◆大事故◆
 
 目標のポイントが一気に溜まったことで、急激に脱出が現実味を帯び始めて来た二人。
 サンドリーヌの元に向かい、その旨を伝えようと―――したところで、途中の奴隷市場でランダムイベント。
 
 見た事のないグラスランナー(※ニルス)とぶつかり、彼が落とした鍵を拾います。

 

ウィル:なんじゃこりゃ。

ミリィ:鍵なの。見て分からないとは、あきれたの。(一同笑)

ウィル:何の鍵かっつってんだよ!!(笑) うーむ、どうすっかこれ。

ミリィ:まぁ、とりあえず拾っておくの。何かに使えるかもしれないし。
 

 で、サンドリーヌ館到着。
 もはや馴染みとなったセバスチャンとメネに挨拶をして、サンドリーヌ、クリスと対面します。

 

ウィル:…つーわけで、俺らはもう街を出る目処は立ったんだけどさ。サンドリーヌさん達はどうすんだ?そのうち、街出るつもりなんだろ?

ミリィ:もし良かったら一緒に行かないかの、お誘いなの。

GM:(…こう来るかぁ)
 

 さて、お察しの通り。
 サンドリーヌ関係のイベントはLv6の時点でほぼ全てを受け終わり、Lv7で脱出の護衛をとサンドリーヌに頼まれる形式になります。
 が―――そんな事を律儀に説明するのも無粋。
 ここはひとつ、ルールブックの記述を曲げて依頼をしてみる事にします。

 

GM/サンドリーヌ:「……ええ、いずれね。ただ、その前にやらなければいけない事があるの」

ウィル:……やらなければいけない事?

GM/サンドリーヌ:「…赤い髪の、ハイネと言う人間の少女。彼女を探して、連れて来る事よ。奴隷の首輪があれば、それを必ず外したうえで」

ミリィ:…その子が何か?脱出のカギとか?

GM/クリス:サンドリーヌは話していいのかどうか悩んでいるようだが、彼女の言葉をクリスが引き継ぐ。 「……ハイネは僕の、生き別れの妹さ。この街で幼い頃に引き離されてしまったんだ」

ウィル:…彼女がまだ生きてると言う確証は?

GM/クリス:「……」
 

 そう言われると確かに、死んでる公算の方が遥かに高い件。
 GM、PC達を納得させるためにルールブックの情報以上の情報を捏造して公表する事に。

 

GM/クリス:「妹は……ヤーハッカゼッシュの贄にされる為に、連れて行かれたんだ。生きているにしろ死んでいるにしろ、そこ関連で情報を集めて欲しい。『もしかしたら生きているかも』―――そう考えると、この街を出るに出られない……情けない話だけどね」

ミリィ:…つまり、生きているなら奴隷の首輪を外して連れてくる。死んでいるなら、その確証を。そういう事?

GM/クリス:「……そうなるね」

ウィル:おっけ、分かった。調べるだけ調べてみる。乗りかかった船だ。

ミリィ:……もう、安請け合いして……。

ウィル:じゃあ、どうする?この館の連中放って、逃げ出すか?

ミリィ:…そうじゃないけど、私に一言くらいあってもいいでしょ、ばか。

GM/クリス:「……良いのかい?」

ミリィ:仕方ないの。相棒が安請け合いしちゃったから……それに私だって、気になるし。

GM/サンドリーヌ:「ありがとう……。それと、出来れば運河の開閉コードも二つ調べて来て欲しいの。これは脱出に必要なんだけど…」

ウィル:あ、それなら二つ知ってる。

ミリィ:あと、運河の通行許可証も持って来たの。
 

 ミッション二つ達成。
 一気に金(一人頭2500ガメル)と、★(4個)を入手する二人。
 
 そして、サンドリーヌ館で休息した二人は情報収集の為に動き出します。
 イベントの前倒しもあり、少々ルールブックから乖離してきた気もしますが―――GM、アドリブで乗り切る決意。
 というか、ルールブックまんまだとこのミッション難易度高すぎだと思うのです。ヒント無して。
 
 ともあれ二人はまず、情報通であるウルスラの元へ向かいます。
 ランダムイベント17番でまた工事現場が発生しますが、スルー。
 工事が多い街だと言いつつ、情報料無料券を使って情報を聞こうとする二人。

 

GM/ウルスラ:「ハイネ、ねぇ。それはちょっと、分からないね」

ミリィ:まぁ、そこまでは流石に期待してなかったの。じゃあ次の質問。ヤーハッカゼッシュに奉げられる贄って、どこに居るの?

