これはTRPGサークル竜鳴艦で行われた、公式ワールドガイド『リオス』のPC一人でGMアリのプレイのプレイレポとリプレイの合いの子のよーな存在です。
 まぁ、お気軽〜に読んでくださいな。そのくらいの読み物です故。
 あ、ちなみに文章はわたくし、プリステア・シークスフィスト並びにトリーシャ・アールクラフトのPLが担当させて頂きます。
 いつもの零時さんの編集に似せるようにしましたけど、違和感があったら申し訳ありません。
 

◆PC紹介◆
 
名前:クラウス・ビーダーシュタット
種族:人間 性別:男 年齢:23 生まれ:冒険者
身長:185cm 体重:66kg 髪の色:銀
経歴:家族に冒険者がいる 有名人の友人がいる 育ての親に拾われた
能力値ダイス:技8 体9 心10 A8 B7 C9 D8 E6 F8
最終能力値:器用度16 敏捷度15 筋力18 生命力17 知力16 精神力18
保有経験点:0
合計名誉点:0
保有名誉点:0
HP:20 MP:21
冒険者技能:ファイター1 コンジャラー1 スカウト1 セージ1
一般技能:マーチャント5 ハンター5
戦闘特技:防具習熟/非金属鎧
武器:発動体バスタードソード
防具:ソフトレザー
所持品:冒険者セット スカウト用ツール
所持金:190
 
 元々捨て子であったという、人間の青年です。冒険者であった父に拾われ、男手一つで育て上げられました。
 普段は街の外で新米狩人として獣を狩り、それを売って生活しています。
 冒険者としての仕事は、現状では副業です。
 経歴で『有名人の友人が居る』と出た為、友人ではありませんが父と懇意であるジョーイ・リックベイン(NPC番号20)には昔から世話になっており、気に掛けられています。(※ GM判断で、NPC好感度が最初から10点あるものとして扱っています)
 全体に高い能力値を持ち、戦闘時は頼りになる前衛です。
 PLはロイド・クラリクロイツの中の人です。
 

◆準備ですよ◆
 

GM:さて、それじゃー導入ね。一応一回は読んで来たけど、色々ミスが出るのは許せ。……えと、物語はPCの所属する冒険者の店から始まります。というわけで、基本は狩人でパートタイム冒険者をやっているクラウスはどっちの冒険者の店がいい? 遺跡情報に強いけど大雑把な『二本目の蜘蛛の手亭』かトラブルシューター的な役割の冒険者が多いけど店の意匠が下品な『黄金への誘い亭』があるけど。

クラウス:まぁ、その二つだったら『黄金への誘い亭』か。

GM:では、ゴールドコースト中央にマーカーを配置します。……マーカーを配置します。……マーカーをご用意下さい。(一同笑)

クラウス:……もうこの消しゴムで良いよ(笑)。
 

 突発だったので、処理が雑なのもご愛敬ということでひとつ。
 ルールブック読み込み時間は一晩でした。半分以上はNPC見てました。
 
 さて、リオスワールドガイド付属のシナリオは何度でも遊べるランダム性の高いシナリオを扱った物であり、雰囲気としてはミストキャッスルやフェアリーガーデンに近い物です。
 シナリオ1は今名前が出た『ゴールドコースト中央』など、幾つもの区画で作られた街を巡りながらの冒険がメインとなります。
 
 シナリオソースとして提示されているメインの依頼は8種類。
 今回はその中の『杯の毒』を選択しました。

 

GM:―――では、現在は夕方の18:00。狩人としての仕事を終えて、街にてその獲物を売り払った後。その稼いだお金で『黄金への誘い亭』で食事をしていたクラウスを、店のマスターが呼ぶ所から話は始まる、っと。マスターは一人の青年を紹介するね。どうやら彼が依頼人のようです。

クラウス:……あ、ども。 まぁ、とりあえず頭を下げて席に座るように促そうか。俺一人に依頼するようだから、大した用事じゃないだろうけど。

GM:ちなみに知ってても良いかな。彼は結構な有名人です。“放蕩の次男坊”ブレット・ベラミー(NPC番号26)。“不動産王”バイロン・ベラミー(NPC番号25)の次男坊にして、素行が悪く仕事もせずに飲み歩いてばかりの青年です。美男子なのが救いかな?

クラウス:厄介事の予感! だが、どっかのアノール家の次男坊を思い出す設定だな。だとすれば超有能キャラか?(笑)

GM/ブレット:いや、そんな設定は無い、無い筈(笑)。ともあれブレットはクラウスに会釈して、椅子に座って話を始めます。 「悪いね、冒険者君。僕の依頼を受けてくれると聞いたんだが……」 ふっ、と口にバラを咥えながらブレット。(一同爆笑)

クラウス:バラ!?(爆笑)

GM:ちょっと特徴を出してみました。

クラウス:というか、どうやって咥えながら声出してるんだろうな。

GM:世には刀を口に咥えて普通に会話する海賊も居る。いける!(一同笑)

クラウス:……まぁ、それ以上は突っ込まんが(笑)。で、依頼との事ですが内容は?

