◆SW2.0キャンペーン 駆け出し冒険者のためのセプテット 第四話◆
 
◆成長報告◆
 
 
GM:さて、それでは前回の経験点は1510点+各々の1ゾロ分でーす。

ロイド:随分来たな!?

GM:戦いまくりでしたからねぇ。

アルト:その代わり、報酬は随分少なかったなぁ。

GM:現金では3560Gですね。

シルフィ:では、頭割りで―――712Gですね。

アルト:前回より少ないな。

シルフィ:とりあえず魔晶石は―――アルトさんとイクスさん、1個ずつ持っててください。私は今回自費で買いますので。

アルト:良いのか?では貰うが。

シルフィ:ええ。あと、分配するようなアイテムはありましたっけ?

イクス:前話でお嬢が投げた迅雷の髪飾り。(一同爆笑)

シルフィ:あれは仕方ない出費だったんですって!!(笑) エネボが撃てればそうしてましたよ!!(笑)

ロイド:薔薇のチョーカーの予備。(一同爆笑)

シルフィ:あれは私の予備です!あげません!!(笑)

アルト:何度目の発言になるか数えるのも面倒だが、そもそも怪我しない状況を……。(一同笑)

シルフィ:あーあーきこえなーい。(耳を塞いでいる)

GM:あ、それと……南西って向こうですよね?

ロイド:え?ああ、うん。多分。

GM:(土下座)秋田みやび先生ごめんなさい。(一同爆笑)

ネリネ:何事!!?(笑)

GM:はい、1話で出て来て皆さんもう忘れてるかもしれませんが、あの冒険者の店の名前覚えてます?

イクス:俺らが最初集まったとこですか?

GM:はい。あそこは≪黄水晶の欠片亭≫です。

ロイド:ああ。

シルフィ:ええ。

GM:そして公式リプレイの「ぞんざい勇者団」が所属しているのは≪水晶の欠片亭≫です。(一同爆笑)

アルト:だだ被りだなオイ!!?(爆笑)

GM:うん、私も3話終わって漸く気付いた。と、言うわけでSNE&秋田みやび先生、ごめんなさい。パクるつもりはありませんでした。

イクス:……まぁ、冒険者の店の名前が被ってたからどうこうって事は無いでしょうが…(笑)。

GM:気持ちの問題です。さて、遥か南西の地に向けての謝罪も済んだことですし、始めましょうか。

シルフィ:(首かしげ)……あれ?

GM:どうしました?

シルフィ:太陽があっちで……海が……で、国道がこうだから……(ぶつぶつ)。

GM:………何かありました?

シルフィ:うん。GM。

GM:はい。

シルフィ:貴方が今土下座していたのは、概ねハワイの方向です。(一同爆笑)

GM:(おもむろに方向修正して土下座)秋田みやび先生すんませんっしたぁぁぁぁぁ!!(一同爆笑)

アルト:いいから成長始めるぞ、成長!!(爆笑)
 
 
 既にお馴染み成長タイム。
 ギャーギャー騒ぎながらのアイテム購入とレベルアップ。
 その結果―――
 
 
GM:はい、では成長報告をお願いしましょう。

シルフィ:はーい。シルフィ、成長はソーサラー4Lvです。念願のファミリアを習得しました!!

GM:おおー、ファミリアですか。どんなのにするんですか?

シルフィ:個人的な希望はモグラかオコジョなのですが。(一同爆笑)

ネリネ:マスター、それは局地的過ぎます(笑)。

ロイド:っていうか、猫か鳥か蛙だっつーとろうに(笑)。

シルフィ:ビグザムのような使い魔が最終的には欲しかったのですが……。(一同爆笑)

アルト:何故ガンダム!!?(笑)

ロイド:っていうか、その大きさだとどっちが使い魔だか分かったもんじゃねーな(笑)。

シルフィ:某ツンデレ桃髪少女の使い魔小説では、ドラゴン使い魔にしてるロリっ子が居ました。いける。

ロイド:いけねぇよ。(一同爆笑)

シルフィ:ふ、仕方ありませんので鴉にします。ブンブン丸とでも名付けましょうか。

ロイド:微妙にネタを理解できる人とできない人がいるからやめとけ(笑)。

シルフィ:猫だったらシュレディンガーで決定なのですが。(一同爆笑)

ロイド:猫を毒ガス箱に入れる博士は絶対に猫嫌いだよな…。(一同笑)

シルフィ:まぁ仕方ありません。いずれあのサイズまで育ってくれることを期待して、ビグザムと名付けましょう。(一同爆笑)

アルト:生物学的に不可能だろ、それは!?(笑)

シルフィ:(慈母の表情で)いつか、あれくらいまで大きく健やかに育ってくれる事を祈って…………あ、能力値の成長は知力です。買物は5点の魔晶石と魔香草。以上!
 
 
名前:シルフィリア・アークウェイン
種族:エルフ 性別:女 年齢:20(外見15) 生まれ:魔術師
身長:163cm 体重:50kg 髪の色:紫銀
能力値ダイス:技10 体2 心14 A8 B7 C1 D4 E11 F9
最終能力値:器用度18 敏捷度17 筋力3 生命力6 知力27 精神力24
保有経験点:160
合計名誉点:49
保有名誉点:49
HP:18 MP:36
冒険者技能:ソーサラー4 セージ2 レンジャー1
戦闘特技:魔法誘導 魔法拡大/数
装備:メイジスタッフ クロースアーマー
所持品:冒険者セット 白紙の本 羽ペン&インク 魔香草×1 救命草×2 薔薇のチョーカー×2 魔晶石5点
所持金:112
 
 正義の名の元に暴走する火力エルフ。
 圧倒的な知力から繰り出される真語魔法はGMの出すボスのHPを抉りまくる。
 消費アイテムの使用を全く躊躇わない人。別名4500Gの女。
 
 
ロイド:さて、俺だな。ロイド・クラリクロイツ。成長した能力値は器用度。ファイターが4に上がった。プリーストは今回イクスが上げるみたいなんで、とりあえず見送りで。

シルフィ:どこに出しても恥ずかしくない戦士になって来ましたねぇ。

ロイド:早めにプリーストも上げたいんだが、まずは物理戦闘力の確保が急務っぽいからなぁ。ハードレザーを下取りに出してチェインメイルを買った。回避は多少落ちるが…。

アルト:メイン前衛の片割れの癖に、お前は装甲が薄すぎるんだ!(笑)

ロイド:さりとて、避けるわけでもないんだよな、俺。あっはっはっは(笑)。

アルト:笑い事か!!(笑)

ロイド:あ、あとはポーション3本買っておく。いざって時には色々使えるだろ。以上!
 
 
名前:ロイド・クラリクロイツ
種族:ナイトメア 性別:男 年齢:20 生まれ:神官
身長:188cm 体重:84kg 髪の色:漆黒
能力値ダイス:技6 体14 心10 A10 B7 C6 D6 E9 F7
最終能力値:器用度18+1 敏捷度13 筋力21+2 生命力20 知力20 精神力17
保有経験点:710
合計名誉点:49
保有名誉点:49
HP:32 MP:20
冒険者技能:ファイター4 ライダー1 プリースト/グレンダール1
戦闘特技:武器習熟/スピア 魔力撃
習得騎芸:攻撃指令
乗騎:レンタル取りやめ
装備:ロングスピア チェインメイル
予備装備:マトック
所持品:冒険者セット 聖印 バンダナ 能力値増強の指輪(器用度) 保存食×4食 能力値増強の腕輪(筋力) ロープ30m フック くさび10本 小型ハンマー ヒーリングポーション×3
所持金:170
 
 生まれは神官なのだが、既に戦士でしかないナイトメアの青年。
 攻撃に特化しており、パーティーの物理攻撃の要。
 よく1ゾロを振るが、それでも強い。
 
 
イクス:うっし。ついに俺はプリースト3Lvになりました!さようなら戦闘中の置物な俺!こんにちわフォース!!

GM:うげげ。魔法攻撃が充実してきたなぁ。

ロイド:前話で分かったが、このパーティー基本的に押して押す速攻戦術向けのパーティーだからな。これは大きい。

イクス:しかし上がった能力は生命力。筋力か生命力の二択って、俺からすれば要らない能力値トップ2なんですけど。

ネリネ:……まぁ、生命力は高くて損をする能力値ではありませんので。

イクス:ふむ、そう信じますかね。買ったアイテムは魔晶石の4点のを2つです。フォース2発分。

ロイド:撃つ気満々だな……。
 
 
名前:イクス・フォード
種族:人間 性別:男 年齢:16 生まれ:冒険者
能力値ダイス:技8 体7 心6 A7 B7 C6 D7 E8 F7
最終能力値:器用度15 敏捷度16+2 筋力14 生命力15 知力14 精神力13
保有経験点:510
合計名誉点:49
保有名誉点:49
HP:24 MP:22
冒険者技能:フェンサー1 スカウト3 プリースト/ル=ロウド3
戦闘特技:魔法拡大/数
装備:バックラー ソフトレザー ショートソード
所持品:冒険者セット スカウト用ツール ロープ40m 小型ハンマー くさび×20 フック×2 手鏡 小型ナイフ ランタン 油×6 水袋×2 火縄壺 ベルトポーチ 敏捷力増強の腕輪 ヒーリングポーション×1 魔晶石5点 魔晶石4点×2
所持金:266
 
 ザ・平均値なプリースト/スカウトの少年。ついに念願の攻撃魔法を覚えたが、プリーストとしてはどうなんだ。
 自他共に認める先制判定以外に戦闘での出番の無かった彼だが、今回のセッションでスポットが当たる……か?
 まぁがんばれ。
 
 
アルト:さて、私は遂に一本伸ばしをやめて、セージを2Lvにした。

ロイド:本の効果か。(一同笑)

アルト:かもな(笑)。上がった能力値は念願の知力。買ったアイテムは魔晶石の5点だ。攻撃援護回復全てをこなせるだけあって、コンジャラーは消耗が激しいからな。

ネリネ:完全に縁の下の力持ちポジションが確定して来ましたね。

アルト:まぁ、それはそれで縁の下から見るパーティーも面白いぞ?

シルフィ:縁の下から―――ま、まさか私のスカートの中が!?(一同爆笑)

アルト:おい、誰かこの妄想娘をどうにかしろ。具体的にどうするかまでは聞かん。そこまで興味は無い。(一同爆笑)

シルフィ:ひどっ!?(笑)
 
 
名前:アルト・ディオスクロイツ
種族:人間 性別:男 年齢:20 生まれ:学者
能力値ダイス:技5 体7 心9 A5 B6 C5 D7 E9 F7
最終能力値:器用度10 敏捷度11 筋力13 生命力15 知力19 精神力16
保有経験点:560
合計名誉点:49
保有名誉点:49
HP:27 MP:28
冒険者技能:コンジャラー4 セージ2
戦闘特技:魔法拡大/数 魔法拡大/距離
装備:メイジスタッフ ソフトレザー
予備装備:ピック
所持品:冒険者セット ランタン 火縄壺 油×2本 6人用テント 調理器具セット 食器(5人前) 魔化された樫の枝×4 可愛くない人形×2 魔晶石7点 魔晶石5点
所持金:240
 
 前話でスパークの火力に味を占めたコンジャラー。援護魔法より攻撃魔法が猛威を振るう。
 悪知恵が意外と回る事が発覚。GMからロイド・シルフィに並んで危険視されているとかいないとか。
 MPは魔法使いとしては少々不安なので、魔晶石ので補助が欠かせなくなってきたスペルユーザー。
 
 
ネリネ:ネリネです。上がった能力値は無意味に精神力。技能はファイターが4Lvになりました。

ロイド:……また一番微妙なところが上がったな。

ネリネ:欲しいところばかり上がるロイドさんやマスターが少し羨ましいです(笑)。

シルフィ:しかしPLは欲しいところに肉がつかず……。(一同笑)

ネリネ:こらこら(笑)。―――えー、はい。他に買ったアイテムはポーションを6本ほど。予備装備のハードレザーを下取りに出しました。以上です。
 
 
名前:ネリネ
種族:ルーンフォーク 性別:女 年齢:4(外見17) 生まれ:戦士
能力値ダイス:技9 体12 心5 A8 B3 C9 D11 E8 F2
最終能力値:器用度17+1 敏捷度13 筋力21 生命力24 知力13 精神力8
保有経験点:960
合計名誉点:49
保有名誉点:49
HP:36 MP:8
冒険者技能:ファイター4 エンハンサー1 レンジャー1
戦闘特技:かばう 防具熟練/金属鎧
習得練技:ビートルスキン
装備:ヘビーアックス プレートアーマー タワーシールド
所持品:冒険者セット 救命草×2 器用度増強の指輪 ヒーリングポーション×3
所持金:282
 
 元祖僕らのスーパーロボット。最強の物理戦闘力を誇るパーティーの重戦車。
 完全装甲時のその防御力は、ザコはおろかボスですらも辟易する硬さを誇る。
 ついに自己修復用のポーションまで完備。どこまで行くのかくろがねの城。
 
 
◆乱闘から始まるストーリー◆
 
 
GM:さて、では物語は前話のラストから二日後。貴方達が件の宿場町へ戻り、また一日休息タイムと相成った頃から始まります。

アルト:引っ越しの旅はまだ続く。(一同笑)

ロイド:これ引っ越し終わる頃には俺達のレベルは5くらいにはなってるんじゃないか?(笑)

イクス:あはははは……まさかぁ………と、言いきれないのが怖い。(一同笑)

GM:まぁ、丸一日時間が空きましたんで、皆さんきっとまた自由行動なのでしょう。

ロイド:(計算中)……最初の冒険が往復4日がかり。その後3日のインターバルを挟み、この街まで2日。そして1日かけてレッサーオーガ―を探し出し撃破。1日インターバルの後、足かけ4日で遺跡探索。そして今に至る。

ネリネ:累計しておよそ半月ですね。

ロイド:うむ、この半月で俺ら、そこそこのレベルまで育ってしまったな。もう少しで一人前の冒険者を名乗れるんじゃないだろうか。

ネリネ:名誉点があと2点高ければ、ルールブック2掲載の表では一人前扱いされるみたいですね。

ロイド:まぁ、まだしばらく半人前ライフを楽しもう(笑)。と、いうわけで俺は小金を持って酒場にでも繰り出してくる。

シルフィ:何が「と、いうわけで」ですか!良いですか、ロイド。貴方は少しちゃらんぽらん過ぎる。貴方くらいの実力があれば、もう一人前を名乗っても良いと思いますよ!あ、マスター。赤ワインください!!(一同笑)

ロイド:お前も飲みに来てんのかよ!?(笑)

シルフィ:(ぐびぐび)いえその、お酒は好きですよ?あ、瓶で貰ったので、50Gほどお金減らしておきます。(一同笑)

ロイド:……良い飲みっぷりすぎて言葉も無いわ(笑)。俺は安くエール飲んでる(笑)。

ネリネ:では、お二人が酒場に繰り出しているので、私は宿の部屋でテキパキと掃除しています。(一同笑)

ロイド:…たまに居るよな。ホテルや民宿泊まると、帰る前にこれでもかっつーくらい掃除する奴。(一同笑)

ネリネ:趣味ですから(笑)。

アルト:ああ、私は本読んでるから。

イクス:大丈夫、兄貴には期待してないから。(一同爆笑)

ロイド:そこ、下剋上起きかけてないか?(笑)

GM:で、そのイクスさんは何をしているんですか?