GM/ウルスラ:「…ああ、それなら分かるよ。【牧場】なんて呼ばれている、腐った施設があるんだ。そこでは人族の子供が育てられていて、『上位蛮族の供物になる事が至上の幸せ』なんていうイカレた教育を施されているんだよ」

ウィル:…うげ、生きてても面倒な事になってそうだぞ、それ。

ミリィ:……染まってたらどうしようか。

ウィル:…まぁ、まずは一度行ってみようか。ウルスラさん、どこにあるんだ【牧場】って。

GM:(……まぁ、ダイスで決めてしまうか)……A−1。街の最北西部だな。
 

 で、幸い距離的には然程離れていなかったので、向かう二人。
 牧場を塀の上から(ミリィがウィルを踏み台にして)覗き込むと、丁度庭園を散策していた少女と目が合います。

 

ミリィ:……あ。

GM/少女:「…貴方達、誰?」

ミリィ:……ただの通りすがりなの。(一同笑)

GM/少女:「通りすがりは、わざわざ塀から覗き込まないと思うけど」 と、少女は笑う。屈託のない笑顔で、人を疑う事など知らなそうな『真紅の髪の』少女だ。

ミリィ:……え。あの、貴方、お名前は?

GM/少女:「私?私はハイネ。貴方のお名前は?」

一同:ぎゃあああああああああああああああ!!?(爆笑)

ウィル:こんな簡単に見つかるとは!?(笑)

GM:文句はシナリオに言え。ハイネそのものには、牧場に行けばすぐ会えるんだよ!!
 

 もっとも、難しいのはここから。
 蛮族に従うのが正しいと教えられているハイネをどう説得するか。
 そして、どうやって連れ出すか。それを頭を悩ませるところなのですが……。
 
 まぁ、この段階ではそれも分からず。
 ミリィ、ウィルを踏み台にしたままハイネと会話開始。
 予想通りの染まりっぷりに絶望するミリィ。そして金属鎧を着た人間一人を背中に乗せ続けている状況で、そろそろキツくなってくるウィル。

 

ウィル:なぁ、ミリィ?誰と話してるんだ?そろそろどいて欲しいんだけど……。

ミリィ:黙れ踏み台なの。私に足蹴にされる名誉に、悶えると良いの。(一同笑)

ウィル:うるせぇよ重いんだよ!?(笑)

ミリィ:ゴッ! 思い切り踏みます。(一同爆笑)

ウィル:あぎゃっ!?(笑)

ミリィ:女の子に『重い』は、禁句なの。命があるだけ、有り難く思うの。

GM/ハイネ:「…誰とお話してるの?」

ミリィ:気にしては、いけないの。私の奴隷なの。(一同笑)

GM/ハイネ:「へぇ、ミリィちゃんは蛮族様でもないのに奴隷が居るんだ。凄いね!」

ミリィ:…蛮族様……ねぇ。

GM/ハイネ:「そうよ。私たちは蛮族様に奉げられる為に、生きているんですもの。蛮族様にお仕えするのは名誉、そうでしょう?」

ミリィ:(ぼそり)…めんどくさぁ……。
 

 で、見張りが来る前に適当に会話を切り上げるミリィ。
 限界を迎えて崩れ落ちるウィルを連れて、てくてくと―――最も近場の拠点である、鮮血城に戻ろうとします。
 が、ここでランダムイベント発生。
 そして―――大惨事発生。

 

ウィル:(ダイスを振る)…むぅ、どんどん振り足しが発生するな。21番って何だ?

GM:ああ、それは蛮族の謝肉祭だ。霧の街の大通りを、着飾った少年少女を乗せた皿が蛮族達の手で運ばれていく。それは【牧場】で飼われていた供物の少年少女達で――――え?
 

 さて、ルールブックをお持ちの方はランダムイベント表をご覧頂きたい。
 謝肉祭自体はまだ良い。問題はその中の一文である。
 
『もし牧場でハイネと知り合っているなら、その中にハイネの姿を見つける』
 
 ……ハイネ終了のお知らせ。
 何この交通事故。ハイネと知り合う前だったらハイネ死ななかったのに……。

 

GM:……えー……その皿の中に、ハイネの姿を見つける。満面の笑みで周囲に手を振っている。

ウィル:……はい?

GM:……で、彼女達はヤーハッカゼッシュの前で殺され、上位蛮族達にふるまわれる馳走になるが……な、何かする?

ミリィ:……えーと、ジェイドバジリスクの前?

GM:……うん。

ミリィ:…何も出来るわけないの。死亡確認なの。

ウィル:…ハイネって、こういうイベントなのか?

GM:……いや、これはダイス目の事故……。
 

 ミリィ&ウィル、呆然。
 GMもっと呆然。
 
 しかし呆然としてばかりもいられないので、諦めて話を進める事に。

 

GM/ヤーハッカゼッシュ:…えー、それではヤーハッカゼッシュが贄が振る舞われたところで宣言を出す。「今宵は狩りの時間だ。諸君、謝肉祭を行おう。今から翌朝まで―――全ての人族を殺して食らえ。私が許そう、私が赦そう、今宵は宴だ。大いに猛れ」 その声と同時、蛮族達は喜びの声をあげ――― 人族は名誉蛮族の腕輪をしているか、上位蛮族の奴隷として主のすぐ傍に居ない限り蛮族に襲われる。

ウィル:うっげ、こっちにも来る!?

GM:無論。鮮血城の前でその宣言を聞いた君達の前には、ケンタウロスインペイラーが立ち塞がる。

ウィル:うああああ、クソ、散々だ!!

