◆SW2.0キャンペーン 駆け出し冒険者のためのセプテット 第九話◆
 
◆成長報告◆

 

GM:さて、お久しぶりです。アルケミスト・ワークスも入手する人は入手できたみたいですので、今日よりキャンペーンの続きを再開しましょうか。

シルフィ:ロイドとアルトさんは、ネリネに頼まれたお使いの結果、何故か未探査の遺跡で大立ち回りしてきたんですねっ!!(一同笑)

ロイド:うん、まぁ……イクスか、最悪でも師匠が居れば大分楽だったんだろうがなぁ(笑)。

アルト:妙にボロボロになりながら食材とか香木集めて来たんだよな、私ら。

ネリネ:ありがとうございます、お二人とも。さぁ、マスター。作りますから待っててくださいね。

シルフィ:はーい! えー、尻尾があったらブルンブルン振ってそうなツラで座ってます。(一同笑)

トリーシャ:……シルフィは動物に例えると、絶対に犬ね(笑)。

イクス:『ロイドロイド!』って言いながら、凄い尻尾振ってますよね絶対。(一同笑)

ロイド:……千切れんばかりにな(笑)。

アルト:しかし、私らボロボロで帰って来たのに一言も言及せず料理に戻る辺り、この侍女も相当だな。(一同笑)

ネリネ:お二人が連れ回してしまったらしき冒険者のバーン様にはお茶をお出ししましょう。

アルト:おい、ネリネ。私らには?(笑)

ネリネ:中庭の雑草でしたら幾らでも差し上げます。(一同爆笑)

ロイド:ひでぇ!!?(爆笑)

アルト:騎士団所有の建物の中庭の雑草むしりって、何故私らがやらねばならん!!?(笑)

シルフィ:あ、はい!せっかくあちらの好意で無料で泊めて頂いてるんですから、それくらいやるのは当然ですよね!では、ネリネの料理が出来るまで頑張ってみます!!(一同爆笑)

ロイド:やめてお嬢!?絶対日射病で力尽きて、結局俺が最後までやる事になるんだから!!?(一同爆笑)

GM:フルメンバーだと改めて濃いなぁ…(笑)。

シルフィ:ネリネ、ネリネー!雑草に紛れてイモ発見しましたー!!(一同爆笑)

ロイド:誰だよ埋めたの!!?(爆笑)

GM/侍女:あ、はい。騎士団付きの侍女が恥ずかしそうに手を上げます。「……その、良い土だったもので。私実家、農家ですし……」(一同笑)

シルフィ:素晴らしい生活能力です!是非このまま続けて下さい!!(一同笑)

ロイド:……フリーダムだなぁ(笑)。

GM:そんなフリーダムの中、成長と行きましょう(笑)。今回からアルケミスト・ワークスのデータも解禁です。

ネリネ:はい、GM。一般技能欲しいです、一般技能!!(笑)

GM:ん、そうですね。一般技能についての扱いも考えてましたが、このキャンペーンにおいては・アルケミストワークス63ページの「一般技能の習得」に基づきます。最大5Lv合計10Lvまで習得可能。ただし、GMと他全員のPLの了解が得られれば。

アルト:ほう、そうなったか。

GM:無論、習得数をそれ以下にするのもアリ。その辺はアルケミストワークスに準拠します。

ロイド:…俺の場合、持ってそうな一般技能も殆ど無いし、あっても低レベルだろうからなぁ(笑)。

シルフィ:一番高いのは間違いなくネリネですよね(笑)。

ネリネ:ハウスキーパー技能を5Lvで欲しいですね、まず(笑)。

GM:そんな感じで、今回の成長ついでに一般技能の習得もやってしまってください。ロイドさんとアルトさんは前のシナリオ分、1460点の経験値を。他の皆さんは第七話分、2690点ですね。

アルト:あと、前回不参加の連中に一人1717ガメルの配分だな。それと私とロイドは八話で1720Gずつ稼いできたが、これはどーする?

シルフィ:それはアルトさん達が持っててください。そこから先の貸し借りは自由みたいな感じで。

アルト:分かった。では、配分は以上だな?

トリーシャ:ふっふー。成長するわよ〜。
 

 さて、しばしギャーギャーワーワーと成長タイム。
 新サプリやら一般技能やらも相まって、いつも以上に騒がしく時間のかかる成長です。
 その間に昼飯の弁当類の中から好きな物を真っ先にチョイスするGM。
 ちょっとした特権気分。

 そして長めの成長タイムの結果、改めてアルケミストワークス対応になった冒険者たちの雄姿をご覧ください。
 

シルフィ:はーい、シルフィリア・アークウェインです。上がった能力は残念な事に器用度。器用度か筋力と言う要らない能力値の二択でした。買物は5点の魔晶石が2つと、知力増強の指輪が2つ。

ロイド:俺から300金貸して、な。

シルフィ:うう、だって必要なんですもん。魔晶石が無い私なんて、シューとクリームの無いシュークリームですよ。(一同爆笑)

イクス:いやそれ、何も残って無いでしょう!?(笑)

シルフィ:もしくは、トトロの居ない『となりのトトロ』です。

ロイド:いや、それは隣に何が居るんだ。想像したら怖いぞ。(一同爆笑)

シルフィ:で、上がった技能はソーサラーが6に上がりました。ファイアボールが撃てるようになって、コンシール・セルフで隠れられるようになる、とまぁ……かなり便利になりましたね。

アルト:火力もまた上がったな。頼むぞ火力砲台。

シルフィ:ふふ、お任せ下さい!アークウェインの魔術師の本懐は火力!大規模戦闘に於いては砲台となって敵を薙ぎ払うのが本領ですよー!!

トリーシャ:……どこぞの魔法先生の幼女吸血鬼の語る「魔法使い」みたいなコンセプトねぇ、アークウェイン家(笑)。

シルフィ:後は新規で、アルケミストを2Lvで覚えました。6Lvまで上げるのを目標に、味方強化のバークメイルとヴォーパルウェポンを取得しました。

GM:お。早速アルケミストが。

シルフィ:MP使わないけど金かかる補助魔法のよーなものですしね。有効活用させて貰います。

ロイド:その金出したの俺だからな。覚えておけよ?(一同笑)

シルフィ:で、一般技能はノーブル(貴族)とハンター(狩人)を3Lvで取りました。

GM:3Lvと言うと、「本業ではないものの、一年以上の経験や観察がある」と言うレベルですね。

シルフィ:素人の片手間としては上出来かと。ちなみに前者は実家がそういう家なんで、教えられて。後者は地元の野山をロイド連れて駆け回って、魚とか獣を魔法で獲ってたりしてた子供時代からです。(一同笑)

トリーシャ:……体力無いくせに腕白娘なのよね〜、この子……(笑)。
 

名前:シルフィリア・アークウェイン
種族:エルフ 性別:女 年齢:20(外見15) 生まれ:魔術師
身長:163cm 体重:50kg 髪の色:紫銀
能力値ダイス:技10 体2 心14 A8 B7 C1 D4 E11 F9
最終能力値:器用度19 敏捷度18 筋力3 生命力6 知力29+1 精神力24
保有経験点:60
合計名誉点:119
保有名誉点:104
HP:24 MP:42
冒険者技能:ソーサラー6 セージ3 レンジャー1 アルケミスト2
一般技能:ノーブル3 ハンター3
戦闘特技:魔法誘導 魔法拡大/数 MP軽減/ソーサラー
習得賦術:バークメイル ヴォーパルウェポン
使い魔:カラス(命名:ビグザム)
武器:メイジスタッフ
防具:クロースアーマー
アクセサリ:とんがり帽子 薔薇のチョーカー 知力増強の指輪×2 アルケミーキット
所持カード:赤Aランク2枚 緑Aランク3枚 赤Bランク5枚 緑Bランク5枚
所持品:冒険者セット 白紙の本 羽ペン&インク 救命草×2 魔香草×5 ヒーリングポーション×2 魔晶石1点×1 魔晶石5点×2 ロバ(命名デンドロビウム)
所持金:41

 
 火力型砲台式魔術師の家系に生まれた貧弱エルフ。
 有り余る知力を武器に、戦場を蹂躙するGMの敵。火力的な意味で。
 一般技能で普通噛み合わないような二つの技能を選択したが、あんまり違和感無い腕白お嬢様。ただし体力は無い。

 

ロイド:さて、次は俺だな?ロイド・クラリクロイツ。成長は生命力だな。まだネリネには遠く及ばんが。

ネリネ:いえ、そこは私のアイデンティティですので、及ばれても困りますが(笑)。

ロイド:ちぇ。えーと、上がった技能はアルケミスト取ろうかとも思ったが……あと80点足りなくて止めた。とりあえず、プリーストを4に。アルケミーキットやカード用意する金も無いしな。

アルト:お前がクリティカルレイ(ダメージの出目を増やす賦術)覚えれば、滅茶苦茶な事になるな。

GM:ガクブルですよ、それ(笑)。

ロイド:まぁ、それもまだ先の話だな。とりあえず、侍祭レベルの神聖魔法と騎士レベルの戦闘能力を兼ね備えた優秀な神官戦士になりました、と。

GM:……おっかないなぁ。

イクス:く、いかん!このままじゃ旦那にプリースト技能でも競り負ける!?(笑)

トリーシャ:え、イクス君本業はスカウトでしょ〜?(笑)

イクス:…け、兼業?(一同笑)

ロイド:……そんな事してるから成長が遅いのだと何度言えば(笑)。で、皆お待ちかねの一般技能はバトラー(執事)が3Lv、ハンター(狩人)が2Lv、コーチマン(御者)が2Lvだな。

GM:ほうほう、その心は?

ロイド:親父がお嬢の家の執事なんで、執事業務に関してはガキの頃からずっと見てたってので3Lv。手伝った事もあるだろうしな。ハンターはお嬢の野山歩きに付き合わされた結果。コーチマンは、元々俺のライダー技能自体がお嬢の家の馬車の御者のおっちゃんに教わったもんだったからなぁ。

GM:むしろライダー技能がコーチマン技能からの派生だった、と。なるほどなるほど。

シルフィ:ロイドは御者のおじさんに気に入られて、色々教えて貰ってましたからね〜。私も隣で聞いてたんですけど、私はあんまり興味無かったんで覚えませんでした!(一同笑)

トリーシャ:むしろ「ロイド、ロイド!」って袖掴んで引っ張って、早く遊ぼう的要求をして邪魔してたに一票。(一同爆笑)

シルフィ:な、何故それをー!?(一同笑)
 

名前:ロイド・クラリクロイツ
種族:ナイトメア 性別:男 年齢:20 生まれ:神官
身長:188cm 体重:84kg 髪の色:漆黒
能力値ダイス:技6 体14 心10 A10 B7 C6 D6 E9 F7
最終能力値:器用度19+4 敏捷度13 筋力23+2 生命力21 知力20 精神力18
保有経験点:420
合計名誉点:142
保有名誉点:27
HP:39 MP:30
冒険者技能:ファイター6 ライダー1 プリースト/グレンダール4 エンハンサー1
一般技能:バトラー3 ハンター2 コーチマン2
戦闘特技:武器習熟/スピア 魔力撃 マルチアクション
習得練技:キャッツアイ
習得騎芸:攻撃指令
乗騎:レンタル取りやめ
武器:専用パイク+1
防具:専用イスカイアの魔導鎧
アクセサリ:ブラックベルト 聖印 バンダナ 器用度増強の指輪 器用度増強の腕輪 筋力増強の腕輪
予備装備:マトック ロングスピア
所持品:冒険者セット 保存食×3食 ロープ10m フック くさび10本 小型ハンマー 部族のお面
所持金:40
 
 段々とプリーストとしても優秀になってきた神官戦士。
 強烈極まりない単体火力に加え、イスカイアの魔導鎧やキャッツアイによって命中も上がって来た。
 マルチアクションを使えば鎧の効果でイクスよりも魔力が上になる事が判明。

 

イクス:さて、俺っすね。イクス、今回の成長で上がったのは精神力っす。

ロイド:おー、魔法使いらしくなってきたな。魔力並んだが。(一同笑)

イクス:うるせェ――――ッ!!?(爆笑) くそう、何で俺知力上がらないんすか!?(笑)

ネリネ:イクス様、アルケミスト・ワークスでは成長をある程度操作するアイテムも御座います。

イクス:買えるかァァァァァ!!1万ガメルそれに払うくらいなら、俺は祈りのアミュレットで回復量を増やすわァァァ!!(一同爆笑)

ロイド:……清々しいくらいにパーティー貢献思考だな(笑)。

イクス:生き残れないと成長もクソもありませんからね。このGM、ギリギリのバランス狙って来ますし。むしろ、成長操作アイテムはお嬢辺りに持ってほしいかと。お嬢の知力と精神力の強化は、すなわちパーティー火力の上昇ですし。あ、でも金借りて幸運のお守りは買いました。これでトレジャーハントと合わせて、戦利品判定に+2が付きます。

トリーシャ:ああ、それは凄く助かるわ〜。

イクス:で、今回でプリーストが5Lvに上昇。遂にキュア・ハートが飛ぶようになりました。

一同:わー!!

ネリネ:これで死にそうになっても安心ですね。

ロイド:いや、お前が死にそうになるほどダメージ食らってる時点で他は全滅してると思う。(一同爆笑)

イクス:で、一般技能はマーチャント(商人)3、クレリック(聖職者)2、リペアラー(復元師)2っす。

シルフィ:商人と復元師?

イクス:うち、冒険者の家で……まぁ、親もスカウトだったっすからね。遺跡からの発掘品で壊れてるものなんかで、価値も危険も無いような物を遊び道具にして育ちましたから、俺。で、商人は俺、生まれ表で「商売を手伝った事がある」って出てたんですよ。その関係で3Lvにしてみました。それに、発掘品とかを売りさばくのにも、全く心得が無いと買い叩かれますし。

ロイド:ていうか、神聖魔法5Lvなのに聖職者としては2Lvなんだな、お前。

イクス:儀礼のやり方とか、必要じゃなかったっスからね。ていうか、それを言うなら旦那もそうでしょ。クレリック0Lv。(一同笑)

ロイド:気にするな、どうせ神殿に就職する気もねーし(笑)。
 

名前:イクス・フォード
種族:人間 性別:男 年齢:16 生まれ:冒険者
身長:165cm 体重:50kg 髪の色:茶
能力値ダイス:技8 体7 心6 A7 B7 C6 D7 E8 F7
最終能力値:器用度15 敏捷度16+2 筋力14 生命力15 知力15 精神力16
保有経験点:860
合計名誉点:119
保有名誉点:54
HP:30 MP:31+2
冒険者技能:フェンサー1 スカウト5 プリースト/ル=ロウド5
一般技能:マーチャント3 クレリック2 リペアラー2
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法誘導 トレジャーハント
武器:ショートソード
防具:バックラー ソフトレザー
アクセサリ:幸運のお守り 専用の聖印
所持品:冒険者セット スカウト用ツール ロープ40m 小型ハンマー くさび×20 フック×2 手鏡 小型ナイフ ランタン 油×6 水袋×2 火縄壺 ベルトポーチ ヒーリングポーション×1 魔晶石5点×6
所持金:28

 遂に憧れのキュア・ハートに手が届いた斥候神官。
 平均値算出装置のような能力値は相変わらず。スカウトとしてプリーストとして、パーティーを縁の下で支える少年。
 最近の悩みは魔力不足。知力上がれ知力上がれと言いながらダイスを振っていた。

 

アルト:さて私か。アルト・ディオスクロイツ。成長は敏捷度で、ボーナスがブレイクした。……別に専業魔術師が敏捷度使う事があるかどうかは謎だが。で、技能はセージが5Lvに。

トリーシャ:Aテーブルが6、Bテーブルが5……1セッション多いとは言え、二極型は流石ね〜。

アルト:で、セージが5まで上がったお陰で自動取得の「鋭い目」を覚えた。イクスが既に「トレジャーハント」を覚えてる上に幸運のお守りを買ってるんで、要らないと言えば要らないが。

イクス:効果的には同じっすからね。戦利品判定の出目に+1、と。

アルト:だな。で、買い物は前回使った分、魔晶石を2個買った。

GM:相変わらずこのパーティーの買い物は消耗品の自転車操業ですね……。

ロイド:誰のせいだ、誰の!?(一同笑)

アルト:……まだ、レジーナに対する借金が2万あるのを忘れるなよ……。(一同爆笑)

シルフィ:ひ、ひぃ!?忘れたかった現実……当分レガリアで金稼ぎになりますね、私ら。

トリーシャ:強くなったのにお金が増えた気がしないってのも不思議ね〜(笑)。

ロイド:実際増えてねぇからな…(笑)。

アルト:で、一般技能はスカラー(学生/学者)が3、スクライブ(筆者人)が3、ライブリアン(司書)が1だ。学者の出だし、写本なんかもよくやっていただろうから、それ関連の二つの技能レベルは3。多分齧った事があるだろうと思ったライブリアンは1にした。

トリーシャ:ライブリアン……司書ね。

シルフィ:(いきなり)こぁ〜。(一同爆笑)

ネリネ:ここぁ〜。(一同笑)

ロイド:お前ら、そう言う読者を選ぶネタはやめろ!?(笑)
 

 サークル竜鳴艦の皆は東方Projectが大好きです。
 紅魔館の大図書館司書、名無しの小悪魔。GMは激烈に彼女を応援しております(宣伝)。

 

アルト:まぁ、思いのほかそれっぽい一般技能を見つけて驚いたがな。

ネリネ:私は結構、悩みましたけどね。取捨選択で。

アルト:……いやまぁ、私以降の二人は見るだに多芸だからなぁ……。(一同笑)
 

名前:アルト・ディオスクロイツ
種族:人間 性別:男 年齢:20 生まれ:学者
身長:173cm 体重:60kg 髪の色:金
能力値ダイス:技5 体7 心9 A5 B6 C5 D7 E9 F7
最終能力値:器用度10 敏捷度12 筋力13 生命力16 知力20 精神力18
保有経験点:520
合計名誉点:142
保有名誉点:127
HP:34 MP:36
冒険者技能:コンジャラー6 セージ5
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法収束 鋭い目
一般技能:スカラー3 スクライブ3 ライブリアン1
武器:メイジスタッフ
防具:ソフトレザー
アクセサリ:眼鏡
予備装備:ピック
所持品:冒険者セット 火縄壺 油×2 6人用テント 調理器具セット 食器(5人前) 魔化された樫の枝×4 可愛くない人形×2 魔晶石5点×3 部族のお面×2
所持金:425
 
 専業魔術師。そう名乗っても良いのだろうか。前回ロック・ゴーレムの鉄拳を食らっていたが。
 サブ技能も一本なので、他のメンバーに比べて成長が早いが……シルフィとの知力差がちょっと悲しいところではある。アルトも低くは無いのだけれど。
 ちなみに前回ランタンが破損したが、今度買う時は名誉点を使って頑丈なものにしようと決めているらしい。

 

ネリネ:次は私ですね。

ロイド:魔法少女ねるねるネリネ。(一同爆笑)

シルフィ:マジカルネリネちゃんスター。(一同爆笑)

トリーシャ:その称号って、名誉点で何点なのかしらね〜?(一同爆笑)

ネリネ:む、それは心惹かれますが……(笑)。魔法侍女ネリネ、上がった技能はレンジャーが3に、ファイターが6にです。能力値は使いもしない知力が上がりました。何で筋力や器用度上がらないんでしょう、私……。

GM:……もしかして一回も出てないです?成長で1と3。

ネリネ:……多分。記憶が確かなら。

ロイド:……それも凄いな。

ネリネ:その分生命力が来るとこまで来てる気もします。で、買い物は特にありません。将来的にミスリルプレートが欲しいので、積み立てです。……最も、筋力上がらないと装備出来ませんが。

GM:わーい……今以上に硬くなるのかコンチクショー。(一同笑)

ロイド:つか、積み立ても良いけどレジーナに金も返さんとならんからなぁ。

ネリネ:……そうなんですよね。まぁ、それは仕方ありません。それはそうと、お楽しみの一般技能です。ハウスキーパー(家政婦)5、コック(料理人)4、テイラー(仕立て屋)1です。

ロイド:……10Lv、見事に使い切ったな(笑)。

イクス:ハウスキーパーは当然として、コックもまぁ理解できますが、仕立て屋技能って?