イクス:あー、そっすねぇ。まぁ、遺跡探索の収入も入ったし、今日はちょっと豪華にランチでも頂くかなぁ。……一食10Gくらいの。

GM:……ルルブ見てると通常のランチセットが8Gなのですが。(一同笑)

ロイド:それってさ、俺らが臨時収入入ったからちょっと豪勢にチャーシューメン食おうとか言うのと同レベルだよな。(一同笑)

イクス:じゃあ、ファンタジー版チャーシューメン的な何かを食いに行きます。意外と入った店で旦那方とはち合わせたりして。

ロイド:おー、イクスじゃねーか。お前も飲むか?

シルフィ:ワインには甘辛い煎餅が合いますよー。(一同笑)

イクス:……旦那方、昼間っから何酒飲んでんすか(笑)。

ロイド:いや、冒険者らしくね?お嬢なんか瓶だぞ、瓶。男らしいな。

シルフィ:樽と言わなかった分評価してください。あー酒うめぇぇぇぇ。(一同爆笑)

ネリネ:マスター、あの……いえ、何も言いません。(一同笑)

シルフィ:ネリネ、それは一番辛いです!!(笑)

アルト:……お前な……一応お嬢様じゃなかったのか?(笑)

シルフィ:いいのです・酒がうまけりゃ・飯美味い。お、一句出来ました。

ロイド:無差別に上の句詠むな。(一同爆笑)

シルフィ:……季語どうしよ?(一同笑)

ロイド:俺、ちょっとお前の侘び寂に戦慄を感じつつあるんだが。(一同笑)

イクス:楽しそうっすねぇ……。

GM:とまぁ、そんな調子でグダグダしてますと、近くの席でお食事中の隊商の会話が聞こえてきますね。

ロイド:お?

GM/隊商:「おい、聞いたか?なんでもこの街のライフォス神殿で盗難があったとか」「で、現場にはル=ロウドの聖印が転がっていたってなぁ」「そのおかげで、ル=ロウド神殿とライフォス神殿が今、ちょっとピリピリしてるらしいじゃないか。ル=ロウド神官は下手するとこの街に数日拘束されそうな勢いだってな」

イクス:……い?

ロイド:へぇ、大変だな。俺はグレンダールだから関係ねーが。

シルフィ:いえ、ロイド。あの……イクスさんの宗教覚えてます?

ロイド:(さらりと)サカロス。

イクス:いや、ル=ロウドですよ!?っていうかその反応なに!?マジ忘れ!!?(一同爆笑)

ロイド:なにぃ!?お前、ル=ロウド神官だったのか!?じゃあなんで「ラック」使わねぇんだよ!便利だろアレ!!(一同爆笑)

イクス:え?……(ルルブ確認)何これマジ便利なんですけど!?こんな呪文あったの!!?(一同爆笑)

アルト:……気付いて、なかった……のか?

イクス:やめて、そんな気の毒な人を見る目はやめて!!(爆笑)

シルフィ:それにですねぇ、ロイド。サカロスは酒の神。昼間からの飲酒を咎めるイクスさんがサカロス神官なわけないでしょう。ぷはー、酒うめー。オニオンリングおかわりー。(一同爆笑)

ロイド:むしろお前のがサカロス臭いな。

イクス:むしろ酒臭いっす。(一同爆笑)

シルフィ:聞こえます、私にもサカロス神の声が聞こえます。「汝の飲みたいように飲むがよい」。(一同爆笑)

ロイド:それ、旧版の邪神臭いぞ。名前に「ラ」は入ってねぇだろうな(笑)。

シルフィ:邪神サカラロス。二日酔いと迎え酒の神。固有魔法は自らの二日酔いを悪化させる。(一同爆笑)

ロイド:せめて治せよ!?(笑)

シルフィ:遥か昔は信仰されていたのですが、宴会後の二日酔いで更に迎え酒のコンボのところを蛮族に襲撃されて主神殿が壊滅。その後、信仰が廃れたそうです。(一同爆笑)

ネリネ:むしろ、廃れて正解かと。(一同笑)

ロイド:……まぁ、とにかく。今の話は気になるな。なぁ、隊商のおっちゃん達。今の話、詳しく聞かせてくんねーか?エール奢るからよ。

GM/隊商:「おう?構わねぇが、俺らも詳しく知ってるわけじゃないぞ」

ロイド:それでも構わん。こっち、仲間にル=ロウドとサカラロスの神官が居るからな。(一同爆笑)

アルト:さりげに変なものを混ぜるな!!(笑)

シルフィ:オニオンリングうめー!!(一同爆笑)

ロイド:まぁ、20Gくらい消費して適当な料理と酒を頼む。

GM:では、機嫌良く語ってくれますよ。と言っても、彼らも詳しく知ってるわけじゃないですが。
 
 
・丁度シルフィ達が遺跡探索をしている頃に、ライフォス神殿から大事なマジックアイテムが盗まれたらしい。
・現場にはル=ロウドの聖印が落ちていた。その結果、ライフォスとル=ロウドの間で軋轢が起き始めている。
・現在、その関係でル=ロウド神官の街からの出入りが若干滞っている。
 
 
ロイド:……軋轢ねぇ。聖印だけってのは、証拠としちゃ弱くねぇか?

GM:無論、ライフォス側もそれは分かっているのでしょう。ですが、これがザイアやティダンではなくル=ロウドだと言うのが問題で。

ロイド:……なるほど。ル=ロウドは自由を司る神。ライフォス側からの捜査の為の干渉をル=ロウド側が嫌ったか?

GM:それもありますし、ル=ロウドは蛮族にも信仰されたりする、第一の剣にも第二の剣にも近い中立的な神です。―――対するライフォス、蛮族にとっても厳しい。分かりますね?

ロイド:あー……なんとなく。ライフォス側が強制捜査しようとして、ル=ロウド側が反発。そしてライフォス側が、逆切れかまして蛮族がどーしたとかイチャモンつけ始めた?

GM:身も蓋もありませんが、大筋ではそんな感じです。街の西部にあるライフォス神殿と東部にあるル=ロウド神殿の間で、現在割と緊張状態になっていたりします。

シルフィ:……どーしましょうか、これ。事によっちゃ数日足止めですよ。

ロイド:意外に冷静だな、お嬢?また正義の為に真相を明らかに、とか言って勝手に動き出すかと思ってたが。

シルフィ:正義がどちらにあるか明らかであれば動くに吝かではありませんが……微妙なんですよねぇ、なんか。ライフォス側が強引だなぁ、とは思うのですが。

ロイド:……足止めされても、まぁ今の状況なら依頼人が嫌がる事もないだろうしな。というか、嬉々として読書してるだけだろ、きっと。

シルフィ:ですよねぇ。と、いうわけで自分から首を突っ込む理由は特にはありません。

GM/声:ですが、そう言っていられるでしょうか。食事をしている食堂の前で、突如怒声が響きますよ。「しらばっくれるのは止めろ!!」

ロイド:……お?

GM/声:「そ、そんな!違いますよ、私はル=ロウド神殿の者では……」「だが、お前がル=ロウド神殿から出て来たのは分かっているんだ。隠すと為にならんぞ!」「いや、だから私は出入り業者で……」「うるさい、この盗人の仲間め!!」

シルフィ:ムカッ。

ロイド:……推定、ライフォス神殿の強引な捜査……か?

GM:そして外では、「やめてください」という悲鳴と「うるせぇやっちまえ!」と言う声が、

シルフィ:ライトニング。(一同爆笑)

ロイド:やめんかっ!?(笑)

イクス:せめて出て行って口上垂れてから撃て!!?(爆笑)

ネリネ:時々マスターの正義って無闇に潔すぎる気がします…(笑)。

ロイド:とりあえず、お嬢からメイジスタッフを取り上げながら周囲の様子を見てみるが。

GM:周囲の食事客達は「そりゃねぇだろオイ」とか露骨に不快そうな顔をしていますが、具体的に動こうとなると……ライフォス神殿相手はちょっと、という様子です。

シルフィ:まぁ、冒険者の店ってわけでもないでしょうしね……ロイド、その杖返して下さいよぅ。敵にジャッジメントを下すのに必須なんですから、それ。

ロイド:……良いからまずは俺が行くから、危なかったら魔法で援護しろ。ただし、ギリギリまで撃つな。腹立つのは分かるが、ライフォス神殿を敵に回すと色々面倒だ。俺も出来るだけ素手で行くが…。

イクス:お願いするっス。ル=ロウドな俺は……どうしよ。

ロイド:出ない方が無難だな。

イクス:っていうか、今のうちにトンズラこいて宿に戻っていた方が面倒なさげっすね、この状況だと。ちょっと失礼して、裏口から宿に戻ります。

シルフィ:分かりました。では、せいぜい派手に引きつけるためにも口上は任せて頂きましょう。ロイドを引き連れて、食堂を出ます。 ―――お待ちなさい!!

GM:はい、外に出ると半泣きの商人風の男性を押さえ付けて殴ろうとしている二人の若者が居ますね。胸にはライフォスの聖印が。

シルフィ:ムカムカ。 ―――ん、ごほん。罪も無い一般市民を捕まえて暴力を振るうなど不届き千万!恥を知りなさい!

GM/ライフォス信者:「何を言うか!こいつは盗人であるル=ロウド神殿の者だぞ!」

シルフィ:本人は出入りの商人だと発言していました。その真偽も確かめず、一方的に暴力を振るうとは神官の風上にも置けません!速やかにその人を解放し立ち去りなさい!!

ロイド:(ぼそっ)お〜い、悪いこと言わんから帰っとけー。この小娘、一度敵と認定した相手には一切の容赦なくガチガチに固めた戦術で殺しに来るぞー。(一同爆笑)

GM/ライフォス信者:「なにを!盗人を庇う不届き者が!!」 と、叫ぶなり若者二人は腰の剣を抜きます。

ロイド:……いかにも最近の若者だなぁ、キレやすくていかんわ。 んじゃ、槍を背に背負ったまま、軽く拳を構えよう。

ネリネ:グーパンチですか。

ロイド:後を考えると、ここで本気でやったら逆にこっちの立場が危なくなりそうだしなぁ。素手で制圧出来るなら、素手で制圧しちまう事にする。

イクス:強かったらどうするんで?

ロイド:そういう器にゃ見えないが……最悪、全力で当たるさ。

GM:さて、それでは軽く一戦と行きましょうかねー。
 
 
◇VSライフォス信者◇
 
 
 さて、このVSライフォス信者戦。
 軽いイベント戦闘、もしくは肩慣らし程度のものであり、敵戦力ははっきり言ってしおしおのぷ〜でしかありません。
 一話で戦った「山賊の突撃兵」に1Lvの神聖魔法覚えさせただけの存在です。
 あの頃ですら、武装さえしていればロイドの敵ではありませんでした。
 ましてや、あの頃からファイターLvが3も上がった今となっては―――
 
 
ロイド:(ダイスを振る)先制値は10!

GM:お。では、そちらが先手ですね。

ロイド:OK。通常移動で突っ込んで、乱戦に巻き込む。そのまま魔力撃を乗せてパンチ。(ダイスを振る)命中15、ダメージは13。

GM:……一撃でHPが半分になりました。

シルフィ:余裕そうですね。では、私は軽くパンっと手を打ち合わせまして、食堂の皆さんにお声をかけましょう。ハイ、皆さんトトカルチョです!ライフォス信者のお二人は果たして何十秒もつでしょうか!掛け金は5Gから!!(一同爆笑)

遠くのアルト/おっさん:「1分に10Gだ!」

遠くのイクス/おっさん:「俺は50秒に5G!」

遠くのネリネ/おっさん:「いいぞ、兄ちゃん!ぶちのめせー!!」(笑)

ロイド:と、まぁこんな感じで盛り上げておけば、目撃者の心象的に俺らに大分プラスが入るのではないかと。あくまで俺達はライフォス神殿にではなく、彼ら個人の無法に対して対抗したものである、と。(一同笑)

GM:……地味に変な布石張ってますね。

シルフィ:え、私そこまで考えてませんでしたが(笑)。

ロイド:張れる布石は張っておく……と、言いつつお嬢は無意識の行動だったか(笑)。

GM:あ、ちなみにこちらの反撃、達成値11で固定です。

ロイド:(ダイスを振る)チ、魔力撃と金属鎧で回避が疎かになってるな。一撃貰った。

GM:ではダメージ9点!

ロイド:3点抜けた。

GM:素手なのにこれだけの戦力差は理不尽だと思います。(一同笑)
 
 
 何と言うか。
 ロイドの魔力パンチは4以上で当たる上に期待値13というエグい威力になっています。
 対する敵の攻撃はロイドが回避で6以下を振らないと当たらない上に、威力で見れば2D6+2。
 2対1でも戦力差は歴然で、3ラウンド終了時には体力を大分削られたライフォス信者二名がまだまだ元気なロイドに相対している有様に。
 
 
ロイド:おーい、そろそろ逃げたらどうだ?というか、こんだけ弱いくせに喧嘩売ってくるとかかなり最悪だぞお前ら。

シルフィ:駄目ですよロイド。彼らはこれでも十分強いつもりで居たのですから。(一同笑)

遠くのネリネ:マスター、傷口に塩擦り込んでます、それ(笑)。

ロイド:良いから逃げろよぉ、背ぇ向けるなら殴らないどいてやるから。

GM:そうですね、ではここらでイベントを起こしましょうか。信者二人がどうしようかと悩んでいると、「待たんか!」という声が響きます。

ロイド:……お?

GM/偉そうな司祭:路地の向こうから、慌てた様子で壮年の男性司祭が走ってきます。ライフォスの聖印を身に付けていますね。「貴様ら、ここで何をしているか!」「ジード司祭!?我々は盗人であるル=ロウド神殿の者を捕らえようとしたのですが、こいつらが邪魔を…!」

ロイド:ほ、お偉いさんか。

シルフィ:む、事によるとライトニングが必要でしょうか。

遠くのアルト:だから何故いきなり戦闘前提なんだお前。(一同笑)

GM/ジード司祭:いえ、どうやらジードと呼ばれた司祭は彼らの行動を咎めに来たようですね。「まだル=ロウド神殿の仕業と決まったわけでは無かろうが!」「しかし聖印が……」「聖印など幾らでも偽装出来るわ!これが欺瞞工作だったらどうする気だ!!」 と、一通り若い信者を叱り飛ばした後に、貴方達に向き直ります。 「申し訳ない、ル=ロウド神殿の方々。うちの神殿の若いのがご迷惑を…」

ロイド:んや、俺ら無関係。ほら、グレンダールの聖印。

シルフィ:メイジスタッフ見せまーす。魔術師でーす。

GM:司祭、鬼のような形相で後ろの若い信者に振り向きますよ(笑)。

ロイド:ついでに、その二人が捕まえようとしてたの、出入りの商人だってさ。商人のおっちゃん、何売りに行ったん?

