◆開始前に◆
 

クラウス:よっしゃ、筋力上がった。更に水晶の首飾りを売り払って、報酬は更に加速した!!

GM:お、なんか買うの?

クラウス:うん、まぁ報告と行こうか。クラウス、今回の成長は今言った通り筋力。ファイターを3に上げて、≪武器習熟/ソード≫を覚えて、スティールブレイドを購入した。バスタードソードは下取りだな。それと、敏捷度増強の腕輪も購入、っと。

GM:あぁ、1Hのそこそこ重い剣ね。パッシヴ系の戦闘特技で固めてきたか。てっきり≪魔力撃≫かと思ってたんだけど。

クラウス:補助動作で宣言が必要な特技は、≪マルチアクション≫を取るつもりだからな。ロイドみたく状況次第でマルチか魔力撃選択というのも悪くは無いけど、それだと向こうと被るし……今回はマルチ一択でいってみる事にするのだ。

GM:……今さ、Lv5でマルチ取るか頑強取るかで凄い悩んでるでしょ?(笑)

クラウス:……うん(笑)。
 

名前:クラウス・ビーダーシュタット
種族:人間 性別:男 年齢:23 生まれ:冒険者
身長:185cm 体重:66kg 髪の色:銀
経歴:家族に冒険者がいる 有名人の友人がいる 育ての親に拾われた
能力値ダイス:技8 体9 心10 A8 B7 C9 D8 E6 F8
最終能力値:器用度16+2 敏捷度16+2 筋力19 生命力17 知力17+1 精神力19
保有経験点:700
合計名誉点:42
保有名誉点:42
HP:26 MP:25
冒険者技能:ファイター3 コンジャラー2 スカウト2 セージ1
一般技能:マーチャント5 ハンター5
戦闘特技:防具習熟/非金属鎧 武器習熟/ソード
武器:発動体スティールブレイド
防具:ボーンベスト カイトシールド
アクセサリ:器用度増強の腕輪 知力増強の指輪 敏捷度増強の腕輪 渦巻き鉱のお守り
所持品:冒険者セット スカウト用ツール 付けヒゲ 水袋×2 保存食5日分
戦利品:白い布(10G)
所持金:582
 

◆壁新聞の正義◆
 

GM:さて、今回は街シナリオだね。とある日、冒険者の宿に居るクラウスの所に依頼人が訪れた所から話が始まるよ。依頼人は壁新聞の記者、“書き殴り”アリッサ・マイウォールドです。口元を隠しながら羽根ペンを片手に、人を食ったような笑みと共にクラウスと同じテーブルに腰掛けるね。

クラウス:……なぁ、このNPCってこんなに胡散臭い奴なのか?(一同笑)

GM/アリッサ:いや、少し違うような……まぁ良いや。この路線で行こう。 「お久しぶりです、クラウスさん。私の事を覚えていますか?」

クラウス:……壁新聞のパパラッチ。(一同笑)

GM/アリッサ:「おやおや酷い。そのような心無い物言い、現代社会の歪みの表れでしょうか。思わず泣いてしまいそうですよ」 よよよ、と泣き真似。

クラウス:お前は俺をからかいに来たのか、それとも何か別の用があって来たのか……?(笑)

GM/アリッサ:「あぁ、そうでしたそうでした。いえいえ、少々冒険者としてのクラウスさんに依頼がありまして。クラウスさんはタンスモーア商会という商会を知っていますか? 中堅規模の商会ですが、実はここは不正取引の臭いがぷんぷんするのですよ。いやはや、新聞記者の勘が騒ぎますね」

クラウス:……あー、なんとなく予想がついた。その不正取引の証拠集めでもしろってか?

GM/アリッサ:「頭の回転が早い人は好きですよ、クラウスさん。8割正解です。証拠も無いまま書き立てても、それはただの中傷ですからね。証拠固めをした上で告発し、役所も即座に動けるような状況に持って行きたいのですよ。その為、現在私は財務官のコルニカさんと協力体制を築いています」

クラウス:コルニカ……あぁ、脱税潰しに執念を燃やしているドワーフだったか。

GM/アリッサ:「その通りです。ここまでは私とコルニカさんでコツコツやっていたのですが、雲行きが怪しいのですよ。どうやらタンスモーアも何者かが不正取引について嗅ぎ回っているのに気付き始めた模様でして、下手すれば証拠隠滅を図られかねない所なのです。故に多少のリスクと出費を背負ってでも冒険者を雇い入れたい、というのがこちらの状況ですね」

クラウス:……ペラペラと話すなぁ。俺がその情報をタンスモーアとやらに売る懸念は無いのかよ、パパラッチ。

GM/アリッサ:「貴方はそういう眼先の得に飛びつくタイプではないのはリサーチ済みですよ。この街有数の豪商であるクレサンス家のお嬢様に貸しを作っておきながら、『貸しなど無かった事にしても構わない』という態度を取っているでしょう? まぁ、それがお嬢様は気に入らないようですがね」 にやにやと嫌らしく笑みながら、アリッサは言うね。 

クラウス:うわ、こいつ……(笑)。

GM/アリッサ:「それに、あの気難しいが一本気のお嬢様が一定の信頼を置いていますし、以前私が貴方に取材した時にも彼女や紫露草女学院の立場を考えて、ガストルークの襲撃に対しては何も語らず済ませた。つまり、知恵も回る。―――少なくともどこかの馬の骨に頼むよりは随分良いと私は判断しますね」

クラウス:パパラッチ、お前あの事件に関しては……。

GM/アリッサ:「紫露草女学院やメルセラさんの不利益になるようにはしていませんよ。ご安心を」

クラウス:それはありがたいが、もう一つ質問だ。……どこまで分かってる?

GM/アリッサ:「……と、言いますと?」

クラウス:あの事件の犯人などについての情報があれば、提供して貰いたい。俺としては、一度関わった件だ。あの裏に何かがあるなら知っておきたい。最悪、俺がテメリオ教団に目を付けられた可能性もあるしな。

GM/アリッサ:「なるほど。―――メルセラさんが心配ですか?」

クラウス:……俺の身の安全の為だって言ってるだろうが。

GM/アリッサ:「あぁ、ご安心を。紫露草女学院の件は、テメリオ教団は関係ありませんよ。貴方が狙われるような背景事情はありません。いやぁ、良かったですねクラウスさん。これで情報を聞く必要性は無くなりましたので話しませんね?」

クラウス:………お、お前は……!!(笑)

GM:アリッサは超にやにやした目でクラウスを見ているよ。『どうだ、聞きたいだろう。這いつくばって請えば聞かせてやらん事も無いぞ豚め』みたいな表情。(一同笑)

クラウス:うっわぁ性格悪い!!(笑) ……分かった、分かったから。依頼は請けるし、あの事件の後に続報が何も無くて心配だったのも認めるから、話して下さい!!(笑)

GM/アリッサ:「……ふーむ、本気で彼女の安全は気にしてたようですね。逆玉の輿狙いですか?」

クラウス:そういう意図は無いんだがな。ライバル視して来て絡んで来るメルセラは、なんて言うか目の離せない妹分みたいな感覚か?

GM/アリッサ:うわぁ……。えーと、アリッサは『うわぁ……』っていう表情になって、「うわぁ……」と口に出す。(一同笑)

クラウス:……何だその『うわぁ……』は!?(笑)

GM/アリッサ:「いえ何も。……はてさて、まぁ彼女の感情もそこまでの話には未だになっていないでしょうが……このまま続くとしたらこの朴念仁の周囲は大分面白い……いやいや、大変な様相を呈して来る可能性がありますね。要継続取材ですか」 と、羽根ペンで何やらメモを取ってます。というかアンタそれは酷いよ!(一同笑)

クラウス:仕方ないだろ、好感度10くらいだったらまだ『仲良し』レベルだろうしクラウス側としてはこんな感じだよ!!(笑) っていうか、何を露骨にメルセラルート推して来てるんだよ!!(笑)

GM:メルセラの件の追加情報についてはそっちから強請って来たんじゃん。ま、確かにメルセラも、まだ恋愛感情とかにはなってないだろうけどね。だからこそアリッサも好きにからかえてたワケだけど、クラウスの対応がちょっと酷いんで思わず『うわぁ』ってなっただけ。そんだけ気にかけておいて妹扱いとか無いわー。

クラウス:いや、クラウス的には仕方ないだろ!!(笑)

GM:……仕方ないの?(笑)
 

 ……そんな会話を経て。
 とりあえずアリッサ、依頼内容を全部話します。
 最終目的は先に言った通り、不正取引の証拠の入手。敵が証拠隠滅を図り始めている可能性がある為、多少の荒事を覚悟で信用出来る冒険者を引き込みたかったとの事です。

 そしてアリッサはコルニカとは別の協力者であるクロンハート(1話で登場。野心バリバリの商家番頭)の元を訪れるようにクラウスに頼みます。
 ただし、昼は人目があるので会うならば夜間にした方が良いとの忠告も付け加えて。
 クロンハートはタンスモーアに勤める番頭ですが、冷遇に対して嫌気が差し、内部告発に協力してくれているとの事です。

 

クラウス:……あの旦那もようやるわ……(笑)。

GM/アリッサ:「おや、お知り合いですか。顔が広いですね」 と、アリッサは驚いたように言うね。 「まぁ、それなら話が早くて大いに結構です。報酬は1000ガメル。加えて、先の紫露草女学院に出たガストルークの一件に関しての情報を差し上げましょう」

クラウス:分かった、契約成立………だな。

GM:ちなみに現在昼の12:00。72時間後がタイムリミットだからそのつもりでね。

クラウス:了解……ライズハイ外縁で夜にクロンハートを訪れる、か。まぁ、他に用事も無いし、今からライズハイ外縁かその近くまで行って待ってればよかろ。

GM:あ、夜って言うけど具体的には18:00〜だね。

クラウス:あいよ。それじゃ、移動開始するか。
 

 と、まぁそんな感じで。
 今後にオリジナルミッションを作る布石を入れつつも……クラウス、第五回目の冒険が始まったのでした。
 
◆中央広場/初日 12:00〜13:00◆
 
 余った時間をどこで潰そうか迷いつつ、まず移動した先は中央広場です。
 ランダムイベントは発生せず、プレノクトの私塾の生徒であるリッチー・オークトリー(NPC番号:40)と知り合った程度です。

 

クラウス:あー、あのご老体の私塾の生徒か。……大変だな。

GM/リッチー:「その、ええ、まぁ……」 と、目が死んでるリッチー君なのでした。(一同笑)
 

※NPC好感度変動
 リッチー・オークトリー:0→1
 
◆コラーロサイド中央/初日 13:00〜14:00◆
 
 ランダムイベント発生せず。
 お久しぶりのトンミ・モグバードと遭遇し、会話を交わします。
 
※NPC好感度変動
 トンミ・モグバード:8→9

◆コラーロサイド外縁/初日 14:00〜15:00◆
 
 これまでが出過ぎていた感があるのですが(確率的には1/3だし)、ランダムイベントが発生しません。
 なんとなく聖銅天使学院に立ち寄り、男子学生ベルナール・タンブリエ君とお知り合いになります。

 

クラウス:……どーすっかな。夜って事だから、今から行っても早いだろうし。知り合いの多いここで暫く時間潰すか。

GM:まぁ、そこは任せるよー。
 

 ……と、いうわけで。
 クラウス、『移動権利を放棄する代わりに、ランダムイベント確実発生』というルールを用いて、コラーロサイド外縁部で時間を潰すつもりのようです。
 
※NPC好感度変動
 ベルナール・タンブリエ:0→1

◆コラーロサイド外縁/初日 15:00〜16:00◆
 
 そして、発生したランダムイベントは『危険な掘り出し物』。
 以前ビルジニーと初遭遇した時と同じイベントです。
 学院の前の地面から魔動機文明期の魔動機械が発掘されたのですが……。

 

GM:(ダイスを振る)……あ、また遭遇NPCがベルナール・タンブリエ君だ。

クラウス:連続か、珍しい。……これは前の時間から一緒に行動でもしてたのかね?