ネリネ:はい、冒険にあたり、破れた服を目立たないように繕ったり、ボタン付けなどの技能も必須でしょう。流石に街で専門の職人にやって貰うに越したことは無いでしょうが、冒険者である以上、冒険先でそう言った店の世話になれるとも限りません。ですので、冒険に出る前に簡単な物で良いのでと、メイド長に教えを請うて来ました。

ロイド:……あー、俺のお袋か。(一同笑)

ネリネ:料理は専門のコックには劣りますが、厨房仕事の手伝いでそれなり以上に鍛えられておりますし、ハウスキーピングに関しては言わずもがなです。ロイド様の母上―――メイド長の厳しい訓練を潜り抜けたアークウェイン家侍女。この程度の事は当然です。(一同笑)

シルフィ:……あの、私の家っていったいどーゆーおうちなんですか?(一同笑)

アルト:現状で分かってるのは火力主義の魔術師家系であり、シルフィやトリーシャと言ったキワモノを輩出した家で、ロイドの両親が執事長とメイド長をしていると言う事か(笑)。

ロイド:ちなみに、うち両親とも近接職なんだよな。お袋は先代メイド長が引退するまでは神官もやってたんで、プリースト技能もあるが。

GM:…控え目に言いますが、武闘派な家系ですね(笑)。

ネリネ:ともあれ、アークウェイン家侍女、ネリネ。此度の成長はこのような感じです。では、トリーシャ様に場を引き継いでいた頂きましょうか。
 

名前:ネリネ
種族:ルーンフォーク 性別:女 年齢:4(外見17) 生まれ:戦士
身長:157cm 体重:49kg 髪の色:金
能力値ダイス:技9 体12 心5 A8 B3 C9 D11 E8 F2
最終能力値:器用度17+1 敏捷度13 筋力21 生命力27 知力14 精神力8
保有経験点:360
合計名誉点:119
保有名誉点:54
HP:60 MP:11+2
冒険者技能:ファイター6 エンハンサー1 レンジャー3 マギテック1
一般技能:ハウスキーパー5 コック4 テイラー1
戦闘特技:かばう 防具熟練/金属鎧 頑強
習得練技:ビートルスキン
武器:ヘビーアックス
防具:プレートアーマー タワーシールド
アクセサリ:専用ブラックベルト 器用度増強の指輪
所持品:冒険者セット 救命草 ヒーリングポーション×3 魔晶石3点×2 マギスフィア(大) 調理器具
所持金:1724
 
 ミスリル製の鎧の為の積み立てを始めた、元祖僕らのスーパーロボット兼魔法少女。
 遂に60の大台に乗ったHPは、どんな攻撃を食らっても倒れないスパロボにおける装甲フル改造のマジンガーZとかその辺りを連想させる。
 実はパーティーで一番背が小さく体重も軽い、小さな重要塞。

 

トリーシャ:はいはい、こちら現場のトリーシャで〜す。えーと、ただいま入りましたニュースです。レガリアの要塞都市ドルデアにて、街の近辺まで来ていたボガードを守備兵であるマギテックが射殺しました。街の住人に怪我はありませんでした。(一同笑)

イクス:あの、なんか寸劇始まってるんですが。(一同笑)

トリーシャ:次のニュースです。同じくドルデアにて、どう言うわけか街の内部にひょっこり姿を現したゴブリンが街の守備兵に射殺されました。

ロイド:射殺ばっかだな。

トリーシャ:ゴブリンに怪我はありませんでした。(一同大爆笑)

ロイド:守備兵、誰を射殺したッ!!?(爆笑)

トリーシャ:そんな私の成長は、器用度よ〜。これで指輪が無くてもボーナス3になったわ〜。

ロイド:軽戦士としては完璧に近いステータスだよな、師匠。

トリーシャ:ふふふ、そう言って貰えると嬉しいですわ……なんてね。で、成長は一気にスカウトを2から4に上げたわ〜。これで先制判定を手伝えるレベルの数字にはなったわね〜。

イクス:それはマジありがたいっす。先制が命の速攻型っすからね、このパーティー。

トリーシャ:で、買い物は割る専用の敏捷度増強の指輪ね〜。やっぱり先制判定用。いざって時の緊急回避にも使えるかしらね〜?

アルト:で、貴様の一般技能はどうなったんだ?正直言って、貴様なら何持ってても違和感無いんだが。たとえばフィッシャー(漁師)技能持ってて、「旅の途中二年くらい漁村に逗留したのよ〜」とか言われても、トリーシャならそう言う事もあるかで納得出来てしまう。(一同爆笑)

イクス:ああ……ねじり鉢巻き巻いてマグロ一本釣りしてるトリーシャの姐さん……違和感が何にも無ぇ……。(一同爆笑)

ネリネ:素晴らしいハマりっぷりです、トリーシャ様。まさにねじり鉢巻きでマグロを取るために生まれたと言っても過言ではないその雄姿…。(一同大爆笑)

トリーシャ:ちょっと待って何この流れ!?(笑) 私、フィッシャー技能取る流れなのコレ!?(一同笑)

アルト:大丈夫だ、トリーシャ。貴様なら……やれるッ!!(拳握って力強く)

トリーシャ:嬉しくない!そんな万感の信頼を籠めて拳握って言われても全然嬉しくないわ〜!!(一同大爆笑)

GM:はいはい、で、実際はどうなんです?(笑)

トリーシャ:ぐすん。えーと、バウンサー(用心棒)が5Lv、ブルワー(醸造家)が4Lv、パヒューマー(調香師)が1Lvよ〜。

アルト:……また想定外の組み合わせで来たな。

トリーシャ:バウンサーは、まぁ長年の経験ですわ……なんてね。商隊の護衛なんかをしながら旅をするのが常態だったから覚えたまでだけど。っていうか、一時期専門だったしね。女の一人旅なんて、物騒この上ないからね〜。で、ブルワーに関してはお酒好きが長じてなの〜。

シルフィ:…多分、実家の地下にはトリーシャさんが醸造してる酒の樽があるんでしょうね(笑)。

トリーシャ:その通りよ〜(笑)。あれを呑みに帰るのが楽しみなのよ〜。

イクス:で、パヒューマーは?

トリーシャ:ああ、それも趣味ね〜。旅先なんかだと風呂には入れず、身体を水でぬらした手拭いで拭くだけとかになるから……香水とかで誤魔化せないかなーって。女の見栄ってやつね〜。

シルフィ:あ、はい!はい!香水作ったら次からは私とネリネにも分けて下さい!私もあります、女の見栄!!(一同笑)

ロイド:……やっぱ師匠は、どの一般技能持っても違和感無かったな(笑)。

アルト:私はてっきりパヒューマーじゃなくパフォーマー(芸人)が来ると思っていたんだが。(一同笑)

トリーシャ:では、タネ無し手品をお見せしますわ〜。これからこの口の悪い操霊術師の首を刎ねます。(一同爆笑)

アルト:やめいっ!?(爆笑)
 

名前:トリーシャ・アールクラフト
種族:ナイトメア 性別:女 年齢:74(外見18) 生まれ:軽戦士
身長:160cm 体重:54kg 髪の色:銀
能力値ダイス:技12 体12 心6 A5 B12 C6 D1 E9 F6
最終能力値:器用度18+1 敏捷度27+1 筋力21+2 生命力13 知力15 精神力12
保有経験点:360
合計名誉点:119
保有名誉点:54
HP:31+2 MP:15
冒険者技能:フェンサー6 スカウト4 エンハンサー1 フェアリーティマー1 バード1
一般技能:バウンサー5 ブルワー4 パヒューマー1
戦闘特技:両手利き 武器習熟/ソード 二刀流
習得練技:ガゼルフット
習得呪歌:レジスタンス
武器:ディフェンダー×2
防具:ソフトレザー
アクセサリ:専用ブラックベルト 筋力向上の腕輪 器用度向上の指輪 敏捷度増強の指輪 妖精使いの宝石×2 ブランドものの帽子
所持品:冒険者セット スカウト用ツール リュート(バード用楽器)
所持金:1372
 
 策謀立ち回り型軽戦士。シティアドベンチャーなどで野放しにすると一番危険な人。
 速度に優れる剣士であり、その回避力はGMが泣いちゃうくらい凄まじい。
 スカウト技能を上げたおかげで、先制能力も高まって来た。単独行動に一番向いてるかもしれない人。ますますGM的に脅威なのかも知れない……。
 

◆依頼でござる◆
 

GM:さて、では前回のロイドさんとアルトさんの一件から二日。皆さんは遂に拘留期間が終わり、解放される事になりました。

ネリネ:仲良くなった騎士団仕えの侍女達と別れの挨拶をしています(笑)。

ロイド:そーいや、バーンに代理押しつけたって言う、恋人の機嫌取りに奔走してた奴はどーなったんだ?(一同笑)

GM:無事に破局を迎えたそうです。(一同爆笑)

イクス:それ無事!?(笑)

GM:結局それが原因で落ち込んで家から出て来なくなった彼の代わりに、この二日バーン君が屋敷の前に立ってました。(一同笑)

ネリネ:ただ立たせておくのもなんですので、日に何度かお茶とサンドイッチを差し入れましょう。チェックアウト前にも差し入れます。

GM/バーン:「あ、どうも……毎回すいません」

ネリネ:お気遣いなく。ロイド様やアルト様がお世話になったようですし、それに比べればこの程度手間ではありません。

ロイド:で、横からサンドウィッチを掻っ攫う。(一同笑)

シルフィ:あ、こら!駄目ですロイド!ほら、ロイドの分は私が作って来たんですよー!!

ロイド:なぁ、お嬢?なんでそのサンドイッチからは鳥のモモ肉が骨ごと突っ込んであるんだ?(一同爆笑)

シルフィ:ロイド、鳥もも肉の炙り焼きが好きでしたから入れてみました!!(一同爆笑)

ロイド:スライスして入れろ、はみ出しまくってるわ!!?(爆笑)

トリーシャ:退去前に、騎士団の従者の人がこっそりワインを一本くれたわ〜。うーん、デリシャス。(一同笑)

アルト:……なんで私ら、荷物纏めてチェックアウトの筈が、建物の前で騒いでるんだ?(笑)

イクス:……今日の予定はピクニックだったんすね。初めて知りました。

アルト:違うな。ピクニックと言うのはもう少し真面目にする物だ。(一同爆笑)

ネリネ:水筒に飲み物も用意して参りました。

ロイド:何用意したんだ、杏仁豆腐か。(一同爆笑)

ネリネ:失礼ですがロイド様、私が水筒に杏仁豆腐を入れるとでも思ったのですか?(笑)

ロイド:……うん、やりかねんと。(一同笑)

ネリネ:失礼な。この飲み物は普通の水です。ナントカ還元水。

アルト:ああ、なるほ……ん!?(一同爆笑)

ロイド:待て、それは何を還元した!!?(一同爆笑)

ネリネ:アークウェイン家侍女教育課特製の隠し味入りです。

ロイド:お袋なに教えてんだァァァァァ!!(一同爆笑)

イクス:アンタの身内の教育成果かこれ!!?(爆笑)

アルト:すまんがネリネ、普通の水で頼む!!(笑)

ネリネ:了解しました、こちらをどうぞ。(抑揚無く)べ、別にアンタの為じゃないんだからね。(一同爆笑)

アルト:今度はなんだ!!?(爆笑)

ネリネ:アークウェイン家侍女教育課は常に時代の最先端を行くように教育されております。……今や時代はツンデレでしょうか。(一同大爆笑)

シルフィ:な、なるほど!ロイド、べ、別にロイドの為じゃないんですからねっ!あ、出来れば頭撫でて下さい!!(一同爆笑)

ロイド:知るかァァァァァァ!!(爆笑)
 

 閑話休題。
 

アルト:……控え目に言うと凄いな、貴様らの実家。(一同笑)

ネリネ:お褒めに預かり恐悦至極です。

イクス:うん、これを褒め言葉と受け取れるセンスが凄いっス。(一同笑)

シルフィ:というか、いつまでもここで騒いでいて大丈夫なのでしょうか。流石に騎士団の方に怒られる気も(笑)。

トリーシャ:え?私、夜勤明けの騎士達の手拍子に合わせて、ジュリアナ東京みたいに扇子振り回して踊ってるわよ〜。(一同爆笑)

イクス:うわぁぁぁ、向こうで宴会が!?(頭抱え)

GM/バーン:「……元気ですね、向こう」 と、バーン君は苦笑を浮かべています。

トリーシャ:(ダイスを振る)あ、歌唱判定は達成値13ね〜(笑)。

イクス:無駄に上手いし!?(一同笑)

トリーシャ:君の事 みっくみくにしてやんよ〜♪(一同爆笑)

イクス:チョイスそれ!?(爆笑)

ロイド:……アレは無視しよう(笑)。

トリーシャ:酷いわ〜。寂しくて死んじゃうかも〜(笑)。

ロイド:いいから歌って踊ってろよ。(一同笑)

トリーシャ:あーららぁ?ロイド、歌も楽器も出来ないからって負け惜しみ?嫌ねぇ、心の貧しい人は〜。(一同爆笑)

ロイド:カッチーン。(一同笑)

アルト:あ。(一同爆笑)

ロイド:くくく……そうまで言うなら、デュボールの子供達のお遊戯会でフック船長やったお嬢の実力を見せてやろう。(一同爆笑)

シルフィ:え、私!!?(爆笑)

イクス:……フック船長と音楽に何の関係が?(一同爆笑)

シルフィ:そりゃ確かに、デュボールのスタンリー・キューブリックと呼ばれた私ですが……。

トリーシャ:……キューブリックって映画監督よね?(一同大爆笑)

シルフィ:……分かりました!ロイドがそこまで言うならば、このシルフィリア・アークウェイン!身命を投げ出してでも全うして見せましょう!!

アルト:いや楽器弾くか歌うかするだけだろ。(一同爆笑)

シルフィ:聞こえません!ネリネ、アレを!!(笑)

ネリネ:(素で)え?アレ?

シルフィ:アレです、アレ。ほら、カモンカモン!!(手招きをしている)

ネリネ:(少し考えて)……はい、畏まりましたマスター。 えーと、これですか?(机の上に置いてあったポッキーを差し出す)(一同大爆笑)

シルフィ:これじゃないです。ポリポリ。(一同爆笑)

ネリネ:……はぁ、いえその、マスターの視線がポッキー向いてたんで。(一同爆笑)

シルフィ:誰がPLの目線の先にある食べ物を寄こせと言いましたか!!?(爆笑) でも美味しかったので許します。(一同爆笑)

ネリネ:恐縮です。

シルフィ:気仙沼より深い私の配慮に感謝してください。(一同爆笑)

ロイド:いや、それ沼の名前じゃなくね?地名じゃね?(一同爆笑)

シルフィ:……とにかく、これです!これが私のユーズフルアイテム!!カァァァァァァッスタネットォォォォォ!!! あ、GM。お金消費してカスタネット買っておきます。(一同爆笑)

アルト:やめんかっ!?(爆笑) しかも必殺技風にカスタネット叫ぶな!?(一同爆笑)

シルフィ:某軽音楽アニメ、アレを見て私は悟りました!時代は今こそカスタネットッ!!砂糖をブーストした練乳のような笑顔をゲルニカの爆撃さながらに無差別に撒き散らし、身体を軽快に揺らしながら「うん、(タン)、うん、(タン)」と……ッ!!あれぞ至高!ラーマクリシュナを悟りに至らせたのは如何な苦行よりもあの笑顔であろうと思い至った次第です!!(一同超爆笑)

ロイド:あの、な、良いからお前、落ちつけ!!?(爆笑中)

トリーシャ:どう見ても、音楽って言うか……お遊戯会レベルよねそれ!!?(一同大爆笑)

シルフィ:笑止!私はそのような境地などとうの昔に突破しました!お遊戯会レベル?いえ、今の私はそれを遥かに凌駕する学芸会レベル!リコーダーだって吹けるんですよー!!(一同大爆笑)

ネリネ:(ぷるぷる震えて笑っている)
 

 再び閑話休題。
 女性陣暴走し過ぎ。

 

GM/バーン:……え、えーとですね。そのような馬鹿騒ぎの最中、バーン君が貴方達に聞きますよ。 「僕も頼まれてた監視役代理の仕事は今日で終わりですが、皆さんはこれからどうするんですか?」

トリーシャ:ん〜、そうね〜。まぁ、暫くはマントワーズを拠点にお金稼ぎかしらね〜?

