◆SW2.0キャンペーン 駆け出し冒険者のためのセプテット 第十話◆

◆成長報告&えとせとら◆
 

GM:さて、このキャンペーンもいよいよ二桁の大台に乗りました。

一同:おおー。

GM:だからと言って何が変わるわけでもありません。(一同笑)

ロイド:無いのかよ(笑)。

GM:敢えて変えて欲しいと言うなら、全NPCの語尾にゲルゲを付けても良いですが。(一同大爆笑)

イクス:それなんて苦行!!?(笑)

アルト:…どんなにシリアスな話でも、語尾にゲルゲか。軽く死にたくなるな。(一同笑)

トリーシャ:「我は蛮族の勇将なり!人族の勇者よ、正々堂々と剣を交えようぞゲルゲ!!」(一同爆笑)

シルフィ:ファイアボール。(一同大爆笑)

イクス:お嬢がセメントだ!!?(笑)

GM:で、前回の経験点は2050+30点ですね。

ロイド:+30?

GM:最近リプレイ見直してて気付いたんですが、うちのサークルは多部位モンスターはLv×部位数×10点の経験値が基準なのに、第一話のボスは単部位分しか経験値入れられてなかったんです。今更ながらその分を。あ、イクスさんも貰って良いですよ。

イクス:お、良いの?

GM:まぁ、代理でGMやらせたボーナスとでも考えて下さい。きっとドルデア側でも色々あったのでしょう。……てか、ただでさえ最弱のイクスさんが経験値でも他に後れを取るとか、パーティーバランスが果てます。(一同笑)

イクス:…モンスターだけで1050点分貰えるだけの戦いが、ドルデアであったんスか?(笑)

GM:スケルトンが105体下水から湧き出して来ました。(一同爆笑)

イクス:MP足りんわッ!!?(笑)

アルト:報酬は幸い6で割り切れる数字だな。頭割で3050Gだ。

シルフィ:わーい、消耗品買い足しましょう。

ロイド:そして使い切るんだよな。(一同笑)

アルト:前話のリプレイ編集してて気付いたが、お前一人で前話の消耗品の9割使ってただろうに。(一同笑)

シルフィ:ひ、必要経費ですよー!!(笑)
 

 そして、毎度おなじみの成長タイム。
 しかし今回、皆欲しい能力ばかりが上がったようで歓声が聞こえます。
 ……一人除いて。

 

イクス:……2シナリオ分で、筋力と生命力……。(一同笑)

ロイド:…お前、要らない能力でゾロ目出すの得意だよな…(笑)。

イクス:うるせぇぇぇぇ!!?(爆笑) 俺、知力欲しいんですけど!?俺いつまで知力15で居れば良いの!?パーティーの回復担当がこれって正直あんまり宜しくなくない!?ねぇ!!?(一同爆笑)

ネリネ:(目を逸らしてプルプルしながら)…まぁ、これも味かと…(笑)。

イクス:おいそこ、笑うなら笑え!!?(一同爆笑)

シルフィ:ま、ま、成長報告と参りましょう!シルフィリア・アークウェイン。上がった能力は知力です。成長は……アルケミ伸ばそうか悩んだんですが、今回は無し。ソーサラー7になるのを優先しましょう。

ロイド:知力が遂に30を超えたか……あと3回も成長すれば、腕輪で補正すればボーナス6と言う悪夢の数字が見れるな。

シルフィ:タビットに混ざっても遜色無しと自負しております。で、買い物はロイドから3000G借りて、薔薇のチョーカー、消魔の守護石、魔晶石、知力増強の指輪に、薬草にカードと色々買い込みました。

ロイド:俺の報酬ってさ、結構な割合でお嬢の買い物に消えるよな。(一同笑)

アルト:消耗品にな(笑)。

シルフィ:必要なんですよぅ。火力を十全にバラ撒くためと、死なない為の必要な投資です!!

トリーシャ:相変わらずの火力至上主義ね〜。

ネリネ:お家芸ですからね。
 

名前:シルフィリア・アークウェイン
種族:エルフ 性別:女 年齢:20(外見15) 生まれ:魔術師
身長:163cm 体重:50kg 髪の色:紫銀
能力値ダイス:技10 体2 心14 A8 B7 C1 D4 E11 F9
最終能力値:器用度19 敏捷度18 筋力3 生命力6 知力31+1 精神力24
保有経験点:2140
合計名誉点:208
保有名誉点:143
HP:24 MP:42+2
冒険者技能:ソーサラー6 セージ3 レンジャー1 アルケミスト4
一般技能:ノーブル3 ハンター3 カスタネッター1 リコーダリスト1
戦闘特技:魔法誘導 魔法拡大/数 MP軽減/ソーサラー
習得賦術:バークメイル ヴォーパルウェポン パラライズミスト ポイズンニードル
使い魔:カラス(命名:ビグザム)
武器:メイジスタッフ
防具:クロースアーマー
アクセサリ:とんがり帽子 アルケミーキット 専用マナリング 知力増強の指輪×2 薔薇のチョーカー
所持カード:赤Aランク3枚 緑Aランク3枚 黒Aランク1枚 赤Bランク5枚 緑Bランク5枚 黒Bランク5枚
所持品:冒険者セット 白紙の本 羽ペン&インク ヒーリングポーション×2 ロバ(命名デンドロビウム) カスタネット リコーダー 魔晶石5点×4 魔晶石1点 消魔の守護石3点×2 救命草 魔香草×2
所持金:133
 
 消耗品の使用量がハンパ無い火力エルフ。
 前回超久しぶりに近接戦に巻き込まれたが、「殺られる前に殺る」の精神でドレイクを押し切った。
 段々、保有する火力量がレベルに乖離してきた感が無いでもない。妙に高レベルな敵が出てきた場合は、八割方こいつ対策。

 

ロイド:さて、次は俺か。ロイド・クラリクロイツ。上がった能力は器用度で、専用武器と腕輪の補正で、器用度ボーナスがブレイクした。

トリーシャ:あらま、ダメージのみならず命中でも、随分水を開けられたわね〜。

ロイド:メインアタッカーだからな。そもそも当てられねーと話にもならねーし。

トリーシャ:私は攻防一体のバランス型ですわ。手数で押すから、命中もそこまで気にならないしね〜。……でも、今度武器を魔法の武器に変えようかしらね〜。

ネリネ:そろそろ魔法の武器が欲しくなって来る頃ですね……。

ロイド:で、技能の成長は無し。まずファイターを7にしてぇな、と。そうなりゃ、色々化けるしな。

シルフィ:ファイターの7Lv自動取得特技、「タフネス」もありますしね〜。

ロイド:ま、それもまだ先だな。金も殆どお嬢の消耗品に取られたし、成長は以上だ。あ、一応魔晶石だけは一個買ったが。

シルフィ:うぅ、すいませんロイド……この借りはいつか返します……。私の下着で良いですか?(一同爆笑)

ロイド:脱ぐな阿呆!!?

シルフィ:ロイドの前以外ではやりません、悪しからず。(一同笑)

ロイド:どこででもやってたら、ただの痴女だ。(一同爆笑)
 

名前:ロイド・クラリクロイツ
種族:ナイトメア 性別:男 年齢:20 生まれ:神官
身長:188cm 体重:84kg 髪の色:漆黒
能力値ダイス:技6 体14 心10 A10 B7 C6 D6 E9 F7
最終能力値:器用度20+4 敏捷度13 筋力24+2 生命力21 知力20 精神力18
保有経験点:2550
合計名誉点:241
保有名誉点:116
HP:39 MP:33
冒険者技能:ファイター6 ライダー1 プリースト/グレンダール5 エンハンサー1 アルケミスト1
一般技能:バトラー3 ハンター2 コーチマン2
戦闘特技:武器習熟/スピア 魔力撃 マルチアクション
習得練技:キャッツアイ
習得騎芸:攻撃指令
習得賦術:クリティカルレイ
乗騎:レンタル取りやめ
武器:専用パイク+1
防具:専用イスカイアの魔導鎧
アクセサリ:ブラックベルト 聖印 バンダナ 器用度増強の腕輪 筋力増強の腕輪 アルケミーキット
所持カード:金Aランク5枚 金Bランク6枚
予備装備:マトック ロングスピア
所持品:冒険者セット 保存食×3食 ロープ10m フック くさび10本 小型ハンマー 部族のお面 魔晶石5点×1
所持金:152
 
 遂に器用度も抜き差しならない領域にまで上がって来た攻城兵器。
 単体への攻撃に関して言えば、シルフィ以上の能力を誇る。
 最近の悩みは、未だ未登場の母親のキャラの濃さらしい。

 

イクス:さて、俺は2シナリオ分の成長になるっすね。イクス・フォード。上がった能力は俺が要らない能力ワースト2の生命力と筋力っす。

アルト:全能力が15〜16の範疇に収まったか……凄いな。(一同笑)

イクス:ふっ、なんか変な悟りを開きそうッス……。で、上がった技能はスカウトとプリーストが6になったっス。あと60点経験点があれば、プリーストを7にしたんスけど。

アルト:まぁ、そればかりは仕方ないな。

イクス:うぃっす。買物は魔晶石5点が2個に、敏捷度増強の腕輪が二つっす。あと、アルトの兄貴から割る用に知力増強の指輪を2個貰いました。もう使わないとかで。

ネリネ:消耗品ですね。

イクス:まぁ、必要っスからね。夢は大きく、1万G貯めて祈りのアミュレットを買う事っす。

トリーシャ:このLvのキャラが1万Gが目標って、夢としては大きいのか小さいのか微妙ね……。(一同笑)

アルト:2,3シナリオで稼げる金額だからな、頭割で…(笑)。

イクス:でも消耗品でカツカツになるのがこのパーティーっすからね。っと、以上っす。では、次どうぞ〜。
 

名前:イクス・フォード
種族:人間 性別:男 年齢:16 生まれ:冒険者
身長:165cm 体重:50kg 髪の色:茶
能力値ダイス:技8 体7 心6 A7 B7 C6 D7 E8 F7
最終能力値:器用度15 敏捷度16+2 筋力15 生命力16 知力15 精神力16
保有経験点:940
合計名誉点:208
保有名誉点:143
HP:34 MP:34+2
冒険者技能:フェンサー1 スカウト6 プリースト/ル=ロウド6
一般技能:マーチャント3 クレリック2 リペアラー2
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法誘導 トレジャーハント
武器:ショートソード
防具:バックラー ソフトレザー
アクセサリ:幸運のお守り 専用の聖印 敏捷度増強の腕輪×2 知力増強の指輪×2
所持品:冒険者セット スカウト用ツール ロープ40m 小型ハンマー くさび×20 フック×2 手鏡 小型ナイフ ランタン 油×6 水袋×2 火縄壺 ベルトポーチ ヒーリングポーション×1 魔晶石5点×2
所持金:6040

 遂に全能力が15〜16の水準に届いた、Mr平均値。
 優秀なプリースト兼スカウトなのだが、周りのスペルユーザーに比べて知力が低いのが悔やまれる人。
 かと言って何が高いのかと言われれば何も高くない、良くも悪くも平均値マスター。長所は無いが短所も無い。

 

アルト:さて、私か。くくく、聞いて驚くな。いや、驚け!!(一同爆笑)

ロイド:どっちだよ!?(笑)

アルト:知力が上がり、腕輪を買う事で念願の知力ボーナス4に到達だ!!これで私も魔法使いらしくなってきたな!!

イクス:俺は未だ知力15ですね、分かります。(一同爆笑)

ロイド:拗ねるな拗ねるな(笑)。

アルト:で、買い物は知力増強の腕輪が二つ。それと、念願の「ひらめき眼鏡」を購入した。これは専用化しておく。

ロイド:見識判定と探索判定に+1か。まぁ、お前らしいっちゃお前らしいな。

アルト:くく、インテリ眼鏡キャラとしてキャラを立てていこうと思う。

シルフィ:いえ、貴方は何故か最前線に立ちまくる専業魔術師と言う印象が。(一同笑)

アルト:酷い言い草だな!!?(笑)

ロイド:じゃあ前に出ないのか?

アルト:いや、ドレイン使えば結構やれるから、むしろ前に出たいのだが。(一同爆笑)

ロイド:やめんかッ!!?(笑)
 

名前:アルト・ディオスクロイツ
種族:人間 性別:男 年齢:20 生まれ:学者
身長:173cm 体重:60kg 髪の色:金
能力値ダイス:技5 体7 心9 A5 B6 C5 D7 E9 F7
最終能力値:器用度10 敏捷度12 筋力13 生命力16 知力22+2 精神力18
保有経験点:150
合計名誉点:241
保有名誉点:156
HP:37 MP:39+2
冒険者技能:コンジャラー7 セージ6
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法収束 鋭い目 魔法誘導
一般技能:スカラー3 スクライブ3 ライブリアン1
武器:メイジスタッフ
防具:ソフトレザー
アクセサリ:専用ひらめき眼鏡 知力増強の腕輪×2
予備装備:ピック
所持品:冒険者セット 火縄壺 油×2 6人用テント 調理器具セット 食器(5人前) 魔化された樫の枝×4 可愛くない人形×2 魔晶石5点×3 部族のお面 頑丈なランタン
所持金:1600
 
 遂に念願の知力ボーナス4になった専業魔術師。
 どう見ても頭脳労働タイプなのに、何故か積極的に前に出る人。
 どうでも良いから、せめてブラックベルトでも買わないと死ぬと思う。あと盾持て、盾。

 

ネリネ:…さて、ネリネです。ロイドさんより一足先に、ファイターが7Lvに上がりました。

ロイド:おぉ、これは心強い。

ネリネ:取った戦闘技能は「頑強U」。自動取得の「タフネス」と合わせて、HPが93になりました。(一同大爆笑)

シルフィ:私のほぼ4倍!!?(爆笑)

ロイド:うわ、俺の倍以上ある!!?一人だけ別ゲームの領域じゃねぇかそれ!!(笑)

GM:うわー……なんか、マジンカイザー出てきたんですけど。(一同爆笑)

ネリネ:いえ、まだミスリルプレートに手は出ていませんので、グレートマジンガーのレベルかと。

GM:ミスリルプレートまで装備されれば、私はどうやって貴方を倒せばいいのでしょうか。(一同笑)

ロイド:…まぁ、搦め手じゃね?(笑)

アルト:装甲はマジンガーの癖に、攻撃力はアフロダイ級だからな。そこが狙い目か。

ネリネ:貴方達、私の味方ですか、敵ですか?(一同笑) あ、それと筋力が上がり、買い物は無しです。成長は以上ですね。

シルフィ:私の4倍……。
 

名前:ネリネ
種族:ルーンフォーク 性別:女 年齢:4(外見17) 生まれ:戦士
身長:157cm 体重:49kg 髪の色:金
能力値ダイス:技9 体12 心5 A8 B3 C9 D11 E8 F2
最終能力値:器用度17+1 敏捷度13 筋力23+2 生命力27 知力14 精神力8
保有経験点:490
合計名誉点:208
保有名誉点:128
HP:93 MP:11+2
冒険者技能:ファイター7 エンハンサー1 レンジャー4 マギテック1
一般技能:ハウスキーパー5 コック4 テイラー1
戦闘特技:かばう 防具熟練/金属鎧 頑強 頑強U タフネス
習得練技:ビートルスキン
武器:ヘビーアックス
防具:プレートアーマー タワーシールド
アクセサリ:専用ブラックベルト 器用度増強の指輪 筋力増強の腕輪
所持品:冒険者セット 救命草 ヒーリングポーション×10 魔晶石3点×2 マギスフィア(大) 使い易い調理器具セット 保存食15日分(45食) 部族のお面 美味しい保存食8食分 救命草×10
所持金:9236
 
 遂にHPがワケ分からん事になってきた、ぼくらの重要塞。
 GMが正面切っての攻撃での撃破を諦めつつある。というか、こいつを正面切って撃破できるモンスターを出したら多分他が生きちゃいない。
 筋力が順当に上がり始めたので、ロイドと並ぶメインファイターとして今後の活躍が期待される。

 

トリーシャ:さて、最後ね〜。トリーシャ・アールクラフト……なんとなんと、敏捷が上がって腕輪買って、ボーナスが+5になったわ〜!!

