし……理由があって裏切ったのではなく、元からこうするつもりでワシに接近したのじゃろう。全て、ワシの不徳の致すところじゃよ」

アルト:ふむ……では、手回しを頼む、ガレッガ老。その間に私達はエスティアの足取りを追う。

イクス:うぃさ。「パスト・ヒアリング」を使いながらの追跡調査っスね。

GM:そですね。聞き耳判定をすれば、どちらに逃げて行ったかは簡単に分かるでしょう。エスティア、スカウトとしては低レベルですし。

ロイド:基本的に戦闘型か。分かり易くて結構だがな。

シルフィ:では、イクスさんお願いします。頑張って行きましょう!!
 

 そして、ガレッガ老に手回しを頼んでいる間に、向日葵兵団+1は調査を進めます。
 「パスト・ヒアリング」で音を再生して、その音を元にエスティアの逃走経路を割り出して追跡して行きます。
 流石にLv7スカウトが二人も揃っているだけあり、聞き耳でミスする事なども無く追跡は順調。
 
 あんまりにも順調だから、思わずGM、小ネタを挟んでみたり。

 

GM:では、そこで「パスト・ヒアリング」した結果、エスティアはこの通路を右に走って行ったようです。

ロイド:プリス、この先には何がある?

プリス:うん、GMどう?

GM:この先は―――レイストーム氏の私邸ですね。

イクス:BINGO♪ほぼ間違いないっスね。

ロイド:そだな。流石に私邸前で魔法かけて調べてたら怪しまれるかもしれんので、この辺で一回ガレッガ老のとこに戻るか。

イクス:ああ、消耗した分魔香草とかでMP回復してほしいっス。

ネリネ:畏まりました。では、魔香草での回復にも少々時間がかかりますので、休憩と致しましょう。

GM:あ、ではそこで休憩してるとですね。「パスト・ヒアリング」の効果内での数時間前の音声が聞こえて来ます。

ロイド:ん?

GM/兵士:「おいおい、良いのかい?こんな所までホイホイついて来て……俺はノンケだろうと構わず食っちまうような行きずりの傭兵なんだぜ?」「……構いません、僕、貴方のような人は好きですから……」(一同大爆笑)

アルト:ガチホモ!!?(爆笑)

イクス:くそみそだ!!(爆笑)

ロイド:なぁGM、これ何かシナリオと関係あんの?!(笑)

GM:いえ、何も無いです。ただあんまりにも調査が順調に進んでるんで、小ネタ挟んでみました。(一同爆笑)

シルフィ:は、早送り!早送り!!イクスさん、続きを、早く!!(一同爆笑)

プリス:う、うん。これは興味深いね。少しだけ、少しだけ興味をそそられるよ!!(一同爆笑)

ロイド:ノリノリだなお前ら!?

シルフィ:プリスさん、こう言うのが嫌いな女の子なんていませんよ!ね!?(一同爆笑)

プリス:う、うん。そう、そうだとも。これは女の子として自然な興味だ。な!?(一同爆笑)

ロイド:……実は仲良いだろ、お前ら(笑)。

プリス:うん、胸もそこまでコンプレックス抱かなくて良さそうな相手だし。(一同笑)

シルフィ:AカップとAAカップの歪んだ友情ですね、分かります。(一同笑)

プリス:シルフィ君、僕が思うに、人族を語る場合は女性は更に貧乳種と巨乳種に分けるべきだ。何か根本的に在り方そのものが違う気がする。(一同爆笑)

シルフィ:分かります。あの、私達の昔の依頼人さんと一緒にお風呂入った事あるんですが、あれ持ち上げないとアンダー洗えないんですよ。ありえません。(一同爆笑)

アルト:……ああ、レジーナか(笑)。

イクス:こう考えると、旦那は貧乳に好かれるんですね。(一同爆笑)

ロイド:……え、何かの崇り?(一同笑)
 

 そんな馬鹿な会話も挟みつつ。
 ガレッガ老のところへ行き、根回しの終了を確認。
 現在レイストームは私邸に居て、そこにはごく少数の兵士しかいない事も確認。
 兵士は殺すなとガレッガ老に言われ、それは了承した冒険者達。

 

ロイド:となると、後は突撃して暴れるだけだな。

プリス:兵士は殺さないでね。僕は仲間殺しは御免だよ。

ロイド:狙いはレイストームとエスティアって事だな。

アルト:もしレイストーム側に付いた兵士が居なくても、アンデットを相手にするのは覚悟しておけ。敵はメティシエの神官戦士だ。

イクス:そういや、レイストームの能力ってどんな感じっスか?