GM/商人:「え?はい、ジャガイモの搬入です。確認して頂ければ」(一同笑)

ロイド:だ、そうだが。

GM/ジード司祭:「―――貴様ら、しばらく反省室に籠っていろ」 と、ジード司祭は後ろの若い信者を追い散らします。 「お二方と商人どのには、本当になんとお詫びをしたら良いか……まずは傷の治療を」 と、司祭は怪我をしているロイドさんと商人さんにキュア・ハートを唱えます。(ダイスを振る)商人の傷が19点、ロイドさんの傷が16点治ります。

ロイド:随分余ったぞHP(笑)。

GM/ジード司祭:「それと、少ないですが迷惑料とお思いくだされ」 と、ジード司祭は貴方達と商人に各々100Gを渡します。 「本当に申し訳ありませんでした。奴らにはきつく言って聞かせますので、どうかご勘弁を」

ロイド:だ、そーだけど商人のおっちゃんはどーよ?

GM/商人:「……まぁ、偉い人にここまで頭を下げられちゃねぇ……」

シルフィ:だ、そうです。良かったですね。

GM/ジード:「貴方達は?」

ロイド:いや、景気良く殴っただけだしなぁ、俺……。(一同笑)

シルフィ:まぁ、私達は部外者です。って言うか、むしろ加害者ですので。(一同笑)

ロイド:許すも許さないも無い、ってわけだな。まぁ、さっきの二人には腹立ったが。

シルフィ:あと、トトカルチョでもちょっと儲けさせて頂きました。(一同笑)

GM:……30Gくらい所持金増やしておいてください(笑)。

シルフィ:わーい。

GM/ジード:「……お二人は冒険者ですか?」

ロイド:まぁ、一応。

シルフィ:駆け出しですが。

GM/ジード:では、それを聞いてジードさんは少し考える素振りを見せます。 「……これも何かの縁。お二人に、少々依頼があります」

ロイド:………ふむ?

シルフィ:あの、すいません。私達、現在他の人の依頼でこの街に立ち寄っているだけなんです。

ロイド:ちょっと待った。ジードさん……で、良いか?

GM/ジード:「構いません。何か質問でも?」

ロイド:ああ。それは、このル=ロウド神殿とライフォス神殿との間で起こっている出来事に関するものか?

GM/ジード:「はい。この事態に対する、第三者による調査をお願いしたいのです」

ロイド:何故?あんたはライフォスのお偉いさんだろう?

GM/ジード:「ええ。この街の神殿の最高司祭を務めさせて頂いています」

ロイド:そりゃ凄いな。……でもさっきのキュアの回復量見るに、5〜7Lvか?

GM:6Lvプリーストです。数百人規模の街の司祭としては、こんなものかと。

遠くのイクス:ああ、良いなぁキュア・ハート。世界が広がる…。

ロイド:……それが解決するまで、ル=ロウド神官はこの街の出入りにかなり制限がつくだろうってのはマジか?

GM/ジード:「……不本意ですが……恐らくは」

ロイド:ふ、む。あんたの意志じゃないが、ライフォス神殿内でル=ロウド側の仕業と決めつけている勢力がある。で、そこが強硬手段に出てしまっているってわけか?

GM/ジード:「ええ。―――ル=ロウド神殿を疑う証拠には、聖印一つでは足りません。ですが、ル=ロウド神殿ではない、という証拠も無いのです」

ロイド:……つまり、明確な証拠が無い以上アンタもその強硬派を抑えきれない。が、強硬派のやり方で問題が出るのを避けたいから、第三者に解決を依頼したい、と?

GM/ジード:「……はい」

ロイド:……お嬢、この話がマジだとしたら、イクスが居る以上俺らしばらく足止めだぞ、この街で。

シルフィ:……うーん、それは分かりますが。

ロイド:どーせ依頼人はきっと読書タイムだし、少なくとも今日一日は身体が空いてる。その範囲で調べてみるくらいなら、文句ねーだろ。

シルフィ:……確かにそうですね。このまま放っておくのも色々宜しくないかもしれませんし。

ロイド:つーわけだ、ジード司祭。とりあえず、今日一日調べてみる。仲間にル=ロウド司祭もいるから、放っておけばロクでもない事になる可能性もあるしな。

シルフィ:イクスさんは巻き込まず、私達だけで動いた方が良いかも知れませんね。イクスさんが関わっては、私達が調べるのにライフォス側が嫌がるかもしれませんし。

GM:構いませんよ。この辺の導入部分では、ある程度そう言う行動は想定済みです。

遠くのアルト:となると、シルフィ・ロイド組で行動開始か。

ロイド:そうなる。状況次第で追加で色々調べて回るかもしれないが、とりあえず今日一日って事でどうだろうか?

GM/ジード:「そうですね……まずはそれで、お願いします。まずは現場にご案内しましょうか」

シルフィ:そですね。お願いします。
 
 
◆神殿がグダグダ◆
 
 
GM:さて、あの後上手く酒場から抜け出したイクスさん。とりあえず、無事に泊まってる宿まで戻れますよー。

イクス:あいさ。……迂闊にライフォス信者とエンカウントしたら何言われるか分かったもんじゃないしな。ここは一つ、聖印隠して動くか。

アルト:じゃあ、丁度宿の一階で食事でもしてるか。

移動中シルフィ:…泊まっている宿の一階が食堂なのに、何故私らは遠くに出張っていたのでしょう。(一同笑)

移動中ロイド:アレだ。きっとさっき俺らが居た食堂は地酒の美味い食堂だったんだ。(一同笑)

アルト:…どうしたイスト。息せき切って駆け込んでくるとは……トイレか?(一同笑)

イスト:駆け込んだ勢いを殺さずにアルトの兄貴に首狩りラリアットを仕掛けます。(一同笑)

アルト:ぐぼぁ!?(笑) ど、どうしたと言うのだお前は!!(笑)

イスト:まぁ、ざっと事情を説明しましょう。

アルト:説明されよう。
 
 
 説明中……。
 
 
アルト:ほう、ライフォスとル=ロウドの諍いか。大変だな、神殿も。

イクス:超他人事っすね、兄貴。

アルト:他人事だからな。とは言え、足止めされるのも面倒と言えば面倒か。ここは一つ、依頼人に意見を聞いてみるか。

イクス:では、レジーナさんの部屋へ向かいましょう。

GM:はい、ではレジーナさんの部屋―――

ネリネ:―――で、私はぱたぱたとスリッパを履いて歩きまわっています。手にはハタキ。レジーナさんの横には紅茶のカップとクッキーが置いてあったり。(一同笑)

遠くのシルフィ:凄い世話してる!?(笑)

ネリネ:誰かの世話をしていないと落ち着かないんです。むしろ、禁断症状が出ます。最悪爆発します。(一同爆笑)

イクス:どういう構造してんだ、アンタは!?(笑)

アルト:おい、レジーナ、ネリネ。現在この街でちょっとした問題が起きているようなんだが―――
 
 
 再度説明中。
 
 
GM/レジーナ:「足止めか。うん、足止めなら仕方ないね。仕方なく本に没頭していよう」 と、超嬉しそうに言い放ちます。(一同笑)

イクス:いやまぁ、予想されていた結果ではありますが…(笑)。

アルト:それはそうと、ロイド達は結局どうなったのだろうな?

イクス:あー……俺は結果見届ける前にこっちに来ちゃいましたしねぇ。

アルト:……ふむ。ひょっとしたら、捕まってライフォス神殿にでも連行された可能性もあるな。まぁ、奴らとて馬鹿ではない。説教で済む程度に被害は抑えているだろうが…。

ネリネ:よもや、ライフォスのお偉いさんから依頼を受けていようとは夢にも思わないでしょうね、私達(笑)。

アルト:だな。では、私はちょっとあいつらを探しに行ってくるか。足止めなら足止めで、宿屋で大人しくしておくべきだろう。

ネリネ:そうですか。では、アルトさん。マスター達をよろしくお願いします。

アルト:心得た。

GM:では、アルトさんは移動開始ですね。イクスさん、ネリネさんはどうしますか?とりあえずネリネさんも、レジーナの世話は大体終了して手持無沙汰になってきましたが。

ネリネ:では、私、何も食べていなかったので遅めの朝食を摂りましょうか。

イクス:…従者だなぁ、ネリネのねーさん。

GM:では、お二人が食堂で適当にご飯を食べてますと、カランカランと音を立ててお客さんが入ってきます。

イクス:ん。ル=ロウドの聖印だけは隠しておいて、そっち見てみますか。

GM:はい。そこには、眼鏡をかけ、薔薇のチョーカーを身につけた―――

遠くのロイド:(すかさず)敵かァァァァァァ!!(一同大爆笑)

ネリネ:何故!?(笑)

遠くのロイド:薔薇のチョーカーを装備している。俺の精神を逆撫でするつもりに間違いあるまい。(一同笑)
 
遠くのシルフィ:ああ、ロイド……どうしたのですか、こんなにやさぐれて(爆笑)。

ネリネ:お嬢様、申し上げますが八割貴方のせいかと(笑)。

GM:……まぁ、薔薇のチョーカーを装備した、神官服のほえほえとしたお姉さんです。で、そのお姉さんはル=ロウドの聖印を身に付けているわけですが……。

      ※イラスト提供@GT氏。感謝!

 

イクス:お。御同業?

GM/女性:その女性はイクスさんの方を向いて、驚いたように口元に手を当てます。 「イクス君!?」

イクス:……は?(笑)

GM/女性:「イクス君じゃないの!私よ、ロザリーよ!覚えてないかしら?ああ、アルト君は元気!?」

イクス:え?あの、ちょ……!? GM、俺この人に見覚えあります!?

GM:冒険者レベル+知力ボーナスでどうぞ。

イクス:ええ!?(ダイスを振る)えーと、13!

GM:分かりません。

イクス:これで駄目か!!?

シルフィ&アルト:……(笑いを堪えている)。
 
 
 さて、リプレイ執筆担当のmixiをご覧の方はお分かりでしょうか。
 私(GM)は今回、イクスにスポットを当てるためにアルト・シルフィの『パーティーの行動に決定権を持つキャラ』のPLを抱き込んでいます。
 まぁ、抱き込んでいると言っても先にこのNPCの「とある秘密」を教えておいて、イクスがそこに疑問を持たないように誘導してくれと言っていただけなのですが。
 
 
アルト:ちなみに私はその場には居ないぞ(笑)。

イクス:ぐあくそ!?(笑)

GM/ロザリー:「……分からないの?そうよね、私、あの頃からかなり変わったし」 ふふ、と笑みを浮かべて髪をかき上げます。

イクス:……あの、本当に貴方、俺の知り合いで…?

GM/ロザリー:「―――そうねぇ。昔、ル=ロウド神殿でイクス君、庭の木に登って林檎取ろうとしたでしょ?」

イクス:……ええ。

GM/ロザリー:「で、20分の悪戦苦闘の末林檎をゲットしたんだけど、その隣でアルト君が枝切りバサミでラクラクゲットしてるのを見て、世の無常を儚んでた」(一同爆笑)

イクス:く、そんな恥ずかしい記憶を知っていると言う事は間違いなく知り合い!?(笑)

遠くのロイド:…それっぽいな(笑)。

ネリネ:……お知り合いですか?イクスさん。

イクス:え、ええ。それっぽいんすけどね…。

GM/ロザリー:「あら、貴方は……イクス君のお友達ですか?」

ネリネ:肯定です。イクスさんの冒険者仲間で、ネリネと申します。

GM/ロザリー:「冒険者……そっかぁ、イクス君冒険者なんだねぇ」

イクス:まぁ、やった仕事と言えば追い剥ぎ討伐と引越し手伝いくらいですが。

遠くのロイド:その引越し手伝いでどこまで成長する気なんだろうな、俺ら。(一同笑)

GM/ロザリー:「……ね、イクス君。君を信用して、お願いいいかな?」

イクス:……はぁ?なんでしょか。

GM/ロザリー:「…今、ル=ロウド神殿とライフォス神殿があまり良くない状態なのは分かる?」

イクス:一応は。

GM/ロザリー:「うん。で、ル=ロウド神殿はライフォス側からあらぬ疑いを突き付けられているの。それを解消するためにも―――ライフォス神殿で起こったって言う盗難について、調べてほしいの」

イクス:……解決しろと?

GM/ロザリー:「ううん。最低限、神殿の関与を否定できる材料が集まれば良いわ」

イクス:…どう思いますね?ネリネのねーさん。

ネリネ:…私ではなんとも。依頼人であるレジーナさんに許可を得るべきかと。

イクス:はぁ、では聞きに行ってみましょ。どうせ、そうじゃないと街から出られないわけですし……。

遠くのアルト:最悪、イクス放置して他全員で街を出るって手もあるがな。(一同爆笑)

イクス:ひでぇ!?(爆笑)
 
 
 そして、レジーナに事情を説明しに行くイクス。
 結果―――
 
 
GM/レジーナ:「了承」

遠くのアルト:まぁ、予想はしていたがな。

イクス:……ですねぇ。じゃ、ロザリー……さん?ちょっと、事情を聴いても宜しいでしょうか?

GM/ロザリー:「分かりました、それでは―――」
 
 
・この街のル=ロウド神殿はこの事件に関わってはいない。(神殿に正式に所属している人間は全員アリバイがある)
・が、神殿外のル=ロウド神官については分からない。そちらの可能性は否定できない。
・もし部外のル=ロウド神官が盗難を働いていた場合は、その者の捕縛を。そうじゃない場合は、ル=ロウド側の関与を否定できる証拠を集めて貰いたい。
 
 
イクス:……事実上の解決依頼……ですな。

ネリネ:…どうなさいます?イクスさん。

イクス:う、うーん……。

GM/ロザリー:「報酬は合計で5000G。成功報酬でどうでしょうか?」

イクス:5000かぁ……それだけありゃ、まぁパーティー全体でそれなりの強化が出来るでしょうが。

遠くのシルフィ:まぁ、構わないと思いますよ。私達とそちら、2方向からのアプローチと言う事で。

ネリネ:私としては、依頼を受けた上でアルトさん、ロイドさん、マスターとの合流を推奨しますが。

イクス:……うーん……まぁ、調べてみるだけなら良いか。藪をつついて蛇を出す結果にならんと良いけど……いや、ていうか。

GM/ロザリー:「……なんですかぁ?」

イクス:この人……なにもんだ?
 