GM:はいはい。んじゃま、内容的にはこんな感じです。
 

▽依頼内容▽
・財布を盗った犯人を見付け、捕らえて欲しい。
 
 数日前の宵の口、ブレットはヴェーラ島の洒落た酒場で飲んでいたのだが、その日に限って酒豪の自分が最初の一杯を飲んでからの記憶が無く、いつの間にやらアルトゥール島北部にある自分の定宿に帰って来ていて、愛用の財布が懐に無かった。
 その酒場と自分の宿の両方で訪ねてみたが、当時の自分の行動に余り不審は無かったらしい。
 ただ、酒場では女連れだったと言われたが、記憶に無い。宿には夜明け前に千鳥足で一人だけ帰って来たらしい。が、『いつもの事』と思われ放置されたそうだ。
 財布はエルバンシィ・ブランドの高級品。中身はそれなりに入っていたが、冒険者を雇ってまで取り返す額かは微妙。ただ、不審な点があり過ぎて気持ち悪いので、原因究明と犯人の捕縛を願いたい。

 

クラウス:……財布目的で薬でも盛られたんじゃね、その女に。

GM/ブレット:「あー、その可能性は考えたけどね。そうだったらそうだったで、やられっ放しと言うのも何と言うかアレだし」

クラウス:まぁ、分からんでもないか。分かった、調べるだけ調べてみる。……つっても、頼む相手が駆け出しって事は……。

GM/ブレット:「不審な点があり過ぎて気持ち悪いのは事実だけど、腕利きを雇うと流石に洒落にならない金額がね。……おっと、すまない。君の事を悪く言うつもりは無いんだが」 と、ブレットは肩を竦めます。

クラウス:別に駆け出しなのは事実だし。……あー、まぁ、事情は理解した。分かった、とりあえずそれで請けよう。

GM:はい。あ、ちなみにこの辺、このシナリオはシステマティックに交渉の余地も無く決定されるから。パーティーの平均レベルは1だから、一人頭200が提示されるよ。

クラウス:OK。……それじゃ、調査を開始するか。

GM:はいはい。で、システム的なお話だけど。このシナリオの刻限は48時間後。現在時刻は18:00なので、明後日の18:00がタイムリミットとなるね。それまでに最終イベントを発生させないとシナリオ失敗となります。

クラウス:流石、ミストキャッスルやフェアリーガーデンと同系列。システマティックだな。

GM:一人プレイも可能なシナリオだからね。そうならざるを得ない部分もあるんじゃないかな。

クラウス:まぁ、話は分かった。ヴェーラ島とアルトゥール島北部が調査ポイントだな。……アルトゥール北部へは一回の移動で行けるか。

GM:アルトゥール島北部は、ラスベートの街最大の歓楽街。南部は最大の港がある地区だね。どっちも治安はかなり悪いです。前者は普通に犯罪が多いし、後者は水夫を中心に気の荒い人が多い的な意味で。北部は煌々と魔動機文明期に作られた街灯が灯っているのが名物かな。

クラウス:眠らない歓楽街、か。まぁ、そっちから行こう。

GM:おっけー。それじゃ……。
 

◆アルトゥール島北部/初日 18:00〜19:00◆
 
 ラスベートでの冒険は、『区画から区画への移動』→『ランダムイベント、ミッションイベントの発生』→『時間経過(基本1時間)』の繰り返しとなります。
 また、その際にリオスワールドツアー最大の売りである、100人のNPCのうちの誰かと遭遇する可能性があります。出て来るNPCは区画・時間帯ごとにある程度設定されており、その中からランダムで決定します。
 会ったNPCとの間には好感度設定が設けられ、繰り返しシナリオを遊んで行くうちに、そのNPC達との繋がりは深まって行きます。

 

GM:えーと、それじゃ移動先のアルトゥール島北部で遭遇するNPCを決定しよか。(ダイスを振る)……トンミ・モグバード(NPC番号70)。民営郵便の配達員の青年だね。種族は人間。地理に明るい人材だそうで。

クラウス:俺からすれば、『あ、郵便の兄ちゃんだ』程度だな(笑)。軽く会釈して、情報収集か。

GM:まぁ、情報収集……ブレットが定宿としている宿屋に話を聞きに行ったら、たまたま配達に来たトンミと鉢合わせしたって感じかな。先に情報収集についてだけ言うけど、従業員は聞かれたら質問に答えてくれます。とは言え、ブレット自身も聞いて回っていたので、目新しい情報は殆ど無いけどね。
 