ミリィ:…翌朝まで、まだ長いの。どうしよっか。

GM:実は安全な箇所が街の中に何箇所かあり、人族達はこの日はそこに集まって夜を越す。逃げ遅れた不幸な連中は狩られるが。

ミリィ:とにかくっ!目の前のこいつをどうにかするの!!
 

◇VSケンタウロスインペイラー◇
 
 さて、ケンタウロスインペイラーは6Lvの戦士タイプの蛮族です。
 妖精魔法も使えますが、殴る方が得意。
 
 高い先制値を持つインペイラー、しかし移動後攻撃が強烈という特性上、ウィル、腕輪を叩き割って先手を取ります。
 そのままミリィが自分とウィルにセイクリッド・ウェポンをかけ、ウィルはインペイラーに突撃をかけます。

 

ウィル:キャッツアイとビートルスキン使用!(ダイスを振る)…命中は16、ダメージは19!

GM:くっ、結構痛い。では反撃の槍、ダメージは18だ!!

ウィル:ぐ、痛いけど……正直、それくらいなら耐えれる。

ミリィ:OK、それじゃあ私は火力支援に徹するの!!
 

 インペイラーは優秀な戦士ではありますが、スペック的には妖精魔法を使える事を除けばウィルと互角かやや劣るレベル。
 その上、ミリィがフォースでの火力支援を始めるのだからたまったものではなく……。
 あっけなく、4ラウンド目にお亡くなりになりました。

 

ウィル:よし!ど、どうするかここから!!?(一同笑)

ミリィ:ハイネの後を追うのは、辞退したいの。さっさと安全地帯に―――ねぇGM、鮮血城って安全?

GM:……うんまぁ。鮮血城に対しては、他の蛮族達も手出しできない。そも、ここに逃げ込むと言う発想をする人族がまず居ない。(一同笑)

ウィル:一夜の宿を借りるために踏み込んだ俺達をなめるなよ!!(一同笑)

ミリィ:さっさと逃げ込むの!翌朝まで、避難させてもらうの!!
 

 ―――で、鮮血城に駆け込んで……どうにか事無きを得た二人。
 辛うじて無事に済みました、が―――

 

ミリィ:…ハイネ、どうしよっか。これ以上なく死亡確認したけど。

ウィル:…これ、俺らが悪いんじゃないよな?

GM:事故だしなぁ。これでバッドエンド一直線とか言うつもりはないが……さて。
 

 ここから本格的に、GMがアドリブモードに入ります。
 それに伴い、物語は終演に近づき収束を始めますが―――。
 さて、今しばらくお付き合いの程を宜しくお願いいたします。

 そして一夜が明けました。
 鮮血城に逃げ込んだ二人は快く迎えてくれたユディトに、いつぞやザバールの天幕で買ったネックレスをプレゼント。

 

GM/ユディト:「わぁ、ありがとう!大事にするね!!」 と、ユディトは嬉しそう。その後ろで見ている“お母さん”ことアデもご満悦だ。ユディトが嬉しそうだし。

ウィル:そりゃ何よりだ。さて、ミリィ。サンドリーヌさんのとこに行くか。

ミリィ:死亡確認なの。これはもう、どうしようもなかったの。

ウィル:まぁ、移動だな。
 

 で、サンドリーヌ館に向かう二人。
 その過程で通りかかった奴隷市場前で、ランダムイベントに巻き込まれます。
 
 発生したイベントは、『生ける屍』。

 

GM:では、その辺に打ち捨てられていた死体がおもむろに起き上がり襲いかかって来る。

ウィル:うぇ、アンデットか!!

ミリィ:自然発生とは、見上げた環境なの。何が出る?

GM:スケルトンソルジャーが……1体。
 

 結果は2ラウンドでした。
 

ミリィ:楽勝。

ウィル:チョロいな。

GM:…お前ら、骨には強いな。

ウィル:向日葵兵団と違って、武器がアックスとメイスだからな。向こうと違って骨の体に苦戦する道理はねーよ。
 

 その後は何事もなくサンドリーヌ館に到着します。
 そして、事情説明―――

 

ウィル:…まぁ、結論から伝えるぞ。昨日の謝肉祭は知ってるよな?

GM/サンドリーヌ:「……ええ」 その言葉を聞いたサンドリーヌとクリスの顔は暗い。

ウィル:…昨日あそこで、ハイネは死んだ。翠将の前で。

GM/サンドリーヌ:「……そう」 深くため息をつくサンドリーヌ。そして、クリスは顔を抑え、無言で俯く。

ミリィ:どうする事も、出来なかったの。ハイネと少しだけ話す機会があったけど、彼女自身……蛮族の教育に馴染み切っていた。ここに連れてきても、素直に脱出に賛同するとは思い難かったの。