アルト:そう、だな。レジーナへの借金も返さねばなるまい。

イクス:返しちまうんスか?そうなったら兄貴がここ来る理由が無くなってレジーナさんが悲しみそーな気もするっスねぇ?(一同笑)

トリーシャ:そ〜よね〜?(笑)

イクス&トリーシャ:ねーっ。(一同笑)

アルト:待て貴様ら、何だそのコンビネーションは(笑)。……レジーナには恩義もある。奴が来いと言うならば、借金の有無に関わらず、また来るには吝かではない。

ネリネ:べ、別にレジーナの為じゃないんだからねっ!と言う事ですね、わかります。(一同爆笑)

シルフィ:素晴らしい翻訳です、ネリネ!(笑)

アルト:この辺一帯巻き込んだスパークを……いや待て私、流石にバーンや一般騎士団関係者まで巻き込むのは……!!(ぷるぷる)

GM/バーン:「あー……っと、それでですね。僕はこの仕事が終わったら、別の仕事で姉さんと一緒に南の方へ行くんですよ」

トリーシャ:あら、南って言うと……。

GM:えーとですね、デュボールは言ってしまえば谷間に作られた要塞都市国家であり、メインはマントワーズ含む5つの要塞都市なわけです。で、南に行けば対蛮族の最前線と言える大要塞都市ブルデが。その前にもドルデア、リテルと言った二つの要塞があるわけですね。

トリーシャ:ちなみにドルデアはドワーフたちの街なのよ〜。

ロイド:……ああ、さっきの射殺ニュースな。(一同爆笑)

シルフィ:……恐ろしい街です、ドルデア。(一同爆笑)

トリーシャ:いや、あれは違う!冗談だから!!?(笑)

GM/バーン:「まぁ、故郷のドルデアに寄るついでに、その先のブルデまでです。商隊の護衛なんですが、ブルデは蛮族の領地に近い最前線。危険も多いけど商隊からすれば実入りも多い場所のようで」

トリーシャ:ふむふむ―――って、ドルデアが故郷?ひょっとしてバーン君、ドワーフ……いえ、ドワーフと人間のハーフかしら〜。

GM/バーン:「……まぁ、そんなところです」

トリーシャ:……ふ〜ん?まぁ、それで良いわ〜。で、それを私達に話す理由は世間話……じゃ、ないわよね〜?

GM/バーン:「ええ。先にも言ったように、ブルデまで向かうのには危険が多い。蛮族も、人族の運ぶ品々の流通を破壊する事も考えるでしょう。事実、これまで商隊や軍の補給部隊が蛮族に組織立って襲われる事も何度もありました。なので―――」

トリーシャ:お誘いね〜?仕事として、商隊の護衛はどうか……って。

GM/バーン:「はい。報酬に関しても、皆さんの腕なら高く雇って貰えると思いますよ」

アルト:……嬉しい申し出ではあるな。これから一から仕事を探すより、確実だ。

トリーシャ:そうね〜。シルフィ、パーティーリーダーとしてどうかしら〜?

シルフィ:あ、トリーシャさん。あのですね、私、追加で一般技能「カスタネッター(カスタネット奏者)」と「リコーダリスト(リコーダー奏者)」を取ろうと思うんで許可くれますか?全員の許可貰って説得力があるとされれば、一般技能はその場で取得できるそうなんで。アルケミストワークス曰く。(一同爆笑)

トリーシャ:カスタネットとリコーダー限定じゃない、その二つ!?(笑) ミュージシャン(音楽家)じゃ駄目なの〜?!(笑)

シルフィ:いえその、カスタネット叩いてリコーダーで「かっこう」とか吹いて得た技能を「ミュージシャン」に分類してしまうと、世のミュージシャン全てに謝らねばならない気がしまして。(一同爆笑)

イクス:いやまぁ、確かにそうっすが(笑)。

シルフィ:それに、カスタネッター技能は煮込んだ練乳のようなハニーフェイスを振りまきながら演奏する事も技能の内です。これはミュージシャンには出来ますまい!!(一同爆笑)

トリーシャ:……うん、貴方の人生だから好きに生きると良いわ〜。(一同爆笑)

ロイド:匙投げただけだろそれ!?(爆笑)

シルフィ:じゃあ後で改めて全員に許可取って一般技能として登録するとして、そうですね。私としては、折角の御縁で誘っていただけたんですし、ご一緒しようかと思います。

イクス:じゃ、決定っスね。出発はいつっスか?

GM/バーン:「明日の朝になりますね」

トリーシャ:じゃあ、ちょっと急がないとね〜。件の商隊について、冒険者の店や盗賊ギルドで聞いて回って、評判を確かめておくわ〜。

イクス:唐突に真面目に動き始めますね……。

トリーシャ:バーン君は信用できそうだけど、商隊がバーン君を騙してるって線も、万に一つでもあるかも知れないからね〜。嫌な可能性から潰してまわれば、残るのは素晴らしい未来ですわ。……なんてね。

ネリネ:…要するに用心深いんですよね。

ロイド:だな。
 

 この後、トリーシャが一応調べましたが、件の商隊に怪しいところは見つかりませんでした。
 並行してシルフィとネリネとロイドが商隊の方に挨拶に行きますが、これまた変わったところは見つからず、普通の商隊だとの結論に。
 
 7話が7話だったせいで、結構疑い深くなってきたPC達でした。
 

◆姉+幼女=新ジャンル?◆
 

GM:さて、では翌日。マントワーズ前に20台ほどの馬車が並んでいます。件の商隊ですね。皆さん、バーン君と姉、それ以外にも10名ほどの護衛の姿が見えます。

ロイド:結構な規模だなぁ。

GM:商売と言うのはね、纏めて運んだほうが対コスト効果は良いのですよ。危険の多いルートなら尚更ね。

シルフィ:そう言えば、バーンさんのお姉さんってどんな人なんでしょ。

GM:ああ、はい。バーンさんの横にちょこんと、紅の髪を三つ編みにしたドワーフの女の子が立っています。

トリーシャ:あら〜……まさかとは思ってたけど、お姉さんはドワーフなのね〜。

GM/メル:「あ、はじめまして!バーンから聞いてるよ〜。メルはメリッサって言うの。よろしくね〜!!」 と、ブリガンティを着込んだドワーフの少女、メリッサさんのご挨拶です。

仮面ロイド:マスク・ザ・斎藤・クラリクロイツだ。(一同爆笑)

仮面ネリネ:マスク・ザ・斎藤・マジカルスターです。(一同大爆笑)

トリーシャ:マジカルスター!!?(爆笑)

イクス:増えてる、なんか増えてる!!

アルト:…ああ、さっきカップラーメンとコーヒーのお湯沸かしてる休憩中に、あのお面を欲しがられてな……渡したんだが。(一同笑)

シルフィ:おおー……なんかカッコ良いかも。(一同笑)

仮面ロイド:はりゃほれうまう〜。(一同笑)

GM/メル:「んーと……マスク・ザ・斎藤……さん?」(一同笑)

イクス:信じてる!信じかけてるよ、この子!?(爆笑)

シルフィ:やめましょう、ロイド、ネリネ!!信じられたらちょっと教育に悪いです!!(一同笑)
 

 で、とりあえず互いに普通に一通り自己紹介。
 

GM/メル:「えーと、シルフィちゃんかぁ。シーちゃんで良い?」

シルフィ:きゅーん。あだ名で呼ばれるのってちょっと新鮮。じゃあじゃあ、メルちゃんって呼んで良いです!?(笑)

GM/メル:「うん、良いよー!!」

シルフィ:きゃー可愛いー!!ねぇ、メルちゃんメルちゃん!旅の途中、一緒にデンドロビウムに乗りましょう!!

GM/メル:「うん、一瞬『なにそのモビルアーマー』って思ったけど、そう言えばロバの名前だったね!!」(一同爆笑)

シルフィ:うふふ、そういうメタな話はしないお約束ですよー!!(一同笑)

イクス:……元気だなぁ。(一同笑)

ロイド:…まぁ、楽しそうでなによりだが(笑)。

アルト:ところで、報酬についての話がまだ出てなかったが。あと、私ら以外の護衛の腕前とかどんな感じなんだ?

GM:あ、はい。貴方達とレグランス姉弟が頭一つ抜けてる感じで、残りは4Lvくらいが主ですね。まぁ、それでも腕利きですよ。データ見て下さい、『腕利きの傭兵』とか5Lvなんですよ。

ロイド:(遠い目をして)……何かあったら矢面に立つのは俺らか……。

ネリネ:もっとレベルの高い人は雇えなかったのですか、7とか8の。

GM:そこまで行くとベテラン冒険者になってしまって、またお金が馬鹿にならないんですよねぇ。あ、ちなみに皆さんの報酬は、最終目的地のブルデまで到着した時に一人頭5000ガメルになります。

ロイド:……最終目的地まで、ねぇ。今シナリオ中に着くのはありえんな。(一同笑)

GM:そんな、先読みしないでくださいよ!?(笑) だいたい片道三日くらいですよ!?

ロイド:誰だよ、たかだか引っ越しで足掛け4シナリオまで跨がせたの!?(一同爆笑)

アルト:…自業自得だな(笑)。ああ、前払いはあるか?

GM:そうですね、では一人500G支給しましょう。あ、保存食は自前ですよ。

トリーシャ:セコいわね〜……。

GM:あ、そうそう。ネリネさん、前話でアルトさん達が命がけで入手してきた材料のおかげで、「美味しい保存食」を10食分入手しておいてください(笑)。

シルフィ:あ、ごめんなさい。もう2食分ほど食べちゃいました。(一同大爆笑)

ロイド:おぉぉぉぉい!!?(爆笑)

シルフィ:や、だって、美味しくて!?鹿肉の臭みが香木で消えて、香辛料のピリリ感がシャッキリポンと舌で踊る……っ!!あぁ、思い出したら涎が!!(一同爆笑)

アルト:おい、ロイド!自分のトコの主人くらいしっかり抑えておけ!!(爆笑)

ロイド:お嬢、お前食った分金払えよ!俺らの血と涙と魔晶石の結晶なんだからな!!?(一同爆笑)

トリーシャ:(計算中)……えーと、3*6で18日分ね。折角だから1週間のお徳用を3つ買って、150ガメルと……これは全額シルフィの報酬から引きましょうか〜。

シルフィ:ほわ――――ッ!!?(一同爆笑)
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:では、一通り買い物なんかが終われば、隊商の馬車はてこてこと歩き始めます。

ロイド:ふーむ。まぁ、いざって時にすぐに動けるように、徒歩で隊列の真ん中くらい歩いてる。敵がどこから来るか分からんし。

アルト:時々お前のライダー技能が何のためにあるのか疑問になってくるな。(一同笑)

ロイド:……レベル5まで上げれば使えるレベルになるんだろうけど、現状では機動力上がる代わりに打撃力が落ちる上、馬すぐ死ぬレベルだしなぁ……。(一同笑)

トリーシャ:大丈夫よー、私、馬と同じくらい移動速度あるから、いざって時は走り回ってカバーに行けるわー。(一同笑)

ロイド:おかしい機動力だよな師匠(笑)。

イクス:んじゃ俺、適度に警戒しながら歩いてます。

シルフィ:メルちゃんと一緒にデンドロビウムの背に跨って、キャッキャウフフと雑談に華を咲かせています。(一同爆笑)

イクス:おぜうさま、ぶっちゃけ働いてください。(一同笑)

ロイド:いや、変な行動されるよりマシだから遊ばせとけ。(一同笑)

アルト:貴様ら、楽しそうだな(笑)。

GM/バーン:「まぁ、姉さんも楽しそうで何よりですが」(笑)

ロイド:あそこ二人だけ、女学校かなんかの昼休みの雰囲気だよな……。(一同笑)

シルフィ:でねでね、デュボールの実家の近くにあるケーキ屋さんがまた美味しくて…!!(笑)

GM/メル:「わぁ、いいなぁ……この仕事が終わったらレガリアにも行きたいかも。食べるの大好きー!!」(一同笑)

トリーシャ:もう、二人ともはしゃぎ過ぎよ?私はそんな二人を見ながら、バード技能持ちっぽく昔の詩人の遺した詩集でも読んでるわ〜。

ロイド:……詩集?

トリーシャ:書き出しは『幼女好きのみなさん、こんにちわ』。(一同大爆笑)

ロイド:捨てて埋めて燃えて消えろ、そんな詩集!?(爆笑)

GM/バーン:「……どんな詩集ですかそれ」

トリーシャ:あら〜?興味あるのかしら〜……まぁ、お姉さんがドワーフと言うロリ体型種族だものねぇ?(笑)

GM/バーン:「違いますッ!!」 顔を真っ赤にして否定しますよ!?(笑)

トリーシャ:あらあら、それは残念。読みたくなったらいつでも声をかけて下さいまし? くすくす笑って、詩集『西部開拓期に於ける勝負下着と人間性の考察』を読みに戻りますわ〜。(一同爆笑)

ロイド:……ああ、まぁ、なんだ。バーン、師匠を正面から相手にしても無駄だ。話が通じないのを前提に話せ。(一同爆笑)

アルト:凄まじい前提だな(笑)。

ネリネ:と言うか皆様、ぶっちゃけ周囲の護衛や隊商の皆さんから、『大丈夫かこいつら』みたいな視線がハンパ無い気がします。(一同笑)

ロイド:はっはっは、その程度で怯むほど常識的な感覚は、お嬢の幼馴染を20年やっててとっくに無くなった。(一同笑)

シルフィ:ふふふ、ロイド。もっと褒め称えてくれても構いませんよー!!(笑)

GM:……平和だなぁ(笑)。では、そんな感じでわいのわいのしながら進んでますとね。

ロイド:お、なんだ。何かあるのか?

GM:はい。では、ここらで危険感知判定をして貰いましょうかー。

ロイド:(ダイスを振る)出目3。(一同笑)

ネリネ:ふ、ピンゾロです。(一同笑)

アルト:遊んでる場合かお前ら(笑)。

シルフィ:あれま、意外にもレンジャー1の私が最大値ですか。16です!

GM:十分です!では、上空から接近する怪しい影に気付きます!!

シルフィ:みんな、上!! 言いながら、デンドロビウムから飛び降ります!!

ロイド:上?どうしたお嬢、ワタアメ型の雲でも浮いてたか。(一同笑)

シルフィ:違う、なんか来てるんですよー!!(爆笑)

GM:はい、ではシルフィさんの声に応じるように、隊商や護衛のみんなも「どうしたどうした」と上空を見ます。そこに居るのは―――

ロイド:居るのは?

GM:二匹の大きな翼を広げた、爬虫類のような姿!!さぁ、魔物知識判定をどうぞー!!

シルフィ:(ダイスを振る)……あ、あれはワイバーンですっ!!

ロイド:なにぃ!?
 

・ワイバーン。7レベル幻獣系モンスター。亜竜だが、知能は低く動物的。
・ブレスを吐いたり尻尾で範囲を薙ぎ払ったりと、なかなかアグレッシブなモンスター。普通に強い。しかも飛んでるので近接攻撃が当たりにくい。

 

GM:ちなみにシルフィさんの達成値は……17?うん、それなら少し違和感を覚えますね。確かにこの辺の西にあるルデア山脈はドラゴン系モンスターの多い場所ですが、わざわざ二匹。恐らくつがいでこんな場所まで飛んでくるほど、獲物の無い場所じゃ無かった筈です。

シルフィ:う、う〜ん?

GM:ついでに、見上げたワイバーンの片方は結構な手傷を負っているように見えますね。どんな傷かまでは、ゆっくり見ないと分からないでしょうが。

ロイド:推定、こいつらはもしかして、何かに住処を追われたのか?

GM:さてね。ともあれ、ワイバーン二匹はシギャーと声をあげて隊商に襲いかかろうとします。丁度良い感じに、美味しそうな馬とかロバも居ますしねぇ?

シルフィ:はっ!?か、隠れてデンドロビウム!!メガビーム砲も大型ビームサーベルも、コンテナミサイルも無い貴方ではひとたまりもありませんっ!!(一同笑)

ロイド:そのどれか一つでもあれば、この世界なら天下取れる気がするな(笑)。

GM:ちなみに、どちらか片方はバーン君とメル含む他の護衛達が引き受けてくれます。どっち押しつけます?

ロイド:まぁ、怪我してる方を押し付けるぞ。強い方を押しつけて死人でも出たら色々面倒だ。

GM:ふふふ、それでは戦闘ですよー。
 

◇VSワイバーン◇
 

GM:さて、距離は20m。先制値は分かりますね?

シルフィ:16ー……うーん、弱点抜いてデータも見放題なんですけど、これぶっちゃけヤバいですね。とりあえず私、5mほど下がりたいです。ブレスの射程的な意味で。

ロイド:と言うか、手数の多い多部位モンスターに近接されたら後衛が終わるな、色々と。

ネリネ:とは言え、私やロイド様では1ラウンドで接近しようと思えば全力移動になります。

トリーシャ:仕方ないわ〜。1ラウンド目は私と、頑丈なネリネで抑える。ロイドは2ラウンド目から乱戦参入。イクス君、私は駄目だったけど先制で16出せる?

イクス:確実に。(ダイスを振る)……ん、ラックで振り直して17です。先制取りました!!

GM:くくく、来るが良い人間どもー!!
 