 宿の従業員からは、ブレットからの情報通り『ブレットは夜明け前になって千鳥足で帰って来た』という事が聞き出せます。
 それ自体は良くあることであり、その時は別段気にしなかったとの事。
 ……ただ、言われてみれば酔っていたにしろ、平素に比べて返事がどことなく上の空だったかという気はするそうです。

 

GM/トンミ:で、そんな会話をしていると横で別の従業員に宿宛ての手紙を渡していたトンミが首を傾げます。 「あの放蕩息子、今度は何をやったんだい?」

クラウス:んや、俺らはその放蕩息子に雇われた冒険者でな。どうやら今の話に出た日に、財布を誰かに盗られたらしいんだ。不審な点があるんで調べて欲しいんだとさ。

GM/トンミ:「はー、そりゃ御苦労さんだね冒険者さん達」 NPCからのランダム依頼も発生しなかったんで、トンミからはこんな所かな。情報が聞けるイベントも、現状ではこんな所。

クラウス:となると、ヴェーラ島に移動した方が良さそうだな。飲んでた店がある筈……。

GM:はいはい。では、時刻を進めて19:00になって、ヴェーラ島でーっす。
 

※NPC好感度変動
 トンミ・モグバード:0→1
 

◆ヴェーラ島/初日 19:00〜20:00◆
 

GM:ヴェーラ島は落ち付いた雰囲気の綺麗な街並みが広がる、治安の良い区域です。オープンテラスの飲食店や、広大なサカロス神殿、そして国会議事堂なんかが名物かな。ここに来ると……(ダイスを振る)メルセラ・クレサンス嬢(NPC番号42)か名門紫露草女学院の経営者の娘で生徒会長をやってる、プライドの高いお嬢様がお食事中。

クラウス:あぁ、この辺は洒落た飲食店が多いんだっけ。

GM:うん。どうやらブレットが飲んでいた『海の風亭』はお食事も美味しいようで。聞き込みに行くとそこで食事をしているメルセラが居るわけだ。従業員に話を聞いていると、騒動があれば首を突っ込まずにはいられないメルセラが横から口を挟んで来ます。

GM/メルセラ:「あら、その男なら私が先日食事をしていた時にも見ましたわよ。その日、同じ時の筈ですわ。……確か、その男が食事を始めてから程無く一人の女性が相席した筈です」 と、その言葉を聞いて従業員が『ブレットは女好きの放蕩息子で知られているから、それを当て込んで女の方から粉をかけに行ったのかもしれない』と補足します。で、メルセラのその後の話と従業員の発言を参考に情報を纏めるとこんな感じかな。
 

 酒豪でしられるブレットですが、何故かこの日ばかりは女性と酒を飲み始めるや否やへべれけになってしまいました。
 その後、二人はすぐに連れだって店を出て、アルトゥール島方面へ向かいました。

 

クラウス:おぉ、それは助かる。聞けばその女性の詳細な外見も教えてくれる?

GM:くれる。『これこれこーゆー外見の若い女性』って感じで。

クラウス:OK。お礼として従業員の兄ちゃんに10ガメルほどチップとして握らせよう。それと追加で10ガメル。これでこっちの親切なお嬢さんに、デザートか飲み物でも頼むわ。

GM/従業員:「毎度」 と、従業員はほくほく顔で去って行くかな。で、NPCミッションが1/6の確率で発生した。

クラウス:NPCミッション?

GM/メルセラ:NPCと遭遇した時、低確率で何か軽い頼みごとをされる場合があるの。PC側から『何か無い?』って聞けば、半々で。で、メルセラはデザートと飲み物に対して礼を口にした上で、君に改めて話し掛けます。 「失礼、貴方は冒険者ですわね?」

クラウス:まぁ、一応。

GM/メルセラ:「それでは、一つ依頼を頼まれてくれないかしら? コラーロサイド街区中央部まで、護衛を依頼したいのですわ」

クラウス:……護衛? 何だ、何かあるのか?

GM:この辺、ランダムシナリオだから多少の不自然は享受しないといけないんだけどね。超良いトコのお嬢様が、こんな時間から宿屋街に護衛依頼……やっぱり余計な事に首を突っ込む悪癖かな。学校の関係で、講演に来た偉い人が忘れ物をして、それを知ったメルセラが『私が届けて来ますわ』と決めたとか。

クラウス:そして届け先である偉い人の逗留場所を探している内に、こんな時間になった(笑)。

GM:そうそう(笑)。で、ここら辺で聞き込みをした結果、コラーロサイド街区中央の宿に泊まっていると分かったけど、流石にお嬢様である自分が今から独り歩きをするのはアレだと(笑)。自信過剰なこの子だけど、丁度良い冒険者が目の前に来たのでついでに頼んでしまおうって感じで。

クラウス:制限時間とか、あるのか?