GM:装甲タイプの重戦士です。武器はメイス。

ロイド:ネリネに近いタイプか。ちょっと面倒かもな。

プリス:ふふん、まぁそう言うタイプの相手は僕に任せてくれよ。

ロイド:分かった、期待させて貰うぜ、プリス。

シルフィ:ロイド、私にも!私にも期待してくれないと拗ねますよーっ!!(一同笑)

プリス:……じゃあ、ちょっと優越感籠った笑みでシルフィを見ます。(一同笑)

シルフィ:ふしゃーっ!! あ、今私の頭上ではサンリオ辺りがデザインしたと思われるハムスターが、精一杯身体を広げて威嚇してます。(一同爆笑)

プリス:じゃあ、私の頭の上では同じくサンリオ辺りがデザインしたハツカネズミが、胸張って勝ち誇ってる。(一同爆笑)

イクス:……なんと微笑ましい(笑)。

ロイド:……もうアレは放置しよう……ちょっと問題を先送りさせてくれ。(一同笑)

アルト:まぁ、なんだ、頑張れ。(一同笑)

ロイド:そだ。もし向こうについてない兵士が居ても、レイストームに命令されて事情を知らずに襲ってくるかもしれん。ガレッガ老、命令書くれ。

GM:チッ。気付いたか。
 

 そして、万全の態勢でレイストーム襲撃作戦が決行される事と相成りました―――。
 ちなみに、GMの用意したギミックとイベントは、日の目を見る事無くそのままお蔵入りとなりました。
 ぐすん。
 

◆リベンジ・マッチ◆
 

 さて、襲撃が決まった所で、一同はどうやって襲撃するかを考えます。
 正門から殴り込んでいくのでは芸が無い―――と言うか、無駄が多い。
 ので、まずは調査の名目で普通に面会を求める方向です。
 断られたら正面突破。
 
 幸い、私邸に居る以外の兵士はガレッガ老が掌握しています。
 敵に外からの援軍は無いので、余裕を持って作戦を立てる冒険者達。
 GM側の目論見はこの段階で九割粉砕されています。

 

GM:(ここで断るのも不自然か……まさか、この段階で看破されてるとは思わないもんなぁ)……面会を求めれば、少し待たされた後に応じられます。兵士が貴方達を応接間まで案内してくれますね。

アルト:武装は?

GM:……今は戦争中ですからね。何かあったらすぐ動けるようにするため、向こうさんも貴方達も完全装備でも全く問題ない状況です。

ロイド:まぁ、案内されていくか。

GM/レイストーム:はい。で、応接間では30歳程度の外見をしたルーンフォークの男性が迎えてくれます。後ろには案内してくれた兵士と、他2名ばかりの兵が控えています。 「ようこそ、わが家へ。向日葵兵団の方々と……ダライアス殿の娘殿ですな。何か御用ですか?」

プリス:こんにちわ、レイストーム将軍。エスティア嬢はお元気ですか?

ロイド:うわ直球ぅ……。

アルト:まぁ、妥当だろうな。長話をするつもりも無い。

GM/レイストーム:「っ、な、何を……」

ロイド:なぁ、アンタ。「パスト・ヒアリング」って知ってるか?ル=ロウドの神聖魔法で、その場で一日以内に発された音を再生する事が出来る魔法。アンタさ、門が開いた前後、どこに居た?開いた後、落とし扉の部屋で誰と話した?

アルト:ちなみに、既にガレッガ老にもその音声は聞かせた。根回しも済んでいる。逃げ場は無い。大人しく認めて投降した方が身の為だが?

GM/レイストーム:「……っ貴様ら!!」 激高したレイストームが、腰のメイスを抜き放ちます。 「下賤な冒険者風情が、我らの策を邪魔立てしおって……!!」

ロイド:ハッ……小物が。下賤な冒険者風情、ねぇ。結構結構。―――その下賤な冒険者風情が一人敵を食い止めたおかげで、テメェらの策は破綻した。その結果じゃなければこの状況は無かったよなぁ。テメェらは負けたんだよ、俺達にじゃなく、トリーシャ・アールクラフトって冒険者にな。

アルト:くっく……いや、全く助かるよ。降伏などされればこの怒り、どこにぶつけたものかと思っていたところだ。精々暴れて抵抗しろ、雑魚が。

ロイド:―――リベンジだ。師匠の借りはここで返す!!

アルト:そう簡単に死んでくれるなよ?既にこちらはブチ切れている。簡単に死なれてはつまらんのでな!!

イクス:……うわぁ。

ネリネ:……正直言いますと、自業自得とは言え……完全にキレたあの二人を相手にするのは、同情しますね。

プリス:周囲の兵士の反応はどう?

GM:はい、貴方達を案内して来た兵士はレイストームの横で剣を抜きますが、残りの二人は「え?え?」と言う様子でキョロキョロしています。

プリス:君達、離れていたまえ!僕たちは正式にガレッガ将軍からの命で動いている。これが命令書だ!!命令書、投げて渡します。

GM:くそう。命令書を見せられちゃ、どっちが敵か理解しちゃいますよね。……とりあえず、彼らは指示に従って離れます。

ロイド:敵はとりあえず二名、と。

GM:いえ、そうですね。ではここで危険感知判定して貰いましょうか。

プリス:(ダイスを振る)……うげ、ピンゾロ。

ロイド:(ダイスを振る)お、6ゾロ。

アルト:極端な……(笑)。

GM:おや、危険感知の出目が一番低かった人に仕掛けようと思ってたんですが、プリスさんですか。そですね、折角ですから6ゾロ出したロイドさん、庇っても良いですよ。

ロイド:な、何が起こる?