 とは言え。
 これは先に潜むイベントの為の前哨戦です。
 まぁ、それでも結構強めのモンスターを投入してみましたが。
 さてさて、6Lvになった上に、アルケミストワークスの種族能力強化を取り込んだ彼らはどれくらい強くなったのでしょうか。
 ……あ、イクスだけまだ5Lvだったっけ。
 

▽ラウンド1▽
 

イクス:まず定石に従いますか。行動開始前、全員が固まってるうちに、フィールドプロテクションかけます。俺以外全員、ダメージ減少1点付けといてください。

アルト:追加で全員にプロテクションだ。これで大体全員、ダメージ減少が2点付いたな。

シルフィ:んー……怖いけど、一発ならダメージ最大値でも耐える!!ここは3m後退して、新魔法!ファイアボールをブチ込みます!!まぁ、バーンさんほど制御得意じゃないんで、仲間が接敵したら使えませんけど。(ダイスを振る)んー、魔法達成値17です。

GM:エグいな相変わらず……。ワイバーン精神抵抗が低いので、直撃食らいます!!

シルフィ:やたっ♪ではダメージ、(ダイスをざらざら)胴体に16点、翼Aに14点、翼Bに12点、尻尾に15点……うう、出目悪い。

GM:十分酷いわっ!!?くぅぅ、この火力砲台め……。

シルフィ:さて、初手は撃ちました。次のラウンドからはスーパーエネボタイムですね。まだあと合計8発までなら、素のMPでバラまけます。2ラウンドは火力をバラ撒き続けられるって事ですね!!

GM:鬼がいる……。

トリーシャ:じゃあ、弱った所でガゼルフットを起動しながら突撃よー。20mなんて、私の足なら通常移動で十分ねー(笑)。

ネリネ:多部位モンスターなのでトリーシャさん一人では相手の部位四つを受け持ち切れず突破されますので、私も全力移動で追走します。これで2対4となって、向こうもノンぺナで乱戦エリアからは出られなくなりました。ビートルスキンも使うので、殴られてもあんまり痛くありません。

トリーシャ:で、両手の剣で翼Aを薙ぐわ〜。(ダイスを振る)ん、命中は弱点含めても14と16……ちょーっと低いわね〜。

GM:それは両方回避しました。

トリーシャ:それは仕方ないわ〜。乱戦エリアの構築が目的なんだし。

GM:では、こちらの反撃です!!ワイバーン胴体は補助動作でキャッツアイ、ビートルスキン、リカバリィを使いつつ、遠くから強烈な先制パンチを食らわせてくれたシルフィさんに火を吐きましょう。範囲攻撃なので、アルトさんとイクスさんも巻き込みますね。

シルフィ:きゃー!23mなのにー!!(笑)

GM:射程20m地点から半径3m。行ける!!(笑)

シルフィ:うう、だから最初に5m下がりたいって言ったのに……(笑)。

GM:目標値17で生命力抵抗してください。失敗したら、火炎でダメージ食らって貰いましょうか(笑)。

シルフィ:ううう、炎に耐性のあるメルちゃんが羨ましい……っていうか生命力?私終了のお知らせな件。(ダイスを振る)……うん駄目、11です。

アルト:出目が悪いとは言え、流石の抵抗力の低さだな……(ダイスを振る)お、私は耐えた。

イクス:肉弾戦とかブレス耐えるとか、たまに兄貴がファイター技能隠し持ってても違和感無い気がするっス。俺は失敗。

GM:では、成功した人は半減で10点。失敗した人は19点のダメージです!!

シルフィ:うきゃあああああ!!HP残り7です!!

イクス:く、俺13です。もう一発来たら多分耐えれません。

アルト:26。くく、まだ耐えるな。(一同笑)

トリーシャ:……アルト、貴方本当に後衛〜?(笑)

GM:で、翼はトリーシャさんとネリネさんを一発ずつ叩きます。尻尾は『テイルスィング』で範囲攻撃。二人とも巻き込みます。達成値は翼も尻尾も18!!

トリーシャ:く、翼の攻撃は当たったわ〜。

ネリネ:避ける気など最初からありません。私の回避基本値は現在、全力移動ペナもあり基準値2です。(一同笑)

GM:ではダメージ、トリーシャさんに12点!ネリネさんには15点が2回です!!

トリーシャ:あたたたっ。泣いちゃいそう〜。

ネリネ:……15?あの、それ装甲で止まりました。(一同大爆笑)

GM:……ワイバーンが『何コレ』って顔をしました。(一同爆笑)

アルト:……見ろ、トリーシャ。私など及びもつかない強度。あれが前衛だ。(一同爆笑)

トリーシャ:いや、その……あの子は色々規格外だと思うわ〜(笑)。
 

▽ラウンド2▽
 

シルフィ:さて、再びこっちのターンですね。あのトカゲ、乙女の柔肌をなんだと心得ているのか……3m下がりながらの拡大エネボで焼きトカゲにしてやります!!(ダイスを振る)む……これは酷い。達成値14です。

GM:そ、それなら抵抗!抵抗しましたー!!

シルフィ:チッ。仕方ありません、胴体と翼Aと翼Bに仲良く7点。尻尾に6点のダメージです。……って、さっきから戦闘時のダイスが酷いなぁ。全部7以下じゃないですか、私。

GM:それでこの火力、なんという外道ですか貴方。翼Aが瀕死域に入って来ましたよ。

トリーシャ:さて、どうしようかしらねー、このトカゲ。翼をどっちか切り落とせば、飛行による回避ボーナスは無くなるけど。

ネリネ:私とトリーシャさんで損傷の大きい翼Aを叩くべきかと。尻尾切り落として剥ぎ取りたい気もしますが。(一同笑)

イクス:モンスターハンターのやり過ぎです、ネリネの姉さん(笑)。

アルト:あー、待て待て。さっさと翼Aを落とした方が、ネリネやトリーシャの攻撃効率も上がるだろう。私が収束かけてスパークをブチ込む。(ダイスを振る)……17。抵抗は抜けたな?ダメージは12点だ。

GM:ぐあ、それは……片方の翼が破れて、ワイバーンが残った翼で辛うじて地面に着地します。

ネリネ:うーん、敵が精神力抵抗が低い事を考えると、スパークを全体で放ってもらった方が攻撃効率は良かったかもしれませんね。私もトリーシャ様も、スパーク一撃くらいなら耐えますし。

トリーシャ:まぁ、そうね〜。

イクス:さて、俺は通常移動で5mほど引きます。これで俺もブレスの射程外。まだ、キュア必要無いっスよね?

トリーシャ:ええ、ネリネは無論ノーダメージだし、私も多少削られたけどまだまだ行けるわ〜。

イクス:なら、下がってます。

ロイド:さて、翼が無くなって回避が落ちたなら、後はコア部位に攻撃を捻じ込みまくって終わらせるが吉か。

ネリネ:駄目です、尻尾を切り落として剥ぎ取らないと!!(一同爆笑)

シルフィ:ネリネ、落ち着いてください!ここはモンハンではありません、尻尾を剥いでもアイテムは増えません!!(笑)

ネリネ:くっ、やはり切り落とすにはブーメランが必要なのでしょうか……仕方ありません、胴体を殴ります。(一同笑)

イクス:もう完全にモンハン脳ですな…(笑)。
 

 「竜玉落とせー」と言いながら胴体に攻撃するネリネ。そんな物落とせません。持ってねぇよ。
 斧が直撃したものの、比較的パンチ力に劣る彼女の攻撃のダメージは15点。
 トリーシャの連撃は片方だけ命中し、これまた15点。
 ビートルスキンで装甲を強化したワイバーンに対しては、そこまで脅威になる攻撃ではありません。痛い事は痛いですが。
 
 ただ、問題は……。

 

ロイド:じゃあ行くぞー。制限移動で乱戦エリアの縁まで移動。介入して、補助動作でキャッツアイを起動。グレンダールの特殊神聖魔法『ヒートウェポン』で攻撃力を2上げて、マルチアクションで命中を更に上げながら攻撃叩き込む。

GM:鬼かッ!!?

ロイド:(ダイスを振る)…うっし、命中19。当たったならダメージは低くて21だが、追加のフォースは達成値14。半減したものの6点のダメージ。生きてるか?

GM:……ううう、それで落ちます。
 

 ……感想。
 このパーティー多部位モンスターが1体デンっと構えてる程度だと、平然と蹂躙して来ます。
 コア部位に破滅的なダメージを叩き込んでくるロイドや、全体に攻撃をバラ撒いてHP低い部位を落としてくるシルフィが脅威。二人してあれでもダメージ少ないって何の冗談ですかと。
 まぁ……その辺を見る意味もあってのワイバーンだったのですが。

 

ロイド:さて、もう一体のワイバーンはどうなってる?

GM:元々全部位のHPが半分になってる状態でしたからね。メリッサを中心に前衛が食い止めて、バーン君を中心に後衛が火力支援をした結果、皆さんが倒すのとほぼ同時に向こうも終わります。

ロイド:お見事。とりあえず、これで襲撃は終了か。

シルフィ:メルちゃんメルちゃん、大丈夫ですかーっ!! えーと、ダッシュでメルのとこに駆けていきます!

ロイド:いや待てお嬢!?お前自分が一番ダメージデカいの忘れてるだろ!!?(一同笑)

アルト:おー……追ってった追ってった。(一同笑)

トリーシャ:いやーん、ちょっと引っかかれたわ〜。ネリネ、治療してー。

ネリネ:そうですね。では、軽傷のトリーシャ様は私が救命草で治療しましょう。イクス様は、他に怪我人がいたらお願いします。高位プリーストですし。

イクス:うん、まぁ戦闘ではフィールドプロテ張った後は下がっただけなんでMP余ってますが、まず自分治療して良い?(一同笑)

アルト:そう言えば、貴様も相当食らっていたな(笑)。

ネリネ:アルト様も救命草で済むレベルの怪我だった筈ですので、こちらに。

アルト:……おお。そう言えば火ィ噴かれてたな、私も。(一同笑)

イクス:食らってる事すら忘れてどーするんですか、そこ(笑)。
 

◆疑問と情報と角持ちと◆
 

 とりあえず、戦後処理です。
 メリッサとシルフィが、「シーちゃん大丈夫!?うわ、痛そう!」「メルちゃんこそ平気ですか!?」などと、ほのぼの友情を確かめ合ったり、遅れて走ってきたロイドが大慌てでシルフィにキュアしたり、更にその後から来たイクスが他の怪我人にキュアしたり。
 ネリネが救命草持ってないのに気付いて、シルフィの道具袋から勝手にパチったり。
 
 幸い、護衛が頑張ったようで隊商や馬には被害は無かったようですが……。

 

イクス:うーん……範囲攻撃型の敵だったのが問題っスねぇ。結構被害甚大っスよ。

GM:そこそこのレベルの冒険者が10名、って感じだった他の護衛、結構ボロボロですねぇ。精神力もかなり消耗してますし、隊商の方は予定を少し変更して、ドルデアで一日逗留する事にするそうです。

ロイド:まぁ、戦力が消耗している状態で強行軍するよりは良いな。ドルデアに泊まれるならば、そこで泊まった方がよかろ。

シルフィ:ちなみにドルデアまでは何日ですか?

GM:マントワーズから1日です。地図で考えるとルデア山脈とカルゾラル高原に挟まれた谷に、マントワーズ以降に3つも要塞がある事を考えると、それくらいの間隔にしないと高原の向こう側まで行っちゃうんですよね、ブルデの位置。

ロイド:まぁ、移動時間の細かい点はGM判断だろうし、とやかくは言わん。近いならばそれに越したことは無いしな。

シルフィ:1週間ですとか言われたら暴動でしたけどね。(一同笑)

イクス:とりあえず、最低限の治癒だけはしておきますよー。MP切れにならない程度に。

アルト:まぁ、他の冒険者パーティーにも回復役くらい居るだろう。全部私達がやらねばならんと言う事もあるまい。

GM:ん、まぁ治療を手伝うなら、MPを10くらい減らしてください。

イクス:あいさ。俺だけ手伝ってますんで、他の皆はMP温存しててください。何があるとも限りませんし。

アルト:そうだな、了解した。

トリーシャ:それと……私達以外の冒険者達が倒したっていうワイバーン、見せて貰って良いかしら〜?

シルフィ:あ、そうですね。何でボロボロだったのか、傷の種類から類推できるかもしれませんし。

トリーシャ:ワイバーンよりマズい相手が近場に来てるって事……だと思うのよね〜、この状況。

ロイド:蛮族か?

トリーシャ:不確定ね〜……ただ、蛮族が来る場合にしても山越えになるから、大軍では来れないのが救いね〜。だからこそ、谷を塞ぐように立っているブルデ要塞に蛮族が何度も攻勢を仕掛けて来てるんでしょうけど〜。

ロイド:少数なら山越えで侵入して来れる可能性もあるが、本格的な侵略となるとブルデを落とさないとならない、ってところだろうな。

アルト:推理が先走るのは貴様らの悪い癖だな。とにかく調査してみない事には分かるまい。

ロイド:……あー、すまん。じゃあまず、調べてみるか。

GM:目標値はセージ技能+知力で18です。後衛のライトニングやらエネボやらスパークで焼かれまくった挙句、メルのグレートソードでバッサリ斬られてますんで元の傷の判別がかなり難しい感じ。

ロイド:(達成値6)いやぁ、バーン。良いライトニングだな。こんがり焼けてて元の傷が判別つかんぞ。(一同笑)

GM/バーン:「褒めてるんですか、それとも皮肉ですかそれ……」(一同笑)

シルフィ:(達成値12)……良いなー、メルちゃんグレソなんか振り回せるんですねー。私なんか、メイジスタッフで一杯一杯なのに…。

GM/メル:「んー、でもメル、あんまり考えるのは得意じゃないから、シーちゃんみたいに凄い魔法とか使えるのって凄いと思うよ?」

シルフィ:ふっ……私の魔法など、未だお姉様の足元にも及びません。目を瞑れば思い出せるあの暴虐………ああ、お姉様駄目です近所のイジメっ子にエネルギージャベリンは駄目ぇ!!(一同爆笑)

アルト:働けシルフィ。……とか言いつつ、私の達成値も16か……駄目だな、識別できなかった。

GM:まぁ、目標値も高いですからねぇ。では皆さんは一抹の疑問を残しつつ、ドルデアに向かう事となりました。

ロイド:……うーん……。何が来たんだろうなぁ、こいつらの住処に。

トリーシャ:駄目ね。とりあえず、ドルデアの守備兵に報告しておきましょう〜。現状、そこから先の調査までは私達の領分じゃないわ〜。

ロイド:……それもそうだな。まぁ、仕方ないか。
 

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 さて、幸いにしてその後、何事もなくドルデアまでは到着します。
 が―――ドルデアの入り口で、ちょっと事件。
 

GM/ドワーフ:では、ドルデアまで到着すると、守備兵らしき武装したドワーフが寄って来ます。 「隊商か?悪いけど、ここから先に進むのは危険だぜ。とりあえず、この街で暫く待ちな」

アルト:……は?

シルフィ:……危険?

トリーシャ:とりあえず、私らただの護衛だし……隊商のリーダーと守備兵の話に、耳傾けてるわ〜。

GM:会話によって聞こえるところによるとドルデア・リテル間の街道で、旅人や隊商が襲われる事件がここ数日頻発しているとのことです。どうやら、ごく最近の事件故にマントワーズには伝わってなかった模様。貴方達と入れ替わりで伝書ファミリアが飛んでった感じかもしれませんね。

ロイド:……なんかあったのかねぇ?

イクス:まぁ、あったんでしょうな。

GM/隊商のリーダー:「……仕方ない。まだ詳しい話も分からないし、一旦街に入ろう。こちらで行動を決めるまで、護衛は自由にしていてくれ」

シルフィ:ん、はい。分かりましたー。

ロイド:……参ったな、滞在先どうするか。

GM/バーン:滞在費は隊商で払ってくれるようですが、バーン君が手を上げます。 「皆さん、良ければウチに来ますか?」

トリーシャ:あら〜?それは嬉しいけど、良いの〜?

シルフィ:わ、メルちゃんメルちゃん、お泊まりです!枕投げです!一緒にお風呂ですー!!(一同笑)

GM/メル:「わーい!それじゃあ、頑張ってお料理作るね!!」

ネリネ:それでしたら、私も手伝いましょう。デュボールの郷土料理は、こちらでは中々無いでしょうし。

GM/メル:「わーい!あ、じゃあ材料買いにいこ、材料!市場あっちー!!」 と、走りだすメルです(笑)。

シルフィ:あ、待って待って!私達土地勘ありませんから、はぐれたら大変ですよぅ!

ネリネ:では、しずしずとそれに付いて行きます(笑)。

GM/バーン:「……まぁ、姉さんもあんな感じですし」(一同笑)

ロイド:……元気で良いなぁ、あいつら。まぁ、俺らが固まってた方が隊商側も連絡付け易くて便利だろうが。

GM:では、バーン達の家に一旦世話になる方向でOKですか?

ロイド:ま、仕方ないが……この一件、あのワイバーンと無関係とは思えねぇよなぁ。

アルト:……一旦荷物を置かせて貰ったら、調べに行くか。

イクス:そう考えるとお嬢たち、荷物も置かずに市場に向かったんスねぇ…。(一同笑)

ロイド:荷物が重くて苦労するのは奴らだ。気にしないでおこう。(一同笑)
 

 ここで別行動開始。
 いったんバーンの家まで行ってすぐに、アルトとイクスは情報収集に出かけます。
 シルフィとネリネはメリッサと一緒にスーパーお買いものタイム。
 ロイドとトリーシャはレグランスさんのおうちで、バーンの淹れた茶でティータイム。

 

GM:…そう言えば、もうそろそろ日も落ちる筈なんですが、まだ市場やってるんですかね。(一同笑)

遠くのロイド:駄目なら駄目で戻ってくるだろ(笑)。

シルフィ:こう言う、閉店間際ギリギリの時間だとオマケしてくれ易いんですっ!!

遠くのイクス:その生活感あふれた発想、アンタホントにお嬢様か。(一同笑)

GM/メル:「ねーねー、ネリネちゃん?デュボールの郷土料理ってどんなの?」

ネリネ:そうですね……ぶっちゃけそんな設定ルルブのどこにも載ってないのですが、ここは捏造で参りましょう。はい、イクスさんどうぞ。(一同爆笑)

遠くのイクス:俺!?(笑) ……え、えーと……突然言われても思いつきませんて!?

