※今回はリオスワールドガイドに記載されていない、オリジナルミッションです。
 そこの所をご了承ください。
 
◆開始前に◆

 

GM:じゃ、今回はオリジナルシナリオだねー。

クラウス:おー、何が起こるのやら。

GM:さてね。それはともかく、成長は?

クラウス:はいはい。それじゃ、筋力が上がってコンジャラーが4になりました。もう少し火力を上げる手段が欲しいんだけどなぁ。

GM:レベル上げて、手っ取り早く魔力撃じゃ駄目なの?

クラウス:それだと防御面がお粗末になるからなぁ。ソロだから、防御性能を第一に考えないと……。それに前にも言った通り、マルチと魔力撃使い分け型だとロイドに被ってしまって面白くない!(一同笑)

GM:あー、まぁ、同じタイプのキャラばかりやっても面白くないのは分かる(笑)。そこは了解したとして、装備はどうしたの?

クラウス:ん。前話で手に入れた様々な品を売って相当な金になったんだけど、これでもまだ足りないしなぁ……いずれ専用化した魔法の+1フランベルジュを買う為に貯金。

GM:了解。まぁ、次かその次ってとこ?

クラウス:多分な。
 

◆潜伏蛮族討伐作戦◆
 

GM:さて、それでは毎度おなじみ冒険者の店。えーと、なんだっけ名前。黄金水がどうとか……。(一同爆笑)

クラウス:『黄金への誘い亭』だ、何でお前のミスはそんな一々下ネタなんだ!!(爆笑)

GM:あー、それそれ。『黄金水への誘い亭』ね。(一同爆笑)

クラウス:一言余計だよ!(笑) ……いやまぁ、もう良い、もう何も言わん。んで、冒険者の店に居ると何が起こるんだ?

GM:そだね、客が来るよ。あ、その前に。今回はオリジナルミッションなんで、依頼人以外の途中経過で会うNPCも、これまで仲良くなったNPCの中から固定で選抜してたりするから、そこは了承してね。

クラウス:む、心得た。むしろ楽しみだ。

GM/アリッサ:ん。……と、いうわけで客だね。羽根ペンをくるくる回しながら、取材用のメモ帳を片手に飄々と。エルフが一人。まぁ、言うまでも無くアリッサ・マイウォールドだね。クラウスを発見すると、口元ににやりと笑みを浮かべるよ。 「ああ、良かった良かった。クラウスさんいらっしゃったのですね。不在でしたら適当に何か食べながら待っていようと思ったのですが。―――クラウスさんのツケで」(一同笑)

クラウス:死ねパパラッチ(笑)。で、何の用だ? その言葉から察するに俺に用事があったようだが?

GM/アリッサ:「おや、酷い酷い。折角貴方が以前調査を頼んだ件について、結果が出たと言いますのに。……まぁ、シャントさんも巻き込んで、中々大掛かりな事になりましたが」

クラウス:あいつもか。……そういえば、何かそれっぽい事も言ってたな。何があるんだ?

GM/アリッサ:まぁ、アリッサは席に着いて適当に料理を注文をするよ。 「奢りですよね?」(一同笑)

クラウス:……分かった、分かったよ。そうだな、ここまで動いてくれた礼も兼ねて良い物をやろう。 ……まぁ、あのイヤリング渡しても良いよね。(一同笑)

GM/アリッサ:もうちょっとムードのある渡し方をしてあげなよ……(笑)。じゃあ、そのイヤリングを渡されたアリッサは目を丸くするよ。 「……これは、イヤリング? まさか私にですか?」

クラウス:予想以上に大きな頼み事になっちまったみたいだしな。その礼だ。お前なら似合うだろうしな。

GM/アリッサ:「……褒めても何も出ませんよ」 と、言いながらも嬉しそうにイヤリングを耳に付けるね。 「けど、悪くありませんね。私も少女である以上、こうやって男性からアクセサリをプレゼントをされては悪い気はしません。……敢えて言うなれば、もう少しムードを考える事を覚えて欲しい物ですけどね」

クラウス:へいへい。……まぁ、予想以上に似合ってるし、予想以上に喜んでもらえたからOKか。んで、頼んでた件の詳細は? 紫露草女学院に出たガストの件だよな。

GM/アリッサ:「あ、はい。そうでしたね……。なに、簡単な話です。この街に蛮族の組織が潜んでいるのですよ」 アリッサはさらっと言ってのけるよ。

クラウス:……いや待てお前、それ大事じゃね?

GM/アリッサ:「大事ですけど、同時にその蛮族組織は然程大きな勢力でもないんですよ。首領が魔剣を失ったドレイクらしい、というのですけどね。ちなみに、地道な調査に加えてシャントさんの変態的な流通観察眼と、あの一件でクラウスさんを通して知り合ったリフェールさんからの国軍情報により分かった事ですが」

クラウス:……成程。

GM/アリッサ:「どうやら一ヶ月ほど前から、リオスを通る水路を管理する為の下水道……そこを根城にしている様子なのですよ。先日、中央広場に川から蛮族が上がって騒ぎになった事があったでしょう? あれが決め手でしたね」

クラウス:と言うと、あれはその連中の一部か。……しかし連中も随分無謀をしたもんだな。

GM/アリッサ:「平たく言うと、あれは貴方や私のせいですよ。クラウスさん」 と、アリッサは皮肉気に頬を歪めるよ。 「タンスモーアは蛮族と密輸をしていた。それは主力こそ武器でしたが、食料などの供給も含まれていました。その行き先の一部が――――」

クラウス:その潜伏中の組織か。俺達がタンスモーアを潰して連中の補給を断ったために、奴らは無謀だろうと動かざるを得なくなったのか。

GM/アリッサ:「そうでしょうね。部下側が暴発したのか、上司側が部下を切り捨てたのかは分かりませんが。ともあれあれで、潜伏中の組織の下部構成員がかなりの数狩られて、尚且つ連中の存在がある程度明るみに出て来たわけですよ」

クラウス:……魔石もその連中が流した物だった、そういうわけか。

GM/アリッサ:「元を辿ればそうなるでしょうね。ちなみにそれを、紫露草女学院に対して的外れな恨みを抱いていた人族が違法ルートで購入して、テロ紛いの行動に使用した。流れとしてはこんなもんです」 で、丁度お酒と料理が運ばれて来て、アリッサはまずは唐揚げを口に放り込んでからエールをゴクリ。 「いやぁ、他人のお金で頂く料理とお酒は美味しいですね」

クラウス:へいへい。十二分な情報だよ。一食と言わず、あと一、二食は奢っても良いくらいだ。

GM/アリッサ:「そこで食事本位制な辺りがセコいですね。……それとも、遠回しなデートのお誘いですか?」 にひゃ、とアリッサは嫌な笑みを浮かべるよ。

クラウス:ああ、そうも取れるか(笑)。……何だ、誘って欲しいのか?

GM/アリッサ:「その返しは卑怯ですね。ですが、まぁ、そうですね。誘って頂けるのであれば、それも悪くないかもしれませんが」 で、アリッサは肩を竦めてクラウスの前に一枚の書類を差し出すよ。 「ですがその前に、クラウスさんに少々言伝があります。リフェールさんからです」

クラウス:……何となく分かった。協力依頼か。 書類を見てみるが……。

GM:そうだね、予想通り国軍からの協力要請。報酬は1000ガメルとなっているよ。内容的には国軍が下水道に突入して追い込み漁を行うんだけど、その際に関わって来る可能性があるアルトゥール北の『夜を統べる者達』に話を通しておきたい、との事だね。

クラウス:……と、言うと……どういう事だ? 裏取引か?

GM:まぁ、然程大きくないけどその系統か。下水道と言うのは得てして浮浪者や犯罪者の根城になっている可能性の高い場所で、尚且つアルトゥール北はその追い込み漁で関わる可能性のある範囲であるという事が問題かな。犯罪者や浮浪者の類に大きな影響力を持つ盗賊ギルドに先に話を通しておかないと、ガサ入れと間違われてぶつかる羽目になったらアレだし。

クラウス:……なるほど。その為の交渉役を、国軍とは直接の関連が無い俺にやってほしいと?

GM/アリッサ:「そのようですね。貴方はヨーク・バイルガンドとも顔見知りでしょう? アルトゥール北の顔役の一人と知り合いならば、話も通り易いでしょうし」

クラウス:そりゃまぁ、否定はしないが。どれくらいまでアルトゥール北に踏み込むのかにもよるんじゃねーの?

GM/アリッサ:「その辺は書簡になってるそうです。こちらですね」 と、アリッサは書簡を渡してくれるよ。 「『街道の赤い焔』は闇商人などが有力な支援者である関係上、蛮族と取引をする事もあります。しかしその敵対組織である『夜を統べる者達』は、逆に蛮族を自分達の支配領域に抱えるメリットはありません。恐らく大丈夫だと思いますが……」

クラウス:逆にそれに乗じてガサ入れをされる可能性を厭う、って可能性はあるな。或いは根本的に、縄張りに入られるのを拒絶するか。

GM/アリッサ:「その可能性もあります。リフェールさん曰く、そうだったらそうだったで駄目だと言う事を早めに知りたいらしいですね。条件があるならその条件を、という事でしょう」

クラウス:……成程。分かった、それじゃあこの書簡を持ってヨークの旦那の所へ行けばいいんだな?