GM:かもねぇ。何となく一緒に歩いてたとかかな。んでまー、クーガ(Lv3、魔動機械)が発掘されたんだけど……それが唐突に爆裂四散する。目標値11で抵抗して貰って、失敗したら威力表30+3の魔法ダメージ。成功したら半減だね。……NPCは巻き込まれないって言うから、これは爆発したときに部品が勢い良くクラウス目掛けて吹っ飛んできたとか、そういう系統かな。

クラウス:うわぁ!?(笑) (ダイスを振る)……駄目だ、抵抗失敗した! ダメージは……(ダイスを振る)……GM、ダメージダイスに≪運命変転≫使っちゃ駄目か?(笑)

GM:いやぁ……受けるダメージのダイス、クラウス自身の振るダイスじゃないからね……無理じゃね?(笑)
 

 ……クラウス、抵抗失敗+まさかのクリティカルです。
 その受けるダメージダイス、クラウスが振ってるんですが流石に変転は使えないと裁定します。
 結果、物凄い勢いですっ飛んできたクーガの部品で20点ほどHPをこそぎ取られるクラウス。
 ……HP、残り僅か6点。あの、何でこれまでの戦闘の殆どを磐石で潜り抜けてきたあなたが、イベントで即死しかかってるんですか。

 

クラウス:やべぇ、尖った部品が飛んで来て腹部に刺さったとかそれ系か?(笑) 苦鳴をあげて座り込むぞ。

GM/ベルナール:「だ、大丈夫かあんた!? しっかりしろ!」 と、ベルナールが叫ぶね。……とりあえずこれ、学校の医務室にでも運び込もうか。他にも何人か怪我人が出たみたいで、無事だった人たちが慌てて治療したり運んだりを開始するね。

クラウス:あ、なんかイベント?(笑)

GM:いや、拒否するなら拒否していいよ。演出に私が適当に反応してるだけだし。

クラウス:まぁ、MPも温存したいしなぁ。薬とかあるなら、お金は払うから分けて貰えればありがたい。

GM:(……って、なんとなく言ってみたけど何も考えてないんだよね。どーすっかなー)
 

 このプレイレポは行き当たりばったりの提供でお送りしております。
 
※NPC好感度変動
 ベルナール・タンブリエ:1→3

◆コラーロサイド外縁/初日 16:00〜17:00◆
 
 さて、成り行きでクラウスを聖銅天使学院の医務室に移送してみたGM。
 登場NPCはコラーロサイド外縁のNPC表の中から、学院関係者だけを選んでダイスロールしてみます。
 流石に前回登場の傭兵であるアルマ(コラーロサイド外縁で登場の可能性あり)とかが学院内の医務室に出るのも不自然ですし。
 ……と、当時は思ったんですけど、今にして思えば「怪我人の輸送を手伝った」とか「巻き込まれて怪我をした」とかの理由で出せば問題無かったのかも。
 
 ともあれ当時は気付かなかったので、聖銅天使学院関係者だけで1/7のダイスロール。
 結果……なんか、ダイスの神が変な方向にはっちゃけ始めました。
 登場NPCは44番……ビルジニーです。まぁ、1/7なんでありえなくは無いんですけど……。

 

GM:このタイミングで出るかこの子……。まぁ、クラウスや他の怪我人が担ぎこまれた医務室。慌しく学院関係者が治療のために動き回っているところに、ビルジニーがひょっこり顔を出すね。手伝いに来たのかも。

クラウス:えーと、流石にHPがマイナスになってるような重傷者がいたらMP惜しまずに手を貸すつもりでいるんだけど……そういう人、居る?

GM/ビルジニー:いや、そこまでの重傷者は居ないよ。傷で言うなら、クリティカル食らってたクラウスが一番重いんじゃないかな。 「あれま、見知った顔だねクラウス君。なんだいそのザマは、爆撃でもされたみたいな有様だけど」

クラウス:黙ってろイメチェンだ。(一同笑)

GM/ビルジニー:「どんなイメチェンさ。……学院の前で発掘された魔動機械が自爆ボンバーしたんでしょ? とりあえず薬持って来たから……っていうか酷い怪我だね。そんな負傷で大丈夫か?」(一同笑)

クラウス:一番良い薬を頼む。(一同笑)
 

 『そんな○○で大丈夫か?』→『大丈夫だ、問題無い』or『一番良い××を頼む』。
 発売前から異常な盛り上がりを見せているアクションゲーム、エルシャダイのテンプレとなっているお言葉。
 サークル竜鳴艦でもエルシャダイは大人気です。

 

GM/ビルジニー:「うん、こんなアホな会話に反応できるなら致命傷ではないみたいだね」 と、言いながらビルジニーはクラウスの鎧を脱がせて手早く治療をしてくれるよ。んー、適当にレンジャー1でも持たせて、器用度が+2として3基準で治療かな。救命草を使うとして、(ダイスを振る)……20分かけて治療してくれたおかげで、HPは15点ほど治った。

クラウス:うわ、それはマジ助かる。……というか、この世界って医療技術チートだよな。即死しなければ大抵の傷はどうにかなるし。(一同笑)

GM/ビルジニー:魔法が無くても、安い薬草で結構どうにかなるしね……(笑)。ともあれそこまで治療したところで、ビルジニーは小悪魔めいた笑みを浮かべるよ。 「……さて、クラウス君。ここまでしてあげたボクに何か言う事は?」

クラウス:……ありがとうございます?

GM/ビルジニー:「んっんー……悪くないけど足りないなぁ。薬品は備品だからボクの懐は痛まないけど、貴重な時間をこうして浪費させられたわけだし……そうだねぇ、一つお願いでも聞いてくれるかな?」 にやり。(一同笑)

クラウス:治療してから交換条件を提示とか、お前それは汚いだろ……(笑)。

GM/ビルジニー:「汚いは褒め言葉という名言もあるよ、クラウス君」 ……まぁ、ランダムNPCミッションが発生しちゃっただけなんだけどね。ダイスで決定した結果、護衛依頼だよ。……なんかさ、ビルジニー依頼率高くない? ダイスで決めてるのに。(一同笑)

クラウス:……そういや、前もこいつに仕事を押し付けられたっけ……(笑)。っていうか、護衛ってどこまで? ついでにいつまでだ?

GM:(ダイスを振る)……んーと、ヴェーラ島まで9時間以内。

クラウス:……最短4時間か。また遠い場所まで。ついでに、今から9時間ってモロに深夜じゃね?

GM/ビルジニー:「ご心配無く。今年定年退職した講師の人の家なんだけど、娘夫婦と息子夫婦の所でお孫さんが一気に生まれたらしくて、家が人手不足らしいのさ。それに加えて色々な用事が重なったそうでもう本当に人手が足りないって……それで縁あって、ボクが数日だけ事務職を解かれて手伝いに派遣されるってわけだよ。時間帯も、向こうの都合に合わせた結果だね」

クラウス:成る程な。……けど、護衛って……。

GM/ビルジニー:「正確に言うと荷物持ちかな。これでも花も恥じらう乙女なんでね。泊まりで出かけるとなると、荷物はそれなりに多いんだ」 にひゃっと笑うビルジニー。一応、NPCミッションの受諾は任意だからね。お任せするよ。

クラウス:……怪我の治療の礼だ。荷物持ちくらいならやってやるが……。 まぁ、とりあえず治療で脱がされた服と鎧を着直そう。まだ少し減ってるけど、アースヒールで全回復しておく。

GM/ビルジニー:「ん? 何か急ぎの用事でもあったの?」

クラウス:これから夜の間にライズハイの外縁部に用がある。時間的に、お前を送って行った後では不味かろうから、出来れば先に向かいたい、んだが……。

GM/ビルジニー:まぁ、NPCミッションだからね。指定時刻までに送って貰えれば、ビルジニーも文句は言わないよ。っていうかむしろ楽しそうな表情で、 「へぇ、夜にわざわざライズハイに? ……なに? 逢引?」(一同笑)

クラウス:だったらお前の荷物持ちとか断ってるわ(笑)。……つっても、話して良いのか? 微妙な線ではあるが……こいつに悪意が無いのは分かるんだけどな。

GM:そだね。頭が回るけど不真面目で気まぐれで、他人を弄って遊ぶのが好きなトリックスターって所かな。とはいえ、トリックスターといっても他人の不幸を楽しむような悪趣味さは持ち合わせていないのは保障するよ。

クラウス:いたずら好きの小悪魔ってレベルだろ。……まぁ、こいつの場合深い背景とかも無いし、裏も無いか。 ……仕事関係だよ、ジニー。ライズハイで見聞きすることは他言無用で頼めるな?

