◆SW2.0キャンペーン 駆け出し冒険者のためのセプテット 第八話◆
◆成長報告◆
GM:さて、今回はちょっと少ないメンバーでのお話ですが。
ロイド:ちょっと少ないと言うか、モロに二名だな。
アルト:……それも、貴様とか。最悪のタッグだな、脳軽従者。
ロイド:うるせぇぞ根暗眼鏡。こっちの台詞だコンチクショウ。
GM:……相変わらず頭痛がするほど素敵なコンビネーションですね(笑)。
アルト:と言うか、メンバーが少ないが前回貰った報酬の分配はどうするんだ。
ロイド:前回終了時で、未分配の報酬は……10300Gだっけか。
アルト:それを6で割って、1716と端数が4だな。……私とお前で1716ずつ貰って、残りの6868Gは共有財産としてどっかにメモしておこう。
GM:で、前回の経験点はキャンペーン序盤の終幕と言う事で2690点です。
アルト:……滅茶苦茶増えたな。
ロイド:なんだかんだで、690点分も戦闘で稼いでるしな。
GM:基礎値2000点にしたんですよね。今回から1000点に戻ります。で、まぁ話は前回のエンディングの翌日。まだ、貴方達の拘束は解除されてません。まぁ、もう後は文官の作る書類の完成待ちくらいの勢いですんで、トリーシャさんなんかは「無料で宿泊出来て三食昼寝付き、素晴らしい身分ですわ」と仰って自堕落ライフを満喫していますが。
ロイド:……師匠らしいと言うか、何と言うか。
アルト:で、私らはそんな中で何かあるのか?
GM:その辺りはシナリオが始まってから説明いたしましょう。まずは成長報告をお願いします。
ロイド:うむ、なんかやたら経験値あるから、出来る事が多いなぁ。
アルト:……まぁ、ある意味やることは決まってるが。
そして、毎度おなじみ成長&買い物タイム。
今回は二人なので、あっさり終わり―――
ロイド:さて、じゃあ順番的に俺からか?あー、ロイド・クラリクロイツ。上がった能力は器用度で、買ったアイテムは器用度増強の腕輪と器用度増強の指輪だ。指輪は割る用。専用武器+腕輪で器用度に+4の補正が入る事になるな。あと1器用度が上がればボーナスが+4だ。
アルト:貴様はまず、当てること優先だからな。どんな攻撃も当たらねばそれまでだ。
ロイド:うむ、如何にして命中率と打撃力を両立するかがファイターとして最大の懸念だな。それもあって、今回からエンハンサーを1Lvで習得。キャッツアイを覚えた。あと、ファイターが6になった。それと、イスカイアの魔導鎧を専用化しておく。
アルト:当てる事に命をかけた成長だな…(笑)。
ロイド:あとは早めに器用度を上げたいんだが、まぁ、そう上手くはいかんわな。
GM:ダイス目次第ですよね。まぁ、貴方とシルフィさんはホント恵まれた成長してますけど。
アルト:そうだそうだ。今回私、生命力上がったんだぞ生命力。(一同笑)
ロイド:筋力や器用度よりはマシだろ、魔法使い(笑)。
名前:ロイド・クラリクロイツ
種族:ナイトメア 性別:男 年齢:20 生まれ:神官
身長:188cm 体重:84kg 髪の色:漆黒
能力値ダイス:技6 体14 心10 A10 B7 C6 D6 E9 F7
最終能力値:器用度19+4 敏捷度13 筋力23+2 生命力20 知力20 精神力18
保有経験点:360
合計名誉点:119
保有名誉点:4
HP:38 MP:27
冒険者技能:ファイター6 ライダー1 プリースト/グレンダール3 エンハンサー1
戦闘特技:武器習熟/スピア 魔力撃 マルチアクション
習得練技:キャッツアイ
習得騎芸:攻撃指令
乗騎:レンタル取りやめ
装備:専用パイク+1 専用イスカイアの魔導鎧 ブラックベルト
予備装備:マトック ロングスピア
所持品:冒険者セット 聖印 バンダナ 保存食×3食 器用度増強の指輪 器用度増強の腕輪 筋力増強の腕輪 ロープ10m フック くさび10本 小型ハンマー
所持金:220
攻撃性能の追及に余念が無い、ナイトメアの神官戦士。
魔法の専用パイクによる魔力撃は、対単体に於いてはパーティー最大のダメージソースである。
命中させる事に命を賭けた成長をした彼。GMの明日はどっちだ。
GM:では、その生命力が上がったアルトさん、よろしくお願いします。
アルト:ああ、アルト・ディオスクロイツ。成長はさっきも言った通り生命力だ。上がった冒険者技能は、コンジャラーが6に。セージが4になった。買ったアイテムは5点の魔晶石を3個だ。
ロイド:コンジャラーが6って事は、接近戦が出来るようになるんだっけ?
GM:……貴方は何を言ってるんですか。(一同笑)
ロイド:いや、触れた相手のHPを吸収できる魔法。
アルト:ああ、ドレインタッチか。確かにあれがあれば、疑似的に前衛も出来るな。回避は出来んが。
GM:だから何でそんな前に出る気満々なんですか、貴方は!!?(一同笑)
名前:アルト・ディオスクロイツ
種族:人間 性別:男 年齢:20 生まれ:学者
身長:173cm 体重:60kg 髪の色:金
能力値ダイス:技5 体7 心9 A5 B6 C5 D7 E9 F7
最終能力値:器用度10 敏捷度11 筋力13 生命力16 知力20+1 精神力18
保有経験点:560
合計名誉点:119
保有名誉点:104
HP:34 MP:36
冒険者技能:コンジャラー6 セージ4
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離 魔法収束
装備:メイジスタッフ ソフトレザー
予備装備:ピック
所持品:冒険者セット ランタン 火縄壺 油×3 6人用テント 調理器具セット 食器(5人前) 魔化された樫の枝×4 可愛くない人形×2 知力増強の指輪 魔晶石5点×3
所持金:225
遂にイクスを抜いてパーティー単独3位の生命力を持つに至った専業魔法使い。
後方支援型の筈が、妙に前に出てくる印象が強いのはどうしてだろうか。
ロイドとは何だかんだで良タッグな気がする。本人達は全力で否定するが。
◆魔術師の青年といつものタッグ◆
GM:さて、では前回の終了から1時間後です。
ロイド:早いなおい。(一同笑)
アルト:前回は……確か、王様から金を貰ったんだったか。恩賞。
GM:です。で、明後日くらいには書類処理も終わるんで出てって良いよと言う話を、騎士団の人が教えてくれました。
ロイド:なぁ、師匠。頼むから無料だからって、肉ばっかりおかわりするのは止めてくれ。弟子として悲しくなる。野菜も食え。(一同爆笑)
GM/トリーシャ:「なによ〜、ごぼう天食べられない癖に」(一同笑)
ロイド:昔子供の頃あれ口に入れて思い切り吸ってみたら、練り物のロックが甘くて中身が飛び出して喉に直撃してカッフォッ!ってなったんだよ!!(一同爆笑)
アルト:鍋用に長めに切ったネギでもそうなるな。
ロイド:あるある。
GM:ねーよ。(一同爆笑)
アルト:で、何かあるのかGM。無ければ私は与えられた部屋で読書に勤しんでいるぞ。
GM:読む本が尽きました。
アルト:出かけよう!!(一同爆笑)
ロイド:一瞬のラグも無かったなオイ!?(笑)
GM:まぁ、魔法王の遺産と呼ばれるミラボア王国には劣りますが、レガリアも魔動機文明の研究の盛んな国。魔動機文明時代の本ならば、王立図書館やらマギテック協会に行けばあるでしょう。
アルト:うむ、まぁ……別に以前読んだ本を再度読み直したり、セージが4のコンジャラーが6にもなってるんだから、自分で論文の真似事のような事も出来そうな気もするが……折角レガリアの首都、マントワーズにいるんだ。図書館にでも出向くとしようか。
GM/ネリネ:そんな感じで出かけようとしているアルトさんに、厨房から出てきたネリネさんが話しかけて来ます。「アルト様、お出かけですか?」
アルト:ん?ああ、王立図書館にでも本を読みに行こうかとな。
GM/ネリネ:「でしたら、食料品の買い出しをお願いしても宜しいでしょうか。逗留中に侍女の方々からレガリアの郷土料理について教わりましたので……その中で、保存食として使えそうなものがありましたので、今のうちに作り溜めしようかと」
アルト:……なるほどな。心得たが、急ぎか?
GM/ネリネ:「今晩帰って来る時にでも持って来てくれれば構いません。ただ、マスターがお気に召したようなので少々多めに作りたいので……」
アルト:大人買いか?
GM/ネリネ:「そうなります。で、私は仕込みがありますので手が離せませんので……」 と、ネリネさんは厨房の中へ向けて手招きをします。さて、ロイドさんの出番です(笑)。
ロイド:俺か!(笑) あー、じゃあ呼ばれて出てくる。 なんだよネリネ、何かあんのか?
