◆ザバールのお仕事2◆
 
 鮮血城で休んだ二人は翌朝未明に城を出て、ザバールの天幕へ向かいます。
 目的はランダムミッション。現段階で二人の目的意識は『ザバールポイントをためて街から脱出する』くらいですから。
 次点でサンドリーヌさんの知っている脱出手段関連。君ら逃げ出す気満々ですけど、それ以外の方向での調査とか全くしませんな。
 
 そして、ザバールから受けたミッションは魔物の討伐。
 暴れ回ってる魔物が、ザバールの商売に邪魔なのだとか。
 【灼熱の踊り子亭】なるところに現れるというボガードソーズマンが標的。
 気分はヒットマン。
 
 そそくさと翡翠の塔経由で灼熱の踊り子亭に向かおうとするも、翡翠の塔で初めてランダムイベントが発生。
 というか、前回(ミッション1〜4までプレイした日)にはランダムイベントの存在を全員忘却していました。ごめんなさい。
 発生したランダムイベントは「霧の中の遭遇」。
 ウィルが霧の中でぶつかって来たスリに全財産を盗まれます。
 が、20G。余り痛くはありませんでした。

 

ミリィ:……私の方に来てたらと思うと、ぞっとするの。

ウィル:お前、結構持ってるからなー…。
 

 そんな会話の後、夕方の【灼熱の踊り子亭】に到着します。
 丁度、件のボガードソーズマンが人狩りをしていたところで、

 

ミリィ:フォース。(一同爆笑)

ウィル:潔く先制攻撃だな(笑)。

ミリィ:正義とは何か?躊躇わない事なの。(一同笑)
 

◇VSボガードソーズマン(かけら有り)◇
 
 戦闘開始前に先制フォースから始まったこの戦闘。
 回避・命中の高いボガードソーズマンは、確かに優秀な軽戦士です。
 が、あくまで軽戦士です。ダメージ量、2D6+3。
 フィールドプロテクション込みで、ウィルの防御力は10。ミリィの防御力でも6。
 そしてミリィにはキュアウーンズがあります。
 
 まして、高い回避力があると言っても……ミリィ・ウィル、共にダイス目8以上で当たる程度のレベルです。
 後は色々お察し下さい。
 記録は4ラウンドでした。

 

ミリィ:撤収するの。

ウィル:だな。話聞いた感じだと、ここ、人族にとっては鬼門っぽい店の前だし。

GM:行動早いなー……。
 

 その後、二人はランダムイベントの発生しないパラグラフで止まるよう調整しながらサンドリーヌ館を目指します。
 深夜に到着する事になりますが、最悪軒先に泊めて貰う気満々。
 が、その結果……夜間の移動で、蛮族に遭遇。

 

GM:ボガード2体が君達の前に立ち塞がる。殺して食う気満々のようだが。

ウィル:……む、ボガードが2体か。

ミリィ:こちらはそこまでは、消耗していないの。多分、やれるの。
 

◇VSボガード×2◇
 
 まぁ、さしたる問題のある戦闘ではありません。
 MPが約半分になっているとはいえ、HPはほぼ全快で、Lv3ファイターが二人。
 流石にただのボガード2体に後れは取らな――――い、はずなんですが。

 

ミリィ:1ゾロ!?回避失敗……連続攻撃で16点も削れたの!?

ウィル:だぁ、くそ!こっちも食らった!?

GM:あ、ダメージ6ゾロ。

ウィル:フザケンナ。

GM:お前装甲厚いから余り痛くねぇだろ。

ウィル:魂が痛いんだよ魂が!!

ミリィ:回復回復……(ダイスを振る)二人とも10点治ったの。

ウィル:……あかん、お前普通にイクスより優秀な気がしてきた。

ミリィ:気を落としちゃいけないの。

ウィル:……ううう。とりあえず、目の前のボガードに攻撃!(ダイスを振る)1ゾロ!?ええい、運命変転で命中!ダメージは(ダイスを振る)1ゾロ!?(絶叫)

ミリィ:ヤバいの、ウィル。私、下手するとこのラウンドで落ちるの。

ウィル:おい待て、お前に倒れられたら俺どーすんだ!?

ミリィ:が、頑張るの。ロイドは2Lvファイター時代にボガードを景気良く薙ぎ払っていたの。

ウィル:アレと比較すんな、あれは基礎能力がスペック高すぎるから!?(笑)

GM:おーい、攻撃行くぞー。

二人:やめてー!!?(絶叫)
 

 ……こんな調子で、ミリィのHPが一時は2まで落ち込む大接戦。
 キュア連打で辛うじて持ち直すも……。
 残り1体になったボガードの攻撃が、再度連続で直撃。

 

GM:ダメージ11だが、生きてる?

ミリィ:……う、駄目。倒れたの。(ダイスを振る)……生死判定は成功。ウィル、後は頼むの。

ウィル:……げ、倒れた!?クソ、ミリィの仇!