GM/アリッサ:「そうなりますね。期限は24時間だそうですので、お早めにお願いします」

クラウス:短いな、このミッション。

GM:変則的でね。24時間以内に第一フェイズを。更に第二フェイズに進めば制限時間が24時間追加、って形になるので、最終的には合計48時間になるかな。

クラウス:OK理解した。それじゃ、この書簡を持ってまずはアルトゥール北だな。

GM/アリッサ:「お願いしますね、クラウスさん。あぁ、あとこの食事のお会計も」(笑)

クラウス:……チッ。言わなければ気付かないかと思ったのに(笑)。

GM/アリッサ:「ここは言われずとも払うのが、男の甲斐性ですよ。クラウスさん」 と、アリッサが苦笑した所で……シーン終了。移動開始、かな?

クラウス:アルトゥール北、すぐそこなんだよな……(笑)。
 

※NPC好感度変動まとめ
 アリッサ・マイウォールド:13→18(イヤリング分)

◆アルトゥール北/初日 12:00〜13:00◆
 
 そして、やって来ましたアルトゥール北。
 そう言えばアリッサにいつぞやの迷惑料を渡すのを忘れていたのに気付いたクラウス。
 まぁこのシナリオなら後で渡す機会もあるかと、スルーします。
 
 まずは歓楽街の中にある違法カジノに赴き、元締めであるヨーク・バイルガンドへの面会を要求するクラウス。
 不審そうな目で見られましたが、『クラウス・ビーダーシュタットが会いに来たと伝えてくれ』と伝言を頼んだところ、暫く後にヨークがやって来ました。

 

GM/ヨーク:「おう、クラウスの坊主やないか。なんや用か?」 と、応接間に通されていたクラウスの所にヨークがやって来るよ。護衛付きだけどね。

クラウス:当然だな。好感度10だから、知り合いと友人の間ってレベルだろうし。 ……まぁ、何だ。ヨークの旦那、今日の俺はメッセンジャーだな。―――これを見てくれ。 と、書簡を出すぞ。

GM/ヨーク:「なんや、誰からのラブレターや? ワシはフィオナちゃん一筋なんじゃがのォ」 じゃあ、書簡を受け取って軽口と共に目を通していたヨークだけど、途中から真剣な表情になるね。 「おい、この部屋に誰も近付けるなや」 と、黒服の一人に指示を出して部屋から出してから、クラウスに向き直るよ。 「……蛮族がこの街に、ねぇ。要は国軍の不始末やろ。何でこっちにまで話が回って来るんや」

クラウス:俺に言われてもな。俺は暫く前に紫露草女学院で起きた事件を追っていて、偶然この一件に関わっちまったようなもんだ。それでメッセンジャーというか交渉役にされたわけだが……一応、『駄目なら駄目で次善策を考えるから早めに解答を貰って来てくれ』と言われている。

GM/ヨーク:「――――駄目、とは言えんのォ。こっちの下水道に包囲の穴を開けて、そこに蛮族が来ちまったら大事や。そのまま潜伏されても、地上に出て暴れられても面白うない事になるわ。かと言って、OKも出せん。下水道もまた、ウチらの縄張りや。そこに事情があれど、国軍の踏み込みを許すってのは有り得へん」

クラウス:……OKでもなければ駄目でもない。となると、何か折衷案でも?

GM/ヨーク:「この作戦は各地の下水道入り口から同時に戦力を下水側に入れて侵攻。蛮族を追い詰めて行くってモンや。せやから、こっち側―――アルトゥール北のはワシらが自前の戦力でやる。もしくは第三者である冒険者への依頼、やな。無論タダやないで。どっちにしろ、それなりの金を国軍にせびる事にするわ。国軍の不始末のケツをこっちが持つワケやからな」

クラウス:……まぁ、そこが落とし所か。OK、その方針で伝えよう。開始時刻は―――書簡に書いてあるか。

GM/ヨーク:そだね。クラウスの行動に関しては、タイムリミットまでに目的を達成してればOKだから。ちなみにヨークは返事の書類を書いて渡してくれる。 「書簡によるとこの件に関する責任者はリフェール・バークっつー野郎って話やな。どうやらコラーロサイド中央に臨時の本部を作ってるそうやから、そっちに持って行ってくれや」

クラウス:オーライ、引き受けた。悪いな。

GM/ヨーク:「蛮族はこちらとしても頭の痛い問題やからな。国軍の手が入るのは御免やけど、放ってもおけへん。まぁ、この辺が互いにとって妥当な落とし所やろ。こっちこそ、使い走りにしてスマンなァ坊主」
 と、ヨークはクラウスの肩をバンバン叩くね(笑)。

クラウス:23歳は坊主なのかなぁ……(笑)。まぁ良い、目的地はコラーロサイド中央だな。

GM:だね。それじゃ、移動といこうか。
 

※NPC好感度変動まとめ
 ヨーク・バイルガンド:10→11

◆ゴールドコースト中央/初日 13:00〜14:00◆
 
 で、移動途中のゴールドコースト中央。
 ランダムイベントは発生せず、遭遇NPCは楽しいこと大好きなグラスランナー、ワロテ・ロロ・トニー(NPC番号97)。
 何やら面白い事を探している様子の彼と遭遇し、会話を交わします。
 
※NPC好感度変動まとめ
 ワロテ・ロロ・トニー:0→1
 
◆中央広場/初日 14:00〜15:00◆
 
 そして中央広場。
 ここでランダムイベントが発生します。

 

GM:ふむふむ。じゃあ、中央広場を通りがかると、広場で演説をしている人が居るね。レアン・シーゲル議員……反アイヤール派の急先鋒で、今もアイヤールを非難するような内容の演説をしているね。

クラウス:アイヤールとリオスって仲悪いんだっけ?

GM:最近になって改善されて来てるけど、歴史的には最悪だね。今のアイヤールの前身である大アイヤールは、平たく言って旧リオスを侵略して植民地化して、大破局の時には切り捨てたわけだから。その後、大破局後にリオスは独自の復興を遂げて、それからアイヤールとは互いに無視し合うような関係を保ってたんだけど……。100年ほど前くらいから、貿易相手として対等の立場での外交をしているって所かな。国民感情は相変わらず悪いけど、アイヤールの現帝国は蛮族のみを敵対対象としているという立場を一貫している事もあるし、距離的にも規模的にも最大の貿易相手であるのも事実だし。
 
クラウス:……なるほど。

GM:ちなみに以前クラウスが依頼を受けたケヴィン・レアド副首相は、アイヤールの王族を嫁にした親アイヤール派の旗頭だね。その辺、まだ色々難しい所。で、シーゲル議員が熱弁を振るってるんだけど……クラウス、ここで危険感知判定して貰える? 目標値は15。

クラウス:高いな!(ダイスを振る)……あ、出目10。成功した。

GM:お見事。じゃあ、どうやらその反アイヤールの意見に反対しており、少々過激な者が話を聞いてる群衆の中に混ざってたようだね。泥まみれの靴を手に、シーゲル議員に投げつけようとしているのを発見するよ。ちなみにクラウスは止められる位置に居るね。

クラウス:止める手段は?

GM:好きに演出すれば?

クラウス:じゃあ、投げられた靴を鞘に入れたままの剣で弾き飛ばす。そのタイミングなら、投げた奴の事も周囲皆が分かるしな。何もしてないままの状態で取り押さえて、変に弁明のチャンスを与えてしまうのもアレだし。

GM:派手な(笑)。まぁ、了解。では、一瞬周囲が静寂に包まれてから、我に返った様子で警備兵がその男と……あと、クラウスも一応確保しようとして来るよ。男は激しく暴れて、口汚くシーゲル議員を罵っている。『お前らのような後先考えずにアイヤールに反抗する奴らのせいで、俺は職を失ったんだぞ!』みたいな。

クラウス:……こういう問題は難しいからな。一概に否定もしないけど、靴を投げつけるって手段はどうかと思うぞ。お前が批判した『後先考えずに云々』まんまだろ、それは。 あ、俺は抵抗しないよ。肩を竦めて、確保されるに任せておく。そだな、武器は警備兵に預けよう。

GM/シーゲル:いや、そうしようとしたところでシーゲル議員が来て、それを止めるね。 「すまない、どうやら助けられたようだな」 と言う彼は、40代のナイスミドルだね。仮面とか被ったら似合いそう。(一同笑)

クラウス:そういうキャラか……(笑)。
 

 レアン・シーゲルは反アイヤールを掲げる秘密結社、『ラスベート十三騎士団』の構成員です。
 十三騎士団は有力商人や議員が各々身分を隠して参加しており、反アイヤールを行動原理として、歴史の陰で活動を続けています。
 昨今の状況から、『アイヤールの撲滅』から『アイヤールを支配』という感じに目標は変わって来ていますが、そういう組織の人間です。
 無論、公表などはされていませんので、裏情報ですが。
 ちなみにその十三騎士団の会議では仮面を着用するのが常です。何この怪しい集団。

 

クラウス:まぁ、とりあえず礼を言われたならこちらも頭を下げるか。 大した事はしておりません。靴を投げつけようとしていた男が居た為、妨害したまでです。最も、鞘に入れたままとは言えこの中央広場で軽々しく武器を振るった為、警備兵の皆様に拘束されるのも無理もありませんが。

GM/シーゲル:「ふん……アイヤールの犬が、このような手段にしか訴えられぬか」 と、憎々しげにシーゲル議員は言いながら、クラウスの解放を再度警備員に要請するね。警備員達は議員とクラウスに頭を下げて、靴を投げた男を引っ立てて行くよ。

クラウス:ふーむ、難しいなぁ。政治的な事に首を突っ込みたくは無いんだよなぁ。『では私は用事がありますのでこれにて』とか言って帰っちゃ駄目?