GM:いえいえ、ちょっとした不意打ちです。床下の隠し部屋で状況を聞いていたエスティアからの奇襲攻撃ですね。

シルフィ:うわ、ずるい!!(笑)

GM:いえね、床下の隠し部屋のギミックをすべて無駄にされたんですから、奇襲の一発くらい許して下さいよ!!(一同笑)

シルフィ:そ、それは仕方ありませんね。けど、ロイドに庇われる役は私がやりたかった……!!(一同笑)

GM:まぁ、地面を貫いて剣がプリスさんに向かいます。命中は22です!ロイドさんが気付いて庇うなら、回避不能でロイドさんに自動ダメージと言う事で許しましょう。

ロイド:いやまぁ、気付いたら庇うだろうな当然(笑)。プリスをお嬢の方へ思い切り突き飛ばす!!

プリス:きゃっ!?ロイド、何を―――

GM:では、プリスさんの眼前でロイドさんが地面から突き出した剣に貫かれます。(ダイスを振る)……ダメージ23点!!

ロイド:ぐっ………15点ダメージか。胸元ざっくり裂かれて、ふらつく。

シルフィ:ロイドっ!? では、突き飛ばされてきたプリスさんを受け止めつつ叫びましょう。

プリス:そんな、僕を庇って……!? ぴろりろり〜ん。(一同爆笑)

ネリネ:好感度アップ?(笑)

イクス:フラグが立った?(笑)

ロイド:うわぁ、逃げ道が消えていく!!?(一同笑)

GM:……余裕ありますねぇ。

ロイド:俺に15点ダメージくらいなら、正直あんまり痛くないしな。元値が72だぞ。まだ1/5程度が減っただけだ。

GM/エスティア:「……勘が良いわね。仲間を守った上に致命傷を避けたか」 では、床の隠し戸を開けてそこからエスティアが出て来ます。 「……ル=ロウドの神聖魔法、ね。とんだペテンをやられた気分だわ」

ロイド:人命がかかってるんでな。正攻法で失敗するくらいなら、ペテンで勝利する方を選ぶさ。―――さて、と。あの時とは状況が違う……その首貰うぜ、エスティア・ヴィルヴェント。

GM/エスティア:「―――。確かに状況としては、見事にしてやられた所よ。でもまだ挽回可能。貴方達を排除した後、逃げる程度はね」

GM/レイストーム:「逃げるだと!?アウグスト様の命令はどうなる!」

GM/エスティア:「私は死にたくないのよ。貴方と違って、アウグストの命令に命をかけるほどの義務も無いわ」

アルト:……逃げられるとでも?

GM/エスティア:「貴方達さえ倒せば、手段はいくらでもあるわ」

ロイド:―――へぇ。出来るつもりか?

GM/エスティア:「貴方達の実力は把握している。貴方達に勝ち目は―――無い!!」 そう言うエスティアの背後にレブナント化した兵士の姿が見えます。どうやら……あの落とし扉の部屋を守護していた兵士のなれの果て、でしょうね。

プリス:………腹立たしいね、仲間がこんな姿にされるって言うのは。 ジャカッ、と両手にデリンジャーを握ります。

シルフィ:……プリスさん、貴方腕前は?

プリス:そこそこ自信あり。足手まといにはならないつもりだよ。

シルフィ:分かりました……それじゃあ、頼りにさせて貰います。

プリス:こちらこそ、宜しく頼むよ。向日葵兵団のリーダーさん?

GM:それでは、戦闘に入りますよー。
 

◇VSエスティア&レイストーム+α◇
 

ロイド:エスティアとレイストーム、方針の違いで揉めてたが……仲間割れとかしてくれないか?(笑)

GM:いえ、貴方達が今は眼前に居ますからね。貴方達を全滅させた後ならば、するかも知れませんよ?

イクス:うわぁ、激しく意味ねぇ〜……(笑)。

GM:とりあえず、協力して襲いかかって来ますよ。レイストームは9Lv、エスティアは10Lvです。レイストームの部下は正騎士データ、レブナント化した兵士は腕利きの傭兵のデータをレブナント化したものです。こっちはエスティアが3m後ろになっています。

ロイド:む、またアンデット召喚でもやらかす気か。

アルト:チッ、面倒な。
 

 で、配置はPL側はロイド、ネリネが3m前、残りが3m後ろとなります。
 前衛同士の距離はこれまた3m。
 

イクス:近いよ!?