 
 さて、シルフィやアルトの援護(請けてもいいんじゃないかコール)に押されて、多少怪しい依頼人であるロザリーからの依頼を受けたイクス・ネリネ組。
 そして、ジード司祭から依頼を受ける事にしたロイド・シルフィ組。
 ロイド達と合流しに移動しているアルト。
 
 幾つか想定していた導入パターンの一つです。
 アルトがロイド・シルフィ組と合流を目指しているのは少し想定から外れていますが、問題ないレベルのイレギュラー。
 さて、導入パートは終わり。ここから、各々の判断で動いて頂きましょうか…。
 
 
◆ライフォス神殿にて◆
 
 
GM:では、ロイドさんとシルフィさんから行きましょう。貴方達はライフォス神殿の中、応接間のようなところに通されました。貴方達に席に着くよう促して、対面にジードさんも座ります。

シルフィ:では、楚々とした仕草で座りましょうか。

ロイド:……んで、調査って話だが……。

GM:では、ジードさんがまず事情と状況について語りましょうか。
 
 
 さて、質問&回答タイム。
 何は無くとも、情報を与えねばPCも動けません。
 が、与え過ぎると察しの良いPLは要らん事に勘付いたりもするので、中々難しいところなのですが。
 ともあれ、ジードさんが知っている情報は以下の通り。
 
・盗難発生時刻は二日前の未明。
・保管庫の壁が破壊されていた。その音に気付いた当直の神官が行った時には、既に下手人の姿は無かった。
・その際、足元にル=ロウドの聖印が落ちていた。
・今のところ有力な手掛かりなどは無し。
 
 
ロイド:ふーむ、なるほどなるほど。

シルフィ:盗まれたアイテムって、どんなのですか?

GM/ジード:「昔、ライフォスの神官戦士が使っていた魔法のメイスです」

シルフィ:エスカリボルグですか。(一同爆笑)

ロイド:お嬢、それメイスじゃなくてバット!!(笑)

シルフィ:ちなみに、そのエスカリボルグ、どのような謂れのある品で?

GM/ジード:「……エスカリボルグでは無いのですが……その昔、この街の付近で活躍していたライフォス神官の愛用したメイスです。トロールをはじめ多くの蛮族と戦う折に使った品だとかで」

シルフィ:名前が出ましたけど、トロール知ってるかなぁ。(ダイスを振る)12です。

GM:知ってますね。ルールブック見て構いませんよ。 
 
 
・トロール。そこそこ上位の蛮族。6Lvモンスター。
・身長3mほどの巨体であり、戦士としての高い技量と敬虔な信仰心を持つ。
・日光が苦手。日の光の下では、行動にペナルティを受ける。
 
 
シルフィ:と、言うのがトロールです。強化ロイドと言っても良いスペックかと。(一同笑)

ロイド:やかましいわ(笑)。

遠くのネリネ:(データ見つつ)私やロイドさんでは、ソロでぶつかれば負ける相手ですね。

ロイド:そりゃま、6Lvだからな…。火力なら良い勝負なんだが。

遠くのアルト:段々ヒドい破壊力になってきたな、お前…。
 
 
 トロールの全力攻撃込みの打撃力は2D6+14。ロイドの魔力撃スマッシュの威力はレーティング30+12で期待値19。若干負けてますが、確かに勝負になる打撃力。
 アルトの援護(ファイアウェポンで+2)あれば、本気でほぼ五分になります。
 ……威力馬鹿恐るべし。
 
 
ロイド:それはそうと、問題はトロールじゃなくてだな。そのメイス、仮名トロールクラッシャーだが……誰が盗んだのか、だよなぁ。必要筋力なんぼくらい?

GM:魔法の+1モール(必要筋力20)と考えて下さい。特に特殊な効果はありません。

シルフィ:またエグい武器が出て来ましたねぇ。

ロイド:っていうか、ちょっと欲しいぞそれ。

GM:まぁ、それが盗まれたとの事です。

ロイド:良いアイテムだよなぁ、それ。

GM:それもあるでしょうし、やっぱり神殿側としては昔のライフォスの英雄が使っていたアイテムですからね。

ロイド:成程なぁ。それじゃ……まぁ、状況についてはこんなとこだろ。それじゃ、報酬の話をしようか。

遠くのアルト:なんだ、覚えていたか。覚えてなかったら殴りこんでやろうかと思っていたが。

ロイド:それでも良いんだがな(笑)。そろそろマトモな報酬が無いと、俺ら干からびるぞ。

遠くのアルト:私はともかくお前らは欲しい装備も多かろうしな。

ロイド:あと筋力が2上がったら、パイク欲しい(笑)。出来れば魔法の。

遠くのアルト:……高いぞそれ。

ロイド:11750Gもする(笑)。まぁ、そう言う訳でだ。ジード司祭、ぶっちゃけ解決したら幾ら出る?

GM/ジード司祭:「そうですな、5000Gでどうでしょうか?」

ロイド:……5000、か。こちらが何人でも、解決したらその報酬って事だな?

GM/ジード司祭:「そう考えて頂いて結構です」

ロイド:……ちょっと物欲に流されたくなってきたな。ジード司祭、今日中に解決したら何ぞボーナスありません?

GM/ジード司祭:「……もし、早期解決が出来たならば……そうですな。3000G以下の品で、神殿にあるもので良ければお譲りしましょう」 そですねー、1D6して1〜3が出ればあるって事で。

ロイド:よし、言質は取った。

シルフィ:時々意地汚いですよねぇ、ロイドとアルトさん。

ロイド:貰える所からは貰うのがジャスティスだ。んで、ジード司祭。捜査の基本は現場にあり。問題の現場、見せて貰えるか?あんた同席の上で。

シルフィ:そうですね。では、その方向で―――

GM/神官:と、言ったところで、応接間のドアがノックされます。 「ジード司祭。司祭がお連れになった冒険者の仲間と名乗る男が、保釈金を持って来ましたが」(一同爆笑)

ロイド:アルトか!?(笑) おいコラこの根暗学者!保釈金って何だ保釈金って!!?(笑)

アルト:なんだ、臭い飯でも食っているかと思って持ってきてやったのではないか(笑)。

GM/ジード司祭:「ふむ、お仲間か。こちらにお連れ……いや、現場に向かうついでに、こちらから出向きましょう」

アルト:では、神殿の入口辺りで100Gくらいの詰まった袋を手に佇んでいるぞ(笑)。

ロイド:見つけ次第ダッシュからフック掌底かまします。(一同爆笑)

アルト:おごパッ!?(爆笑)

ロイド:よォ〜ぉ根暗学者。誰が保釈金必要だ?お?やんのか、相手になんぞコラァ!!(笑)

アルト:いきなり何をするか脳軽従者!貴様の軽い頭に風穴開けて、少しは涼しげにしてやろうか!!(笑)

シルフィ:はい、お二人とも。仲がいいのは分かりましたが、ジード司祭が呆然としてますよー。(一同笑)

ロイド:……ぐ。とりあえず、事情を説明しよう。かくかくしかじかだ。
 
 
 ....冒険者説明中(なう・ろーでぃんぐ)。
 
 
アルト:……ふむ、なるほど?てっきりライフォス信者を殴り倒して捕まったかと思ったのだがな。

ロイド:武器出してたら捕まってたかも知れんがな。拳なら、まぁ説教程度だろ。相手が先に武器抜いてたし、俺素手だったし。これで俺とっ捕まえてたら、恥かくのはライフォス側だぞ。

アルト:確かにな。だが、ジード司祭だったか。寛大な処遇に感謝する。私はアルト=ディオスクロイツ。こいつらのパーティーメンバーで、操霊術師だ。

GM/ジード司祭:「お仲間のお二人には、うちの信者が失礼をしました。申し訳ありません」

アルト:気にするな、この二人は存在自体が失礼だ。(一同爆笑)

シルフィ:ちょっと!?(笑) 今、凄い勢いで私らの存在を否定しませんでしたか貴方!?(笑)

ロイド:アルトよ、世界の為に今こそ言おう。音速で死ね。(一同爆笑)

アルト:はっはっは、その言葉、そのままバットでシルフィに打ち返す。(一同爆笑)

シルフィ:うわぁこっち来たぁ!?(笑)

遠くのネリネ:皆さん、ジード司祭おいてけぼりですよ、会話に(笑)。

ロイド:っと、そうだったな。アルト、手伝え。現場検証だ。セージ技能の高いお前の出番だぞ。

アルト:……やれやれ。別にライフォス神殿にもセージくらい居るだろうに。今更私達が行った所で目新しい事実が出るとも思えんのだがな。

ロイド:自分の家を荒らされた人間が冷静な判断を出来るのかって話だ。第三者視点で見る人間の方が、新たな事実を発見し易い。

アルト:道理だな。ついでに言えば、行っても何も分からない『かもしれない』だが、行かなくては確定で何も分からない。まずは行ってみるべきか。

ロイド:そう言う事。行くぞ、お嬢、アルト。セージであるお前らが頼りだ。

シルフィ:ん。では、頼りにされましょうか。

GM:では、現場に向かいます。現場はライフォス神殿の奥まった所にあり、外側から壁が破壊されています。高さ3m弱ほどの穴が開いて、そこから賊が侵入したようですね。

ロイド:保管庫?

GM:安置所って感じですね。置いてあるのはそのメイスくらいだったようです。

ロイド:……ふーむ、となると賊は最初っからそれ狙いだった、と。

アルト:……どうやって外側からこのアイテムの場所を知っていたかも疑問だな。まず、疑問1が出た。

シルフィ:『疑問1.何故、賊はそのアイテムのある場所を分かっていたか』。そして『疑問2.何故、賊はそのアイテムを求めたか』を提唱します。

ロイド:推論は幾らでも成り立つな。ル=ロウド側の仕業とこじつける理由も幾らでもある。ライフォスの英雄に嫉妬した、とかな。それより、気になるな。GM、外壁の材質は?

GM:レンガです。

ロイド:……せめて石にしろよ、石に。

GM:シナリオ上の都合もありますしねぇ?それに、そこまで規模の大きくない街の神殿です。こんなもんでしょう。

遠くのイクス:ライフォスでこれなら、ル=ロウド神殿は橋の下とか言わないだろうな…。(一同笑)

遠くのネリネ:どこのファンの街のヴェーナー神殿ですか(笑)。

ロイド:けどまぁ、レンガ、ねぇ。構造物ルール使ったら、防護点12のHP50か。壊すのに相当手間取るな、普通なら。

シルフィ:魔法使えばも少し楽に壊せますけどね。

ロイド:……ん?GM、この破壊痕、どう破壊されている?

GM:……高さ3m弱。人が楽々出入りできる大きさですね。

ロイド:……壊すのは手間、だよな。

GM:……手間です。

ロイド:……トロールスレイヤー。

GM:……。

ロイド:3m弱……。

シルフィ:……あ。もしかして?

ロイド:いやま、可能性ではあるけどな。

GM:……+2して良いです。冒険者レベル+知力ボーナスでどうぞ、ロイドさん。

ロイド:(ダイスを振る)……18だが?

GM:頭上……3m弱の位置の部分に、ぶつけたような痕と少しだけ血が付いています。

ロイド:……。

シルフィ:……確定ですね。

アルト:……だな。

ロイド:おかしいとは思ったんだよな。壊すのは手間な筈の煉瓦の壁。わざわざ楽々通れるだけの大きさに、人間が壊す必要性は無いんだよ。まぁ、威力高すぎて壊れ過ぎたって可能性もあったんだけど……GMが3m弱を変に強調するし。

GM:……情報出し過ぎたかなぁ。

アルト:いや、これだけの情報でそこに辿り着く方がおかしい。

遠くのネリネ:……えーと?まさか犯人は…。

ロイド:トロール。多分な。
 
 
 ……はい、ヒント出しすぎました。
 バラしてしまいますと、確かに仮名トロールスレイヤーを盗んだのはトロールです。
 もう少し調べれば、破壊方法が物理攻撃でなく魔法である事とか色々分かったのですが……。
 大きすぎる破壊痕から、犯人を類推されてしまいます。うーん、情報を得るまでは目標値を高く設定していたんですけどね、上の部分の血痕。トロールが逃げる時に慌てて頭ぶつけた痕なのですが。
 まぁ、八割方看破されたのでさっくりバラしてしまいます。
 
 しかし。
 トロールだからと言って、ル=ロウド側の疑いが晴れるわけではないのが状況の難しいところ。
 
 
ロイド:とりあえず、ジード司祭に頭上の血痕を見せて、トロールではないかって推論を告げてみるが……さて、困ったな。

遠くのネリネ:と、言いますと?

ロイド:ル=ロウドや……俺のグレンダールといった一部の第一の剣の神サマは、蛮族で信仰されている事もあるんだ。そしてトロールは神聖魔法の使い手。

シルフィ:ル=ロウドを信仰しているトロールが犯人、なんて話になってみて下さい。下手すると、対立の激化する原因になりかねません。

遠くのイクス:蛮族が勝手に信仰してるだけだから、ル=ロウド神殿お咎め無しって話にはなりませんかね?

ロイド:可能性としちゃそっちもある。だが、ライフォス神殿側に過激派と呼べる連中がいる事を考えると楽観はしたくないな……。

GM/ジード:「……確かに、トロール……もしくはそれに類する体高の持ち主の仕業……でしょうな、あれは」

ロイド:……だけど、それだけじゃ過激派を抑えるソースとしては薄い。最悪、燃料になりかねんからな。

GM/ジード:「……ル=ロウドを信仰するトロールが犯人だと?」

ロイド:その可能性もあるって事だな。だから、現段階でこの事実を発表するよりか、それこそ犯人のトロール捕まえてからってのが良いんじゃないか?そのトロールがル=ロウド神官だったら、埋めて知らん振りしようぜ。(一同笑)

シルフィ:……セメントですねぇ(笑)。

ロイド:正直トロールの行く末にまで配慮してられんわ。元より俺らの依頼だと叩き潰さないとならん相手だろう。

シルフィ:話し合いの余地は?

ロイド:蛮族で、人族との講和を受け入れるのは余程の変わり者くらいだ。期待はせん方がいい。元よりこのトロール、ライフォス神殿に喧嘩売ってるしな。

アルト:どの道下手人としてそのトロールは引っ立てねばなるまい。それくらい具体的な証拠があれば、ライフォスの過激派も黙るだろう。

遠くのイクス:…なるほど。

ロイド:つーわけだ、ジード司祭。これから俺らはそのトロールを探してみる。

アルト:……となると、足跡追跡などの出来るイクスが必須なわけだが。

ロイド:俺らじゃ街中での追跡とか無理だからな。(ダイスを振る)どうだ、7だが何か分かるか?(一同笑)

GM:分かるかい。(一同笑)

シルフィ:そもそもトロール、まだこの街に残ってますかね。

ロイド:それが微妙だな。

GM/ジード:「……それならば、一つ心当たりがあります」

ロイド:ほう?