GM:むー……そうだね。初対面だし、一介の冒険者相手に何か関わるような事も無いか。ではシーゲルはもう一度クラウスに礼を言ってから、今の事件を足がかりにして、更に反アイヤールの舌鋒を鋭くして演説を再開するね。

クラウス:……微妙だなぁ、このおっさん。油断ならないのだけは確かだけど。ガンダム系伝統の仮面の人のような気配がするぞ。(一同笑)

GM:……多分だいたい正解(笑)。
 

※NPC好感度変動まとめ
 レアン・シーゲル:0→4
 
◆コラーロサイド中央/初日 15:00〜16:00◆

 

GM:では、コラーロサイド中央の宿屋街だね。そこの一角にある宿屋の一室が、この件に対する対策の臨時本部になってるらしいよ。

クラウス:……何でこんな場所に?(笑)

GM:後でリフェールが説明してくれるけど、今回の作戦は下水道の蛮族を『包囲して』追い詰めるって話だからね。あちこちで同時に部隊を下水道に送り込む必要がある関係上、街の中央近くに拠点があった方が良い。同時に、蛮族側に気付かれたくないから、人の出入りがあってもおかしくない宿の一室を貸し切りにして貰った。……こんな流れかな。

クラウス:成程ね。それじゃ、こちらも目立たないように宿に入るか。

GM/リフェール:ん。それじゃ、宿に入ってリフェールとの面会を希望したら、それとなく立場や目的を聞かれて待つように言われるね。で、程無くしてリフェールが宿の中から出て来るよ。 「悪いな、待たせた。アリッサ女史から依頼が行ったと思うが、もう終わったのか?」

クラウス:一応な。全面的な受け入れは拒否されたが、ある程度の落とし所は提示された。これで問題はあるか? と、書類を渡すぞ。

GM/リフェール:うん、ではリフェールは渡された書類を見て頷きを返すよ。 「想定内だ、十分な結果だろう。向こうとしても蛮族は敵だし、この貸しを元に金をせびる気だな。落とし所としては妥当だろう。多少値切り交渉程度はするかも知れんが、ここから先はこちらの仕事だ」 と、リフェールは言って、クラウスに視線を寄越すよ。 「ついでだ、クラウス。もう一仕事する気は無いか?」

クラウス:……良いのか? 立場的に。

GM/リフェール:「手が足りんのでな。国軍は元々、街の規模に比して小さな組織だ。その分のトラブルバスターを冒険者や神殿に任せているのがお国柄なのは、お前も分かっているだろう?」 と、リフェールは自嘲するように頬を歪めるね。 「まぁ、そんなわけだ。とにかく、働く気はあるか? あるならば戦力としてアテにさせて貰いたい。信用が出来て腕が立つ相手は貴重なのでな」

クラウス:……GM、俺って腕が立つっけ?

GM:腕利きの傭兵(5Lvモンスターデータ)相手ならソロで倒せるしょ? なら腕利きって事で良いんじゃない?

クラウス:そういう認識手段か……まぁ、そう言う事なら了解した。アンタとは知らない仲でもないしな。仕事があるってんなら請けよう。内容は?

GM/リフェール:「来たる作戦への参加だな。他にも冒険者を募るが、余り大々的にやるわけにもいかんから、数の確保に手こずっている所だ。戦力的には然程必要でもないが、それ以上に数が要る。要は追い込み漁なわけだからな」

クラウス:……ついでに他の膿も出しちまおうって考えてないか、リフェール?

GM/リフェール:「――――ほう?」 リフェールはその言葉に、にやりと頬を歪めるね。

クラウス:確かに街の下水なんぞに蛮族が居るのは危険なのは分かる。だが、これだけの動員に加えて、『夜を統べる者達』への借り。正直言って、コスト対効果で言えば完全に割に合ってない。となれば当然、「お前なら」もう一手先を考えて然るべきだ。……そうだな、下水道を根城にしているのは蛮族だけではない。むしろ蛮族よりも、テメリオ信者の麻薬密売人などが厄介なんじゃないか?

GM/リフェール:「――――正直、お前が国軍に欲しいな、クラウス」 その言葉にリフェールは『降参』とでも言うように両手を上げるね。 「まさに。……テメリオの密売組織に関してはこちらも手を焼いていてな。今回下水道に手を入れるならば、ついでにそちらも可能な限り削るのは当然だ。夜を統べる者としても、勢力圏であるアルトゥール北以外の……奴らにとって、いわゆる『モグリ』にあたる連中は目の上の瘤だろうしな」

クラウス:大筋で理解した。……ちなみに作戦参加というけど、時間はいつだ?

GM:そだね。次の日の18:00になるって話だけど、それまでに2箇所に指令書の配達を頼まれるよ。現地で下水道を監視している相手に、今回の交渉の結果を含めた作戦の完全決定に関する書類を届けるわけだね。場所は『コラーロサイド外縁、午後の陽射し通り、ヴェーラ島、ゴールドコースト中央、造船所通り』の中から二箇所。

クラウス:ふーむ? ……これ、選択しなかった場所はどうなるんだ?

GM:そっちは別の人が配達に行くね。

クラウス:ふーむ……まぁ、冒険者の宿があるゴールドコースト中央に戻って泊まるから、ここが一箇所。後は……そこに効率よく移動する為に、午後の陽射し通り、かな?

GM:(ふむふむ。そうなると出て来るのは―――っと)
 

 ちなみにお気付きの方も居るでしょうが。
 今並べた五箇所の区画で、各々対応するヒロインが出現する完全ギャルゲー仕様イベントです。
 GMの完全な悪ノリですね!
 午後の陽射し通りではメルセラ、ゴールドコースト中央ではアリッサとなります。
 造船所通りではケーテ、コラーロサイド外縁ではビルジニー。多少分かり難いですが、ヴェーラ島ではアエラです。
 
 てなわけでクラウス、リフェールから書類を受け取ります。
 作戦開始の18:00よりも前。最終打ち合わせのある12:00までにはコラーロサイド中央に戻る事を要請されつつ、まずは近場の午後の陽射し通りに移動します。
 
※NPC好感度変動まとめ
 リフェール・バーク:7→10
 
◆午後の陽射し通り/初日 16:00〜17:00◆
 
 さて、指令書を届けに行った先で発生するイベントは各々の場所で固定です。
 2/5しか使わないのに何故そんなに気合いを入れたとか言うな。
 一箇所目である午後の日差し通り。
 クラウスはまずリフェールから指示された書類を指定の相手に届けた所で―――

 

GM:まぁ下水道の監視をしているモブ兵士に書類を届け終わった所で、紫露草女学院の方で騒ぎが起こるね。クラウス、通りかかったって事で気付いて良いよ。

クラウス:何だ何だ?

GM:どうやら学生同士の揉め事のようですね。どうやら惚れた腫れたの話からの痴情のもつれのも用です。学外のとある男性を巡ってのトラブル。そりゃもう女の園も色々あるのよ。

クラウス:ええい、生々しい。関わり合いになりたくないが……。

GM:しかし片方が後ろに雇ったゴロツキらしき連中を連れているものだから、さぁ大変。 「あの人は私が先に好きになったのよ! 貴方が諦めなさい!」 と、ゴロツキを従えて武力で押し切ろうとしている片方。そしてもう片方は怯えながらも、相手の脅しに頷こうとはしないね。そして周囲の野次馬の中から見かねたメルセラが飛び出してきます。

クラウス:うわぁややこしい事をもっとややこしくしそうな奴が!?(笑)

GM/メルセラ:「お止めなさい! こういう話は対等の立場でするのが筋でしょう。仲間を引き連れて脅すなど、淑女の風上にも置けませんわ!」

クラウス:うん、まぁ正論だ。けど正論が通じる相手か?

