◆◇◆真・女神転生 覚醒篇リプレイ◆◇◆
◆第三話 ランブリング・ランブル◆

 さて、真・女神転生覚醒篇。
 ……何を間違ったか、更に続いてしまいました。

 今回のお話は、ランブリング・ランブル。意訳すると『迷走する乱闘』。
 GPの上昇に従って、にわかにきな臭くなってきた斗有市。
 その中において、幾つもの組織の思惑が絡まり合う戦いに巻き込まれた、少年達のお話です。

 また、今回はシナリオの導入、並びに12の封印というネタにおいて、『やる夫は死を夢に見るようです』スレさんを参考にさせていただきました。
 ……参考ってか、パクり? 女神転生200Xを使ったやる夫系スレですね。GMは地味に住人です。

◆プリプレイ◆
 

GM:うーっし、それでは始めましょう。今回のGPは9にまで上昇しました。前回のラストに得た経験点で、レベル6に上がってますよね?

姫子:そうねー。買い物はして良いの? と言っても、前回の報酬は現物支給だったからお金ないけど。

小春:シバブーストーン全部売りましょう。300万円が手に入ります。(一同笑)

GM:全振りですな、折角覚醒で手に入ったアイテムを(笑)。

東:Bランク装備買うのに、黒木の旦那のコネも有効か?

GM:OKですよー。成長、買い物、宿命の変化をやっちゃって下さい。それと、新ハウスルールとなりますが。シナリオ毎に動かせる宿命、合計3点にします。

姫子:そのこころは。

GM:1点だと動きが実感し辛いでしょうし。

虎次郎:了解。んじゃ、サクサクと成長しちまうかー。

東:必要だったらCPを現金化するのも視野に入れるか。必要だったら遠慮なく言ってくれよー。

一同:はーい。
 

 ―――で。
 
◇成長 東◇

 

東:んじゃ、俺から成長報告を。犬飼東、シューティング技能を2に上昇。能力値は耐久、器用、知力、精神が上昇。装備を色々刷新して、特に武器が火力のあるCz75になった。銃器支援システム『キャプスロック』をインストールした事もあって、命中は一気に向上したな。

GM:定番装備ですねぇ。

東:だな。あとは銀の弾丸も買っておいたんで、いざって時も安心。相変わらず仲魔はピクシーのみだがな!!(一同笑)

姫子:で、宿命の変動は?

東:おっと。えー、新たに入手したCz75に、≪愛用の武器≫で1点。虎次郎に友情で1点、リーゼロッテに1点だな。
 

 ≪愛用の武器≫というのは、宿命の使い道の一つです。
 5点の命運を武器に割り振る事で、その武器の命中を+5%するというものです。
 東のようにBランクの上限ギリギリの装備などを買った場合には有力な選択肢でしょう。あと4点足りませんが。

 

虎次郎:おー、これで互いに宿命持ちになったか。

姫子:男の友情ねぇ。

東:ともあれ成長は以上。これで少しは戦闘時に役立つようになりゃ良いんだがね。
 

名前:犬飼 東
年齢:18 性別:男
Lv:6 経験値:518 覚醒段階:1
神族:無し 属性:N/N

強さ:18 耐久:22 器用:31 敏捷:18 直観:14
魔力:8 精神:18 知力:30 魅力:23 加護:18

最大HP:34
最大MP:24
命運:20

▼属性値
Light:0
Dark:0
Law:0
Chaos:1

▼背景情報
専門家のコネ/自衛隊の士官:5点
秘密の隠れ家:5点
コネクション/業魔殿:−
コネクション/DSS−NET:−

▼宿命
黒木 重蔵(自衛隊三佐):5点
属性/カオス:1点
友情/鳴海 虎次郎:1点
放置できない:リーゼロッテ・ブルイユ:1点
愛用の武器/Cz75:1点

▼技能
コンピューター:Lv4
シューティング:Lv2

▼武器
・Cz75(SA)
基本命中値:39 基本威力:26+3D6 事故値:89 装弾数:15 残弾:38(弾倉内含む)