GM/ビルジニー:「――――成る程。まぁ、分かった。そういう事なら、了解するよ。取り返しのつかない悪戯はしない主義だしね。その程度の分別はあるつもりだよ」 と、ビルジニーは肩を竦めて了承するよ。

クラウス:よし、商談成立だな。それじゃ、ライズハイに向かうか。

GM:しかし、ランダムイベントとNPCミッションの結果とはいえ、シナリオに変なファクターが混ざってきたなぁ。(一同笑)

クラウス:お前のせいだろ主に(笑)。……あぁ、ついでだ。使ってもらった救命草の薬代はちゃんと置いていく。

GM/ビルジニー:「律儀だねぇ」

クラウス:お前が不真面目すぎるんだよ。
 

※NPC好感度変動
 ビルジニー:11→12
 
◆ライズハイ外縁/初日 17:00〜18:00◆
 
 さて、ライズハイ外縁地区にビルジニーを連れてやって来たクラウス。
 クロンハートと会えるようになる時間(18:00〜)までにはまだ時間があるので、その辺を歩き回って時間を潰します。

 

GM/ビルジニー:そういえばこの辺、商館地帯だっけ。じゃあ、ビルジニーは好奇心丸出しの表情でその辺で売ってる品々を見て回ってるよ。 「……ふむふむ、やっぱりライズハイは面白い区画だね。どうだいクラウス君、ボクにプレゼントの一つでも買ってくれても、バチは当たらないよ?」(笑)

クラウス:良いからお前少し大人しくしてろ!(笑) ……あー、ビルジニーの私物が詰まったバッグを両肩に背負ってる状態のクラウスです、どうも。(一同笑)

GM/ヴァンダルゴンダル:(ダイスを振る)……そんな事をしていると、ランダム遭遇だね。ランダムイベントは無かったけど、また投機商人のヴァンダルゴンダルが居るよ。何を思いついたのか知らんけど、ガラクタを売り捌いています。 「おぉ、そこの兄さんはいつぞやの! どうだい何か買っていかないかい!!」

クラウス:……ヴァンダルゴンダル? 今度は何やってるんだ、あんたは……(笑)。

GM:さぁ?(笑) ガラクタ売りも今適当に思いついただけだし。あ、ビルジニーは興味津々で商品見てるよ。

クラウス:……何も買わんぞ、何も!(笑)
 

※NPC好感度変動
 ヴァンダルゴンダル:2→3
 
◆ライズハイ外縁/初日 18:00〜19:00◆
 
 そして、そんな時間潰しの後。
 クロンハートが働いている商館の営業時間が終わった辺りで、クラウス(と、ビルジニー)はその商館……タンスモーア家の商館に向かいます。

 

GM/クロンハート:「……いつぞやの冒険者か? すまないが今日の営業はもう―――」

クラウス:……ここはまだ、タンスモーア家の商館か。どこに目があるか分からんな。 まぁ、そんな固い事を言わないでくれよ旦那。俺とアンタの仲じゃないか! などと軽薄に言いながら、なれなれしくクロンハートと肩を組もう。で、他の人には聞こえないような声音で言うぞ。 ……アリッサからの使いで来た。こう言えば分かるな?

GM/クロンハート:「……っなるほど」 鬱陶しげに振り払おうとしたクロンハートだけど、その言葉を聞いて動きを止めるね。 「……では、お客様。そちらのお嬢様へのプレゼントですね? 営業時間は多少過ぎておりますが、サービスと致しましょう。ただ、ここでは店仕舞いの邪魔になりますのでこちらにどうぞ」 と言って、店の外について来るように促すよ。

GM/ビルジニー:「すいませーん、ご迷惑おかけしますぅ」 と、ビルジニーも一瞬だけにやりと笑ってから、ある程度付き合いのあるクラウスには気持ち悪いくらいの猫撫で声で芝居を打つね。周囲は『営業時間を過ぎてから来てしまった少し困った客に、番頭が対応している』という風にその光景を解釈して、店仕舞いを続けるよ。

クラウス:……助かる、ジニー。 小声で耳打ちしよう。っていうかこいつ、マジで頭回るな。

GM/ビルジニー:「なんの。けど、中々面白そうなことをしてるね、クラウス君?」 と、心底楽しそうな様子でビルジニーは答えるよ。

GM/クロンハート:で、少し商館から離れたところでクロンハートが元の口調に戻って声をかける。 「……お前がアリッサからの使いとはな、冒険者」 そして懐から書類の束を取り出して、クラウスに渡すよ。 「主に不正取引の記録の写しだ。全てではないが、怪しまれないようにこつこつ写した」

クラウス:これがあれば、タンスモーア家の不正を明らかに出来るってか?

GM/クロンハート:「まだ弱いな。写しは所詮写し……証拠品にするには弱すぎる。現物を抑えるのが手っ取り早かろう。幸い、その写しは証拠としては弱いが、流通の流れはそこからある程度読める」 と、クロンハートが言った所で、横からクラウスの手にある帳簿の写しを見ていたビルジニーが呟きます。

GM/ビルジニー:「ゴールドコースト外縁部。……そこ……かな? 多分だけどね」

クラウス:分かるのか?

GM/ビルジニー:「ボクも一応、事務職だからね。帳簿の読み方は分かってる。……治安の悪いゴールドコースト・ストリートの外縁部を通じて密輸を行っているのかな、これは」 というビルジニーの言葉に、感心したようにクロンハートが頷いて補足を入れるよ。

GM/クロンハート:「筋がいいな。合格点はくれてやる。そこから更にゴールドコースト外縁部にある倉庫についてまで見抜ければ満点だな」 と言った上で、ゴールドコースト外縁部に作られた、廃墟を隠れ蓑にした秘密倉庫について教えてくれるね。

クラウス:……つまり、次はそこに行ってみろってことか?

GM:そだね。コルニカやアリッサも別方面から色々調べている最中だから、可能ならクラウスが調べるべきだと思われるよ。

クラウス:……了解したが……どうすっかな(笑)。大荷物抱えたまま、そんな治安の悪い区画に行くのは……(笑)。

GM/クロンハート:荷物は演出だから、それで行動を制限されるのもアレだね。 「……今から動くのであれば、何かは知らんがその荷物は邪魔だろう。うちの店では一応、買い物客に対する配達も行っている。その荷物、よければ届けてやろうか?」 と、クロンハートが言うよ。

クラウス:そりゃありがたい。……が、だとしたら何か買い物すべきだよな、俺。

GM/クロンハート:「……ふむ?」

クラウス:疑われる可能性は出来る限り潰すべきって事だよ。タンスモーアも、誰かが密輸について嗅ぎ回ってることに気付き始めている節があるらしいからな。そんな状況下で不自然な行動は避けるべきだ。買い物をしてない客の荷物の運送だけを引き受けるのも変だろうし、なんか迷惑かけてるみたいで嫌だ(笑)。

GM/クロンハート:「……一理あるな」 と、クロンハートは頷くよ。っていうか、そこまで深く突っ込まれるシナリオじゃないんだけど。

クラウス:まぁ、穴を潰して行動するのはPL的な癖のようなもんだ(笑)。輸送料まで含めて200ガメルくらい、何か適当な商品を……荷物と一緒に送ってくれ。住所とかは……ビルジニー頼む(笑)。

GM:じゃあ、ビルジニーは肩を竦めて、自分が数日泊り込みで手伝う事になっている元講師の家の住所をクロンハートに伝えるよ。あとついでに、『適当な商品』はアクセサリが良いとか勝手に決めます。(一同笑)

クラウス:……まぁ、それくらいなら許してやるか。

GM/クロンハート:まぁ、その辺の話が終わったら送る荷物を受け取って、クロンハートは店のほうに戻るね。 「では、この荷物はこちらで責任を持って送ろう。……クラウスだったな、下手は踏むなよ」

クラウス:お互いにな、大将。 軽く手を振って見送ろう。……さて、それじゃ―――

GM/ビルジニー:「ゴールドコーストの外縁部だね。急ごうか」 と、ビルジニーは活き活きとした表情でクラウスの方を見るね。(一同笑)

クラウス:……うっわぁ、付いて来る気満々じゃねぇか、このお嬢さん……(笑)。
 

※NPC好感度変動
 クロンハート:4→9
 
◆東トノール外縁/初日 19:00〜20:00◆
 
 さて、ゴールドコースト外縁部に移動を開始するクラウス&ビルジニー。
 その過程で通りかかった東トノール外縁部は、開発が遅れておりあばら家なども目立つ寂しい地域です。
 ゴールドコースト外縁部程ではありませんが、治安もよくありません。
 
 そんな場所でランダムイベントが発生。
 NPCがガラの悪い一団に絡まれているイベントなのですが、登場NPCはジャン・ファルシネリ・膝太郎。

 

GM:……えと、通りかかったクラウスは、ジャンがガラの悪い人族達に絡まれているのを発見するね。どうやら肩がぶつかったとかで因縁をつけられているんだけど……。

クラウス:おい、膝太郎。ぶつかった肩は大丈夫なのか?(笑)

GM:あ、それ採用。膝太郎はぶつかった拍子に肩の関節が外れたようで、右腕がだらーんと垂れています。(一同大爆笑)

クラウス:おい、膝太郎!?(爆笑) お前生命力1クレスポかそれ以下なんじゃないか!? 何だその貧弱さは!!(一同笑)

GM:……うん。何か因縁をつけた側も戸惑ってる気配が。(一同笑)

クラウス:……か、関わり合いになりたくねぇ……けど、知り合いだしなぁ。声をかけるか。 おーい、膝太郎。お前その肩どうした?

GM/ジャン:「お? ああ、クラウスか。いやはや、参ったよ。ちょっと肩がぶつかったとかで因縁をつけられてしまっているんだ」

クラウス:ちょっとじゃないよね、どう見てもその肩の関節外れてるよね?(一同笑)

GM/悪漢:「それだけの勢いでぶつかったって事だよ。どこに目ぇ付けて歩いてんだ、慰謝料出せコラァ!!」 と、悪漢達は慰謝料を要求する……けど、何か数名居るうちの殆どは気まずそうにそっぽ向いてます。まさか軽くぶつかっただけで肩関節が外れるとは思ってなかったようで。(一同笑)

クラウス:そりゃ思わねぇよ!(笑) っていうかこれ、どう考えてもこっちが請求して良い立場だろ!(笑)

GM/ビルジニー:「……あの、これ、肩だけじゃなくて肘の関節も外れてるんだけど……」 と、近付いて来たビルジニーも惨状を見て流石に顔を青くするね。ちなみに一番平然としているのはジャン本人。よくある事だし、少し経てば勝手に関節は嵌り直すとのこと。(一同笑)

クラウス:なにそれこわい。(一同笑)

GM:ともあれ、悪漢の中でもリーダー格らしき男は、そんな状況でも慰謝料を要求するね。300ガメルを要求してくるけどどうする?