GM/ネリネ:「実は―――」 と、アルトさんにしたような説明をもう一度します。 「と、言うわけで、かさばりそうですので、お二人に買い出しをお願いしたいなと」
アルト:……よりによってこいつとか。
ロイド:パス。チェンジ。イクス呼んで来いよ、イクス。
GM/ネリネ:「イクス様は、ロドリゲスさんについてマスターがトリーシャさんに口を滑らせて……で、トリーシャさんがある事無い事、主に後者九割捏造込み込みでメイリィさんに吹き込みまして、今現在修羅場です。客間のほうで」(一同大爆笑)
ロイド:巻き込まれないうちに逃げるぞ、アルト!(一同爆笑)
アルト:心得た!しかし貴様の師匠が関わると本当にロクな事にならんな!?(笑)
ロイド:強気で否定できねぇ!?(笑)
GM/ネリネ:「食材については、メモを取りましたのでお渡ししておきます」 と、何度も表面を削った痕のある薄い木の板を渡して来ます。
ロイド:木の板?
GM:羊皮紙は高いですし、紙はもっと高いです。ちょっとしたメモくらいなら、木の板に書いて終わったら削れば再利用できるという、中世ファンタジー世界の智恵ですね。
ロイド:そういう細かい演出には感心する。じゃ、それを受け取ったらさっさと屋敷を出よう。
アルト:そういえば、イクス以外の二人と言う選択肢は出なかったな。
ロイド:二人?ああ、お嬢と師匠か。……なぁ、アルト。あの二人と買い物に行って、無事に済むと思うか?(一同爆笑)
アルト:いや、思わんな。「ロイドロイド、あっちに美味しそうな物があります!」とか言いながら興味の赴くままはしゃぐシルフィが簡単に思い浮かぶ。(一同笑)
ロイド:まぁ、そっちはそうだわな。あの細腕じゃ大量の食材運ぶのも厳しかろうし。で、師匠は?
アルト:想像を超える何かをやらかす図が想像できないが予想出来る。(一同笑)
ロイド:全くだ。……つーわけで、不満だが、誰か二人で買い出しとなると一先ずお前と組むしか無いわけだ。
アルト:全く以て心外だがな。
GM/青年:そんな心温まる会話をしながら、逗留している屋敷を出るとですね。昨日までとは違う人が、立っています。白っぽい金髪に赤い目で、帽子を被った……17,8歳くらいの男性ですね。「お出かけですか?」
ロイド:…ま、見張りが交代したのかなー程度の感想だわな。
アルト:ああ、出かけさせて貰いたいのだが構わないか?
GM/青年:「この場合、僕は貴方達に同行するのが仕事なの……かな?引き継ぎも適当にされちゃったもので……すいません」 ちなみに青年、騎士とか兵士の格好ではありませんね。ソフトレザーにメイジスタッフ……ぶっちゃけ魔法使い系装備です。
ロイド:……およ?お前さん、騎士団とか兵士とか、そういう関係者じゃねーの?
GM/青年:「いえ、その……内緒ですよ?」 と、苦笑して教えてくれます。 「昨日までここに立ってた人、昨晩恋人と喧嘩したとかで……友人の僕に仕事を押し付けて、恋人の機嫌取りに奔走してるんですよ、今」
ロイド:……そりゃ、お疲れさん。お前さんも、昨日までここに居た奴も。
アルト:……監視が本当に名ばかりの仕事になってるな。
GM/青年:「そりゃ、まぁ。……事情は聞いてますし、簡単な説明も受けてますが……貴方達、逃げる理由無いでしょう?」
ロイド:まーな。
アルト:ネリネに至っては騎士団仕えの侍女に郷土料理を習っている有様だからな…。(一同笑)
ロイド:明後日には解放されるし、タダで飯も出るしなぁ。騒乱罪って事で怒られたけど、それ以外に何かあったわけでもねぇし。
GM/青年:「10:0で向こうが悪かったですからね。手段は確かに荒っぽかったですが、それでも無関係の人に怪我人や死人を出さず事を収めたと言う点に、王が感心していたと騎士団の方が言ってましたよ」
ロイド:ああ、うん……感心されたね。俺はホント驚いた。(一同笑)
アルト:……アレ一応お忍びなんだろうな。言わない方がいいだろうな、多分。
ロイド:だな。まぁ、それはそうと青年。悪ィけど、ちょいと俺らこれから街まで買い出し行くけど、仕事だろうし同行願えるか?
GM/青年:「構いませんよ。えーと……」
ロイド:ああ、ロイドだ。ロイド・クラリクロイツ。ロイドで良いぜ。
アルト:アルト・ディオスクロイツだ。青年。
GM/青年:「ああ、ありがとうございます。そう言えば、名乗ってませんでしたね。僕はバーン・レグランス。レガリアに所属する冒険者です」 と、青年改めバーン君はにこりと笑いました。
ロイド:で、ほぼ同時に屋敷の方からイクスの魂が消えるような悲鳴が聞こえてくる。(一同爆笑)
アルト:……合掌。さて行くか。(一同笑)
GM:……大概ヒドいですね、あんたら(笑)。
◆買い物道中とちょっとした事件◆
さて、買い物自体は平穏無事に進みます。
一国の首都であるマントワーズ、地元民と言うほどではありませんが、そこそこ詳しいらしいバーン君に案内されながら、観光がてらふらふら歩いていたり。
ロイド:……あー……なんか久しぶりの平穏。
アルト:同感だ。貴様らと冒険を始めてまだ一月足らずな筈が、これでもかと言うくらいに事件のオンパレードだ。貴様との付き合いも、もう要らんというほどに長く感じる。
ロイド:そいつは同感。それよかお前、図書館良いのかよ図書館。
アルト:俺と貴様が分かれて歩いては、バーンに迷惑がかかるだろうに。監視を行う人間は一人しかいないんだ、まさか分身させるわけにもいくかい。
ロイド:いや、バーンが甲賀の出という可能性も。(一同爆笑)
アルト:あるかボケ(笑)。
ロイド:まぁ、それはそうと。頼まれた材料を買っていくわけだがGM。
GM:はい?
ロイド:材料費はどこから出るんだ?(一同笑)
アルト:……おい、ロイド。幾らある?(笑)
ロイド:……220だな。
アルト:私は225だ。余りネリネ御所望の品が高値では無い事を祈ろう。
ロイド:って言うか、お前は何でそんな金使ってんだよ。分配されただろ貰った報酬。
アルト:こっちの台詞だ馬鹿野郎。私は消費した魔晶石の補充があるんだから仕方ないだろう。
ロイド:こっちだって器用度増強の腕輪とか買って戦力補強に頑張ってンだよ。
GM/バーン:「……お二人、放っておけばいつまでも言い争ってますね」
ロイド:ふ、日頃からの修練の成果だな。(一同笑)
アルト:バーン、貴様も研鑚を積めばこうなれるぞ、頑張れ。(一同笑)
GM/バーン:「お断りします。って言うか貴方達は何の研鑚積んでるんですか」
ロイド:しかし、この厳しい財政じゃ屋敷に残ってる連中に土産とかは買っていけんな。
アルト:イクスはどうする?香典くらいは出すべきだろうが。(一同笑)
ロイド:むしろ葬式はどうするよ。和式か、洋式か、生ゴミ埋め立て式か。(一同爆笑)
アルト:棺は一万羽のカラスと一緒に登場するとかカッコ良くないか?(一同爆笑)
GM/バーン:「そんな葬式、見た事も聞いたこともありません」
ロイド:世界初って素晴らしいと思わね?(笑)
アルト:いつの世も先駆けは理解されない物だな(笑)。
GM/バーン:「理解したくない領域突入してませんか貴方達」
ロイド:うっせぇ!お前の実家のポストにワカメ入れとくぞ!!(一同爆笑)
アルト:どう言う脅しだ(笑)。
GM/バーン:「…僕の心臓がどうにかなりそうなので止めて下さい。最悪姉さんにも被害行きますし」
ロイド:姉かー。どんな奴よ?デカい?ペタン?―――胸が。(一同爆笑)
アルト:おい馬鹿野郎、いきなりクリティカルな所から入るな。控え目に聞くが正気か貴様!?(笑)
ロイド:ばっかお前、分かるだろ!?バイーン!バイーン!!(一同爆笑)
GM/バーン:「……ああ、ロイドさん」
ロイド:なんぞ?
GM/バーン:(ドスの利いた声で)「姉さんに手を出したら……殺すぞ」(一同爆笑)
ロイド:……サー・イェッサー。
アルト:はっはっは……(小声で)シスコンか。(一同笑)
そんな感じで至極のんびりと買い物をする三名。 途中でロイドが露店で「なんだか良く分からない未開の部族のお面(顔装備・100G)を購入していたのはご愛嬌。
仮面ロイド:うほほーい。やほほーい。(なんか踊っている)
GM/バーン:「……どうしましょうか、アレ」(一同笑)
アルト:視線を合わせるな、視覚から馬鹿が感染するぞ。(一同爆笑)
仮面ロイド:そこまで言うか!?(笑)
そんな奇天烈な生物になったロイドを連れて、市場で材料を買い付けます。
が、基本的な食材(肉や野菜)は市場で買えたものの―――
GM:香木が今日はまだ入荷してきてなくて、品切れを起こしているとの事です。何かあったのかなぁ、と店の人は心配そうですが。
アルト:香木?