GM:(ダイスを振る)……んーと、6時間。

クラウス:今から6時間となると、殆ど深夜、夜中だな。

GM/メルセラ:「宿の従業員にでも、忘れ物を預ければ良いでしょう。それくらいまでに終われば、寮に戻ってから翌朝の講義開始までに5時間は寝れますわ」(一同笑)

クラウス:ハードスケジュールだなぁ……まぁ良いけど(笑)。分かった、そういう事なら請けよう。時間が時間だし、俺もコラーロサイドの宿屋街に行くついでに、そこで宿を取った方が良いだろうしな。続きの調査は明日と言う事で。

GM/メルセラ:「決まりですわね。それでは、行きますわよ!」 と、従業員が持って来たクラウスの奢りのデザートをぺろりと平らげてから、メルセラは景気良く音頭を取って歩きだすよ。

クラウス:……元気だなぁ(笑)。
 

◆シルバーパール外縁/初日 20:00〜21:00◆
 
 職人街兼倉庫街であるシルバーパールの外縁部は、この時間は人通りが殆どありません。
 NPC遭遇もランダムイベントも何も無く、通過となります。
 
◆造船所通り/初日 21:00〜22:00◆
 
 川沿いに造船場が立ち並ぶこの区画も、夜は静かな街区です。
 何事も無く通過と相成ります。
 
◆中央広場/初日 22:00〜23:00◆
 
 この街区は常設された街灯と対岸のアルトゥール島北部からの灯りに照らされて、夜遅くまで動いている観光区画です。
 そこにやって来たPC+護衛対象の前に、タワーブリッジ(4つの塔とそれを結ぶ橋で構成された大きな建造物。3つの塔がある対岸側の方は、無駄に複雑な構造をしている)の前の人だかり……。

 

GM:どうやら、タワーブリッジの中に入った子供がこんな時間になっても出て来ていないとか。野次馬をしていたルーンフォークの男性が教えてくれるよ。NPC番号30、クロンハート氏。長年商家に仕えていたけど暖簾分けがいつまで経っても認められず、ついには乗っ取り工作を開始したお茶目さんです。

クラウス:……それは、お茶目で済ませていいのか?(笑)

GM/クロンハート:「うぅむ……通りがかったのだが、この状況が続くと些か帰り難いな」 と呟くクロンハート。しかしその声を聞いて、横合いから口を挟む影が!

GM/メルセラ:「お任せ下さいませ! このような事件、見逃しては“完璧なる乙女”の名が廃りますわ!」 と、メルセラが胸を叩いて安請け合い。(一同笑)

クラウス:うっわぁ、こいつ面倒臭ぇ!!(笑)

GM:親切な人達が、無闇に複雑な対岸塔の中を探索して回っているようですが……メルセラは腕まくりして、その一団に加わろうとします(笑)。

クラウス:……仕方ない、手伝うか(笑)。何か判定でもあるのか?

GM:では、タワーブリッジ内に入り目標値B……この場合、目標値9で地図製作判定を行って貰う形になるね。

クラウス:じゃあ、メルセラの後ろについて歩いて行こう。そうしながら地図作成判定で―――(ダイスを振る)10!

GM:お見事。では、構造から子供が行きそうな区画を予想して探して歩き、どうにかその子供を発見します。

クラウス:じゃあ、複雑怪奇な通路を歩んだ先の小部屋の中で発見した寝ている子供を見て、呆れたような声を出そう(笑)。 ……寝てやがる。将来大物になるな、こいつ(笑)。

GM/メルセラ:「あらあらまぁまぁ。お手柄ですわね」 途中から地図を付けているクラウスの後ろを歩いてたメルセラが、子供を発見した事を称賛する。で、外に出て子供を然るべき所に預けた所で、結局待ってたらしいクロンハートがパチパチと拍手をするよ。

GM/クロンハート:「やるじゃないか、二人とも。正直、これ以上長引くようならば私も捜索隊に入ろうかと思っていた所だぞ」

クラウス:そりゃどうも。今まで待ってたのか、アンタ。

GM/クロンハート:「帰らねばならないとは分かっていても、気にはなってな。さて、それでは失礼する」 ……と言うわけで、イベント成功。イベントに関わったNPCからの好感度が+1D6されます。

クラウス:メルセラも?