クラウス:やなこったね。って言うかそっちが払えよ、この状況だと。

GM:断るなら、そのリーダー格の男は激昂してクラウスに襲い掛かってくるね。他の悪漢達はまだ良心が残ってるのか、『いや、それは流石にアレじゃね?』みたいな表情でオロオロしてるけど。

クラウス:……やだやだ。血の気の多いこって。
 

◇VS馬に乗った追い剥ぎ(剣の欠片強化済み)◇
 
 このイベント、実は対面する敵は欠片強化ありという、結構強めの敵との戦いになるイベントです。
 更に敵決定ダイスで最悪の出目(6)を出したクラウス、結果として向かい合う敵は『馬に乗った追い剥ぎ(Lv3人族)』。
 2部位モンスターであり、ボガード以上の戦闘力を誇るのですが……。

 

クラウス:(ダイスを振る)よし、本体の攻撃も馬の攻撃も避けた。こっちの攻撃は本体狙いで、当たったらダメージは14点な。

GM:ええい、猪口才な…。火力も回避も一気に上がったなぁ。
 

 クラウス、腕輪込みの敏捷度ボーナス3+盾の回避ボーナス1も相まって、基本回避力は7をマークしています。
 それに加えて持ち前の高い防御力も相まって、馬の攻撃はほぼ無視できるレベルですね。
 威力と命中で馬にもボガードにも勝る本体の攻撃も、6以上で回避可能+当たったとしてもダメージは実質2D6止まりという、安定した防御性能。
 命中も半々以上というスペックで、多少攻撃を食らうも終始安定したペースでダメージを積み重ね……4ラウンド目にクリティカル。

 

クラウス:(ダイスを振る)お、かなり大きい。ダメージは22点。

GM:あ、それで一気に持って行かれた。では、コア部位である追い剥ぎ本体が気絶したため、馬も戦闘行動を止めます。ボスがやられたら、周囲の取り巻きは逃げ出すよ。

クラウス:あ、おい。……薄情だなぁ。

GM/ジャン:「全くだね。……なんにせよ、面倒をかけさせたかな。感謝するよ、クラウス。君の怪我は治療しよう」 と、ジャンはキュア・ウーンズを唱えてくれるよ。

クラウス:いいからお前は自分の関節をどうにかしろよ。肩と肘!(一同笑)
 

 ともあれ、ジャンのキュアで回復したクラウス。
 倒れている追い剥ぎから戦利品(剣の欠片)を剥いでから、その場を立ち去るのでした。

 

GM/ビルジニー:「……凄い濃い知り合いが居るんだね、クラウス」 と、ジャンと別れた後でビルジニーがポツリと呟く(笑)。

クラウス:……否定はせん。というか、あいつの関節はどーなってるんだ(笑)。

GM/ビルジニー:「いやそれ、ボクに言われても。……にしても、やるねクラウス。素人目に見ても、初めて会った時に比べて随分動きが良くなってたよ」 と、ビルジニーは上機嫌で笑ってるね。最初に会ったときはクラウスはまだファイター1だったし。

クラウス:そりゃどーも。……っていうかお前、ゴールドコースト外縁部は東トノールより更に治安悪いぞ。ついて来て大丈夫か?

GM/ビルジニー:「いざとなったらクラウスが守ってね」 と、嫌な笑みとともに嘯くよ(笑)。

クラウス:……小悪魔が(笑)。
 

※NPC好感度変動
 膝太郎:4→8
 ビルジニー:12→14
 

◆ゴールドコースト外縁/初日 20:00〜21:00◆
 
 ゴールドコースト外縁部は、景気のよさそうな名前とは裏腹に荒れ果てた、一種のスラム街です。
 ここにあるというタンスモーア家の秘密倉庫に向けて移動している最中……遭遇したNPCは“けせらんぱさらん”クルック・ユック・ケルン。
 以前にも遭遇した、観光気分であちこちをうろついているグラスランナーの神官です。
 彼女曰く、『蛮族がとある建物に押し入り、荷車一杯の荷物を持ち出して去っていった』との事。
 話を聞くうちにその建物が件の『秘密倉庫』であると気付き、慌ててそちらに向かうクラウスとビルジニーですが……。

 

GM:その秘密倉庫の中では、武装した守衛が一人殺されているね。

クラウス:……やられた。まさか証拠隠滅か?

GM/ビルジニー:さて、どうだろうね。ちなみに廃屋の地下に隠し倉庫があるんだけど、そちらには何も残っていないよ。どうやら蛮族に全て奪われたようだね。 「……ふむ、ややこしくなって来たね。どうする、クラウス君。蛮族を追うかい?」

クラウス:……いや、止めておこう。蛮族が逃げたなら、それは街の外に逃げたって事だ。危険が過ぎる。 ……口には出さないけど、ビルジニーを連れて動くにはリスクが高すぎるしなぁ。それより、タンスモーアの手の者が来る前に、何か証拠になる物が無いか探してしまおう。

GM:あー……成る程ね。
 

 ちなみにこのミッションでは、蛮族の追跡の有無は決定的な要素にはなり得ません。
 蛮族が密輸品を盗んで行ったのは、タンスモーアの意図とは関係ない動きなのですが……現状、クラウスにそれを知る手段はありませんので、微妙に勘違い。
 ともあれ、蛮族は追っても追わなくてもシナリオ的にはOKなので、クラウスのこの判断は間違っておりません。
 
 結果、死んでいる守衛の懐から出てきたのは、『貿易省の知恵兎。中央広場、12:00〜13:00』という事が書かれたメモです。

 

GM/ビルジニー:「………シャント・カロットフェスト?」 と、そのメモを見たビルジニーが驚いたような声を上げるね。

クラウス:……心当たりが?

GM/ビルジニー:「貿易省の重鎮を務めるタビットだよ。貿易省の知恵兎と言われたら、まず確実に彼のこと。異常な記憶力の持ち主で、この“集いの街”リオスの物流を全て把握しているっていう噂。……物流が分かれば、他国の状況や思考も分かってくる。そういった意味で、シャント・カロットフェストは歴代の貿易相が最も頼りにする存在だ。……でも、何で彼ほどの大物の名前が……」

クラウス:もしかしたら、この密輸問題は思いのほか根深いかもしれない、って事か。

GM/ビルジニー:「……かもしれない。……クラウス君、君が誰の依頼で動いているのかは知らないけど、引き際は誤らないようにね」 と、ビルジニーは思案げな表情で告げるね。ああ、ちなみにシャントは100人NPCの一人だよ。番号は11番。

クラウス:……なるほどな。まぁ、ビルジニーの言葉にはとりあえず頷いておく。……しかし12:00から13:00となると、ビルジニーは付いて来れないな。

GM/ビルジニー:「そうだね。だからこそ、今のうちに忠言しておくよ。……気をつけてね、クラウス君」

クラウス:……ああ、ありがとよ。
 

 かくして一先ず、捜査の続きは翌日に持ち越しになりました。
 翌日の昼に中央広場に向かうことにして、クラウスはビルジニーを連れて、彼女の目的地であるヴェーラ島に移動します。

※NPC好感度変動
 クルック・ユック・ケルン:1→2
 
◆ゴールドコースト中央/初日 21:00〜22:00◆
 
 ランダムイベントは無し。
 移動中に“代筆屋”アルミ・チャントハム(NPC番号:56)という女性に遭遇します。
 代筆や代読、翻訳などを安く引き受けている若い未亡人で、郵便屋のトンミが密かに恋焦がれている相手だったりします。

 

GM:どうやらビルジニーとは知り合いらしく、色々と会話してるね。

クラウス:んじゃま、軽く会釈程度はしておく。

GM:じゃあ、アルミも微笑みながら会釈を返してくれるよ。まぁ、ビルジニーの知り合いとかそういう設定付けをしないと、遭遇したところで見ず知らずのクラウスと会話する理由が薄いから付けた設定だけど。

クラウス:そこら辺、難しいところだよなぁ。
 

※NPC好感度変動
 アルミ・チャントハム:0→1
 
◆アルトゥール島北/初日 22:00〜23:00◆
 
 ヴェーラ島まであと少しという所まで来たクラウスとビルジニー。
 アルトゥール島北部の歓楽街を移動していた所で、イベント発生です。

 

GM/???:じゃあ、歓楽街の酒場の前を通ったところで聞き覚えのある声に呼び止められるよ。 「おやおや、クラウスさんではありませんか。私が依頼した仕事はどうなったのでしょうか? ああ、まさか仕事を放り出して14,5歳程度に見える少女との逢引とは……恐れ入りますね」

クラウス:うわ、絶対これパパラッチじゃねぇか!!(笑) 声の聞こえた方に振り向くぞ。

GM/アリッサ:うん、振り向くとガラの悪い酒場の入り口で立っているアリッサが居るね。とてもとても邪悪な笑みでクラウスとビルジニーを見ています。 「まぁ、他人の色恋沙汰に口を出すのは主義ではありませんがね。メルセラさんを妹分扱いする理由は、実はメルセラさんよりももっと幼い体形の子が好みだったとかそういうオチですか?」

クラウス:協力者のようなもんだよ、人聞き悪いこと言うなパパラッチ。……ああ、会ったついでだ。進行状況について報告しておくか。かくかくしかじかで。

GM/ビルジニー:「……クラウス君、あの大変失礼なエルフは誰だい?」 と、体形について揶揄されたビルジニーは大変お怒りの様子で低い声で聞いてくるけど。

クラウス:……今回の一件の依頼人。壁新聞の記者だよ。“書き殴り”アリッサ。聞いた覚えは無いか?

GM/ビルジニー:「あぁ、あの壁新聞の……しかし全く、人を食ったような失礼なやつだね」

クラウス:うん、お前も同系統だからな? 五十歩百歩だからな?(一同笑)

GM/アリッサ:で、調査経過の報告を受けたアリッサは思案げな表情を見せるね。 「……シャント・カロットフェストが? ……彼が関わっているとなれば、想像を遥かに超えた大事になりますね。彼の異常記憶は他に換えの効かない特殊技能。リオス政府としても簡単には罷免が出来ない……その立場を利用して密輸に関わっていた? いえ、だとしても、タンスモーアは中堅商家でしかない。シャントがわざわざ関わる理由が……」

クラウス:とりあえず明日、その知恵兎が来る可能性のある中央広場に行ってみるつもりだ。そっちはどうだ?