GM/バーン:「ああ、あの料理は要は燻製の一種なんですよ。食材を燻すのに、地元の狩人が作る特殊な香木が必要でして」 と、横から買い物を見てたバーン君です。
仮面ロイド:なぁ、ところでこの仮面前が見えないんだが。(一同爆笑)
アルト:心眼で捉えよ。(一同爆笑)
仮面ロイド:……マジか。
アルト:まぁ、となると入荷まで待つか。図書館辺りで。
仮面ロイド:はりゃほれうまうー。(一同爆笑)
GM/バーン:「…アルトさん、通訳お願いできますか」(一同笑)
アルト:いや無理。おい、仮面。頼むから私の分かる言語で話せ。(一同笑)
GM:と、そんな会話をしてますと……賑わう市場に、一人の子供が飛び込んできます。10歳くらいの少女ですね。
アルト:お?
GM/少女:「誰か助けて下さい!セイン君が、遺跡に行ったまま戻ってこないの!!」
アルト:遺跡!!(きゅぴーん)
仮面ロイド:まぁ落ちつけ少女よ、何事だ。うまう〜。(一同笑)
GM/少女:「ひ、ひぃ!?何者!?」(爆笑)
仮面ロイド:俺か?ふ、そうだな。マスク・ザ・斎藤・クラリクロイツとでも名乗ろうか。
GM:誰や。(一同爆笑)
仮面ロイド:ゼクシュバルツ・アズナブルーダーでも良いぞ。ガンダム伝統仮面の人の名前を適当に合成してみた感じで。(一同爆笑)
アルト:やめんかっ!?(笑) ええい、何事だこれは。
少女が市場の人々に訴えたのは、少女の友達である少年が近くの枯れた遺跡に遊びに行ったまま帰ってこないとの事。
それで、少年の父には伝えたものの、念の為誰か助けを呼ばないとと思い、ここまで来たとの事。
そして――――
アルト:その少年の父が件の狩人か。なるほど、香木が来ないわけだ。
仮面ロイド:どーすんだそれ。多分、ネリネが後は材料が来るのを待つだけの状態でセットアップしてるぞ。
アルト:燻製と言う事は、あれか。メイド服姿で火を起こすための火打石とか、火を扇ぐための団扇とか完備で野外に座ってるんだな。(一同笑)
仮面ロイド:うわぁ、シュールぅ……(笑)。
GM:それ、騎士団の人たちが何事かと思って見てますよ絶対(笑)。
仮面ロイド:で、隣に「待て」言われた犬みたいな状態で、お嬢が座ってそうだ。お腹空いて。(一同笑)
アルト:で、さて、どうする?解決まで待ってから香木を買うか、自分から行って香木を手に入れるか。
仮面ロイド:……んー、お嬢が気に入ったって言ってたし、材料買わないで帰ったらすごい勢いで拗ねそうなんだよなぁ。
アルト:ついでにだ、仮面ロイドー。(一同笑)
仮面ロイド:仮面ロイドーってなんかライダーの親戚みたいで語呂いいな(笑)。で、何?
アルト:いやなに、貴様あと幾ら予算がある?
仮面ロイド:んーと、5ガメル。(一同爆笑)
アルト:そうか、私は20ガメルだ。(一同爆笑)
GM:何故ッ!?(笑) アルトさん、さっきまでの食材買いは全部ロイドさんが払ってたでしょう!?(爆笑)
アルト:いや、さっきの市場での買い物シーンでロイドが仮面買ってた時にな。「何か私も買って良いか?」とGMに聞いただろ。
GM:ああー……聞かれましたね。聞かれましたっけ?
聞いてました(録音データ確認)。
アルト:まぁ、その時にな。居残り組への土産を買ったんだ。―――ロイドのと同じ仮面を2個。200ガメル。(一同爆笑)
GM:なにぃ!?(キャラシ確認)うわマジだ。そんな物二人で三つも買ってどうするんですか!!?(笑)
アルト:いや、なに。イクスの葬式の際に、顔面に被せてやろうかとな。(一同爆笑)
ロイド:で、もう一つは香典か。(一同笑)
アルト:無論。……だがなロイド、この結果、私達に選択肢は無いぞ。香木を手に入れて帰る為には……件の商人に恩を売って譲ってもらうしか無い。(一同笑)
ロイド:俺らの財布絶望的だなオイ。例えるならば事故って半分ほど崖から飛び出したタンクローリーがオイル漏れを起こしていて、なおかつ、くわえタバコをした野次馬オヤジのもとに『別れたいの』と嫁から電話がかかってきた。そんな感じだ。(一同爆笑)
アルト:絶体絶命なんて状態ではないな。では迅速に恩を売るとしよう。
GM:……前向きに後ろ向きだなぁ、貴方ら。
今回は割とオーソドックスなシナリオです。
前回で余りに癖のある動きをされたので、日和ったとも言います。
助けを求める少女。そして遺跡。オーソドックスでしょう?多分。
さて、物欲主体とは言え少女に協力を申し出た二人。
バーン君をどうするかと言う話も出ましたが、バーン君も協力を申し出ます。
ロイド達の監視の仕事もあるし、彼自身が結構お人好しですので。
ちょっと少女が姉に似てたとか、そう言う理由はありません。ありません。大事なことなので二回言いました。
ともあれ、リィナと名乗った少女に案内され、街の外にある遺跡に向かう男三名。
ロイドは途中で前が見えないんで仮面を外しました。
ロイド:そいや、遺跡って言うけどどんなん?
GM/バーン:(ダイスを振る)バーン君がセージ技能で知ってましたね。 「魔動機文明時代の、小さな遺跡です。街から徒歩1時間もしない距離にあるので、とうに探索されつくした『枯れた遺跡』ですが」
アルト:……探っても面白いものは出そうにないな。
ロイド:何かあっても困るだろ。何も無い方が良いんだよ、今回は。
GM/バーン:「同感です」
◆遺跡探索とスカウトの重要性◆
問題の遺跡は、マントワーズの正門から出て歩いて3、40分ほど。
街道から外れた森のそばに立っている、魔動機文明時代の建物になります。
近くに山小屋もあり、よく猟師たちはそこで寝泊まりしている模様。
ぶっちゃけ平和な場所です。
しばし歩いてそこに到着したロイド達。とりあえず、灯りは無いようなのでランタンと松明に火を付けて、中に向かいます。
アルト:しかし誰が持つんだ、火。私は手が塞がると魔法は使えんぞ。
ロイド:松明持て、松明。戦闘開始したら投げ捨てれば良いから。松明ならその辺転がっても消えないし。ていうかバーン、持ってくれね?
GM/バーン:「はぁ……でも僕がそれ持つと、今度は僕が魔法使えませんが」(一同笑)
ロイド:……お前ら、メイジスタッフ以外の魔法の発動体持てよ。頼むから。仕方ない、ランタンは俺が持つ。壊しても恨むなよ、アルト。
アルト:大丈夫だ、後で請求する。(一同笑)
ロイド:鬼か。……それはそーと、小娘。件の小僧の親は、多分もう来てるんだよな?
GM/リィナ:「は、はい。多分……あ、右の部屋は崩れやすくなっているそうなので、気を付けてください」 と、指された入ってすぐ右の部屋は、扉が鎖で封印されています。交易共通語で『床が脆くなっているので立ち入り禁止』と書かれていますね。
ロイド:きっちり閉じてるって事は、ここはとりあえず関係ねぇな。おーい、誰か居るかー!!
GM/声:「誰か来てくれたのか!?手を貸してくれー!!」 と、男性の声が返って来ます。
ロイド:お、居た居た。多分、件の狩人のオッサンだな。
遺跡は現状でトラップも何もありませんし、対して難しい構造でもありません。(一本道の通路の左右に、合計4つの部屋があるだけ。奥にもう一つ部屋があり、そこから声がしていた)
声に従い、遺跡の奥の方に向かったロイド達は一番奥の部屋で、地面に出来た穴に向かって懸命に声をかけている男性を発見します。
ロイド:おーい、大丈夫か?
GM/狩人:「すまない、手を貸してくれ!息子が穴に落ちてしまったんだー!!」 と、半泣きのオッサンです。
アルト:……穴に落ちた?
GM:はい。見ると、地面に出来た穴はもう少し大きな穴だったようですが、崩れて埋まりかけていますね。今は半径20cm程度で落ち着いています。どうやら、ここに来たセイン少年は探検ごっこをしている最中に、脆くなった地面を踏み抜いて下層に落ちてしまったようです。穴の下からは泣き声が聞こえて来ます。
ロイド:……うへ、困った事に。
アルト:下層……?バーン……この遺跡、下があったのか?