シルフィ:何でも良いです、今頭の中に浮かんだ言葉を小粋に吐き出してください!!

遠くのイクス:げ、ゲル状!!(一同大爆笑)

遠くのロイド:デュボール終了のお知らせ。(一同爆笑)

遠くのトリーシャ:料理が不味いと評判の大英帝国も足元に及ばない変化球ね。(一同爆笑)

シルフィ:いえ、食べ物じゃなくて飲み物ならどうでしょうか?疲れた日にはゲル状の紅茶でリラックス。粘り気のある酸味が脳を活性化させ、疲労を吹き飛ばします。―――ギリギリセーフでしょうか?(一同笑)

遠くのロイド:いや、俺はアウトだと思う(笑)。

シルフィ:ではイクスさんワンアウトで。あと2回のアウトで、貴方のあだ名は「ハンサム」か「ゲロシャブ」の二者択一になります。(一同大爆笑)

遠くのイクス:何それ!?どういう罰ゲーム!!?(笑)

シルフィ:アークウェイン家では日常茶飯事です。仏陀の顔も三度まで。菩提樹の下で輪廻と慈愛を説く釈迦ですら、三度の狼藉は許さなかったのですよ。スリーアウトで人権剥奪は、アークウェイン家によくある小粋な日常のスパイスです。(一同爆笑)

遠くのイクス:どういう家だァァァァァ!!(爆笑)

ネリネ:(冷静に)とりあえず、捏造で芋と肉を捏ね合わせて作るコロッケのような物に、甘辛の自家製ソースで味付けした物をデュボール郷土料理一号として登録しておきましょう。ついでにソースをちょっとゲル状にしておけば、イクスさんの妄言もクリアできます。

シルフィ:流石です、ネリネ!瀟洒です!!(笑)

遠くのトリーシャ:楽しそうねぇ(笑)。
 

 幸いにして店は開いてたので、キャイキャイ騒ぎながら夕飯の食材を買い漁る三人娘。
 一方、アルトとイクスは別方面で街中を探索中。

 

アルト:そう言えば、ドワーフの街とのことだが……人間は珍しいのか?もしかして。

GM:別にそう言う事も無いでしょう。ただ、ドワーフが過半を占めてるってだけだと思います。人間や他の種族もちゃんと居ますよ、多分。

アルト:まぁ、別に多少好奇の視線を向けられる事になっても構わんがな。

イクス:無頓着っスねぇ。

GM:で、ですね。この街はドワーフの街であり、ルデア山脈の鉱脈から取った金属で優れた武具を作っている事でも有名です。こことは別の区画でしょうが、鍛冶屋などが多いのも特色でしょうか。

アルト:岩山の街のような映像イメージがあるな、なんとなく。

GM:ああ、ちょっとそんな感じかもしれません。で、お二人。情報収集との事ですが、どこに行きますか?

アルト:まぁ、守備兵に事情を聴くのが一番だろう。詰め所に向かうぞ、イクス。

イクス:うぃさ。

GM/隊商のリーダー:では、お二人が守備兵の詰め所に行くと、丁度隊商のリーダーが出てくるところでした。 「おや、君達は……」

アルト:む。では、会釈する。

イクス:どもっす。オッサンも事情聞きに来たんスか?

GM/隊商のリーダー:「おっさ……私はこれでも29歳と少々なのだがね」 と、顎髭を撫でながら苦笑するオッサンです。 「事情を聴きに来たのもあるし、事情を聴取された事もある。特にワイバーンが2匹出た事を報告したら、どう倒したのか聞かれたよ。君達の名前も出させて貰った」

アルト:……む。 少し顔を顰める。 面倒事の予感か?

GM/隊商のリーダー:「……難しいところだな。もしかしたら君達のところに話が行くかもしれん」 と、言ってから肩を竦めます。 「まぁ、そのお陰でお偉いさんに一つ貸しを作れそうで、一商人としては転んでもただでは起きない的に、悪くはない状況ではあるが」

イクス:偉いさん?あ、なんか居た気がする。

遠くのシルフィ:えーと、確かドルデアには“母将軍”と呼ばれる、ドワーフの精強な兵士達を束ねる女将軍がいらっしゃいます。御歳100近いですが幼い少女のような外見の方です。

GM:ついでに言うと、6人の息子と3人の娘を含め、孫まで入れると30人を超える大家族を統べる“大母”でもあります。性格はハートマン軍曹幼女版とでも考えて下さい。(一同爆笑)

遠くのトリーシャ:……何その関わり合いになりたくないの〜……(笑)。

GM:「実は知り合いです」とか言って、コネ取っても良いですよー?(笑) ルールブックVに従う形で。ただし、説得力あれば(笑)。

遠くのシルフィ:(ルルブめくり)……“母将軍”フルメリ・ベルガメント。コネ取る場合、「顔見知り」レベルで50点ですね。

遠くのトリーシャ:……あ、じゃあ取る(笑)。4、50年くらい前にお世話になったの〜。私としては苦手な人って事で(笑)。

遠くのロイド:師匠が苦手としてる相手って時点で、どんな人かよく分かるな……(笑)。

GM:了解です(笑)。まぁ、とりあえずアルトさん達、どうします?

アルト:うむ、まぁ詰め所で話を聞くか。

イクス:“母将軍”が出て来てるって事も無いっすよね、多分。

GM:ええ。別に“母将軍”が出てくるって事も無く、事情を聴く事が出来ます。自分から言わないと、ワイバーン倒した冒険者だって事も分かりませんしね。
 

 と、いうわけで守備兵から聞いた情報は以下の通り。
・リテル・ドルデア間の街道で、よく旅人や隊商が襲われる。現状で生存者は居ない。
・調査隊を出したところによると、現場の痕跡からどうやら魔獣・幻獣の類と思われる。
・現在は守備兵を護衛に多く付ける事によって、辛うじて交通の麻痺は防げている。

 

アルト:……じゃあ、私達の隊商も守備隊付けて貰って移動、では駄目なのか?

GM:守備兵の人数も限りがありますし、こんな事を続けていては、負担も増します。結果的にドルデアの守備を薄くすることにも繋がりますからね。それに、そんな対処療法ではやっぱり旅人や隊商が減り、この先にあるブルデやリテルの経済活動に影響を与えるのは自明。故にここらで抜本的対策を取るべき、と言うのが、“母将軍”の考えのようです。

遠くのロイド:抜本的対策、ねぇ。真っ当に考えて、原因の排除。ついでに、俺らが見たワイバーンは件の『原因』のせいで住居を追い出されたと見るのが妥当かね。

遠くのトリーシャ:で、さっきの商人の物言い……ひょっとしたら来るかしらね〜?

遠くのロイド:……かもな。
 

 一通り情報を集めたアルトとイクス、ドワーフの鍛冶屋を適当に見て回りながら撤退。ついでにアルトが知力増強の指輪を2本、イクスが1本買っています。
 「まさに本場」「ドワーフパネェっす」などとお気楽に会話を交わしながら、レグランス家に戻ります。
 で、そのレグランス家。

 

ロイド:……うーむ、珍妙なメンツだな。

GM/バーン:「はは……まぁ、ゆっくりして下さい」 と、バーン君が紅茶を淹れてくれます。一般技能「コック」を持ってるんで、結構料理上手。

ロイド:ん。では、紅茶に舌鼓を打ちながらのんびりしてるぞ、俺。

トリーシャ:ところでGM、バーン君、帽子外してる?

GM:いえ?貴方達の知る限り、ずっと外してませんね。

ロイド:…あー……もしかして、とは思ってたけど。

トリーシャ:一度も?

GM:ええ。それこそ、貴方の羽付き帽子や、ロイドのバンダナと同じレベルで。

シルフィ:え、ちょっと待って下さい。って事はバーンさん、もしかしてナイトメア?

GM:ええ、まぁ。アルトさんはPLが事前に知ってたので除外するとして、他の誰かが気付くまで待とうと思ってたんですが、あっさり気付かれてる節がありましたねぇ。

トリーシャ:……そりゃ、前話のリプレイで『ロイドと同等の能力値』なんて言ってたしねぇ?そんな事、ナイトメアでもない限りあり得ませんわ。そもそもロイド自体、人間どころかナイトメアの水準でも相当なハイスペックなんですもの。

GM:まぁ、まだバーン君は勘付かれたって事は知りません。貴方達がナイトメアだとも、気付いているのやらいないのやら。

トリーシャ:…意外な共通点があったわねぇ、この三人。全員ナイトメアじゃない。

ロイド:冒険者じゃなきゃ有り得ないナイトメア率だな。

トリーシャ:そうね〜?まぁ、とりあえず。勘付いた私は、くすくす笑いながら、バーン君を見てるわよ〜。

ロイド:なんだ師匠、キモいぞ。(一同爆笑)

トリーシャ:目を突きます。(一同爆笑)

ロイド:目が、目がぁぁぁぁ!!?(爆笑)

GM/バーン:「……何してるんですか、貴方達」(笑)

トリーシャ:え?うん、節穴を突いただけよー?(笑) ところでバーン君?

GM/バーン:「はい……?」

トリーシャ:家の中でも、帽子脱がないのね〜。

GM/バーン:「……ええ、まぁ」 と、若干表情が強張ります。 「…ちょっと、この帽子は大事な物でして」

トリーシャ:ふ〜ん……? では、その反応で確信を強めて、自分の帽子に手をかけましょうか。

GM/バーン:「……トリーシャさん?」

トリーシャ:私の推論が合ってれば、まぁ問題なし。違ったら、恥をかくのは私。どっちに転んでも問題ないわね。―――ねぇ、バーン君?私は多分、貴方の御同輩よ。 くすり、と笑みを浮かべて自分の帽子を投げ捨てます。その下には……小さな角が、髪の間から生えてるのが見えますねぇ?

GM/バーン:「……っ!」 バーン君、目を見開きます。 「……蘇生の結果出来た穢れ……じゃないですよね。同輩って事は……」

トリーシャ:ええ、生まれつきよ。……どうかしらね、私の推論……合ってたかしら〜?

GM/バーン:「………」 その言葉を聞いて、こちらも帽子を取ります。その下には、確かに小さい角があります。 「……よく、分かりましたね」

トリーシャ:長生きしてますもの。……やん、オバサンだとか思わないでね〜?

ロイド:(ぼそり)むしろババァ……。

トリーシャ:倒れてるロイドの関節をキメながら、口に茶請けのカステラを捻じ込みます。(一同爆笑)

ロイド:もが――――ッ!!?(爆笑)

トリーシャ:(菩薩のような笑顔で)うふふ……ごめんなさいね、バーン君。ロイドはちょっと若年性認知症で、他人の年齢を正確には把握できないのよ。(一同大爆笑)

遠くのシルフィ:ああ、ロイドが!ロイドの目がアムール川の水底のような色に!!?(一同大爆笑)

トリーシャ:ごめんなさいね、バーン君。私やこいつの同輩って珍しいから……つい、ね。歪んだ仲間意識かしらね?同じナイトメアを見ると、ちょっと話したくなるのよ。

GM/バーン:「……その言葉から察するにロイドさんもですか?」

トリーシャ:ええ。気付いてなかったかしら〜?

GM/バーン:「……はい。ついでに言うと、貴方が言うところの同輩が一人、茶請けを喉に詰まらせて、目がドブ川の水底のような輝きを放ち始めていますが」(一同爆笑)

トリーシャ:じゃあ、茶を流し込みます。(一同爆笑)

遠くのアルト:雑な治療だなオイ!?(笑)

トリーシャ:これでよし。……まぁ、お互いナイトメアだって事隠すのは当然よね〜。嫌われ者だし、出る杭は打たれるものですわ。

ロイド:……出る杭、ねぇ。好きで出てるワケじゃねぇんだが。

トリーシャ:……想像を絶する早い復活ね、ロイド。(一同笑) でもほら、なんかの歌でも言うじゃない?―――アブラハムの一家は七人の子。一人はノッポで……。

遠くのシルフィ:そしてホモ。(一同超爆笑)

トリーシャ:ホモ!!?(爆笑)

ロイド:…それは出た杭にも問題があるだろう(笑)。

トリーシャ:いや、一人はノッポで後はチビなんだけど、正確には……(笑)。何で残りガン無視でノッポ集中砲火になってるのよ、この歌!?(一同爆笑)

GM/バーン:「……何の格言にもなってませんよ、トリーシャさん」(一同笑)

トリーシャ:あー、うーん。余計なお節介よね〜、多分。

GM/バーン:「……お節介?」

トリーシャ:ナイトメアってね、結構ひねくれた性格の人が多いのよ。私含めてね。ただ、貴方みたいに自分を理解して大事にしてくれる人がいると、結構歪まないでいられるの。ロイドもそうかしらね〜……こっちはシルフィって理解者がいる癖に、捻くれちゃって師匠としては悲しいけど。

ロイド:……捻くれさせた原因の半分くらいは家庭的な問題だと思うぞ。師匠の奇行とか、色々と。(一同笑)

トリーシャ:あー、うーん……(笑)。まぁ、ちょっと、そんな感じで、心配……とも違うかな?素の状態で声かけてみたかっただけなのよ。

ロイド:…なんだかんだで世話焼きだからな、師匠。

GM/バーン:「……ありがとうございます」 と、少しだけ楽しげに微笑を浮かべます。 「でも、大丈夫ですよ。姉さんも居ますし、ね」

トリーシャ:……姉弟で身体の関係にはならないようにね?(一同爆笑)

ロイド:師匠、師匠。もう少しオブラートに包め。(一同爆笑)

GM/バーン:「あ、あのですねぇ!?」 と、バーン君が顔を赤くして思わず叫びます(笑)。

トリーシャ:あらあら……からかい甲斐がありそうですわ(笑)。

ロイド:……あーあー……嫌な相手に玩具と認識されたな、バーン。からかい倒されるぞ、今のうちに冥福祈っとく。(一同笑)
 

◆“母将軍”の依頼◆
 

 その後、戻って来たアルト・イクス組、シルフィ・ネリネ・メル組と合流し、何故か始まるメル・ネリネの料理対決。
 涎を垂らしながら待ち受けるシルフィ(審査員)。酒盛りを始めるトリーシャ、巻き込まれるイクス・バーン。
 そしてロイドとアルトの口喧嘩などの雑談が一通り終わり、翌朝になります。


GM:……えー、現在太陽が真上に昇った頃の時刻です。皆さんは……。

イクス:…部屋の片隅で地面と一体化する勢いで倒れ伏しています。超絶二日酔い。(一同爆笑)

トリーシャ:なによ〜、お酒に弱いわねぇイクス君。

GM/バーン:「……いや、むしろトリーシャさんが強すぎ……うぐ」 突っ込みを入れようとして頭痛に敗北、イクスさんの横に倒れ伏すバーン君です。(一同笑)

イクス:……アルハラ反対……げふっ。(一同笑)

ロイド:俺、そこら辺で腹出して寝てるお嬢の額に「内」って書いて放置してその辺に座って槍の手入れしてる。(一同爆笑)

シルフィ:ひ、ひぃ!?せめて、せめて「肉」にしてくださいロイド!?(一同爆笑)

GM:……多分、そのシルフィさんのお腹を枕にして寝てます、メルは(笑)。

トリーシャ:私、その横で迎え酒してます。うめー。(一同笑)

ロイド:……そのうちサカロス信仰にでも目覚めそうだな、師匠は(笑)。

ネリネ:一方で私は、蜆の味噌汁作ってます。二日酔いに効くんですよ、これ。(ダイスを振る)コック技能+器用度ボーナスで、達成値16です。うん、良い出来。頷いて鍋を中央のテーブルに運びます。 皆さん、お味噌汁が出来ましたよ。

ロイド&トリーシャ:わーい。(一同笑)

アルト:……お前ら、それ二日酔い対策の味噌汁だからな?(笑)

GM:そんな事をしていると、トントン、と家のドアがノックされます。

トリーシャ:は〜い、誰かしら〜?

アルト:……なぁ、ここはいつから奴の家になったんだ?(一同笑)

ロイド:まるで家主のような応対だな(笑)。

GM:では、ドアを開けるとそこにはトリーシャさんが見知っている、小柄なドワーフの女性の姿が。

トリーシャ:石化します。(一同笑)

GM/フルメリ:「……なるほど。ワイバーンを倒した冒険者と言うからどのような輩かと思えば……お主が居るなら納得やもしれんな、トリーシャ?」

トリーシャ:ひ、ひぃぃぃぃ!!? どげらがしゃーん、と凄いスピードで机の下に避難します。(一同爆笑)

ネリネ:危ない、お味噌汁が!!(一同爆笑)

ロイド:そして、師匠を追って来た母将軍は見る。額に「内」と書かれたエルフと、その腹を枕に寝るドワーフ。そして床に倒れる半死人(ルビ:ふつかよい)二人。我関せずで槍の手入れしてる男に、本読んでる男に、鍋を両手で持ったルーンフォーク。(一同笑)

トリーシャ:そして机の下から突き出た私の美尻(ヒップ)。(一同爆笑)

GM/フルメリ:「……なんじゃ、これは?」(一同笑)

ロイド:……なんだ?おいガキ、もしかしてメルかバーンの知り合いか?(一同爆笑)

トリーシャ:だ、駄目よロイド!軍曹にそんな口の利き方をしたら…!!(笑)

GM/フルメリ:「……ふむ」 では、それを聞いたフルメリはてこてことロイドさんに近付いて、 「フンッ!!」 と、股間を思い切り蹴り上げます。(一同爆笑)

ロイド:ぱろぱッ!? えー、悲鳴を上げて崩れ落ちます。

GM/フルメリ:「小僧が、ワシを誰だと思うておる。本来なら○○(ピー)を叩き潰すところじゃが、まぁ初対面じゃからな。金的一発で勘弁してやろう」(一同笑)

アルト:……その二つに違いはある……のですか?(一同爆笑)

イクス:兄貴が弱気だ!珍しく敬語だ!!?(笑)

アルト:いや、目の前であんな光景を見せられれば弱気にもなるわ!!?(笑)

GM/フルメリ:「無論じゃ。前者なら粉砕するまで何度でも蹴る。或いは武器で潰す」(一同爆笑)

アルト:……さ、左様ですか(笑)。

イクス:と、とりあえず二日酔いで痛む頭で旦那にキュア・ハート使います!!