GM/クリス:「そうなんじゃないか、と考えていたさ。けど……けど……」 もう、クリスはそこから先は言葉にならない。そんなクリスをサンドリーヌが抱きすくめる。

GM/サンドリーヌ:「…やっぱり、貴方は真っ直ぐ過ぎる。この街には、居ちゃ駄目だわ」

ウィル:…無言で部屋から出る。

ミリィ:続くの。

GM/メネ:「…こちらへ」 と、メネが言葉少なに君達を別の部屋に案内してくれる。いつも君達が泊まってる部屋だ。

ミリィ:こてん、とベッドに寝転がる。 ……重。

ウィル:ま、いろいろ重いわな。やっぱここ、人族が真っ当に暮らせる街じゃねーよ。 対面のベッドに腰掛けよう。

ミリィ:…ハイネだけじゃなくて、メネもそう。あと一歩で、危うく望みもしない相手の奴隷にされるか……殺されてた。やっぱり、早く出たいの。こんな街。

GM/メネ:「…お二人は、凄いですね」 と、メネが笑みを浮かべる。 「こんな街で、諦めないで脱出の為に必死になって動き回って……それを成功させようとしてる。本当に、凄いです」

ウィル:運と協力者と、まぁ認めたくねぇが相棒に恵まれたからな。

ミリィ:…いっ!? きょとん、とした顔をします。いつもの三白眼じゃなく、目を丸くして。

ウィル:お前の事だよ、ミリィ。感謝してんだぜ、これでも。

ミリィ:……そ、それを言うなら私の方こそ……ごにょごにょ。(一同笑)

GM/メネ:「…ふふ」 気を利かせたのか、メネは立ち上がり部屋を出る。 「すいません、私、まだセバスチャン様に言いつけられた仕事が終わってませんから」

ミリィ:う…!? えー、縋るような眼でその背中を見送る(笑)。で、暫しうーうー唸ってる(笑)。

ウィル:……くっく。 それを見て、喉を鳴らすように笑う。 いや、可愛いとこあるな、お前。礼を言われたりとか、そう言うのに弱いのか?

ミリィ:……違うもん。 布団被って、寝たフリしてやる(笑)。 …誰からでも、こう言う反応しちゃうわけじゃないんだから……。

ウィル:…さて、それは聞こえているのかいないのか。

ミリィ:…うー。
 

 そんなラブコメから翌朝。
 サンドリーヌはウィル、ミリィと館の住人(クリス、セバスチャン、メネ)を部屋に集めます。
 そして、開口一番言ったのは―――

 

GM/サンドリーヌ:「……この街を、出ましょう」

ウィル:……ついに来たか。

ミリィ:私達も一緒に、と言う事でOK?

GM/サンドリーヌ:「そこまで含めて、説明するわ。まず、わたくしが貴方達にしていた依頼の最終目的ね。この街の脱出ルートは幾つかあるけど、わたくしが知っているのはその中の一つ。運河の水門を開き、水路での脱出ルート」

ウィル:…なるほど、開閉コードってのはその為の物か。

ミリィ:運河の通行証もね。でもサンドリーヌさん、ザバールルートじゃ駄目なの?

GM/サンドリーヌ:「そっちでも良いけど、一つ問題があるの。そっちの場合、ザバールポイントが都合し切れそうにないのよ」

ウィル:…つーと?

GM/サンドリーヌ:「わたくしの分とクリスの分くらいは、どうにか……ってところね」 と、渋い顔をします。 「これは無論、この屋敷をザバールに払い下げる前提での話よ。それでもそのポイントが限度ってこと」

ウィル:なんだよ、セコいぞザバール。

GM/サンドリーヌ:「足元見られたのよ……」 と、凹み気味のサンドリーヌ。(一同笑)

ミリィ:下手に値を釣り上げようとして、逆に買い叩かれたに一票なの(笑)。

GM/サンドリーヌ:「一応現ナマならそれなりにあるけど、現金をポイントの代わりに使うなんて事は出来ないし、仮にそれを使ったら使ったで従者に払う賃金も人族の街で暮らすための資金も無くなるし……だから私は、水路での脱出を推すわ」

ミリィ:反対なの。水路だと、行けてシェス湖南岸まで。そこから先は、歩きでの長旅が待ってるの。私、ウィル、クリスさん、サンドリーヌさんは良いとして……老年のセバスチャンや、まだ幼いメネには厳しすぎるし……。

GM/クリス:「なら、何か考えが?」 と、一晩経って幾分復帰したクリスが問い返す。 「セバスチャンやメネを置いて行くのは論外だよ?」

ミリィ:当然なの。私達も、それは絶対に行う予定は無いの。ただ、私たちは元々ザバールポイントを随分余しているの。あと少し貯めればあと二人分くらい賄うのも、可能なの。そしてザバールは馬車で人族の街まで行くから、確実性と安全性に関しては水路の後に徒歩と言うのに比べれば比較にならないくらい高いの。

GM/サンドリーヌ:「……ねぇ、一つ聞いて良い?」

ミリィ:どうぞ。

GM/サンドリーヌ:「…なんで、そこまでしてくれるの?貴方達がそこまでわたくし達に良くしてくれる理由は何?」

ウィル:無償の善意は信用できん、か。ま、この街に生きてりゃ道理だわな。けどな、サンドリーヌさん。俺らは別に、理由なしにやってるわけじゃねーよ。善意とか、あんたらが気に入ってるってのもあるけど。