GM/バーン:「いえ、そう言う話は知りません」 と、バーン君も困惑顔です。
ロイド:どういうわけか下に空洞があったって事だろ。とにかく、ガキの救出が先だな。オッサン、穴広げて下に降りられないか?
GM/狩人:「やめてくれ、息子が生き埋めになってしまうー!!」 と、狩人のおっさんは悲鳴をあげます。どうやら穴の周囲はかなり脆くなってきているらしく、無理に広げようとすると下に居る少年まで巻き込んだ崩落が起こる可能性もあるようです。具体的には1D6振って1が出ると巻き込んで問答無用で死亡です。ちなみに人が通れる穴を開けるまで、3回ほど判定して貰いましょうか。
ロイド:とっとと立ち入り禁止にしろ、こんな遺跡ー!!?(絶叫)
アルト:むぅ……となるとどうするんだ、これは。
ロイド:さっき、床が脆くなってるとかで立ち入り禁止になってる部屋があったろ。そこの床の崩れた部分から下に降りれば、ガキのとこまで行けねぇか?
アルト:まぁ、そうだな。まずはそこから考えるか。穴の拡張は最後の手段だ。
GM/バーン:「どうやら少年は怪我もしているようですし……父親が声をかけてると言えど、長時間かかると体力的にも精神的にも危険です。行くなら急ぎましょう」
ロイド:あー……すまんなバーン、巻き込んで。
GM/バーン:「…まぁ……見た以上、放っておけませんしね、これは」 と、肩をすくめて見せます。
ロイド:で、超今更だがバーン、どれくらい使えるんだ?
GM:能力値はロイドさん級に優秀ですし、技能も結構育ってます。具体的には、ソーサラー5のセージ3です。
ロイド:……戦力としては考えてよさそうだな。
GM:拡大/数ではなく、誘導・収束・制御の道を歩んだソーサラーですので、シルフィさんの使うような弾幕を張っての制圧射撃出来ませんけどね。
アルト:もう少しレベル上がれば、ってところか。今後に期待だな。
ロイド:ともあれ、狩人のオッサン。とりあえず俺らは別の部屋から下に降りて、アンタの息子のとこに辿り着けないかどうか試してみるんで、アンタはここから息子に声をかけ続けてくれ。
GM/狩人:「わ、わかった!頼む、息子を助けてくれ!」
アルト:私達を案内してくれた少女もここに一緒に置いて行くべきだろうな。バーン、使い魔は居るか?居るなら念のため、状況を把握するためにもここに残してくれ。それと、少年の怪我の度合いはどうだ?命にかかわるか?
GM:ぶっちゃけ少年は脚折れて動けない感じですね。命に関わる怪我ではないようですが。で、バーンはその指示を了解しますよ。
アルト:ならば良し、良くないが。最悪、MP駄々漏れになるのを覚悟で、ドール・サイトとアースヒールの合わせ技で回復すべきかと思ったが……少年には悪いが何が起こるか分からん以上、MPは温存させて貰おう。
ロイド:下手に脚治して、動き回られても困るしな……酷い話だが。
GM:では、基本方針は決まりましたね?
ロイド:そだな、動くか。―――スカウト不在だが。(一同笑)
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
さて、お察しの方もいるでしょうが。
ロイドが嘆いたように、今回はスカウト不在のダンジョンアタックシナリオとなります。
コンセプトは『初期キャラが攻略するダンジョンレベルのトラップを』。
LV2くらいのスカウトが居れば結構どうにかなるレベルのトラップを用意してます。
またの名を、アルト・ロイドのPLが居ない時にやったダンジョンの流用です。
ちなみに敵はちゃんと、このレベル対応です。
早速ロイドの提案通り(GMの予定通り)、遺跡に入ってすぐ右の部屋に入るロイド達ですが―――。
GM:じゃあ、ドアの封印を槍でぶっ壊して中に入ると、確かに部屋の隅の部分の床が少し崩れて崩落しているようです。
ロイド:よっしゃ。じゃ、そこから降りれるかを調べるぞ。念のため、俺が先に行く。
アルト:そうだな、頼む。
GM:あ、入るんですね?
アルト:ロイドがな。
GM:チッ。では、スカウト技能+知力ボーナスで危険感知判定をしてください。目標値は11です。(一同爆笑)
ロイド:スカウトかぁ(爆笑)。
アルト:イクスが居れば楽勝な目標値なんだがなぁ(爆笑)。
ロイド:(ダイスを振る)駄目、6。何が起こる、GM。
GM:あ、はい。では床が脆くなっていたようで、ロイドさんが踏み込んだ瞬間にそこが崩落します。(一同爆笑)
ロイド:うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜……………ぐちゃ。(一同大爆笑)
アルト:……死んだか。(一同爆笑)
GM:いえ、死にませんって!?(笑) ただ、高さ10m程の落下となります。30点、防御点有効のダメージを食らって下さい。
ロイド:えーと、受け身は出来る?
GM:ええ。ロイドさんはライダー技能持ちですから、出来ますね。
ロイド:じゃあ、3m分軽減して7m。21点ダメージを防御力で8点軽減して、13点ダメージ。……いってぇなオイ。
GM:ちなみにアルトさんやバーンは、上から覗き込む事が出来ます。すぐ目の前で地面崩れたわけですし。
アルト:……私らが立ってる場所は大丈夫なんだろうな……。おい、生きてるか槍の付属品? とりあえず、上から覗き込む。
ロイド:のぉぉぉぉぉ……。 えー、はい。俺、地面で苦悶にのたうってます(笑)。あ、ランタン割れたかも。(一同笑)
GM:あー、ではランタンの残骸がその辺に転がってます(笑)。中の油はまだ残ってたでしょうから、地面で油が燃えてるのかな。だとすれば、灯りはあるということですね。
ロイド:……なんかあるのか?
GM:はい。アルトさん達からも見えますが、ロイドさんの周囲で骸骨がやおら立ち上がり始めます。その数―――4体!!
ロイド:ンなっ!?
アルト:いかん、アンデットか!?
GM:少しの間、カタカタと骨を鳴らして蠢いた後……落ちてきたロイドさんに襲いかかります!!さぁ、戦闘ですよ!!
◇VSスケルトンたち◇
さて、魔動機文明時代の遺跡の下。
そこの空洞に落ちてきたロイドに対し襲いかかるのは、2体のソルジャースケルトンと2体のスケルトンアーチャーです。
彼らはバラバラにロイドから10mほどの位置に配置されています。
そしてロイドの直上10mほどの位置に、アルトとバーン。敵はまだ彼らを認識していません。
とりあえず、アルトが魔物知識判定には成功。
しかし先手はスカウトが居ないため、当然のように敵方の物になります。
余談ですがこのトラップ、不注意で後衛であるアルトが先に立って探索してたり、或いは全員で固まって歩いたりしていると、もっと酷い事になっていた筈でしたので……引っかかったのがロイドだけで済んだこの状況は、想定の中ではかなり良い部類だったと言えるでしょう。
アルトだけ引っかかったりした場合死人が出る可能性も想定してましたが、それは不注意の結果です。ゆっくり死んでいってね☆
▽ラウンド1▽
アルト:うむ、弱点まで抜いたがどうしようもないな。先手は向こうだ。
ロイド:来いや畜生!!(笑)
GM:さて、では御言葉に甘えて動きましょう。まずスケルトンソルジャー2体がロイドさんのところまで通常移動で突っ込んで、『全力攻撃』!!達成値15で1回ずつ攻撃です!!
ロイド:(ダイスを振る)……く、7以上で回避なんだけどな。1発食らった。
GM:では、ダメージ2D6+10で19点です。
ロイド:あいたァ―――ッ!!?ちょ、やべぇって、HP残り14!!
アルト:うーむ……しかし私ら、後衛だしなぁ。お前は頑張って的になってくれ。援護はする。
GM:で、アーチャーもまだアルトさん達を認識してないので、ロイドさんに弓を撃ちます。達成値13ですね。
ロイド:(ダイスを振る)げぶぁ……これまた1発食らった。
GM:おっしゃ。では13点。
ロイド:く、HPが一桁だ……ちょっとヤバくね、これ。
GM:うん、アルトさんだけとか落ちてたら一瞬で大惨事でしたね。……まぁ、その場合そちらの不注意が悪いのですが。
ロイド:うう、俺だけで調べに行くと言って正解だったか。とにかく、ちょっとこのままじゃヤベェぞ。
アルト:だな。まぁ、こちらの手番だ。プロテクションとアースヒール、どっちが欲しい?というかGM、射程10mの魔法は使えるか?
