◆竜鳴艦BBT レッドデッド丸太セッション◆
 
 ―――クソル氏。
 彼は丸太を武器として、アメリカで行われた『アルティメットMARVEL VS. CAPCOM 3(格闘ゲーム)』の世界最大規模の大会にて、醤油を飲みBASARAを宣伝しながら戦い、数多の強敵を煽りながら優勝した猛者である。
 マブカプの本場であるアメリカに殴り込み、弱キャラや癖のあるキャラを使ったチームで丸太を軸にして優勝。
 『みんな 丸太は持ったな! 行くぞォ!』は、彼とマブカプを語る上で外す事の出来ない合い言葉である―――。

 と、言う解説はまぁ7割合ってる。
 ともあれそんなクソルさんの活躍に魅せられた竜鳴艦一部メンバーは丸太を使ったセッションを熱望し、しかし―――
 

PLA:みんな、丸太は持ったな! 行くぞォ!!(爆笑)

PLB:凄ェ!(爆笑)

PLC:さすが丸太!(爆笑)
 

 ―――PLどものテンションは、マブカプというより何故か彼岸島だった。
 
◆キャラクター紹介◆

 
 ……の、前に。
 先の説明に出て来た『彼岸島』とはヤングマガジンで連載中のスタイリッシュ丸太ギャグホラーアクション漫画である。
 本来は「吸血鬼サバイバルホラー」らしいのだが、息もつかせぬ急展開と設定の矛盾、そして狙ってもこうはいくまいという絶妙な突っ込み所に溢れたシリアスな笑いが跳梁跋扈する漫画となっている。
 『みんな、丸太は持ったな! 行くぞォ!』も、大元はこの漫画が出典。
 
 まぁ詳細は『彼岸島』や『彼岸島語』でグーグル先生に聞いて調べて貰ったり、ネット喫茶辺りで読んで貰っても良いかもしれないが、そこそこの割合でエログロ描写があるので注意。
 ともあれクソル先生というよりも彼岸島要素に毒された僕らが作ったPCはこんな感じだった。
 

PC@:山本 職業:高校生 武器:丸太
性別:男 年齢:18歳 身長:176cm 体重:60kg
スタイル/メインブラッド/サブブラッド:アタッカー/転生者/R.E.L.I.C
 
 今回の主人公。ヒロインである七海に好意を寄せる少年だが、魔物関係の事件(つまり今回のシナリオ)に巻き込まれる中で前世の記憶を取り戻し、前世からの遺産である武器を手に、彼女を守る為に戦う事になる。
 こう書くと非常にまっとうだが、その前世から受け継がれた武器が丸太な時点で全てが台無しなキャラクター。
 戦闘能力は高く、丸太を自在に操って敵を倒す。

PCA:坂本 職業:丸太 武器:丸太
性別:男 年齢:28歳 身長:190cm 体重:94kg
スタイル/メインブラッド/サブブラッド:ディフェンダー/魔剣/魔剣
 
 歴戦の半魔にして丸太使い。否、武器そのものと命を共有する『魔剣』のクラスの持ち主であり、ぶっちゃけ彼は丸太の精霊である。
 しかし精霊とか言う設定は秒で忘れ去られ、歴戦の丸太使いとして五十嵐や山本を助け、戦う事になる。
 勢いだけで黒沢の娘の恋人だったという設定が生えるが、GMが『そういや黒沢の娘ってまだ中学生だった筈』と口走ったせいでロリコンの烙印を押された。

PCB:五十嵐 職業:文房具屋 武器:丸太
性別:男 年齢:20歳 身長:172cm 体重:55kg
スタイル/メインブラッド/サブブラッド:サポーター/マッドサイエンティスト/マッドサイエンティスト
 
 商店街の文房具屋さんであり、文房具屋であるという理由だけで、まるでドラえもんの如くありとあらゆる技術的な事を可能とする男。
 「なに、任せろ。俺は文房具屋だ」と言いながら、《超改造》や《異界の超兵器》で丸太を改造する姿には一種の狂気を感じる。
 丸太の先をカッターで削って尖らせたり、丸太を軽トラックにくくりつけて突撃仕様にしたりなど、この戦いに大いに貢献する。
 

◆OPフェイズ◆
 
 まずはいつも通りに死んだ黒沢から、娘の仇討ちを頼まれるシーンから始まるレッドデッド。
 彼から娘の仇討ちを頼まれ、守れなかった事を『すまぬ、すまぬ』と詫びながら男泣きに泣く坂本。
 