ミリィ:死んでないの!勝手に殺さないでほしいの!!(笑)
 

 流石にそれ以後は番狂わせも起きず、ウィル勝利。
 しかしボガードを倒したところで、問題が発覚します。

 

ウィル:……回復手段、なくね?

ミリィ:……あー……。

GM:(ルルブぺらぺら)……応急処置判定をしないと、10分毎に生死判定。

ウィル:技能無し値による応急処置判定は?

GM:……可とする。

ミリィ:待って。応急処置って事は……私の身体が、ウィルの目に晒される?(笑)

ウィル:……そうなるんじゃね?

ミリィ:…起きた時にどうするか、PLは嬉々として考えておきます(笑)。

ウィル:…うーわぁー…(笑)。
 

 ちなみにミリィのHPはこの段階で-2。
 ピンゾロを振らなかったので、平目での応急処置は成功しました。

 

GM:じゃ、10分経過したところで目が覚める。

ミリィ:……んぅ……?目が覚めて、自分の身体を見て、ウィルを見て……。

ウィル:……殴られるのは覚悟しておく(笑)。

ミリィ:ううん。自分の身体を隠して、顔を真っ赤にします。 ……ふ、服を着直すから……あっち、向いてて……。

ウィル:え……あ、えと……う、うん。

GM:PL、素でオロオロしたな、今。

ミリィ:(PL素で)うん、それが出来たって事は私の勝ちですね、精神的に。(一同爆笑)

ウィル:……ミリィは可愛いが、PLは殴ってしまっても世論は俺の味方だよな?(笑)
 

 こんなショートラブコメ後、二人はHP・MP共に危険域のまま、辛うじてサンドリーヌ亭に転がり込みます。
 裏口からセバスチャンに土下座する勢いで入れて貰い、休息を取る二人。
 翌朝、サンドリーヌさんにも挨拶して平謝りです。夜中に凄い勢いで押しかけたわけですので。
 そこは未だ回復しきっていない二人を見て、笑って許したサンドリーヌとクリス。
 ついでと言わんばかりに、サンドリーヌから依頼を受けます。「“夏の思い出”クレア・クレアというエルフから、『シェラシースの光』という魔法装置について聞いてくること」。
 見つければ、という条件で引き受けた二人。HP&MPはほぼ全快したのですが、ザバールのところに行く前にサンドリーヌ館近辺の未探査区域を埋めてしまおうという話になります。

 

ミリィ:折角だから、この付近をも少し見て回っておくの。 あ、ちなみに私、一日経てばいつものツンとしたお澄まし顔に戻ってるの(笑)。

ウィル:そっちの方が俺は助かるけどな(笑)。

ミリィ:内心どう思っているかは……内緒なの(笑)。
 

 そんな会話をしながら向かった、サンドリーヌ館の南の区域。
 あったのは……【ブラグザバス神殿】。腐敗の女神の神殿です。
 すぐ隣に【ダルクレム神殿】があるのも合わせて、PC二人げんなり。

 

ウィル:……戦神と腐敗の女神がお隣さんだよ。

ミリィ:…宗教戦争とか起きないかな。

ウィル:起きてくれればいろいろ嬉しいんだけどな。
 

 とりあえず、神殿の周囲を歩いてみてたらうっかり聖域に踏み込みそうになり、セイレーンに警告されてみたり。
 喧嘩をする気はないので、頭を下げてとっとと戻ります。
 そして、更に南のパラグラフに踏み込んで見る二人。
 どうやら、サンドリーヌ館付近のマップをある程度埋めてみようとしているようですが、今度あったのは【麻薬窟】。

 

ウィル:……危険地帯だらけか、街の南部は。

GM:その辺りには座り込んだり横たわったりしている浮民や奴隷が多くいるが、誰も彼もが虚空を見ていたり何事かをぶつぶつ呟いていたりする。で、路地の奥では殴り合っている二人の男。

ミリィ:……関わり合いになりたくないの。

ウィル:そだな、移動するか。

GM:……君ら、基本的に危うきに近寄らない方針だな。

ミリィ:近付いてトロールでも出て来られたら命が無くなるの。

ウィル:俺ら弱いからな。なるべく、危ない事はしないで行きたい。

GM:(まぁ、ここに居るのはレッサーオーガなんだが……)
 

 ともあれ、もうすぐ夜になるので二人はさっさとサンドリーヌ館に戻ります。
 ついでに今更ながら、サンドリーヌさんに件の「クレア・クレア」について聞いてみますが、サンドリーヌさんも詳しくは知らない模様。

 

ウィル:……どうする?

ミリィ:…あてどなく彷徨っていても、捜しあてられる確率は凄まじく低いの。

ウィル:……だよな。とりあえず、ザバールんとこに戻るか。
 

 翌日、二人はザバールのテントに戻り、さっさと成長を済ませてしまう事にします。
 ……しかしミッションのボスより、ランダム遭遇の敵にばかり苦戦するのはどうなんだ、二人とも。
 

5thミッション達成。
獲得経験点:910+1ゾロ分

成長@
ウィル:生命力+1
ミリィ:敏捷力+1

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