・銀の弾丸:50発

▼防具
胴体:鎖帷子 防御力:3
手:リベットナックル 防御力:2 備考:拳での攻撃の威力+1
足:セーフティブーツ 防御力:3 備考:対『物』防御、更に+1
頭:デュラハンヘルム 防御力:3

総合防御力:14(物15)
総合魔法防御力:2

▼道具
COMP
サファイヤ
学生服
白衣
マッスルドリンコ×2

▼ソフトウェア(メモリ 7/7)
DDS
DAS
タイム・ガール
わんぱくクリッパー
レディー・キラーズ
キャプスロック

▼所持金
8000円

▼CP
202点

▼仲魔
ピクシー
 

◇成長 虎次郎◇
 

虎次郎:次は俺か? えー、鳴海虎次郎、今回の成長は抜刀術が6レベル。つっても、覚醒段階不足で抜刀術のレベル6技は使用できないわけだが。上がったステータスは強さ、直観、精神、器用。

姫子:分かり易く長所を上げて来たわねー。って、耐久は上げないんだ?

虎次郎:正直器用より耐久が欲しいが、器用は25まで上げないと装備出来ない刀も多いしなぁ。そんなわけで、今回の成長はこんな感じ。宿命はヒメに2点、小春に1点新たに取った。

小春:トラ先輩、これでパーティーメンバー全員に宿命持ったんですねー。

虎次郎:まぁ嫌々行動しているようでも、仲間意識は強いのである。後は防具を若干刷新した程度かなー。とりあえず胴装備をファイアガードなんぞにしたおかげで、耐火性が上がりました。
 
姫子:燃えるゴミには出せなくなったわねー……。

虎次郎:ちょっとそれは流石に酷いと思うなぁ!?(笑)
 

名前:鳴海 虎次郎
年齢:17 性別:男
Lv:6 経験値:518 覚醒段階:1
神族:無し 属性:N/N

強さ:32 耐久:24 器用:21 敏捷:16 直観:32
魔力:8 精神:23 知力:9 魅力:16 加護:19

最大HP:36
最大MP:35
命運:22

▼属性値
Light:0
Dark:0
Law:0
Chaos:0

▼背景情報
知名度:5点

▼宿命
得意技/見切り:10点
友情/犬飼東:1点
相棒/椿姫子:2点
友情/葛木小春:1点

▼技能
抜刀術:Lv6

▼武器
・龍牙刀
基本命中値:37 基本威力:16+3D6 事故値:86

▼防具
胴体:ファイアガード 防御力:4 備考:火属性半減
手:ガントレット 防御力:4 備考:手を攻撃され、武器を落とすような効果を無効化
足:ナイトブーツ 防御力:4 魔法防御力:1 備考:蹴りの威力+3
頭:デュラハンヘルム 防御力:3

総合防御力:20
総合魔法防御力:3

▼道具
学生服
マッスルドリンコ×3

▼所持金
15000円
 

◇成長 姫子◇
 

姫子:で、私こと椿姫子。成長は骨法が6Lv。上がった能力、強さ耐久敏捷精神っと。私はもうこれで鉄板かしらねぇ。

虎次郎:良いよな、武器使わない奴は器用捨てていいから。

姫子:失敬ね。使ってるじゃない。―――棘付き棍棒という武装を!!(一同笑)

東:棍棒が似合いすぎて怖いんだよお前!!(笑)

姫子:まぁそれ以外はこまごまと装備を刷新したくらいね。気がつけば胴体以外はバニーシリーズで固めてるけど、魅力が足りなくてハイレグ・アーマーは装備出来ないとゆー。魅力25って結構キッツい装備制限よねー。

小春:で、宿命はどうしたんですか?