坂本:黒沢の娘は俺にとっても大切な相手だった……。将来を誓い合った仲だったのだ!(一同爆笑)

山本:なんてこった!(爆笑)

GM:あれ、でも黒沢の娘って確かまだ中学生……。(一同大爆笑)

五十嵐:凄ェ! さすが坂本!(爆笑)

山本:ロリロリだぜ!!(爆笑)

坂本:な、なんだと!?(爆笑) シリアスな俺のキャラがいきなり……!!(爆笑)
 

 そして死んだ黒沢から、敵が吸血鬼だと教わるロリコン。
 仇討ちを決意した彼は、己が半身である丸太を手にしたまま、池袋の街へ入っていった―――
 
 そしてPCBのシーン、本来はカラーギャングがレッドデッドに襲撃を受けるシーンなのだが、PCBは単なる文房具屋さんなのでたまたま通りがかった先で、レッドデッドに襲われているカラーギャングを見て助太刀するシーンに。
 
 初めて見る化け物(吸血鬼)に恐慌に陥っているカラーギャングたち。
 だがそこに偶然通りかかった五十嵐は、その辺にあった丸太で吸血鬼の頭を叩き潰す。
 

五十嵐:お前達! そいつらは普通の武器では倒す事が出来ん化け物だ! 丸太に持ち換えろ!!(一同爆笑)

山本/カラーギャング:「す、凄ェ! あんたはいったい……!」

五十嵐:聞くな。俺は文房具屋だ!!(一同爆笑)

坂本/カラーギャング:「そうか……丸太だ! 丸太に持ち換えろ!!」 と、丸太に換装しだすカラーギャングたち!(爆笑)

GM:なんでこんなにその辺に丸太が転がってるんだよ!?(爆笑)

山本:彼岸島を見てみろよ。どこにでも転がってるだろ。(一同笑)

GM:あの島と一緒にすんなよ! 丸太どころか日本刀や斬鉄剣が平然とその辺に転がってる島なんだから!!(一同爆笑)

五十嵐:まぁ、アレだな。ここは丸太を持ったカラーギャングたちに向けて、伝説のあのセリフを叫ぶべきだろう。 ―――みんな、丸太は持ったな! 行くぞォ!!(一同大爆笑)

 

 

 ―――そして、丸太の力で吸血鬼達を撃退した五十嵐とカラーギャング。
 しかし結構な人数がやられてしまったカラーギャングは、レッドデッドに反撃する為の助力を五十嵐に頼む。
 五十嵐曰く、
 

五十嵐:ああ、任せろ。―――俺は文房具屋だからな!(一同爆笑)
 

 どれだけ万能なんだ文房具屋。

 そしてPC@のオープニング。
 七海とデート中に、レッドデッドに襲われた山本。
 必死に抵抗するも吸血鬼の力には敵わずに、あっさり殺される―――が。
 

GM:じゃあそこで前世からの声とか記憶とかが流れ込んできて、山本は息を吹き返します。

山本:記憶ねぇ?

五十嵐:アレだろ。山にこもって丸太を振る修行をして、丸太を振りながら敵を倒し、丸太を振りながら凱旋して来たとかそんな感じの英雄的な。

山本:それ英雄じゃないよね。単なる丸太を振り回してるだけの人だよね。(一同爆笑)
 

 ともあれ丸太英雄としての記憶を取り戻した山本。
 息を吹き返した時にいつの間にか手に握っていた愛用の丸太で、七海の血を吸おうとしていたレッドデッドどもを抹殺する。
 

山本:なんなんだ……この力は……!?

GM/七海:「山本君は山本君じゃないかな。……助けてくれて、ありがとうね」 と、七海は頬を染めて山本に礼を言いますよ。

坂本:そう思うなら下の名前で呼んでやれよ、デートする仲なんだろお前ら(笑)。

山本:すまんが俺、下の名前決まってないんだ……。(一同爆笑)
 

 そして山本のシーンの一連の様子を見ていたインペイラーが、ビルの屋上で七海に目を付けるシーン。
 ついでにここで、五十嵐にやられたレッドデッドのレンフィールドどもがインペイラーに報告しに来るが、
 

GM/インペイラー:じゃあ、報告を聞き終わったインペイラーは、「使えぬ奴よ! では死ねェ!!」 と、報告して来た吸血鬼の首を飛ばします。(一同笑)

山本:滅茶苦茶だなコイツ!(笑) いや、元のインペイラーも相当だけどさ!(笑)