GM/アリッサ:「……調べていますけど、こちらも中々に厄介な予感がしていますよ。薄々気付いてはいたのですが、タンスモーアの密輸の主力商品は武器です。ただ、その流れがまだイマイチ不鮮明でして……っとと、そうでした。つきましては今丁度、クラウスさんに協力していただきたい一件が。この酒場の主人がある程度の情報を握っているのですが……情報の交換条件として、急に出場者が出れなくなってカードに穴が開いた地下闘技場への出場を頼まれたのですよ。ですが私、残念ながらペンより重いものを持ったことが無い深窓の令嬢でして」 と、アリッサはオーバーに肩を竦めるね。

クラウス:……つまり、情報収集の為に俺にその地下闘技場に出場しろと?

GM/アリッサ:「ええ、そうなりますね。ちなみに対戦相手は―――(ダイスを振る)……ジャイアントバットだそうです。あぁ、請けて頂けるならば私から感謝の証として追加報酬を差し上げますよ」 と、アリッサは言うよ。具体的には好感度で変わる報酬決定表を使う。ただ、ここでビルジニーがアリッサの言動に噛み付くね。

GM/ビルジニー:「ちょっと待った、地下闘技場ってそれ違法じゃないか。そんな事にクラウス君を巻き込むつもりなの?」

GM/アリッサ:「蛇の道は蛇ですよ、ルーンフォークのお嬢さん。違法な事柄に対して調査をするならば、そちらに詳しい人物に話を聞くのが近道です」

GM/ビルジニー:「そこは納得するよ。理に適っている。けど、ちょっとクラウス君を酷使しすぎじゃないかい?」

GM/アリッサ:「おやおや、それを決めるのは貴方ではないでしょう?」 ……って感じで、アリッサはビルジニーの言葉を軽くあしらってます。一人芝居虚しいです。(一同笑)

クラウス:……まぁ、ここはジニーを抑えるか。というかお前も景気良く俺を色んな事に巻き込んでないか?(笑) NPCミッション、俺はお前から請けたのが一番多いんだが(笑)。

GM/アリッサ:それを言われると、ビルジニーは頬を膨らませて黙り込む。代わりにアリッサが、 「可愛らしいものですねぇ。我侭を言って構って欲しいけど、他人に同じ事をやられると嫌と。一種の甘えと見ますが、どうですか?」

GM/ビルジニー:「……喧嘩売ってるのかい?」 と、剣呑な空気が……(笑)。

クラウス:だぁぁ、落ち着けジニー!(笑) あー、と。アリッサ、OKだ。ジャイアントバット程度ならどうにでもなる。その地下闘技場での試合、出るぜ。それで真相に近付けるなら願ってもない。

GM:まぁ、実際はランダムイベントだからね。本筋のミッションの成否は、このイベントに関係ないのは明言しておくよ。

クラウス:だとしても、ジャイアントバット程度相手ならリスクも少ない。やってやるさ。

GM:OK。それじゃ、話を了承したクラウスは地下闘技場に案内されるね。アリッサはニヤニヤ顔で、ビルジニーは不機嫌そうだけど。

クラウス:……悪魔VS小悪魔だな(笑)。ジニーではまだまだアリッサに敵わないようだ(笑)。
 

◇VSジャイアントバット◇
 
 省略します。
 ……いや、だって。2ラウンド完封負けですもの。

 

GM/アリッサ:じゃあ、歓声とブーイングを背にして地下闘技場を出ると、上機嫌なアリッサと不機嫌そうなビルジニーが待ってるよ。 「ありがとうございます、クラウスさん。助かりましたよ、こちら約束の品です」 と言って、アリッサは透明石(400G)をくれるね。 「売れば多少の金にはなる筈です。このくらいしか渡せず心苦しいですが」

クラウス:いや、助かるよ。……それじゃ、俺はジニーを送って行く系の仕事があるから。

GM/ビルジニー:「その途中だというのに、あの女の頼みを引き受けたんだね、君は」

クラウス:……いやあの、何でそんな不機嫌なんだお前。

GM/ビルジニー:「さてね。知らないよ」 と、ビルジニーはさっさと歩いていくね。

クラウス:……ため息をついて、後に続こう。次がヴェーラ島か。
 

※NPC好感度変動
 アリッサ・マイウォールド:1→5

◆ヴェーラ島/初日 23:00〜24:00◆
 
 そして到着したヴェーラ島。
 ランダムイベントも遭遇NPCもありませんので、ビルジニーをここまで送るというNPCミッションの達成以外にイベントはありません。

 

GM/ビルジニー:「……そういえば、荷物持ちに関してはクロンハートさんだっけ。彼に配達を頼んだ時点で終わってたから、ここまで送ってもらう理由って実はもう無かったんだよね」 と、ヴェーラ島に入った辺りでビルジニーが呟く。(一同笑)

クラウス:……そういやそうだが、まぁ夜に女の一人歩きだ。治安の悪い地域も通ったし、ついて来たのは正解だったと思ってるぞ、俺は。

GM/ビルジニー:「そこはそういう長口上じゃなくて、『心配だったから』の一言の方が女受けは良いよ。気をつけることだね」 と、言ったビルジニーは報酬の品……(ダイスを振る)『壊れた魔動部品(100G)』を軽く投げて渡すね。

クラウス:じゃあ、それを受け取ろう。…っていうか、そうか、NPCミッションだから報酬あるのか(笑)。

GM/ビルジニー:あるよ(笑)。加えてビルジニーの好感度だと、追加報酬が発生するね。 「それと……これはオマケ。本当はボクのおやつだったんだけど、半分あげよう」 と、更に何かが入った小さな紙袋を渡してくる。……追加報酬、手作りのお菓子だね。

クラウス:……た、食べて大丈夫だよな? 健康的な意味で。(一同笑)

GM/ビルジニー:「……驚愕的に失礼だね、君は。大丈夫だよ、友達の女学生と一緒に作った品だから普通に食べれる。味見は済んでるよ」 言って立ち去ろうとして、やっぱりビルジニーは立ち止まります。 「……クラウス、明日はボクは一緒には行けないけど……気をつけてね」

クラウス:……あぁ。サンキューな。

GM:まぁ、その言葉に対してはぷいっとそっぽを向いて、ビルジニーは小走りにヴェーラ島の住宅街の中に走っていく。その住宅のどこかが目的地なんだろうね。

クラウス:んじゃま、俺も今日の宿を探しに行くか……。アルトゥール北で宿を取れたよな。

GM:だね。じゃあ、移動ということで。
 

※NPC好感度変動
 ビルジニー:14→20
 
◆アルトゥール島北部/二日目 00:00〜01:00◆
 
 ランダム遭遇NPCはブレット・ベラミー。
 第一話の依頼人であった放蕩次男坊、今日も元気に酒を飲んでいました。
 そんなブレットと会話を交わしたクラウス、その辺の宿屋に一泊して翌朝を迎えます。
 
※NPC好感度変動
 ブレット・ベラミー:5→6
 
◆ゴールドコースト中央/二日目 11:00〜12:00◆
 
 二日目開始。中央広場に12:00というのを基準にした為、アルトゥール北を出たのは昼前です。
 訪れたゴールドコースト中央ではランダムイベントは無し。
 プレノクトの指示で走り込みを行っている最中でグロッキー状態のリッチーと遭遇した程度です。
 
※NPC好感度変動
 リッチー・オークトリー:1→2
 
◆中央広場/二日目 12:00〜13:00◆
 
 そして昼の12:00。
 中央広場に到着したクラウスは、黒いスーツを身に纏ったタビットを発見します。
 NPC番号11―――貿易省の重鎮、シャント・カロットフェストその人です。

 

クラウス:……発見したか。じゃ、さりげなく近付いて声をかけよう。 ……失礼、シャント・カロットフェスト氏ですね。

GM/シャント:「……ふむ? 初見だな。君は誰だ?」 と、シャントは冷静に返すよ。

クラウス:冒険者、クラウス・ビーダーシュタット。……タンスモーア家の密輸についてお聞きしたい。

GM/シャント:「タンスモーアか。物流の流れに変化でもあったのかな?」

クラウス:……いや、だから密輸だっての。通常の貿易じゃなくて。

GM/シャント:「だから、密輸の物流の流れに変化があったのかと聞いているんだが」

クラウス:………は?

GM/シャント:「む。……説明が不足だったか。良いかね、冒険者。君がどういうつもりでタンスモーアについて調べているのかは知らないが、私にとって物流に良いも悪いも無い。全ては何がどういう流れを通ってどこに向かったか、そしてそこから先はどこへ向かうのかといった物流の把握。それが全ての興味だ」

クラウス:……つまりアンタは、タンスモーアの密輸を知っていた。その上で放置していたと?

GM/シャント:「物流に善も悪も無い。そこにあるのは物と金の流れのみだ」 シャントは顔色一つ変えずにしれっと言うね。

クラウス:……い、いかん。こいつ一種の仕事狂いだ……(笑)。 つまりアレか、密輸だろうが正規の貿易だろうが、全ての物流を理解する事にこそ興味があるってわけで、タンスモーアの件が密輸であろうがなかろうが、アンタにとってはどうでも良かったと?

GM/シャント:「いかにも。タンスモーアに関しては、私のそういう性癖を重々承知していたのだろうな」

クラウス:……と、言うと?

GM/シャント:「正規の書類は無いが、タンスモーアの手の者からの口頭報告で密輸の話は聞いていたと言う事だ。私は物流の流れさえ知れれば他はどうでも良い……逆説、知らない物流の流れがあれば、何が何でも知ろうとするからな。嗅ぎ回られるより、報告による害が無いなら報告しておいた方が良いと考えたのだろう。無論、向こうも証拠は残さないようにしていたようだが」

クラウス:アンタには密輸だろうと、物流の流れさえ知らせておけばその流れの邪魔はしない。故に、知らせておいた方が面倒が少なくなる……そういうことか。

GM/シャント:「そういう事だ、冒険者君」 と、シャントは肩を竦めるね。 「とはいえ、捜査のメスが入るならばわざわざ密輸を庇い立てするつもりもない。聞きたい事があるのなら言ってみたまえ」

クラウス:……良いのかよ。捜査の流れ次第じゃ、アンタが告発される可能性だってあるんだぜ? 密輸を看過してたって事でな。

GM/シャント:「その時はその時だ。それは悲しいが仕方のない事だろうよ、冒険者。私にとっての興味は全て物流に収束する。その私のスタンスが国に受け入れられないならば、それはそれだ。残念だがな」

クラウス:……まぁ、俺個人としてはアンタみたいな偏執的な調査狂いのおかげで、リオスが物流を介して他国の情勢などをいち早く把握しているって事は理解している。ぶっちゃけ俺としてもあんたを罷免とかされたりすると困るんだが……。

GM/シャント:「そうなのか? まぁ、そう言ってくれるならば嬉しい事だな」

クラウス:……んじゃま、聞きたい事は一つだ。『タンスモーアの密輸の証拠』。これはどこにある?