姫子:おっと。小春と東とに1点ずつ振りました。あと、リーゼロッテに1。

GM:お。東さんだけじゃなく、姫子さんもリザに振ってくれたんですね。

東:リザ? あぁ、リーゼロッテか。

GM:えぇ。あの子、愛称はリザです。なら、リザは姫子さんと東さんに依頼に行きましょう。

姫子:あ、またあの人出て来るのね。真面目さんは好きよ、私。

GM:ありがとうございます。では、その辺は本編開始後ですねー。
 

名前:椿 姫子
年齢:17 性別:女
Lv:6 経験値:518 覚醒段階:1
神族:無し 属性:N/N

強さ:31 耐久:24 器用:10 敏捷:30 直観:17
魔力:9 精神:23 知力:11 魅力:20 加護:17

最大HP:36
最大MP:35
命運:26

▼属性値
Light:0
Dark:0
Law:0
Chaos:0

▼背景情報
魔除けの宝石:10点

▼宿命
魔除けのラピスラズリ:10点
信頼/鳴海虎次郎:1点
友情/葛木小春:1点
信頼/犬飼東:1点
友情/リーゼロッテ・ブルイユ:1点

▼技能
骨法:Lv6

▼武器
・拳
基本命中値:31 基本威力:0+3D6 事故値:−

・蹴り
基本命中値:30 基本威力:4+3D6 事故値:−

・グーテンダーク
基本命中値:39 基本威力:22+3D6 事故値:88 備考:副効果発生時、敵転倒

▼防具
胴体:ファイアガード 防御力:4 備考:火属性半減
手:ジュエリーカフス 防御力:3
足:スカイ・ヒール 防御力:3 備考:蹴り攻撃の威力+1。
頭:アイアン・バニー 防御力:4 備考:ハイレグアーマーと同時装備で射撃回避+5%
装飾品:魔除けのラピスラズリ 魔法防御力:3

総合防御力:19
総合魔法防御力:5

▼道具
ブレザー
マッスルドリンコ×3

▼所持金
9000円

 

◇成長 小春◇
 

小春:わーい、私の出番ですね。葛木小春16歳、成長はザン系が3Lvに。魔力、精神、敏捷、耐久が伸びました。装備変更はありません。

GM:このパーティー、相変わらず誰も回復手段持ちませんねぇ。

東:それ対策として、マグネタイトを換金したマッスルドリンコ(HP回復剤)と傷薬は全員に配布したが。

GM:あぁ、それの出現率Aランクになりましたしね、今回で。

小春:で、宿命は3点全部、得意技/マハザンにブッ込んじゃいました。この辺、プレイヤーの方向性の差が出ますね(笑)。

姫子:良いんじゃない? 魔法に対する求道者的な感じで。

小春:そう言って頂けるとありがたいですけど。ともあれ私の成長は以上でした。はてさて、今回の物語はどうなるやら。お手柔らかにお願いしますね?
 

名前:葛木 小春
年齢:16 性別:女
Lv:6 経験値:518 覚醒段階:2
神族:無し 属性:N/N

強さ:13 耐久:14 器用:16 敏捷:25 直観:11
魔力:37 精神:35 知力:20 魅力:19+1 加護:20

最大HP:20
最大MP:53
命運:16

▼属性値
Light:0
Dark:0
Law:0
Chaos:0

▼背景情報
特殊な施設の使用/膨大な蔵書:10点

▼宿命
膨大な蔵書:3点
得意技/マハザン:4点

▼技能
魔界魔法/ブフ系:Lv1
魔界魔法/ザン系:Lv3
魔界魔法/強化系:Lv2
魔界魔法/結界系:Lv1

▼武器
・駄々っ子パンチ
基本命中値:13 基本威力:1+1D6 事故値:−

・自棄っぱち投石
基本命中値:21 基本威力:0+1D6 事故値:−(使い捨て)

▼防具
胴体:ブレザー 防御力:1
胴体:白衣 防御力:1(対火属性+2) 備考:学生服と重ね着可能
手:リベットナックル 防御力:2
足:ジャングル・ブーツ 防御力:2
頭:チョーカー 魔法防御力:1 魅力:+1
頭:眼鏡 魔法防御力:1 備考:他の頭部装備と併用可能

総合防御力:8(対火10)
総合魔法防御力:7(対火9)

▼道具
魔導書(ブフ系)
魔道書(結界系)
マッスルドリンコ×3

▼所持金
5000円
 

◆ある日の妙なタッグ◆
 

GM:―――さて、それでは開始しましょうかー。皆さん宜しくお願いします。

一同:宜しくお願いしまーす!!