GM/サンドリーヌ:「…ならば、何?」

ウィル:―――貧しいときに与えられたパンには、万金を超える価値があるでしょう。俺の母が、以前働いてた屋敷で教えられた事って言ってたけどな。

GM:…サンドリーヌは無言で続きを促す。

ウィル:あんたさ、この街に来て間もない俺達を、何だかんだで助けてくれてるんだよ。そりゃ、あんたもあんたの都合と目的があって、その為だってのも理解してる。けどさ……人がいて、灯りがあって、風呂があって飯があって………この屋敷で休む事が、この街に来たばかりの俺らにとって、どれだけ安らぎになってたか分かるか?

GM/サンドリーヌ:「―――それが貴方達にとっての、『貧しいときに与えられたパン』だった、というわけね」 ふぅ、とサンドリーヌは長くため息を吐く。 「律儀ですこと」

ウィル:恩と仇は倍返し。これも、母親から……ひいては件の屋敷から伝わる不文律か。

ミリィ:とんでもない屋敷なの。……でも、嫌いじゃないの。 その言葉に、少しだけ笑います。 サンドリーヌさん、私達に任せて。サンドリーヌさんとクリスさんの分を除いて、合計24000ポイント。どうにか稼いでみるの。

GM/サンドリーヌ:「……分かったわ。貴方達を、信じましょう」 では……サンドリーヌは君達に頭を下げる。そして、最終ミッションを始めようか。オリジナルで作成したミッションだが、『ザバールポイントを稼げ』。合計で24000ザバールポイントを持ってサンドリーヌ館に戻って来る事でミッション達成とする。

ウィル:OK、任せとけ!!
 

 さて、遂にオリジナルの最終ミッションを投入。
 ハイネが死んではサンドリーヌの脱出依頼は発生しない筈でしたが、あれはもう完璧に事故なのでスルー。
 サンドリーヌ一行を伴い、ザバールルートでの脱出でシナリオを収束させる事にします。
 
 そして、このオリジナルミッション。決めていたのは最後のイベントだけです。
 それまでは、彼らに好きに動いてポイントを貯めて貰おうという流れ。考えるのが面倒だったとも言います。
 
 ともあれ、二人は早速サンドリーヌ館を辞し、ザバールのテントへ。



ウィル:ザバール、ポイントくれ。(一同笑)

GM/ザバール:「物凄いシンプルだな君は」(一同笑)

ミリィ:とりあえず、今持ってる剣のかけらを全部交換しちゃうの。これで二人で合計、21840ポイント。

ウィル:あと2160か……パトラス経典を探すか?

GM/ザバール:「…待った、パトラス経典って何?」

二人:……へ?

ウィル:いや、お前からの依頼だろ?ライフォス神殿のパトラス経典……。

GM:更に変わってるじゃねぇか!ピラトト写本だよ!しかもキルヒアだよ!!ああ今まで突っ込み入れずに良く我慢したよ俺お前ら馬鹿かァァァァァァァァァァァ!!(一同大爆笑)

ミリィ:ちょ、も、もしかして名前間違えてた?(笑)

GM:宗教ごと違うわッ!!(一同爆笑)
 

 ……説明タイム。
 ようやっと説明できて、GM安堵。
 当時は勘違いしたままキャンペーンが終わるかと戦々恐々としていました。

 

ウィル:……しかし、となると厄介だな。キルヒア神殿なんて、どこにあるかも分からねーじゃん。

GM/ザバール:「そこら辺は自分で調べてくれよ?」

ミリィ:チッ。私達の手持ちの現金全てで買い物しても、700ポイント程度なの。どう頑張っても、1500ポイント近く足りないの。

ウィル:…キルヒア神殿を探すか。まず、情報通のところへ行こう。
 

 すっかり便利キャラ認定されたウルスラの元へ、二人は移動を開始します。
 が、途中でまたランダムイベントに引っかかります。

 

ミリィ:最近多いの。

ウィル:だな。

GM:どうやら、蛮族の人狩りのようだ。

ミリィ:ついこないだ、謝肉祭があったばかりなのに……元気な奴らなの。

GM:他人事かよ。蛮族達はその場に居合わせた君らにも襲いかかるぞ。敵はレッサーオーガが2体と、マーマンビショップだ。マーマンビショップは剣のかけらで強化されてるぞ。

ウィル:うげ、3体!?

ミリィ:1体はボス格なの。けど、これは考えようによっちゃ好機……マーマンビショップを倒せば、剣のかけら6個で合計600ザバールポイント!!

ウィル:おし、狙い目!!