GM:メルセラも。
 

※NPC好感度変動
 クロンハート:0→4
 メルセラ・クレサンス:0→3
 

◆コラーロサイド中央/初日 23:00〜24:00◆
 
 コラーロ河と、それに並走するコラーロサイド・ストリートに面する一帯です。
 宿屋街と高級住宅街に別れていますが、PC達が関わる場合宿屋関係の方が多いでしょう。

 

GM/メルセラ:それじゃ、この街区に来てすぐに、メルセラは懐から出したメモを頼りに学校に来た講演者の泊まっている宿を発見したようです。 「あった! あそこですわね」 と、嬉しそうに駆け出してみたり。

クラウス:おーい、依頼人!?(笑) ……まぁ良いや、宿の前で待ってよう。

GM/メルセラ:では程無くして忘れ物を届け終わったらしいメルセラが満足げに出てきます。 「あら、クラウス。どうしたんですの?」

クラウス:いや、依頼人の用事の終了を確認するまでが仕事だからな。そっちは上手くいったみたいで何よりだ。

GM/メルセラ:「ええ、お陰さまで。……あ、報酬も忘れてましたわね。それではこれ、少ないですけどお礼ですわ」 と、鞄から何かを出そうとするけど……宝物決定表Aで振ってみて。2D6を、次に1D6を。

クラウス:はいはい。じゃ、3の……1か。
 

 ミッションを受けたNPCからの報酬や、イベントで手に入る宝の中には『宝物決定表』で品物を決定する物があります。
 この場合、出目次第で予想以上に良い報酬だったり、逆にショボい報酬だったりと色々です。
 ……そして出目が低い方が、悪い報酬なので―――

 

GM:……メルセラは、報酬に支払えそうなのが裁縫で使うような薄い布(売却価格10G)しか無い事に気付いて顔を真っ青にします。多分財布の中も殆ど空っぽか、財布自体中央広場での子供捜索の時に落とした。(一同笑)

クラウス:余計な現金を持ち歩かない主義なのは、個人的には好感が持てる。だがそれにしても、もう少し何か持ち歩け、お嬢様ッ!!(笑) ……あー、仕方ない。殆どついでだったしコレで良いよ。性質の悪い冒険者とかだったら逆上したりする可能性もあるから、次から依頼する前に手持ちを調べろよ?

GM/メルセラ:「ぐむっ……」 と、メルセラは口ごもる。……いやー、ランダムの結果だし大した手間じゃない用事だったとはいえ、流石にお嬢様からの報酬がこれは無いわー(笑)。

クラウス:つーわけで解散。俺は適当な宿を取って休むが……あぁ、そっちは家まで大丈夫か?

GM/メルセラ:「多少の護身の心得程度はありますし、ここから家までは近いですもの」 と、メルセラは胸を張ります。 「……借り一つ、と思っておきますわ」

クラウス:ンなもん借りるな、面倒臭ぇ。 パタパタ手を振って、宿探しに行くか。……依頼完了かな?

GM:だね。メルセラからの好感度が1D6上がって、報酬に薄い布が貰えます。

クラウス:……宿代にもならんな(笑)。まぁ、30Gほど払って適当な宿に泊まる。6時間ぐっすり寝て、それから再度行動開始だな。次は……南アルトゥール島か。
 
※NPC好感度変動
 メルセラ・クレサンス:3→7
 

◆中央広場/二日目 6:00〜7:00◆
 
 さて、一晩休んで翌朝。
 クラウスは中央広場を通って、アルトゥール島の南部へ移動を開始します。
 なお、ランダムイベントは発生せず。
 好奇心旺盛なタビットの子供、アニニス・ポルクレ(NPC番号58)と遭遇し、成り行きで2,3会話。顔見知りになります。
 
※NPC好感度変動
 アニニス・ポルクレ:0→1
 

◆ゴールドコースト中央/二日目 7:00〜8:00◆
 
 賑やかなマーケットのある区画で、クラウスの所属する『黄金への誘い亭』がある地域です。
 雑多な下町と考えれば間違っていないでしょう。
 
 さて、ここに来た所でランダムイベントが発生します。

 

GM:通りをアルトゥール島に向けて歩いていると、すぐ傍の路地の入り口辺りで悲鳴が聞こえる。見やると、郵便屋のトンミが路地裏を見て顔を青くしているね。

クラウス:……何だ、郵便屋の兄ちゃんか。どうしたんだ? えーと、俺も覗き込んで見るけど。

GM/トンミ:うん。では、路地裏に死体が転がっているのが見えます。血だまりの中に沈んでいて、明らかに死んでいると分かるかな。 「うわぁ……し、神殿か国軍に連絡した方が良いのかな」

クラウス:何だこりゃ、事件か? ……ま、放置も出来ないか。えーと、ここから近いそういう所ってどこだ? あと、人呼んだ方がいいのか?

GM:まぁ、そんな会話をしていると。―――クラウス、視界の中で死体が動いたような気がするよ。

クラウス:……トンミを押しのけて、後ろに庇います。

GM:お、良い読み。その読みの通り、死体がゆっくりと起き上がった所です。……アンデットだね。

クラウス:……死体が自然発生的にアンデット化したのか?