GM/ジード:「この街の防衛は、冒険者や傭兵との契約により戦力を補強しています。そして、明日……その傭兵団のうち大きな一つとの契約が切れる」

ロイド:……入れ替わりがある、と?

GM/ジード:「はい。無論、代わりの戦力も来ますが……」

シルフィ:何かしらの混乱がある、もしくは警備が緩くなる危険のあるタイミングではありますね。

ロイド:敵が動くならそのタイミング、か。

GM/ジード:「……少なくとも、私が思いつくタイミングはそれくらいです」

ロイド:逆に言えば、それまで奴らは街から出ない、と?

GM/ジード:「先の蛮族の襲撃以後数日、街の内部に侵入した蛮族への警戒で警備隊などの見回りも多くなっています。動きにくい状態ではあるでしょう」

ロイド:―――ふむ。トロールスレイヤーを盗んだ理由は……何らかの因縁があるか、もしくは……いや、そこは良いか。ともかく、今の状況は蛮族側からすれば願ったり叶ったりだな。

アルト:と、言うと?

ロイド:ライフォス神殿とル=ロウド神殿が睨み合っていて、蛮族側への警戒が緩い。『そういう状況を作り出す』という事が目的だったとも考えられる。脱出のためか、それとも元々、人族間の仲違いを目的としての作戦だったかまでは分からんが。

シルフィ:そもそも何の為にそのトロールは街中に潜入していたんでしょうね?

ロイド:守りの剣が目的、ではないようだな。その場合は、俺らが倒したレッサーオーガと同期して動いていた筈だし。

シルフィ:となると、オーガを頭として動いてた先の襲撃とは別件ですかねぇ?

ロイド:……となると、そもそもトロールスレイヤーを目的としてたって線が濃そうだな。その辺もまぁ、調べてみるか。

GM:……スカウト居ないのにここまで調査進むってのもどうなんだろ。

アルト:まぁ、私達は次は移動しての情報収集だろうからな。そのスカウト側に場面を移そう。

ロイド:こっちじゃ掴んでない情報もある可能性もあるしな。
 
 
 推理系はPLに左右されますね、ホント。
 難しすぎず(理不尽過ぎず)、簡単過ぎずという展開は本当難しいです。
 
 
◆ル=ロウド神官の憂鬱◆
 
 
GM:さて、一方のイクスさん達ですが。

イクス:……調査って言いますけど、ル=ロウド神殿側ではどこまで掴んでるんすかね?

GM/ロザリー:「えーと、そうですねぇ。まず、ル=ロウド神殿に正式に所属している人間すべてのアリバイは確認しました」 ばいーんと胸を張ります。

ネリネ:自分の胸と見比べて、少ししょんぼりしてます。(一同笑)

イクス:……。となると、ル=ロウド神殿に所属していない信者がやっている可能性については否定は出来ない、と?

GM/ロザリー:「うん、イクス君。良く出来ました」

イクス:うわ、超子供扱いされてねぇっすか俺!?(笑)

遠くのアルト:そうだな、まぁ私の舎弟扱いよりはマシではないか?(一同笑)

イクス:……すげぇ悩ましいところですが(笑)。まぁ、となると調べなきゃならんのは……犯人、ですな。全てのル=ロウド信者のアリバイを調べる、なんてのは出来るわけもないし。

GM/ロザリー:「うん。で、そう思ってこちらでもある程度調べてみたんだけど……盗まれたって言う魔法のモールはかさばる物だからね。街からの出入りは流石に目立つでしょ?」

ネリネ:となると持ち出しを張っていた、と?

GM/ロザリー:「ええ。100%とは言えないけど……怪しい荷物は、神殿の神官にマギテックが居るので、マナスフィアでサーチしてみたりもしました。結果、恐らく……件の品は、まだこの街にあります」

ネリネ:そういえばマギテックってそう言う事も出来るんですね。

GM/ロザリー:「まぁ、それでも完全、とは言えませんが……ライフォスからも睨まれている以上、動きにくいですし。けど、盗賊ギルドに依頼なんかもしましたし」

イクス:……盗賊ギルド!?

遠くのシルフィ:ル=ロウドは自由の神。盗賊にも信仰されてるんですよ。

イクス:あ、なるほど。旧版のガネードみたいなもん?

遠くのシルフィ:ガネードとチャ・ザとチャラ・ザの合いの子のようなもんですかねぇ?(一同笑)

遠くのアルト:今変なもん混ざってたぞ、3分の1(笑)。

イクス:まぁ、なるほど。ならばル=ロウドがギルドと繋がっていても不思議ではないと。

GM/ロザリー:「まぁ、そういう神殿だからこそ、生真面目過ぎる一部のライフォス信者には不評なわけなんだけども」

イクス:さもありなん。だけどまぁ、ギルドの力まで借りてるんだったら、それはほぼ確実かな。となると下手人は現在もこの街に潜伏している可能性が高い、と。

GM/ロザリー:「でも、時間が経てば経つほど逃げられる可能性は高まります。その前に出来れば――」

ネリネ:犯人をル=ロウド側で捕まえたい、というわけですね。

イクス:となると……まずは行くべきはライフォス神殿……は、無理なんで盗賊ギルドですね。

遠くのロイド:となると、まずは連絡係を探さんとな。盗賊ギルドの場所、いきなりは教えてくれない筈だし。

イクス:そですな。一応聞きますがロザリーさんは場所、知ってます?

GM/ロザリー:「知ってるには知ってるけど、いきなり案内は出来ないわね。向こうも嫌がるわ」

イクス:それもそか。

GM/ロザリー:「けど、仲介屋の場所まで一緒に行きましょう。私一人だけならギルドに行く事も出来るだろうし」

ネリネ:ありがとうございます、ロザリーさん。

遠くのロイド:盗賊ギルドかぁ……どこにあんだ?

遠くのアルト:まぁ、仲介屋を探すだけならば私たちでも出来るだろう。私達もそちらに向かわんか?

遠くのシルフィ:ですね。私らも、トロールの潜伏場所を探すって意味では盗賊ギルド関連に向かうのは自然でしょう。イクスさんを巻き込まない方向で動いてるでしょうし、私ら。

遠くのアルト:結果、イクス達と合流するのだがな(笑)。この街の冒険者の店に聞けば、繋ぎの取り方程度は教えて貰える筈だ。

ネリネ:メタな話ですが、そろそろ合流は必要でしょうし(笑)。

GM:では、盗賊ギルドと接触する方向で、場面を移しましょうー。
 
 
◆盗賊ギルド構成員にこんにちわ◆
 
 
GM:で、盗賊ギルドについて少し話をしておきましょうか。言い訳、とも言います。

イクス:お?

GM:知ってる人もいるかもしれませんが、まぁ盗賊ギルドは非合法な行為を生業としている人達の互助組織。組織自体も非合法なので、大抵は隠れて運営されています。ついでに言うと、盗賊ギルドなんてものはある程度以上の人口が無い街では存在しないものなんです。

ロイド:まぁ、そうだわな。ある程度以上母数が大きい街じゃないと、収益も見込めないだろうし。

GM:ええ。ですのでこの街にある盗賊ギルドは、レガリア王都から一日、というこの街の立地条件に起因するものと考えて下さい。出張所、という捉え方が一番それっぽいでしょうか。

シルフィ:つまり、シナリオ集2のコラムでは1000人以上の人口の街でないとまず存在しない、と言われているという事に対する言い訳ですね?(一同笑)

GM:まぁ、そうです。どうもヘタレなもので(笑)。 ……ん、ごほん。さて、それでは状況。現在、先にロイドさん、アルトさん、ネリネさんが到着したのは―――最初にロイドさん達が乱闘した酒場です。

ロイド:……はれ?

シルフィ:ここ、ですか?

アルト:ちなみにGM、私達はさっきの宣言通り、冒険者の店で情報を聞いてここに来たのか?

GM:です。情報料100G、減らしておいて下さい。

アルト:……ぐ。仕方ない……。

ロイド:さて、誰に聞けばいいんだ?

GM:酒場のマスターに特定の符丁を通すと紹介してくれるそうですね。符丁の内容は―――

ロイド:(唐突に)時は聖歴1352年、先のサード・アポカリプスを経て世界は荒廃した。しかし、人類とパチンコ屋は絶滅していなかった……ッ!!(一同大爆笑)

シルフィ:嫌ですよそんな北斗の拳もどき!しかも何故パチンコ屋!?(爆笑)

GM/マスター:「(渋く)……よし、奥の部屋だ。通りな」(一同爆笑)

別行動イクス:マジか!?(笑)

GM:いや、符丁深くは考えてなかったから、それでも良いかなーって。(一同笑)

ロイド:さて、奥に行くか(笑)。

GM:と、言ったところでイクスさん、ネリネさん。貴方達もロザリーさんを引きつれて、酒場に到着します。見るとカウンターのところに見知った顔が…。

イクス:あ。

ネリネ:マスター?どうされたのですか?乱闘を起こした、と伺っていたのですが……。

シルフィ:あ、ネリネ。イクスさんも。えーと……どうしましょ?

ロイド:隠す必要はないだろ……とも、言い切れんな。隣に、俺らからすれば見知らぬ女がいるわけだ。

アルト:―――まさか。

イクス:……は?

シルフィ:あら、アルトさん。お知り合いですかぁ?(笑)

GM/ロザリー:「あらぁ、アルト君。お久しぶりね」 にこにこ。

アルト:貴様、まさかロド―――

GM/ロザリー:「えやァッ!!」 ゴスッ!ロザリーさん必殺の右ミドルがアルトさんの脇腹に。(一同爆笑)

アルト:おフッ!? ……えー、はい。返事はありません。ただの屍です。(一同爆笑)

イクス:あ、アルトの兄貴!?(笑)

GM/ロザリー:「アルト君、ちょっとお話しましょうね?さぁさぁさぁ!」 で、ロザリーさんはアルトさんを連れて酒場の裏に向かいます。あ、アルトさん。(さらさらと何かをメモ用紙に書いて、ちぎって渡す)

アルト:む?

GM:ロザリーからのメッセージです。酒場の裏で言われる内容と思ってください。

アルト:(見る)…………心得た。

イクス:……アルトの兄貴、もしかして…(笑)。

アルト:うむ。ロザリーについてだけは、GMから前もって聞かされていた要素がある。

イクス:だ、誰なんだこの人ァ!?(笑)

アルト:何を言うか、私と貴様の幼馴染だろう。(一同笑)

イクス:GM、記憶に居ますかこういう女性!?(笑)

GM:居ませんね。

イクス:どういうこったァァァァァァ!?(爆笑)
 
 
 ……そろそろ察しの良い人は気付いて来てるでしょうか?
 ちなみに渡した紙の内容は、「イクス君にバラしたらヌッ殺しちゃうぞ☆」でした。
 
 閑話休題。
 
 
GM:で、3分くらいで二人は戻ってくるわけですが。

アルト:……じゃ、イクスに同情の視線を向けておく。(一同笑)

イクス:俺!?(爆笑)

アルト:イクス……いや、なんだ。強く生きろ。(一同爆笑)

イクス:なんなんだいったいィィィィィ!!?(爆笑)

GM/ロザリー:「なんでもありませんよ。ねー?」

アルト:(目を逸らしながら)……ああ、そうだな。そうしておこう。(一同爆笑)

イクス:なんなんだァァァァァァァ!!(爆笑)

ロイド:……で、アルト。お前の知り合いか?信用できる相手か?

アルト:その点は……まぁ、問題あるまいよ。私達の依頼自体も、機密性の高いものではない。バレて困るのは、ライフォス過激派や件のトロールに対してくらいだ。

ロイド:な〜る。身元がしっかりしている上、ル=ロウド神官だ。まぁ、問題あるまいてって事だな。

シルフィ:それじゃ、ネリネ、イクスさん。えーと、それと……ロザリーさん?

GM/ロザリー:「はい。ロザリーと申します。貴方達は?」

シルフィ:ん、そうですね。自己紹介と、私達の現在の状況を伝えましょう。
 
 
 顔見知りではない連中の自己紹介タイム。
 そして、互いの現在の状況を伝え合い―――
 
 
ロイド:―――互いの目的は同一ではないが、かなり近い軸線上にある、と見て間違いないな。

アルト:そうだな。ほぼ同一、と言っても過言ではあるまい?

ロイド:ほぼ、な。完全な同一ではない事だけは頭の片隅に置いておかないと、いざという時に齟齬が発生する可能性もある。

アルト:確かにな。互いに受けた依頼は別、しかも対立している依頼主か。

ネリネ:(素で)こう言う時って、情報交換して目的もほぼ一緒だし皆でがんばろー、とかってなんないんですねぇ。

ロイド:ん、このサークルの癖だな。実際問題、協力はOKだとは思うが、運命共同体とイコールではないと少なくとも俺は考えている。

アルト:そも、パーティーを組んだから即座に運命共同体というわけでもないからな。合わなければ別れる事もあるだろうし、利害の対立で解散する事もあるだろう。

ロイド:ま、メタ的な話すると、TRPGってゲームの構造上そうなる事はセッション中はまず無いんだけどなー。どうにも、無条件の信用とかは「らしく」ない気がして。

GM:根性曲がったPLが多いだけかと……。(一同笑)

ロイド:そう言う説もある(笑)。まぁ、そう言う事だ。とりあえずこの件に関しては、件の犯人を補足する一点に関しては共同戦線は成立するな。

シルフィ:それと、ジード司祭もル=ロウド神殿側も人族同士の対立は避けたいんですよね。その点でも目的は噛み合うかと。

ロイド:まぁな。少なくとも今回は、皆一緒に頑張ろうで大丈夫か。じゃあ、お嬢。アルト。こっちで得てる情報、全部吐くぞ。良いな?

アルト:異議は無い。

シルフィ:同じくです。

GM:……さりげにトロールが犯人であるという事とか、得てる情報の一部を隠して状況説明してましたよね、お三方。(一同笑)

イクス:じゃ、こっちも全部―――もう吐いてるや。(一同笑)

ネリネ:……私達、あまり腹芸とか得意じゃないですから(笑)。
 
 
 ロイド・シルフィ・アルトのような根性の悪いプレイスタイルは、身内以外でやると嫌がられる可能性が高いので気を付けましょう。特にSWやGURPSのようなシステムですと。
 ともあれ、互いに全ての情報を出しあった結果―――
 
 
ロイド:―――トロールは街から出ていない。これはほぼ確定で良いな。

GM/ロザリー:「ええ。身長3mのトロールとなると、件のモール以上に目立ちますし」

アルト:恐らく、前の襲撃のゴタゴタに紛れて潜入して来ていたのだろうな。

ロイド:だとして、最初からそのトロールの目的はそのモールだった可能性が高い、と。ご先祖やお仲間の因縁か何か、か?