GM:部屋の中ですからねぇ。あまり距離は取れないかと。

プリス:(ダイスを振る)距離は取れなくても先制は取ったよ。

GM:(さて、前衛に壁が4枚。相応に持ちこたえてくれるでしょうが……ギミックやトラップ、増援も全てシャットアウトされてるんですよねえ)
 

 正直この段階で、想定よりも随分冒険者側有利な状況での開戦となっています。
 この辺りは完全にGM側の予想を上回ったロイドの手柄でしょうか。
 とはいえ、簡単に終わるつもりもありませんが。
 

▽ラウンド1▽
 

プリス:よし、僕とイクス君はファストアクションで二回行動か。

イクス:いやぁ、スカウト7Lvは素晴らしいっスね。とりあえず、拡大「ブレス」。プリスさん、ロイドの旦那、ネリネのねーさんの3人の器用度を+6します。

プリス:お見事、これで随分やり易くなるよ。

イクス:まだまだ!更に「バトルソング」を使用。味方全員の命中と追加ダメージに+2します!前衛、これで大分やり易くなった筈ですよ!!

ロイド:重畳!助かるぜ、イクス。

シルフィ:では、補助魔法タイム終了!まずは私から行きますか。「リーンフォース」をAランクで発動させつつ、エスティア基点でファイアボール!!(ダイスを振る)うん、達成値19です。

GM:抵抗できるかァァァァァ!!?出目7でボスの抵抗抜かれるんですけど、ホント何この人!?(一同笑)

シルフィ:やたっ♪じゃあダメージはエスティアに20点、レイストームに21点、正騎士に30点、レブナントABに16点と18点です!!

GM:……え、なにこれ!?(一同笑)

プリス:うわ、凄い火力じゃないかシルフィ!?火事になったらどうするんだ!!

シルフィ:あー……それは考えてませんでした。てへっ☆(一同笑)

プリス:てへっ☆じゃないよ、全く……。

GM:うわ、一瞬で雑兵がボロボロに……。

アルト:続くぞ?私は≪鷹の目≫が無いのでエスティアは狙えんが……魔晶石を潰しながらの4倍拡大クリメイション。火事の心配している所に、更に火炎放射を叩きこむ。(一同笑)

プリス:こら――――ッ!!?(笑)

アルト:もう良いだろ、全部燃えればこれ以上燃えなくなる。(一同爆笑)

イクス:ああ、この人もこの人で相当トサカに来てたみたいっスね……行動がもう「殺す」一色だ……(笑)。

アルト:(ダイスを振る)達成値は18か。抵抗されるか?

GM:エスティアのみ抵抗―――って、エスティア狙えないのか。じゃあ全員抵抗失敗してます。

アルト:なら、アンデットには+5点の追加ダメージがあるんで……。レイストームには17点、正騎士に16点、レブナントAに24点、Bに22点だな。

GM:うわぁい、正騎士とレブナントがヤバい。

ロイド:「かばう」使える正騎士を残すと厄介だな。3m制限移動で前に出て、補助動作でヒートウェポンとキャッツアイかけつつ、クリティカルレイをAランクで使って魔力撃。(ダイスを振る)……命中23。イクスの補助のおかげで凄い事になってるな、命中。

GM:うげ、それは全然回避できません。

ロイド:よし、ならばダメージは期待値の37点ダメージ!!

GM:ぶっ。

イクス:正騎士、まだ20点くらいHP残してたはずなのに……なんかすごい勢いで吹っ飛んだっスねぇ。(一同笑)

GM:(ダイスを振る)……生きてはいます。ですが、完全に戦闘不能になりました。

ロイド:どけ。テメェに用は無ぇよ!!

プリス:……やるね。では、僕も腕前を見せようか。補助動作でキャッツアイを使いつつ、両手の銃でレイストームを狙う!(ダイスを振る)クリティカル・バレット……命中がイクス君の補助もあって17基準で、23と20……出目3でも当たると言うのが凄まじいな。

GM:ちょ、レイストーム殴りに来て下さいよロイドさん!見てこのミスリルプレート!で、プリスさんこっち来ないで!!防御力通じない相手には弱いの!!(一同笑)

プリス:知らないよ(笑)。(ダイスを振る)……23点と16点、どうかな!?

GM:……素通しですからね。かなりふらついています。ですが、まだ行けます。

プリス:じゃあファストアクション分もう2発。(ダイスを振る)……16点と13点。(一同爆笑)

GM:……あ、はい。もう駄目。流石にぶっ倒れます。(一同笑)

ロイド:合計で106点も捻じ込まれれば、そりゃ倒れもするか。

シルフィ:じゃあ、プリスさんと背中合わせになって言いますよ!(笑) やるじゃないですか、プリスさん!私達、良い友人でライバルになれそうです!火力的にも人間関係的にも!!(一同笑)

プリス:はは、後から出て来て掻っ攫うような真似はしないよ。正妻は君で良い。(一同笑)

アルト:あー、声に出して言っちゃったよ(笑)。

ロイド:はぁ!? 凄い声出して振り向きます!!(一同笑)

プリス:あ、き、聞こえてた? と、顔を赤くしてそっぽ向きます。(一同笑)

イクス:……兄貴、俺ちょっと帰って良いっス?(一同笑)

アルト:イクス、行き場の無い怒りは眼前の敵にぶつけると良い感じに発散できるぞ?(笑)

イクス:いや、やり場の無い無気力感と言うか。(一同笑)

ネリネ:こんなどうしようもない空気の中、行動して無かった私は3m前進してレブナントに斬りかかります。(ダイスを振る)……うん、バトルソングは偉大です。命中18、当たってダメージ21点です。

GM:ぬぅ、レブナントもかなりガタガタになってます。では、こちらの反撃。レブナントABは各々ロイドさんとネリネさんに全力攻撃!命中17です!!