GM:答えはNO。激昂した女性とはゴロツキに命じてメルセラと相手の女生徒を痛めつけようとします。この後どうなるかとか、そういう真っ当な判断力は残ってないっぽいね。

クラウス:ええい、仕方ない。見て見ぬふりは出来んか。割り込み間に合うか?

GM:間に合うよ。クラウスが割って入ろうとすると、周囲の女生徒達から『あ、何度か見た事がある冒険者の人!』みたいな反応をされて道を開けて貰えるし。(一同笑)

クラウス:顔パスかよ!(笑) ええい、いや、好都合だ。剣を抜いて両者の間に割り込もう。 ―――んじゃ、戦力を他所から連れて来るのがありってんなら、俺が横から割り込んでも問題無いよな。

GM/メルセラ:「クラウス!? どうしてここに……」

クラウス:詳しくは言えないがお仕事。しかし俺としちゃ、どうしてお前が毎度毎度騒ぎのど真ん中に居るのかを聞きたいね。

GM/激昂した女生徒:「なによ! 部外者があとから顔を突っ込んで来て……これは私の問題なのよ!」

クラウス:じゃあ後ろのゴロツキを引っ込めな。そしたら俺も帰ってやるよ。

GM/激昂した女生徒:「うるさい! 冒険者風情が私に命令するんじゃないわよ! 良いわ、やってしまいなさい!!」 と、女生徒の命令でゴロツキが襲い掛かって来ます。と、いうわけで敵は『山賊の首領』相当のゴロツキが2体ね。

クラウス:なんだ、大した相手じゃないな。―――2時間前に出直してきな!
 

◇VSゴロツキ×2◇
 
 山賊の首領は《全力攻撃》により『当たれば』高い攻撃力を誇ります。
 2D6+11のダメージは、クラウスの防護点(9点)をしても容易に凌げるダメージではありません。
 ありませんが―――

 

クラウス:出目5以上で回避か。(ダイスを振る)……避けて、(ダイスを振る)避けた。

GM:当たらねぇー!!
 

 クラウス、回避力がLv4にして8というかなりの高回避キャラ。
 ひらひらと回避しつつ、全力攻撃で回避が落ちたゴロツキに軽々と剣を叩き込んで行きます。
 2ラウンド目にはクリティカルが発生し、ダメージ22点。前のラウンドの分のダメージもあり、HP2まで追い込まれたゴロツキA、2ラウンド目にして降参。
 流石に雇われのゴロツキなんぞが、HP2の状態でも戦闘を継続する理由って無いと思うんですよね。
 
 そしてそのままじりじりと削られ、残ったゴロツキBも5ラウンド目にはぶっ倒れたのでした……。
 戦果はクラウスのHP8点削っただけ。硬いよコイツ。
 

クラウス:ハッ。 鼻で笑って剣を腰に収めよう。

GM:それでは言いがかりを付けていた方の女生徒は頼みの綱のゴロツキがあっさりやられた事にオロオロしているね。そして程無くして、教師が駆け付けて来て女生徒はお縄となったのでした。これからキッツいお灸が待っている事でしょう。退学かもね。

クラウス:そこは自己責任だろ。俺が知るか。

GM:ちなみに教師陣は割と顔見知りになってきたクラウスに、『またか』とでも言うような視線を向けて来ます。

クラウス:お仕事だよ、お仕事。 ゴールドコーストに届ける予定の封筒をひらひらさせて見せるぞ。 っていうか俺が通りかかる度に事件の来てる方に問題があるだろ、常識的に考えて。(一同笑)

GM/メルセラ:あー、それは、確かに……(笑)。で、メルセラはクラウスに向けてビシッと指を突き付けるよ。 「借りがまた増えましたが……これで勝ったと思わない事ですわね! これらの借りが一気に帳消しになるようなデカい貸しをいずれ差し上げますわ!!」

クラウス:あー、うん。期待してる。……んじゃな、メルセラ。あんまり無茶な事に首突っ込むなよ。

GM/メルセラ:「その余裕が大人ぶっていて腹立ちますわね……」(一同笑)

クラウス:お前よか5歳は大人だからな(笑)。それじゃ言った通り仕事中なんで、俺は行くぞ。

GM:OK、マップ移動だね。次は―――中央広場か。
 

※NPC好感度変動まとめ
 メルセラ・クレサンス:16→21
 
◆中央広場/初日 17:00〜18:00◆
 
 特にイベントも無くマップ移動。
 リオス副首相のケヴィン・レアド(NPC番号:4)と遭遇しますが、何も発生せずに終わります。
 ちらっと話した結果、彼はどうやら今回の国軍の動きに関わりはない模様。
 故に何の用事も無く、クラウスはさっさと移動します。
 
※NPC好感度変動まとめ
 ケヴィン・レアド:1→2
 
◆ゴールドコースト中央/初日 18:00〜8:00◆

 

クラウス:おっしゃ、第二チェックポイント到着。後は封筒を届けたら冒険者の店で休んで、翌日の昼十二時までにコラーロサイド中央に行けばOKだな。

GM:さて、そう上手く行くかな。―――ゴールドコースト中央に行くと、届けるように指示されていた場所……つまりは下水道の動きを監視している国軍兵士の居る場所で、イベントが発生します。ちなみに場所は人通りの無い裏路地にある誰も住んでいない家屋ね。

クラウス:……イベント?

GM:うん。どうやら下水に潜んでいる蛮族側に監視を察知されたようで、下水道から上がってきた蛮族と国軍兵士が戦闘状態になってる。

クラウス:って、おいそれは不味いだろ! 作戦が前提から崩壊しかねねぇぞ!

GM:どっこい、そうでもないんだなぁ。国軍全体の動きなんて蛮族側は分からないしょ?

クラウス:……蛮族側からすれば、これは『たまたま武装した兵士が自分達を見張っているのを発見したから先手必勝で攻撃した』レベルなのか?

GM:恐らくそうだね。少なくとも国軍側の目的に気付いているなら、逆にここで騒ぎを起こす事は考えられないでしょ。

クラウス:確かに。こっちの動きが知られているなら、向こうがここで戦力を浪費する意味は無いしな……。何にせよ、既に事が動いているなら放置は無いか。俺も参戦するぞ。場所は裏路地だったな。状況と戦力は?

GM:敵はダイスで決定だね。(ダイスを振る)……アードラーが一体。ちなみに他にはボガードが2体居て、監視の役目を受け負っていた兵士二人と戦ってます。

クラウス:アードラー? ……って、なんだっけ。ハケッ、ハクンダの人?(一同笑)

GM:それ違う、アドラーさんや。エヌアインでズーパーになったアドラーさんや。(一同笑)
 

・ズーパーになったアドラー。つまりはアカツキ電光戦記から続編のエヌアイン電光世界という格闘ゲームへの移行にあたり、下位キャラから最上位キャラの一角におかしい進化を遂げたキャラクター、アドラー隊長の事。
・一体何を吐けと言うのか分からない投げの時のボイス「ハケッ、ハクンダ!」や、戦闘勝利時の本当に嬉しそうな高笑いまで、本当に色々とネタが尽きないお方。
・余談だが、アドラー隊長の神殺(特定状況下でのみ出せる超必殺技のようなもの)は何故かクラウスPLにやたら評価が高い。

 

クラウス:まぁあの人が出て来たら勝てる気がせんが……マジで何だっけ、アードラーって。

GM:んーと、バルバロステイルズで追加された鳥人間っぽい蛮族だね。全身が羽毛で覆われており、手と羽が一体化してる感じの。

クラウス:鳥が下水に生息してたのかよ。そりゃ苦労もしたろうに。……つか、魔物知識判定しなくて良いの?(一同笑)

GM:……あー、忘れてた(笑)。目標値は12/15ね。

クラウス:(ダイスを振る)……一応成功。辻褄は合ったか。―――さて、見つかるヘマを兵士達がしたのか。はたまたこいつらが上手だったのか……ともあれクラウス・ビーダーシュタット、参戦するぞ!!


◇VSアードラー◇
 
 さて、そんなわけで下水道に潜む蛮族の内一部との前哨戦。
 敵はバルバロステイルズ追加モンスターである蛮族、鳥人間のアードラー。
 軽量級ユニットであり、命中・回避は高いのですが―――
 

クラウス:5LvモンスターだがHPと装甲は3Lvか4Lv軽量級モンスターと五分か。何だこのシッショー。

GM:シッショー言うな、紙って言え。
 

・シッショー=ギルティギアシリーズのチップ・ザナフ。格闘ゲーム界において燦然とその名を残す『紙・オブ・紙』。紙と言えばチップ。チップと言えば紙。
・被ダメージが通常の1.3倍だが、非常に高い機動力を持つキャラクター。合い言葉は「死ななきゃ安い」と「止まったら死ぬ」。
・アードラーは1〜2Lv下のランクのHPと装甲を持っているので、あながち外れた言葉ではない。参考までに3Lvモンスターであるケンタウロスと全く同じHPと防護点。ボガードやサハギンウォリアーよりはHPは高いが防護点は下。ゴブリンシスター相手に至っては防護点・HP共に下という体たらく。
・一応インピジブルビーストよりはHP・防護点共に硬いが、隠密行動が売りの3Lvモンスターに耐久面で勝ってるからと言って何の自慢にもなるまい。

 

クラウス:まぁ何でも良い。回避と命中はあるが攻撃力が低い、こういう相手に対する対応は決まってる。―――ファナティシズム詠唱!