アルト:さてな。それに関しては、どんな意見だろうと未だ推測の域を出ん。

シルフィ:ではそのトロールが街中に潜んでいるとして……場所は?

GM/ロザリー:「それなら、トロールという条件が付与されればある程度の絞り込みは出来ます」

ロイド:なるほどなるほど。さて、ピースはほぼ埋まったな。

ネリネ:何か考えでも?

ロイド:いや何。ある程度までは絞り込めるんだな?

GM/ロザリー:「え?ええ」

ロイド:ならば、もう一つの絞り込みだ。依頼人をこき使わせて貰おうじゃないか。
 
イクス:……依頼人?

シルフィ:……そうか!レジーナさんのマナサーチ!!

ロイド:そう。それを『絞り込まれた場所』で使って魔力反応があるか無いかで、更なる絞り込みが可能。違うか?

GM:……いえ。アリ……ですね、確かに。

ロイド:まぁ……近くに全く無関係のマジックアイテムがある可能性は否定できんがな。

イクス:そういう時は、スカウトの出番ですね。隠密してこっそり見れば良いかと。

GM:(そう来るかー……けど、この素早い調査は吉と出るか凶と出るか)
 
 
 さて、ネタばらしをしましょう。
 今回ロイドは完璧なハイペースで、推理やGMの想定外の捜査手法で調査を主導していますが、それ故に幾つか取り溢しがあります。
 例えば、トロールスレイヤー(仮)が、使用者の任意で周囲に薄いながら闇を発生させる効果を持つマジックアイテムである事。
 それもその筈、これは昔に蛮族……ダークトロールが使っていたアイテム。日の光に弱いトロールが、日光の下でもノンペナルティで戦えるようになる品です。故にこそ、トロールはそのモールの事を知っており、奪いに来たのですが。
 
 この情報はライフォス以外の神殿などで調査をすれば分かりました。
 ライフォス側は、「ライフォスの英雄が蛮族が作った武器を使っていた」と言う事を嫌い、失伝してしまっている情報なのです。
 
 また、トロールの仲間についてもノーリサーチ。
 破壊痕や足跡をもっと調べていれば、『複数人の魔法で破壊されていた』と言う事が分かったのですがね。
 
 まぁ、これ位の情報の抜け落ちはTRPGでは良くある事ですが。
 GMの想定内の最速以上のペースで進んでいる調査の中、幾つかが抜け落ちているのはGMとしてはちょっとハラハラ。
 
 
◆レジーナ、調査に参戦◆
 
 
 さて、宿屋に戻ってレジーナに調査協力を依頼する一行。
 本を読んでいたいレジーナは若干渋りますが、彼女としても一行には多大な恩があります。
 読んでいた本に大事そうに栞を挟んで、マナスフィアを手にし―――
 
 
シルフィ/レジーナ:(ドスの利いた声で)「で、アルト。その女……何?」(一同笑)

アルト:ちょっと待て、何故そんな声を出す!!?(爆笑)

GM/ロザリー:「あら、私ですか?う〜ん……そうですねぇ。アルトさんとは……長い付き合いですよ?それはもう、子供の頃から」(一同笑)

シルフィ/レジーナ:「……へぇ?」(一同笑)

ロイド:見ろ、ネリネ。あれが修羅場だ。

ネリネ:記憶しました。(一同笑)

アルト:するな!?(笑) 何だこの状況は!?(笑)
 
 
 こんな寸劇があったりしつつ、盗賊ギルド側が絞り込んだ候補地点は4つ。
 その中の一つがアタリなわけですが。
 
 
ロイド:GM、現在時刻は?

GM:ん、夕方過ぎですね。

ロイド:……明日、にすべきか?

アルト:微妙だな。明日、傭兵だか冒険者だかとの契約の切り替え、入れ替えで街の防備に若干の混乱が予測されるが―――明日のいつ、トロールが動くかだ。

ロイド:そうだな。タイミングが早ければ、最悪入れ違いに逃げられる可能性もあるわけだ。となると……。

アルト:夜の絶好調状態のトロールが相手でも、今日中に調べて回る方が確実ではある。

ロイド:―――ん?

ネリネ:どうしました?

ロイド:……いや、一つ思い出した。と言うかお嬢、言ってたのお前だろ。『どうやってトロールはメイスの安置場所を知った?』

シルフィ:……あっ。

ロイド:トロールが使えるのは神聖魔法。神聖魔法にはアイテムの察知とかは無い。まぁ、それこそ何らかのマジックアイテムなんかでトロールスレイヤーの位置を確認していたって可能性はあるが。

シルフィ:ですが、協力者の可能性もあると?

GM:(そうそう、その通りです)

アルト:となると、ライフォス神殿に内通者……とかか?

ロイド:その線もあるな。

GM:(あー……やっぱそっちから入るか。ミスリードなんだけどなー)
 
 
 まず疑うのは内通者の線だろうと予想はしてました。
 そしてこれは、少し調べれば分かるのですが、ミスリードです。
 ライフォスの過激派はル=ロウド以上に蛮族を敵視しています。故に過激派、なのですが。
 ジード司祭も真っ当な人物であるため、そのような事に加担する事はありません。故に、ライフォスはシロ。
 実際は、トロールの仲間。妖精魔法の使い手であるゴブリンシャーマンと斥候のボガードソーズマンが調べていた(サイレントムーブとかフェアリーウィッシュを駆使して)のですが。
 破壊痕の周辺を調べれば、足跡などから分かる予定だったのですが。
 判定ほぼ無しで状況証拠からの推理が出来てしまったため、PL達の中では破壊痕からの情報は「既に得たもの」として考えられている模様。
 そして、それ故に
 
 
シルフィ:となると、ライフォス神殿に行くのは危険ですね。

ロイド:……だな。ライフォスに内通者が居た場合を考えて、向こうには協力を仰がずに、尚且つ可能な限り迅速に動くべきか。ただ、単独犯じゃないって事は考慮に入れておけよ。

シルフィ:了解です。私はネリネの傍を離れません。(一同笑)

ネリネ:はい、マスター!お守りします!

シルフィ:ありがとうネリネ!愛してます!!

ネリネ:(素で)え、あの……私、そっちの気は。(一同爆笑)

シルフィ:素で返さないでくださいよ!?(笑)
 
 
 ……ライフォス神殿に行く事を、避けられてしまいます。
 これでそこで得られるはずだった情報をPC達が手にする目はほぼ消えました。
 ですが、まぁ、これは自己責任。
 手持ちの情報だけで頑張っていただきましょう。
 
 
GM:では、候補は4ヶ所ありますがどこから調べますか?

シルフィ:先程ロイドと話して、2ヶ所にまで絞り込みました。後は勘で……ここから行きますか。

GM:……あ、そこですか。はい。
 
 
 しかし、何故この人達は2話の時と言い、運がかかる選択肢になると一発で当たりを引くのでしょうか。
 謎です。
 
 
◆情報不足の大決戦◆
 
 
GM:では、件の場所に来ました。随分前の蛮族の襲撃で破壊され、そのまま修復されず放棄された廃屋がある区域です。

ロイド:流石に50mの範囲内だよな。レジーナ、頼む。

GM/レジーナ:「うん、了解。―――マナサーチ」 と、レジーナさんの持つマナスフィアに幾つかの反応が表示されます。大抵は貴方達の物だったりとか、ちょっと離れた街中に散らばっていたりとか。そして―――ついでに、ロザリーからも反応が3つあります。

イクス:3つ?見たトコ、薔薇のチョーカーだけですよね?

GM/ロザリー:「ま、まぁ良いじゃないイクス君。女の子の秘密は聞いちゃだめよ?それより、レジーナさん。目的の廃屋から反応は?」

GM/レジーナ:「―――……反応……2……いや、少し離れて7?合計……9」

アルト:9!?

ロイド:いや、まぁ、2は分かるんだよな。トロールの聖印と件のモール。だが、7つものマジックアイテムを持ってる奴がもう一人居るのか?

シルフィ:……う、うーん?ライフォスの悪い神官?

ロイド:どんだけマジックアイテムでブーストしてんだ、そいつは。

イクス:……どうします?偵察……しますか?

ロイド:それも良いが、まずレジーナとロザリーには戦闘に巻き込まれない程度離れて貰おう。依頼人を戦闘に巻き込むのは気が引ける。

GM/レジーナ:「……私だって手伝えるよ?」

ロイド:だとしても、これは俺達が受けた依頼だしなぁ。

アルト:ああ。無償で手を貸してくれただけでも恩の字だ。感謝する、レジーナ。

GM/レジーナ:「……これくらいで礼を言わないでよ、もう」

イクス:で、まぁ……ロザリーさんは。

ロイド:……戦えるのか?

GM:えーとですね。スカウト3、レンジャー2、プリースト2を持ってます。

アルト:……前には出せんか。ならば、庇う相手を減らす意味でも下がっていて貰いたいな。

GM:では、NPC二人は戦闘不参加で?

シルフィ:ええ。それで行きましょう。

ロイド:トロールがボスだとして、5Lv以下で……あ、なるほど。

シルフィ:……どうしました?

ロイド:いや、さっきの7つの反応って、もしかしてゴブリンシャーマンじゃないか?

シルフィ:あ、そか。妖精魔法の触媒である宝石が6つ。

ロイド:プラス、あいつも一応神聖魔法使えるから、聖印1つ。合わせて7つ。

アルト:……なるほど。

ロイド:しかし仮にそうだとして、その場合は大分厄介だぞ。魔法使いが敵に2体か……。
 
 
 いやはや、少ない情報から良く気付くものです。
 そこには素直に感服。
 ですが、マナサーチにも引っかからないボガードソーズマンに関しては無警戒。
 そして、こちらは斥候・周辺警戒にそのボガードソーズマンを使っているので、
 
 
GM:そこで話し込んでるなら、隠密で判定して貰って良いですか?

一同:……え?

ロイド:しまった、向こうも警戒していたか!?

アルト:(ダイスを振る)すまん、私が3出した!!

ネリネ:(ダイスを振る)いえ、アルトさん。私、金属鎧のぺナ考えると-1です。(一同爆笑)

シルフィ:隠密行動って意味知ってますか、ネリネ!(笑)

ロイド:……むぅ、すまん。もしかして早期にここに来たのが裏目に出たか?

アルト:いや……得られる情報からの最善の選択肢を選んでいたとは思う。貴様のせいではあるまい。

GM:まぁ、調査がテンポよく進み過ぎてて幾つか情報の取り溢しがあったんですよね。さて、こちらは斥候がそちらに気付きました。あ、そちらも危険感知してみてください。目標値は11。

一同:(ダイスを振る)

ネリネ:出ました、11!

GM:では、反応があった廃屋の隣の建物に気配を感じます。そして、汎用蛮族語で叫ぶ声が聞こえます。「気付かれた!」とでも言うところですかね。

ネリネ:……気付かれました!!

シルフィ:(即座に)アルトさん!

アルト:GM、全員にプロテクション!

ロイド:フィールドプロテクションを更に重ねがけ!

GM:構いません。ですがこちらも、準備をしましょうか。

イクス:さて、互いに気付いた上での遭遇戦ってとこですかね……!

GM:そちらから何も動かなければ、3ラウンド後に向こうは建物から出てきます。

ロイド:逃げはしないのか。

GM:逃げても、貴方達に色々な所に報告されては逃亡も難しくなるでしょう。貴方達を倒し、再び行方を眩ますのが彼らの選択です。

ロイド:成程。

アルト:だが、準備時間が3ラウンドあるなら、もう2手打てるな。全員にカウンターマジック後、ロイド、ネリネにファイアウェポンだ。これで残りMPは10。

ロイド:出来ればファナティシズムもくれ。どうせトロール相手だ。避けられん。

GM:それと、離れろと指示を出すなら、レジーナとロザリーは少し離れさせて貰いますか、その間に。
 
 
◇VSトロール&ゴブリンシャーマン&ボガードソーズマン◇
 
 
GM:さて、こちらは互いにやや離れながら、トロールと……魔物知識判定をして貰いましょうか。

シルフィ:(ダイスを振る)……14!

GM:弱点は分かりませんが、データは分かります。ロイドさんの推察通り、ゴブリンシャーマンですね。貴方達からの距離は、双方10m。

イクス:うげ、すげぇ厄介な位置取り。

ロイド:纏めて乱戦には巻き込めない、か。

GM:そして、隣の建物からは両手に剣を携えたボガードが出てきます。ボガードソーズマン、ですね。こちらは別方向に距離15mくらいです。

ロイド:……敵が3体、纏めて乱戦に巻き込めない。

シルフィ:そして、ソーズマンの距離だと……そっちに仮にイクスさんが向かった場合、イクスさんが完全に孤立します。

イクス:うげ。俺、ソロでソーズマンを相手には出来ないですよ。

ロイド:というか、イクスには何よりまず回復魔法を……。

シルフィ:しかし、そうするとソーズマンがフリーハンドになりますよ。
 
 
 さて、今回のコンセプトは『戦線の多い戦闘』。
 メイン前衛が二人しかいないこのパーティーですと、三方向以上に戦線が形作られる展開になると、後衛(というかシルフィ)を守るのが大分困難になってきます。
 尚且つ距離を考えると、ソーズマン側に向かったキャラは孤立するという最悪のバランス。
 トロールとゴブリンシャーマンを抑えつつ、後衛を狙って来る移動力のある遊撃手であるソーズマンにどう対応するかという少し意地の悪い戦闘ですが―――
 
 
アルト:あと必要な補助魔法は……何かあるか?

ロイド:ファナティシズムくらいか。だが、無ければ無いでどうにでもなるな。

アルト:……よし。では、策は決まったな。私がソーズマンを抑える。どうせ、スパークで複数人を巻き込めるわけでもない。

一同:はい!?

アルト:私の方がイクスより頑強だからな。攻撃力は低いが命中の高いソーズマンに当たるなら、イクスより私の方が優れている。耐えるだけなら、と言う前提が付くが。

ロイド:つまり、お前がソーズマンを抑えている間に俺がゴブリンシャーマンを速攻で落として、後衛へ魔法が飛ぶのを防ぎ―――

ネリネ:私がトロールを抑え、その後シャーマンを撃破したロイドさんと私でトロールを落とす。

アルト:そう言う事だ。

ロイド:確かに、シャーマンが一番面倒だからな。こいつの魔法が後列に飛べば、下手すると大惨事だ。

イクス:んじゃ、その方向で行きますか。アルトの兄貴、死なないでくださいよー。

アルト:ああ。では、先制判定だ。まずこれで勝たんとどうしようもない。頼むぞ、イクス。

イクス:あいさ!(ダイスを振る)達成値は13!

GM:それならこちらが先制―――

イクス:パリーン。腕輪割ります!これで15!!こっちが先制!