GM/シャント:「………難しい所だな。私は物流が専門であって、証拠の在り処云々は専門では無いのだが……いや待て。数日前にタンスモーアから私に使いが来たな。何を勘違いしたのか、向こうは私が奴らの共犯者であるようなつもりでいたらしく……リフェール・バーク(NPC番号21)という軍人が密輸について追っているから、圧力をかけて止めさせられないかと相談されたんだ」

クラウス:……で、どうしたんだ?

GM/シャント:「物流と関係無いし、放置した」(一同笑)

クラウス:……ブレねぇなぁ(笑)。まぁ、なるほど。つまりはその、リフェール・バークって軍人に聞いてみた方が良いのではないかって事か?

GM/シャント:「そうなるな。その話によると、リフェールが嗅ぎ回っている場所はシルバーパール・ストリートの倉庫街だ。……あぁ、タンスモーアを潰すなら頑張ってくれたまえ。連中、私を共犯者や協力者か何かだと思い始めてきたらしくてな。便宜を図れだの何だのと煩かった所だ。物流の担い手がタンスモーアから他の相手になるなら、そちらの方が手間が減る」 シャントは一貫して、しれっとした調子で言ってのけるね。

クラウス:……了解(笑)。徹底してブレねぇな、アンタはホントに……まぁある意味で信頼出来るが。

GM/シャント:「褒め言葉と受け取っておこう」
 

※NPC好感度変動
 シャント・カロットフェスト:0→1
 
◆造船所通り/二日目 13:00〜14:00◆
 
 物流狂いウサギ、シャント・カロットフェストから情報を引き出したクラウス。
 その足でそのまま、彼から聞き出した倉庫街―――シルバーパール街区外縁部まで向かいます。
 で、その途中にあるのが造船所通り。
 遭遇NPCは、単純な遭遇回数ならばトップであろう郵便屋のトンミ。
 造船所通りは登場する可能性のあるNPCが少ない分、各NPCに出会う可能性が各々1/12と高めになっています。
 余談ですが、その中にダンジョンシナリオで知り合ったケーテとディルクのマリーン・カンパニー組も居たり。
 
 ともあれ、トンミとは挨拶と雑談のみで別れたクラウス。
 そのままシルバーパーク街区外縁の倉庫街に向かいます。
 
※NPC好感度変動
 トンミ・モグバード:9→10
 
◆シルバーパール街区外縁/二日目 14:00〜15:00◆
 
 やって来たのはシルバーパーク外縁部の倉庫街です。
 立ち並ぶ倉庫の中に、タンスモーアの所有する倉庫も発見されます。

 

クラウス:……リフェール・バークって男の姿は見えないか。少し倉庫を監視しながら様子を見るかな。

GM:って所で、危険感知判定してみて貰える? 目標値は……こちらのスカウトが7で敏捷ボーナスが3、このレベルの専業斥候ならば装備で+1くらいはされてるとして、隠密判定で10m以内まで接近するから−4。出目が7として、合計14か。

クラウス:げっ。(ダイスを振る)……駄目だ、出目7で12。

GM/???:「―――動くな」 と、クラウスは僅か数m後ろから聞こえる声に気付くよ。逆説、数m後ろに迫られるまで気付かなかったね。

クラウス:うわ。それはぎょっとして、動きを硬直させる。

GM/???:「両手を上げて、ゆっくりとこちらに振り向け。変な動きをすれば、命の保証は無い」

クラウス:……指示に従おう。まぁ、大体予想はつくが。

GM/???:そこに居たのは華奢な姿の優男だね。平服を着ているけど、手には鋭く光る短剣を持っていて、それをクラウスに突き付けてるよ。 「……少し聞きたい事がある。大人しくしていれば手荒な真似はしない」

クラウス:成程、タンスモーアの密輸関係についてだな? 潜入捜査官、リフェール・バーク。

GM/リフェール:「――――何の事だ?」 と、顔色を変えずに返すけど、一瞬の間があったのは否めないね。確かにクラウスの言う通り、彼が潜入捜査専門の海軍軍人であるリフェールです。

クラウス:さすが潜入捜査官。図星を突かれたからと言って、動揺を即座に顔に出す間抜けじゃないか。……俺は冒険者クラウス・ビーダーシュタットだ。アリッサ・メイフィールドとコルニカ・サンガイルの雇われで、タンスモーアの密輸の証拠を調べている……と、言えば分かるか?

GM/リフェール:「……嘘を言っているようには見えないな」 と、リフェールは数秒の間を置いてから、そう呟いて短剣を懐に仕舞うよ。ぶっちゃけ嘘発見判定を使いました。 「……場所を変えよう。大丈夫だと思うが、タンスモーアに気付かれるのを避けたい」

クラウス:了解。 んじゃま、軽く両手を上げてリフェールについて行こう。

GM:リフェールは倉庫街の中の、タンスモーアの倉庫とは随分離れた所に来るよ。木箱が散乱している路地で、その辺の木箱に腰掛けます。 「……コルニカ……財務省の役人だったな。となると脱税・不正取引容疑『も』かかっているのか。無理も無いが」

クラウス:ふむ? ……となるとアンタは脱税や不正取引について調べていたわけじゃないのか。

GM/リフェール:「……こちらだけ話すのはフェアじゃないな。情報交換といこう」

クラウス:そうだな。んじゃ、こっちから知ってる限りの事を話そう。

GM:うん。じゃあ一連の捜査状況を聞いたリフェール、蛮族にタンスモーアの倉庫が襲われたと聞いた辺りで僅かに顔色を変えるよ。

クラウス:……そこか。なるほど、脱税や不正取引で軍が出て来るのもおかしな話だ。あんたが追ってるのは蛮族関係か。

GM/リフェール:「……聡いな。確かに、私が追っているのは蛮族の国―――“紫闇の国”ディルフラムへの武器輸出だ。我が国から蛮族側へ武器が供給されているなど、あってはならん事だからな。……蛮族側も一枚岩じゃない。蛮族がタンスモーアの倉庫を襲ったと言うならば、それは恐らくタンスモーアの取引相手とは別の蛮族の暴走だろう」

クラウス:……成程。んじゃ、どーする? 互いの目的はある程度近いと思うが。

GM/リフェール:「そう、だな。……こちらは蛮族への武器輸出ルートを潰したい。そっちは不正取引の証拠を掴みたい。目的は合致する」 と、リフェールは思案げな表情で考え込みます。 「……今の話と私の元から持っていた情報を統合すると、最早ここのタンスモーア家の倉庫は強制捜査に踏み切って良い頃合いだろう。加えて取引相手の蛮族とは別の蛮族に襲撃を受けたならば、今は対応で大わらわの筈だ。倉庫に押し込んで、証拠品を奪い取る。……手を貸してくれないか?」

クラウス:ふむ……良いだろう。こっちにも証拠品を渡してくれるならな。

GM/リフェール:「助かる。荒事はそこまで得意ではなくてな。戦力があるならばそれに越した事は無い」 ちなみにリフェールはLv7スカウトにLv5フェンサーだよ。

クラウス:……潜入捜査の方がベテランレベル、いざって時の荒事に関しては腕利きレベルって所か。

GM/リフェール:そだね。 「流石に昼間は人目がある可能性もある。決行は今夜の0時。異論は?」

クラウス:無いな。じゃあお互い、それまでに準備を整えてここに集合って事で。

GM/リフェール:「頼む。頼りにさせて貰うぞ」 と、いうわけでリフェールとは一旦お別れだね。最終イベントは今夜0時にここに来た所で発生します。

クラウス:それまで時間を潰すか……9時間も余ってるなら、色々と出来る事がありそうだが。

GM:まぁ、そこはお任せするよー。
 

※NPC好感度変動
 リフェール・バーク:0→1

◆ヴェーラ島/二日目 15:00〜19:00◆
 
 少し考えた末、飲食街のあるヴェーラ島やアルトゥール北でのんびりしようかと考えたらしきクラウス。
 まず向かったヴェーラ島にて、ランダムイベント『大酒宴会』が始まります。
 ヴェーラ島にあるサカロス神殿で行われる、トリーナ・カトレード(NPC番号32。超大酒飲みのサカロス神殿の実力者プリースト。ドワーフなので外見ロリ)が主催する大規模な酒宴です。
 我はと思う者が参加し、飲みっぷりがが良ければ賞品が貰えると言う『運営資金どこから出てるんだ』という催し物ですね。
 
 ちょっと色々ルールが特殊なので説明を省きますが、『生命力判定の連続成功数/連続失敗数で飲みっぷりが決まる』というルールと考えて下さい。
 ドワーフならばその目標値は低いですが、逆に他の種族ならば目標値は高めです。(現在のレベル帯ならば13です)

 

GM:で、あれよあれよという間に巻き込まれたクラウス。参加するなら対戦相手を決定するよ。

クラウス:……いやまぁ、別に良いけどな……(笑)。

GM:(ダイスを振る)あら、駄目だ。NPC番号10番……議員秘書見習いの少女、オレイシャ・シアルトリが出たけど、彼女は宴会に参加せずに観客席に居るね。好感度変動には関係して来るけど、対戦相手は決め直し……っと。(ダイスを振る)……あ、嘘ォ……
。凄い人来た。

クラウス:誰だ? ……まさかGM一押しのメルセラでも来たのか?

GM:ううん、アリッサ。(一同爆笑)

クラウス:またお前かぁぁぁぁぁぁぁパパラッチィィィィィ!!(爆笑)

GM/アリッサ:……クラウスの対面では、いつもの羽ペンの代わりに自前の杯を手にしたアリッサが不敵な笑みを浮かべています。 「おや、クラウスさん。妙な所で会いますね。……私からの依頼を放り出して酒宴とは、良い御身分です」

クラウス:時間潰しだよ。こっちは状況が結構進んだんだ。丁度良い、お前にも報告せなならん事があったしな。

GM/アリッサ:「報告ですか。興味深いですが――――後にしましょう。酒宴の席、そこで仕事の話など無粋の極みです。……あぁ、失礼。最初は私が振ったのでしたか」 くすくすと、アリッサは笑みを浮かべるね。 「酒といふ者は呑む可し、飲む可し。人生で心を開くのは、只酒があるばかり也。終わったら聞きますので、今はお酒を楽しみましょう」 と、楽しそうに杯を掲げて来るよ。

クラウス:……仕方ないな。そこまで言われたなら、杯を掲げて応じよう。生命力判定だったな?