シルフィ:冷静になると、初キュア・ハートが金的の治癒なんですね。(一同爆笑)

イクス:うう、でも同じ男としてこのダメージは見捨てられないと言うか!?(笑) (ダイスを振る)すげぇ、6ゾロで17点回復。(一同爆笑)

ロイド:ああ、なんか、ちょっと楽に……。(一同笑)

GM:うーん、ハートマン軍曹的に下品な言葉で罵るのも難しいですね。

ロイド:無理にやらんでエエわ!?(笑)

ネリネ:とりあえず、お客様。紅茶は如何ですか?

GM/フルメリ:「む、貰うかの」 受けとってカップを傾け―――

ネリネ:ゲル状ですが。(一同大爆笑)

GM/フルメリ:「ぶバフゥ!?」(一同爆笑)

アルト:噴き出した、母将軍噴き出した!!?(笑)

ネリネ:アークウェイン家特製、ゲル状ロシアンティーです。お楽しみ頂けたなら幸いです。

イクス:……最強はもしかして、ネリネのねーさんなんじゃないだろうか……(笑)。
 

 閑話休題。
 一先ず寝てる連中を叩き起し、二日酔い組をキュア・ポイズンで強制再起動し(アルコールは解毒可能とのGM裁定)、“母将軍”フルメリの話を聞く事になります。
 ちなみにバーンとメル、地元の英雄であるフルメリ相手に緊張しながら席に座っています。

 

GM/フルメリ:「今、リテル・ドルデア間で発生している事件について、どこまで知っておる?」

トリーシャ:さ、サー・イェッサー!詰め所で教えて貰える程度の事ならば心得ております、サー!!(一同爆笑)

GM/フルメリ:「サーじゃなくマムと呼ばんか!」

トリーシャ:イエス・マム!!(一同笑)

アルト:凄いな、あのトリーシャがここまで怯えるとは…(笑)。

GM/フルメリ:「ふん。彼奴が尻から殻が取れぬようなヒヨっ子であった時代に、ドルデアに立ち寄った事があっての。その折に、少々鍛えてやっただけじゃ」

トリーシャ:少々違う、アレ死ぬ、マジ死ぬわ〜……(ガクガク)。

ロイド:ああ、師匠がトラウマを思い出して痙攣を…(笑)。

シルフィ:えーと、それでアレですよね?フルメリさんは、その件に関して私達に何か依頼があるのでしょうか?

GM/フルメリ:「まぁ、その通りじゃな」 と、仰るフルメリ。 「主らと……そこな姉弟も、かなりの手練か。主ら八名に頼みたいのは、この件の原因の討伐、或いは調査じゃ」

ロイド:ドルデアの兵力が一杯一杯だから、余所の兵力で調査をしたいって事だな?

GM/フルメリ:「生意気な小僧じゃが、察しは良いの。その通りじゃ。守備兵を街の防衛と隊商・旅人の護衛に振り分けなければならん以上、使えるものは使わんといかん」

ロイド:…初対面で金的は物を頼む態度じゃなかった気もするが。

GM/フルメリ:「初対面でガキ扱いこそ、礼儀知らずじゃないかの?」 飄々と笑います。 「主らの現在の依頼主である商人には話を通しておる。後は主らが頷けば、契約成立じゃ」

シルフィ:……んー、フルメリさん。

GM/フルメリ:「なにかの?」

シルフィ:依頼を受けるのは吝かではありません。けど、調査か討伐との事でしたが……それは『手に負える範囲なら』討伐。『手に負えなければ』調査して報告と言う事でしょうか。

GM/フルメリ:「そうさな。それで相違ない」

ロイド:応じた場合のリスクとリターン次第だろうな。おい、師匠。どう思う?

トリーシャ:あ、私、部屋の隅で体育座りして壁の方向いてブツブツ呟いてます。(一同爆笑)

イクス:壊れたッ!!?(笑)

シルフィ:…ああ、トリーシャさんがクイーン・オブ・フィジカル・エデュケイション・シッティング、和名「永世体育座り女王」に……。(一同爆笑)

ネリネ:マスター……よく次から次へと妄言が口から出て来ますね(笑)。

シルフィ:ふっ、精進が足りませんね、ネリネ?(一同笑)

ロイド:……とりあえず、師匠がアレだから俺らで決定だな(笑)。あー、母将軍さんよ?応じた場合、報酬はどれくらい出る?拘束期間は?

GM/フルメリ:「ふむ、そうさな。報酬に関しては一人4000ガメルでどうじゃ?拘束期間は事件解決まで、もしくは一週間。一週間過ぎて解決できていなければ、一人頭1000ガメルの手間賃のみじゃが」

ロイド:安い。ワイバーンを追い払うって事は恐らくその「原因」は、かなりの手練、もしくはちょっとした武装集団だ。

GM/フルメリ:「ほう?言いおる言いおる。4000では安いと申すか?」

イクス:でも4000って、俺らのレベルだと適正報酬額っすよ。

ロイド:ワイバーンの時点で俺らのレベルからすればボスランクだろうが。それを上回る相手と戦うってんなら、もう少し貰わんと割に合わん。

GM/フルメリ:「ふむ、では小僧。主は如何ほど欲しいのじゃ?」

ロイド:落とし所として考えられるのは、5000って所だろうな。 ……PL発言をするとすれば、7Lvモンスターを追い払う相手って事は、多分8……いや、9Lv以上だろうし妥当な線だろ。

GM/フルメリ:「ふむ、ふむ。……まぁ、その辺りが落とし所かのう?4600」

ロイド:落とし所と言いながらセコく値切るな。4800。

GM/フルメリ:「尻の穴の小さい男よのぅ。4700」

ロイド:…4750。

GM/フルメリ:「乗った。……いやはや、最初に思い切り蹴りをくれてやったのに、怯まぬのぅ。あそこの体育座りに爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいわ」

ロイド:俺一応、あそこの永世体育座り女王の弟子なんだけどな。

GM/フルメリ:「弟子はいつか師を超えるものじゃ。まぁ、わしに言わせれば彼奴もお主も、ひよっ子に変わりは無いがの」

ロイド:……。 反論せず、頭を掻く。まぁ、英雄レベルだろうしな、この人。

シルフィ:ところで、私達はOKとして……レグランス姉弟コンビはどうしますか?

GM/メル:「え?うん、フルメリ様のお願いだもの!メル、頑張るよ!!」

GM/バーン:「……姉さんも乗り気ですしね。手に負えないと分かれば調査で済ませて良い、と言うならば」

シルフィ:よしっ!それなら、早速調査を開始しましょう!!

GM:と、言ったところで……。

一同:はい?

GM:ドォォォン、と要塞を揺るがす爆音が響きます。

一同:……はいぃ!?
 

◆襲撃と、まさかの大惨事◆
 

GM:フルメリは即座に家を飛び出します。その後、貴方達を振り返り、どうしたものか少しだけ考える様子を見せますが……。

トリーシャ:マム。いえ、フルメリさん。指示を。

ロイド:……お、師匠。再起動したのか?

トリーシャ:ええ、ウィンドウズ並に時間がかかったけどどうにか。(一同笑) 今、非常事態なんでしょう〜?部外者の私達に遠慮するのも良いけど、防衛の手駒として使えそうなら使った方がいいわよ〜。まして今、ドルデアは平時に比べて手薄なんでしょう〜?

GM/フルメリ:「……くくっ。小娘が、一丁前にほざきおる」 と、楽しそうな笑みを浮かべますね。

トリーシャ:貴方に指導された身ですけど、今は逆に弟子を指導する身になりましたわ。弟子の前で無様は見せられないでしょう?

GM/フルメリ:「…違いないのぅ。面白い弟子に、面白い師匠じゃよ、お主らは」

ロイド:……ンだよ師匠、カッコつけて。

トリーシャ:ふふ、良いじゃないロイド。私だってこう言う時もありますわ……なんてね。

ロイド:……はいはい、分かった分かった。じゃ、師匠が格好つけたいようだから、俺も付き合いますかね。どうせこの時期に何か起こったなら、俺らが請けた依頼と無関係って事も無いだろうしな。

GM/バーン:「……お二人、こうして見ると……仲の良い親子みたいですね」 と、バーンさんが苦笑を浮かべ―――

トリーシャ:親子!?どっち!どっちが親!?私がこの目つき悪いのの実親に相応しい年齢だと、そういうつもり!?畜生、そこのロリドワーフ水道水持って来なさい水道水!! バーンの襟首掴んで振り回します。(一同爆笑)

シルフィ:ちょ、トリーシャさん今の良い話の流れでしょう!?平和に向かう雪解けの季節にどうしてスタンピードするんですかっ!!?(一同爆笑)

イクス:えー、その横すり抜けてフルメリさんに聞きます(笑)。俺らはどうすれば良いっスかね、大将?

GM/フルメリ:「そ、そうじゃの。……南側の城壁が騒がしい!そっちに向かい、何かあれば守備兵と協力して事に当たってくれ!ワシは全体の指揮をとらねばならん……歯がゆいが前線には出れん!」 と、言って一枚の羊皮紙を取り出します。 「これはワシの命令証じゃ。これがあれば、守備兵との間にゴタゴタが発生する事も無いじゃろう。ただし、終わったら返して欲しいんじゃがな」

イクス:あいっす。心得ました!

アルト:よし、じゃあバーンの首絞めて振り回してるトリーシャの横を抜けて走り出そう(笑)。

ロイド:ちょ、お前らこれどうにかしろよ!?(笑) ええい、落ちつけ師匠―――ッ!!?(爆笑)

シルフィ:だ、駄目ですよバーンさん!トリーシャさんは、体重と肌年齢と実年齢の話には人一倍敏感なんですっ!!(一同爆笑)
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:えーと、バーン君のHP大丈夫なんでしょうか。(一同笑)

ロイド:とりあえず担いできた!最悪アウェイクンでもかけてやるわ!!(笑)

シルフィ:南の城壁についたら、状況を見ますよー!どうなってますか!?

GM:そうですね。では、城壁の一部が破壊され、倒れているドワーフ兵が十名ばかり。まだ戦ってるの、その倍くらい。そして敵らしき姿が何体か見えます。

シルフィ:一大事じゃないですかッ!!?

アルト:識別するぞ、敵は何種類だ!

GM:はい、敵は8体で2種類ですね。

アルト:8体……よくぞまぁ、それだけの数を集めたものだな!

GM:ブルデは通れませんからね。山を抜けて少数精鋭で後方都市へ撹乱をかけに来たのでしょう。牛の頭で巨大なアックスを持ったゴツいのが6体、下半身がサソリで大きなハサミが付いた銃持ってるのが2体です。

イクス:うわあぁ、そんなの一般兵じゃ相手にならねー!?5Lvでも厳しいぞそれ!!?

アルト:識別してから叫べ、イクス!(ダイスを振る)……19と……指輪割って18!どうだ!!

GM:げ、それ両方とも弱点まで抜かれてます。こいつらの弱点、結構痛いのになー。

アルト:それが狙いだ!ミノタウロスとシザースコーピオンだな!?

GM:はい、正解です。データ見て良いですよー。
 

・ミノタウロス。7Lvモンスター。牛頭で斧持ってる、有名なアレ。全力攻撃や範囲薙ぎ払いを使う、重戦士型モンスター。練技も使用するし、このレベルにしては驚異的にHPが高い。11Lvのレッサーヴァンパイアとかより高い。
・シザースコーピオン。7Lv3部位モンスター。手にした銃で魔動機術を使い射撃してくる、アンドロスコーピオンの戦士種。下半身がサソリになっており、毒もあるわハサミもあるわで、近接戦もこなす面倒な敵。

 

シルフィ:ちょっとちょっと!?平均レベルの1と少し上のモンスターって、ワイバーンと言いこいつらと言い、立派なボスクラスじゃないですかー!!

GM/???:そして上空から、城壁に向けてファイアボールが撃ち放たれます。 「くははははは!!良いぞ人族ども、逃げ回れ!叫べ!絶望しろ!!」

ロイド:うぉ!?なんだこのステレオタイプな悪役台詞!!?(一同笑)

GM:上空を見ると、そこには大きな獅子の身体に竜の頭、山羊の頭、獅子の頭を持ち、背の翼で空を舞う……。

一同:ぎゃああああああああああああああ!!?

シルフィ:(ダイスを振る)で、出た!出目11、達成値20!?知ってます、超知ってます、知っちゃってます!!あれは、キマイラです!!?(絶叫)
 

・キマイラ。9Lvモンスター。有名な合成獣タイプモンスター。各々の頭ごとに強烈な特殊能力を持つ5部位モンスターであり、魔法にブレスに毒に練技に何でもござれ。しかも飛ぶ。当然の如く、このレベル(5〜6Lv)のPC達には荷が重い相手。
 

ロイド:何でンなもんがこんな場所に居るんじゃああああああああああ!!(絶叫)

アルト:(悟った声で)……間違いないな。こいつがワイバーン追い散らしたんだろう。いや、正確にはこいつらか。

GM/キマイラ:「…ん?くっく、また新しい餌が来おった」「わしらの食う分も残せよ、竜の」「俺は食いでのありそうなドワーフが好みなんだがな…」 と、三つの口が好き勝手に喋ります。

シルフィ:……な、なんとゆー絶望的な戦力差……。

ロイド:…まだだ。恐らく、ここに集まってるのが敵の全戦力!!“母将軍”は決して無能な指揮官じゃない!ここが陽動ではなく、本命だと知ればこちらに増援を寄こしてくれる筈!!

アルト:とはいえ、常ほどの迅速は望めまい。その判断を遅らせるためにも、奴らは街道を襲いドルデアの兵を他へ回さざるを得なくした。その上で、兵が少なくなったドルデアを落とすのが目的か。

トリーシャ:いえ、落としてもここは人族の領域のど真ん中。維持は出来ないわ〜……恐らく、削りか撹乱、恐怖を与えるのが目的かしらね〜?

GM:(……正解)
 

 さて、ネタばらしをしましょう。
 いろいろ後に繋がる部分は省くとして、この蛮族と協力体制を築いているキマイラが攻勢の指揮官です。
 その目的は、一度攻撃して手痛い打撃を与え、その後撤退。
 最終的にはその後ちょくちょくとちょっかいをかける事によるゲリラ戦によって、人族を精神的・物理的に消耗させる事となります。
 無論、これは後に続く他の蛮族の為の布石。単体では意味は無い……と言う程度は、看破されてる模様。
 撹乱は目的にあらず、その先の目的を果たすための手段と言う事ですね。
 
 そうである以上、キマイラは今回は顔見せです。
 1ラウンドだけ魔法を使って攻撃をかけた後撤退。これがGMの戦略です。
 このキマイラのみならず、シザースコーピオンも剣のかけら入り。
 キマイラは次シナリオ以降のボスとして顔見せだけ。今回のボスはミノ&スコーピオンとなります。

 

GM:見た感じ、精強な兵士の多いドルデア兵ですが、徐々に押し込まれてます。

ロイド:そらそーだ!ミノが6体にシザースコーピオン2体とか、英雄呼べ英雄!?

アルト:……GM、ドルデア兵の戦力は?

GM:南の城壁には現在元々居たのと駆け付けたので、30人ほどの兵士が居ます。が、うち10人ほどは倒れていて、死人も出てるでしょうね。腕利きも居るのでしょうが、ミノとガチバトルやってたりして、他の援護に向かう余裕も無さそうだったり。蛮族側も、健在な8体以外にも2体、ミノの死体が転がってるのが見えます。

アルト:ええい、ミノタウロスは範囲攻撃もあるから中途半端な腕前の兵士が群がっても屍が増えるだけだと言うに!!

GM:でも、止めなかったら城壁突破されますからねぇ。さぁ、命がけで自分達を食い止めていたドワーフ兵を切り捨てたミノタウロスが貴方達の方に向き直ります。シザースコーピオンのうち1体も、ドワーフ兵への射撃を止め、乱入してきた貴方達に狙いを切り替えたようですね。

シルフィ:く、来るならこーい!!?いや、止めてやっぱ来ないで!!?(一同笑)
 

◇VS蛮族集団&キマイラ◇
 

GM:さて、ではとりあえず、貴方達の方には3体のミノタウロスがお互いに距離を取りながら15mの距離に。その後方更に10mに、シザースコーピオンが居ます。

シルフィ:キマイラは!?

GM:貴方達の上、上空25mくらいとしますかねー。そこから城壁やドワーフ兵に魔法をブチ込んでました。貴方達の方を見て、嬉しそうににやりとしますが。

トリーシャ:……やだやだ、あれは捕食者の目ね。

ネリネ:同感です。そのツラ引っ叩いてやりたいですが、しかし上空だと私では如何ともしがたいですね。

GM:で、今回限りのレギュレーション。ドワーフ兵団で受け持ってる敵の数だけダイスを振って、合計値が5の倍数を超えるたびに向こうで1人倒れます。6が出れば死人が出ます。

イクス:何そのレギュレーション……。

GM:当然、向こうが0人になれば突破されて市街地が蹂躙されます。ラウンド開始のタイミングで、敵の注意をこちらに引く事で敵がドワーフから貴方達にターゲットを切り替えて、戦闘に参入して来ますので頑張って下さい。

ロイド:とにかく頑丈なミノタウロスをどうするか、だな。俺やお嬢の火力でも、少々どころじゃなくキツいぞ……ザクやジムみてぇにポンポン出すなよ、こんなの。

シルフィ:うう、なんだろう。量産型ビグザムに囲まれてる気分……。(一同笑)

イクス:とにかく先制取らんと話にならないっスね。ここで全てのリソースを吐いても取らねば……(ダイスを振る)……15!駄目だ、低いか……!?

GM:いえ、キマイラの先制値15が最大なので、そちらが先です。

ロイド:全員、短期決戦のつもりで戦えッ!!そういえばバーンとメルの能力は!?