GM:躊躇い無く来ましたね!良いでしょう、そちらが先手です!!
 
 
 さて。
 回復役であるイクスを残すために、補助魔法を概ねかけ終わったコンジャラーであるアルトを囮にという戦術を選択したPC達。
 GMとしてもバランスにお試し要素的意味合いが強い今回の戦闘。
 はてさて、どうなるものか。
 
 
▽ラウンド1▽
 
 
ロイド:まず……シャーマンに火力を集中!

イクス:うぃさ!では、本邦初公開。トロールとシャーマンに二倍拡大フォース!(ダイスを振る)達成値は12!

GM:それは両方抵抗しました。

イクス:くぅ。だが、ダメージはトロールに5点、シャーマンに4点ですよ。

GM:双方1点ずつ減らして食らいます。

シルフィ:うう、向こうも準備時間で補助魔法をフルに使ってから出て来ましたか。フィールドプロテクションですね。

ロイド:続けざまに走り込んで、魔力撃込みで一閃!(ダイスを振る)……命中16、ダメージ21!

GM:げふ!?相変わらずクソでかい……防御点で9点減らして、その上で前もって使っていたストーンガードでダメージ減少。合計7点頂きます。

シルフィ:硬!?え、ゴブシャーの防御力って5の筈……。

ロイド:あ。野郎、蛮族用神聖魔法『ヴァイス・シールド』使ってやがる。人族の攻撃に対する物理防御が+3されてるぞ!

シルフィ:め、面倒な……。仕方ありません、私はトロール・ゴブリンシャーマンの双方から遠ざかるように制限移動で3mばかり退きながら、敵全員にエネルギーボルト!!これで射程10mの魔法は私には届きません!

ロイド:おー、相変わらずカチカチに考えてるな。

シルフィ:そうしないと死ぬんですよ私!?(笑) あ、魔法達成値は19です。(一同爆笑)

GM:高っ!?そんなの、抵抗出来ませんよ!

シルフィ:ならダメージ……って、ここで良い目が出ないと意味が無いんですけどね。(ダイスを振る)ぐあ、微妙……。トロールに9点、ゴブリンシャーマンとソーズマンには11点ずつです。

GM:うし、1ターンキルは避けれたようですね!!

ネリネ:……くっ。仕方ありません、もう少しでシャーマンは倒せる筈ですが……トロールをフリーにするわけにはいきません。ビートルスキンを使いながら、トロールに突撃、達成値12で攻撃です。

GM:それは回避しました。

ネリネ:くっ。

アルト:……さて、悩みどころだな。乱戦に巻き込むのではなく、ソーズマンにスパークで12点以上が入れば倒せる、筈なのだが。

イクス:それが出せるかどうかっすよね。

アルト:抵抗を抜いた上で、クリティカル前提……変転があると言っても、博打に過ぎる。生き残られてしまえば、シルフィは殴られただけで倒れる危険性もあるしな。

シルフィ:てへっ。

アルト:全力移動。ソーズマンを乱戦に巻き込む。

GM:……アルトさん、貴方これで何回目ですか?コンジャラーが自分から乱戦に突っ込むの。

アルト:聞くな、数えたくも無い(笑)。

GM:左様ですか(笑)。では、こちらの行動。トロールは目の前に突っ込んできた戦士に向けて、大上段に振りかぶったトロールスレイヤーを振り下ろします。全力攻撃!命中は固定で18です。

一同:18!!?

ネリネ:回避失敗です。トロールの元々の命中は16では!?

GM:ヴァイス・ウェポンの効果と、魔法の武器の効果ですね。当たったようなのでダメージは17+2D6で27です。

ネリネ:くっ!?そ、装甲板が!!(一同笑)

ロイド:鎧と呼べ(笑)。

ネリネ:外部装甲フレームが凹みました。(一同笑)

アルト:なお酷くなってないか(笑)。

ネリネ:実ダメージはほぼ半減して、13点です。結構痛いです。

ロイド:……かってぇなぁ。

GM:うん、トロールもそれ気付いた。ので、次からフォース撃ち込みます。(一同笑)

ネリネ:それはやめて!?(絶叫)

GM:それと、ゴブリンシャーマンは戦場に居る全ての敵に向けて、ウィンドカッターを行使!達成値は15です!!

一同:うぎゃああああああああ!!?
 
 
 PC達がゴブリンシャーマンを真っ先に殺しに向かった理由はこれ。
 拡大で広域に魔法ぶっ放すんですよね、こいつ。
 これまで魔法攻撃を食らった事の無かったPC達ですが……これは実は、かなりこのパーティーの天敵。
 生命力の低いシルフィを除く全員が、精神力ボーナスは2以下なのです、このパーティー。
 そしてカウンターマジックがかかっていたとは言え、抵抗に成功したのはロイドとアルトのみ。
 
 
GM:ダメージは自分で振って下さいねー。恨まれるの嫌ですんで。

シルフィ:(ダイスを振る)げふぅ!?く、クリティカル!しかも2回転!?抵抗で出て下さいよ、この出目!20点ダメージが二重プロテ効果で2点減って18。薔薇のチョーカーも割って、すげぇ、私残りHP2で立ってる!!(一同爆笑)

イクス:また割りやがったチョーカー!!(笑)

ロイド:むしろそれ、残ってしまったとか言うべきでは。

アルト:下手に次威力の高い攻撃を食らうと、生死判定の目標値が洒落にならん事になるぞ。

シルフィ:……い、嫌な事を。しかしここでチョーカー割らずに倒れると、ヴァイスシールドのかかっている敵に対する有効な攻撃が無いでがありませんか。

ロイド:…確かにそうだが。

ネリネ:私は実ダメージ9点です……HPが大変な事になってきました。

イクス:うぎゃあ痛ェ!?8点来ました!

ロイド:……大惨事だなー。俺は半分に減った後、2点減らして合計3点なんだが。

アルト:私は2点だな。

イクス:うっわ、腹立つ!そこ二人、次は回復要りませんね!?(一同爆笑)

アルト:貴様、それは無いだろう!?私はこれからソーズマンに殴られるんだぞ!?(笑)

GM:はい、アルトさんに2回攻撃ー。ダメージ8と6です。

アルト:ほら見ろ。4点もHPが減ってしまった。

イクス:本気で要らんじゃないですか。貴方まだ21点もあるでしょう、HP。

アルト:うむ、私も少々驚きだ(笑)。
 
 
▽ラウンド2▽
 
 
アルト:さて、ではこちらのターンだな。

ロイド:まずシャーマンを落とさんと、色々マズい!魔力撃―――(ダイスを振る)嘘だろっ!?(絶叫)

一同:1ゾロ!!?

ロイド:す、済まん!盛大に外した!!

シルフィ:そんな、これまでどうでも良いところでばかり1ゾロを振っていたロイドが、ついにここ一番で!?

GM:お?これはもしかしてシャーマン、生き残る!?

シルフィ:やめてー!生き残られると色々ヤバいー!!(絶叫)

イクス:く、とにかく旦那を除く全員に回復!(ダイスを振る)無意味に6ゾロで発動して、全員6点回復です。それと、4点魔晶石を潰しました!

ロイド:微妙に回復ダイス低いなオイ!?(笑)

イクス:しゃーねーだろこっちだって必死なんだよ!1ゾロ振った時の為に変転は取っておかないと事故が怖ェし!!(一同笑)

ネリネ:イクスさん、素、素!!(一同爆笑)

イクス:はっはっは、思わず下剋上をしそうに。(一同笑)

アルト:……シルフィのHPが心許ないな。距離拡大、アースヒール。(ダイスを振る)9点治したぞ。

シルフィ:ほぼ全快!予備のチョーカーも部位「その他」に付けてましたし、もう一回くらいならほぼ確実に耐えます。で、エネルギーボルトの3倍拡大!(ダイスを振る)うぞっ!?(悲鳴)

ロイド:……出目3。達成値は……11か。

GM:全員抵抗しましたー。

シルフィ:……だ、ダメージはトロールに7、シャーマンに5、ソーズマンに6です。

GM:……全員生き残ってますねぇ。

シルフィ:ど、どうしましょう!?(素)

ロイド:……ダイス目に殺されるんじゃねぇか、俺ら。

ネリネ:…大丈夫です、トロールは私が抑えますから、皆様はその間に他の敵を!

アルト:……カッコ良いなぁ、戦闘侍女。
 
 
 しかし、何故か2ラウンド目の行動を忘れ去られる戦闘侍女ネリネ。
 誰も気付かないまま、敵の行動が回ってきます。
 うっかりミス。ごめんよネリネ。でも貴方も気付いてませんでしたよね。
 
 
GM:うーん、どうしようかなぁ。まず、ソーズマンが目の前の魔術師に切りかかりますが。

アルト:避けれるわけがなかろう。ダメージ来い。

GM:では、11点と10点です。

アルト:残りHPは16……なんだ、余裕か?(一同笑)

イクス:……かってぇー…。(一同笑)

GM:うーん、ソーズマンの攻撃力だとシルフィさん並に薄い相手じゃないと、もう有効打にはならないんでしょうかね。トロールは達成値14でフォー……あ、いや、待って。

一同:……?

GM:キュアハートをゴブリンシャーマンに。達成値14、回復量も14です。

一同:うざっ!!?

ロイド:数拡大を持ってないのだけが救いだな……。

ネリネ:……くくく。

ロイド:……お?

ネリネ:私を無視し、他に回復ですか……良い度胸です。

ロイド:……ね、ネリネ?

ネリネ:―――良いでしょう。風は空に!星は天に!不屈の心はこの胸に!!魔法少女、ねるねるネリネ、はじまります!!(一同爆笑)

シルフィ:ね、ネリネが壊れた!?(爆笑)

ネリネ:タワーシールドを棄て、両手でアックスを構えます!!

ロイド:ネリネが攻撃形態に変形した!?(一同爆笑)

ネリネ:アタックフォーム!(一同爆笑)

GM:い、いえ、まだこちらのターン!(笑) シャーマンは遠くのアルトさんを除く全員に、もう一度ウィンドカッター!!

シルフィ:これさえ耐えれば、もうシャーマンのMPはからっけつの筈!皆さん、根性です!

一同:おー!!
 
 
 この攻撃は、精神力抵抗の高いシルフィとダイス目の良かった魔法少女ねるねるネリネが抵抗。
 イクスとロイドが11点ずつ(実ダメージ9点ずつ)のダメージを受け、ネリネは7点(実5点)、シルフィは5点(実3点)で済ませます。
 
 
ロイド:よし!これで俺の目の前に居るのは杖で殴るしかなくなった魔法使いだな!?

シルフィ:その通りです!そんな魔法使いなどクズ同然!!

アルト:それは遠方で遂に杖による肉弾戦に移行しようとしている私に対する宣戦か?(一同爆笑)

ネリネ:宣戦ではありません、言葉責めです!!(一同大爆笑)

シルフィ:ネリネ、ネリネ、大丈夫ですか!?色々と、その、ソフトに聞きますが頭!!(一同爆笑)

イクス:楽しそうだなアンタら!?(笑)
 
 
▽ラウンド3▽
 
 
イクス:さて、ゴブリンシャーマンのMPが残りもう無いとして、回復魔法が必要なのは敵の攻撃に晒されるロイドの旦那、ネリネの姐御、アルトの兄貴だけっすね。4点魔晶石を潰して、3人に拡大回復。(ダイスを振る)うし、8点治って下さい。

ロイド:よし。では、目の前のシャーマンに魔力撃!(ダイスを振る)命中16、ダメージは20だ!

GM:……ぐ。回復分がほぼ持って行かれた!?

シルフィ:……うう、悔しい、悔しいけど……5点の魔晶石を砕いて、2倍拡大エネルギーボルト!シャーマンとトロールに達成値17!これで魔法は打ち止めです!ダメージはトロールに11点、シャーマンに13点!!

GM:む、それでシャーマンは吹き飛び倒れます!

シルフィ:いよっし!(ガッツポーズ)

ロイド:ネリネ、次のラウンドには俺もそっち行くから―――

ネリネ:大丈夫です。援軍が来るまで耐えるという安易、かつ思考停止とも言うべき軟弱手段を構築する思考回路パターンは、高性能なアークウェイン家の侍女には予め搭載されておりませんのでご安心ください。(一同大爆笑)

ロイド:全く安心できねぇよ!?(爆笑) お前いつからそんなオモシロ系キャラになった!?(笑)

ネリネ:皆様の退屈な日常に適度なスパイスを与える高性能侍女のネリネです。ご意見やご喝采はアークウェイン家侍女教育課にお寄せ下さい。(一同爆笑)

イクス:……姐御、脳内麻薬スゴい事になってるだろ……主にPLの。(一同爆笑)

ネリネ:とにかく、そんな調子で両手持ちアックスで斬りかかります。(ダイスを振る)命中は18、ダメージは14です。

GM:9点減らして5点ダメージ。まだ行けます。

ネリネ:……硬いですね、流石に。

ロイド:ま、攻撃は基本こっちの役目だからな。

アルト:一方、私は2倍拡大で自分とソーズマンに華麗にファナティシズムをかけていた。(一同爆笑)

ロイド:初めて見るぞ、そんな魔法の使い方をする専業魔術師!?(爆笑)

アルト:これが通れば、実質相手の回避は-4。私の杖でもそこそこ当たるんだ!(ダイスを振る)達成値は13!

GM:か、かかりました(笑)。

アルト:ふふふ、さぁ、来るが良い。―――男は黙ってワンコインだ!(一同笑)

イクス:兄貴が壊れたぁぁぁぁ!?(笑)

シルフィ:(凄い朗らかに)春ですから。(一同爆笑)

ロイド:それでいいのかよ!?(笑)

GM:さて、こちらの反撃ですか。トロール、目の前の重戦士にフォースをブチ込みます。達成値は14!

ネリネ:(ダイスを振る)……抵抗失敗です!

GM:ではダメージ、10点を食らってください。

ネリネ:……むぅ、実質8点ですか。かなり痛いですね。

GM:それとソーズマンの攻撃が2回。

アルト:(ダイスを振る)片方ピンゾロで直撃か。もう私避ける気無いな。(一同爆笑)

GM:ダメージは8点と7点……低っ。

アルト:大して効かんな。合計で5点ダメージだ。

ロイド:こうして見ると、良い勝負してるように見えるから不思議だよな……。(一同笑)
 
 
▽ラウンド4▽
 
 
ネリネ:では、ビートルスキンを再度宣言してのアックスフルスィングから参ります。(ダイスを振る)……く、外れです。

GM:……あぶねぇ。

ロイド:(ダイスを振る)突っ込んでの魔力撃も外れか。中々回避するな、トロール。

GM:ほぼ五分ですけどね。

イクス:ネリネのねーさんにキュア。(ダイスを振る)10点回復です。

ネリネ:感謝します。

アルト:―――さて、では私は両手持ちしたスタッフで殴りかかる!(ダイスを振る)……命中は10!