GM:…お前ら行動指針はっきりしてんなぁ…。
 

◇VSマーマンビショップ+2◇
 
 さて、マーマンビショップのデータをお持ちの方、ご覧ください。
 このモンスター、変な特殊能力を持っています。
 『水中特化』。……露骨に嫌な予感のする響きです。
 そしてその予感に漏れず、このモンスター……陸上ではすべての行動に−2のペナルティを食らうという、水中専属モンスターなのです。
 
 事実上、2Lv分劣化してるとすら言える状況。
 大丈夫かこれ。GMは開始前に思いました。

 

ウィル:うし、先手取ったり!全員固まってるうちに飛び込むぞ!!

ミリィ:ぶちのめすの。突っ込んで魔力撃、まずはレッサーオーガAに23点!!

ウィル:同じくレッサーオーガAに18点!!

GM:うえ、いきなり一体潰された!!では反撃、マーマンビショップはミリィにフォース。達成値は13!!

ミリィ:存外低いの。それなら、抵抗成功なの!

GM:…レッサーオーガ、同じくミリィにリープスラッシュ!

ミリィ:抵抗成功なの。私、そこまで抵抗力高いわけじゃないけど、こいつら魔法の達成値低いの。

ウィル:押し込めるな。やっちまおう!

GM:(うぼぁー……)
 

 一応キュア・ハートは使えるマーマンビショップ、粘る分には粘りました。
 が、粘るだけ。
 しかもウィルとミリィの波状攻撃のダメージは明らかに回復量を上回っています。
 
 結果、3ラウンド目にレッサーオーガBが倒され、6ラウンド目にはマーマンビショップにウィルの斧がクリティカル。

 

ウィル:ダメージ、28!これでどうだ!!

GM:…あ、駄目。回復した分差し引いても、それで落ちます。

ミリィ:自己回復がウザい奴だったの。えい、げし。

ウィル:さて、剥ぐか。

GM:…清々しいくらい馴染んでないか、お前らこの街に……。
 

 剣のかけらと戦利品を獲る二人。
 特にレッサーオーガAが宝石(1d×150G)で900ガメルを落としたのは彼らにとって僥倖でした。

 

ミリィ:大漁なの。

ウィル:まず剣のかけらを全部交換して、600ポイント。現在保有してる現ナマ全部でおよそ8200ガメル、これ全部買い物に使って820ポイント。

ミリィ:…ん?ちょっと待って。

ウィル&GM:ん?

ミリィ:820、半分で410、その半分で205、繰り返せば漸近値はおよそ1640……行けるの!!

GM:なんだなんだ!?

ミリィ:8000ガメル分、何かを買う。それ即座に全部売って、4000ガメル貰う。4000ガメル分、何かを買う。それ全部売って、2000ガメル貰う。これを繰り返せば、およそ合計1600ポイントが手に入るの。(一同笑)

ウィル:セコッ!!?(笑)

ミリィ:でも有効な手段なの。で、そうすればザバールポイント、24000に届くの!!

GM:…そんな手があったか。余りに余りな手段だから、完全に見落としてたぞ。

ミリィ:もっと褒め称えてくれても、構わないの(笑)。

 
 で、移動。

 結局そのままザバールのテントに戻った二人、まずは剣のかけらを全部売却します。
 そしてスーパーお買いものタイム。

 

ミリィ:まず、要らん装備やアイテムを全部売るの。

ウィル:陽光の指輪を売って…。

ミリィ:ウィルの敏捷度の腕輪も、指輪に買い替えるの。それで50ポイント分の買い物をした計算になるの。

GM:なんつーセコさだ、お前ら。(一同笑)
 

 二人の買い物履歴をここに表示させて頂きます。
 
・敏捷度増強の腕輪売却。その金で敏捷度増強の指輪購入。ポイント合計22490。
・フォートレス(8200ガメル/金属鎧)購入。ポイント合計23310。
・即座に売却。所持金合計4824。
・ジェザイル(1200ガメル/ガン)4個購入。ポイント合計23790。
・即座に売却。所持金合計2424。
・筋力増強の腕輪(1000ガメル)+ハルバード(1080ガメル)購入。ポイント合計23998。
・面倒になったので20ガメル分のハンカチ購入。合計24000ポイント達成。

 

一同:……せこッ!!(何故か全員爆笑)

ミリィ:でも、目標ポイントに届いたの!これでサンドリーヌさんのとこに行けば、ミッション完了なの!

ウィル:そしてさらば、霧の街って事だな!!

GM/ザバール:「……いや、うちの店でこう言う買い物する人は初めて見たよ……」 と、ザバールも呆れ顔。(一同笑)

ウィル:ふっ、褒め言葉だぜ(笑)。

ミリィ:目的の為、手段は選んでられないの(笑)。

GM/ザバール:「まぁ、良いだろうさ。君達は規定の手段で規定のポイントを稼いだんだ。私も商人として約束は守るよ。君達と……おそらく、サンドリーヌ卿とその関係者かな?連れて来たまえよ。次の仕入れは、二日後だ」

ウィル:OK、その時に脱出……って事だな。

GM/ザバール:「……それと、だ。君達、後幾ら持ってる?」

ミリィ:300ちょいなの。

GM/ザバール:「OK、サーヴィスだ。300ガメルで一つ情報を教えよう」

ウィル:…情報?