ロイド:(ダイスを振る)あ、避けた。

ネリネ:当たりましたが……ダメージ26点?ああ、ちょっとだけ痛いですがまだ余裕です。

GM/エスティア:「……まさか、レイストームが一瞬でやられるなんて……盾にもならない、使えないわねホント!!」

アルト:見苦しいな、ヒステリーか。なるほど、ウォルフガングの言ってた通り、確かに小物だ。

GM/エスティア:「うるさい!……聞きなさい、貴方達!トリーシャ・アールクラフトの復活。これを条件に私を見逃す気はある?」

ロイド:……。 それは、動きを止める。

GM/エスティア:「私としては、アウグストの為にここで命を賭ける義理なんて無いのよ。―――死にたくないもの。貴方達だってそうでしょう?死にたくないし、大事な人が死んだら生き返らせたいでしょう?」

ロイド:―――つまり、お前が師匠を生き返らせると?

GM/エスティア:「ええ、そうよ。どう?悪い取引じゃないでしょう?もし貴方達がトリーシャ・アールクラフトの遺体を手にしてリザレクションをかけようにも、それまで大分日が経つ筈。いえ、それ以前に遺体は今、残っているのかしらね」

プリス:…無言で、ロイドを見ています。

アルト:片目を瞑って、ロイドの背を見るか。

ロイド:―――分かったよ、エスティア・ヴィルヴェント。

GM/エスティア:「そう、なら早速―――」

ロイド:テメェ、俺の師匠を舐めてンだろ?

GM/エスティア:「……え?」

ロイド:あの人は笑って逝った。自分で選択して、自分で納得して、最後に俺達に後を任せて逝ったんだよ。なら、あの人が今更引き戻されるのを望む筈が無ぇ。

GM/エスティア:「……嘘よ。いえ、仮にそれが本当だったとして、貴方達はどうなの!?仲間でしょう?辛くないの?悲しくないの?生き返れば―――そう思った事は無いの?」

シルフィ:思いますよ。思いましたよ。―――でもっ!それじゃ、駄目なんです!!仲間だからこそ、あの人のやった事を、遺志を、無駄にしちゃいけないんです!それが私達を信頼して後を任せてくれたあの人への、最大の供養です。

GM/エスティア:「それはっ!生きている人間の傲慢だと思わないの!!?」

シルフィ:思います。ですが、あの人はそれを肯定しました。

GM/エスティア:「―――え?」

シルフィ:ロイド、トリーシャさんからの最後の伝言です。―――『貴方の思うようにやりなさい』。

ロイド:……。

シルフィ:生きてる人の傲慢で良いんです、きっと。あの人はそれを望みました。死んだ自分ではなく、生きたロイドに全てを託したんです!!ロイド、貴方は―――どうしますか?

ロイド:……あぁ、ったく。本気で最後の最後まで……この状況まで見越してたんじゃねぇのか、あの師匠は。 ―――くくっ、と笑みを浮かべます。

プリス:……では、その笑みに気圧されたように、瞠目する。

アルト:笑みを返して、僅かに頷こう。

ロイド:―――師匠は死んだ、もう居ない。だからこそ、あの人が命張って残してくれた全てを受け継いでいく!!ブルデを守る事も含めてな!故にこそ、テメェは潰すぜ、エスティア!!

GM/エスティア:「―――っ理解できない!なんで、死を恐れない!?なんで……っ!!」 ではエスティア、3倍拡大サモン・アンデット!!ロイドさんの足元から、デュラハンを3体生み出します。

ロイド:うおっ!?Lv7複数部位アンデットを3体!?

GM:行動は次のラウンドからですがね。では、次のラウンドに行きましょうか。
 

▽ラウンド2▽
 

アルト:やれやれ、ヒスった挙句に、持論を否定されてブチ切れか。中々テンプレな小物ぶりだな。

GM/エスティア:「うるさい、気持ち悪いのよ貴方達!なんで死ぬのが怖くないのよ、おかしいわよ、死にたくないのは自然でしょう!?その為に足掻いて何が悪いのよ!!」

ロイド:格好が悪いだろう?良い女の前だ、格好くらい付けさせろよ。

ネリネ:……良い女って、どっちを指してるんでしょうね?(一同笑)

シルフィ:(威嚇)シャー!(一同笑)

プリス:(威嚇)フー!(一同笑)

ロイド:はいそこの侍女、KY!!(笑)

ネリネ:可愛い幼女の略ですね、分かります。(一同爆笑)

アルト:ロイド、お喋りはその辺にしておけ。私がやりたいところだが―――ふん、今回ばかりは譲ってやる。3倍拡大クリメイション。これで残りは魔晶石のみになるが……デュラハンの本隊を狙って火炎放射!!(ダイスを振る)…よし、抵抗は抜けて、ダメージ+5込みで21、23、23だ!!