GM:ですよねー!!
 

 そして高い回避力と言えど、クラウスはファナティシズムで自分の命中を補正できます。
 結果、出目7以上で当てて来るようになったクラウス。アードラーの攻撃も当たり易くなりますが、当たった所で火力は2D+6。
 クラウスの装甲相手には役者が不足しております。
 結果―――持ち前の回避力で粘るも、

 

クラウス:うっし、2回目命中。ダメージは15点。

GM:(さばさばと)あ、死んだ死んだ。

クラウス:2発で死ぬか。何だこの紙。

GM:紙言うなシッショーと言え。(一同笑)

クラウス:どっちだ!!(笑) ……ともあれこれで敵は倒したか。兵士の方はどうなってる?

GM/兵士:そっちも辛うじて、負傷しながらボガードを倒した所だね。でもそこで兵士達が慌てたような声を上げる。 「駄目だ、一匹に逃げられてるんだ! 俺達が監視をしていた事がバレたら下手すれば……!」

クラウス:う。監視をしていたってバレただけなら作戦の全貌までは分からんだろうが……下手すると蟻の一穴になり得るか。分かった、とりあえずこの封筒を渡しておく。これを見れば分かってくれるだろうが、俺は作戦の協力者だ。俺が急いで敵を追うから、お前らのどちらか片方はリフェールに報告に―――

GM/???:いや、そうクラウスが言いかけた所で、下水の方から声がかかります。 「やれやれ、手間がかかりますね。私とクラウスさんが居なければどうなっていた事か」

クラウス:……お?

GM/アリッサ:見やるとアリッサが、手で血の付いたダートをジャグリングしているね。 「逃げた敵はもう居ませんよ。今頃は神の身許って奴です。おぉこわいこわい」 少々傷を負ってるけど、アリッサはいつもの飄々とした様子で肩を竦めます。

クラウス:アリッサか。……お前、どうして?

GM/アリッサ:「そりゃもう取材の為ですよ。なにせここまで関わりましたからね。この件が終わると同時に集めた情報を元に号外の発表です。その為にも手近な下水を監視できる場所に張り込んでいたのですが―――」

クラウス:なるほど。その過程で蛮族が下水から出て来て監視兵を襲撃した、と。

GM/アリッサ:「御明察です。いやはや、それなりに統制は取れているようですね。一匹が報告の為に戻る所でしたよ。まぁ華麗に仕留めましたが、記者は傍観者たるべきなのに手を出してしまったのは失態でしょうか」

クラウス:華麗にねぇ。怪我は平気か?

GM/アリッサ:「この程度、少し休めば問題ありませんよ」 ……というか、この子自前の回復手段無いし。

クラウス:……レイジングアースを使うか。兵士達含め、この場の全員を纏めて回復させるから集まれ。それと兵士A、ちょっとリフェールの所まで使いぱしり頼む。一応今ここで起こった事を報告してくれ。その間、俺が代理で兵士Bとここで見張りをする。

GM/アリッサ:兵士Aと兵士Bは短く話し合ってからそれを了承するね。兵士Aが駆けて行くのを見送ってから、アリッサは首を傾げる。 「おや、私は?」

クラウス:傍観者でありたいんだろう? だったらそこまで巻き込む気は無ぇよ。ただでさえ助けられてるしな。……あ、そだ。いつぞやのチンピラからもぎ取った慰謝料も今渡しておく。

GM/アリッサ:「貴方って変な所で遠慮しますよね。……っていうか慰謝料って、前に絡まれたチンピラのですか?」

クラウス:あの後で色々あってな。最終的にその兄貴分から500ガメルほどふんだくった。ほれ、お前の取り分。

GM/アリッサ:「……後になって事実関係を見直したら、私ら美人局みたいですね」(一同笑)

クラウス:女が絡まれ、男が出て来て絡んだ相手を叩きのめし、慰謝料ゲット。確かにまさに美人局だな(笑)。

GM/アリッサ:「でもまぁ、活動費用にもなりますし……ありがたく受け取りますけど」 アリッサは懐に500ガメルを仕舞いこんでから、クラウスに向けて苦笑を向けるよ。 「貴方はこうやって他人に世話を焼く癖に、他人に世話を焼かれるのを嫌がりますね」

クラウス:別にそう言うわけでもないんだけどなぁ。

GM/アリッサ:「知らぬは本人ばかりなり、でなければ良いですけどね。まぁ今回は確かに大丈夫そうなんで私は帰りますが、貴方にならば頼まれれば手を貸すのも吝かではありません。それは覚えておいて下さいね。このイヤリングは私の趣味に合いますし、そのお礼程度は働くつもりですよ」

クラウス:そういう意図で贈ったもんじゃねーよ。気にすんな。

GM/アリッサ:「……面倒な人ですね、貴方は」 苦笑してアリッサはクラウスに背を向けるね。どうやら立ち去るつもりらしい。 「まぁ、それも良いでしょう。そこまで含めて、貴方の味です。それでは私はこの辺りで。この件が終わったら、もしかしたら取材させて頂く事になるかもしれませんね」

クラウス:俺が功労賞を得られるくらい働いたらな。じゃあな、アリッサ。感謝してるぜ。

GM:と、いうわけでアリッサは退場だね。……兵士Aの代わりに見張りするんだっけ?

クラウス:ああ。余分に時間経過しても別に構わん。どうせ今日は後は寝るだけだしな。

GM:はいはい。それじゃ終わったらそのまま宿にって事ね。兵士Aは暫くすると報告を終えて戻って来るよ。作戦に変更は無いみたいだね。

クラウス:了解。リフェールの判断だ、間違いないだろ。それじゃ俺は宿で翌朝の8時くらいまで寝る。

GM:OK。じゃあ時間経過させまーす。
 

※NPC好感度変動まとめ
 アリッサ・マイウォールド:18→22

◆中央広場/二日目 8:00〜9:00◆
 
 そして翌朝。
 冒険者の店で一泊したクラウス、中央広場を抜けてリフェールが居るコラーロサイド中央を目指します。
 中央広場では時間が9時以降であればイベントが発生する出目だったのですが、この場合8時と判定されますので結果として何も無し。
 俗物議員ゲイヴィン・エゴールと遭遇しますが、それだけで終わり通過します。
 
※NPC好感度変動まとめ
 ゲイヴィン・エゴール:2→3
 
◆コラーロサイド中央/二日目 9:00〜10:00◆
 
 さて、戻って来ましたコラーロサイド中央。
 リフェールの待機している宿へ向かったクラウス、彼と面会して状況を聞きます。

 

クラウス:んで、実際どーよ?

GM/リフェール:「ゴールドコースト中央で出てきた蛮族と戦闘があったが、それが原因での蛮族側の動きと言うのは無いな。恐らく偶発的戦闘だと判断されたのだろう。故に、作戦の基本に変更は無い。お前は作戦決行のタイミングで西トノール外縁部か東トノール外縁部から下水道に突入してくれ」 あ、ちなみに覚えているだろうけど、結構のタイミングは本日18:00ね。

クラウス:どっちか今選ぶのか? どんな違いがあるんだそれは。

GM:あー、メタに言うとボスが変わる。蛮族組織を相手にするか、人族の密売組織を相手にするか。どっちがどっちかは言わんし、判断材料も無いけどね。

クラウス:……可能な限り蛮族相手を希望する。正直テメリオなり《街道の赤い焔》なりに下手に関わって目を付けられたくもないしな……。

GM:まぁそこは運次第という事で。どっちに行くかは今決めてね。

クラウス:……判断材料が無いしな。東で良いや。これまであんまり東トノールに行く機会も無かったし。

GM:あいさ。それじゃ18:00には東トノール外縁部に居てね。居ないとミッション失敗と見なすから。

クラウス:あいよー。それじゃリフェール、俺は行くぜ。何か注意事項はあるか?