GM/インペイラー:「だが、少しは出来る奴が居るじゃないか……」 と、まだ見ぬ強敵に内心で警戒を強めるインペイラーでした。

五十嵐:あれ? でも、そいつまだ全部喋ってなくね? ほら、俺の特徴とか全然。

一同:………あ。(沈黙後、大爆笑)

山本:こいつ情報聞き出す前に自分で部下殺したァァァァァ!!?(大爆笑)

坂本:どんな奴にやられたのか全く分かってないまま、『少しは出来る奴が』じゃねぇよ!!?(大爆笑)

五十嵐:絶対こいつ今内心で、『あ、やべ。まだ全部聞いてなかった』とか思ってるな。(一同爆笑)
 

 ―――かくして。
 今回のレッドデッドもまた、明後日の方向に走り始めたのだった―――。
 

◆ミドルフェイズ◆
 
 そして、全員丸太を抱えた―――有り体に言って吸血鬼倒すより先に警察に捕まりそうな装備の連中の出陣である。
 まずは学校にて、七海と山本が話をするシーン。弁当を七海が作って来てくれたので、屋上で丸太に座って二人でお弁当タイムである。
 お前その丸太ずっと持ち歩いてんのか。

 『あの力は何?』とか『襲って来た化け物はなんだろう』という話をする二人。
 だが、覚醒したばかりの山本にも全く分からない話題である。
 前世の記憶? 丸太を振っていた記憶と、効率的に丸太で戦う方法だけだ。

 で、見かねたPCAが―――
 

坂本:ではここで、丸太が光り輝いて言葉を発する。 ―――知りたいか、丸太の使い手……マルティストの男よ!(一同爆笑)

GM:え、これ、なに?(笑)

坂本:私は丸太の精霊―――貴様の丸太は私が宿る丸太ではないが、私はその丸太を通して貴様らに語りかけておる……おる……おる……。(一同爆笑)

五十嵐:おい、セルフでエコー入れるなよ。(一同爆笑)

山本:なんだって!?(爆笑) それじゃあアンタは俺の力の事や、昨日の化け物についての事を……!

坂本:うむ、教えてやろう。
 

 と、いう狂った流れで半魔や魔物についての情報を得る山本。
 しかし唯一山本のみはインペイラーとレッドデッドに積極的に関わる理由が無いので、説明されただけで終わる。
 『いずれ共に戦う事もあろう、丸太の戦士よ……』とか言って坂本が消えた所でシーンエンド。
 これ以降、丸太の精霊という設定は完全に忘れ去られる。まるで彼岸島の初期にあった吸血鬼は目が悪い設定と同じように。
 
 で、PC@が日常を謳歌している間に、丸太を手にしたままレッドデッドの情報を集めるPCAとB。
 レッドデッドの長がインペイラーである事や、レッドデッドが恐らくドミニオンを使った逃走方法で様々な組織の手を掻い潜っている事を知る。丸太を持ったまま。
 そして再び山本のシーンとなり、部下を連れたインペイラーが七海を狙って来る。
 

山本:くそっ! 七海、俺から離れるなよ!

GM/インペイラー:「ふははは! 俺に逆らおうってのか! 愚かな男だ、では死ねェ!!」(一同爆笑)
 

 相変わらず短絡的極まりないインペイラー。
 だが、その部下のレンフィールドはわらわらと山本と七海に襲い掛かる。
 そして、あわやという所で――――
 

五十嵐:じゃあここで、尖った丸太をくくりつけて突撃力を上げた軽トラックで突っ込んで来ます。 うおおおおおおおおお!!

GM:え、じゃあ、インペイラーは吹っ飛ばされました。(一同大爆笑)

一同:そっちかよ!!(大爆笑)

五十嵐:俺普通にレンフィールドの群れに突っ込んだつもりだったよ!!(爆笑)

GM:あ、そっちか。まぁ良いや。丸太装備の軽トラックで吹っ飛ばされたインペイラーは、そのままどぶ川に落ちます。ぼちょん。で、丁度良いのでこのまま逃げます。シーン退場。(一同大爆笑)

一同:逃げた!!?(大爆笑)

五十嵐:な、なんだろう……これまで長い事BBT遊んで来て、特にレッドデッドは便利だからと何回もレギュレーション変えて遊んで来たが……。最も小物臭が漂っていた第一回プレイでも、ここまでしょっぱくはなかったぞインペイラー!!(一同爆笑)