シルフィ:ええ、ロイド!雑魚は私達に任せて、貴方は奴を!!エネルギージャベリン5倍拡大、デュラハン三体の本体と、レブナントにねじ込みます!!(ダイスを振る)……デュラハンに24点、22点、20点、レブナント2体には20点と24点です!!

GM:うわ、それでレブナントA以外全部吹っ飛んだ!?

シルフィ:MPは残り4です。エネボ1発なら打てますね。(一同爆笑)

プリス:潔く全てを使い切るね君ら(笑)。

アルト:まだ魔晶石はあるが……まぁ、観戦だな。

イクス:俺バトルソング歌ってますから他の行動出来ませんしね。あ、制限移動で3m動けるのか。

アルト:10秒3m、その辺を円を描くように歩いてろ。(一同大爆笑)

ネリネ:なにそれこわい。(一同爆笑)

イクス:嫌っスよ!(笑) 普通にバトルソングでの援護だけ続けてます!!(笑)

プリス:僕は……主動作で片方の銃に、「クイックローダー」の魔法でもう片方の銃に弾を込めてよう。

イクス:ファストアクションを使ったら1ラウンド目で全てを撃ち尽くすんスね、プリスさん。

プリス:うん。前にも増してこのパーティー、1ラウンド目の最大火力での先制パンチが重要になってきたよ……。(一同笑)

ネリネ:では、2点だけ残ってるレブナントは私が適当にシバき倒します。(ダイスを振る)19点ダメージ、えい、グチャ。(一同笑)

プリス:グチャって!それ、僕の元仲間!いや、名前も知らない兵士Aだけど!!(一同笑)

アルト:ある意味お前が一番ひどいぞ、プリステア……。(一同笑)

ネリネ:しかし最近私の火力が酷くなってきましたね。そろそろ私も力不足を認識しました。マギテック上げればロケットパンチ出せないでしょうか。ズガーンと、ドバーンと。どうでしょう、先輩マギテックのプリスさん。(一同爆笑)

プリス:うん、君ルーンフォークって種族に向けて頭下げた方が良いんじゃないかな、ジャンピング土下座で。(一同爆笑)

ロイド:ともあれ、これで前が開いたか。では、通常移動で突っ込みつつ≪魔力撃≫!クリティカル・レイ併用して……(ダイスを振る)命中26!避けるか!?

GM:避けれるかッ!!?それは完全に食らいます!!

ロイド:(ダイスを振る)……チッ、ダメージは35! ……なぁオイ、エスティア!誰が死ぬのが怖くねぇなんて言ったよ!怖ぇから尚の事、前に進むしかねェ。それが生き残るための鉄則―――これも師匠の受け売りだがな!!

GM/エスティア:「くっ、なんで、いつの間にこんな強く……!?」 こちらの番ですので、反撃しますよ。≪マルチアクション≫からキュア・ハートを自分にかけつつ、右手のスラッシャーで攻撃!命中は22です!!

ロイド:それは避けれない!!

GM/エスティア:ではダメージ20点。自分は15点回復します! 「…ウォルフガング達の情報では、もっと弱かった筈でしょう、貴方達は!!」

ロイド:あァ、あの時は負けたな。お前にだって、城門の件でしてやられたよ!だからこそ、次は負けねェ為に必死こいて強くなってンだよ!!命の賭け方も知らねェ奴にゃ分からねぇか!!?

GM/エスティア:「くっ、この……ッ!!」
 

▽ラウンド3▽
 

ロイド:神官戦士同士って事は、完全な削り合いか。面倒だな……クリティカルが出れば状況も変わるんだが(ダイスを振る)出た。さらに回った。(一同爆笑)

シルフィ:いよっし!さすがロイド!!

ロイド:ダメージ、3回転した結果……うわ、何コレ酷い。(一同爆笑)

アルト:打撃力45で3回も回ったか……どうなった?(笑)

ロイド:ダメージ70点!!……生きてるか?(一同大爆笑)

シルフィ:は、初めて見るダメージです!!(爆笑)

ロイド:槍の刃が深々と突き刺さったわけだ。

GM/エスティア:「ぐ、ああああああああああああ!!?」 まだ大丈夫ですが、欠片補正だけになって来ました。 「死にたくない、死にたくない死にたくない死にたくない!!」 叫んで、≪マルチアクション≫自分を14点回復させつつ、がむしゃらに剣を振り回します。当たってダメージ、22点!!

ロイド:じゃあ、ざっくり斬られて笑みを浮かべるか。 ―――成程な、テメェ危地に陥った経験が少ねェだろ。折角身内に化け物みたいな戦士が居るんだから、稽古でも付けて貰えば良かっただろうによ。アイツと戦ったお陰で俺は随分上が見えたぜ?

GM/エスティア:「ひっ……!?」 叫んで、エスティアは身を引きます。 「た、助けて……助けて下さい、エーレンブルグ卿!!」

アルト:……誰だ?