ロイド:神速剣士だなぁ。

トリーシャ:ふふ、ありがとうね〜。それとスカウトを5Lvに上げて、自動取得でトレジャーハントを覚えたわ〜。まぁ、トレジャーハントは正直要らないと言えば要らないんだけど。

イクス:俺も持ってますし、アルトの兄貴も同じこと出来ますからね…。

トリーシャ:ま、そこは問題じゃないわ〜。とりあえず、買い物は敏捷度増強の腕輪を二つ。以上よ〜。

ロイド:パッシブ装備用と、いざって時に割る用の二つか。

トリーシャ:その為に、器用度増強の指輪は外すけどね〜。ああ、手があと2本くらい欲しいですわ。

ロイド:(ミストキャッスル付属の魔改造表を出して)……振るか?(一同大爆笑)

トリーシャ:腕どころか、色々要らないものが付く可能性があるんで遠慮するわ〜!!(笑)

シルフィ:トリーシャさん、トリーシャさん!私、トリーシャさんに魔改造でα・アジールが付く事望みます!!(一同爆笑)

トリーシャ:待って、サイズ大きすぎない!?それどっちが本体!!?(爆笑)

シルフィ:α・アジールの胸らへんに、トリーシャさんの上半身が浮き出てるとかどうでしょうか。(一同爆笑)

トリーシャ:ごめん、その造形、なんてラスボス?(一同爆笑)
 

名前:トリーシャ・アールクラフト
種族:ナイトメア 性別:女 年齢:74(外見18) 生まれ:軽戦士
身長:160cm 体重:54kg 髪の色:銀
能力値ダイス:技12 体12 心6 A5 B12 C6 D1 E9 F6
最終能力値:器用度18 敏捷度28+2 筋力21+2 生命力14 知力15 精神力12
保有経験点:940
合計名誉点:208
保有名誉点:93
HP:35+2 MP:15
冒険者技能:フェンサー7 スカウト5 エンハンサー1 フェアリーティマー1 バード1
一般技能:バウンサー5 ブルワー4 パヒューマー1
戦闘特技:両手利き 武器習熟/ソード 二刀流 防具習熟/非金属鎧
習得練技:ガゼルフット
習得呪歌:レジスタンス
武器:ディフェンダー×2
防具:アラミドコート
アクセサリ:専用ブラックベルト 筋力向上の腕輪 敏捷度増強の腕輪×2 妖精使いの宝石×2
所持品:冒険者セット スカウト用ツール リュート(バード用楽器) 敏捷度増強の指輪 器用度向上の指輪
所持金:8459
所有コネ:“母将軍”フルメリ@顔見知り
 
 敏捷度ボーナスが突出して来た、神速剣士。
 圧倒的な回避力と機動力で突っ込んでいく切り込み隊長。
 何だかんだで、気配りの出来る年長者なのかもしれない。
 

◆フルメリさんのお話◆
 

GM:さて、では遠出組はあの翌日、ツンデレと駄スフェラトゥとコボルト達に見送られて洞窟を出て、昼過ぎにはドルデアに帰還出来ました。(一同笑)

ロイド:…せめて本名でさぁ、セラとグレンフォード…(笑)。

GM:で、シルフィさんの服については後日どうにかして届けられるそうです。ぶっちゃけGM考え忘れてました。(一同笑)

シルフィ:では期待してます(笑)。あー、今からわくわく。

ロイド:……つか、俺とアルトは良く生きてたな。

アルト:ああ……よもや、ダークトロール・レブナントが出るとは……。(一同笑)

トリーシャ:ボス格じゃない、事実上9Lvモンスターって(笑)。

ロイド:くっく……あの時ほどテメェと組んで良かったと思った事は無いぜ、移動式眼鏡置場。

アルト:こっちの台詞だ、欠陥槍振り機。だが、二度は御免だ。

ネリネ:変な連帯感が出てるわねぇ〜。

GM/フルメリ:んでまぁ、ドルデアに戻ると下水から出てきた疲れた顔のフルメリさんと、丁度鉢合わせます。ちなみにフルメリさんの後ろには、レグランス姉弟とイクスさんを含め、ドルデアの中でもフルメリさんの鍛えた精鋭ばかりが十名ばかり。 「ぬ……お主ら、今帰りおったか」

ロイド:……なンだ、ロリババァ。下水臭いぞ。(一同大爆笑)

GM/フルメリ:「ふんがッ!!」 えー、フルメリ将軍必殺の全力攻撃Uを乗せたグーパンチです。(一同爆笑)

ロイド:ボルシチッ!! はい、悲鳴を上げて吹っ飛んで路上でピクピクしてます。(一同爆笑)

シルフィ:ああ、ロイド!ロイドーっ!!?(爆笑)

イクス:おや、皆お帰りっス。

アルト:む、ああ。今戻った。が、何事も無かった……と言うわけでは無さそうだな、お互いに。

ネリネ:お二方、ロイドさんとマスターをナチュラルにスルーしましたね。(一同笑)

アルト:構うだけ無駄だと今気付いた。(一同笑)

イクス:遅い悟りっスね。俺このモードのあの二人に構ったら負けだと、3話くらい前から気付いてましたよ。(一同笑)

GM/フルメリ:「まぁ、お主らが居ない間に色々あったからの。下水からアンデットがワラワラ沸いてきたり」(一同爆笑)

イクス:え、あれ適当な妄言じゃなかったんスか!?(笑)

GM/フルメリ:「お主は何を言っておるか。……で、な。その結果、アンデットの発生源にあったのがコレじゃ」 と、フルメリはどこかで見たような赤い宝石を出します。こっちは向こうと違って、壊さずに解除したようですが。

トリーシャ:これは……ふぅん、なるほど。私達も見たわよ、これ。

GM/フルメリ:「む、そう言えば……シルフィの使い魔が伝書鳩として来ておったの。これ関連か」

トリーシャ:まぁ、ね。とりあえず、いつまでも立ちって言うのもアレだわ。移動しましょう―――レグランス家に。(一同笑)

GM/バーン:「いや、良いですけど……もう完全に根城にする気満々ですね、貴方ら」(一同笑)

アルト:すまんなバーン。ああ、紅茶はアッサムで頼む。(一同笑)
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM/フルメリ:「さて、そちらに何があったかも分かったが……」 場所は変わってレグランス家。レグランス姉弟とイクスさんを除く、ドルデアの皆様はもう帰りました。

イクス:そらまー、変わったノスフェラトゥも居たもんっスね。

GM/フルメリ:「ああ、彼奴は本当に変わっておるよ。そこな無礼な小僧に近いな」

ロイド:……俺?

GM/フルメリ:「うむ、無礼さ加減でな。わしを見た時の第一声は、『YESロリータ!Noタッチ!!』じゃった」(一同超爆笑)

ロイド:なぁ、取って返してあの馬鹿の脳天に槍突き刺して来た方が世界の為じゃね?(一同爆笑)

シルフィ:…で、隣のルーンフォークの女の子にボコされてたんでしょう?(笑)

GM/フルメリ:「いや、彼奴も変わりおったよ。あの頃のセラは自己主張の無い、人形のような奴での。首を傾げてるセラを横目に、わし直々に殴り倒したが……ま、そこら辺はまた別の話じゃな」

ネリネ:……向こうも色々あったようですね。

GM/メル:「けど、服飾職人さんかぁ。一度会ってみたいかも」

アルト:やめておけ。「YESロリータ!Noタッチ!!」だぞ?(一同爆笑)

イクス/バーン:「そうですね。最悪の場合、刺し違えても姉さんは僕が守ります」(一同爆笑)

ロイド:ほらシスコンが変な覚悟持っちゃったよ。会わせたら戦争がおきるぞ。(一同爆笑)

GM/メル:「でも、シーちゃん服作って貰えるんだよねぇ……良いなぁ」

シルフィ:採寸はセラちゃんにやって貰いましたしね。完璧です。

GM/フルメリ:「まぁ、服飾談義は後でもよかろ。それより、この宝石……と言うより、穢れを強める結界か。恐らく、お主らが倒したフェイスレスの仕業じゃな」

ロイド:俺らがキマイラと戦ってる間にでも、下水道に仕掛けた……と?

GM/フルメリ:「恐らくのぅ。真語魔法には自らの姿を消す物もある。やりよう次第では、十二分に可能じゃろう」

トリーシャ:その時は間接的な妨害に終始して、実際に手を出してこなかったのは……向こうも一枚岩じゃないから、かしらね〜。

GM/フルメリ:「まぁ、の。蛮族の軍団と言うのは得てしてそう言うものじゃ。或いは、あの段階では落とせぬと踏んでおって、後に続く嫌がらせを残しておくつもりじゃったのか。……人目につき易い共同墓地とかではなく、人目につきにくく動物の死骸などの多い下水道を狙って来たのは、まぁ根性悪いやり方じゃな」

トリーシャ:けど逆に、下水道に生息してる動物とかモンスターなんてたかが知れてるわ〜。レブナント化しても、数だけで脅威にはならないでしょ〜?

GM/フルメリ:「だから言ったじゃろ?嫌がらせ、とな。―――とは言え、これは望外の好機じゃな」

ロイド:……つーと?

GM/フルメリ:「お主らの存在じゃよ、たわけ」

GM/バーン:「貴方達『向日葵兵団』は、何だかんだでこのドルデアを狙う蛮族の動きを完全に潰してしまったと言う事です。キマイラも、フェイスレスも……狙いはドルデアに対する継続的な牽制。方法は違えど、それは変わらない」

シルフィ:あー……それが、私らが双方を潰したんで、継続的にならず単発で済み、結果被害も小さく混乱も少ない、と。

GM/フルメリ:「そう言う事じゃ。少なくとも、最悪の事態には程遠い。―――そして、この牽制の最終目的はなんじゃと思う?」

ロイド:ブルデの占拠。

GM/フルメリ:「……ほう?即答じゃの」

ロイド:……分かって聞いてるだろ?険峻な山地に挟まれたこの立地だ。山地を越えて物資を運ぶのは蛮族でも困難。そして補給線が無ければ大軍は動かせず、兵力が少なければ戦線を維持する事も、拠点を奪取する事も出来ない。

GM/フルメリ:「正解じゃ。結局のところ、ブルデがある谷間のルート以外の侵攻ルートを確定しない限り、レガリアに対する侵攻は出来ん。仮に出来ても、維持できず早晩崩れ去る」

トリーシャ:道理ね。故に、ブルデ後方の都市であるドルデアやリテルに対する作戦行動は前提からこう考えるべき。『ブルデ占領の為の布石である』とね。

イクス:ぽかーん。(一同爆笑)

GM/フルメリ:「……そっちの神官の小僧は、軍略は門外漢じゃの?」(一同笑)

イクス:本願寺の僧兵でもない限り、神官に軍略は不要っス。(一同笑)

GM/フルメリ:「…何じゃ本願寺って……。ま、良いわ。とにかく、そこまで分かっておるなら話は早い。『近いうちにブルデに対して何らかの大きな動きがあるであろう』と言う事じゃよ、つまりはな」

ネリネ:……つまり、サザエの壺焼きが美味しいから、海王星生物が大爆発と言う事ですね?(一同大爆笑)

GM/バーン:「……分からないなら素直に分からないと言いましょうよ」(笑)

シルフィ/メル:「はーい!メル、お話の1割も分かんない!!」(一同笑)

アルト:……うん、お前ら向こうでババ抜きでもやってろ。(一同爆笑)

ロイド:フルメリ抜きとな。(一同大爆笑)

GM/フルメリ:「ほぁたァ!!」

ロイド:ぷげらっ!!(一同爆笑)

トリーシャ:……謎のコンビネーションね〜(笑)。

シルフィ:無駄な息の合い方してますね、あの二人…(笑)。

アルト:それはともかく、その話を俺達にする真意は何だ?フルメリ将軍。

トリーシャ:こっちのスルーテクも磨きがかかってきたわね……。(一同笑)

GM/フルメリ:「ふむ。まぁ……お主らの存在が、存外にワイルドカードになり得るから、かの」

トリーシャ:……ワイルドカード?

GM/フルメリ:「単純な戦力としての問題ではない。お主らの存在が、敵方からすれば想定外、と言う事じゃな。相手は『ドルデアの戦力』を相手にするつもりで来て、事実それは成功する筈じゃった。ドルデアの外から来たお主らが動かなければな」

アルト:……相手の慮外にある戦力と言う事か。相手の計算に入っておらず、それ故に相手の計略を打破出来たと。

GM/フルメリ:「ま、そう言う事じゃ。どうせお主ら、隊商の護衛でブルデまで行くんじゃろ。じゃったら事のついで、お主らに情報を渡しておくことが一つの予防線になり得るとわしは考えた。無論、ブルデには早馬で情報を渡しておくが、の」

シルフィ:……情報を与えられたからと言って、私達が貴方の望む動きをするとは限りませんよ?

GM/フルメリ:「分かっておるよ。じゃが、それでも……渡さぬよりは互いにとって良いと思っただけじゃ」

トリーシャ:まぁ、隊商の護衛でどっちにしろブルデには行くからね。感謝しますわ、フルメリさん?

GM/フルメリ:「打算も混ざっておる。感謝は要らぬよ、トリーシャ」

トリーシャ:そこをバラしてしまう辺りが貴方らしいですわ。ね、ロイド?

ロイド:あ、俺顔面から天井に突き刺さった形容しがたきオブジェになってますんで。(一同爆笑)

ネリネ/メル:「…ねーねー、シーちゃん。これ放っておいて良いの?」 メルがフライ返しでつんつんつっついて遊んでます。(一同笑)

シルフィ:ろ、ロイド!?いつの間にこんな面白い事にーっ!?(笑)

GM/バーン:「…ここ僕らの家なんですけどね。天井に穴……いや、敢えて多くは言いませんが」(一同笑)
 

◆ブルデに行こう!◆
 

 ともあれ、その騒動から二日後。
 街道の危険も恐らく排除されたので、隊商が再びブルデを目指すとの事なので、レグランス家でグダグダしてた「向日葵兵団」+レグランス姉弟も呼び出されます。
 ちなみにどれくらいグダグダしてたのかと言うと、

 

トリーシャ:さて、では今日は珍しく私が料理を作るわ〜。

ロイド:……本当に珍しいな。

トリーシャ:レグランス家のキッチンを借りて、トリーシャの三時間クッキングー。

GM/バーン:「…いやまぁ、もう敢えて何も言いませんが」(一同笑)

トリーシャ:まず、鍋に油を……あれ、油どこだろ、油。えーと……蝋燭ってアレ、油の一種よね?ほら、熱せば溶けるし、ベタつくし。(一同大爆笑)

シルフィ:……新理論ですね。(一同笑)

トリーシャ:鍋に寸刻みにした蝋燭を投入します。(一同爆笑)

GM:…油脂使ってるんで全否定はしませんが、食用じゃないでしょう常識的に考えて……。(一同爆笑)

ロイド:……料理と言うより、小学校で習ったクレヨンの作り方に酷似してるんだが。(一同爆笑)

トリーシャ:で、えーと……じゃあ、お姉さんは食材買いに行ってくるわ〜。

ロイド:鍋を火にかける前に行け、アホたれッ!!?(一同爆笑)

GM/バーン:「鍋の火消してくださいッ!!と言うか何もしないでくださいもう!!」(一同爆笑)
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

アルト:さて、特に何も無ければ私は古書店でも漁りに行くか。魔動機文明時代の写本でもあれば面白いのだが。

ロイド:おい、男連中。魔動機文明時代の美人絵なんぞあったぞ!年齢制限かかる奴!!(一同爆笑)

シルフィ:ファイアボール!!(一同爆笑)

ロイド:たわばっ!!(爆笑)

シルフィ:ロイドにはそーゆーのは必要無いんですっ!! つーん!!

アルト:……ロイドごと景気よく燃えてるんだが、本。

イクス:焚書ですね、分かります。(一同爆笑)

GM:……燃えた本代、300Gくらい払っておいて下さい馬鹿ども。(一同爆笑)
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

 と、そんな調子で。
 なんとも弛緩した日常パートがグダグダと続いている最中に、隊商の方から呼び出しがかかり、ドルデアを発つ事になった彼ら。
 世話になったフルメリに軽く挨拶してから、レグランス姉弟と一緒にドルデアを出て隣の要塞都市、リテルへ向かいます。

 

GM:で、現在貴方達はリテルに向かう街道を、隊商の馬車を護衛しながら歩いてるわけですが。

ロイド:リテルを抜けたら、次はドルデアかー。

イクス:そ言えば、ドルデアに対しては色々されてるっスけど、リテルに対しては何も無かったんスかね?

ロイド:さてな……話には聞いていないが、最悪の場合さっきのフェイスレスの仕掛けたアンデットラッシュのように、何か知らないうちに仕掛けられてる可能性もある。

トリーシャ:でも、こう言っちゃなんだけど、ドルデアよりリテルのが脆いわよね?兵数少ないし、フルメリさんのような英雄レベルの人がいるわけでもないし。少なくとも、公式ではね。

ロイド:何故敵はリテルではなくドルデアを狙ったのか、ってか?

トリーシャ:軽く疑問ねー。

GM/バーン:「貴方達が居ない間にフルメリ将軍が同じ事を考えてたようなのですが、恐らくはドルデアの戦力を恐れたのではないかと」

ロイド:ドルデアの戦力、ねぇ。

トリーシャ:確かに、キマイラ戦ではパッとしなかったけど、ドルデア兵は他に比べて精強な筈よ〜。私達の成長が早いからそうは思えないかもしれないけど、5Lvもあれば本来は腕利きなのよ。
 
ロイド:……俺ら、生き急いでるなぁ、ホントに。(一同笑)

アルト:まぁ、成長速度は少々異常かもしれんが(笑)。

トリーシャ:冒険者はそういうものよ〜。本来であれば、7Lvもあれば騎士叙勲レベルなのよね〜。

ロイド:ま、良いさ。とりあえず道中は何事も無しか?

シルフィ:私はデンドロビウムの背でメルとキャッキャウフフしてます!!(一同笑)

イクス:ま、周辺警戒ッスね。なんだかんだで、6Lvスカウトっすし。

トリーシャ:私も周辺警戒と遊撃兵役ね〜。

ネリネ:私はマスターの近辺を警護していますか、前回の事もありますし。

ロイド:あぁ、ドラゴンと格闘戦。(一同笑)

ネリネ:あれは、流石に肝が冷えました。仮に攻撃を受けるのが私ならば、ドレイクの攻撃の2,3発など歯牙にもかけないのですが……。

アルト:……ドレイクが泣き入れるのが先だろうな。(一同笑)

ネリネ:いえ、私単体だと攻撃力無いから千日手ですけどね。

ロイド:ま、良いさ。ともあれ、早めに決めておくべき事柄が2,3あるな。―――状況に流されるのは好きじゃない。

アルト:ふむ?となると、ブルデの事か。

ロイド:正確には、先のドルデアから続いてる一連の事象だ。リテルでも何かあるかもしれんが、それは結局ブルデを巡る攻防に収束する。逆説、敵がブルデを通らずに大規模な兵力を投入できるルートを確保していた場合は定かではないが―――。

GM/バーン:「……ないが?」

ロイド:なに、その場合はどの道俺らの手には余る。この可能性を思考から除外。ブルデに攻防の全てが収束すると仮定して話を進める。他の侵攻ルートがある場合、ドルデアへの下手な牽制などせずに電撃戦をかけるのが最上。それが無いと言う事は可能性としても論するに値しない瑣末だろう。

一同:……。

ロイド:さて、この仮定に基づこう。俺が思考するのはこの先、この隊商護衛の依頼が終わった後に俺達が取るべき方針の如何だ。

アルト:待て、ロイド。お前誰だ。(一同大爆笑)

ロイド:え!?(笑) あの、これまでの状況から必死にまとめた考え披露したら全否定ですか!?(一同爆笑)

シルフィ:口調が誰テメェですよ!!何で冒険者が銀河帝国軍の幕僚みたいな会話してるんですか!!(一同爆笑)

ロイド:後手に回らん為だよ。何かが起きようとしている。或いは、ドルデアでの失敗を鑑みて何も起こらないのかもしれないけどな。何かが起こるとして何が起きるか?思考し想定し覚悟しておけば、それだけで大分違う。

アルト:……否定はせん。いや、同意しよう。乗ってやろうか、この道中……貴様の論理回しにな。

ロイド:とは言え、もう大半は言い終えた感じだがな。つまるところ、俺達が取るべき策は大別して二つ。残るか逃げるか、だ。――俺は後者を推すがね。

シルフィ:ブルデに、ですね?