GM:かもねー。(ダイスを振って出現敵決定)……データ的にはスケルトンなんだけど、さっき血だまりの中に沈んでたって言っちゃったからなぁ。スケルトン相当の動く死体です。(一同笑)

クラウス:まぁ、それならそれで構わん(笑)。 ―――郵便屋、危ないから下がってろ!!
 

◇VSスケルトン相当の死体◇
 
 さて、クラウスの初戦闘です。
 敵はこのイベントの指示通り、剣の欠片で強化されているスケルトン。
 しかし、剣の欠片で強化されているとはいえスケルトン(※Lv1)。
 更にはこれまたイベントの指示通り、このイベントで出るアンデットは守りの剣の影響で弱体化しています。(毎ラウンド振る影響表によっては部分的に強化される事もありますが)
 結果―――1Lv戦士としては並程度のスペックはあるクラウス。一撃だけ攻撃を食らうも、4ラウンド目に撃破に成功したのでした。

 

クラウス:おし、片付いた。剣の欠片も出るのか。

GM/トンミ:「凄いな、流石冒険者。……えと、それじゃあ改めて軍の人とかを呼んできた方が良いかな」

クラウス:頼む。……はー、疲れた。
 

 結局、事後処理(死人の身元確認など)は軍に任せて、クラウスは戦利品を貰ってその場を後にしたのでした。
 
※NPC好感度変動
 トンミ・モグバード:1→4
 

◆アルトゥール島南/二日目 8:00〜9:00◆
 
 アルトゥール島の南部はラスベート最大の港があり、港湾施設が立ち並んでいます。
 倉庫、並びに商談の為の出張所、魚市場などが主要な施設でしょうか。
 
 そこに情報を求めてやって来たクラウス、出会ったNPCは投機性の高い商売を好む貿易商人、ステファノ・ランコントル(NPC番号:28)。
 聞き込みの中で偶然彼に話を聞いたところ、『自分は知らないが、ブレットを見た者が居た』という情報を得る事が出来ました。
 ついでにNPCミッションが発生。 

 

GM/ステファノ:で、その情報を話したステファノは、 「ついでだ。その情報と交換という事で、北アルトゥールに行って、私の名義で酒場の貸し切り予約をしていてくれないか? 仕事を頼んでいた商船が先ごろ帰って来てな。彼らを労ってやりたいんだ」

クラウス:……話してから『その情報と交換』って卑怯だよね。(一同笑)

GM:まぁ、NPCミッションだから断っても良いけど? NPCミッション『調査』です。目的地に行って戻ってくるだけのミッション。

クラウス:まぁ、近い……というか、隣だし断るほどの理由も無い。時間もまだまだ余裕あるだろうし、ちょっと行って来る。

GM/ステファノ:「綺麗なお姉ちゃんを一杯呼んでおくように頼む。出来ればバインバインの」(一同笑)

クラウス:それ絶対、船員云々よりもアンタの趣味だろ(笑)。
 
※NPC好感度変動
 ステファノ・ランコントル:0→1
 

◆アルトゥール島北/二日目 9:00〜10:00◆
 
 投機的商人ステファノ・ランコントルになんか詐欺に近い論法で用事を頼まれたクラウス。
 そこで向かったアルトゥール北で、なんか脱税の調査をしていた財務官のドワーフのお嬢さん(コルニカ・サンガイル。NPC番号12)と遭遇。
 イベントは発生し無かったので、調査中の彼女から聞き込みをされただけで別れますが。
 
 そして、ステファノの依頼通りに酒場を予約したクラウス。
 特にこの場に用事は無いので、アルトゥール南にそのまま帰ります。
 
※NPC好感度変動
 コルニカ・サンガイル:0→1
 
◆アルトゥール島南/二日目 10:00〜11:00◆
 
 そしてアルトゥール南に戻ったクラウス。
 ステファノに予約して来た店の名前を教え、スキップしながら去って行くステファノから『港湾作業員がブレットについて知っていたよ』という情報を貰います。
 好感度が最大値(6点)上がった事と報酬がやたら高価だった(メイシャの羽飾り。8200G。ありえん)事から、ステファノは酒場のおねーちゃんを楽しみにしているエロ親父という事にこの卓では決定しました。
 っていうか市場価格8200て。店に売り払っても4100なんですけど。ブレットからの報酬の20倍越えてるんですけど。

 

クラウス:……エロ親父パネェ。

GM:……こんな仕事でここまでの報酬が出るとは。ランダムだから運次第なんだけど、これは凄い。

クラウス:まぁ、エロ親父がどこでどう散財しても俺には関係無いか。GM、話に聞いた港湾作業員の所に向かうぞ。

GM:はいはい。
 

 港湾作業員から話を聞くと、当日の深夜にブレットと連れの女性を見たという情報が得られます。
 女性の外見は、ヴェーラ島で聞いた情報とも合致。
 二人はボートを使い、沖合に停泊された商船に向かったとの事です。
 港湾作業員は変わった逢引だなぁとしか思わなかったそうですが。
 ちなみにその商船は、未だ停泊しています。

 

クラウス:ふーむ、その商船に踏み込んだ方がいいのか? 許可とか取らないと不味くね?