ロイド:そいつが……スカーレットテーブルの首領か。

GM/エスティア:「そ、そうよ!私を殺せば、エーレンブルグ卿が黙っていないわよ!?」

ロイド:―――そいつはそいつは……好都合だ。 槍を構え直す。 ま、話半分に聞いておくがな。見たとこお前、そこまで重用される器でも無ぇしよ。

GM/エスティア:「ひぃ……ど、どけ!そこをどきなさい!!」 むぅ、最後のMPで≪マルチアクション≫からキュア&攻撃!命中は22で―――ダメージ、20点!!

ロイド:……ふむ、そろそろ俺もHPがヤバくなって来たな。また剣で斬られて、段々血まみれになってきたぞ。

プリス:……くっ! 思わず銃を戦場に向ける!!

シルフィ:では、手をかざしてそれを遮ります。 ―――駄目です、プリスさん。あれはロイドの戦いです。

プリス:でも、あんなに傷だらけに……!!

シルフィ:……勝ちますよ。

プリス:―――シルフィ?

シルフィ:勝ちます。私は信じてます、ロイドの事。

プリス:……。 それを聞いて、長く細く息を吐きながら、銃を下ろそう。 やっぱり正妻は君だね。その信頼、正直羨ましいよ。

シルフィ:ふふ、ありがとうございます。プリスさんも、もう少し付き合い長くなれば分かると思いますよ?

プリス:……付き合い長く、か。
 

▽ラウンド4▽
 

ロイド:流石にここは、≪マルチアクション≫で自己修復だな。(ダイスを振る)15点回復。攻撃は命中24で、ダメージクリティカルで38!!

GM:げっ、これでこれまで受けたダメージが合計115点を越えて……。

イクス:お、まさか。

GM/エスティア:はい、倒れます!! 「や、止めて!分かった、私を見逃してくれればトリーシャ・アールクラフトの遺体を返す!!それに、スカーレット・テーブルについても私が知ってる限り話す!だから―――」 と、言ったところで、頭を抑えて絶叫します。 「……っぎゃあああああああああああああああ!!?」

ロイド:うわ、何だ、どうした!?

プリス:……これは、まさか……「クエスト」?情報の漏洩を防ぐため?

GM/エスティア:もう少し強烈な、それに類するマジックアイテムって所でしょうか。 「申し訳、申し訳ありません……お慈悲を、お慈悲を……!!」 と、叫んでいるエスティアが口から血を吐きます。

ロイド:……助けるべきか、助けざるべきか……いや。駄目だな……助けたとして、この手の奴は信用できん。

アルト:そもそも助けられるのかも分からんしな、これ。むしろ助けさせないための処置だろう。

GM:そうですね、リムーブ・カースで目標値25くらいでしょうか。

ロイド:出るかい、そんな数字。―――仕方ない、これ以上は不憫だ。楽にしてやろう。

シルフィ:…そうしますか。ならば、止めません。

ロイド:倒れたエスティアの元に歩み寄り、槍を構える。

GM/エスティア:「う、そ……なんで、私が、こんな―――」

ロイド:さてな。或いはボタン一つかけ違えれば、俺がお前の立場だったかもしれん。それは否定しねぇよ、御同輩。―――Auf Wiedersehen【-さようなら-】だ、エスティア・ヴィルヴェント。せいぜい恨みな。 ―――槍を、振り下ろす。

GM:―――良いでしょう。その一撃で、エスティアは動かなくなります。

シルフィ:……ロイド。

ロイド:……終わり、か。これで、良かったのかね。

シルフィ:……どうでしょうね。何が最善かなんて、きっと誰にも分かりませんよ。ただ―――

ロイド:……ん?

シルフィ:トリーシャさんはこの選択を、許してくれると思います。

ロイド:……そうかね。

シルフィ:そうですよ。それにね、ロイド。貴方はトリーシャさんじゃありません。彼女に出来た事が貴方には出来ないでしょう。けど―――貴方にしか出来ない事も、ある筈です。あんまり悩み過ぎないでください。私達もいるんですから、ね。

ロイド:……苦笑を浮かべて、シルフィの頭を撫でる。 やっぱ良い女だよ、お前は。

シルフィ:今更気付いたんですか?私はずーっと前から、良い女ですよ。

GM:―――では、シーンを切りましょう。
 

◆事後処理◆
 

GM:さて、その後ガレッガ老によってレイストーム将軍の裏切りは兵士達に伝えられます。伏せておいた方が士気は落ちないかとも悩んだそうなのですが、貴方達の存在がガレッガ老に公表を決意させました。

イクス:俺達の、っスか?