GM/リフェール:「遅刻厳禁。それ以外にはお前にわざわざ言うほどの事はあるまい。ではな、クラウス。期待している」 ―――というわけで、移動だね。
 

※NPC好感度変動まとめ
 リフェール・バーク:10→11
 
◆ライズハイ中央/二日目 10:00〜11:00◆
 
 リフェールから役目を聞いたクラウスはそのまま移動開始。
 ライズハイ街区へ移動します。
 大商館が建ち並ぶ街区で、遭遇したのは脱税調査に執念を燃やす財務官、コルニカ・サンガイル。
 ストリートを歩いていた彼女とばったり出会う事になり―――

 

GM/コルニカ:「あれ、あの時の冒険者じゃない。元気みたいね」

クラウス:おう、財務官さんか。おかげさんで。あの時(プレイレポ5話。アリッサとコルニカにクラウスが協力した回)はお互い大変だったなぁ。

GM/コルニカ:「まぁあの時の事には感謝してるわ。あの後もアリッサとはちょくちょくつるんで色々やってるみたいね」

クラウス:なんでか色々とな。……んで、そっちはまた脱税調査か?

GM/コルニカ:「いえ、今日は他の財務官から代わりを頼まれて別件よ。ここの通りのとある商家に、悪徳商人が変な植物の種を『貴重な薬草の種』って偽って売ったって証言が取れたんで、その商家に警告に―――」 と、コルニカが言いかけた所で、通りの向こうでガシャーンと派手な音がするね。そこには……(ダイスを振る)……まるで木の幹のような形をした縦長の大きな花を持つ植物が、蔓を振り回して暴れてるね。クラウス見た事あったっけ、オーバーイーター。

クラウス:無かった筈だけど、魔物知識判定には成功した。動物とか捕食する危ない草だろ。 ……なぁ財務官、その植物って、あんな感じの?

GM/コルニカ:「……一足遅かったわね。あれ、どうしよ……」 と、惨状を見たコルニカは頭を抱えるね。ちなみにオーバーイーターは遠くから石投げてれば倒せるって類の敵じゃないよ。

クラウス:ああ、射程10mの蔓があるんだっけ。……GM、捕まってる人とか動物とか居るか?

GM:ん、居ないけど。ちなみにこれは何回目か忘れたけど、以前にも発生したイベント、「この木何の木ー!?」だよ。

クラウス:把握。……さて、ここは商家の多く並ぶ区画だよな。

GM:だねぇ。

クラウス:10mより長い射程の弓でも借りうけて、或いは買って、死ぬまで打ち続けてればそのうち終わるからそうしよう。(一同笑)

GM:……あー、そか。石よりこちらの攻撃の射程が長くても、それより更に射程が長い弓矢を持ち出されればどうしようもないか(笑)。一般人でも捕まってるって言えば良かったかなぁ。そうすれば否応なしに巻き込めるし。

クラウス:でもこいつ捕まえた相手を食べて毎ラウンド5点のダメージを与えるから、パンピー巻き込まれてたら普通に俺がコイツ倒す前に死ぬよな。倒し終わって捕食用の花を解体したら、中から溶けかけのパンピーとか嫌だぞ俺。(一同笑)

GM:ひぃ、スプラッタ。しかもこんな昼間から。(一同笑)

クラウス:んで、どーよ? とりあえず近付かないように声をかけてから、弓矢を確保したいんだけど。

GM:そだねー、商館の並ぶ区画だし、弓矢の一個も無いってのは不自然か。その辺の商館の人が弓矢を貸してくれるよ。

クラウス:いや、借りても俺シューター無いから技能無し値なんですけどね!(一同笑)

GM:……むしろ人と弓を集めて、皆で遠くからぴゅんぴゅん矢を放ち続ける事になるのかな(笑)。

クラウス:状況が許すならそれが一番だな(笑)。周囲の人達にコルニカが言っていた悪徳商人の件と、オーバーイーターの特性を説明。その上で作戦を提示しよう。

GM:はいはい。まぁそれをやられればそのうち死ぬね。移動力0の悲しさよ。
 

 と、いうわけでイベントで出てきた植物系4Lvモンスター『オーバーイーター』。
 HPは高く厄介な特殊能力も持っている敵ですが―――移動力は0なので、周囲の人々と協力して技能無し値でぴゅんぴゅん矢を撃たれお亡くなりになるオーバーイーターでした。
 コルニカは状況を収拾したクラウスに礼を言い、財務官の立場から事後処理に立ち会い、当のクラウスは戦闘終了後にさっさと次の場所へ移動するのでした。
 
※NPC好感度変動まとめ
 コルニカ・サンガイル:2→3
 
◆東トノール中央/二日目 11:00〜12:00◆
 
 お昼時。クラウスが来たのは歴史ある商館や店舗が並ぶ落ち着いた街並みである、東トノールストリートです。
 さて昼飯でも食うかと言っているクラウスですが、ここでランダムイベント発生。

 

GM:おや、共通ランダムイベント『迷惑なお上りさん』が発生。ストリートの真ん中で、いかにも『田舎から出て来ました!』と言わんばかりの格好をした男性に道を尋ねられて、困惑している騎士装束の男性が見えるね。クラウスは確か会った事があった筈。私兵騎士団団長、ジャルヴィス・ソンダートさんです。口髭のある落ち着いた男性だね。

クラウス:ああ、ソンダートの騎士団長か。

GM/ジャルヴィス:うん。で、ジャルヴィスはクラウスを見かけると『渡りに船だ』とでも言うような表情を向けて声をかけてくる。 「クラウスだったか。すまない、この男性に道を聞かれているのだが、どうにも要領を得ないのだ。智恵を貸してくれないか」

クラウス:ああ、前もあったなこのイベント。……どれどれ? 判定だっけ。

GM:うん。セージかバード+知力ボーナスで目標値11で判定してみて。成功したら、要領を得ない説明の中から目的地を拾い出す事に成功するね。

クラウス:(ダイスを振る)―――成功! で、この後はこの男性を送って行くように頼まれるんだっけ(笑)。

GM/ジャルヴィス:うん、その通り。正確には男性がジャルヴィスにそこまで送ってくれるように頼むんだけど、ジャルヴィスはそれに難色を示すね。 「申し訳ないが私は騎士団の仕事があるのでな……クラウス、すまないが私の代わりに頼まれてくれないか?」

クラウス:目的地次第だな。近くの街区なら良いんだが……。

GM:(ダイスを振る)……目的地は隣の区画であるライズハイの中央だって。それと、ランダムNPCミッションが発生。ジャルヴィスはコラーロサイド外縁部に居るアニニス・ポルクレに言伝を依頼――――……待って。何で街中で遊び回ってる子供タビットへの言伝なんぞを冒険者に依頼するの、騎士団長。(一同笑)

クラウス:きっとアレだ。ポルクレ兄妹の両親は学者か何かで、ソンダート私兵騎士団の協力者か何かなんだよ(笑)。その繋がりでジャルヴィスはポルクレ兄妹と顔見知りだとか。

GM/ジャルヴィス:それ採用。 「今度また騎士団詰め所に遊びに来るように伝えておいてくれ。特にペイトンは女好きだが、同時に子供好きでもある。あれでなかなか彼らが遊びに来るのを楽しみにしているのでね」

クラウス:ほー。ペイトンの旦那がねぇ。まぁ了解した、ライズハイ中央とコラーロサイド外縁なら、両方回っても時間内に東トノール外縁部に行けるしな。

GM/ジャルヴィス:「すまない、助かる。礼の品は後で冒険者の宿に届けさせよう」 具体的にはセッション終了後にね。

クラウス:了〜解。それじゃ行って来るぜー。……あ、その前に何か軽く、歩きながら食えるようなメシでも買って食いながら行こう。昼時だし。(一同笑)

GM:まぁその辺はご自由に(笑)。
 

※NPC好感度変動まとめ
 ジャルヴィス・ソンダート:1→4
 
◆ライズハイ中央/二日目 12:00〜13:00◆
 
 そんなわけでさっきまで居たライズハイ中央に戻ってきたクラウス。
 さっさと男性を目的地まで送り届けます。
 
 特にイベントは発生せず。
 秋田みやび先生の公式リプレイ登場NPCであるアイシャ(デーニッツ家に仕えるルーンフォーク)と遭遇しますが―――

 

GM:この人、あんまり見知らぬ相手と関わるタイプの人には思えないんだよねー。

クラウス:じゃあアレだろ。送り届けたオッサンの目的地がデーニッツ家の商館だったんだろ。

GM:何しに来たんだオッサン……。

クラウス:かつてデーニッツ家の中興を支えた人物の息子であり、父の遺品の中からデーニッツ家に宛てた手紙が出て来たので持って来たとか。(一同笑)

GM/アイシャ:わぁ、なんかシナリオのネタになりそうなレベルで面白そうな話になって来た!(笑) 「この手紙は―――……分かりました。少々お待ち願えますか」 と、たまたま商館に居て対応に出たアイシャは手紙を見て顔色を変える。この後ちょっと壮大なイベントがあったか何かは……全くクラウスに関係無いので割愛。(一同笑)