GM:10mの魔法でしたら、丁度ロイドさんの乱戦エリアまで届くとします。アーチャーのトコにはもう少し距離あるんで届きませんね。10mと10mの直角二等辺三角形の長い辺って、何mだっけ。
アルト:10√2じゃなかったか。多分14mと少しか。まぁ、ロイドに魔法が届けば良いので問題なし。
ロイド:ヒールくれ、ヒール。
アルト:了解した。では、アース・ヒールでロイドを回復。(ダイスを振る)11点回復だ。
ロイド:おっし。で、『マルチアクション』を宣言して自分の周囲にバニッシュをかけつつソルスケ(スケルトンソルジャーの略)Aに攻撃!!(ダイスを振る)命中14、ダメージ21点。バニッシュ達成値は14だな。
GM:む、魔法は抵抗成功してます。
ロイド:ちっ。俺の魔力じゃ、分が悪いか。
アルト:で、バーンだが……どうするか。誤射の心配も無いし、ライトニング撃ってもらうか。半々で2体巻き込む。貫通属性だから。
GM/バーン:「分かりました。それでは―――ライトニング!!」 (ダイスを振る)……お、両方巻き込んで抵抗抜けた。ダメージはAに13点とBに15点です。
ロイド:便利だな、魔法制御。根性で全方位に拡大してるお嬢に見せてやりたいスマートさだぞ。
アルト:……しかし、シルフィ程ではないがこいつも魔力が高いな。ちょっと落ち込みそうだぞ私。
ロイド:頑張れアルト、生命力ばっかり上がる魔術師でも未来はある。多分。
アルト:クソやかましい(笑)。
▽ラウンド2〜7▽
第一ラウンドでの攻防ではロイドの肝を冷やすのに成功するも、一度先手を凌がれてしまえば、4,5Lvのモンスターであるスケルトン達に対するのは6Lvファイターであるロイドです。
半々以上で攻撃を回避する上に、防護点は8をキープ。アルト・ロイドは回復手段も完備しているため、落下のダメージでふらついている最初のラウンドに押し切れなければ、地力の差は歴然。
2ラウンド目にはソルジャースケルトンの攻撃を両方回避した上に、返す刀でダメージの少なかったソルスケBが消し飛びます。火力馬鹿健在。
ダメージの大きかったソルスケAは、アルトがスパークを捻じ込んで来た為、これまた戦闘不能。
こうなっては、4Lvのアチャスケ2体ではどうしようもありません。2ラウンド目にはランダム対象で攻撃した結果、アルトに10点の実ダメージを与えますが……抵抗はそれまで。
アルト:……痛いな。おい、ロイド。どうする?
ロイド:あー、もう穴から顔出さずに引っ込んでてくれて良いぞ。状況さえ整えば、俺一人でどうにかなる。
アルト:では、そうさせて貰う。バーン、貴様も弓矢が飛んでくるのが嫌ならば、1分くらい顔を出さずにいろ。
GM/バーン:「……大丈夫なんですか?」
アルト:あいつの実力は本物だ。不本意ながら、な。
後衛狙いで置いておいたアチャスケ2体も、後衛二人が穴から顔を出さずに引っ込んでしまってはどうしようもありません。
ロイドの回避力を考えると、命中率は1/6。しかも後衛に対しては火力を期待できるアチャスケですが、防護点8のロイドに対しては正直言って火力不足。
攻撃を回避する事に至っては、ぶっちゃけこれまた1/6。どう見ても無理です、本当にありがとうございました。マルチアクションとかキャッツアイ使われるともっと無理ゲーになるんですが、ロイドはMP温存の為にそこまではしませんでした。でもそれでも十二分に無理ゲーです。
結果、ロイドが1回1ゾロを振り50点稼いだりしつつ、7ラウンド目でアーチャースケルトン達の抵抗も終了しました。
時間がかかったのは、ロイド一人で走り回ってスケルトンを殴り回る羽目になったからで、苦戦は全くしていませんでした。それでも2回当てて7点与えたのは殊勲賞だったと思います。多分。
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
ロイド:うーし、終わったぞー。 上の方に見える穴へ向けて声をかける。
アルト:む。では、穴からひょっこりと顔を出す。 遅かったな、欠陥槍振り機。
ロイド:うっせ。雑魚がバラけてる状況は苦手なんだよ、そういうのは制圧射撃が得意なお嬢の領分だ。
アルト:まぁ、良い。ここからどうするかだが……とりあえず、ロープ垂らして降りるのか。
ロイド:降りれるか?
アルト:……ロープは全員10mは持ってるから、ここで10m使っても全く問題はなかろうが……吊るされたロープだけで上り下りをするのって、難易度高かったような。
ロイド:縄梯子でもありゃ良いんだけど……まぁ、俺ら全員冒険者レベルも登攀に使う筋力ボーナスもそれなりにあるし、大丈夫だろ。降りるだけなら特に。
アルト:……上りはどーするんだ。
ロイド:最悪俺が先に上って、お前ら引き上げるよ。まずは子供の安全確認先決で、拙速で行こう。
アルト:まぁ、それもそうか。じゃあ、降りるぞ。
GM:そうですね、では降りるなら基本値が10、10mなので+2、吊るされたロープなので+4、降りるだけなので−4としまして、目標値12で冒険者レベル+筋力ボーナスで判定してください。
結果、特に問題なく降りるアルトとバーン。
そして周囲を見回した結果―――どうやらここは、魔動機文明より前、恐らく魔法文明期の遺跡ではないかと言う結論になります。
GM:どうやら、何の偶然か何らかの意図があったのか。魔法文明期の遺跡の上に、魔動機文明期の遺跡が立っていてしまったようですね。それが経年劣化で脆くなって……。
アルト:下の魔法文明期の遺跡に穴があいて通じてしまった、というわけか……。
GM:ちなみにアルトさんとバーン君の見識判定の結果、魔動機文明が始まる前に一度蛮族にでも荒らされたのでしょう。損壊が激しく、崩れてくるのも少し納得と言った感じです。
アルト:……ファイアボールとか使うなよ、バーン。生き埋めは御免だぞ、私は。
GM/バーン:「まだ使えませんよ。使えてもこの状況で使おうとは思いませんし…」
アルト:まぁ、そうだろうな。……未探査の遺跡だろうが……流石に私も、この状態の遺跡をこの状況で無理に調査する気は起きんな。
ロイド:スカウト不在だしな。……最悪、帰ったら遺跡の情報を冒険者の店にでも売れば良いだろ。とりあえず、いつまでもここに居ても仕方ねぇ。行くぞ、二人とも。
◆探索とそのダイジェスト◆
とりあえず、ロイドがキュアでアルトと自分のダメージをほぼ全快させた後、遺跡探索が始まります。
上層の遺跡と照らし合わせながら、とりあえず少年の落下地点を目指して移動開始。
スカウト不在の今回、ロイドもアルトも警戒はしているのですが……。
まず、探索開始してすぐの分かれ道。恐らく少年の居る辺りまでまっすぐ続いてそうな通路に踏み込んだ彼らですが、
GM:では、その通路を通ろうとしたならば、危険感知判定をお願いします。目標値10。(一同爆笑)
アルト:ぬぉぉぉ……イクスはこの必要な時にどこでほっつき歩いてるんだ!!(笑)
ロイド:確か修羅場ってなかったか?(笑)
アルト:ああ、一万匹の鴉と一緒に棺が登場するんだったか。じゃあ仕方ない。(一同笑)
ロイド:(ダイスを振る)とりあえず、先行してた俺は達成値7。
アルト:(ダイスを振る)お、11出た。
GM:いえ、離れてるアルトさんとバーンは巻き込まれませんので関係ありません。すいません、説明不足でした。(一同笑)
アルト:……貴重な出目11が…(笑)。
ロイド:……で、何が起こるんだ?(笑)
GM:はい。相当脆くなっていたのか、左右の壁が剥離して崩れて来ます。巻き込まれた人は20点のダメージを食らって下さい。(一同爆笑)
ロイド:うぼあぁぁぁぁぁぁ!!?(爆笑)
アルト:……バーン、少し離れるぞー。二次災害を防ぐためだ。
GM/バーン:「だ、大丈夫なんですかアレ」 あ、ロイドさんはこっち側になら這い出してこれますよ。ちなみにこの通路、蛮族との戦いで激戦があったのでしょう。特に他と比べてもボロボロになっています。通路を通るなら、また崩落してくる可能性がありますね。
ロイド:……どうするか。
アルト:……ここを通るのは最後の手段だろうな。他から回ろう。
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
危険な通路(多分近道)を避け、他から回ることにした三人。
迂回路の先にあった小部屋では、相当昔の物と思しき蛮族の遺体(骨)を発見します。
最初はスケルトンかと思い、遠くから石投げて識別したのは内緒。
調べた結果、死体から朽ちかけた宝石袋を発見します。
袋は朽ちてても中身は無事だったようで、売れば1500G程になりそうな。
ロイド:おお、予想外の報酬。
アルト:うむ、とりあえず後で三等分しよう。
GM:で、ここから先は更に道が二手に分かれていますね。
ロイド:ファラリス左手の法則だ。順に行こう。
アルト:じゃ、離れてついて行く。罠があったらその身で確かめろよ、ロイド。
ロイド:くぅ……引っかかって調べる、これが柊蓮司が使ったと言う必殺漢探知か……。(一同笑)
そして向かった先はガラクタの山。
魔法文明期時代のガラクタが山と積まれた、要は物置です。
ガラクタの奥に通路が無いか確かめるついでに探索した結果、
GM:まだ使えそうなマジックアイテムを発見します。1D6してください。
ロイド:お。(ダイスを振る)……5だが。
GM:では更に2D6してください。……11?それは凄い。『妖精の武器』としての付与を受けた、タバルジン(Aランクアックス)が見つかります。
ロイド:おー……使い道ねーけど。(一同笑)
アルト:幸い、流通価格にして7000G近い。売れば相応の値段にはなるだろう。
GM:で。
ロイド:……で?