ロイド:そ。多分遠からず、ブルデに何かが起こる。蛮族の策謀か攻撃か、まぁ余り好ましい話ではないわな。それに対する俺らの対応。俺はお嬢の従者としてその安全の為に撤退を推す。無論、得た限りの情報を守備隊に渡した上で。……あぁ、駄スフェラトゥに関しては勿論伏せるがな。

シルフィ:何かが起こると言う前提で言うなら、私は残る事を選択します。私達が居れば守れる人もいるかもしれないじゃないですか。

ロイド:……アルト、お前は?

アルト:さて、騒動こそ飯のタネな冒険者稼業としてはシルフィに一票だな。

ロイド:……チッ。

トリーシャ:じゃ、ここらで戻って来てロイドの後ろから顔を出しますか。 ……私も、残るに一票。ていうか、らしくないわね〜?ロイドが慎重派なんて。

ロイド:…俺はいつでもクールで冷静なの。

トリーシャ:二重表現ね〜。

ロイド:……一応理由はあんだがな。

トリーシャ:じゃあ、お姉さんがその理由って奴を聞いてあげるわ〜。

ロイド:…んや、パス。この調子だと、ほぼ全員が残る案か?俺らと直接の関係は無いが、バーンとメルはどうする?

GM/バーン:「……。ブルデに何かあれば、真っ先に危険なのはレガリア……僕らの故国です。やはり、放ってはおけません」

GM/メル:「うん、メル頑張るよ!!」

ロイド:〜〜〜……好きにしろ。 とりあえず、ぶすっとした表情で無言。このまま、一先ずついて行くとしようか。

GM/メル:「……ロイド君、機嫌悪い?」

ロイド:…べっつにィ〜?皆のイケメン、ロイド君は今日も平常運航ですよォ?

アルト:……さて、それを見て冷笑を浮かべておくか。

ロイド:……見透かされてるみてェで嬉しくねェな、アルト?頼むから死んでくれねェかな、なるべく苦しい方法で。

アルト:お断りだな、馬鹿野郎。存外腑抜けだな、貴様は。余程の命知らずと踏んでいたのだがな、私は。

ロイド:人を死にたがりみてェに……。

アルト:人事は尽くすだろうがな。そこから先は運を天に任す―――そうなっても構わない、と踏むタイプだと見ていたが。

ロイド:……っ。 否定はしない。

トリーシャ:……さて、何やら難しい言い回しねぇ。

ネリネ:男性特有の英雄願望でしょうか。ぶっちゃけ理解の範疇外ですが。

ロイド:……うっせーよ。

GM:ともあれ、そんな調子でしょうが―――リテルまでは何事もなく行けますよ。リテルまでは、ね。

ロイド:……嫌な物言いだな、オイ。
 

◆城塞都市リテル◆
 

 城塞都市リテル。
 マントワーズ・ブルデよりは規模にして劣るも、二百の兵を擁し数千の民を育む、れっきとした大都市です。
 そこに辿り着いた一行+隊商。普段より厳しく検査を受けてから、街に通されます。
 一先ず宿を取り一泊し、翌日にブルデに出発という話になりますが―――

 

GM/門衛:「気を付けなよ。昨晩、ブルデへの道で盗賊が出たんだ」

ロイド:は?盗賊?蛮族じゃなくて?

GM/門衛:「盗賊さ。それで、逃げて来た旅人を慌てて門の中に招き入れたんだ。盗賊は逃げ散ったけど……いやはや、人族同士で戦ってる場合じゃないと思うんだがね」

ロイド:……盗賊かぁ。隊商を狙って来ると思うか?

GM/バーン:「可能性はありますね。……ロイドさん達、良ければその旅人に話を聞いて来て貰えますか?こっちは少々用事がありまして……というか、買い出しですけどね」

ロイド:……あー、それくらいなら構わねェぜ。

GM/バーン:「ええ。お願いします」

ロイド:……つーわけだが、さてどーするか。GM、今の時間は?

GM:もうすぐ夜ですね。逢魔ヶ時、6時くらいでしょうか。

ロイド:……酒場はこれからが盛りか。件の旅人も、まぁ夕飯時だし起きてはいるだろ。

アルト:……さて、どうしたものかな。調べるのは旅人についてだけか?

ロイド:無論、盗賊についてもだな。これはスカウトに任せた方がいいか。これだけの規模の都市だ、ギルドもあるだろ。

イクス:うぃ。じゃ、俺が行ってくるッス。

トリーシャ:じゃあ、私、ロイド、アルト君で旅人のところに。シルフィ、イクス君、ネリネで盗賊についての調査ね〜。終わったら隊商が泊まってる宿で合流。これで行きましょ。

ロイド:その編成の根拠は?

トリーシャ:戦力バランス配分。―――不測の事態に対応できるように、ね?ドルデアにあれだけ執拗に仕掛けてきたのよ、敵は。ここが何も無い―――だなんて、根拠のない楽観は私はしない。

ロイド:―――同感。じゃあ編成はそれで。何かあったら合流地点は隊商の宿か、そうじゃなければ正門で行こう。

シルフィ:分かりました。……二人とも、何か起こると思ってますね?

ロイド:……あァ、そうだな。このタイミングで出てきたその盗賊ってのが蛮族と無関係とは思えねぇし……杞憂なら良いが、何かあると疑って然るべきだろ、多分な。

GM:(そうそう、精々疑ってくださいね〜)。
 

 さて、この段階でGM側の仕込みに気付いた様子は無い冒険者達。
 とりあえず情報集めに動きます。
 まず、シルフィ組の3人が守備隊詰所へ。
 盗賊についての話を聞きつつ、ドルデアでの件については既にフルメリから聞いており、彼女の働き掛けもあって最大限の警戒態勢を引いている事も聞いたり。
 
 得た情報は以下の通りです。
 
・盗賊は十名ほど。本格的な戦闘になる前に逃げ去った。
・助けを求める声を聞いて慌てて開門。旅人を保護した後、城壁から弓を射かけた。

 

GM/守備兵:「まぁ、流石に盗賊も城塞都市に手を出すほど愚かじゃなかったって事かな」

シルフィ:はぁ〜……なるほど。どうも、ありがとうございました。

ネリネ:特に怪しいところはありませんでしたね。

遠くのロイド:……まぁ、現状ではそうか。得られた情報も少なかったしな。

イクス:それに、現状ではその盗賊団以外の危険については特に無いそうですな。これも情報っちゃ情報か。

遠くのロイド:……ま、得られるもんはそんなもんか。
 

 まぁ、こちらはハズレ―――とは言わないまでも、上っ面のみの情報です。
 一方の旅人側に来たロイド達は―――

 

GM:では、門番の人から聞いた宿の一階。酒場部分の奥まった所で、聞いた特徴と合致する二人組を発見できます。

ロイド:どんな連中?

GM:銀髪サングラス装備の長身の青年と、綺麗なペンダントを身に付けた紫色の髪の小柄な少女ですね。青年は不機嫌そうに手元の焼き魚の分解作業に勤しんでいて、、少女は楽しそうに料理に舌鼓を打っています。

トリーシャ:ま、話を聞いてみましょ。失礼するわ〜。

GM/少女:「あら?どなたかしら……失礼だけど、知り合いだっけ?」 と、声をかけられた少女は気軽に答えますね。

トリーシャ:通りすがりの冒険者ですわ。貴方達、ブルデから来たのよね?ブルデからの街道に出る盗賊についてお話を聞きたいのよ〜。どうかしら、奢るわよ?

GM/少女:「……何頼んでも良い?」

トリーシャ:何頼んでも良いわよ〜。

GM/少女:「よしっ!じゃあマスター、このリーゼン牛の特上カルビ二人前!ウォルフも食べるでしょ?」

GM/青年:「あァ?知らねェよ、勝手に食ってろリゼリア。俺ァ今忙しいんだよ、魚の小骨取るのに」(一同笑)

GM/少女:「……それくらい構わず食えばいいと思うのだよ、私は」

トリーシャ:リゼリアちゃんとウォルフガングさんで良いかしら〜?

GM/リゼリア:「あぁ、うん。ごめんね?私はリゼリア・ミルヒヴァイス。こっちはウォルフガング・ルウガルウ。旅人なのだよ」 からからと楽しそうに笑うリゼリアに対し、ウォルフガングは真剣に魚の小骨を取り除く作業に没頭しています。(一同笑)

ロイド:また、変なコンビだな……(笑)。

GM/リゼリア:「うん、良く言われるね〜。私のような美少女のお供にこんな馬鹿は似合わないっていうか?」

GM/ウォルフガング:「殺されてェか、リゼリア」

GM/リゼリア:「おぉ怖い怖い。で、貴方達は?」

トリーシャ:あぁ、ごめんなさい。名乗りが遅れたわね〜。清純可憐でおなじみのトリーシャ・アールクラフト。冒険者よ〜。(一同爆笑)

ロイド:……清純…。

アルト:……可憐……?

遠くのシルフィ:JASに電話しましょう、不良広告です。(一同大爆笑)

トリーシャ:ちょっとそこォ!!?(爆笑)

ロイド:あー、と。俺はロイド・クラリクロイツ。冒険者だな。

アルト:アルト・ディオスクロイツ。右に同じくだ。

GM/リゼリア:「うんうん、それじゃロイド君にトリーシャさんにアルト君?何を聞きたいのかな?」

ロイド:……まぁ、まずはアレか。襲ってきた盗賊団の規模と襲われた場所と時間。

GM/リゼリア:「襲われた場所はリテルから30分くらいの場所だね。野営中に」

ロイド:……ほぅ。

GM/リゼリア:「規模は……んー、ざっと10人かそこらかな?剣を持ってた奴もいれば、杖を持ってた奴も居たかな。詳しくは分かんない」

トリーシャ:で、襲われて慌てて逃げて来たってわけね〜。

GM/リゼリア:「そ。あーもー、あんなに走るなんて最悪よ。足が太くなっちゃうじゃない」

トリーシャ:それはそれは、お察ししますわ。 くすくす笑って答えましょ。

アルト:蛮族は居たか?

GM/リゼリア:「ん?居なかった……と、思う。全部オーガですとか言われたら、流石に分からないけどね。どう、ウォルフ?」

GM/ウォルフ:「…俺が知るかよ」

ロイド:……えっらい機嫌悪ィな、旦那?

GM/ウォルフ:「あァ?うっせェな小僧、こちとら魚の小骨で忙しいんだよ。ただでさえ頭痛が酷ェってのに、ったく……」

GM/リゼリア:「風邪かしらね。寝てきたら?」

GM/ウォルフ:「……何で俺がテメェの命令―――」

GM/リゼリア:「寝て来なさい、ウォルフガング・ルウガルウ?雰囲気悪くするだけよ、貴方が居ても」 とリゼリアに言われて、舌打ちをしてウォルフガングはさっさと宿の2Fに引っ込みます。

ロイド:尻に敷いてるねェ?

GM/リゼリア:「そう見える?ごめんなさいね、気が立ってるみたいで」

トリーシャ:構わないわ〜。けど、風邪?

ロイド:そりゃお大事に。

GM/リゼリア:「あはは、伝えとく。このカルビ余りそうだから半分どう?どうせ私のお金じゃないし」

トリーシャ:じゃあ、ご相伴にあずかりますわ。

ロイド:……あー、師匠?もう時間が時間だし、そろそろお嬢たちに報告に行った方が良くね?盗賊の話も対策立ててぇし。

トリーシャ:あら、まだ宵の口じゃない。

GM/リゼリア:「そうよそうよ、折角の出会いですもの。楽しみましょう?」

ロイド:あぁ、悪い。こっちもちょっと急ぎで用事があってな。そうだろう?師匠。

トリーシャ:―――。あぁ、そうだったわね〜。ごめんなさい、忘れてたわ〜。

遠くのネリネ:……うわ、以心伝心。
 

 「用事がある」などと言うのは、当然ながら全くの嘘です。
 呼吸するように嘘を吐くロイド。その嘘を聞き、何らかの意図があると察して即座に合わせるトリーシャ。
 息合い過ぎでしょうアンタら。

 

GM:(……疑念を抱くには弱いか。これは向こうが上手だったなぁ)

ロイド:じゃ、悪いな。今注文した分、余るようなら他の客にでも振舞ってくれよ。嬢ちゃんみたいな美人に奢られたら、男なら嫌な気しないだろうし。

GM/リゼリア:「あら良い口説き文句。じゃあ、御言葉に甘えるのだよ」 リゼリアは笑顔で手を振り、貴方達を見送ります。

アルト:…そっち二人の会話に不自然を感じたんで、無言でついて行こう。

トリーシャ:じゃ、そうね。出ていって暫くしてから、ロイドに声をかけましょうか。 ……何か気になるところでもあったのかしら〜?

ロイド:……あいつらさぁ……野営中に襲われたって言ってたよな?

アルト:ああ、言っていたな。

ロイド:それ自体は別に良い。良いんだが……なぁ、一つ疑問だ。『なんでわざわざ、街から30分の場所で野営をする?』

トリーシャ:……あっ。

ロイド:不自然なんだよ。野営それ自体は良いとしても、歩いて30分なら普通に歩いて街に入ってから宿に泊まった方がいいだろ。

遠くのイクス:んー……夜間は門が閉められてるから、とか?

ロイド:だとしても、城門前で野営すれば良い。殊更30分離れた場所でやる道理はない。違うか?

遠くのイクス:……確かに。そっちのが安全ッスね。

ロイド:あの場で追及しなかったのは、それこそ向こうが敵だった場合の為。こっちの戦力が少ない中、あの場で下手に追求して事を起こす羽目になっても困る。

アルト:英断だな。

ロイド:そらどーも。

トリーシャ:さて……吉と出るかしらね、凶と出るかしらね?
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:では、ロイドさん達とシルフィさん達が宿に戻ると、バーンとメルは先に戻ってきていました。保存食などを買い足してたようですね。

ロイド:……うーっす。

GM/バーン:「あぁ、おかえりなさい。……どうしたんですか?」

ロイド:…いや、ちょいと考え事。

シルフィ:あ、ロイドだーっ! はい、空気読まず後ろから突進して飛びつきます!(一同笑)

ロイド:うぉわ!!?(笑)

アルト:……平和だなぁ(笑)。

GM:ちなみに現在時刻は20時、というところですね。
 

 ちなみに今回、リテルの街で起こる出来事をタイムテーブル式にして記してあります。
 20時現在、まだこれといった動きは起こっていませんが……。
 とりあえずPC達は互いに情報交換を済ませます。

 

ロイド:どーにもこーにも、きな臭いな。

アルト:先の証言がそんなに気にかかるか。

ロイド:まぁな。お前は気にかからんのか?

アルト:……気にかかると言うか、だ。証言を偽証するメリットは何だ?

ロイド:……メリットねぇ?

シルフィ:…えーと、例えば件の二人が盗賊団とグルで、街に対して盗賊団が何らかのアクションを起こすために潜入した、とかは?

ロイド:待て、そう言えばその盗賊団の話は前からあるのか?

シルフィ:んん?

ロイド:あいつらが襲われたってのが初の目撃証言なのか否かだ。あいつらが初なら、そのお嬢の推測はハズレだよ。何の動きも見せないうちに中に入って行動を起こした方がよほど警戒されにくい。

シルフィ:……あー、なるほど。すいませんバーンさん、この盗賊団の話って前からあるんでしょうか?

GM/バーン:「え?う、う〜ん……詰所のほうで聞いてみないことには」

ロイド:んじゃ聞きに行ってみるか。

GM:詰め所までは片道20分くらいですよ〜。

ロイド:……全員で行くか。バーン、メルも来てくれ。何やらきな臭い。

GM/バーン:「先程の話だと、件の旅人が怪しいと?」

ロイド:その話もあるし……何かあった時、固まってた方が身を守り易い。多分な……。

GM:(現状はまだ想定内、と。この時間帯なら……もう動き始めてますね)


■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:では、守備兵詰め所ですが……妙に慌ただしいです。

ロイド:あ?

GM:守備兵が動き回っているんですよねー。とはいえ、緊急事態って言うよりも嫌々って感じで。

アルト:…どうしたんだ、この騒ぎは?

GM/守備兵:「ん?ああ、抜き打ちの訓練だとさ。上からの命令で……蛮族の行動が活発になってるこの時期だから、とか」

アルト:……今日か?

GM/守備兵:「命令が出たのはさっきだな。で、何か用か?こっちは忙しいんだが……」

ロイド:2、3聞きたい事があってな。昨日出たって言う盗賊団、それって前からあった話なのか?盗賊団の存在に関する話題とか。

GM/守備兵:「ん?いや、そういや初耳だな……」

シルフィ:となると私の推測は外れですか。

ロイド:じゃ、次の質問。この訓練って具体的にはどーすんだ?