山本:まさか軽トラックで跳ね飛ばされて敗走するドミネーターが居ようとは……(笑)。

GM/インペイラー:あ、流石にそれじゃ格好つきませんね。じゃあ吹っ飛ばされたインペイラーはどぶ川にぼっとんする前に叫びますよ。 「それは―――丸太だと!?」 と、いうわけでインペイラーに通用したのはトラックじゃなくて丸太です。うん、これでカリスマは保たれた。(一同爆笑)

山本:本気で言ってるのかそれ!?(爆笑)

坂本/カラーギャング:で、五十嵐が助けたカラーギャングのメンバーがわらわらと軽トラの荷台で叫ぼう。 「凄ェ! さすが丸太!」「ようし、俺達も戦うぞ!」

GM/カラーギャング:「ああ! みんな、丸太に持ち換えろ!」 と、その辺にあった丸太を装備したカラーギャング達。彼らは怯える事無く、レンフィールドの軍勢に立ち向かっていきます。(一同笑)

坂本:そうだ、丸太を構えろ! 行くぞォ! と、いつの間にかモブに混ざって丸太を構えている俺。(一同爆笑)

五十嵐:(淡々と)……敵の軍勢との激突の前に、刃物や飛び道具ではなく丸太を構えるという、歴史上過去に例を見ないであろう異色極まりない戦闘準備である。(一同大爆笑)
 

 ―――かくして。
 どぶ川に落ちて敗走したインペイラーが、吹っ飛ばされる前に吐いていた情報から、奴の狙いが七海である事を知るPC達。
 
 ちなみにこのシーンの後で『魔物化したPC達を発見したアンノウンマンが、PC達を化け物と呼んで逃げ出す』というイベントが本来挟まれるのだが、このシーンは誰も魔物化しなかった為、GM判断だが発生させなくてもなんとかなりそうなイベントである。
 だが、考えてみて欲しい。『丸太を構えた怪しい男達が十数名』+『尖った丸太で武装したトラック』という光景である。

 通行人、下手な魔物より具体的に恐ろしい光景にパニックを起こし、逃亡。
 それを見たPC達+七海+カラーギャング達は、軽トラックに乗って警察が来る前にその場から逃げだしたのだった。
 
 で、隠れ家となるセーフハウスを持っていた坂本。そのセーフハウスに軽トラで逃げ込んだ一同
 『こんな事もあろうかと、味噌はいつも持ち歩いているんだ!』という五十嵐によって、メンバーにはトン汁が振る舞われた。
 

GM/七海:えーと、あれか。魔物であるPC達を見て逃げ出してしまった通行人に、七海が憤慨するシーンが入るんですよね? じゃあ、七海はプンスカと頬をふくらませ、 「あの人達、酷いよね! 皆は悪い化け物をやっつけて間接的にあの人達の事も守ったのに、ちょっと返り血まみれで丸太で武装してるからって逃げ出すなんて!」(一同爆笑)

坂本:少女よ、フォローは嬉しいが彼らのそれは非常に常識的かつ理にかなった判断であり、俺が彼らの立場だったら同じ行動をする自信があるぞ。(一同笑)
 

 ……そして、そんなシーンの後。
 インペイラーが《資産:帰還門》を使い、七海を攫うシーンである。
 
 五十嵐が《超改造》を使って全員の丸太を強化―――つまりはカッターで先端削って尖らせている背後で、のんびりとしていた七海が、ドミニオンを使った移動で突如出現したインペイラーに捕らえられてしまう。
 ちなみにインペイラー、どぶ川の匂いバリバリ。『臭ェ!』だのなんだの言われ放題である。
 そして《帰還門》で逃げたインペイラーと、攫われた七海を追って、PC達は本格的に動き出す。

 情報収集判定の名のもとに、池袋を丸太装備で駆け回る怪しい集団。
 下手な魔物より怪しい丸太装備の群れは、どうにかこうにかインペイラーの待つ廃倉庫を突き止め―――
 

五十嵐:じゃあその廃倉庫に、丸太を装備した4tトラックで突っ込みます。(一同大爆笑)

一同:パワーアップしとる!?(爆笑)

GM:むむ。しかしドミニオンの入り口である廃倉庫の扉は、4tトラックの突撃に耐え、拮抗します。何故ならばドミニオンは超常なる世界。物理的な力でその壁を突破するのは、容易い事ではありません。

坂本:じゃあ、4tトラックの荷台に居るカラーギャング達が、『げぇっ! 丸太が!』と叫びます。

山本:まだ居たのかこいつら(笑)。

五十嵐:ま、まだだ……! 丸太の力を信じるんだァァァァァ!! と、アクセルを更に踏み込むが――――

GM:(さらっと)あ、じゃあそれで扉が開きます。(一同爆笑)