ミリィ:このタイミングで言われると気になるの。分かった、払う。

GM/ザバール:「OK。それでは……君達を探している奴がいる」

二人:……へ?

GM/ザバール:「心当たりはあるだろう?」

ウィル:……いや、別に。(一同笑)

ミリィ:うん、あの……ごめん、私も。(一同笑)

GM/ザバール:「……。ゾンネンフェレスが、君達に御執心だよ。獲物に二度も逃げられた事が、プライドをいたく傷つけたらしい」

ウィル:……うげ。

ミリィ:…情報、感謝するの。急ごう、ウィル。嫌な予感がする。

ウィル:……だな、急ぐか。
 

 そして、サンドリーヌ館に向かう二人。
 ですがサンドリーヌ館の前で、こちらが用意したこのミッション最後のイベントが発生します。
 お察しの通り―――“骨しゃぶりの”ゾンネンフェレス。
 トロール種である彼が、屋敷の前で待ち構えていました。

 

GM/ゾンネンフェレス:「待っていたぞ、小僧、小娘……」

ウィル:……うっげ、最悪。

ミリィ:待ち伏せ……知恵を付けたの。

GM/ゾンネンフェレス:「二度も同じ獲物に逃げられたとあっては、我が名が廃る。……貴様らを探していたが……随分こそこそと、動き回っているようではないか」

ウィル:お前さんにゃ関係ねーだろ。

GM/ゾンネンフェレス:「そうでもない。…この館の主人……サンドリーヌも随分と人族に御執心のようだな。これが“翠将”に知られればどうなるか」

ウィル:……テメェ。

GM/ゾンネンフェレス:「案ずるな、誰にも話しておらぬし、話すつもりもない。貴様らがここから逃げねばな。―――構図は単純だ。我を倒せ。さすれば、貴様らの目的への障害は無くなろう」

ウィル:逃げずに戦え。それが望みだな?

GM/ゾンネンフェレス:「―――いかにも」

ウィル:回りくどい奴だ。

GM/ゾンネンフェレス:「そう言うな。我に見初められた不幸を呪え」

ウィル:お断りします、ってか。―――やるぞ、ミリィ。

ミリィ:……うん。やろう、ウィル。これは多分、避けちゃ通れない戦いなの。

GM/ゾンネンフェレス:「ならば来い、人族よ。我を見事―――倒して見せよ!!」
 

◇VS“骨しゃぶりの”ゾンネンフェレス◇
 
 さて、GMがこのミッションの最後に制定していたラストバトル。
 幾度か彼らと遭遇していた、ある種一番付き合いの多い敵であったゾンネンフェレスです。
 
 5Lv冒険者二人VSかけら強化トロール。
 まぁまぁ、良い勝負になってくれる事でしょう。ウィルとミリィは、マーマンビショップ戦の消耗も残っていることですし。
 
 先手を取ったのはゾンネンフェレス。
 ウィルは出目悪く、≪運命変転≫を温存するために後手に回ります。

 

GM:では、まずゾンネンフェレスはヴァイス・シールドを使う。

ミリィ:うざ。硬くなった。

ウィル:にゃろ、堅実に来やがった。ミリィ、こっちも頼む。攻撃の方で。

ミリィ:分かったの。2倍拡大、セイクリッドウェポン!

ウィル:で、ビートルスキンとキャッツアイを起動!踏み込んで、斬りかかる!(ダイスを振る)命中は17!!

GM:む、それは当たる。いつの間にか随分強くなってるな、お前。

ウィル:はっ、どうよ!ダメージは18点だ!!

GM/ゾンネンフェレス:「―――くはっ!」 ゾンネンフェレスは苦鳴とも笑い声ともつかない声をあげる。 「良いぞ、人族。これほどの腕とはな!!」 …まだだな。ここはヴァイス・ウェポンを自分にかける。

ウィル:セコセコと……!!

ミリィ:どうする、ウィル?私も前に出る?

ウィル:…MPは?

ミリィ:14点。あんまり余裕、無いよ。

ウィル:なら、まずは支援頼む。一先ずは殴り合いだ!もう一発入れて、ダメージ19!!

ミリィ:…ウィルにセイクリッド・シールド!これで、残り10点!!

GM:で、反撃だな。ゾンネンフェレス、振り上げた武器を振りおろす。≪全力攻撃≫、命中17だ!!

ウィル:(ダイスを振る)…≪運命変転≫!それは当たらない!!

GM/ゾンネンフェレス:「…チィッ!?」

ウィル:ンな見るからにヤバい攻撃に当たれるか!!
 

 ウィル、≪運命変転≫というリソースを消費しながらも、ゾンネンフェレスと五分以上の勝負を見せます。
 この後も回避を続け、4ラウンド目まで被弾無し。
 対するゾンネンフェレスは大分削られましたが―――5ラウンド目。

 

GM:じゃあ、ゾンネンフェレス、キュア・ハート使用。17点回復。

ウィル:うあ、くそ。削った分以上に回復しやがる。

ミリィ:(暫し考え)……駄目、攻撃に出る。フォース、達成値18!ダメージ10点!