GM/守備兵:「非番の連中……つまりは、守備兵の半数が12時に街の南側の広場に集合って話だけど、そこから先は詳しくは聞いてねー」

トリーシャ:……このタイミングで?

ロイド:このタイミングだから、とも取れるが……。

ネリネ:…出来すぎ、ですよね?

アルト:だな。
 

 さて、彼らの知らない所で徐々に状況は動き始めています。
 ややこしい話にすると、私(GM)とリプレイ起こし担当(零時)が血反吐吐くんですが。
 主にリプレイ化段階で。
 
 ともあれ、この段階でPC側の分かってる情報はまだ少ないです。
 怪しい旅人。守備兵に下った奇妙な、と言うか出来過ぎたタイミングでの命令。不審な盗賊団。
 まだ全貌を把握できようはずも無し。結果、2,3話し合った結果、冒険者達はまず先の旅人達の所へ向かう事を選択します。
 が、この段階で彼らも既に移動をしています。
 どう言う事かと言うと―――
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:では、先程の酒場に移動ですね?

ロイド:だな。方針としちゃ、守備隊に抜き打ち訓練の指示を出した相手……守備隊の大隊長に話を聞くってのもあったが。

トリーシャ:まずは、怪しいけど動向の分からない旅人コンビのところね〜。

GM:ふむ、では先程の酒場に来ると、そこに居たのは銀髪サングラスだけです。ウォルフさんだけが、詰まらなそうにエールをチビチビ呑んでるのが店の端に見えますね。

ロイド:……ウォルフガング?

GM/ウォルフ:「あ゛?……ンだよ、さっきの冒険者か。何か用か?」 声をかけられると、サングラスをかけ直してそちらに視線を向けます。 「リゼリアなら出かけてンぞ。それとも俺に何か用か?」

トリーシャ:……あー、うーん……参ったわね、リゼリアちゃんに話を聞くつもりで考えて来てたから、ウォルフさん一人だけってのは想定外だったわ〜。

GM/ウォルフ:「リゼリア“ちゃん”ねェ……あいつが聞いたら喜ぶな」 くっくっく、と笑みを浮かべます。 「あいつ、見た目よりもずっと歳だぜ?少なくとも俺より余程上だ」

トリーシャ:あら、それはそれは。けど、感心しませんわ?女の年齢バラしちゃだめよ〜?

ロイド:師匠とか言う実例もいるしな。肌年齢と実年齢にはやたら敏感だ。(一同笑)

トリーシャ:やかましいっ!!(笑)

GM/ウォルフ:「……で、お前ら。何しに来たんだ?そんな三文漫才見せに来たわけじゃねェだろ?ましてやそんな大勢で、だ」

ロイド:……まぁそりゃ、聞きたい事があったからな。……アンタ、腹芸得意なタイプじゃねーだろ?

GM/ウォルフ:「………だから?」

ロイド:単刀直入に聞く。何で街から30分なんて位置でわざわざ野営をしたんだ?30分歩いて城門前で野営をするか、中に入れて貰えば余程楽だろうに。

GM/ウォルフ:「―――。へェ……成程成程。つまり、疑ってるわけだな?」 ビキリ、と手にしたグラスにヒビが入ります。 「あんまり良い気分じゃねェなァ……善意で情報話して疑われるってなァよ」

シルフィ:……う。この人、ちょっとヤバい……?

ロイド:さて、お前が逆の立場ならどうする?自分がこれから向かう道で、これまでで発生していなかった盗賊が出たと言う情報。が、その盗賊に襲われてた奴の証言に矛盾あり、だ。

GM/ウォルフ:「さてな。礼儀知らずにも真正面から聞きに来るような真似ァしねぇと思うが?」

ロイド:―――ふむそうか。で、先の質問の回答は?

GM/ウォルフ:「……テメェ……おい、舐めてンのか?」

ロイド:状況が余りにも不自然なんだよ、ウォルフガング・ルウガルウ。ただその情報だけなら放っておいても良かったが、ここに来て守備兵の不自然な動きだ。まして最近は蛮族の蠢動も多い。ドルデアでも色々あった。ここで警戒しねぇなら、ただのバカだ。

GM:(ふむ、正論。―――撥ね退けるには少々厳しいか)。……では、それを聞いてウォルフガングは少々考え込むような表情を見せます。

ロイド:……どー思う?

イクス:……何ともスッキリしない問答ですな。何か隠してそうな感はありますが……。

GM/ウォルフ:(……ここは時間稼ぎに動きますか) 「―――なァ、オイ。女の事情を勝手にバラすのはご法度だよなァ?さっきトリーシャ、アンタが言ってたろ?」

トリーシャ:……む。えぇ、そうだけど……。

GM/ウォルフ:「俺らが中途半端な場所で野営してたのは、リゼリアの已むに已まれぬ事情って奴だよ。察せ」

トリーシャ:……アノ日?(一同爆笑)

ネリネ:トリーシャさん、察せと言われたのにド直球です!!(笑)

GM/ウォルフ:「…察せっつったろが。まァ、そんな事情だ。とにかくこれ以上聞きてェならリゼリアを探しな。どこ行ったかまでは知らねェがな」

ロイド:……分かった、感謝する。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:では、酒場を出た所で……時刻は21:30頃。街は夜の闇に包まれ、ところどころにある街灯が物悲しげに光を放っています。空には満月。良い月夜ですね?

イクス:不吉にしか見えねー。

ロイド:……なんか隠してやがる、野郎……いや、勘でしかないが……何を?あぁくそ、センス・エネミィでもかけりゃ良かったかクソ。

アルト:それだと相手にもそれをかけた事が知れる。その場で敵対と相成っても文句は言えないな。

ロイド:……あの野郎、良い感じにキレ易そうだったしな。……くそ、後手に回ってるか……?

トリーシャ:……方向性は二つ。リゼリアを探すのか―――守備隊に命令を出した「上」を探るのか。

ロイド:それか帰って寝るか、か。

トリーシャ:……うーん……嫌な感じがするのよね〜。帰って寝て起きたらリテルが無くなってました。ま、流石にそれは無いでしょうけど……キマイラとかそれ級の敵なら、護衛付きの村の一つも軽く壊滅させ得るからね、事実サンプルシナリオでやってたし。リテルが壊滅、は流石に無いだろうけど……。

シルフィ:……タイムリミットは恐らく、24:00。守備隊が集まった所で何かがあると見てますよ、私。

イクス:…さて、どうしますか。
 

 ここで冒険者たち、相談タイム。
 事態に対する有効な対処法を見出せず焦れているロイドと、後手に回る危険を考えているらしいアルトの二人が拙速であろうととにかく行動すべきとの意見。
 一方、シルフィとトリーシャとイクスは慎重派。下手に拙速に動いて状況を悪化させる危険を考えると、まず現在の状況の把握に努めるべきではないかとの意見。
 ネリネとメル、地面に棒きれで○×描いて陣取りゲームで遊ぶ。先に三つ並べたら勝ち。

 一部問題ありな会議の結果、一先ずパーティーを分ける事になります。
 ロイド・アルト・そしてトリーシャの三名でリゼリアを探しに。
 バーン、メル含む残り五名で守備兵の方に探りを入れる事にします。
 
 が―――
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

ロイド:……まずった、焦ったか。こんな時間にアテも無く人探しってのは少々無理があったな……。

トリーシャ:さもありなん、ね。仕方ない、向こうに期待しましょ。
 

 ロイド組、空振り。
 まぁ、これは仕方のない事でしょう。
 今回24:00までに真相に辿り着くのはかなりの難易度を伴う仕様です。
 むしろ、GMの想定の中ではそれほどミスはしていないPC達。
 
 一方のシルフィ組は守備兵の詰め所にて、命令を出しているのが守備兵の副兵団長であるという情報を得ます。
 一番上じゃないけど、二番目に偉い人。三十代後半のオッサン。
 かなりの腕をもつ元冒険者であり、元はブルデに居たのですが最近リテルに来たとも。
 ただし、普段の行動に不審な点などは無かったとの事。

 

シルフィ:ふむふむ。ではその副兵団長はどこにいらっしゃるのでしょうか?

GM/守備兵:「さぁ……家の場所は分かるけど、今は……うーん、抜き打ちの訓練もあるし、24:00には広場に来ると思うけど」

シルフィ:……うぅ、それだとタイムアップっぽいんですよね。

遠くのロイド:……現在時刻は23:00。……仕方ない、24:00前に件の広場辺りまで行こう。何か不審な点が無いか調べて、可能であれば対処。……後手に回りまくってるがな。

シルフィ:……仕方ありません。では、ビグザムの脚にその旨を書いた手紙を括り付けて、ロイド達のところに飛ばします。
 

 そう言えば、夜間なのに思い切り鳥を飛ばして連絡役にしてましたが……普通飛べませんよね、鳥目だし。
 ともあれ、今回PC達が後手後手に回ってるのは最早シナリオの仕様。今回は故意に情報を錯綜させ、時間制限を厳しく設け、ヒントは少なめにしてますから。
 これで真相まで辿り着かれたら、読心能力の有無を疑います。お前らさとり妖怪かと。
 
 そして23:30。
 件の広場に先に到着したシルフィ達は周囲の捜索を開始。
 また、ロイド達の元にビグザムが辿り着き、その足に括り付けられた手紙を見た彼らも広場に向かいます。その後ビグザム、急いでシルフィの元へ帰還。
 
 が―――GMはここでイベントを発生させます。
 ここが潮時。―――クライマックスと参りましょう。
 

■真紅の卓■
 

GM:―――では、夜の道を街の南部の広場へ向けて歩いてるロイドさん達。

ロイド:……おう?

GM:その行く手に立っている姿があります。黒衣に銀髪、サングラス。先程も見た顔ですね。

アルト:……ウォルフガング・ルウガルウ?

GM/ウォルフ:「……よォお、お前ら。こんな夜更けにどこに行く気だよ?」 にぃぃ、と半月のような笑みを口元に浮かべて彼は問います。 「何やらコソコソ動き回ってるみてェじゃねェか?あァ?」

トリーシャ:ん、まぁ……用事があってね〜?蛮族が動いてるかも、って言うのは言ったでしょ?

GM/ウォルフ:「おォ、聞いた聞いた大したもんだ、ドルデアでの活躍もォ、グレンフォードの野郎の一件もォ!!」

遠くのシルフィ:……あれ?グレンフォードさんの件って……。

トリーシャ:……馬脚を現す……じゃないわね。これは故意のネタばらし?私達、グレンフォードさんの一件は貴方に話してないわよ? 腰を落として構える。ロイド、この人……。

ロイド:……アルト、少し下がれ。

アルト:……心得た。

GM/ウォルフ:その様子を見て、更に笑みを深めます。 「おォ、いけねェいけねェ……勘付かれちまったかなァ」

ロイド:自分からバラしておいてよく言うぜ。つまり、アレか。お前と……多分リゼリアも、蛮族サイドって事だな?

GM/ウォルフ:「はっ。お上手お上手、よく出来ましたってかァ。バレちゃ仕方無ェよなァ、口封じが必要だ、口封じが」

ロイド:……お前が大人しくしていれば、俺達はお前らの正体について知ることは出来なかった。疑いは持っただろうが、そこまでだ。……ウォルフガング、お前まさか……俺達と戦うために、わざとネタばらしをしたな?『知られたから消すために戦った』と後で言い訳をする為に、だ。

GM/ウォルフ:「さてなァ?だが、これでも我慢したんだぜ?あまり仕掛けが早すぎると要らん騒ぎになって、リゼリアの奴がキレやがる。だが、このタイミングならリゼリアの動きに合わせたとかの言い訳も、まぁ一応は立つしなァ」

ロイド:……クソッ!本命はやっぱり、広場の方かよ!!向こうにゃリゼリアが向かってるんだな!?

遠くのシルフィ:ギャー、やっぱこっちですか!!?

遠くのネリネ:…どうなりますかね。

GM/ウォルフ:「その通りだ。けどよォ、小僧。……お前、そっちに気ィ取られてて良いのか?」 と、ウォルフは腕に付けたブレスレットの中から大斧を抜き出します。マジックアイテム、収納ブレスレットですね。 「……こんなにも月が綺麗な夜だ。あっさり殺しちまうかもしれねェぞ」

ロイド:……GM、こいつ冒険者データか?それともモンスターデータか?後者ならアルト、魔物知識判定を頼みたいんだが……。

GM:両方です。

アルト:……は?

GM:ミスト・キャッスルに出ていたNPC、ムギドと同系統ですね。……レッサーヴァンパイア化した人族であり……元の冒険者技能がベースになっているタイプです。

ロイド:……うげ!?

GM:レッサーヴァンパイアについては前話で判定成功してますし、要りません。彼は通常の冒険者技能に加えて、レッサーヴァンパイアの特殊能力を持っているものとします。魔法も3種ちゃんと使えます。強化版レッサーヴァンパイア、と考えて貰って良いでしょうね。

遠くのイクス:うわ、それ半端無くないっすか!!?

GM:ただし、思い出して下さい。この街には未だ、守りの剣の加護があるのですよ。一時的に穢れを抑えるようなマジックアイテムもありますが、それでも彼は本調子ではありません。具体的には頭痛が酷く、身体も重く。命中・回避・魔力に−3のペナルティがかかっています。―――ただし、それでも十二分に強烈な能力値ですが。

トリーシャ:GMが手加減を止めたようです。(一同爆笑)

GM:キマイラ落とす相手ですからねぇ。ならば、と言う事で強烈な敵を出してみても大丈夫かな、と。
 

 とはいえ。
 彼は今回は様子見。
 全力じゃない今でも、PC達には荷が勝ち過ぎる相手です。
 高レベルPC作成ルールに基づき作られた高Lvファイター/エンハンサーにレッサーヴァンプ化によって魔法技能三種を高レベルで持たせた上に、再生やら視線やら色々な特殊能力が付いてる悪魔ですゆえ。
 
 3ラウンドほど暴れた所でイベント発生予定ですが、それまで彼らは生き残れますかね。

 

ロイド:……師匠単独でここを抜けて、お嬢たちの救援……は、無理か。流石に俺とアルトだけで戦えるとも思えねぇ……。

GM/ウォルフ:「分かってるじゃねェか……あんまり長く時間かけると、リゼリアからの呼び出しが先に来て、俺も向こうへ行かねェとならなくなるからな。ここは早く片付けるのが筋なんだろォが……生憎、俺ァ馬鹿でよォ?―――楽しもうや。テメェら、簡単に倒れるンじゃねぇぞ!!」

アルト:……来るぞッ!!
 

◇VSウォルフガング・ルウガルウ◇
 

GM:さて、先制判定ですが……ウォルフガングは動きません。

ロイド:……なに?

GM/ウォルフ:「10秒くれてやるよ。準備しな」 そう言って、斧を地面に突き立ててその場に仁王立ちします。

遠くのシルフィ:つまり、自動で先制成功ですか。

GM:ついでに言うと、1ラウンド目の自分の行動を破棄します。1ラウンドだけ準備時間をあげましょう。さぁ、どうします?

遠くのイクス:……舐められてますねぇ。

ロイド:……目にもの見せてやりたいが……さて。
 

▽ラウンド1▽
 

 このラウンドはPC側が補助魔法をかけるに留まります。
 ロイドは自分にセイクリッド・ウェポン。アルトは拡大プロテクションを張り、トリーシャはこれと言って補助魔法も無いので待機します。
 問題は次のラウンド。
 

▽ラウンド2▽
 

GM/ウォルフ:「―――さて、10秒経過だ。来いよ、喧嘩の時間だ。遊ぼうぜェ!!」 地面に刺した斧を引き抜いて、ウォルフは獰猛に笑います。

トリーシャ:あらあら、鼻息の荒いことで。がっついてると女の子には嫌われるわよ〜?

アルト:待て、通常武器ではレッサーヴァンパイアに傷は与えられん。ファイアウェポンをかける。行け、トリーシャ!!

トリーシャ:ありがと〜。では通常移動で踏み込んで、ガゼルフット起動。両手の剣で薙ぐわ〜。命中は19と20よ〜。好調!!

GM:む、それは流石に食らいます。ただしこちらは金属鎧ですので、クリティカル値にご注意を。

トリーシャ:(ダイスを振る)それでも左手はクリティカルしたわ〜!ダメージは26点と18点よ!!

遠くのイクス:ダイス目が走ってますな。

トリーシャ:これでどう〜!?

GM:おぉ、それは結構痛い。彼、装甲は薄いんですよね。胸元をざっくり斬られて、嬉しそうな笑みを浮かべます。

トリーシャ:……うぅ、バトルジャンキーよこの人間違いなく……。

ロイド:続けざまに突撃!自分にクリティカル・レイをAランクでかけながら、キャッツアイ使って魔力撃!!(ダイスを振る)……命中してダメージ32点!

GM/ウォルフ:「く……っ」  続けざまに攻撃を食らってよろめいたウォルフガングは、声をあげて笑い始めます。 「くくくくくくく!やる、やるねェ!!予想以上だこいつァ大したもんだ!!これまで蛮族側に名前が知られてなかったのが信じられねェな、そりゃキマイラも落ちるだろうよこりゃ!!」

ロイド:……効いてねぇのか!!?

GM/ウォルフ:「効いてるさ。いやァ、痛ェ痛ェ。……けどよォ、この程度で俺を殺せるなんてェ夢、見てンじゃねェだろうなぁ?」 では、ウォルフの手番ですね。まずリカバリィ、キャッツアイ、ビートルスキン、マッスルベアーを起動します。HP8点回復しつつ、戦闘力強化。

遠くのイクス:うげっ!?