五十嵐:開くの!?(爆笑) え、前のシーンで『ドミニオンの中に居る者と絆があれば或いは』みたいな話してなかったっけ!? 俺これで弾かれて、『丸太でも駄目だなんて……』『絆の力でドミニオン突入』『さすが絆だ、凄ェ!』という流れを想定してたんだが!!(一同爆笑)

GM:あ、しまった。まぁ良いや、開いたし。丸太だし。(一同爆笑)

山本:丸太すげぇ……(笑)。

GM/吸血鬼達:ですがトラックで突入した先に、吸血鬼達が待ち構えています。 「き、来たぞ! 人間だ! 丸太だァァ!!」(一同爆笑)

五十嵐:おいこいつら人間来た事よりも丸太に怯えてるぞ。(一同爆笑)

坂本:今だ、みんな丸太に持ち換えろ! 行くぞォ!!(一同爆笑)
 

 ―――そして中ボス戦となる吸血鬼戦。敵は吸血鬼+レンフィールドが7トループ。
 しかしそれだけではなく、GMは一つの事実を発表します。
 

GM:そしてここで、《資産:世界律》を宣言します。このドミニオン内では一つの世界律が機能している事が分かりますね。

五十嵐:世界律? なんだ、オリジナル展開か。

GM:ええ。その増えたドミニオンアーツ分は、通常の処理に従って経験点あげますのでご容赦を。で、その世界律の内容は―――『丸太以外の武器による攻撃は、全て最終ダメージが半分となる』という効果です。(一同大爆笑)

一同:丸太ァァァァァァァァ!!?(大爆笑)

五十嵐:え、いやそれ、こっちは全員武器が丸太だから全く問題は無いが……!!(爆笑)

坂本:(淡々と)……なぁGM、丸太以外の武器による攻撃でのダメージは半分になるんだよな?

GM:ええ、そうですよ。

坂本:それ、敵も丸太持たないと超弱体化するんじゃね?(一同超爆笑)

GM:あっ!(爆笑) え、えーと。じゃあ敵も全員丸太を構えます!(一同超爆笑)

坂本:敵全員!?

山本:なんだよこの光景マジで!!?(爆笑)

五十嵐:じゃ、じゃあ敵味方合同で、あのセリフを叫ぶのか!?(笑)

GM:ええ、叫びましょう!!(笑)

一同:みんな、丸太は持ったな! 行くぞォ!!(超爆笑)
 


 

 ……そして笑い過ぎてシーンが中断されたりしつつ。
 互いに丸太を構えての激戦を越え、PC達は遂にインペイラーの元に辿り着いたのだった―――


◆クライマックスフェイズ&エンディングフェイズ◆
 
 で、シナリオ通りにまずは始まるクライマックス。
 生き残っていたすべての部下を殺し、その血肉を取り込んだインペイラー。だが手に持つ武器は丸太。
 対するは丸太を構えた丸太使い、丸太を構えた丸太の精霊、丸太を構えた文房具屋である。

 データ的には普通に初期データキャラ3名+サンプル通りのインペイラーの戦い。
 リプレイ1話の時にはヴィクトールという絶対的な壁と、都という超強力なサポーターが居たから雑魚扱いだったのだが、素で戦うとインペイラーは割と強い。
 
 《世界律:絶望》付きで振り回される丸太に吹っ飛ばされるPC達。
 そしてダイス目が悪い事もあり、徐々に追い込まれていく―――というか全員が前衛なので、インペイラーが《世界律:崩壊》を使うまでも無く、《鮮血の宴》さえ宣言しておけば毎回全員に攻撃がすっ飛んでくるのが痛い。
 
 文房具屋、『ひ、ひぃっ!』などと情けない悲鳴を出しながら怯え出すが―――
 だが、ここで主人公が覚醒。
 

山本:おし、ここで敵の回避に《万物の打倒者》を宣言。五十嵐の攻撃をジャンプで避けたインペイラー。だがそこで、何も無い空中を支点として、振り子の軌道を描く高速の丸太がインペイラーにぶち当たる!! (超良い笑顔で)Log Trap!(一同大爆笑)

五十嵐:えっ、ペンデュラム!?(爆笑) い、今のは山本が!?