GM:そのタバルジンを引っこ抜くと、それが刺さった上に引っかかって動けなくなってたっぽい石造りのゴーレムがガラクタ山の中で『あ、ども』って感じで再起動します。(一同爆笑)
ロイド:…………総員退避ィィィィィ!!(一同爆笑)
GM:残念、それよりもゴーレムがガラクタを吹き飛ばして立ち上がる方が早いです!(笑) さぁ、戦闘ですよー!!
◇VSロックゴーレム(弱)◇
さて、ガラクタ山から出土したゴーレム。
距離は慌てて離れたロイドからは5m。アルト達は更に10m後方となります。
アルト:(ダイスを振る)……む、いかん。出目4……変転は温存しよう。達成値は11だが、これは分からなかったか?
GM:いえ、アルトさんはコンジャラーなので自動的に正体は知ってます。これはロックゴーレムですね。
アルト:うげっ。ストーンサーバントがせいぜいだと思っていたのに……。
ロイド:って、前回のグルネルより強ぇだろそれ!?
・ロックゴーレム。Lv8、部位2つのガチガチの殴り合い型モンスター。
・けど、グルネルとどっちが強いかと聞かれると正直微妙だとGMは思う。防御力は高いのだけど。
・ただし、刃の付いた武器はクリティカルしないので、ロイドからすればかなり面倒な敵です。
GM:しかしこれ、アルトさんの目から見るとかなりボロボロに見えます。
アルト:……お?
GM:蛮族側のゴーレムか人族側のゴーレムか分かりませんが、敵との戦闘での損傷が残っている感じです。さっきまでタバルジン刺さってましたし、若干動きもぎこちないですね。具体的には命中、回避、打撃力、防護点、抵抗値、先制値が全て1ずつ落ちています。HPも各部位毎に5落ちていますね。特殊能力はそのままですが。モンスターレベルも7扱いです。
アルト:……これは、いけるか?
ロイド:こっちの先制値は9だが。
GM:ロックゴーレムは元々が8、減って7なのでそちらの先手です。
アルト:うむ、やれるならば倒してしまおう。放って逃げて、不確定要素にするのも怖い!
ロイド:槍がクリティカルしねぇのが痛いよなぁ、こいつ……。
▽ラウンド1▽
アルト:では、まず私から行くぞ。ロイドがエンゲージする前に、少しでもダメージを与えておく。スパークだ!!(ダイスを振る)……ぐ、16なのを指輪を割って18だ!!
GM:ぬ、それは抵抗抜かれてます。
アルト:ならばダメージは、右半身にクリティカルで15点。左半身に11点だな。
GM:うわ、それは痛い!?
アルト:で、バーン!最大火力をブチ込め、ライトニングを右半身に!!
GM/バーン:「分かりました!」 と、バーン君ライトニング。(ダイスを振る)……達成値15。抵抗は抜けなかった上、右半身のみに命中ですね。ダメージは8点です。
アルト:チ。だが私の魔法と合わせれば半壊と言える筈だ。
GM:ですね。右半身は半分以上こそげてます。
ロイド:(計算中)……うーん、魔力撃を当てて出目7以上を出せば、ダメージを受けまくってる右半身は破壊出来るんだが、失敗すると確実に大打撃を2発食らうんだよなぁ。ダメージダイス4個の合計が20以上だと倒れる。
アルト:回避の可能性は?
ロイド:魔力撃やると、出目9以上で回避だからなぁ。やらなきゃそもそも倒せないし、最悪『狙い撃ち』(ロックゴーレムの特殊能力。攻撃の打撃力を下げ、命中を上げる)でも使われたら目も当てられんし。……この距離、そしてロックゴーレムの移動力を鑑みて、悪いが通常移動でアルト達のところまで戻る。
アルト:なるほど。全力移動されれば接近されるが、全員でボコれば右半身はほぼ確実に落とせる。私もバーンも、後衛にしては頑丈だ。1発殴られたところで大したことは無いし、回復手段も豊富だからな。
ロイド:そう言う事。バーンを巻き込むのは少し気が引けるが、博打を打つよりは良かろ。後退する。
GM:ぐ。ではゴーレムは全力移動でそちら三名の固まっているところまで突入。乱戦に巻き込みます。
▽ラウンド2▽
ロイド:さて、全員で乱戦だ。まず魔力撃で右半身を破壊出来るか試してみる!!(ダイスを振る)……ぐはぁ、命中12!?
GM:いや、全力移動ぺナあるから食らってます!出目3でも当たるかぁ…。
ロイド:お、それは予想外の副効果。すっかり忘れてたな、そのペナルティ。(ダイスを振る)……よし、出目7!ダメージ28だ!!
GM:だからおかしいってそれ!駄目です、右半身はその一撃で破壊されました。が、左半身はまだ動きますよー!
アルト:それは予想通りだ。誰かが一撃食らうのも想定済み。だが、一撃で沈むほどヤワなシルフィのような奴は幸いにしてこの面子には居ないからな。
ロイド:とりあえず、アレだ。バーン、ブラスト頼む!!
GM/バーン:「平然と無茶な戦術考えますね、貴方達はっ!」 感嘆とも呆れとも取れる声を上げながら、ブラストをぶちかまします。(ダイスを振る)抵抗されるも、ダメージは9点です!
アルト:私もスパークを『魔法収束』を宣言してねじ込む。食らえ!!(ダイスを振る)……チ、5点か。
GM:抵抗しても削って来るから面倒なんですよ、魔法使い!
ロイド:左半身のHPは残り15か……一撃圏内だな。
GM:いや、おかしいですってその火力。このゴーレム、トリーシャさん相手なら圧倒的なんだろうけどロイドさん相手だと途端に防御力が役に立たなくなりますね……。
アルト:いや、十分硬いぞ。ロイドの火力がおかしいだけで。
GM:くっ、だがこのままでは終われない!(ダイスを振る)……ランダム対象で決めた結果はアルトさんです!!命中は16!!
アルト:ふむ、2D6で16以上を出せばいいんだな。(一同爆笑)
ロイド:それ、出たら既に6面ダイスじゃない別の何かだろ(笑)。
アルト:(ダイスを振る)……うむ、面白味の無い出目で直撃を食らった。ダメージ来い。
GM:では、22点ダメージです!!
アルト:むぅ、それは思い切り吹っ飛ぶぞ。19点抜けて、残り15点。……流石に効いたなこれは。
ロイド:うわぁ……血まみれ。こっち近付くな流血眼鏡、服が汚れる。(一同笑)
アルト:黙れ欠陥槍振り機!(笑)
GM/バーン:「……元気ですね、貴方達」(笑)
▽ラウンド3▽
ロイド:ほい、念のためキャッツアイも使って、魔力撃で命中18。ダメージは27だな。
GM:……落ちましたー。なにこの理不尽な威力。
アルト:ふぅ、どうにかなったな。
■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
結局この部屋は行き止まりだったので、先の部屋まで引き返す三名。
ちなみにゴーレムは通常のドロップ品の他に、謎の石板を持っていました。
「なんだこりゃ」と言いつつ、とりあえず探索を続行する一同。
ロイドが用心深くも「予備のスピアで地面を叩きながら前進する」と言っていました。
いわゆる、D&D伝統の10フィート棒の感覚でしょう。が、実はGM、それを少し想定してました。
その為、このダンジョンの通路にとあるトラップを置いておいたのです。それは―――
GM:カチ。
ロイド:……カチ?
GM:ロイドさんがコンコンロングスピアの先で叩いてた地面が一部、不自然に凹みました。音はそこから発生したようです。
一同:………。(沈黙後爆笑)
ロイド:床を踏むと発動するトラップか!!(笑)
GM:です。10フィート棒作戦をしていると無条件で発動するトラップでした。通路の向こう側の壁から、矢がバシュバシュと飛んで来ます。
一同:ぬあー!!?
パーティー全体に物理攻撃するトラップは、純魔法使いが二人いるこの構成には天敵です。
ロイドには大したダメージではない打撃力13点の矢が、ロイドやバーンには10点ずつのダメージを叩き込むことに。
アルト:……ぐ、痛いぞこれは。仕方ない、そろそろMPも危なくなって来てるから、魔晶石に手を付けて回復魔法を唱える。(ダイスを振る)……全員11点回復だ。
ロイド:おお、丁度で全回復した。
アルト:しかし私も貴様もMPが危険になってきたな。バーンも残り半分と言ったところか。
GM/バーン:「一応、魔晶石ならば少し持ってますが……」
ロイド:あるのか!?(キャラシ見て)……うわマジだ!頼む、5点の1個譲ってくれ。対価は後で払うから!!