GM:そうですね、データ渡しましょうか。バーンの種族も割れましたし、戦闘中比較的やることの少ないイクスさん、アルトさんお願いします。

イクス:うぃ、メル預かったっス。

アルト:ああ、バーンは管理しよう。……む、こいつ6Lvに上がってる!?

イクス:メルは5Lvファイターだけど、十分優秀っス。ミノを倒すのは無理でも、ひきつけるくらいなら……!!

GM:ふふふ、さて、では絶望的な戦いの開幕です!!

トリーシャ:やれやれ……とんだBorder of Life-生死の境界-ね!!
 

▽ラウンド1▽
 

 さて、今回は過剰な火力を持つロイド・シルフィ対策に前衛にミノを配置しました。
 ミノタウロスの単純なHPをもってして、シルフィやロイドの攻撃を「耐える」事を前提で、メインは後方からのシザースコーピオンの銃をアテにしています。
 キマイラは1ラウンド目にPCが怖がって攻撃を仕掛けてくるだろう「餌」のつもりでした。
 前述の理由から、自分の手番で撤退するんですからね。せいぜい、MPや手番を消費するが良い、はっはっはーとか思ってました。えぇ、思ってました。

 

アルト:……まずはキマイラをどうにかせんと、ジリ貧どころか2ラウンド目くらいで誰か死ぬな。

シルフィ:とにかくまず、キマイラに火力を集中しましょう!せめて山羊頭くらいは落とさないと……。

GM:(頭一個落ちても、拠点に戻れば治療できますからねー。……さぁ、MPと手番の無駄遣いをするが良い)

シルフィ:私の全てをここに賭けるつもりで……まず、補助動作でロイドにAランクのバークメイルをかけつつ、ビグザムからMP吸いながら、一発目!!先手必殺のファイアボール!!上空のキマイラにブチ込みます!!(ダイスを振る)おし、出た!ワイバーン戦の鬱憤を晴らすが如き、出目9で魔法達成値20です!!

GM:げ、それ抵抗抜けてますね。

シルフィ:指輪割るつもりでしたが、割らなくてOKになって良かったと言うかなんというか。でも結局割ります、知力増えたらダメージも増える!パリーン!!

GM:ちょ!!?本気で出し惜しみ一切なしですか!?

シルフィ:2個あるから、1個割っても知力変わらないんですよ!!弱点と合わせてダメージ+4、抵抗抜いたこともあって15+レーティング20……クリティカル出ろォォォォ!!(ダイスを振る)……うあ。何コレ。良い意味で!?

イクス:……すごっ!?

シルフィ:えーと……獅子頭にクリティカルで28点、山羊頭に17点……くそう、一番ダメージ出したかったところなのに。竜頭には21点、羽根にはクリティカルで27点、胴体に18点です!!

GM:……うぇ!?な、なにこの破壊力!!?
 

 想定外のラッキーヒットがいきなり飛び出します。
 コア部位である三つの頭のHPが軒並み20台にまで落ち込み、更に羽根に至っては一桁。
 『え?あ、やべ。これ羽根落ちたら撤退どころじゃなくね?』と、GMその時気付きました。


ロイド:うわ、何か物凄い火の玉撃ちあがったぞ今!!?(一同爆笑)

アルト:3m前進……スパァァァァァァァク!!(一同爆笑)

トリーシャ:続けてビリビリ行ったァァァァ!!(笑)

アルト:(ダイスを振る)……ぬ、出目5、達成値14。変転して、種族強化で出目+1されても19で抵抗は抜けんが……。

GM:(ほっ……)

アルト:…いや、ここは出し惜しみをしている場合じゃない!運命変転、更に指輪割る!これで21で抵抗抜けた!!

GM:ぎにゃああああああああああああ!!?(一同爆笑)
 

 想定外だったのは、火力と……必死さ。
 よもやここまで全リソースを投げ打っての一斉攻撃に出られるとは……いえ、ある意味当然なのかもしれません。
 GMは撤退するのが分かってますが、PLから見ればキマイラは倒さないと死ぬと言うレベルの敵。全力で来るのも当然です。
 出目も悪くない、どころかシルフィは絶好調です。このままじゃキマイラ、ヤバいんじゃねと思ったGM。今更です。超今更です。時既に時間切れです。
 そしてトドメに―――

 

アルト:弱点込みで、獅子の頭にピンゾロ、山羊の頭に13点、竜の頭に12点、羽根に13点、胴体に14点だ。

トリーシャ:(計算中)……お、羽根落ち……あれ。

GM:(虚ろに)……うん、これ。……落下……しますよねぇ。

イクス:……。キマイラ、物凄い勢いで墜落したァァァァァァァァ!!?(一同爆笑)

ロイド:落下ダメージ、落下ダメージは幾らだ!!(笑)

GM:え、えーと、25mだから75点ン!?ロイドさんのクリティカルより痛いじゃないですか!!いや、それを5部位で分割するとして……しても15点ずつ!?うわ、山羊頭落ちた!!?

一同:……ぃよっしゃああああああああああああああああああ!!
 

 歓喜の声。PCから10m程度の地点に落下するキマイラ。
 魔法を使う山羊の頭が撃沈されれば、残る頭はブレスと練技担当の竜と獅子。
 しかし、当然まだPC側のターンは終わってません。って言うか、まだ行動終わってるの二人。なんでキマイラ死にかけてるんですか。

 

アルト/バーン:で、ここでバーンが落下したキマイラに照準合わせてファイアボールだな。 「……っ消し飛べェ!!」(ダイスを振る)……チッ、抵抗は抜けなかったが……ダメージは獅子頭に9点、竜頭に8点、胴体に7点だ。

GM:うわ、竜の頭も落ちた!?獅子の頭も限界が見える!?

ロイド:よし、イクス!!

イクス:あいさ!魔晶石を削りつつフォース!!(ダイスを振る)…指輪割っても8点!浅いか……!?

アルト:すまん、さっき私が獅子頭にピンゾロなんぞ出さねば…。

ロイド:いや、羽根叩き落としただけで十分な戦果だった。……うし、今回は俺もフォースだ!(ダイスを振る)……3m前進しつつ、ダメージ7点!これでどうだ!!

GM:……駄目っ、それで獅子頭が……落ちた!?キマイラ轟沈!!なんで!!?

一同:うぉっっっしゃあああああああああああああああああ!!!
 

 大歓声。
 ……その中で、顔見せだけの次回以降のボス(予定)が1ラウンドキルされた事に呆然とするGM。
 …舐めてました。この人たち、勝つためならばアイテムの温存とかリソースの温存とか、一切考えずに来ます。
 
 そして、残る前衛のターン。
 
 後衛に接触されないように、トリーシャ、ネリネ、そしてメルがバラバラにミノタウロスの元に突っ込みます。移動力不足のネリネとメルは全力移動ですが。

 

トリーシャ:攻撃できるのは私だけ、ね〜。じゃあ、異貌化しつつガゼルフットを起動、両手の剣で斬りかかる!!(ダイスを振る)…よっし、動きの鈍いミノタウロスだから、当たる分にはよく当たるわね〜。ダメージ、アルケミストワークスの種族強化ボーナス含めて16点が2回よ〜!!

GM:む、ミノAのHPが結構削れます。って言うか……異貌を使うんですね?

トリーシャ:ええ、種族強化でダメージ+1が入るしね〜。角が伸びて、肌が青白くなるわ。伸びた角に弾かれて、帽子が落ちるわね。

ロイド:…師匠っ!?

トリーシャ:ふふ……心配してくれるのかしら〜?大丈夫よ、ちょ〜っと本気を出すだけ。ちょっとだけ、偏見の入った目で見られるかもしれないけどね。

ロイド:……うー、俺はどうするべきか…。

トリーシャ:少しでも悩むなら、やめときなさいな。これはそういう目で見られるリスクを背負った能力だからね〜。

GM:トリーシャさんは躊躇しませんでしたね…。

トリーシャ:恩人の街よ?守れないで、何が剣士かって話ね。全力を尽くすのよ、少なくとも私は恩を返すためにね。

ロイド:……うー。すまん、師匠。師匠だけ異貌させてるようで……。

トリーシャ:弟子の代わりに泥を被るのが師匠ですわ。―――なんてね。

GM:では、その麗しい師弟愛をブチ壊してくれるわー!ミノABC、目の前の相手に全力攻撃で斧を捻じ込みます。3体ともビートルスキン、マッスルベアー、キャッツアイを起動!!

トリーシャ:ガチ殴りに来たわね〜……(ダイスを振る)はい、私は回避。くるくるくる〜、っとね。

GM:ぬ。ですが残りのお二方は当たりですね?では、メルに24点、ネリネさんに23点のダメージです!!

イクス:で、でかッ!!?

ネリネ:…23点?流石にちょっと痛いです、10点抜けて残り50点。

イクス:メルは15点抜けましたね……めっちゃ痛そうなんですが!?

GM/メル:「うくっ!?こ、このぉ!!」

シルフィ:メルちゃん!?

GM:で、こっちのシザースコーピオンか……どうしようかな。後衛を狙いに行くのがセオリーなんですが、3m前に出て来てるロイドさんや、発生してる乱戦エリアが邪魔で射線が通りませんね。…ちょっと考えて、乱戦エリアの横を抜けて17m通常移動。前に出ます。

ロイド:む、後衛に射撃する位置取りを優先したか。だが、そこは俺の射程だぜー。

GM:まぁ、それでも考えはあるのです。シザースコーピオンだけ、知力「人間並み」ですしね。

イクス:で、ドワーフ兵団の運命が決まるダイスロールタイムっスね。

GM:ですね。さて、何人倒れるかなー、っと。(ダイスを振る)……6664?合計22?!

一同:うえええええええええええええええ!!?(絶叫)

ロイド:あかん、向こうで三人死んで更に一人倒れた!!?

イクス:ドルデアが、ドルデアの守備兵が!!?

アルト:…ハリボテか、ドルデアの守備兵。

イクス:普通、前衛でも20点クラスの攻撃を食らい続ければ落ちますって!!

GM:ドルデアの兵士は貴方達が来る前から戦い続けてますしねぇ。消耗してたのでしょう。

アルト:……なるほど。

ネリネ:これは少々、危険かもしれませんね…。
 

▽ラウンド2▽
 

シルフィ:とにかく、現状での敵の数を減らさないとどーにもなりません!!3m後退しながら補助動作でメルちゃんにAランクのバークメイルを起動しながら、魔晶石を叩き割って6倍拡大エネルギーボルトです!!ミノ3体とサソリ男の全部位に叩き込みます!!(ダイスを振る)よし、20!!

GM:抵抗できるかそんなん!!?

ロイド:絶好調だなお嬢!(笑)

イクス:しかし1ラウンドで700ガメル消費するんですよね、今のお嬢。(一同笑)

シルフィ:人命優先!人命優先!!(笑) ミノタウロスにはABCの順で20点、17点、16点のダメージ。サソリは胴体に12点、ハサミに14点、下半身に15点です!!

GM:ぐあ、毎回毎回派手にバラ撒きおって……!かなり痛いです、こっち。

イクス:で、俺も3m下がりつつ、魔晶石潰してキュア・ハートをメルに!(ダイスを振る)……よし、16点回復!

アルト:…イクス、お前本当にイクスか?優秀なプリーストに見えるんだが。(一同爆笑)

イクス:うっせえええええええ!!?(爆笑)

トリーシャ:これまでの回復量はアレだったからね〜(笑)。

アルト:で、プロテかスパークか……。

トリーシャ:イクス君が有能になったしねぇ。スパークで3部位持ってるサソリを焼き払った方が良いんじゃないかしら〜。

アルト:そうだな。では、そうするか。(ダイスを振る)…3m前進しながら魔晶石砕いて、達成値17でスパークだ!燃え尽きろ!!

GM:うげ、抵抗抜けてる…。

ロイド:3m前進なのか?

アルト:ああ。と言うより、サソリと他の後衛の間に射線を塞ぐように立ってる。これで、シルフィやイクス、バーンに攻撃を飛ばせまい。

GM:うげっ!?そんな、シザースコーピオンの華麗な作戦が!?(一同笑)

ロイド:穴だらけだぞ、その作戦(笑)。

アルト:ダメージは上半身に10点、ハサミに9点、下半身に12点だな。

GM:おおぅ……しまった、それ以前にこのままじゃ作戦発動の前に死ぬ。(一同笑)

シルフィ:って、今のでハサミ壊れないんですか?まさかこいつも、剣のかけら入り!?

GM:え?あ、うん。そうですね……。

シルフィ:……もしかして、さっきのキマイラって……いや、多くは聞きません。

GM:……うん。
 

 サークル随一のGM経験を持つシルフィPL、何かを察した模様。
 それはそうと、戦闘は続きます。
 メル、ネリネ、トリーシャは各々の担当するミノタウロスに殴りかかり、回避がパーなミノに攻撃を当て、それなりのダメージを与えます。
 あくまでそれなり。防護点10のミノタウロス、パンチ力に劣るネリネの攻撃などは僅か1点に抑え込んでます。メルとトリーシャは与えた実ダメージ9点。ミノ、まだまだ健在。
 
 そして、打撃力と言えばこの男。

 

ロイド:制限移動で3m前進して、シザースコーピオンを乱戦に巻き込みつつマルチアクション。補助動作でキャッツアイとヒートウェポンかけて、自分にセイクリッド・ウェポンかけてからシバく!命中は魔導鎧マルチアクションとキャッツアイとセイクリッドで+3入って、12スタートか……こりゃ上半身狙えるな。(ダイスを振る)うげ、出目4。命中16!!

GM:そ、それは辛うじて回避―――

ロイド:指輪割るッ!

GM:ぎにゃああああああああ!!!?

アルト:もう私ら、どれだけ消耗品使ってるんだろうなぁ、今回の戦闘(笑)。

ロイド:考えたくもねー。まぁ、命中が18になって当たりだな?ダメージは……(ダイスを振る)うし、クリティカルじゃなかったが上出来な弱点込み29点ダメージ!!

GM:ぎゃあ、ちょ、ヤバ!?

アルト:バーンにやって貰うか。でもこいつ、姉を殴ったミノにライトニング撃ちそうなんだが。(一同笑)

シルフィ:バーンさん、メルちゃんの援護にロイドを寄越します!その為にも、そこのサソリにファイアボールお願いします!!(笑)

GM/バーン:「あのクサレ牛、姉さんに何かあったらタダじゃ……っ、え?あ、はい!分かりました!!」(一同笑)

トリーシャ:シスコンねぇ(笑)。
 

 シスコン、魂の一撃。
 10点以上のオーバーキルで、シザースコーピオンはコア部位である上半身を炭にされて行動停止します。
 何しに前に出てきたこのサソリ。
 そして戦場に残るのは、無闇矢鱈と頑丈なミノタウロスが3体と相成りました。
 知能の低いミノ、目の前の敵に全力で殴りかかりますが……なんとメル、6ゾロで緊急回避に成功。
 トリーシャもギリギリで攻撃を回避し、ノーダメージ。
 ネリネが最大値に近い29点ダメージを食らいますが、

 

ネリネ:む、ちょっと痛いですね。HPが半分近くになってきました。

ロイド:まだ半分にすらなってない件。(一同笑)

シルフィ:ミノB終了のお知らせ。(一同笑)

アルト:少し余裕が出来てきたな(笑)。

GM:で、お楽しみのドルデア兵団消耗タイムです。(ダイスを振る)……お、また一人死んだ。合計17で、39点。ここまでで合計で7人倒れて、うち4人は死亡……大惨事ですね。

ロイド:……最悪、次の次のラウンド辺りからこっちで敵引き受けないとヤバくね?

シルフィ:って言うか、そのルールだとドルデア側ばかり消耗して、敵減ってなくないですか!?

GM:へ?ああ、そうですね確かに。……今気付いたや。では、残存ドルデア兵の数だけダイスを振って、その合計値がミノのHPに達せば1体沈むとしましょうか。サソリは後衛なので、最後です。

シルフィ:前のラウンドと今回のラウンドで36個ですね、ドルデア側。手分けして振っちゃいましょう!!

ロイド:おう!!
 

 そして、ざらざら振られるダイス。
 合計値は119。ミノは1体沈みましたが……。

 

シルフィ:4体のうちの1体倒す間に、ドルデアは20人のうちの7人が倒れてるんですね。

ロイド:……大丈夫か向こう。

アルト:……少し不安ではあるな。
 

▽ラウンド3〜5▽
 

 さて、魔法砲台が暴虐を振るいます。
 敵に遠距離攻撃の使い手が居ないため、安心して足を止めて固定砲台と化すシルフィ。
 魔法攻撃に弱いミノタウロスに魔晶石を叩き割りながらの拡大エネボ。
 MP4点でダメージ15点以上をざらざら量産する悪魔ここにあり。
 弾薬(魔晶石)が尽きるまで撃ち続けるつもりです、あの女。
 
 更に、イクスが3倍拡大セイクリッド・ウェポン。
 これで前衛の攻撃力がアップ。アルトは更に前進して全員にプロテクションを張り、徐々に補助態勢が整い始めます。
 
 そしてトリーシャの剣がクリティカルし、まだ20点ほどのHPを残していたミノAが撃沈。
 続けて、レグランス姉弟の連携(弟のライトニング+姉のグレートソード)で削れたミノCに、ロイドが走り込んで魔力撃。クリティカルもせずに33点とかフザけたダメージを叩きだして撃破します。
 ちなみにネリネの攻撃は出目5で達成値12と言う謎の数字を叩き出してミス。本来の命中考えると明らかに計算間違ってるネリネですが、このときは誰も気付いてませんでした。

 

ロイド:はーっはっはっは!脆い、脆いぞミノタウロス!!

トリーシャ:ふふふ、大したことないわ〜!!

GM:いや、そんな筈は無いんですが!?(笑)

アルト:相変わらずの火力馬鹿だな、オイ。

シルフィ:一気に戦線が崩れましたね。押し込みますよ!!

GM:くっ。生き残ったミノBはリカバリィ使いながらネリネさんに斬りかかって、ダメージ26点です!