GM:うーん、そうなるか。ぶっちゃけるけど、その船に乗り込むのが想定された最終イベントなんだよね。だから乗り込んでくれないとミッション終わらないんだけど。ちなみに船舶の船籍とかは港で調べても確認できないよ。

クラウス:……それは何か怪しいな。良し分かった、『乗り込め』という天(GM)の声も聞こえたし、乗り込んでみるか。……どうやって乗り込めば良いんだ?(笑)

GM:港湾でボートは無料で貸して貰えるよ。

クラウス:分かった、じゃあそれで!! ……の、前に買い物をして装備を整えておくか。買い物ってどこで出来るんだ?

GM:……んー、何箇所かありそうだけど……一番近いのはゴールドコースト中央かな。マーケットのある下町だし。

クラウス:良し来た。
 

◆ゴールドコースト中央/二日目 11:00〜12:00◆
 
 と、いうわけで。
 (私の見落としでなければ)リオスワールドガイドにはラスベートシナリオでの買い物可能箇所は載ってなかった筈なので、適当に決定した結果ゴールドコースト中央に出張って貰いました。
 
 その結果、発生したランダムイベントは『スリ』。
 NPCがスリに遭い掛けているのを発見し、そのスリを捕まえる(或いは取り逃がしてしまう)イベントです。
 が―――遭遇したNPCはなんと、今回三度目の登場になる郵便屋のトンミ。

 

クラウス:(ダイスを振る)……判定は成功。トンミの懐から財布を抜いたスリの腕を掴んで捻り上げる。 よう、郵便屋さん。また会ったな。ついでに言うと、脇が甘いぞ。

GM/トンミ:「あれ? 冒険者さん、その人は一体……って、それ俺の財布!?」 というわけでスリを捕まえてトンミに感謝されたんだけど……何このランダムNPCのトンミ率(笑)。

クラウス:……よくよく縁があるな(笑)。まぁ、それは良い。 おーい、周囲の人たち。この男、スリだぞ。誰か神官戦士か軍か警備兵を呼んでくれ!
 

 そんなこんなで、何故かやたら遭遇率の高い郵便屋の青年、トンミとの三度目の邂逅は終了。
 トンミからの好感度がいい加減かなり高くなりつつ、メイシャの羽飾りを売り払って装備を整えるクラウス。
 ボーンベストとカイトシールド、器用度増強の腕輪、そして技能無しですが回復用にヒーリングポーションを購入しておりました。
 レベルの割にはやたら装備が整って来ています。主にステファノのせいで。
 

※NPC好感度変動
 トンミ・モグバード:4→8
 
◆アルトゥール島南/二日目 12:00〜13:00◆
 
 そして装備を整え終わったクラウス、ボートを借りて件の商船に乗り込みます。
 しかし、船を調べようと思った矢先に船の中から一人の女性が現れます。
 あ、ブレットと一緒にいたと目撃情報にあった人だ。そう思ったのも束の間……。

 

GM/女性:「くっ、その格好……冒険者か! 我らの悲願の邪魔はさせん!」 と叫んで、女性は弓を手に襲いかかって来ます。見ると、弓の装飾に妙な意匠が凝らされているのが分かるかな。

クラウス:うわっ、何だってんだ!? 財布泥棒から何がどうなって……! えーと、GM。その意匠って分かる?

GM:大丈夫としましょ。小さな四角い金属片を、対角線を境にして黒白二色に塗り分けたもので……テメリオ神官の聖印です。第二の剣の小神で、毒と薬に関係する神様かな。麻薬組織とか、そういう感じの危ない宗教です。人族の街とかで、麻薬を捌いたりしている事があるね。拉致や洗脳も良くやる感じ。

クラウス:……あ、なんとなく分かった。一服盛ってブレットを拉致したものの、思いのほか大物の息子だったりしたんで騒ぎになるのを嫌って帰したとかそんな所か?