アルト:……イクスが居ないと、貴様のMPが欠乏する事になるとはな。
そして通路を抜けた先のドア。
罠探知9、聞き耳6と言うステキ探知。無論何も分かりません。
ドアに鍵がかかってるようなのですが、鍵を開けられないのでおもむろにロイドが槍を構えます。
アルト:離れます。バーン、貴様も来い。
GM:じゃあ、バーンも連れられて離れます。
ロイド:うーっし、じゃあ二人が十分に離れたのを確認したら、ドアに槍叩き込みます。魔力撃で、うりゃダメージ28。
GM:あい、ではドアが壊れると同時、爆発します。破壊に対するカウンタートラップですね。20点ダメージどうぞ。(一同爆笑)
その先の小部屋から、三叉路になっていましたが……上の遺跡の構造と照らし合わせて、ロイド達の方針はとにかく子供救出を優先する方向で決定しました。
他に回る余力が無い、とも言います。魔晶石は全員合わせればそれなりにストックがあるものの、もう一度ロック・ゴーレム級の敵と遭遇でもした後に、さらにボスが居ると考えると……危険域です。
もっとも、流石にそこまで鬼配置にはこのGMと言えどしてなかったのですが。
ともあれ、警戒して無駄に動き回らない策を取ったロイド達。
最短経路と思える通路の先の部屋で、大きな扉を発見します。
ロイド:……ンだこりゃ、鍵でもかかってんのか?
アルト:壊すなよ?さっきの事もある。
ロイド:大丈夫、学習した。……学習しても、さっきの扉は壊す以外の突破手段が無かった気もするが。(一同笑)
GM:さっきの扉、鍵開け目標値は10なんですけどねぇ(笑)。
ロイド:スカウト無いの分かってその目標値にしてるだろ、お前……(笑)。
アルト:(マップを見ながら)多分、この扉の向こうにもう一部屋あって……そこに子供がいると思われるのだが。
GM:どうやらこの扉は仕掛け扉のようですね。何かを嵌めこむ窪みがあります。それと、この部屋の向かって右側には扉がありますが、それは半ば壊れてひしゃげていて、開きそうにありませんね。
アルト:…まぁ、現状目的以外を回る余裕も無いしな。行けばアイテムでもあるのかも知れんが。
ロイド:だな、ここはスルーで。しかしあれか、この扉。よくある解錠用のアイテムを探さなきゃならん扉か。……さっきのロック・ゴーレムの石板でどうだ。
GM:正解です。その石板を窪みに嵌めると、ゴゴゴゴと音を立てて扉が開き始めます。徐々に開き始めるその隙間からは、足の痛みに泣きべそをかきながらも、上からの父の励ましに必死に我慢していた少年の顔が見えます。
ロイド:おっし!目標達成!!
アルト:後はこの子供を連れて帰るだけだな。おい、セイン少年。助けに来たぞ。
GM/セイン:「あ、ありがとう!!」 と、思わず一瞬怪我の痛みを忘れて笑顔になるセイン君。そして貴方達の背後で轟音。
一同:………は?
◆襲撃とラストバトル◆
GM:えーとですね、部屋の右側にあった扉が破壊され、その向こうから身体はライオン、背中に蝙蝠の羽、老人の尻尾にサソリの顔を持った……。
ロイド:……老人の尻尾?(一同大爆笑)
GM:違う!老人の顔、サソリの尻尾です!!(笑)
アルト:……一瞬未知の生物が来たかと思い動揺したが、そのおかげで逆に冷静になれたな(笑)。GM、魔物知識判定をしていいか?
GM:構いません。2回、お願いします。
アルト:2回?……(ダイスを振る)……む、少し低いか。12と13だ。
GM:知名度は上回ってますので、情報は得られます。これはレッサーマンティコアですね。
・レッサーマンティコア。6Lvの2部位モンスター。幻獣。
・上半身は魔法と練技を操り、下半身はサソリの尾とその毒で攻撃してくる強力なモンスター。
・古代の知識に精通しており、敵対的か友好的かもさまざま。基本的に、善悪問わず性格はねじくれている。
ロイド:む、このレッサーマンティコアは敵対的か?対話不能?
GM:残念ですが、ここでアルトさんの2回目の判定の結果です。このレッサーマンティコア……レブナント化してますね。
ロイド:……うげ。
・レブナント。アンデット系特殊モンスター。人族、蛮族、動物、幻獣に発生する。
・要は死後アンデット化した状態の事。外見は様々。腐ってたり骨だったり、青白いだけだったり。
・基本的に知能は残っていないか極めて低く、生者に対する憎悪で動いている。
・物理戦闘能力は上がるが、魔法は使えなくなる。あと、動きは鈍くなる。レベルは生前+1とされる。
GM:ちなみに、このレッサーマンティコア、内臓引きずって歩いてます。変に青白いですし、見るだに死んでますね。
ロイド:おい、アルト。あれ……。
アルト:……この遺跡に住んでいたレッサーマンティコアのなれの果てだろうな。私達の為にも、奴の為にも叩き潰して解放してやるしかあるまい。バーンも構えろ、来るぞ。
GM/バーン:「……分かりました」 と、バーンも覚悟を決めたように杖を構えますね。 「……姉さんが居れば少しか楽だったんでしょうけどね……いえ、愚痴ですか。聞き流してください」
ロイド:お前の姉貴、強ぇのか?
GM/バーン:「優秀な戦士ですよ」
ロイド:そりゃ、ホントに居て欲しい事この上ないね。だが無いものねだりしても始まらん。アルト、敵に魔法が無いってんなら、後ろに居るガキに被害が及ぶことは無ぇ。速攻で決めるぞ!!
アルト:心得た。おい、セイン少年!今暫くそこで待っていろ……すぐ終わる!!
GM:さて、それでは始めましょうか!今回のボス戦です!!
◇VSレブナント・レッサーマンティコア◇
GM:距離は5mです。先制値はレブナント化した事で低下しており、12ですね。
ロイド:出るかい、スカウトも居ないのに。
アルト:こちらの隊列は、ロイドが3m前、私達が3m後ろだな。
GM:うーん、知力が高ければ後衛狙うんでしょうけど、低くなってるので近くの相手からですよね。まぁ、6Lvファイターとは言え7Lv部位2モンスターの攻撃、どこまで凌げますかねぇ。
ロイド:けっ。御託はそこまで、とっとと来やがれ!
▽ラウンド1▽
GM:では、レッサーマンティコア。前に出てロイドさんを乱戦に巻き込みます。上半身は爪で、下半身は尾で攻撃します!!命中は18と17ですよ。
アルト:高っ!?
ロイド:レブナント化すると物理攻撃面は大幅に強化されるからなぁ……(ダイスを振る)……駄目だ、両方食らった!!
GM:おっしゃ。ダメージは18点と15点です。そして目標値14で生命力抵抗をしてください。尻尾の麻痺毒ですね。
ロイド:毒はレジストしたが、一気に半分近く削られたな……アルト、まずプロテクション頼む。
アルト:毒は良いのか?
ロイド:魔力撃で抵抗力を自ら落とさない限り、出目5で抵抗できるしな。まずはダメージを減らすのが先決だ。
アルト:心得た。では、まずロイドにプロテクション!(ダイスを振る)……よし、かかった!!
ロイド:これで防護点は9、か……くそ、あと1レベルプリーストが上がってれば、セイクリッドなシールドがなぁ……まぁ、これも無いものねだりか。あ、バーン。とにかくMP切れまで上半身を中心にライトニング叩き込みまくれ!!
GM:む、コア部位である上半身に集中攻撃をかける気ですね。
アルト:下半身のが能力的には厄介だが、良いのか?
ロイド:……確実に破壊力のある全体攻撃をかけれるお嬢が居ないからな。この構成だと、単一部位に攻撃力を集中させることは出来ても、多数の部位に同時にダメージを与えるのには向いてない。俺のMPも少ないが、マルチアクションをしながら自転車操業で回復する。アルト、次のラウンドから回復手伝ってくれ。
アルト:心得た。では、まずバーンの分は私が振るか。(ダイスを振る)うむ、駄目だこいつ。達成値12だ。(一同笑)
ロイド:おぉぉぉい!!?(笑)
アルト:しかも下半身は巻き込めなかったようだな。ダメージは半減で7点だ。
ロイド:……剣の欠片補正を考えると、その10倍くらいのHPあるはずなんだよなぁ。ええい、仕方ない。マルチアクションで自己修復しながら、槍で上半身をシバく!!(ダイスを振る)命中は低くて14、でも当たってダメージ22だ!自分は12点回復……これでまだもつな。
GM:あたたたた……。流石にロイドさんの攻撃は痛いですね。回避が落ちてるんで、回避の目もほとんどありませんし。
ロイド:つっても、回避が落ちた分命中上がってるし、こっちも中々避けれねぇんだけどな…。毒のレジストもあるから、魔力撃も軽々しく撃てねぇし。
GM:これは意外にもロイドさんの魔力撃封じになりますねぇ。
▽ラウンド2▽
GM:さて、こちらとしては殴るしかありません。また18と17で攻撃です。
ロイド:(ダイスを振る)…く、全弾直撃。俺に師匠並の回避力があれば……。
アルト:言っておくが、お前の他の能力値にトリーシャの敏捷度は既にチート以外の何者でも無いからな?(一同笑)
GM:上からボーナス3、4、4、3、3、3。凄い嫌な生命体になりますね……あ、ダメージは17点と21点です。
アルト:でかっ!?