GM:うん。連続成功数か連続失敗数を記録する感じで。判定の目標値は13ね。

クラウス:それ、俺だと出目8以上なんだけど。(ダイスを振る)……あ、駄目だ。(ダイスを振る)……やっぱり駄目。(ダイスを振る)……3回目でやっと成功した。

GM:成功数は-2……っと。だったらクラウスは、アリッサの前でボロ負けします。全然余裕なアリッサのペースに付き合って酔い潰されて、地面に転がる羽目になるね。賞品などは出ないし、オレイシャとアリッサの好感度の上昇も1に留まります。

クラウス:……きゅう(笑)。

GM:さっき名前が出たオレイシャや他数名の観客が、潰れたクラウスを他の潰れた参加者と同じように、サカロス神殿の奥の広間に連れてってくれます。死屍累々の雑魚寝状態の部屋だけど。

クラウス:……適度にぶっ倒れてます(笑)。

GM/アリッサ:んじゃ、暫くした所でアリッサがやって来るよ。ほろ酔い加減で調子良さそうだ。 「いやぁ、楽しい宴会でしたね。起きてますか、クラウスさん」 あ、ちなみに宴会終了後にもう一度目標値13で生命力判定をして、失敗したら酔いのせいで抵抗を除く全ての判定に、暫く-2のペナルティがつくようになるよ。

クラウス:それはやべぇ!?(爆笑) 酔っ払ったまま最終イベントとか、笑うに笑えねぇぞ!!(笑)

GM:あー、『6+成功数』時間がそのペナの持続する時間だから、失敗してもクラウスの成功数なら00:00までには酔いは醒めるよ。

クラウス:な、なら大丈夫か。(ダイスを振る)……うわ、案の定失敗した。

GM:じゃあ4時間は二日酔い状態か。クラウス、ちょっと1D6振って貰える? これはシナリオに無い私の悪ノリだけど。

クラウス:……ん?(ダイスを振る)……5だけど。
 

 白状します。GMちょっと悪ノリしました。
 たまたま観客席に居たと言う事で、メルセラ(出目1〜3)かケーテ(出目4〜6)を登場させたかっただけです。
 
 ……結果、クラウスの出目で出現したのはケーテ。
 何でしょうか、私は何かリオスのシナリオを勘違いしているような気がしないでもありませんが、そこは気のせいだと思っておきます。


GM:じゃあ、アリッサと一緒に登場したのはケーテ・マリーンだね。父が参加するのに付き添って来たケーテは、クラウスがアリッサに潰されるのを観客席で見ていたんだそうで。(一同笑)

クラウス:GM、お前それケーテ出したかっただけだろ!?(笑)

GM/ケーテ:うん。だってこの子、街シナリオだと造船所通り以外で出ないから、出しにくいんだもん。 「……あ、居た。……クラウス、大丈夫?」 と、ててててっと駆け寄って三白眼で心配そうに覗き込んで来るケーテ。彼女をここまで案内してきたらしきアリッサが、面白そうな表情でそんなケーテを見てるね。

クラウス:ケーテ、お前どうしてここに……? あと、大丈夫じゃないんで元より低めな声のトーンを更に落として下さいますか、めちゃ響くねん。(一同笑)

GM/ケーテ:「お義父さんが参加してた……主催者のトリーナ様に挑んで潰されたけど」 ちなみにトリーナは、生命力抵抗の連続成功数25回以上で勝てるラスボスです(笑)。

クラウス:なにそれマジ怖い(笑)。……っていうか、ディルクの親方は大丈夫なのか、それ(笑)。

GM/ケーテ:「今、あっちで転がってる」 と、指差す先には赤ら顔で転がって爆睡している親方が。

クラウス:……敗退したけど、その後の酔いが残るかどうかの生命力抵抗には成功したって感じか(笑)。

GM/アリッサ:んで横から、 「……メルセラさんに加えて、昨日のビルジニーさん。そして今日はマリーン・カンパニーの社長の御令嬢ですか。クラウスさん、貴方ってもしかして相当のタラシですか?」 と、杯片手にアリッサは言うね。

クラウス:色々無視して最大の問題に言わせて貰う。お前良いからその杯を仕舞ってくれ……! 酒の匂いだけで吐きそうだ!!(一同笑)

GM/アリッサ:「仕方ないですねぇ。処分しますか」 と、アリッサは杯になみなみと残っていた酒をぐいっと飲み干すよ。 「……ぷっはぁ! いやぁ、処分処分」(一同笑)

クラウス:……げ、元気だなぁこいつ……(笑)。

GM/アリッサ:「貴方が情けないだけです、クラウスさん。……しかし、そのままじゃ辛いでしょう。マリーン・カンパニーの御令嬢。使い走りにして申し訳ないのですが、水を貰って来て頂けますか? クラウスさんに差し上げましょう」 と、アリッサがケーテに言うよ。で、それを聞いたケーテはこくりと頷いて、ててててっと走り去る。

クラウス:……人払いか。

GM/アリッサ:「8割はそうですね。残り2割は、本当に水があった方が良かろうという私の気遣いです。……さて、私に報告する事があるのでしょう? 御令嬢が居ない方がやり易いでしょうから、今のうちにお願いします」
 

 ……と、いうわけで。
 クラウス、シャントの立ち位置と状況、そしてリフェールとの協力に関してアリッサに伝えます。
 アリッサはそれを聞き、思案げな表情で頷きます。

 

GM/アリッサ:「……証拠に関してはそれで大丈夫でしょう。申し訳ありませんがお任せします。……しかし……シャント氏に関してはどうするべきなのでしょう」

クラウス:放置じゃ不味いのか?

GM/アリッサ:「……彼が密輸の事実を看過していたという事は揺るぎませんよ。ですが、話を聞いて改めて確信しました。彼は他に換えの居ない人材です」

クラウス:偏執的なまでの流通・物流にかける情熱……それによって成り立つ、間接的に他国の動きを知り得る情報網、か。

GM/アリッサ:「記者としての私は、この内容を発表すべきだと思っています。ですが、リオス市民としての私はこの情報を伏せるべきだと考えています。……“紫闇の国”や年輪国家アイヤールとの関係……憂慮すべき事が多く、大破局が終わった後のまだ安定していないこの時期……彼の能力は余りに貴重です」

クラウス:……その報道が元でシャントが罷免されて、情報収集能力が低下してこの国が舵取りを間違ったら……結果、大勢の命が失われる。それを考えると、俺はシャントに関しては『秘密の情報提供者』レベルで留めるべきだと思うがね。

GM/アリッサ:「………参考にさせていただきます。もう少し、考えてみますよ。……それでは、マリーンカンパニーの御令嬢とごゆっくり」 と、いうわけでアリッサはこの場から立ち去るね。入れ替わりで水差しを手にしたケーテが、ててててっと走って来る。で、首を傾げながら三白眼で周囲を見回すね。

クラウス:あぁ、アリッサなら帰ったぞ。用事があるそうで。

GM/ケーテ:「……分かった」 と、ケーテは水差しからコップに水を注いで、クラウスに渡すよ。 「……辛そう」

クラウス:頭の中からハンマーで殴られてるみてーな心地だよ。……マジきつい。

GM/ケーテ:「………だったら、こうする」 と、ケーテは寝ているクラウスの枕元に移動して、頭を持ち上げる。で、直後にクラウスは頭の下に柔らかくて温かい感触を感じるね。……ぶっちゃけ膝枕。

クラウス:ぶふぅ!?(爆笑)

GM/ケーテ:「お義父さんが酔い潰れた時に、お義母さんがよくやってあげてる。……こうすれば楽になるんじゃないの?」 と、ケーテは三白眼に疑問げな表情を浮かべて、首を傾げるよ。ついでに、クラウスに風がいくようにパタパタ扇いでくれたり。

クラウス:うわぁ、こいつ無自覚だ……(笑)。 いや、ありがたいと言えばありがたいんだけど……。

GM/ケーテ:「…………あ。子守り歌とか、あった方が嬉しい?」

クラウス:……ご遠慮しておきます。マジ恥ずかしいぞこの状況(笑)。

GM:まぁ、とりあえずここからどうする? サカロス神殿は酔い潰れた人の為にこの場所を解放してくれてるから、休むなら休む事も可能だけど。

クラウス:……んじゃ、一先ず酔いが抜けるまで……4時間か。4時間ほど休憩してから、ここを出るか。

GM:はいはい。親方はラスボスに潰されてるからそう簡単には起きないだろうし……クラウスの酔いが醒めるまで、ケーテは膝枕を続けてくれました。

クラウス:……うわぁ(笑)。
 

※NPC好感度変動
 ケーテ・マリーン:10→14
 アリッサ・マイウォールド:5→6
 オレイシャ・シアルトリ:0→1
 
◆シルバーパール外縁部/二日目 19:00〜24:00◆
 
 で、そんな羞恥プレイの後。
 クラウスは逃げるようにサカロス神殿からシルバーパール外縁部に移動します。
 この時間帯は通りがかりNPCも発生しない倉庫街。
 あと数時間で最終イベントと言う状態で、ここから何かランダムイベントを発生させて消耗する事を恐れたクラウス、移動放棄しつつも、『ランダムイベントを確実に発生させる』という行動は取らず。
 適当にその辺で拾った棒きれと糸、針で作った釣り竿で、倉庫街に面する河に向けて釣りをして時間を潰します。

 

GM:何か釣れたか判定する?

クラウス:縫い針を流用した、返しの無いまっすぐな針にかかる魚が居ればな。

GM:……釣る気無いでしょ、クラウス。
 

 で、そうやって時間を潰して―――00:00。
 最終イベントが発生します。
 
◆最終イベント◆

 

GM/リフェール:では、昼にリフェールと別れた地点に行くと、細身の剣を腰にさして、軽めの鎧を纏ったリフェールが待っているね。 「来たか」

クラウス:悪いな、待たせたか?