ロイド:リカバリィなんて使えたか。これまで使ってなかったみたいだが。

GM:正直言うと、リカバリィにまでMP回してると、3ラウンド経過後に練技を幾つかかけ直せなくなるんですよ……。でも、AやCのようにMPを抱え落ちするよりは、使い切る覚悟でリカバリィした方が良いな、と気付きまして。

ネリネ:ちなみにHPが24になりました。あと1発は確実に耐えますが、2発は場合によっては危険ですね。多分大丈夫ですが……まぁ、自前でポーションもあるので、耐えるだけならどうにでもなります。

ロイド:…なぁ、なんでミノタウロスに3発殴られてもピンピンしてるんだ、こいつ。(一同爆笑)

アルト:知らん、知りたくもない。(一同笑)

ネリネ:マジカルネリネちゃんスターは重装備による防御性能と自己修復機能に優れた、拠点防衛型魔法少女です。

トリーシャ:あの、ね?ネリネ、それどう控え目に言っても、魔法少女のコンセプトじゃないわよ〜?(一同笑)

シルフィ:それはそうと、ドルデア守備兵の方は大丈夫ですか?

GM:うん、えーと、今残りミノは2体に、サソリ1体だっけ。(ダイスを振る)あ、1人死んで2人倒れた。なんでここでばっかり出目でかいの私!!?(一同爆笑)

シルフィ:(ダイス振る)…ど、ドルデア側の出目が冴えない……13個で30ですか…。

GM:あ、こっちまだ3体残ってますねぇ。

シルフィ:イヤ――――っ!!?このままじゃドルデアの兵力が、精兵がーっ!!?

ロイド:うーむ、流石に7Lvモンスターってなると正騎士レベルだしなぁ。精強っつっても一般兵にゃ荷が重いか。仕方ない、4ラウンド目にこっちで残り全部引き受けるぞ!!

アルト:全部か。まぁ……前衛は4人居るしな。ミノ2体とサソリが1体追加されたところで、どうにでもなるか。

GM:……うぇぇ。

シルフィ:ここは私達が引き受けます、ドルデア兵の皆さんは後退してくださーい!
 

 そして4ラウンド目に、戦闘マップに移動してくるミノ2体とシザースコーピオン。
 纏まって出てきたら範囲魔法の的なので、バラバラの位置に登場させました。
 しかしバラバラならバラバラで、火力を集中させられないのでパンチ力不足でPCに致命傷を与えられない事にGMはまだ気付いてませんでした。
 
 更には、ミノのうち1体はドルデア兵との戦闘でほぼ瀕死(HP15)な始末。
 そこに走り込んだトリーシャ、両手の剣を振り一瞬で葬ります。

 

トリーシャ:ふふっ。悪いわね〜?

アルト:好調だな、トリーシャ。負けてはいられんか。

シルフィ:敵はミノBとミノEとシザースコーピオンBですね。合計3体5部位……くっ、MPが!?アパァァァァム!弾持って来い!!(一同爆笑)

ロイド:なんだよいきなり!?(笑)

イクス:ああ、魔晶石切れっスか!?ええい、GM!主行動でお嬢に魔晶石をあるだけ渡すっス!!ネリネさん、回復は自前で!!

ネリネ:はい。マジカルネリネちゃんスター、自己修復です。(ダイスを振る)……うん、ポーション一気で13点ほど治りました。ほぼミノの攻撃一発分ですね。

ロイド:…通常のヒーリングポーション一本で、ミノに一発殴られても平気なくらい回復するんだな、お前。

シルフィ:シザースコーピオンの上半身とミノ2体に3倍拡大エネルギーボルト!この戦闘4つ目の魔晶石割って、ついでに補助動作でトリーシャさんにBランクのバーク・メイル!!(ダイスを振る)魔法達成値は出目6で17ですが……。

GM:ぐ、それでも抜けてます!!

シルフィ:よっしゃ!ワイバーン戦が嘘のような好調ですね、今回!ロイド、後で頭なでなでしてくださいッ!!(一同爆笑)

ロイド:……ぇー。

シルフィ:あ、頭で不満なら胸撫でても良いですよッ!!?(一同大爆笑)

ロイド:お前は戦場全てに響き渡る声で戦闘中に何言ってるんですか!!?(一同大爆笑)

GM/バーン:「……ロイドさん…」(一同爆笑)

ロイド:そんな微笑ましい目で見るなァァァァ!!(一同大爆笑)
 

 そんなやり取りが出て来る辺りで、既に余裕。
 余裕ブッこきながらも、砲台は一切手を抜かず火力支援を続けていますが。
 シザースコーピオンBはAと違って剣のかけらも入ってない、そもそもPC達が戦ってる間にドルデア側で暴れてるだけの予定のモンスターでしたので、耐久力はさほど無し。
 コア部位の上半身に攻撃を集中されると、一気に危険になり始めます。
 シルフィの攻撃でHPが削れた所に走り込んだロイド、レーティング45に追加ダメージが23とか言うフザけた破壊力を以て一閃。サソリ何も行動せず轟沈。今回の2体のシザースコーピオン、お前らホント何しに出てきた……。
 
 メルは全力移動でフリーのミノEに突っ込み乱戦を構築します。
 大剣担いで戦場を走り回るロリドワーフ。前衛4名の中で唯一の5Lvでありながらも、頑張ってます。
 そして、アルトとバーンは魔法収束をかけたスパークと魔法制御のかかったライトニングで、双方抵抗されるもネリネの前のミノBのHPを凄い勢いで削っています。

 

アルト:私、今回補助よりも火力支援してる事が多い気がするんだが。(一同笑)

イクス:このパーティー、何よりも火力優先っスからね……(笑)。

ロイド:コンジャラーがスパーク乱射するのが毎度だからな。……肉弾戦より良いが。

アルト:一度、ミノタウロスと戦ってみたい気もするが……。(一同爆笑)

ロイド:良いよお前、もうグラップラーにでも目覚めて自分より強い奴に会いに行けよ!?(一同爆笑)
 

 この時点で、完全にGM側は詰み。
 ミノEがメルにそれなりのダメージを与えるも、イクスのキュア・ハートで次のラウンドにほぼ治癒されてしまいます。
 ネリネに至っては、プロテ&バーク・メイル&ビートルスキンにより防御力16の鋼鉄城塞と化しています。24点のダメージを1/3にまで減らし、「あ、HPが29になりました。半分以下ですね」とのたまう始末。
 増えてる。さっきHP24まで減らしたのに。ミノの全力攻撃よりもポーションの回復量の方が多いよこの要塞。
 
 そして瀕死で要塞に挑んでいたミノBも、5ラウンド目になり……1点の使い残した魔晶石を握り潰しながらのシルフィの最後の拡大エネボで沈没。
 MPが0になった魔法砲台シルフィ、今回の戦闘5ラウンドで垂れ流した魔法の合計ダメージは、なんと337点。ラウンド平均70点近い実ダメージをブチかまし続けていた計算になります。そらミノやキマイラもばらばら落ちるわ。
 
 尚、5ラウンドで使った消耗品は魔晶石とカードと指輪で、合わせて3220ガメル。
 絶対に後先考えてません、本当にありがとうございました。
 
 で、残ったミノEの元に前衛が全員駆け寄り、スーパータコ殴りタイム。
 僅かにHPを残すも―――

 

アルト:スパーク。

GM:ぎにゃあああああああああああああああ!!?
 

 …かくて、GMの想定を色々な意味で上回った今回の戦闘は、終了しました……。
 

◆後始末と、勝鬨と◆
 

GM:えー……では、多くの犠牲を出しながらも、ドルデア南城壁の防衛戦は幕を閉じます。

ロイド:おーい、大丈夫かコレ。ドルデア兵でまだ息ある奴にキュアかけて回るぞ、俺。

シルフィ:ふっ、MP0まで絞り出した私はもう何も出来ません。

ロイド:良くやった、後始末が終われば頭を撫でてやろう。

シルフィ:えへへへ……楽しみにしてますっ!

イクス:ていうか、お嬢以外はみんなそれなりにMP残ってるんスねぇ。俺も治療手伝うっス。5Lvプリーストっスよー、重傷の人はこっちにどうぞー。

アルト:意外とどうにかなるもんだな。

GM:……何故ー!!?今回厳しいバランスにしたつもりなのに、顔見せだけの予定だったキマイラまで撃墜されたのは何故ー!!?(一同爆笑)

アルト:ああ、道理でキマイラなんぞが出てくるわけだ(笑)。

GM:的散らし用のデコイ兼顔見せのつもりだったんですよぅ。……ううう、さようなら次回のシナリオ。改めて作り直そう。

シルフィ:いや、一歩間違ったら崩壊してたレベルだと思いますよ今回(笑)。では、私もMP切れてますが、及ばずながら治療を手伝いますか。応急手当なら出来ますし。

GM:で、そんな事やってると、少しだけ懸念の籠った視線を向けられている事に気付きます。貴方達に……というか、トリーシャさんにですね。

ロイド:……うあー。

トリーシャ:ナイトメアは忌避されるからね。まぁ……仕方ないわ〜。分かっててやった事だしね〜。とりあえず、主動作で異貌を解除。 帽子は戦場に落としちゃったし……多分もうかぶれないわね〜。あれ、高かったのに。

アルト:……比較的、冒険者の間では忌避されにくいが……それにしても、この視線はアレだな。同じ戦いが生業の兵士でも、やはり偏見はあるか。

シルフィ:うう……何か言ってやりたいけど、死人がごろごろ転がっているこの状況で言いだすわけにも…。

トリーシャ:構わないわ〜。まず、怪我人の治療とか……そう言う事を先にやってしまいなさいな。

GM/メル:「……う〜〜〜〜〜っ!!」 と、メルもこの雰囲気には覚えがあるのでしょう。今回は自分の弟ではありませんが、友達が忌避されていると言う事で、お怒りのようです。だからと言って、何が出来るわけでも無い事も知ってしまっているようですが。

ロイド:……目を伏せています。

GM/バーン:「………」 バーンも同じような感じで、目を伏せて無言にしていますね。

アルト:……やれやれ、敵の撃退に成功したのに勝鬨の一つもなく仲間の治療に奔走するでもなく、むしろ協力者に疑念を向けるか。ドルデアの精兵とやらも、たかが知れるな。 皮肉げに言ってやるか。

シルフィ:あー……言っちゃった(笑)。

ネリネ:そうですね。優先順位を間違えてるのは事実ではないかと。 真顔で頷きます。こっちは素(笑)。

GM/ドワーフ兵:「なんだと……!?」 と、ドワーフ兵のうち血の気の多そうな何人かが立ち上がりますね。

アルト:ふん、敵も倒せず味方を疑う事ばかり達者、そしてプライドばかり高い。救えんな、貴様ら。

シルフィ:あ、あああ……(笑)。

ロイド:おい、アルト……。

アルト:黙れ阿呆が。私は私の仲間にこのような態度を取る連中に向ける善意や誠意など持ち合わせてはおらん。文句があるなら来い、相手になってやる。

イクス:……じゃ、治療を切り上げて兄貴の横に並びますかね。肩すくめて、にやりと笑いましょう。

ネリネ:では、不穏な空気を感じて魔法少女ねるねるネリネは腰の斧に再度手をかけましょうか。

アルト:……ふん。どうしたドルデアの精兵、忌避する相手やその仲間に獲物を取られ悔しくはないのか? ああ、挑発すんの楽しいなオイ!すげぇ脊椎反射で喋ってるよ俺!!(一同爆笑)

イクス:お嬢も何か言ってやったらどうっスか?ほらほら(笑)。

シルフィ:え?えーと、うん。それじゃ……バーカバーカ!!(一同大爆笑)

ロイド:……知力ボーナス5の言う言葉かこれ(笑)。

トリーシャ:っていうか、完全に一触即発よねこれ(笑)。

GM/フルメリ:「……何をしておるか、貴様ら!!」 と、そんな危険な空気になり始めたその場に、怒号が響きます。ドルデアの内部から完全武装の兵士を率いて出てきたのは、フルメリですね。どうやらこの場所の攻撃が本命と悟り、部下の精鋭を連れて駆けつけてきたようです。

トリーシャ:……あー……フルメリさんだ。 そっち向いて、苦笑いを浮かべます。

アルト:遅い登場だな“母将軍”。部下の教育がなってないのではないか?協力者に対して疑いの視線を向ける兵とは、大した精兵だ。

GM/フルメリ:「何を――――っ!?」 怒鳴り返そうとしたフルメリは、帽子を捨てて苦笑を浮かべてるトリーシャさんを見て事態を悟ったのでしょう。アルトさんに向けようとしたのに倍する怒りを、ドワーフの兵達に向けます。 「……お主ら、わしの友人になんぞしおったのか?」 その言葉に、ドワーフ達は顔を真っ青にしますね。自分達が嫌悪の視線を向けてた相手が……自分達の敬愛する将軍が友人と呼ぶ人物だと分かったようで。

トリーシャ:ん、何でもないですわ。 笑みを浮かべて、フルメリに歩み寄ります。 相変わらずの鬼将軍っぷりですわね〜?それより、死傷者の収容と治療が先ではなくて〜?

GM/フルメリ:「……そうじゃな。全隊、さっさと動け!!……返事はどうした、タマ落としたかッ!!」 と、フルメリの一喝により、慌ててドワーフ達が動き始めます。それを見ながらフルメリは溜息をつき、傍のトリーシャさんにだけ聞こえるように呟きますね。 「……すまんの」

トリーシャ:あら、私は嬉しかったですわ。貴方に「友人」と呼んでもらえるなんて、ねぇ?てっきり貴方の中じゃ、まだ出来の悪い小娘のままかと思ってましたわ。

GM/フルメリ:「……ふん。弟子まで取って、ミノタウロスまで退ける奴を小娘呼ばわりはせぬよ。まぁ、まだまだわしには遠く及ばんがの?」

トリーシャ:ええ、ええ。心得ておりますわ。貴方は今でも私のトラウマですもの。 と、微笑を浮かべましょう。

GM/フルメリ:では、フルメリはそれに対してシニカルに笑みを浮かべます。 「…ま、よかろ。それはともかく、相当な被害が出たようじゃな……」

イクス:うぃ。重傷者は治療したっスけど、死人は俺じゃどーにもならんっス。

GM/フルメリ:「……頭が痛いわ。…それに、どいつもこいつもわしより早く逝きおって」

トリーシャ:……年長者は辛いものですわね。

GM/フルメリ:「それが分かるようになっただけ、成長じゃな?トリーシャ。……ともあれ、恐らくお主らへと依頼した件はこのキマイラと蛮族どもが原因じゃろう」

アルト:…となると、依頼は達成か。

GM/フルメリ:「うむ。今は無理じゃが、後日詰め所まで来てくれれば報酬を渡そうぞ。すまんが、被害の確認と後始末もある。いつまでもお主らに構ってもいられん。わしはもう行くでな」

トリーシャ:ええ。頑張ってくださいましね〜? 軽く手を振って、それを見送りましょうか。 それじゃ、皆。とりあえず、メルちゃん達の家で休みましょうか〜?

GM/メル:「うんっ!けど、トリーシャさん凄いんだね!あのフルメリ様にお友達って言われるなんて…」

トリーシャ:ふふっ。長く旅して、いろんな人と知り合ってるとね。嫌な事も一杯あるけど、良い事も一杯あるのよ。ナイトメアでも、受け入れてくれる人が見つかったりとか……ね?

アルト:……ロイド。

ロイド:……ンだよ。

アルト:大した奴だな、貴様の師は。

ロイド:あー……だろ?敵わんね、やっぱり。戦闘云々じゃなくて、在り方が。 と、苦笑を浮かべて返そう。結構本音である。

イクス:んーじゃ、祝勝がてらに肉でも食いたいっスねぇ。なんか、ミノ見てたら牛肉食べたくなってきた。(一同爆笑)

ロイド:…お前の弟分も相当だな?(一同笑)

アルト:……まさか、死闘の後にまず肉と言いだすとはな(笑)。私はむしろ、ミノ見てたおかげで当分牛肉は食べたくない気分なんだが(笑)。

シルフィ:じゃあ、肉は避けてキャッサバですね。(一同爆笑)

ロイド:何故そこでブラジル国民熱狂のインディーズベジタブルが出る!!?(爆笑)

シルフィ:バイオ燃料としての有用性で名を馳せた、味気なさでは定評のある根菜です。その剥き出しの亜熱帯に期待をしましょう。(一同大爆笑)

イクス:何の期待!!?(爆笑)

シルフィ:無論、乾杯は青汁です。(一同爆笑)

ロイド:だから何故勝利の祝杯とパーティーが緑黄色地獄(グリーンヘル)なのか。(一同爆笑)
 

 さて、ナイトメア故の色々などが起こりつつ、なんかトリーシャさんが主人公だったかもしれない今回。
 戦闘は1R目の序盤でGMの目論見が完全無欠に破砕され、なし崩しに大量の7Lvモンスターと戦わせてしまった今日この頃。
 レグランス姉弟の存在もかなり印象付けられただろうけど、印象付けるため&能力を把握して貰う為に戦闘にまで参戦させたのが悪かったのでしょーか。
 まぁ、GMの予定を冒険者達は完膚なきまでに破壊してくれたので、ある意味で「大成功」と言えるであろうセッションでした。
 

・獲得経験点:2500+各々の1ゾロ分
・獲得報酬(パーティー合計):3000(隊商護衛・前払い)+28500(フルメリの依頼)+7875(戦利品)=39375G
・使用消耗品:魔晶石5点×8+魔晶石1点+知力増強の指輪×4+器用度増強の指輪+マテリアルカードAランク×3+Bランク×1+ヒーリングポーション+魔香草×2+救命草×2=7580G
 

 ……経験点が凄い事になっている件。7Lv4部位モンスターが1体、7Lv3部位が2体、7Lvモンスターが5体、9Lv5部位モンスターが1体……(7×15+9×5)×10だから間違ってないのか……間違ってて欲しいけど。
 そして、消耗品のほぼ半額をシルフィ一人で使ってる件。魔法砲台は極めて燃費が悪い模様です。
 
 まぁ、とりあえず。
 キマイラ落とされたんで、色々と想定が崩れまして。
 次回のシナリオどうするかなーって思いつつも、ともあれこれにて一先ずは。
 

                  ……ミッションコンプリート!!

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