GM:「我々の仲間の中に裏切り者が居た。だが、命を賭して要塞を守った冒険者の仲間達が奴を倒し、更にはブルデ防衛にこれからも手を貸してくれる。敵の被害も甚大、なにも恐れる事は無い」 とでも言うところですね。論旨としては。

ロイド:上手いな、上手く利用したか。

プリス:怒らないんだね。

ロイド:自分の死すら最大限に利用しろ。師匠ならこう言うね。その点、ガレッガ将軍は上手くやってくれてるよ。これなら士気の低下も最低限に防げるだろう。

GM:で、その結果―――敵が再編で動けない間、こちらも元レイストーム隊を再編する作業が始まってしまったため、互いに部隊を再編し動けるようになるまで、1日2日程度の自然休戦が発生しました。時間的に考えると、次の敵の攻勢が最終攻撃でしょう。それを過ぎると、マントワーズからの援軍がいつ来てもおかしくなくなります。

ロイド:レイストームはどうなった?生きてたはずだろ、確か。

GM:厳重に捕縛された上で、牢屋に閉じ込められています。尋問中。

シルフィ:では、とりあえずダライアスさんのトコに報告に行きますかね〜(笑)。

ロイド:楽しそうだな!?(笑)

アルト:(目を逸らし)……ああ、私ら宿屋で休んでるから、ロイド、シルフィ、プリステアで行って来てくれ。(一同爆笑)

ロイド:何その悪意しか感じられない組み合わせ……。(一同笑)

プリス:では、父上の元に報告に行くよ。 父上、もう知っているだろうけど……終わったよ。

GM/ダライアス:ん、では自宅でその報告を受けたダライアスは、苦々しい表情を浮かべて頷きます。 「ああ、聞いている。すまない、まさかレイストームが内通者だったとは……」

ロイド:気付けっつー方が無理だろ、気にすんな親父殿。

GM/ダライアス:「しかし……君達にはまた迷惑をかける事になったな。事件解決の報酬を、後で渡そう。暫くは敵も動かないだろうし、ゆっくり休んでくれ」

ロイド:お、それはありがたい。休むのも含めてな。

シルフィ:ロイド、動き通しでしたものね。

ロイド:もう、働きたくないで御座る……。(一同爆笑)

GM/ダライアス:「……トリーシャ君の一件は、私にも責任がある。だのに君は、まだ私を親父殿と呼んでくれるんだね」

ロイド:……アンタのせいじゃねーよ。この件はもう、終わった話だ。師匠の事を思うなら、この戦をまずは勝とうぜ。その上で、アンタが二度とこう言う事が起きないように動いてくれりゃ、それでいい。

プリス:……親父殿、か。

ロイド:…どーしたよ、プリス。

プリス:いや、なに。ロイド……その、それは間接的なプロポーズか?(一同爆笑)

ロイド:……は?(笑)

シルフィ:ど、どういう事ですか!?(笑)

プリス:だって、父上を親父と呼ぶと言う事は、父上の娘である僕と、その………ごにょごにょ。(一同爆笑)

ロイド:そ、その発想は無かった!!(一同爆笑)

GM/ダライアス:「おや?ふむ、そうなると私としても嬉しいし面白いんだが……ロイド君、隣は良いのかな?」(笑)

シルフィ:駄目――――っ!! ぐい、とロイドの腕を引っ張ります!ぷ、プロポーズするならまず私にしてください、ロイド!それが順番と言うものでしょう!?

ロイド:違ぇよ!そもそも、プロポーズとかそういう意図は無かったから!!(笑)

プリス:な……お、乙女心を弄んだのか!?(一同爆笑)

シルフィ:そ、それは――――許せません!!(一同爆笑)

ロイド:うわ、こいつら結託しやがった!!?(爆笑)

遠くのアルト:……む、イクス。それポン。(一同爆笑)

遠くのイクス:げっ。ドラ牌が。(一同笑)

遠くのネリネ:御無礼―――リーチ一発面前ドラ8……ドラ爆です。(一同爆笑)

ロイド:くそ、テメェら平和謳歌しやがって――――ッ!!?(大爆笑)

GM:まぁ、そんなロイドさんの叫びでセッション終了としましょうか(笑)。

遠くのネリネ:あ、GM。最後に一言、私から言わせて貰っても宜しいでしょうか。それを以てシナリオ終了として頂ければ幸いです。

GM:ん、良いですけど……なんでしょ?

遠くのネリネ:ん、ゴホン。

一同:???

ネリネ:(ロリ声で)―――ねるねるネリネランド、おっしまいだよ〜☆(一同超爆笑)

一同:ラストがそれかァァァァァァァ!!(大爆笑)
 

 ―――さて。
 トリーシャの死を乗り越え、新たなキャラクターと一緒にブルデの内通者を討った冒険者達。
 ロイドとシルフィの落ち込みと立ち直りが主眼になった感のあるセッションでした。
 あと、新キャラのプリスとロイドとの絡みですかね?(笑)
 いや、見てて面白いんですが。見てる分には(笑)。
 
 ロイドは見事、GMの想定外の手段で真相まで一直線に迫ってくれました。
 あれは想定していませんでしたので、見事、と言わせて頂きましょう。
 

・獲得経験点:2210+各々の1ゾロ分
・獲得報酬:30000G(ダライアスから)+1920(戦利品)=31920G
・使用消耗品:魔晶石5点×6+マテリアルカードAランク×6+魔香草×3=4500
 

 まぁ、新たな人間関係に色々と期待しつつ。
 ブルデ攻防戦も佳境に入って参りました。
 ともあれ、これにて一先ずは。
 

                  ……ミッションコンプリート!!

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