クラウス:じゃあ用事が終わったんで帰ります(笑)。

GM:どうぞ(笑)。
 

※NPC好感度変動まとめ
 アイシャ:0→1
 
◆ライズハイ外縁/二日目 13:00〜14:00◆
 
 ジャルヴィスからの言付けをアニニスに伝える為、コラーロサイド外縁部に向かうクラウス。
 ルートは二種類ありますが、ライズハイ外縁部を通るルートを選択します。
 理由は街の中央部を通るより、こっちの方が面白そうだったから。
 
 結果、遭遇したのは凄腕(グラップラー10Lv)の格闘家にして傭兵であるアルマ・トランロック。
 以前うっかりダンジョン内で檻に入っていたうっかりさんです。

 

クラウス:あ、うっかり格闘家。

GM/アルマ:「あら、失礼な。私はちょっと間が抜けているだけよ!」(一同爆笑)

クラウス:それを世間一般じゃうっかりと言うんだ!(笑)
 

 そして軽い会話の後、NPCミッションが発生―――するのですが、ヴェーラ島とライトニング通りを回る事になる調査依頼だったため、クラウスはそれを断ります。
 だって回ってたらメインシナリオである東トノール中央のイベントに間に合わないんだもん。
 結果、ライズハイ外縁は素通り。クラウス、アルマと別れてコラーロサイド外縁部に向かいます。

※NPC好感度変動まとめ
 アルマ・トランロック:1→2
 
◆コラーロサイド外縁/二日目 14:00〜15:00◆
 
 ビルジニーが居る聖銅天使学院があるコラーロサイド外縁部、しかし登場NPCはNPCミッションの関係でアニニス固定となります。
 その辺をうろついていたアニニスに伝言を伝えるクラウス。
 アニニスは今度にでも妹であるレメメルと一緒にソンダート家に遊びに行くとのことです。
 
 ランダムイベント・NPCミッション共に発生しなかったため、クラウスはさっさと東トノールに戻る為に移動を開始します。
 
※NPC好感度変動まとめ
 アニニス・ポルクレ:4→5

◆ライズハイ外縁/二日目 15:00〜16:00◆
 
 そしてその過程で戻って来たライズハイの外縁。
 今度はランダムイベントが発生しますが―――

 

GM:ライズハイ外縁の名物であるバークリング門の前に人だかりが出来ていて、その中にはステファノも居るね。覚えてる? 第一回のシナリオでクラウスに物凄い額のアイテムをくれたエロ親父。(一同笑)

クラウス:あー、綺麗な姉ちゃんの居る店の予約をしたら8200ガメルのアイテムをくれたオッサンか(笑)。おーい、おっさん。

GM/ステファノ:「ん? おぉ、いつぞやの」 と、ステファノもクラウスに気付いて軽く手を上げるね。ただし視線はすぐに門の上に戻る。どうやら門の上に何かが居るみたいだね。

クラウス:何だ何だ?

GM:まぁ、魔物決定表を振って飛行モンスターが出たら襲い掛かってくるイベントなんだけど……(クラウス、魔物決定ダイスを振る)……出ない? うん、全部非飛行モンスターみたいだね。それじゃあステファノ含め、野次馬が見上げていたのは珍しい鳥でした。ばさばさと音を立てて飛び去っていくね。特に事件になったわけでもないので、NPCの好感度上昇も1点に留まります。

クラウス:……珍しい鳥だったなー(笑)。

GM/ステファノ:「そうだなー」(笑)
 

※NPC好感度変動まとめ
 ステファノ・ランコントル:3→4
 
◆東トノール外縁/二日目 16:00〜17:00◆
 
 そして最終目的地に(やや時間を余して)到着したクラウス。
 大きな建物は無く、あばら家なども目立つ寂れた街区です。
 そこで遭遇したNPCはNPC番号83番、フィオナ。

 

GM:んじゃ、クラウスがどうやって時間を潰そうか考えながらストリートを歩いていると、不意に女性に声をかけられるよ。スーツ姿の似合う才女風の雰囲気を纏った女性だね。年齢18歳だから少女って表現でも良いかもしれないけど。NPC番号83番、フィオナです。《夜を統べる者たち》の裏カジノ《夢の天球》の支配人である才女にして、ヨーク・バイルガンドがぞっこんでもある相手だね。ちなみに膝太郎の居る孤児院《ひまわり園》の出身者でもあります。

クラウス:あぁ、ヨークの旦那がよく言ってた……。

GM/フィオナ:まぁこっちはクラウスがヨークの知り合いだとは分からないけどね。 「ちょっとそこの冒険者さん。少し良いかな?」

クラウス:はい? 何だい、見知らぬ姉さん。美人局か?(一同笑)

GM/フィオナ:「違うよ。ちょっとそこの路地裏、見て貰える?」

クラウス:路地裏に引き込もうとは、やはり美人局か。(一同笑)

GM/フィオナ:「だから違うっつーに。……そこの路地裏、死体があるんだよ。放置も出来ないし、適切な場所に報告したいから手伝ってくれない―――」 と、最後まで彼女が言う前にその路地裏からずるりと死体が這い出して来ます。 「―――かな? って、あれ?」 と、それを見たフィオナは困惑した声をあげるね。(一同笑)

クラウス:めっちゃ動いてるがな。元気な死体だなオイ。

GM/フィオナ:「いや、さっきまでは普通に死んでたんだけど……」 まぁ共通ランダムイベント、『路地裏の死体』です。出て来たのは―――(ダイスを振る)……ふむ、剣を持った死体だね。

クラウス:(ダイスを振る)魔物知識判定には成功。……デスソードか!

GM:正解。デスソードはクラウスとフィオナを認識し、襲い掛かって来ます。
 

◇VSデスソード◇

・デスソード。Lv4アンデッドであり、無念の中で死んだ戦士の亡霊が剣に乗り移った存在です。
・死体を操る剣が本体ですが、別に二部位モンスターではありません。相手に魔法ダメージを与える呪いの剣による攻撃もありますが、判定方法が命中に依る物である為、回避の高い相手は苦手です。
・無消費でこのレベル帯にしては高めの魔法ダメージ攻撃をしてくるため、回避が低く防御が高いキャラクターにとっては厄介な手合いですが、回避の高いクラウスからすればカモです。
 
 ……まぁお察しの通り、特殊能力による魔法ダメージ攻撃を狙うデスソードでしたが、出目4で避けるクラウス相手に完封されて5ラウンド目にお亡くなりになったのでした。
 ちなみにこのイベントではアンデッドは守りの剣の影響で様々な異常をランダムで受けるのですが、GM・クラウス共にその存在を忘れていた為、それが発生していなかった事をここでお詫びします。

 

クラウス:勝利。こいつは剣が本体だから、剣を叩き折った感じになるのかな。

GM/フィオナ:お見事。剣を叩き折られ、死体ももう動かなくなるね。下がって戦いを見ていたフィオナは軽く拍手をします。 「やるね……すまない、助かったよ」

クラウス:問題ねーよ。あんたのせいじゃないだろうしな。

GM/フィオナ:「そう言ってくれると助かるよ。……私はフィオナ。カジノ《夢の天球》で支配人をしている。機会があれば寄ってくれれば、入場料の一回くらいはサービスしよう」

クラウス:ん? 夢の天球のフィオナ―――って、《夜を統べる者たち》の!? ヨークの旦那がお熱の相手かあんた!!(一同笑)

GM/フィオナ:「へっ!? ……君はヨークさんの知り合いだったのかい?」

クラウス:あー、うん。一応な。奇縁って奴かねぇ。
 

 ともあれその後、軽く会話を交わしてからクラウスはフィオナと別れます。
 どうやらフィオナはここにある《ひまわり園》に用事があった模様。
 クラウスはそのまま時間潰しに歩き回ります。
 
※NPC好感度変動まとめ
 フィオナ:0→3
 
◆東トノール外縁/二日目 17:00〜18:00◆
 
 その場に留まって何か無いか探したため、ランダムイベントの強制発生が起こります。
 移動せずにイベントを探す事で確実にランダムイベントを起こす事が出来るシステムですね。
 結果として発生したイベントは、以前膝太郎と遭遇した時にも発生した『恐喝を目撃』。
 ガラが悪い一団に絡まれるNPCという場面に遭遇するのですが―――

 

GM:おめでとうございます。ぶつかった拍子に関節が外れたジャン・ファルシネリ・膝太郎の登場です。(一同爆笑)

クラウス:またお前かァァァァァァ!!(爆笑)

GM/ゴロツキ:いやまぁ、ここ登場NPCの数が多くなくて1/12だから有り得ない話じゃないんだけどね。 「ひ、ヒィ!? 何でぶつかったのが右肩なのに左肘の関節が外れてるんだ!?」 と、ゴロツキの皆さんも大層困惑中です。(一同爆笑)

クラウス:実際どうなんだそれ膝太郎!?(爆笑)

GM/膝太郎:「ふっ、気にしないでくれ。ちょっとさっき重い荷物を持った時にやってしまっただけだ」(一同笑)

クラウス:お前良いから病院行って来い!(笑) ここは俺がどうにかするから行って来て下さい!!(一同笑)