GM:レッサーヴァンパイア化で得た魔法使い技能により大幅に増えたMP。それによる無尽蔵に近い練技……自分で作っておいてなんですが、反則級ですねコイツ。再生とリカバリィでラウンド15点回復とかもう何かと。

ロイド:くぁぁぁ、何が来る!?

GM/ウォルフ:「さァて、しっかり避けろよ?さもないと――――死んじまうぜェッッ!!」 補助動作で≪薙ぎ払い≫を宣言!眼前のトリーシャさんとロイドさんに、命中18で斧を振り回します。

ロイド:くそ、こいつ本来は何レベルだよ!?(ダイスを振る)回避失敗!!

トリーシャ:(ダイスを振る)わ、私は避けたけど……嘘、薙ぎ払いでこの命中!?

GM/ウォルフ:「おら、ブッ散れやァ!!」(ダイスを振る)ではロイドさんに、ダメージ29点です!!

ロイド:で、でかッ!?9点減少して20点ダメージ……嘘だろ、適当に放たれた範囲攻撃一発で、HPが半分以上持って行かれた!!?血の尾を引きながら思い切り吹き飛ばされるぞ俺!!

アルト:ロイド!?

ロイド:……こんにゃろ…ッ! 吹き飛ばされた先で、辛うじて立ち上がります。くそ、次は回復か!?

GM/ウォルフ:「ハッ。どうしたよ、一撃でフラついてるぜェ?」

ロイド:……っ……強い…!こいつ、これまで俺が立ち会ったどんな相手よりも強い……。

トリーシャ:或いは総合力じゃフルメリさんを上回るわよ、こいつ……!フルメンバーならまだしも、三人だけで相手取るには……余りにも!!

アルト:…くっ!ロイド、攻撃に集中しろ!回復は私が……いや、アースヒールでは間に合わんか!?

ロイド:……くっそ!イクスが居りゃあ……。
 

▽ラウンド3▽
 

トリーシャ:とにかく……守ったら負ける!!両手の剣で連続攻撃!!(ダイスを振る)……18と19だけどどう!?

GM:18は回避、19は当たります。回避力がバレましたね。

ロイド:……-3食らって、基礎回避力11かよ!?

トリーシャ:この……私だと出目8以上じゃないと当たらないわ〜!!ダメージは16点……。

GM:少しだけ削れましたね。

トリーシャ:どーゆーデタラメよ、こいつはっ!!

ロイド:ンのやろ……っ!!クリティカルレイかけて≪マルチアクション≫!!(ダイスを振る)命中は13スタートで、19ギリギリ!!ダメージは……(ダイスを振る)おし、出目9がクリティカルレイで11に変化して、クリティカル発生!!37点……くそ、全然足りねェ!こいつ沈めるには多分……!

GM:いえいえ、HPが半分近くになって来ましたよ?うん、おっかないなぁロイドさんは。幾ら弱体化してるとは言え、明らかな格上相手に火力だけなら迫ってるわけですから。

ロイド:ぐぅあ、これだけやってまだ半分以上か!?えぇい、自分にキュア・ハートでHPは15点回復……足りねぇよ、火力も回復量も何もかも!!(一同爆笑)

遠くのシルフィ:(お茶飲みながら)あ、ネリネ。なんか遠くのロイドが叫んでる気がします。(一同爆笑)

遠くのネリネ:そうですね。あ、マスター、クッキーいかがですか?(一同爆笑)

遠くのシルフィ:わーい、いっただっきまーす。(一同爆笑)

ロイド:そこ、今度会ったら殺す!3回殺す!!(爆笑)

アルト:……ぐっ、已む無し。ロイド、アースヒールだ。13点回復!

ロイド:全快した!良し、回復量の方が敵の攻撃力より高い……か!?

GM/ウォルフガング:「―――……くく………はははははは……あーっはっはっはっはっはァ!!面白ェ、面白ェなァおい!!成程成程、場慣れもしてる!おう、改めて名乗れよテメェら!!さっき酒場では聞き流してたが、ありゃ止めだ。テメェらの名前、きっちり覚えて叩き潰してやるよォ!!」

ロイド:……名乗れってか。古風な奴だな?

GM/ウォルフガング:「当然の事だろ。それとも、戦の作法も知らねェか?」

ロイド:―――デュボール王宮魔術師傍流、アークウェイン家が家臣。ロイド・クラリクロイツ。

トリーシャ:……剣士、トリーシャ・アールクラフトよ。

アルト:……操霊術師、アルト・ディオスクロイツだ。

GM/ウォルフガング:「―――覚えた。じゃ、こっちも名乗るぜェ?一度しか言わねェからよーく覚えとけ。“スカーレット・テーブル”第三位、“人鬼”のウォルフガング・ルウガルウだ!!」

アルト:……スカーレット・テーブル?

GM/ウォルフ:「あァ、気にすんな。蛮族の中にある組織の一つだ。第三位って事ァ、俺がその中で三番目に強ェって事だな。俺的にゃ一度もド正面から第二位の奴と殺り合ってねェのに三位に据えられてるのが少し納得いかねェが……いやいや、そいつァ別に良いや。三番目くらいが好きに動けて良い感じの位だしなァ」

トリーシャ:……もしかして、今回のブルデへの攻勢って、そのスカーレットテーブル主導?

GM/ウォルフ:「いや?この一件の総大将は、なんだかって言う名前の……アレだ、ドレイクの偉いさん。俺やリゼリアと、もう一人は派遣でお手伝いってトコだな。ま、ただの資金稼ぎだ。アルバイトって奴。分かるか?」

ロイド:なんとかって言ってる辺り、お前敬う気ゼロだな。(一同笑)

トリーシャ:偉いさんって、ドレイクバロン……な、わけないわよね。フェイスレスやらキマイラやら動かしてるわけだし……バイカウント?

GM:当然ですよ。バロン程度じゃ貴方達の火力の前では、下手すると速攻で殺られて終わりです。
 

・ドレイクバイカウント。子爵位を持つ優良種のドレイク。Lv12/13モンスター。人間形態で12Lv、変身後は13Lv。
・数百人規模の蛮族の軍勢を率いる蛮族のエリート。小国ならば自前の軍勢だけで滅ぼせるほどの力を持つ。
・ちなみにルールブックではなく、リプレイ付属の追加モンスター。

 

GM/ウォルフ:「まァ、俺とリゼリアの仕事はここで暴れりゃ終わりだな。戦力を半減でもさせりゃ、リテルにブルデを援護する力なんざァ残りゃしねェ。そこまでやりゃァお仕事終了。金だけ貰って、さっさと帰るさ。けどよォ……詰まらねェ仕事かと思えば、ドレイクの手勢がドルデアにかけた謀略を尽く破った奴らが居るって言うじゃァねェか。ついでにそいつらが、俺らの仕事に関するトコを嗅ぎ回ってンだ。ちょいと気になって仕掛けてみたが―――」

トリーシャ:……みたが?

GM/ウォルフ:「やるじゃねェかよ面白ェ!予想以上だぜ、滾って来やがる!!オラ、次はもっと強ェのが行くぞ?―――耐えてみな、ロイドォ!!」 リカバリィかけつつ≪魔力撃≫!武器に魔力を乗せて、大振りで叩き込みます!!命中は20!!

ロイド:(ダイスを振る)はっはっは、避けれるわけねェ!槍を盾にして受け止める!!

GM:ではダメージ、36点です!!

遠くのイクス:うげ、旦那が火力負けしてる!?

遠くのトリーシャ:火力よりも問題は……余りにも耐久力が違い過ぎるわ!!

ロイド:……ぐっ!?なんつー馬鹿力だ、こんにゃろ…!!

GM/ウォルフ:「はっはァ!どうしたよロイド!足元がフラついてるぜェ?」

ロイド:黙っとけよ吸血鬼。こちとら今必死に勝つ手段を考えてンだからよォ……!!

GM/ウォルフ:「良いねェ……その気概、俺が食うに値する!決めたぜ、事が終わりゃァ、テメェの血はしっかりこの俺が啜ってやんよ!!」

ロイド:はッ……そんなホモ臭い絵面は、お嬢辺りが妄想掻き立てられるだけだから遠慮しとくぜ。(一同笑)

遠くのシルフィ:ちょっ!?(笑)
 

▽ラウンド4▽
 

アルト:そいつが死ぬと、まぁ確かに私としては色々万々歳なのだがな。生憎、出来るなら私の手で息の根を止めたい。こんな所でくたばるなよ、ロイド!!(ダイスを振る)……アースヒール、回復量は15点!!

ロイド:一言多いんだよ根暗ァ!感謝する!!

アルト:精々敬え、阿呆がッ!!それより攻撃を続けろ!

GM/ウォルフ:「くははははッ!諦め悪ィなぁお前ら!大好きだぜそう言うのはよォ!!」

トリーシャ:……士気は高い。けど……限界はもう間近に見えて来ている……。レベルが違う、余りにも……!! ええい、補助動作で異貌を解放!!角が伸びて肌が青白く変色するわ!!

GM/ウォルフ:「ほぉ……掛け値無しに来たな?死ぬくらいなら異貌を晒して全力勝負、か」

トリーシャ:煩い!生き汚いのよ、私達はね!(ダイスを振る)……一発命中!ダメージ19点……くっ、一撃一撃が軽い……!!

GM/ウォルフ:「いや、中々どうして大したもんだぜェ?グレンフォードの奴より余程気概がありやがる」

ロイド:……グレンフォードとお前にどんな繋がりがあるってんだ?

GM/ウォルフ:「同じ血族って奴さ。俺とアイツをレッサーヴァンパイアにしたのは、同じノスフェラトゥだって事だ。まァ……もう随分前に死んだ奴の事だがよ」

ロイド:……で、その結果お前らは全然違う道を選んだ、と。

GM/ウォルフ:「まァ、必然だったと思うぜ?グレンフォードは甘ちゃんも良いところな性格してるし、理由が無ければ誰と敵対するような奴でもねェ。対する俺は、見ての通りだ。同じ道を一時期とはいえ歩んでたのが異常なんだよ、異常」

ロイド:成程、な。

GM/ウォルフ:「……ま、そりゃどうでも良いのさ。時間稼ぎの魂胆が見え見えの会話にわざわざ乗ってやってンだ。何か策は出て来たか?ん?」

ロイド:……そいつァ見てのお楽しみってなぁ!!≪マルチアクション≫!キュアハートで自身を回復しながら、一撃ブチ込む!(ダイスを振る)…14点回復して、攻撃は当たってダメージ25点……駄目だ、軽い!!

GM/ウォルフ:「いやァ……十分重いぜ?テメェの攻撃はよ。だがちょっと、相手が悪かった。それだけだ」

アルト:……ジリ貧だな。即死しない限り私とロイドで自転車操業で回復は出来るが……そうするとロイドが最大火力を出せん。相手の攻撃がクリティカルするか回復をしくじるかすれば終わるし、そうでなくとも早晩MPが切れる。

遠くのシルフィ:…うぅ、って言うかこっちに来てるリゼリアもその、スカーレットテーブルなんですよね。第何位なんでしょうか。

ロイド:……気にはなるが。

トリーシャ:じゃ、聞いてみましょ。ウォルフさん?リゼリアはそのスカーレットテーブルで第何位なのかしら?

GM/ウォルフ:「……あァ、あいつは第五位だ。ちなみにこっちで動いてる最後の一人は第十一位……ま、こっちは小物だな。ブルデ攻略軍に居るが……テメェらにゃ関係ねェか」

ロイド:ペラペラ喋るねェ?

GM/ウォルフ:「良いじゃねェか楽しいんだ語らせろよォ。こうやって面白い敵に巡り合うってなァ俺的には十分にテンション上がる事件だ!……とは言え、喋り過ぎたのも事実か。ハッ、まァそろそろ終わりにしねェと向こうも―――」 と、ウォルフガングが言いかけた所で―――南、件の広場辺りで轟音がします。同時に派手に舞い上がる炎が遠目に見えますね。

遠くのシルフィ:うきゃあああ!?なに、私達の居る辺りで何が!!?(笑)

GM/ウォルフ:「……やっべ、遊び過ぎたか。急いで行かねェと、どやされちまうか……ったく、盛り上がって来たのによォ……いや、考えようによっちゃ、これで良いのか」

トリーシャ:……見逃してくれるって事かしら?

GM/ウォルフ:「あァ、その通りだ。確かにテメェら楽しい敵だが……まだ俺と殺し合うには、ちと早ェ。まだ伸びるだろうよォ、テメェらは。……そしたらまた、存分に殺り合おうや」 補助動作で練技使用。ワイドウィングを使って翼を生やします。 「俺は行くが、邪魔ァすんなよ?心配しなくても、テメェらの仲間に手ェ出しはしねェからよ。ま、守備兵は少し削らせて貰うが」

トリーシャ:……薙ぎ払い使用可能な高火力超耐久戦士。大量の守備兵を相手にするには持って来いね…。ここで行かせれば明らかに二桁の数の守備兵が物理的に削られるけど…。

ロイド:……止められるか?

アルト:止めたところで、奴が向こうに到着するのが1,2分遅れる程度だ。私達全員の死と引き換えにな。正直言おうか?割に合わん。

ロイド:………ウォルフガング。負け犬の遠吠えだ

GM/ウォルフ:「……あン?」

ロイド:テメェは殺す。覚えておけよ、このバトルジャンキー。 中指立てて、精一杯の悪態を吐くか。

GM/ウォルフ:「……くはははっ!良いぜ、吼えな負け犬。次に俺の首に牙ァ突き立てる為にな!!」 持っていたグレートアックスを投げ捨て、別の収納ブレスレットから本命の武器である魔法の武器、ヴォージェ+1を引き出します。長さ3mばかりの長柄の大斧ですね。

ロイド:……それがテメェの本当の武器か。

GM/ウォルフ:「おォよ。次はこいつを抜かせてみな。楽しみにしてるぜ、ロイドにアルト、トリーシャよォ!!」 ……では、移動妨害をしない限り彼は南へ向かって全力移動150m/ラウンドで飛んで行きます。

ロイド:……ギリ、と音がするほど歯を噛み締めるが、動かない。

GM/ウォルフ:「それと、こいつァお節介だ。急いで南門のトコまで来な。俺らはすぐ消えるが、俺ら以外の奴が暴れ回る手筈だ。お前らの仲間がどうなっても、その場合は俺らは関知出来ねェ。急いだほうが良いぜ?」 と、それを捨て台詞に一気に移動。……すぐに見えなくなりますね。

トリーシャ:……思わず座り込みそうになるけど、剣を杖に辛うじてそれを避けます。 ……つ、疲れた。なんて威圧感よ……あいつ、レッサーヴァンパイアであると同時に……超一級の戦士よ。

ロイド:……行くぞ、師匠。アルト。

アルト:…南門か?

ロイド:ああ。あいつの言う事が本当だとして……いや、嘘を吐けるタイプじゃねェな、あんにゃろう。まぁ、放っておいたらお嬢達に危険が及ぶ可能性が高い。

遠くのネリネ:…さて、こっちは現在どうなってるんでしょう。

GM:では、シルフィさん達にシーンを移しましょうかー。
 

 さて、このキャンぺ内で一貫して色々使うための、蛮族の怪しげな組織について出せたのでGMとしては満足です。
 同時にこのPL達は勝手にNPCを持ち上げてくれるのでこう言う時は助かると言うかなんと言うか。
 トーキョーN◎VAとかの系統の癖でしょうかね。まぁ、それはともかく。
 
 ロイド達が歩く災害とでも言うべき高レベルの敵を相手に必死の戦いを繰り広げて居た頃、シルフィ達は―――
 

■大乱戦■
 

GM:さて、時間は少し前に戻りますが。その段階ではまだシルフィさん達の方で異常は感じ取れません。何も言われずに集まらされた守備兵達が、「何始まるんだろ?」「訓練って言うから、なんかあんじゃね?」「あーあ、眠ぃ」 みたいな会話をしています。

シルフィ:うーん、見に行っても何も言われないなら近くまで見に行きたいところですが。

GM:結構住人も来てますから、見に来ても不審じゃないですよ。

遠くのトリーシャ:うげ、住人来てるの!?

GM:ええ。「何始まるんだろ?」「訓練?」「守備兵何かやんの?」 みたいな感じで。

遠くのロイド:……ギャー、嫌な状況。

シルフィ:まぁ、そんな事は私達には分からない訳で……とりあえず、アンパン食べながら壁に張り付くようにして張り込んでます。びたー。(一同爆笑)

トリーシャ/メル:「びたー」 メルはそのシルフィさんに張り付くようにして張り込んでます。(一同爆笑)

遠くのアルト:おい、私らが直面していた生きるか死ぬかの緊張を返せ。(一同爆笑)

ネリネ:マスター、アンパン美味しいですか?(笑)

シルフィ:ええ、張り込みであればアンパンです。あ、ネリネ。出来れば私の事はマスターでもお嬢様でもなくヤマさんと呼んでください、刑事的に。(一同爆笑)

ネリネ:了解しました、ヤマさん。紅茶は如何ですか?(笑)

シルフィ:砂糖たっぷりでお願いしますっ!

イクス:……平和っすねぇ。

ロイド/バーン:「……いや全く」 と、バーンが苦笑を浮かべる。 「何も起こらないんじゃないか、そうも思えますね。これだけ平和だと」

GM/???:「そうね、全くそう思うわ。平和ボケ……とも取れるわね、これは」

一同:……は?

GM/リゼリア:「ばぁ」 そこには、両手を広げて笑顔を浮かべているリゼリア・ミルヒヴァイスの姿が。

一同:………うげ。

遠くのロイド:……モロに向こうから接触して来たよ。大丈夫かコレ。

シルフィ:とはいえ、この段階で私らリゼリアに疑いは持ってますが、決定的な物は無いですからね。とりあえず、驚いてましょ。 リゼリアさん、どうしたんですか!?