ロイド:ぬぅ、毒には抵抗したが……HP残り13。アルト、ヒール手伝え!!
アルト:心得た。では、アースヒール!!(ダイスを振る)よし11点回復。
ロイド:で、マルチアクションから一撃を加える!(ダイスを振る)……く、畜生出目悪い。ダメージ18だ。自己回復も出目悪くて8点。
アルト:……ネリネのクリティカル並のダメージだがな、それでも。
GM:結構痛いですね。で、バーン君はどうします?
アルト:ああ、忘れるところだった(笑)。では、ライトニングを頼む。ダイスは私が振るか。(ダイスを振る)……。
ロイド:……おい、駄目だぞこいつ(笑)。
アルト:駄目言うな、データ作ってくれた読者さんに謝れ(笑)。出目4で達成値13。ダメージは出目がよくて、半減で9点だな。今回は下半身も巻き込んだぞ。
ロイド:うーん、そろそろ半分くらいは削れてる筈なんだが。
GM:ですね。それくらいにはなってきてます。
▽ラウンド3▽
ロイド:で、また殴られる……と。ぶっちゃけ長期戦は出来んぞ。俺、もうMPが0でさっき借りた魔晶石を使っても、今ラウンドでマルチアクションは打ち止めだ。
アルト:……私の回復魔法だけでは、押し切られるな。
ロイド:そゆこと。
GM:では、押し切って差し上げましょう。また18、17で命中です。
ロイド:(ダイスを振る)お……上半身の攻撃は18で避けた。下半身の攻撃は1ゾロで直撃。(一同笑)
アルト:良くお前回避で1ゾロ振ってるよな…(笑)。
ロイド:ていうか、下半身の攻撃の方を避けたかったんだがな。毒あるし、ダメージでけぇし。
GM:ふふふ。ダメージは16点で、毒ですよー。
ロイド:(ダイスを振る)……げっ。ダメージは今回は大したこと無かったけど……。
アルト:……毒を食らったか。
ロイド:……うむ。器用度が6落ちて、命中が1下がった。しびびびび。
アルト:……痺れたか。まぁ、それでも結構な確率で攻撃は当たる。頑張れ。(一同笑)
ロイド:薄情だなお前!?(笑)
アルト:ともあれ、今回はバーンに先に動いて貰おう。……MPがライトニングに足りないんでエネボか?魔晶石はあるが…。
GM:汚名返上もあります。バーン君、魔晶石を一つ潰してライトニングを放ちましょう。(ダイスを振る)……あれ、私が振ると調子いいな。達成値20でライトニングが飛んだ。
ロイド:すごっ!?
GM/バーン:下半身は巻き込みませんでしたが、上半身に15点ダメージです。 「……これなら、どうだァ!!」 と、物凄い勢いの雷ぶっ放してます。うげげ、HPが……。
アルト:ロイド、好機だ。魔力撃をかませ!!
ロイド:よしきた!!(ダイスを振る)うし、命中は出目7で−1がかかって、合計15だ!!
GM:ぐぅ……回避力が落ちてますし、直撃です。
ロイド:よし、ここからが勝負!!(ダイスを振る)……来た!クリティカル!!
GM:……出目5でも死んでるのに。(一同爆笑)
ロイド:やめて、そんな事実を突き付けないで!!(笑) えー、あー……オーバーキルでダメージ、39点!!
GM:十分すぎます!槍の穂先で首を飛ばされたレッサーマンティコアのレブナントは、地面に倒れて今度こそ動かなくなります。もう二度と、動き出す事は無いでしょう。
アルト:……ふぅ。バーン、助かった。すまんな、魔晶石まで使わせて。後で補填させて貰う。
ロイド:良いライトニングだったぜー。エネボばっか撃ってるうちのお嬢に見習わせてぇくらいだ。(一同笑)
GM/バーン:「ありがとうございます。……まぁ、それまで上手くいかなかった分の汚名は返上出来ましたかね」 と、苦笑を浮かべます。
アルト:さて、待たせたな少年。今度こそ助けに来たぞ。狩人殿も聞こえるか?
GM/狩人:「あ、ありがとうございますぅぅぅ!!」 と、上の方から声が聞こえますね。
ロイド:よーし、こいつ連れて戻るか。
ちなみにレブナント・レッサーマンティコア。
レブナント化したら『魔法』は使えなくなりますが、『練技』は使えるっぽいので……。
実はビートルスキンを使ってたらもう少し粘れたのは内緒。
GMがそれに気付くのは、セッション終了後の話でした。
……あ、いや。最後のオーバーキル見てると、ビートルスキン使っても何も変わってなかったか。
◆帰還と後始末◆
さて、ロイドが2回転げ落ちたりしつつ、ロープを登ってダンジョンから出た一行。
ロイドさえ上り終われば、狩人のおっちゃんと協力してロープを引っ張れば、下の人間は引き上げて貰うだけで良いので大分楽です。
息子を助けて貰った狩人は彼らにとても感謝しますが―――
ロイド:じゃあ香木分けてくれ。(一同爆笑)
アルト:元々私ら、それ目当てで来たからな(笑)。
GM/バーン:「……ロック・ゴーレムやレッサーマンティコアと戦ってまで得るものですか、僕がいまさら言うのもなんですが」(一同笑)
ロイド:馬っ鹿お前、食道楽の傾向のあるうちのお嬢が楽しみにして待ってるんだ。持って帰らないと2年くらい前に俺がお嬢のプリン摘み食いした時みてぇに、揚げパンと目覚まし時計で武装してトイレに立て篭もるに決まってるだろ。(一同爆笑)
アルト:敢えて突っ込むとすれば、トイレに食べ物を持ち込むな。(一同笑)
GM/バーン:「あの、突っ込みどころそれですか!?」(笑)
狩人側もまさかそんなもん要求されるとは思っておらず、展開される漫才を見ながらちょっと呆然。
無論、快く分けてくれました。安過ぎる報酬。
そして余ってたMPでアルトがセイン少年の怪我を治療して、狩人やセイン少年、リィナ嬢と別れます。
そして、戻ったマントワーズでバーンの行きつけの冒険者の店に、枯れた遺跡の地下に眠っていた別の遺跡についての情報を売り付けます。
ロイド:…スカウト居ないからな。ぶっちゃけ、探し残しは山ほどあると思うぞ。
アルト:ただし、危険もあるだろうがな。崩れ易くなっていたから気を付けろ。
GM:では、その情報は2000Gで買って貰えました。冒険者の宿の主人、嬉々として馴染みの冒険者に声をかけ始めています。
ロイド:……はっはっは……なぁ、アルト、バーン。
アルト:…なんだ、いきなりそんな乾いた笑いを。
ロイド:俺らさ……現在重要参考人扱いで拘留されてる状態じゃん?
アルト:ああ。
GM/バーン:「ええ」
ロイド:なんでそれが未探査の遺跡を調査して、冒険者の店に情報売って、報酬貰ってるのかなぁって思うと途端に虚しくね……?(一同笑)
アルト:……いやまぁ、私はひらめき眼鏡買う金が出来たから満足なんだからな。
ロイド:帰ったらどう説明しようかねぇ、これ。
今回は人数が少ない状態で繋ぎでやったシンプルなシナリオでした。
1〜7話を第一部として、8話以降の第二部において多く出てくるNPCであるレグランス姉弟の片割れ、バーン君の顔見せ回でもあります。
次回以降、依頼をスムーズにするための布石とも。
ダンジョン探索シナリオも久しぶりなのですが、スカウト不在でやると面白いくらいに罠に引っ掛かってくれますね。心臓に悪いくらいに。
・獲得経験点:1460+各々の1ゾロ分
・獲得報酬(パーティー合計):1500G(拾った宝石)+2000G(冒険者の店からの情報料)+940=4440
・使用消耗品:魔晶石5点×2(1000G分)
・バーン君への報酬:拾ったタバルジン+1000G(使用させた魔晶石分、1000G)
前回多く渡したので今回は報酬少なめに設定した結果、アルトとロイドの二人の報酬はこのレベル(6Lv)にしては笑えるくらい少なくなってますが、それはそれ。拾ったタバルジンは、バーン君の姉上がもう少しで使えるかも知れないそうなのでお渡ししました。
さて、今回のシナリオが次回にどう影響してくるか。
ともあれ、これにて一先ずは。
……ミッションコンプリート!!