山本:そうか―――思い出した、丸太の可能性……! そうだ、これは全米大会すら制する事が可能な可能性だ……!(一同爆笑)

坂本:おいそこ、いきなり彼岸島からマブカプの世界に飛ぶな!!(爆笑)
 

 『ペンデュラム』とは、『アルティメット マーブルVSカプコン 3』においてロケットラクーンというキャラが使う技で……通称は丸太である。更に言うならば、同ゲームにおけるクソル氏の代名詞である。
 空中の何も無い場所を支点として、振り子状にすっ飛ぶ丸太。当たれば壁まで吹っ飛ばされて壁バウンドというブツであり、攻撃範囲はやたらと広く弾速も速い。
 壁バウンドした相手を拾う手段さえ用意しておけば、非常にリターンの多い技である。
 

GM/インペイラー:「か、覚醒したと言うのか……!? ドラキュラ伯爵様ですら恐れた、あの丸太の力が……!」(一同大爆笑)

五十嵐:おい、おいGM! なんか変な事言い出してないかこいつ!!(爆笑)

坂本:(深く頷き)……そう。遥か古の時代に、丸太の可能性を恐れた神々と悪魔たちが対策を設ける為に会談すら行ったという丸太の力。ちなみにその会談の通称はマルタ会談である。

五十嵐:それアメリカ勢の対策会議だから! 勝ち上がって来たクソルさんの丸太に対策の必要を覚えたアメリカ勢が組んだ対策会議の別名だから!!(一同爆笑)

山本:まぁ真面目な話、五十嵐がダメージを振る前に罪を使うぞ。そろそろ殺し切れる筈だ!

坂本:ペンデュラムで壁バウンドさせた所からのコンボだな! 行け、五十嵐!

五十嵐:ええい、では丸太で吹っ飛ばされたインペイラーの腹に丸太を突き込む! 食らえ、吸血鬼!(ダイスを振る)ダメージは55!

GM/インペイラー:む、ですがそこで《混沌の主》でダメージを返しつつ、《世界律:不滅》で復活します。 「ま、まだだ! 認めんぞ、丸太の可能性など――――」

坂本:で、ここで俺の行動だな! ―――愚かな。貴様は知るべきだ、丸太の可能性を! これが世界を変える力だァァァァァ! と、叫んで投げた丸太が、インペイラーの腹に刺さった丸太に衝突。既に刺さっていた五十嵐の丸太が更に深く刺さって、貫通する!(ダイスを振る)ダメージは罪使って60点だが、どうだ!?

GM/インペイラー:それでインペイラーは真の死になりますね。 「ひ、ひぃい……! これが、丸太……!!」 と、言う言葉を断末魔にして、灰になって消えていきます。

山本:では、倒れたままの七海に駆け寄ろう!

五十嵐:……長く苦しい戦いだったな。

坂本:ああ。だが、マルティストの道は長く険しい。俺達の前には新たな戦場が―――

五十嵐:え、何言ってんのこの人。(一同爆笑)
 

 ―――そして、物語はエンディングフェイズに突入する。
 インペイラーを打倒してから一ヶ月後。
 卒業旅行でとある島に向かった七海から、SOSが届いたのだ。
 

山本:どうやら七海は吸血鬼が支配する一年中彼岸花が咲いた島で、レジスタンスに匿われているらしい。(一同大爆笑)

五十嵐:おいそこ、単なる彼岸島だろ!?(爆笑)

山中:吸血鬼達を倒すには真なる丸太の使い手たちが必要だ。俺達はその島に埋まる七つの丸太を集め、真なる丸太を見出さなければならない……!!(一同爆笑)

GM:更になんか変なRPGっぽい設定生えてますねコレ。(一同爆笑)

山中:そして伝説の鍛冶師を探して、それらの丸太から伝説の丸太を創りだして貰うのだ!!

坂本:丸太って鍛冶師が加工するもんだっけ?(一同爆笑)

GM:どっちかってーと彫り師の仕事では?(笑)

山中:そんな細かい事はどうでも良いんだ! ―――さぁ、みんな。丸太は持ったな!? 行くぞォ!!(一同大爆笑)
 

 ――――これが、かつて竜鳴艦でまたも行われた魔改造レッドデッドの顛末である。
 彼らはきっと、(彼岸島の連載が続いている限り)今もまだ戦っているのだ―――

 

 

 

 

 

 

  

 さて。今回もまたまた、色々と言いたい事はあるだろう。
 ……だが、最後にこれだけは言わせて欲しい。
 クソルさん、優勝おめでとうございます!!

2012/4/3 零時

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