GM/リゼリア:「どうしたって、そんな驚くような事かな?まぁ、ちょっと見物?なんか騒ぎになってるし……私の彼氏が誘って来たのよ」 と、嘯くリゼリアの横には金属鎧を纏った中年の男性の姿が。いかにも歴戦の騎士、と言う風体ですね。

シルフィ:……えーと、ナイスミドルですね?(一同笑)

トリーシャ/メル:「おおー、年上趣味?」(一同笑)

GM/リゼリア:「ふふっ、良い趣味でしょ?ごめんなさいね、ロベルト。この人達は私の友達なの。少し話したら行くから、先に行ってて。ね?」

GM/ロベルト:で、ロベルトと呼ばれた騎士の男性はその言葉に頷きます。 「分かったよリゼリア、愛しの君よ」 と言って、広場の方へ向かいます。

シルフィ:おおー、ラブラブですね。ていうか、私はリゼリアさんはウォルフさんとそーゆー関係なのとばかり。(一同笑)

GM/リゼリア:「ちょっと、止めてよ。私、そこまで趣味は悪くないのだよ。ありゃなんてーか、野獣よ野獣。血に餓えたとかそう言う枕詞の付く」

遠くのロイド:……全面的に同意。(一同笑)

GM/リゼリア:「ところで……うーん」 リゼリアさんは値踏みするように、シルフィさんをジロジロと見て来ますね。

シルフィ:……何か?―――はっ、まさか!!? えー、見られたら顔を真っ赤にして自分の身体を抱きすくめながら半歩下がります(笑)。

GM/リゼリア:「え?」

シルフィ:…り、リゼリアさんそんな熱視線を私に向けて……まさか、そんな趣味が!?ゆ、百合百合マリ見てですね!?駄目です、私には心に決めた人が!!?(一同爆笑)

GM/リゼリア:「違うわよ!?どーなってんの貴方の頭!!?桃色!?灰色の脳細胞ならぬ、桃色の脳細胞してんじゃないの!!?」(爆笑)

ネリネ:駄目ですリゼリアさん、マスターの発想がピンク色なのは昔からずっとです。家中のメイド達の爛れた噂話とロイド様の母上の歪んだ教育のおかげで、妄想力が爆裂する超絶愉快娘になっているのです。(一同大爆笑)

遠くのロイド:母ァァァァァ!!?テメェ何してくれやがるこんにゃろう!?(爆笑)

ネリネ:怪しげな媚薬を調合しようとして失敗。離れの小屋を爆砕した挙句、ラクーンシティも真っ青な汚染エリアを作り出す湖畔の媚薬王です。ちなみにその結果として、その辺に生えてた雑草が近付く動物を捕食する吸血植物にワープ進化しまして、メイド総出で駆除致しましたのも楽しい思い出です。(一同大爆笑)

遠くのロイド:何を朗らかにバイオハザードしてるんじゃァァァァァ!!(爆笑)

GM/リゼリア:「……凄いわね」(一同爆笑)

遠くのトリーシャ:あの、敵に感心されてるんだけど、素で。(一同爆笑)

ネリネ:はい。彼女は全力で無駄な事ばかりする益体なしですが、他の追随を許さないメイドとしての技量と神官戦士としての高い能力を兼ね備えた家中の要、マスターの姉君を守る双璧の片割れです。才能と人格が激しく乖離した生きた実例かと。(一同爆笑)

アルト/バーン:「…言っちゃなんですけど、その方と家庭を築いたロイドさんの父上も相当な剛の者ですね」(一同爆笑)

GM/リゼリア:「全面的に同意するのだよ……っとと、話しこんじゃったかな。ロベルトの所に行かないと」

シルフィ:……あ、リゼリアさん。一つ聞いても良いですか?

GM/リゼリア:「……んゆ?」

シルフィ:…あの……ですね?さっきからロイド達が貴方の事探してたんです、ウォルフさんからお話聞いて。

GM/リゼリア:「……ウォルフから?」 僅かに険しい表情になり、溜息を吐きます。 「……どうせまた、余計な事言ったんでしょうね。何かその結果、聞きたい事でもある?」

シルフィ:じゃあ、顔を赤くしてもじもじします。

GM:……はい?

シルフィ:昨日……アノ日だったんですか?(一同超爆笑)

イクス:スゲェ変化球行った―――ッ!!?(大爆笑)

遠くのトリーシャ:むしろド直球、ただしデッドボールみたいな!!?(一同大爆笑)

遠くのロイド:真に受けてたァァァァァァ!!?(大爆笑)

GM/リゼリア:「はァ!?何よそれ、違うわよ!!?」 顔を赤くして叫びますね。 「って言うか何!?あいつが言ったのそれ!?」(一同笑)

シルフィ:違うんですね。じゃあ、あの時ウォルフさんが言ったのは嘘だったと。―――ではリゼリアさん、どうして貴方達は……あの時に嘘、言ったんです?

遠くのトリーシャ:あ……そか、否定するって事はあそこでウォルフガングが言ったのはデマって事になるか。

GM/リゼリア:「嘘って……」

シルフィ:……盗賊に襲われた件です。何でわざわざ貴方達は、街から30分程度の場所で野宿してたんですか?正当な手段で入れるなら、あと30分くらい歩いて街に入った方がよっぽど楽なのに。

GM/リゼリア:「――――。あー、やっぱり厳しい嘘だったかしらね」 にぃぃぃ、と笑みを浮かべます。 「ごめんね、シルフィ?騙すつもりは……あったけど、悪意はなかったのだよ」

シルフィ:いえ、良いですよー。ただ、理由とか……あるなら教えてくれません?

GM:……直球で来ますね、シルフィさん。

シルフィ:私はあんまり、腹芸とか出来るタイプじゃないですから。

GM/リゼリア:「……まぁ、ちょっと色々ね?街の出入りの検査が普段より厳しくなってるし、下手すると入れなかった……どころか、大騒ぎになった可能性もあったし、手勢を借りて一芝居……ってトコ」 言いながら、貴方達からゆっくりと距離を取り……広場の方へ向かいます。 「んーと、まぁ、出て来ないでくれると嬉しいかな?私個人としては、貴方達みたいなタイプは好きだし。―――これから少しばかり始めるから」

シルフィ:始めるって……。

GM:いつの間にか、守備兵の雑談は止まっています。

イクス:……ちょと待て、何が……。

GM:当然でしょう?守備兵達も馬鹿じゃありません。上司前にして、無駄口利くわけが無いですよ。この場に訓練と言う名目で彼らを招集したロベルト副兵団長が居る以上、ね?

イクス:それって、今回守備兵を招集した、俺らが怪しいと踏んでた……あのオッサンがそうだったのか!?

遠くのロイド:……抱き込んだな?人族の、守備兵の副団長を。

GM:微笑むリゼリアの目線の先。先程のロベルト副兵団長の元に駆け寄る姿があります。壮年の騎士……守備兵達の呟きが聞こえますね。『あ、兵団長』とかの。で、兵団長が「何を勝手に兵を動かしているか!」 などとロベルト副兵団長を咎めているのが聞こえます。

シルフィ:……リゼリアさん?

GM/リゼリア:「時刻は24時。開演時刻と相成りました」 裂けるような笑みを浮かべてリゼリアは言います、仰々しくまるで歌うように。 「さぁ――――今宵の演目は恐怖劇-グランギニョル-」 言葉と同時に胸元のペンダントを引きちぎると、姿はそのままにその肌が蒼白に変わります。ラミアの首飾り―――その魔力で姿を偽っていたのでしょう。この状態になりましたら、魔物知識判定をどうぞ。

シルフィ:(ダイスを振る)……18です。大体予想はつきますが……リャナンシー、ですね。

GM:惜しい。まぁ、その変異種です。オリジナルモンスター、『リャナンシーテイマー』とでも言うところですかね?
 

・リャナンシー。Lv11モンスター。血を吸った相手を誘惑し、事実上洗脳する能力を持つ、斥候タイプの蛮族。主にノスフェラトゥに仕える。
・攻撃力はそのレベルにしては低く、魔法も使えないが……その誘惑吸血能力は扱いようによっては非常に厄介な事になる。今回のように重要人物の篭絡とか。
・また、守りの剣の影響を受けない稀有な蛮族。
・ちなみにリャナンシー・テイマーはオリジナルモンスター。Lvは13であり、通常のリャナンシーの能力に加えて12Lvまでの妖精魔法を扱いこなす、リャナンシーの弱点である『戦闘能力の欠如』を埋めるタイプのモンスター。

 

シルフィ:……うわぁい、私知らず知らずのうちに凄まじく高レベルの蛮族に舐めた口きいてたんですねいや、てっきり普通のリャナンシーかと。思わずそれは硬直しますよ。

GM/バーン:「……まさか、こんな所にこんな……!?」 隣のバーン君も知識判定には成功しますが、それ故に動けません。その間に―――。

GM/リゼリア:「今宵の演出家は私、スカーレットテーブル第五位……“宵姫”リゼリア・ミルヒヴァイス。それでは皆々様――――無様に素敵に、踊りなさい?」 そして、リゼリアは件の守備兵団長に腕を向け、呪文を詠唱。ファイアストームwith魔法制御+範囲拡大。守備兵団長を中心に広場に盛大な炎が巻き起こり、副兵団長も巻き込まれたように見えますが……実際には副兵団長には一切の被害が及ばず、炎が収まるとそこには副兵団長の剣に胸を貫かれた兵団長の姿が。

遠くのロイド:……ファイアストームに合わせて攻撃するように言い含めてたか!?えぐい作戦を……。

遠くのアルト:と言うか、完全に操られてるな、副兵団長。

GM:少し前にブルデから戻って来たって話をしたでしょう?ここに来るまでの間に仕込みをさせて貰ってたんですよ。一日二日じゃ、ここまで洗脳する事は出来ませんしね。

遠くのアルト:……見事。そこまで綿密にやられてたか。

ネリネ:……突撃して斧を一閃します!!(ダイスを振る)命中17!!

シルフィ:ネリネ!?

ネリネ:マスター、お下がりを。彼女は……敵です。

GM/リゼリア:しかし、それくらいなら軽く回避します。 「うひゃ。……ふふ、良い割り切りね。そう言うのは必須なのだよ。シルフィみたいな優しい子が横に居るなら尚更ね」 とん、とステップを踏んで距離をとるリゼリア。そして拡大ファイアストームで守備隊長のみならず広場の前の方に居た守備兵は大打撃を食らってるところに、上空から続けざまに火球が飛んで来ます。

シルフィ:…うげっ!?

GM/リゼリア:見上げる先には、以前も見たようなキマイラが2体。その背には合わせて10人ばかりの人族が乗っています。「来た来た……まぁ、アウグスト卿の幻獣を従える手際は認めても良いかな。まぁ、個人的には嫌いだけどねあいつら」 呆れたように呟くリゼリアの目線の先では、キマイラのファイアボールで出来た守備兵の穴にバラバラと人族が降りて来たところです。

シルフィ:う、うえぇ!?

アルト/バーン:「まさか……リゼリアさん達を追い立てたと言う盗賊か!?」 と、バーンが叫ぶ!(一同笑)

GM/リゼリア:「ご名答。ま、アウグスト卿の手勢ね。私には関係無いけど。……関係ある奴は……お、来た来た」

GM/ウォルフ:「お――――っらァァァァ!!ブッ散れやァ!!」 と、同時に響く雄叫び。羽根生やして吹っ飛んできたウォルフガング・ルウガルウが更に混乱する守備兵の真っただ中に乱入。巨大な長柄戦斧を振り回し、数名を勢いのままに分割します。 「チッ、おいおいどうしたァ!!たかが先手を取られた程度で総崩れかァ!?来いよ、牙を立てな、抗いなァ!!さもねェとテメェら全員ここで死んじまうぜェ!!?」

ネリネ:……うわぁ、大惨事。えーと、私らは守備兵からは少し距離あるんですよね?

GM/リゼリア:はい、皆さんと守備兵の間は4,50mばかりの距離があります。そしてその間に立つリゼリアが、風で巻き上がる髪を鬱陶しげに抑えています。 「……あの吸血鬼、遅れてきた挙句に調子よくラリってんじゃないわよ。しかもシルフィ達には変なデマまで吐き腐って……後であいつの好きなトマトジュースに塩入れてやる、血圧上がって死ね!!」 と、毒吐いてますね。(一同爆笑)

イクス:……セコくて憎むに憎み切れないんですが、この方(笑)。

GM/リゼリア:「―――ウォルフ!仕事は終わり、後はアウグスト卿の兵隊の領分よ!!」 と、リゼリアが叫び、それに気付いたウォルフガングが斧でもう一度周囲の兵隊を薙ぎ払ってから一足飛びにこっちに来ます。

GM/ウォルフ:「チッ、もうかよ?マギテックの集中運用で名を馳せる武国レガリア……もう少し期待してたんだが、守備兵のこの脆さはなんだってんだ」

GM/リゼリア:「何重にも相手に実力を発揮させないための布石を張ったのだよ。頭潰して副長操って、更に上空から強襲の上に範囲魔法。むしろここまでやって頑強に抵抗できるほどの精鋭ぞろいなら……ブルデ侵攻なんてはなから無理でしょ」

シルフィ:……ウォルフガング……さん?

GM/ウォルフ:「おう、ロイド達の仲間の小娘か。安心しな、奴らなら多分もうすぐ来るぜ?」

GM/リゼリア:「ちょっと、ウォルフ。……何やらかしたの?」

GM/ウォルフ:「大した事じゃねェよ。遊んでやっただけさ……見込みあるぜ、あいつらはよ。それより帰るならとっとと帰るぞ、頭痛が酷くていけねぇよ、人族の街は」

ネリネ:……手傷も負ってますね。ロイド様達ですか。

GM/ウォルフ:「おうよ。まァ、これから来るであろうあいつら含めて精々頑張りな。1週間後に控えたブルデ侵攻、俺らは参加しねェが……お前らがどうするのかは、期待させて貰うぜ」

GM/リゼリア:「ああもう、ペラペラと……誰かに知られたら私らの立場が悪くなるのだよ。シルフィ達、誰にも言わないでくれると嬉しいな。アウグスト卿―――ブルデ侵攻を企んでるドレイクバイカウントね。その部下とかには特に」

ネリネ:あそこで暴れてる方々ですか?

トリーシャ/メル:「あの人達も、リゼリアちゃんが『ゆーわく』したの?」

GM/ウォルフ:「ハッ。リゼリア『ちゃん』だとよ?」

GM/リゼリア:「やかまし。あのね、私が籠絡したのはロベルトだけ。他は卿の手勢だから、好きに潰してくれても君らの良心は痛まない……って事もないか。決めつけはいけないね、ごめん」

ネリネ:いえ、まぁ敵は潰します。良心云々以前に、生存の為にも。

イクス:それより、行くなら早めに行ってくれると嬉しいっスね。そこに居られると守備兵の援護に行くにいけない。

GM/リゼリア:「おや、それは御免なさい」 リゼリア、両手を広げてウォルフガングに向き直ります。 「さ、私を抱っこする栄誉をあげるのだよ」

シルフィ:ラブの予感!?ガン見します。(一同大爆笑)

遠くのロイド:こんな状況でもさぁ、お前はよぉ……!!(笑)

GM/ウォルフ:「やかましいわボケ」 と、ウォルフは面倒そうにリゼリアを肩に担ぎますけどね。荷物のように。『こら、馬鹿違うでしょ!レディの扱い方って奴がー!!』 と、暴れるリゼリア。スカートの裾から見える下着はストライプでした。(一同大爆笑)

遠くのロイド:スゲェな、俺13Lvモンスターのパンツの柄なんて初めて知ったよ。(一同爆笑)

イクス:じゃあ、ガン見します。(一同爆笑)

ネリネ:……汚物でも見るような眼でイクスさんを見ます。(一同爆笑)

アルト/バーン:「いや貴方ら、50m先で惨劇が起こってるのにこんな事やってる場合じゃないですから!!?」(一同爆笑)

シルフィ:はっ!?(笑)

GM/ウォルフ:「じゃあな、冒険者。テメェらの活躍、少しだけ期待しておいてやるぜ。今度会うまでには殺し合い甲斐のある相手になっててくれよォ?」 と、獰猛に笑ったウォルフが練技で翼生やしながら言い―――

GM/リゼリア:「ふふ……そうね。まずはこの状況からどうするのか、期待させて貰いましょ」 と、貴方達からは尻しか見えないリゼリアが言います。(一同爆笑)

遠くのロイド:(冷淡に)おい尻、カッコつけんなよ。(一同大爆笑)

遠くのアルト:GM、お前はシリアスにしたいのかギャグにしたいのか(笑)。

GM:いや、成り行きで(笑)。ともあれ、翼を広げたウォルフはリゼリアを抱えて離脱します。何かします?

シルフィ:二重の意味で無理です、流れ的にも戦力的にも。

ネリネ:ですがこれで最大の障害は消えました。敵勢は―――

GM:そうですね。広場中央で乱戦が起きていて、キマイラが1体と蛮族側に付いた人族が10名ばかり、暴れ回っています。対する守備兵は連携を欠き、良いように蹂躙されてますね。まぁ個人の戦闘力からして、ウォルフには及ばないまでも一般の守備兵相手じゃ段違いですし。

シルフィ:あれ、キマイラって確か2体居たよーな……。

GM:ええ。上空に残っていたもう片方は目ざとく貴方達を発見したところです。

イクス:うげ。

GM/キマイラ:「ほう、貴様ら……もしやドルデアで我らの同族を殺した冒険者か?」

ネリネ:……無言で斧を構え直します。

GM/キマイラ:「許せんなぁ……餌風情が我らにそのような無礼を働くとは」「くくく……まぁ、良い餌にはなりそうだ」「あのルーンフォークはワシが食う。お前らは他を食え」 と、三つの頭が好き勝手に放言をしながらも、キマイラは貴方達を目標と定めて低空まで下りて来ます。落ちてもダメージ入らない程度に。(一同笑)

遠くのロイド:なんか学習してるぞコイツ。(一同笑)

ネリネ:メル様、来ます!!