GM:ちなみにゲームルール的にはゴロツキと戦うか慰謝料400ガメルを支払う事になるんだけど、多少アレンジしても良いか。膝太郎は実は運営資金の関係もあるから今日はこれから遺跡に行くんだと胸を張ります。彼を止めたければ当座の《ひまわり園》の運営資金への援助として400ガメルを払うか、力ずくで止めてね!(一同爆笑)

クラウス:なんで金を払う対象と戦う対象が膝太郎になってんだよ!!(爆笑)

GM:戦闘か金を払うって根幹さえ弄らなければ、イベントの表面上の部分は弄っても良いと思ったから。

クラウス:ええい、このGMは……(笑)。分かった、それじゃあ膝太郎に400ガメルを払ってこの場を収めよう。 これで孤児院の皆と美味しい物でも食べて良いから、今日は帰って病院行って寝なさい! クラウスからのお願い!!(一同爆笑)

GM/膝太郎:「…分かった、そうしよう。すまないクラウス。感謝するよ」 という膝太郎の言葉に、ゴロツキ達も安心した様子で『良かった良かった』と言い合いながら去って行きます。

クラウス:……下水道突入直前に、やけに精神的に疲れるイベントだったなオイ……(笑)。
 

※NPC好感度変動まとめ
 ジャン・ファルシネリ・膝太郎:8→13
 
◆最終イベント◆

 

GM:では、18:00に東トノール外縁部に居るから、最終イベント発生だね。クラウスが指定された場所へ行くと、そこには武装した兵士や雇われたらしき冒険者が何人も待機しています。時間になると兵士の指示の元、彼らと共に下水道に突入する事になるね。

クラウス:良し来た。ランタンに火を付けて突っ込むぜー。追い込み漁だからな、派手に行こう。

GM:そうだね。他の場所からも追い込みがかけられている事でしょう。クラウス含めて皆は下水道に突入し、小物の蛮族や動物・人族の犯罪者と交戦したりしつつ移動していきます。その辺は省略するけどね。 ―――しかし、その途中で慌てた様子で走って来る人族の一団が現れます。

クラウス:げっ。東トノールは人族のボスの方だったか!

GM:そう言う事。残念だったね。兵士の一人が彼らの顔を見て、『あの顔は知っている! 奴ら、《街道の赤い焔》の麻薬密売人だ!!』と叫びます。人族の敵も、知られたからには仕方ないとでも言うように強行突破を試みて来て―――クラウス達はその一団と交戦状態になるよ。クラウスの前にはその一団のボスと思しき奴が迫って来ます。

クラウス:チッ……どんな奴だ?

GM:データ的には『腕利きの傭兵』相当だね。相当腕が立つみたいだよ。加えて剣のかけらでHP・MPが補正されているね。

クラウス:ええい、それってかなり頑丈じゃねぇか。……つっても、ここで言っても仕方ないか。やるぞ!!

GM:おっしゃ来ーい!
 

◇VS腕利きの傭兵◇
 
 さて、今回のシナリオボスはLv5人族、『腕利きの傭兵』です。
 推定5Lvファイターである彼は高い物理戦闘能力を持ち、特にこのレベル帯にしては相当高いHPが最大の武器として立ち塞がります。
 特に今回は欠片補正があるのでHP77。クラウスがこれまで見た事が無いレベルの壁となっております。
 
 結果としてクラウスが選ぶ戦術は持久戦―――ではなく、まさかの速攻。
 かつてダンジョンで手に入れていた、サラマンダー召喚の宝石を解放します。

 

クラウス:これで1分間、7Lvモンスターであるサラマンダーが手を貸してくれる。

GM:げっ。ここで使うんだ?

クラウス:はっきり言って手に負えないからな。欠片補正が無ければ削り切れると思うが、補正の25点が大きすぎて、計算したら多分こっちが押し負けるという結果が出た。だったら惜しみなく使うさ。

GM:あー、成程……それではクラウスの横にサラマンダーが現れ、約定どおり一分間手を貸してくれます。あれこれ敵詰んでね?(一同笑)
 

 サラマンダーは7Lvモンスター。対する敵は5Lvモンスター。
 幾ら腕利きの傭兵が5Lvにしては強い部類と言えど、はっきり言って詰みゲーです。
 サラマンダーは登場したラウンドに『ファイアボルト』をぶっ放し、接敵後は『ヒートメタル』を連打。
 ほぼ毎ラウンド抵抗を抜き、魔力10の暴力でボスを痛めつけます。

 

クラウス:(ダイスを振る)えーと、剣が当たって14点。サラマンダーのヒートメタルは魔法ダメージで18点な。(一同笑)

GM:クラウスから食らうダメージの倍くらいサラマンダーから食らってるんだけど!!(一同笑)

クラウス:いやぁ、良い働きをしてくれるなぁイフリート!(笑)

GM:おのれぇぇぇぇぇえ!!(爆笑)
 

 一回だけしか使えない切り札を躊躇なく切ったクラウスを褒めておきましょうか。
 強敵の筈の『腕利きの傭兵』、5ラウンド目に暁に散りました。
 死因はヒートメタルのクリティカル。ダメージ28を残りHP3の状態で食らい、消し炭に……。

 

クラウス:……わぁ、こんがり。

GM:(ダイスを振る)……うんまぁ、当然の如く生死判定も失敗だね。麻薬密売人は炭と消えました。クラウスの横では体長2mほどの炎を纏ったトカゲが、『褒めて? 褒めて?』といわんばかりに尻尾をビターンビターンと振っています。(一同笑)

クラウス:うん、まぁ、良い仕事だったぞ(笑)。 GM、俺以外の状況はどうなってる?

GM:他もほぼ決着はついてるね。抜けられた敵が居るわけでもなく、全員を撃破か捕縛に成功しているよ。

クラウス:おっしゃ、良い調子だ。このまま行くぞ!!

GM:サラマンダーのおかげで消耗が殆ど無かったからって強気な……(笑)。まぁサラマンダーはお仕事が終わったので帰ります。バイバーイ。
 

 クラウス、ボス戦を裏技で楽勝で乗り切り、下水道の追い込み漁を継続します。
 ―――とはいえ、これといったイベントは既にもう設定しておりません。
 程無くして西トノール側から入ったリフェールの率いる部隊が、蛮族達のボスであるドレイクを討ち果たしたという報告がクラウス達の元に届いたのでした……。

◆エピローグ◆
 

GM:ではエピローグだね。翌日の昼、クラウスはゴールドコースト中央にあるいつもの冒険者の店―――で良いかな?

クラウス:問題無し。

GM:OK。じゃあそこで、リフェールとヨークからの報告と感謝を聞いています。伝令からのものだけどね。下水道に潜んだ蛮族と、《街道の赤い焔》の麻薬密売人は包囲殲滅したので、その件に関して両者から感謝を述べられます。麻薬密売人のボスを倒したのはクラウスだからね。

クラウス:まぁ余り触れ回って欲しくは無いけどな。余り連中に目を付けられたくは無いし。

GM/アリッサ:「欲がありませんね、クラウスさん。まだお若いんですから、もう少し野心的になっても良いのではありませんか?」 と、クラウスの対面で野菜サラダをもりもり食べながらアリッサが言います。(一同笑)

クラウス:居るのかよパパラッチ!(笑)

GM:いやまぁ、勢いでつい出しちゃった(笑)。ほら、会った時に『後で取材に行くかも』みたいな事も言ってたし。

クラウス:ええい、分かった。……多分これは俺の奢りか。(一同笑)

GM/アリッサ:「あらあら、良く分かっているじゃありませんか。いやはや他人のお金で食べる御飯は美味しいですね。まさにメシウマという奴です」(一同笑)

クラウス:この野郎……(笑)。まぁ良い、今回は取材か? 話せる事は話すが、名前を出すのは勘弁だぞ。

GM/アリッサ:「心得ておりますとも。それではお食事でもしながら話を聞きましょうか」

クラウス:今回はお前に助けられた部分もあったしな。メシくらいなら好きに頼んで良いぞ。

GM/アリッサ:「おや、良いのですか? では―――へーいウェイトレスのお姉さん! こっちにコーンスープとミートスパとカルパッチョとソーセージ盛り合わせ、あと一番高いワインを二人分とチーズのセットと……」(一同笑)

クラウス:てめ、こら自重しろ駄エルフがぁぁぁぁぁぁあ!!?(爆笑)
 

※NPC好感度変動まとめ
 ジャルヴィス・ソンダート:4→9(ミッション達成二つ分)
 ヨーク・バイルガンド:11→13
 リフェール・バーク:11→15
 アリッサ・マイウォールド:22→24
  
 獲得経験点:1360点
 獲得名誉点:21点(かけら5つ)
 NPCミッション達成報酬:かぼちゃのランタン(200G)、しおれたキノコ(60G)

 最後の食事代:300G(支出)
 

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