GM:うげ、当たった!?

アルト:ダメージは……(ダイスを振る)弱点込み、6点!

GM:……パタリ。

アルト:……あれ?

シルフィ:……あの、計算が正しければまだHPが6点あったはずでは?

GM:ソーズマンだけ別の建物に居たじゃないですか。彼だけはプロテかかってなかったんですよ。その分、これまで食らってたダメージが貴方がたの想定より多かったんです。で、今ので撃沈。

一同:……。

アルト:敵将、討ち取ったり……ッ!!(一同大爆笑)

ロイド:専業魔術師が杖でLv4モンスター撲殺すなあああああああああああああああああ!!?(大爆笑)

アルト:しかし冷静になれば、ファナティ二重かけするくらいならば、自分もダメージ覚悟で自分の乱戦エリアにスパーク撃った方が早くて確実だったな。

ロイド:遅ェよ。いや、見てる分には楽しかったが(笑)。

シルフィ:うーん、私はやること無くなりましたねぇ。後方に下がってます。

GM:さて、トロールですが、ここは自分にキュア。HPが13点回復しました。

ロイド:……うざっ。
 
 
▽ラウンド5▽
 
 
 さて、このラウンドは膠着します。
 PC側の攻撃は、ネリネ・ロイドが二人とも外したため有効打無し。
 イクスがネリネを回復させ、7点回復。しかしこれで、残るは3点の魔晶石のみ。
 アルトは全力移動で支援可能範囲まで戻ってきます。
 
 
イクス:うーむ、かなりマズいですな。回復手段が尽きて来ました。

ネリネ:いえ、私、自前のポーションを一気飲みすればかなり治ります。ので……アルトさん。ファナティシズムをお願いします。(一同笑)

アルト:やる気だな!?(笑) 分かった、次のラウンドにそうしよう。最後の魔晶石に手を付けるが―――

シルフィ:あああああああああああああああああああああああああっ!!?

一同:うぉう!?

ロイド:ど、どうしたお嬢!?

シルフィ:行ける、私まだ戦える!使い魔のMP忘れてました!!

一同:――――それだぁぁぁぁ!!

シルフィ:よし、通常移動で前進。残り合計MPはどうせ7点。同じ一発ならば、次のターンに強烈なリープスラッシュを叩き込んであげますとも!!
 
 
 一方のトロールは再びネリネにフォースを撃つも、今度は抵抗。
 ダメージは僅か3点に留まります。
 ここでGM、幾らネリネの装甲があっても流石にこのトロールなら殴った方が強い事を思い出しました。
 
 そして、第6ラウンド。遂に状況が大きく動きます。
 
 
▽ラウンド6▽
 
 
アルト:よし、まずは最後の魔晶石を使い切り、前衛二人にファナティシズムだ!!

ロイド:っしゃ、魔力撃行くぞ!(ダイスを振る)命中は17、当たったならダメージは(ダイスを振る)6ゾロ!!?

一同:おっしゃあああああああああああああああああ!!?

シルフィ:回した!ナイスですロイド、そのまま一気に!!

ロイド:OK!(ダイスを振る)おお、さらに回った!!?

一同:うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?

ロイド:(ダイスを振る)……ダメージ、俺も驚愕の41点だ!如何なヴァイス・シールド持ちでもこれはキツいだろう!!?

GM:やば!?一気に撃墜されかねない位置までHPが……!かけら補正だけの領域に!?

シルフィ:逃がしませんよぉ……リープスラッシャー・シュート!!(一同笑)

イクス:それはスパロボだ!(笑)

シルフィ:まぁそれはともかく、押し切ってしまいましょう!(ダイスを振る)達成値18、ダメージは13点!!

GM:げふぁ……かなりやべぇ。

ネリネ:(ダイスを振る)両手アックス!命中は15です。ありがとうファナティシズム!!

イクス:よし行け、魔法少女ねるねるネリネ!

ネリネ:しかし魔法は使えません!(一同笑) (ダイスを振る)……う、ダメージショボ……11点です。

GM:それならかろうじて生き延びましたが……うーん、ここでキュアしてもジリ貧ならば、イチバチで殴りましょう!そこな大ダメージを与えてくれた槍使いに!!命中18です!

ネリネ:あ、やば。「かばう」宣言忘れてた。(一同爆笑)

ロイド:おォォォォォい!?(笑) 避けられるわけねぇだろ、そんなもん!?

GM:ダメージ、驚異の28点!!

ロイド:……と、トラックにでも轢かれた気分だ。ダメージ実質20。HP一桁になったぞ。

GM:お、これはもしかして……落とせる?

ネリネ:次のラウンドからはかばうを宣言しますが……。

GM:いえ、かばうでは魔法はカバーできませんので……フォースで。

アルト:いや、まだだ!イクス、最後の魔晶石はあるな!?

イクス:ええ。しかし本当に総力戦っすねぇ。ロイドの兄貴以外の全員が、MP切れじゃないっすか。

ネリネ:もうビートルスキンも使えません。

ロイド:……ギリギリのバランスだな、今回。

GM:感謝の極み。
 
 
▽ラウンド7▽
 
 
イクス:行きますよー、最後の魔晶石で旦那にキュア!(ダイスを振る)……出目3だけど、運命変転使用。回復量は11!!

ネリネ:良い仕事です!では、私は「かばう」を宣言しながらロイドさんに攻撃!!(一同爆笑)

ロイド:俺!?(笑)

ネリネ:あ。「かばう」をロイドさんに宣言しながらトロールに攻撃です!(笑)

アルト:…本気で大丈夫か、ネリネ(笑)。

ネリネ:ちょっとアドレナリン出過ぎかもしれません(笑)。(ダイスを振る)命中は14!

GM:む、それなら同値回避します。

ネリネ:くっ。

ロイド:なら、魔力撃!(ダイスを振る)……いよっしゃァ!命中20!!

一同:20!?

GM:ドレイクバロンにすら当てる命中値ですね!?ダメージは……!!

シルフィ:(計算中)……19点!19点以上を出せば落ちます!!

ロイド:ダイスにして6以上か……でりゃあ!
 
 
 そして、振られたダイス。
 ころころと回ったそれは、2と――――6の目を上にして、止まります。
 
 
ロイド:ダメージ……22点だァァァァァァ!!

GM:ぐ!そ、それは―――落ちます!!トロールは槍の一撃を食らい、倒れ伏しました!!

一同:ぃよっしゃあああああああああああああああああああ!!(ハイタッチ)
 
 
 ハイタッチで健闘を称え合う冒険者たち。
 うん、NPCの援護も一切無しで、GMもちょっと『危ないかな?』と思った戦闘だったし一安心です。
 これなら―――
 
 
GM:次はもっと厳しくて良さそうですね。

シルフィ:ちょっと待てい!!?(一同爆笑)
 
 
◆後始末と乙女の秘密◆
 
 
GM:では、戦闘が終わったところで、遠くからレジーナとロザリーが駆け寄ってきますよ。

ロイド:おー、見ての通り終わったぞー。

GM/レジーナ:あ、レジーナはミサイルのような勢いでアルトさんに首狩りソバットをくれます。「アホかぁぁぁぁぁぁい!!?」(一同爆笑)

アルト:おブッ!?(爆笑)

GM/レジーナ:「離れて見てたら何!?君、何してんの!?肉弾戦!?その杖は飾り!?飾りなのかな!!?」(一同爆笑)

アルト:飾りではない、武器だ!!(一同爆笑)

GM/レジーナ:「なお悪い!!」(一同爆笑)

ロイド:……まさかスタッフでモンスターを殴り倒す専業後衛を目にする日が来ようとは思わんかったぞ、俺(笑)。

GM/レジーナ:「魔法使いって言葉に新しい意味を加えようとしてないかな、彼は」

シルフィ:あらら、レジーナさんそんなに心配しなくてもアルトさんなら大丈夫ですよ。レッドキャップと殴り合い、レッサーオーガをその身で止めて、ボガードソーズマンを殴り倒す魔術師です。既に魔術師ではありません。(一同爆笑)

アルト:……セージとコンジャラーだけの、一番非肉体系の技能なんだがなぁ(笑)。

ロイド:……今度、一緒に稽古してみるか?(笑)

アルト:それは断る(笑)。

GM/ロザリー:「良かった、皆さん無事でしたね。今、傷の治療をします」 と、走って来たロザリーさんは息を切らしてますが………えー、そのたゆんな胸がですね?ズレています。

イクス:……は?

ロイド:……PAD長?(一同笑)

GM/ロザリー:いえ。えーと、ロザリーさんは慌てた様子で「きゃあ」とか言って胸元を抑えますが、逆にその拍子に零れ落ちます。―――詰め物が。 
 

 
 
 
ロイド:……。

イクス:……。

ネリネ:……。

アルト:……そろそろ、バラしたらどうだ?ロドリゲス。(一同爆笑)

イクス:ロドリゲスッ!!?(爆笑)

GM/ロザリー:「あら、バレてしまいましたか」 困ったように、柔らかい微笑を浮かべます。 「ロドリゲス・バーンズ。ちょっと名前をもじってロザリー……なんですけど」(一同爆笑)

イクス:もじるな!?(爆笑) いや、ていうか、あれ?その、この人……!?

GM:えーとですね、イクスさん。確かに昔、アルトさんとイクスさんの中間くらいの年代に、ロドリゲスと言う名のガキ大将がいました。(一同爆笑)

アルト:……しかしな、イクス。私は去年偶然にもこいつと会う機会があったのだが……何があったのかは知らんが、こいつは、なんというか、その……。

GM/ロザリー:「私、小さい頃から可愛いものが好きだったんです。でも、男の子でしたから、中々そう言うのに手が出せなくて……」

一同:………。

GM/ロザリー:「だから、女になれば可愛い小物なんかを気軽に買えるかなと思って」(一同爆笑)

イクス:―――オカマかァァァァァァァァ!!!?(一同大爆笑)

GM/ロザリー:「そんな、イクス君。乙女の心を持ってしまっただけですよ、私は!」

イクス:だとしてもせめて最初に本名名乗れやァァァァァ!!源氏名で理解できるかァァァァァァァ!!(一同大爆笑)

GM:ちなみにロザリーさんが胸元に詰めていたアイテムは、魔法文明時代の女装用アイテム。人肌で柔らかさもそのままの優れ物です。

イクス:さっきのマナサーチの反応はこれかァァァァァァァァ!!(一同大爆笑)

GM:ネタ出し、絵の供出は外部アドバイザーのGTさんでした。ありがとうございます。

イクス:GTぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!俺は貴様をヌッ殺ォォォォォォJOJOォォォォォ!!(一同大爆笑)

ロイド:落ち着けぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?(爆笑)

イクス:い、色々、色々想定していたんだぞ!?正体とか目的とか、実はレッサーオーガ―なんじゃないかと疑ってみたりとか!!(リプレイでは省かれてるけど)こっそりパニッシュかけてみたりとか!!(爆笑)

ロイド:ああ、やってたなぁ(笑)。

イクス:おま、それが、こういう、こういうオチは……!!(爆笑)

GM/ロザリー:「ちょっとしたお茶目じゃない、イクス君」(笑)

イクス:俺が思考に費やしたブドウ糖を返せェェェェェェ!!(一同大爆笑)
 
 
 閑話休題(それはともかく)。
 
 
GM:さて、皆さんは件のトロールをライフォス神殿のジード司祭に引き渡す事で、ライフォス・ル=ロウド双方からの依頼を完遂した形になります。

ロイド:ちなみにトロールやゴブリンシャーマンの信仰、なんだったんだ?

GM:ああ、ダルクレムです。ル=ロウドの聖印は、ジード司祭が懸念していた通りの欺瞞工作でした。

アルト:人族同士の対立を煽り、逃げやすくすると同時に人族間に禍根を残そうとしたと言うところか。

ロイド:まぁ、そんな不透明な理由でル=ロウドを盗人呼ばわりしたんだ。ライフォスの過激派も今後は動きにくくなるだろうよ。

GM:はい。その辺りも含めて、ル=ロウド神殿からもジード司祭からもお礼を言われます。特に、1日足らずのスピード解決でしたし、約束通りライフォス神殿にあるアイテムで良ければ3000G以内の品ならばなんでも譲ってくれます。あるかどうかは、1D6で1〜3を出せばあります、と言う事で。

シルフィ:あ、はいはい。休憩時間考えてたんですけど、ブラックベルト、前衛に持たせたいですね。

アルト:ああ、良いかもしれんな。丁度3000Gだし。

シルフィ:では、あるかどうか―――(ダイスを振る)ありました!!

ネリネ:では、ロイドさんに付けましょう。

ロイド:俺?良いのか?……良いなら貰うが。

GM/レジーナ:「よし、それじゃあ……それ貰い終わったら、次の事件に巻き込まれないうちに、引っ越しの続きに戻ろうか?」(一同笑)

ロイド:ホントだよ、俺らいつまで引越しの手伝いしてんだよ(笑)。

アルト:手伝いをしているうちに、随分腕を上げてしまったな。

GM/ロザリー:「では、皆さんとはお別れですか。寂しいですね」

イクス:………。

アルト:…イクスー?(笑)

イクス:……いとわろし。(一同爆笑)

アルト:おい、こいつ古語使い始めたぞ!!(笑)

イクス:……願わくば 桜の下にて春死なむ……。(一同爆笑)

GM/ロザリー:「あら……世の無常を詠い始めてしまいましたね」(一同爆笑)

ロイド:お前のせいじゃああああああああああああああ!!(笑)
 
 
 ―――はてさて、図らずも巻き込まれる形となった二つの神殿の対立。
 (いろんな意味で)変わり果てた過去の知人に出会ったりしつつ、いつの間にやらトロールですら倒せるくらいになってたんだなぁと考えると、感慨深いものが。
 しかし、総力戦だったので収支決算が酷い事になってますけどね。
 
 まぁ、それでもこのシナリオはここで終了。
 収支決算にPL達が悲鳴を聞きつつも。
 今回の冒険も―――お疲れ様でした、で締めくくらさせて頂きましょう。
 
 
 
・獲得経験点:1190点+各々の1ゾロ分
・獲得報酬(パーティー合計):5000G(ライフォス神殿から)+5000(ル=ロウド神殿から)+820G(ドロップ品の売却金額)=10820G
・使用消耗品:薔薇のチョーカー(1000G)+魔晶石5点×3(1500G)+魔晶石4点×2(800G)+魔晶石7点(1400G)+敏捷力増強の腕輪(1000G)+魔香草(100G)=5800G
 
 ……あれ、報酬の半分以上の額の消耗品を使ってる?
 
      そ、それでも一応……ミッションコンプリート!!
 

 

※スペシャルサンクス@絵&ネタの提供:GT氏 ありがとうございました!!

inserted by FC2 system