トリーシャ/メル:「うん!行くよネリネちゃん、まずはあいつをやっつけよう!!」

GM:と、言ったところで……広場の丁度反対側の方、やや他よりも高くなってる高台に、ロイドさん達が到着します。

ロイド:お?到着したか!!

GM:高台のロイドさん達の目からは、広場で広がる大乱戦の様子がよく見えます。その向こうに居るシルフィさん達のところに降下せんとするキマイラの姿も、ね。

トリーシャ:いけない……!! 向こうに全力で走るわ!中央の乱戦は避けつつ……。

GM/ロベルト:ふふふ、しかし貴方達の前に数名の人族が立ちふさがります。ロベルト氏と……他2名、敵方に付いた人族ですね。 「…リゼリアの願いだ。この街の守備兵は殺す……」

アルト:……リゼリアの?……成程、つまりは敵か。

トリーシャ:うるさいわね!アンタらに構ってる暇なんか無いのよ!!敵ね!?敵でしょ!?斬って良いわね〜!!?(一同笑)

ロイド:ハッチャけてんなぁ、師匠。―――ま、同感だ。キマイラと人族数名が守備兵と交戦中。つまりはグレンフォードの逆バージョン、蛮族側に加担する人族ってわけだ。

GM/人族:「はっ、その通りだ。俺らは元の国じゃ犯罪者だからよ……人族側を見限ってアウグスト様に協力した方がいいのさ、立場的にな。そして適当に暴れた後に逃げて、上手くいけば……犯罪者が一気に国の重鎮だ。ボロ過ぎて笑えてくるぜ」

ロイド:OK敵だな。分かり易くていいね、こーゆー下衆は。潰して進むぞ、師匠、アルト!!

アルト:心得た。……前の戦闘での消耗もある。無理は―――いや、言っても無駄か。

ロイド:その通り!多少無理してでも突破するぞ!!

アルト:……やれやれ、貴様も何だかんだで、大分向こうが心配なようだな?
 

◇大乱戦◇
 

GM:と、言う訳で今回は平行で戦闘が進みます。魔物知識判定は―――成功ですね?では、ロベルト氏は冒険者データ。残りの二人はLv7モンスターデータで『正騎士』ランクです。また、キマイラは弱点も抜けてますね。……むぅ、厄介な。

トリーシャ:先制判定は私の18が最大ね〜。どう?

GM:軽く先手取られてます。……では、そちらの番からです。ただし今回は乱戦の推移しだいでは、敵に増援が来るかもしれませんねぇ?

イクス:味方の増援は……この状況じゃ期待するだけ酷っすか。

アルト:奇襲でボコボコだからな……そも、正騎士ランクが10人も敵に居れば、そりゃ頭潰された守備兵じゃ混乱もするわな。
 

 さて、今回のコンセプトは『キマイラでリベンジ』。
 戦力の配分はその場で考えました。パーティー分けてる場合とそうじゃない場合で大分変わりますし。
 ともあれ、今後に繋がる情報やら布石とかを色々出した今回。
 シルフィ達とキマイラは距離10m、ロイド達とロベルト達も距離10mでの戦闘開始となります。
 が―――ここでいきなり想定外。
 

▽ラウンド1▽
 

トリーシャ:……んー、ごめん。ロイド、アルト。ここは任せるわ〜!!

GM:……はい?

トリーシャ:ダッシュで戦線を離脱。シルフィ達の救援に走りますわ〜。

シルフィ:だ、大丈夫ですかそっち?敵3人ですから、アルトさんにも攻撃が行くような……。

アルト:なるほど、ドレインタッチが唸るんだな!!(一同爆笑)

イクス:駄目ですお嬢。兄貴はやる気です。(一同爆笑)

GM:む、むむむ……そう来ますか。では、2ラウンド後にシルフィさん達の所に到着するとしましょう。乱戦避けて大周りになるでしょうし。

トリーシャ:構わないわ〜。この状況で一番大事なのは、「魔法制御」が使えるバーン君よ。彼の火力を乱戦ど真ん中に叩き込んでもらえれば状況は変わる……その為にも、私は向こうに行くわ。

シルフィ:……いえ、2ラウンド後……つまり3ラウンド目に来るならいっそ、トリーシャさんは広場中央の乱戦に特攻かけてください。敵兵を抑えて貰えれば、それだけ守備兵の被害も減るかと。倒れさえしなければ、3ラウンド目にもなれば戦闘は終わってる筈です。火力的に。

トリーシャ:ん、そっちの方が良いかしら〜……じゃあ、GM。正面の三人を避けて、中央の乱戦に突入しますわ〜。

GM:ぬお……そう来たかぁ。戦場が三つに分かれますね。とりあえず、トリーシャさんトコは次ラウンドからとしましょうか。
 

 トリーシャ暴走。
 と言うか、仲間放り出して守備兵の救援を優先で考えている節があります。
 後手に回った事が許せない、と言うところでしょうか。故にこそ、救えるだけ救おうとしていると言うか。しかしロイド達だけでは厳しい相手なのですが…。
 
 ともあれ、彼女が離脱を選択した事により、ロイド・アルトのタッグは二人で三体の敵を相手取る事になります。

 

ロイド:ま、どーにかなるだろ。とりあえず、俺は通常移動で接敵。ロベルトに乱戦を宣言しつつ、キャッツアイとヒートウェポン、クリティカル・レイ使って魔力撃!!(ダイスを振る)……命中は22だけど避ける?(一同笑)

GM:それ避けたら完全にリゼリア・ウォルフより格上ですね……(笑)。ご安心を、そこまでの高さはありません。むしろ金属鎧なので回避は低めですよ。

ロイド:って、冒険者データで金属鎧って事はクリティカル値下がるんだよなぁ。(ダイスを振る)……あ、それでも回った。(一同爆笑)

GM:出目9ですよね!?(笑)

ロイド:思った以上に効くな、クリティカル・レイ。Aランクを使えば出目8以上……相手が金属鎧だから9以上か。ま、かなりの確率でクリティカルするようになった……。ダメージはなんだこりゃ。45。(一同爆笑)

GM:で、でかっ!!?(笑) ロベルト、一撃で血を吐きそうですよ!!?くっ、装甲重視の要塞キャラなのに……。

ネリネ:私と同型ですと、ロイドさんの単純火力との相性は最悪ですよ。当たらないことが第一です、ロイドさんのタイプと戦う場合。

アルト:で、こっちは自分にスペル・エンハンスだ。準備完了、来るなら来い。

GM:……なんで専業魔術師が手ぐすね引いてファイターを待ち構えてるんだろう、近接距離で。(一同笑)

シルフィ:で、ロイド達の方は一旦終わりですね。ではこっち行きますよ。ソーサラー二人相手に10m程度の距離に居るのは自殺行為だと教えて差し上げます!!(ダイスを振る)ファイアボール、指輪割って達成値20!!ついでにポイズンニードルで山羊の頭にダメージ3点食らってください!!

GM:うわぁ、賦術を攻撃魔法みたいに使ってるよこの人……あ、抵抗は失敗です。

シルフィ:よっしゃ、こんがりステーキにしてくれます!!(ダイスを振る)弱点込みで……獅子頭に22点、山羊頭に20点、竜頭に21点、胴体に17点、翼に18点!!

イクス:5倍拡大でフォース!(ダイスを振る)出目3を運命変転で11にします!更に指輪割って―――

シルフィ:あ、いえ。アルケミスト・ワークスの種族能力強化で変転した後の出目が+1されるから、それ6ゾロ扱いですよ。

GM:ギャー!!?

イクス:そ、そりゃ凄い。じゃあ指輪割らなくても俺のフォースがキマイラの抵抗を抜けたんスね!!?出目10以上で更に指輪割らないと抵抗抜けなかった俺のフォースが!!(一同爆笑)

ロイド:……お前の魔力の低さ、そろそろ致命的だな(笑)。

イクス:やかまし。よし、弱点で+2されて……(ダイスを振る)……獅子の頭にクリティカルで19点、山羊の頭に11点、竜の頭に13点、胴体に11点、翼に12点っス。……むぅ、獅子頭以外には出目悪かった。

GM:え、あの、これは想定外って言うか、何この激烈な対空砲火。(一同笑)

トリーシャ:幾らパーティーが分裂してるって言っても、キマイラにも護衛付けるべきだったわね〜?(笑)

GM:あー……キマイラ、フォースでボコボコにされてファイアボールで焼かれて、じたばた苦しそうにもがいてます。

ネリネ:今です、バーン様!!

アルト/バーン:「分かりました、削ります!とどめはお願いしますよ!!」 ではバーンも気合入れてファイアボール!(ダイスを振る)……あ、すげ。出目10、達成値20。

GM:……え。
 

 GM呆然。
 ええ、あの。
 そこまで綿密に計算はしていなかったんですが、三人全員の魔法が抵抗を突き破ってくるのは完璧に計算外でした。
 
 弱点で魔法ダメージ+2。そして魔力だけでイクスは8、バーンで10、シルフィはマナリング込みで12の固定ダメージ。
 全部抵抗を抜けたとして、固定値だけで部位毎に36点のダメージが献上される計算です。
 そしてレーティング表分まで加わった日には―――

 

アルト:えーと、獅子の頭にダメージ17、山羊の頭に14、竜の頭に18。胴体に―――

GM:ずずぅん………。

一同:……お?

GM:(魂抜けた声で)……キマイラ、地面に倒れて動かなくなります。コア部位いっぺんに全部持っていかれました、バーンのファイアボールで。

シルフィ:み、見事ですバーンさん!削るどころか落とし切りました!!(一同爆笑)

ネリネ:…不覚にも、カッコ良いとか思ってしまいました(笑)。

シルフィ:お、ネリネ。きゅんきゅんですか?(一同笑)

イクス:よし、これで俺らはフリーハンドで動けるようになったっスね!!バーンさん、このまま魔法制御を活かして乱戦にファイアボールを!味方を傷つけないような精密制御が出来るのはこの場の面々ではバーンさんだけっス。

シルフィ:低速安定4ドアセダンじゃなくて高速ブッ飛びスポーツカーなんですよ、私は!!制御下手で悪かったですね!!(一同笑)

GM:……もう二度とキマイラはあんた達の前に出さねー……良いカモじゃないですか、火力的に。(一同笑)

イクス:経験点450点あざーっす。(一同爆笑)

ネリネ:しかし、手が空きましたね……では、トリーシャさんと同じように中央の大乱戦に介入して守備兵を助けますか。

シルフィ:お願いします!メルちゃんもそれでOKですか?

GM/メル:「うん、任せてシーちゃん!メル、頑張るよ!!」
 

 ……ボス轟沈(1ラウンド、未行動)。
 高火力を多方面にバラ撒く事に優れるこのパーティー相手に、多部位単体モンスターは相性が最悪だと……学習してたつもりだったんだけどなぁ。
 残るは中央の大乱戦に、蛮族に協力している人族が数名ばかり。そしてキマイラが1体。
 
 ドレイクバイカウントのアウグスト卿は、配下に3体のキマイラを連れているとの設定だったのですが……。
 その自慢の配下、本格的なブルデ侵攻前に残り1体になってます。
 もう二度とキマイラなんて出さねぇ。何あの経験値の素。
 
 ともあれこれにて、シルフィ側がフリーハンドで行動を開始。中央の大乱戦に介入して、守備兵の被害を抑えようとし始めます。
 ただ乱入したんじゃ混乱する守備兵に敵と間違われそうなので、フルメリさんの名前とかを最大限に活用する心積もりのご様子。
 まぁ、流石に守備兵側もキマイラを撃沈する手際は見てるので、否やは無いわけですが。
 
 そしてGMのターン。

 

GM:くそう、ロイドさん達の戦闘はまだ終わってませんからね!

イクス:むしろそっちは、これからが本番って言うか。

GM:まず、ロベルトがクリエイト・ウェポンを使います。

ロイド:なんだ、こいつマギテックファイターか。

GM:あぁ、外見説明してませんでしたっけ?ミスリルプレート、グレートソード、そしてマギスフィア(大)とブラックベルト、信念の指輪。見える範囲でこんな装備ですよ。マギスフィアはそのままグレートソードに変化します。

ロイド:ミスリルプレート装備……見るだに強固だなこいつ。

アルト:大丈夫か?クリエイトウェポンでの攻撃は魔法ダメージだぞ。

ロイド:ま、どうにかするさ。

GM:で、正騎士Aはロイドさんに攻撃。正騎士Bはその横を抜けてアルトさんに接敵。攻撃します。命中17ァ!!

アルト:(ダイスを振る)回避3。(一同爆笑)

ロイド:避ける気無ぇなお前(笑)。(ダイスを振る)……む、残念。俺も食らった。

GM:ではロイドさんには13点、アルトさんには17点ダメージです!!
 
ロイド:温いな。僅か5点ダメージだ。

アルト:同感。14点削れたが、この程度では倒れてやれんな。

GM:……くそう、ロイドさんはともかくアルトさん!これは平然としていられるダメージじゃない筈ですよー!!

アルト:その言葉、次のラウンドまで続くかな?

GM:…うぐっ。
 

▽ラウンド2▽
 

GM:えー、ではキマイラの片割れをやられた敵方の人族は、乱戦の中に突っ込んできたトリーシャさん、ネリネさん、メルの前に慌てて立ち塞がります。もう一体のキマイラまでやられたら、帰りの足が無くなりますんで。

トリーシャ:キラーン。(一同笑)

シルフィ:良い事を聞きました……。(一同笑)

GM:しかし、魔法使い勢からするとキマイラまでは随分距離がありますよ。それ以前に守備兵がワラワラ居て、とてもじゃないですが敵を目視できる状況じゃありません。

シルフィ:むぅ、そうなるとバーンさんの魔法も狙いを付けられないじゃないですか。

アルト/バーン:いや、バーンは頑丈だからな。「姉さんに何かあったらタダじゃ済まさんぞコラァァァァ!!」 と、乱戦の中に特攻して行く。(一同爆笑)

GM:……うわぁ(笑)。ともあれ、メルとネリネさんの前に二人、トリーシャさんの前にも二人、正騎士データの敵が立ちふさがります。

トリーシャ:くす……同レベルとはいえただの戦士、私の相手じゃありませんわ。耐えるに限れば、ね。

ネリネ:同感です。では、まずメル様お願いします。

シルフィ/メル:「うん、分かったよネリネちゃん!えーい、こんにゃろ!!」 と、グレートソードを振りかざすメルですよ!(ダイスを振る)お、すご。命中20です!ダメージは19点!!

GM:それくらいなら、あんまり痛くないです。けど……うーん、ここで正騎士が止められると、段々守備兵も持ち直しそうで嫌だなぁ。

ロイド:なんだかんだで、過半数の敵受け持ってるからな。俺らで。

ネリネ:で、メル様と同じ乱戦エリアに介入。ビートルスキンを起動してメル様に≪かばう≫を宣言しつつ斧を一閃します。(ダイスを振る)……む、駄目です。命中13……。

GM:それなら回避!避けましたよ。

ネリネ:まぁ、良いでしょう。私達は抑えに徹します。

シルフィ:さて、では私も前に出ます。ただし、乱戦に巻き込まれないように気を付けながら。

イクス:俺は巻き込まれ覚悟で突っ込みますかねー。バーンさん一人で放置すんのもアレっスし。

GM:ふむ、では雑な処理ですが……イクスさんとバーンは次のラウンドに。シルフィさんは2ラウンド後にネリネさん達の10m後方辺りに登場すると裁定します。ただし、イクスさんとバーンは乱戦を無理に突破するために、15+2D6点の物理ダメージを食らって貰います。

イクス:うげ、でか。

シルフィ:…私は無理に行くと、最悪死にますね。(一同笑)

ロイド:…11以上で生死判定か(笑)。

イクス:大人しくゆっくり来て下さい(笑)。

トリーシャ:それが良いわね〜。じゃ、私ね?ガゼルフット使いながら目の前の二体のトコに突っ込んで、両手の剣で斬り払いますわ。……どうせ倒せはしないけど、削りって重要よ〜。(ダイスを振る)一発当たって、16点ダメージね〜。

GM:全然痛くないけど……これで拘束されたのが痛すぎますね。

トリーシャ:ふふふ、私の回避力は14スタートですわ?

GM:……当たらねぇ〜。

ロイド:で、残るは俺とアルトか。じゃあ当然、目の前のロベルトに魔力撃!!

アルト:クリエイト・ウェポンを使って来てるぞ。当たるとダメージが洒落にならんが?

ロイド:押して押すべし。そもマルチアクション使ったところで、俺の回避力だと魔力撃のぺナ無しでも格上の攻撃は避けられん。潰される前に、押し潰す。

アルト:成程、了解した。では、そちらは任せるぞ?