ウィル:ミリィ!?

ミリィ:攻勢に出よう、ウィル。持久戦だと、多分こっちがもたない。

ウィル:まぁ、回避がいつまでも続くとは思えんが……。

ミリィ:ゾンネンフェレスのHP、まだ6割以上あるよ。キュア・ハートもあと4回使える。こっちはフォースを撃たなかったとしても、キュアウーンズ3回が限度だった。

ウィル:…押して勝つしかないって事か……。

GM/ゾンネンフェレス:「ははっ……その意気や良し!!」 と、ゾンネンフェレスの反撃。達成値17!

ウィル:(ダイスを振る)…うげ、駄目だ食らった!!

GM:うっしゃ。ダメージは22点!!

ウィル:くぅ……このやろ、よくも!!

ミリィ:大丈夫なの!?

ウィル:俺は結構頑丈だからな。同じくらいのダメージなら、あと3発は確実に耐える!!
 

 そして、ウィルVSゾンネンフェレスのまま戦闘は進み、9ラウンド目。
 ウィルは半々くらいで攻撃を回避する上、装甲が厚く当たっても致命打になりません。
 ゾンネンフェレスはHPが高い上に回復するので、ウィルの攻撃もまた致命打になりません。
 
 が、ここで一つ動きが出ます。
 ウィルの食らったダメージをキュア・ウーンズで癒してたミリィ、遂にMPが尽きます。

 

ミリィ:これで打ち止め……最後のキュア・ウーンズ、回復は12点!!

ウィル:うし、ほぼ全快した!……で、ここからどうする?

ミリィ:私も前に出て、殴りかかるしかないの。こうなれば、もう総力戦なの。

ウィル:倒れるなよー、ミリィ。

ミリィ:保障はしかねるの。一発なら耐えるけど、二発は……。
 

 そして10ラウンド目から、ミリィも前に出て攻撃に参加し始めます。
 魔力撃持ちな為火力はウィルを上回るミリィですが、防御面はお粗末な『なんちゃって戦士』です。
 案の定、11ラウンド目にゾンネンフェレスから反撃を食らい―――

 

GM:ダメージ、20点!!

ミリィ:うげ、一撃で半分以上こそげたの。

ウィル:うぉい!?

ミリィ:なんの、後一発くらいなら食らって倒れても死にはしないの。えい、魔力撃!(ダイスを振る)当たってダメージ、24点なの!

GM:うわぁ、クソ!かなり痛い!!

ウィル:ええい、クリティカル出ろ!!(ダイスを振る)……駄目か。18点!

ミリィ:これで、ゾンネンフェレスのHPは残り15点なの!!

GM:(暫し考え)……ゾンネンフェレス、ここは回復よりも攻撃を取る。ミリィに全力攻撃、ダメージ22!

ウィル:ミリィ!?

ミリィ:…駄目なの。吹き飛ばされてサンドリーヌ館の塀に激突。動かなくなる。(ダイスを振る)…うん、死んではいない。HP−4で気絶なの。

ウィル:くそ、野郎よくも!(ダイスを振る)攻撃、当たってダメージ16点!!

GM/ゾンネンフェレス:おぉ、危ない危ない。では最後のキュア・ハート。17点回復して、後はお互いHPが尽きるまでの殴り合いだ!! 「―――快なり!よくぞここまで食らいつきおるわ!!」

ウィル:こっちもこっちで、負けらんねぇ事情があんだよ!!
 

 お互いMPが尽き、ミリィは撃沈。
 勝負はウィルとゾンネンフェレスの原始的な決戦にもつれ込み―――長く長く続いた、第十四ラウンド。

 

ウィル:(ダイスを振る)……17点。これで……。

倒れてるミリィ:うん。計算が正しければ、終わりなの。

GM/ゾンネンフェレス:…うむ。ウィルの斧を食らったゾンネンフェレスは、武器を取り落してにやりと笑う。 「名乗れ、人族」

ウィル:……ウィル。ウィリアム・ハザード。

GM/ゾンネンフェレス:「―――見事であった。ダルクレム神の御許まで、その名覚えて逝こうぞ」 そう言って、ゾンネンフェレスは倒れる。…… もう、動かない。

ウィル:……とりあえず、ゾンネンフェレスの遺体に黙礼してから、倒れてるミリィを背負ってサンドリーヌ館に駆け込もう。どうにか治療して貰わんと……ああ、ポーションならあったっけか。

倒れてるミリィ:……激戦だったの。本当に、厳しい戦いだったの……。
 

 ……脱出の準備は、整いました。
 ザバールポイントをサンドリーヌ館の住人達の分まで用立てたウィル&ミリィ。
 いよいよ、サンドリーヌ館の人々と協力して、ザバールの馬車での最後の脱出が始まります。
 長い長いこの街での旅に、終止符が見えてきました―――。
 

11thミッション達成。
獲得経験点:2600+1ゾロ分

成長@
ウィル:敏捷度+1 ファイター5→6 マギテック1→2
ミリィ:生命力+1  プリースト5→6

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