GM/リフェール:「いや……問題は無い」 と、リフェールは頷くね。 「手筈は整えてある。件の倉庫の鍵は入手した」

クラウス:……さすが潜入捜査官。

GM/リフェール:「まぁ、明日になれば発覚するだろうが……時既に遅しという奴だ」

クラウス:了解。それじゃ、行くとするか。

GM/リフェール:「……ついでにこの鍵を入手する時に手に入れた情報なのだがな。警備の魔動機械がある可能性が高いらしい。気を付けろよ」

クラウス:……ラジャ。お互い剣士だから、メカ相手は相性よろしくないんだけどなぁ。
 

 と、いう会話の後。
 クラウスとリフェールは目標の倉庫へ押し入りを図ります。
 鍵を開けて突入する直前に、クラウスは自分とリフェールにプロテクションとカウンターマジックとエンチャントウェポンをかけています。

 

GM:……さて、それでは突入すると内部で待ち受けていた魔動機械が襲い掛かって来ます、っと。(ダイスを振る)……背中に大きな動力ユニットを背負った魔動機械が2体だね。

クラウス:(ダイスを振る)……バリンガーか!!

GM/リフェール:「残念だが、こいつらに関しては停止用コードなり何なりという便利な物は用意できなかった。実力で排除するぞ!」 と、リフェールは剣を引き抜いて片方に突っ込むね。

クラウス:となると、俺はこっち……っと。さて、まぁやって見ますかね。 剣を構えて、もう一体のバリンガーに向き合おう。
 

◇VSバリンガー(欠片強化)◇
 
 バリンガーは自分中心の範囲魔法ダメージを与える『放電』を最大の特徴とする4Lv魔動機械です。
 回避も防御も効かないこの攻撃は確かにクラウスに対してある程度有効ですが……抵抗抜いても2D6ダメージと言うのが少々心許ない所です。
 しかも、抵抗はカウンターマジック効果もあって出目4以上で成功。更にはプロテで1点減少される始末です。
 
 クリティカルしない鉄の身体と、欠片補正による高めのHPで粘りますが……。

 

クラウス:(ダイスを振る)エンチャ込み15点、っと。それなりに効いてる筈だが……。

GM:防御力は5点しか無いからね。クラウス、Aランク装備で一定以上の打撃力は確保してるから……うぅ、流石にジリ貧。
 

 毎ラウンド確実に削るのですが、パンチ力に欠けるバリンガー。
 結局一度も抵抗を抜く事無く(一度抵抗を突破しそうになったけど≪運命変転≫で抵抗された)、転がる鉄屑となったのでした……。

 

クラウス:……うーむ、毎ラウンド3,4点コンスタントに削ってくれたな。

GM:逆に言うとそれ以上のダメージは与えられなかったんだけどね……。まぁ、クラウスがバリンガーを倒すと同時に、後ろで鉄材が地面に落ちるような音がします。見ると、リフェールもバリンガーを倒したようだね。最も、結構負傷してるけど。

クラウス:おーいリフェール!? アンタ俺より格上だろ、何やってんだ。

GM/リフェール:「相性が最悪だったんだ。格下だろうと苦戦はする」 と言って、ふらつきながらどうにか立ち上がるよ。冷静に考えてみたらフェンサー相手に『クリティカルしない』『HP高い』『回避関係無しに確実に削る』って相性的には最悪の相手だよね。

クラウス:……仕方ないなぁ。アースヒールをかけてやろう。

GM:んじゃ、それである程度体力の戻ったリフェールは――――

クラウス:(ダイスを振る)……あ、ピンゾロ。(一同爆笑)

GM/リフェール:訂正。一切体力の戻らなかったリフェールは、怪訝そうな目でクラウスを見ます。 「……まるで治っていないのだが……今の呪文はアレか、君の民族に伝わる秘伝のおまじないとかそういう奴か?」(一同笑)

クラウス:……かけ直します(笑)。
 

 改めて治療されたリフェール、手早く倉庫の中を漁り、目的の品を探し当てます。
 発見されたのは大量の武器と、蛮族の国である“紫闇の国”ディルフラム。そこの大物蛮族の署名が入った書類。そして裏帳簿です。
 リフェールは蛮族の署名入りの書類を自分で持ち、裏帳簿をクラウスに渡します。

 

GM/リフェール:「コルニカ・サンガイルにそれを渡せ。彼女ほどの財務官なら、それがあれば十分にタンスモーアを追い詰められるだろう」

クラウス:分かった。……なぁ、リフェール。少し聞いて良いか?

GM/リフェール:「何だ。これからここを出て、この書類を提出せねばならんのでな。手短に頼む。

クラウス:……シャントの件だ。

GM/リフェール:「財務省の知恵兎殿か」

クラウス:あぁ。……軍の方でどこまで掴んでるのか知らんが、今回の一件はあいつが密輸について知った上で放置していたという問題がある。だが同時に、あいつからの証言がこの結果を引き寄せたという見方もできる。

GM/リフェール:「分かっている。無碍にはせんよ」

クラウス:加えて……話して分かった。あのウサギ、間違いなく物流の一点にかけては百年に一度かそれ以上の人材だ。現状みたく持て余すんじゃなく、もっと上手く使え。……なんてな、まぁ、一介の冒険者の戯言と思って聞き流せ。

GM/リフェール:「……いや、一考の余地がある。報告書に書き加えておこう。それでは今度こそさらばだ、クラウス」 他に何もなければ、リフェールはとっととこの場を去るね。

クラウス:……んーじゃ、俺も冒険者の店に戻ってアリッサとコルニカを待ちますかね。流石に眠いぜ。
 

※NPC好感度変動
 リフェール・バーク:1→4

◆エンディング◆
 
 さて、深夜につきNPC遭遇もランダムイベントも無く、冒険者の店まで帰りついたクラウス。
 翌朝、やって来たコルニカとアリッサに裏帳簿を手渡します。
 コルニカは『これがあれば追い詰められる』と喜び、感謝の言葉をクラウスに告げますが……。

 

GM/アリッサ:「……むぅ……」 と、アリッサは難しい顔をしたままだね。

クラウス:……真実を求める新聞記者として、どうすれば良いか悩んでる……って顔だな。

GM/アリッサ:「まぁ……そうですね。仰る通りです。主にシャント氏をどうすべきか、という所ですね」

クラウス:シャントが罷免された時のリスクは分かってるんだよな?

GM/アリッサ:「そうですね、理解してます……」 と、言いつつもそれでも悩んでいる顔のアリッサだね。

クラウス:……溜息をついて、アリッサの前に店で頼んだ酒をドンと置くか。

GM/アリッサ:「……クラウスさん?」

クラウス:酒といふ者は呑む可し、飲む可し。人生で心を開くのは、只酒があるばかり也。……お前が言ってた言葉だけどな。こうして美味い酒を飲めるような日々を俺達が送れているのは、間違いなくシャントの功績でもあるんだ。ここは一つ、この酒に免じてシャントの名前を出すのは勘弁してやろうぜ。

GM/アリッサ:じゃあ、その言葉を聞いたアリッサは虚を突かれたような表情で暫く黙った後、苦笑しながら酒が入ったグラスを握るね。 「……物品に免じてというそれは、一種の買収ですね」

クラウス:怒るか?

GM/アリッサ:「いえ。――――まぁ、そうですね。」 と、何かをふっ切ったように呟いて……アリッサはその酒をぐいっと飲み干す。 「酔いの中での快楽を他の人は分かろうとしない。大地を褥(しとね)とし、天を衣としていこう。―――はてさて、誰が詠った詩なのかは忘れましたが、その方は酒の良さを良く分かっておられる。……この美味い酒に免じて、今回はクラウスさんの言う通り、シャント氏を糾弾するのは止めておきますよ」

クラウス:……そりゃ良かった。まぁ、それは俺の奢りだから味わって飲んでくれ。

GM/アリッサ:「ついでです。つまみも頼んでしまって構いませんね?」 などとアリッサが嘯いた所で、今回のシナリオは終了だね。

クラウス:……アリッサとシャントのキャラが立ったなぁ(笑)。

GM:シャントは割と元のままなんだけど、アリッサは果たしてどこに行くのか。ともあれこの後程無くして、『壁新聞による一般市民達への暴露』、『財務省からの告発』、『軍からの強制捜査』というデスコンボが炸裂。タンスモーア商会の首脳陣は逮捕され、蛮族への密輸出ルートを潰す為に更に鋭い捜査のメスが入って行く事でしょう。……ちなみにそれでワリ食ったのがクロンハートだね。

クラウス:……なんで?

GM:内部告発に協力して、上層部が一掃された所で商会を掌握して独立……ってのがクロンハートがアリッサ達に協力した目論見だったんだけど、壁新聞と財務省に加えて軍までタンスモーア商会に打撃を加えた結果、上層部一掃どころか商会としての体裁を保つ事すら難しくなって……独立した後にそれを維持するだけの組織体力が残らなかったという悲劇。(一同笑)

クラウス:うわぁ、報われねぇ!(笑)

GM:……結局タンスモーア商会の店舗や従業員は別の商家が買い取り、クロンハートはそこで番頭として働く事になったようだね。実際問題、野心が強すぎるけど優秀な男だから重用はされてるみたい。また何か画策してる可能性は否めないけど。

クラウス:まぁ、頑張れとしか言えねぇよそこは(笑)。

GM:で、コルニカは自分の仕事が完遂出来て、至極御機嫌だね。アリッサは壁新聞において今回の件を告発する時に、シャントの名前は出さずに『官僚の中に不正取引を看過している者がいることを憂慮する』といった旨の文章を入れるに留まった感じ。んで、そのシャントからは後日手紙が届く。

クラウス:……シャントから?

GM:平たく言うと、アリッサは壁新聞を出した後に、シャントに対して『不正取引は不正取引だから、それを看過するような真似はしないでくれ』といった旨の文言を送ったらしいんだよね。それを聞いた際に、シャントはクラウスがアリッサが壁新聞にシャントの名前を載せるのを止めるように後押ししたという事を聞いたらしく、それに対するお礼の文章。

クラウス:……律儀な。

GM/手紙:『確かに軍部からも内密に抗議の文章が来た。「物流を把握するのは良いが、不味い物が混ざっていたらこちらに情報を流してくれ」みたいな内容でな。……多少面倒だが、物流に最も関われる財務省の官僚と言う立場を失うのは確かに惜しい。面倒だが、集めた情報を財務省の他の役人や、軍部とも共有する努力をしてみようと思う。何にせよ、罷免されてしまっていてはそれも為せない所だった。君の取りなしに感謝を』 と、彼らしい虚飾を排した文体で、そう書かれて手紙は終わっています。

クラウス:じゃあ、それを満足げに見終わった所で……シナリオ終了、か。

GM:そだね。それじゃ、経験点と報酬を配るよー。
 

※NPC好感度変動
 アリッサ・マイウォールド:6→9
 コルニカ・サンガイル:1→2
 クロンハート:9→10
 シャント・カロットフェスト:1→7
 
 獲得経験点:1170点
 獲得名誉点:26点(かけら7つ)

 

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