ロイド:応!最後のAランクカードでクリティカルレイを……(ダイスを振る)命中18!当たってダメージ45点だ!!(一同爆笑)

GM:ま、またクリティカルを……ええい、クリティカルレイ厄介すぎます!?16点の装甲を持つ重戦車がこうもベコベコに……。
 
ロイド:つか、これで倒れんか。相当だな相手も。

GM:タフネスと頑強を持った8Lvファイターですよ。キマイラと違って剣のかけらはありませんが……。

ロイド:推定HPは70オーバーか……ま、7割くらいは削ったかな。

GM:……ありえん。クリエイトウェポンしてる間に死にかけるとは…。

アルト:では、こっちも頑張るとするか。目の前の正騎士にドレインタッチ。(ダイスを振る)うむ、達成値19だが抵抗は抜いたな?ダメージ15点。その分HPを吸ったので、ほぼ全快した。(一同爆笑)

イクス:ヴァンパイアみたいな事やってますね、そっち(笑)。

アルト:うむ、なんだ、これ。楽しいな。(一同笑)

イクス:見ろよ、生き生きしてやがる……。(一同爆笑)
 

 さて、2ラウンド目のGM側の反撃ですが、思わしくありません。
 ネリネやトリーシャの前に立つのは、本来戦わせる予定の無かった正騎士達。
 攻撃より防御に比重を置いた能力を持つ彼ら、ぶっちゃけ戦闘能力の一点で見れば先の第九話でポコポコ落とされたミノタウロスの方が余程上です。
 攻撃力に欠けるため、ネリネの重装甲にロクな傷を与えられず、かばわれてるメルには攻撃が届かず。
 2発食らった段階でのネリネのHP、92/93。絶望的な壁です。
 
 一方のトリーシャは、ガゼルフットがかかってる限りピンゾロ以外は避けると言う鬼畜回避。
 対物防御と対物回避に特化したこのパーティーの前衛には彼らじゃ役不足です。
 とはいえ、ネリネ、メル、トリーシャでは火力が乏しく千日手の様相を呈していますが。
 
 一方、攻撃タイプのロイド&アルトの方はと言うと―――

 

GM:ロイドさんに、ロベルトの攻撃がターゲットサイト込みで19です!!

ロイド:あれ、ロベルト予備のマギスフィアあったんだ。

GM:……はい?

ロイド:いや、クリエイトウェポンで武器作ると、マギスフィアは魔法に使えなくなるんだぞ?

GM:――――。命中18です。(一同爆笑)

イクス:どうやら弱体化したようです。(一同笑)

GM:ううう、6Lvマギテックがぁぁぁぁぁ!!

ロイド:しかし18か、それでも厳しいが―――(ダイスを振る)あ、ピンゾロ。(一同笑)

GM:よしっ!魔法ダメージで18点です、食らえ!!正騎士の攻撃も当たったなら、更に物理で16点ですよー!更に正騎士は≪かばう≫でロベルトを援護!前回忘れてた!!(一同笑)

ロイド:おー、痛ェ痛ェ……んだけど、なんかウォルフと戦ってから危機感マヒしてきてんな。HP一桁なんだが。(一同笑)

イクス:少しは焦りましょうよ!!?(笑)

ロイド:まぁ、次のラウンドにキュアハートだわな。

GM:で、アルトさんには17命中で―――

アルト:(ダイスを振る)6ゾロ。避けた。(一同爆笑)

イクス:専業魔術師が騎士レベルの戦士の攻撃回避すんなやァァァァァァ!!?(一同大爆笑)
 

 こちらは、かなり削れている模様。
 とは言え、アルト&ロイドのタッグ、緊張感はありません。
 信頼があると言うのか、危機意識がぶっ壊れてると言うのか。
 

▽ラウンド3▽
 

 さて、このラウンドでネリネ達の戦場にイクス、バーンの二名が到着します。
 双方それなりに無理な戦場突破で手傷を負っていますが、選択した戦術は速攻。
 バーンが魔法制御を活かしてファイアボールをブチ込み、イクスは2倍拡大フォース。
 双方が抵抗をぶち抜き、特にバーンのファイアボールは片方にクリティカルで突き刺さります。
 HPがおよそ1/3にまで一気に減った正騎士にメルとネリネの攻撃が殺到。撃破には至らずとも、HPを一桁にまで追い込みました。
 
 トリーシャは飄々と剣で5点だけダメージを与えています。
 あんまり痛くありませんが、トリーシャには反撃が当たらない、GMとしては凄まじく嫌な状況。

 シルフィはあんまり痛くなさそうなルートを選んで、戦場を前進中。
 

ロイド:で、俺らか。ロベルトこのまま放っておくと、ちと面倒だな。≪かばう≫のせいで俺の攻撃は届かんし……フォースか?

シルフィ:ロイド、その、まず回復してください。貴方HP8じゃないですか。(一同爆笑)

ロイド:いや、なんか知らんが楽しくなって来てな……じゃ、≪マルチアクション≫でキュアハートかけつつ、ロベルトを殴る。すると庇ってる正騎士Aに自動命中だな。(ダイスを振る)17点回復しながら、24点ダメージ、と。

イクス:魔力撃無しでそれかぁ。やっぱり威力の桁が違うっスね、旦那は。

アルト:で、私か。……微妙に手が余ったな、今回は目の前の相手を吸わなくてもHPはほぼ満タンだし……よし、ロベルトに≪魔法収束≫スパーク!(ダイスを振る)……達成値は19だな。

GM:うげげ、抵抗失敗……。

アルト:では、ダメージ!(ダイスを振る)……出目4を運命変転、クリティカル!!

GM:ごはっ!?

アルト:更に出目10でもう一回回って、ダメージ21点だ!!

GM:え、嘘、マジですか!!?

ロイド:お?これはまさか……。

GM:……ロベルト、電撃を食らってその場に倒れ伏します。

ロイド:……となると、敵の最大火力はこれにて撃沈と。

GM:…う、嘘だー!!他はともかく、アルトさんとロイドさん二人でロベルト+正騎士二人ってかなりの死亡遊戯だった筈なのに!!?

ロイド:よーし、後は正騎士相当の敵がバラバラ居るだけだな。

アルト:攻撃力は然程でもない。ゆるりと潰そう。

GM:ぎにゃー!!?
 

 敵将ロベルト、まさかの轟沈。
 アルト・ロイド組の出目の良さに押し切られました。
 ロイドが魔力撃を2回も回すわ、アルトがスパーク回すわ……それさえ無ければかなりのピンチに追い込んでトリーシャ達が援護に慌てて駆けつけるような状況に……うう。
 反撃の正騎士の攻撃は、やはりと言うかなんと言うか決定打になり得ません。
 
 トリーシャは回避。ネリネは食らっても無傷。
 メルとロイド、アルトにはそこそこの手傷を与えますがそれだけです。
 ていうか、敵が物理オンリーになってしまった時点で、魔法少女ねるねるネリネを倒し得るビジョンが全く見えて来ません。
 が、ここで―――ウォルフ戦のGMが予想してなかった影響が発生します。

 

ロイド:ところで俺、MP残り0なんだけど。(一同大爆笑)

アルト:はぁ!?(笑) あ、対ウォルフ戦で散々魔法使ってたからか!!

ロイド:まぁ、正騎士の攻撃なら多少は耐えるが……長期戦になるとピンチかなー、みたいな?

シルフィ:みたいな?じゃありませんよ!!?(笑)

ロイド:まぁ、魔晶石もあるし3,4ラウンドは軽く耐える。その間にそっちどーにかしてくれ。

トリーシャ:ええい、アドヴェンチャーパートでは計算高い癖に、時々ズボラなんだからこいつは…。

GM:てかこれ、あのままロベルトと戦ってたら勝ってましたねこっち。

ロイド:その場合は最悪でも相討ちに持ち込む手段は考えてたがな。

シルフィ:…命捨てるの前提で作戦立てるの止めましょうよ…(笑)。
 

▽ラウンド4〜5▽
 

 さて、この辺りで既に趨勢は決しています。
 頑丈な正騎士と言えど、ロイドの魔力撃による30点オーバーダメージとか、シルフィのリープスラッシュによる魔法ダメージ17点とかを食らい続けてはもちません。
 戦場に到着しざまに放たれたシルフィのリープスラッシュで、メルとネリネの前に居た一人が撃沈。
 更にはバーンとイクスの魔法で削られたところに、珍しくネリネのアックスがクリティカル。
 もう一人も撃沈し、シルフィ達側の戦闘は終了します。
 
 トリーシャは攻撃でピンゾロを振り、もう一発も外して有効打無し。
 ここは完全に千日手です。
 
 アルトは目の前の敵を吸って平然とHPを全回復してました。鬼か。

 

アルト:1点余った。吸い過ぎたな。

ネリネ:余った分鼻血になって出てきたりしません?(一同笑)

アルト:そんな格好悪い魔法なら、禁呪指定するぞ私(笑)。
 

 殴られても平然とその分を吸い上げる魔術師。
 正直、アルトのMPと魔晶石よりも先に敵のHPが尽きそうです。
 
 反撃でまたアルトとロイドのHPをそれなりに削るも、トリーシャは絶好調で回避中。
 かすりもしねぇ。
 
 そして第五ラウンド。アルトはまた目の前の敵のHPを吸収し、ロイドは眼前の相手にマルチアクションで回復しながら槍を捻じ込みます。この方面の正騎士二体はこれにて下手を打つと一撃で沈む領域に。

 

ロイド:さて、これでMP切れ……魔晶石も無し、キャッツアイも効果は切れてるし、後はガチの殴り合いだけか。とはいえ、正騎士ならどうにでもなるがな。

アルト:そうか、私も丁度MPが切れる頃に目の前の敵を倒し終えそうだ。お互いギリギリだな?

ロイド:ハッ。違いねェ。

イクス:……楽しそうですねアンタら(笑)。

トリーシャ:絶対にギリギリの勝負を楽しんでるわね、あそこ(笑)。

シルフィ:……ある意味そういう性質だから、ウォルフガングさんに目を付けられたとも言えますけどね。と言うか、ロイドはそもそもそういうタイプですよ。慎重論を吐くときは、私や他の誰かを気遣ってるだけです。

イクス:流石、付き合い長いと分かってますな。

トリーシャ:ところで、私の目の前の敵、さっきから全然削れてないんだけど〜。手伝ってくれると嬉しいですわ。(一同笑)

シルフィ:……じゃ、私らはトリーシャさんの援護に向かいますか(笑)。

イクス:……そですな(笑)。
 

 シルフィ達はトリーシャの援護を選択。戦場の混乱も収まって来てるでしょうし、1ラウンドで問題なく到着できると裁定しました。
 敵方の反撃は、やはりロイドとアルトには直撃。そのHPをそれなりに削りますが……なんかジリ貧。

 一方この段階で蛮族サイドの目論見はほぼ成功しています。
 中央で火を噴いたりファイアボールやライトニングをぶちまけて守備兵を蹂躙していたキマイラ、撤退を選択。
 周囲の仲間を背中に乗せて、上空に離脱を開始します。
 守備兵にそれを追う余力はありません。
 

▽ラウンド6▽
 

ロイド:(ダイスを振る)…目の前の敵に魔力撃!命中は16……良いや、腕輪割って命中18!ダメージは30だ!!

アルト:魔晶石割って目の前の敵からHPを吸う。(ダイスを振る)……ダメージ16……指輪割ってダメージに+2するか。これでHPは丁度0の筈だな?

GM:うげ、落とされた!!?
 
シルフィ:これで、トリーシャさんが足止めしてた2人だけが戦場中央に取り残された計算ですね。キマイラは……逃げてってますか。ファイアボールを……いや、こちらも余力がありませんね。止めておきましょう。

トリーシャ:じゃ、目の前の相手に降伏勧告しましょ。ねぇ、貴方達見捨てられたわよ〜。キマイラも居ない以上、帰りの手段も無いでしょう?大人しく降伏しなさいな〜。

シルフィ:情報さえ吐けば、多分命は助かりますよ。多分。

GM:そう言われると、武器を捨てて降伏しちゃいます。命ばかりは御助けを〜……。

ネリネ:……しかし、守備兵の被害はどんな感じですか?

GM:んーと、最初の拡大ファイアストームとキマイラが6ラウンドに渡り好き勝手にバラ撒いたファイアボール、そして戦場に突っ込んで来て斧振り回して去って行った吸血鬼に、可能な限り暴れ回った7Lvの敵10名とありまして……この場に集まっていたおよそ100人の兵は、生存者が半数を切ると言う悲惨な状況になっています。

ロイド:……うっげぇ。

ネリネ:……大丈夫ですかね、これ。
 

■被害と彼らと決断と■
 

GM:さて、それでは―――戦闘は終了しましたが、リテルの守備隊は非常に大きな被害を被りました。

シルフィ:リテルの兵力はおよそ200……その1/4が戦場の露に消えた計算になりますね。

GM:皆さんが積極的に敵を引き受けなければ70人行った筈なんですがね。ともあれ、数もそうですが……兵団長と副兵団長が揃って死亡し、指揮系統もズタズタです。また、戦闘に参加し生き残った人の中にも、すぐには復帰できない怪我を負った人も少なくありません。

イクス:キュア要りますかねぇ。

GM:四肢とかの欠損はキュアじゃ治りませんけどねぇ。

イクス:……うわ深刻。

GM:ともあれ、これだけの大被害を受けたリテルの守備隊は事実上の機能不全に陥ります。皆さんに対して、「一時的に指揮を取ってくれないか」って話が来るくらい。

トリーシャ:…私達は隊商の護衛があるから、ブルデに行かないといけないのよね〜。

GM:いえ、それがですね。

一同:ん?

GM/商人:「護衛の依頼はここまでにしよう。今ブルデに行くのはリスクが高すぎるし、私達が持って来た品は復興物資と言う事でここで十分に捌ける。最悪、王室に請求しても良い」

ロイド:……なんと。

GM:そういうわけで、護衛の報酬はここで支払われます。一人頭4500ガメル。良かったですね?

トリーシャ:……うぅん、図らずも……行動の自由を得ちゃったわね。

ロイド:…とりあえず、アレだな。ドルデアとブルデに早馬でも出して貰わんと……このリテルの惨状は酷いぞ。

GM:幸いにして、市民に怪我はありませんでした。そもそもが戦力を削るのが目的だったようですね。

ロイド:……ブルデ侵攻の折に、援軍が来ないように……か。

GM:で、隊商から報酬を貰った後、メルとバーンは速攻で支度を整えてブルデに向かいます。

シルフィ:えぇ!?

GM/メル:「ごめんね、シーちゃん。やっぱり私達、レガリアの住人だから」

GM/バーン:「はからずも、色々知ってしまいましたしね……出来る事がある以上、ブルデに向かって守備兵に協力しようかと。腕の良い冒険者なら、引く手数多でしょうしね。今は」

イクス:……むぅ。俺らに声をかけずに自分達だけで行くと決めたのは、やっぱり気を使わせてしまってるんすかね。

GM/バーン:「貴方達は……この国を守るためにそこまでする義理は無いでしょうから」

ロイド:だろうな。そもそも俺からすりゃ国なんて、衣服みてーなもんだ。人間が季節に合わせて衣替えするように、国は時代に合わせて変わり行く。その過程で出来て消えてな。そこまでの愛着、俺はデュボールにも持ってねーし。

アルト:同感だ。遺憾だがな。

GM:ともあれ、皆さんが多少なりとも事後処理に追われてる間に、バーンとメルは出発して行きますね。

シルフィ:うーん、どうするべきでしょうか……。

GM:この段階で自由を与えたのは、貴方達に今後の動きを自身で考えて決めて欲しいからですよ。行為者の選択は全てに優越する。自分達がレガリアを揺るがしかねないこの事件に対して、何をするのか。帰るもよし、動くもよし。自分達なりに考えて、決めて下さい。

ネリネ:……私は、ブルデに行きたいです。

トリーシャ:珍しいわね……ネリネが自分の口から積極的に意見を言うなんて。

ネリネ:……見捨てられませんから。

シルフィ:……うん!グダグダ悩むのは私らしくないですね!!義を見てせざるは勇無きなり、二割三割当たり前、持ってけドロボウ私のハート!!

ロイド:適当言ってるだろ後半。(一同爆笑)

シルフィ:うん。(一同爆笑)

ロイド:お前は……まぁ、お嬢とネリネは見捨てられないってワケだな、あいつらを。

シルフィ:まぁ、そうなります。ドルデアにはフルメリさんも居ますし。

トリーシャ:そうね〜。私もそれがある以上、ブルデに行って事の結果を見届けるまでは帰れないわ〜。

アルト:……まぁ、レガリアに無くなられては困るからな。未だ、金も返していない。

イクス:旦那はどうっすか?

ロイド:………国に愛着は無ぇが、人にはある。確かに、ここまで来た以上で知らぬ存ぜぬを通すのも面白くないな。

GM:では、ブルデに向かうという方針でOKですね?

ロイド:応よ。……ウォルフガング・ルウガルウにも借りがある。奴の所属組織が一枚噛んでるってンなら、積極的に動いて潰してやるさ。

シルフィ:OKです!では、行きましょう!目的地はブルデ!!向日葵兵団、出発です!!

一同:おーっ!!
 

 さてさて、レグランス姉弟を出し続けた最大の目的はこれで果たせました。
 友人がいる以上、彼らはブルデを見捨てることは無いだろうと踏んでいたGM、大正解です。
 戦闘では目論み外しまくりでしたが、どうにかここで面目躍如できた気分。
 成り行きで向かわせるのではなく彼ら自身の意志で選択してくれた以上、積極的にモチベーションを持って動いてくれるでしょう。
 
 しかし、遂に出してしまった蛮族の組織。
 今後色々使い道は考えている敵対組織ですが、大風呂敷過ぎない事を祈ります。
 ともあれ、GMは一つ誓いました。
 
 二度とこいつらの前にキマイラは出さねー……。
 

・獲得経験点:1870+各々の1ゾロ分
・獲得報酬(パーティー合計):27000(隊商護衛)+4100(戦利品)=31100
・使用消耗品:魔晶石5点×3+知力増強の指輪×2+器用度増強の腕輪+マテリアルカードAランク×6+Bランク×8=4860
 

 最近消耗品が報酬の半額を超えるとかが無くてちょっと寂しいGM。
 それはさておき、今後に繋がる布石は上々。
 引っ越しでヒィヒィ言ってた彼らも、いつの間にやら相当強くなって来ています。
 今後に思いをはせつつも、ともあれこれにて一先ずは。
 

                  ……ミッションコンプリート!!

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