GM:ニアピン。まぁ、ともあれテメリオ神官の女性はクラウスを殺して口封じをしようと襲い掛かって来ます。あ、データは山賊の弓兵(Lv2人族)に、神聖魔法を2Lvで覚えさせた上にMPを+6したデータね。魔力は4点。剣の欠片入り。

クラウス:……うげ、自己修復されたら少しどころじゃなく厄介だな。
 

◇VSテメリオ神官◇
 
 さて、このテメリオ神官の女性のデータは、先にも言ったように山賊の弓兵と互角程度です。
 物理戦闘能力で言うならばクラウスの方が上ですが、神官側は回復魔法が使えるという点で持久戦では有利。
 とは言え、弓兵というのが問題ですよね。
 なにせ、同レベル帯の『山賊の突撃兵』に比べて、打撃力もHPも防護点も低いわけで……。

 

クラウス:(ダイスを振る)……まぁ、先手必勝だな。攻撃して、当たったならダメージ8点。

GM:痛い痛い! えーと、こっちの反撃は当たったら9点!

クラウス:1点抜けた。ボーンベストの装甲は偉大だな。

GM:……わー、この野郎普通に硬い。
 

 ……ステファノから貰った報酬で装備を整えたクラウス、2D+1程度の攻撃力ではそう簡単に揺るぎません。
 防具習熟+ボーンベスト+カイトシールドにより、防護点は8点。山賊の弓兵データからすれば絶望的な壁です。ついでに被弾率は半々以下。
 更には、2Lv神聖魔法では攻撃手段はありません。
 
 ……財力の勝利でしょうか。
 多少は粘ったものの、テメリオ神官は5ラウンド目にクリティカルしたクラウスの剣の前にHPが2になり……。

 

GM/テメリオ神官:(ここまでかなぁ。回復しても長くなるばかりでジリ貧だし……まぁ、じゃあミッションの指定通り……)こちらの手番だね。じゃあ、不利な状況で勝ち目無し、船上なので逃げ場無しと判断したテメリオ神官、この手番で懐から出した薬瓶を呷る。 「―――テメリオ万歳!」

クラウス:あっ。まさか、それ……毒か!?

GM:うん、懸念通りにテメリオ神官は倒れて、2,3度痙攣した後にすぐに動かなくなります。不利になったら自害するというのは、一応ミッションの指定通りだよ。

クラウス:……あちゃー。しまった、聞きたい事が色々あったのに……。

GM:その辺に関しては、ある程度は船内から発見されたこの神官の日記から明らかになるね。どうやら彼女は、テメリオ教団<恵みの杯>という結社の所属だったようで。資産家の息子であるブレットに接触したのは、活動資金目当てだったみたいだけど……どうにも余りのボンクラっぷりに、懐柔しても役に立たないと判断してリリースしたらしいよ。(一同笑)

クラウス:……そういう結社にすら見捨てられるほどのボンクラぶりか(笑)。

GM:ちなみにこのテメリオ教団はラスベートの中で最近時々名前を聞くようになっています。誘拐&洗脳による超強引な勧誘や、麻薬の売買などで勢力を伸ばしているようだね。当然、ブレットの記憶が無いのも薬の副作用です。

クラウス:……この日記は色々、証拠になるな。持って行って然るべき所に提出しよう。

GM:あと、ブレットの財布も空っぽの状態で見つかるね。これが空っぽな理由に関してはミッション内にも何も書いてないけど、折角誘拐したんだからせめて金くらいは取ろうと思ったんじゃない?

クラウス:ま、ブレットもまさか中身まで無事に返ってくるとは思っていまい。このままでも良いんで持ち帰ろう。

GM:了解。それじゃ、このミッションのエンディングに入ろうか。
 

◆ミッションエンド◆
 

GM/ブレット:日記を冒険者の宿に提出し、ブレットに顛末を報告して財布を渡すと、彼は自分に振りかかりかけた身の危険に震えあがりながらも報酬を払ってくれるよ。 「危ない危ない、まさかそんな事件に巻き込まれかけていたなんて……」

クラウス:<恵みの杯>、か。危ない集団もあったもんだよなー。

GM/ブレット:「いやいや、君には感謝しているよ。はいこれ、報酬な」 と、ブレットは報酬の200ガメルを支払ってくれるね。

クラウス:……ステファノの一件があると、エラくショボく見えるな……(笑)。

GM:ともあれ今回のミッションはこれでお終い。リオスのシナリオはこんな感じで、街かダンジョンのランダムイベント満載の探索を繰り返す形になるのかな。

クラウス:やっぱりミストキャッスルやフェアリーガーデン的だな。NPCの多さはダンチだが。

GM:……とりあえず、トンミの出現率は異常。(一同笑)

クラウス:……どうしてこうなった(笑)。

GM:これがヒロインだったりしたら、格好もつくんだけどねぇ(笑)。
 

 獲得経験点:1130点
 獲得名誉点:11点(かけら3つ)

※NPC好感度変動
 ブレット・ベラミー:0→5
 

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