GM:さて、では先に言った通り。今回はリザ―――リーゼロッテ・ブルイユから話を始めましょう。前回の事件から2週間後。時間は……そうですね、金曜の放課後辺りがやり易いでしょうか。

姫子:全員登場?

GM:いえ、出来ればリザに宿命持ってる二人だけで居てくれるとありがたいです。

遠くの虎次郎:となると、東と姫子か。俺はどうしたんだろうな?

遠くの小春:補習?(一同笑)

遠くの虎次郎:じゃあそれで(笑)。小春は?

遠くの小春:私は図書館辺りに用事があって行っているのではないでしょうか。

姫子:うん、じゃあそんな二人を放置して、私と東というタッグで行動するわけね。……ゲーセン辺りにでも居るのかしら?

東:うん、じゃあフリーマンの対カイン限定の増殖バグ、並びに潜在アーテム当てた後の無限アーテム並びに無限フルブラバグについての検証の為に。(一同爆笑)

姫子:マジ紫の炎で焼いてやんよっ!!(一同爆笑)

GM:11年の時を経て出て来たバグですか、感慨深い(笑)。

遠くの小春:え、なんですかそれ?(笑)

遠くの虎次郎:増殖バグは知ってるけど、そこから何か出たんか?

GM:おや、結構前の話なのに虎次郎さん(のPL)も知らないとは珍しい。ちょっと動画見てみます?
 

 ―――で、格ゲー動画を見る為にいきなり中断。
 えー……フリーマン増殖バグとは、格闘ゲーム『餓狼~MARK OF THE WOLVES~』、通称『餓狼MOW』にあるバグの一つです。
 1999年11月にMVSで稼動した餓狼シリーズの現行最終作であり、これまでの餓狼シリーズとは随分違うシステムを取り入れた作品です。
 それ故に当初は旧来の餓狼ファンからは酷評されていましたが、絶妙なシステムバランスの調整・調合から、(一部バランスには疑問の声もあるが)総じて傑作と評価されています。稼働から12年以上経っているのに、未だに動いているゲーセンがあったり研究が進んでいたりするのも、その証拠ですね。

 そしてフリーマン増殖バグとはカインというキャラとの対戦において、フリーマンというキャラが『特定の手順で特定の技を非常に厳しいタイミングで当てると、何故かフリーマンが増える』というバグの事。
 もっとも、増えたフリーマンは当たり判定も無く空中で棒立ちしているだけで勝負には一切貢献しない、シュールなだけのバグでした。

 ―――が。
 餓狼MOW稼働開始から実に11年以上の時を経て、そのバグの進化系(?)が発見されました。
 MOWのプレイヤー勢が11年以上経っても研究と研鑚を続けていたが故の進化ですね。マジなんなんだあのゲーム。

 で、その詳細は。
 増殖バグの際に潜在ヒムリッシュ・アーテムと呼ばれる技を当てると、妙な吹っ飛び方をする場合があるのですが―――
 これが出た時に、カインとフリーマン双方の挙動がバグるという現象の事。
 動画としてはこちら(
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15110409)ですね。

 技の挙動の幾つかはかなり特徴的なバグり方をします。
 ナイトメアと呼ばれるフリーマンプレイヤーに『文字通り悪夢』と呼ばれる死に技が突進距離がショボくなって悪夢化が更に進行したり、クリーピングデスという技を出したら空気椅子ポーズで横滑りしたり、格好良いポーズのままカインが空中を横滑りしたり、弱フォビアでゲッダンしたりやりたい放題。
 姫子が言った『マジ紫の炎で焼いてやんよ!』は、強シュワルツパンツァーのバグバージョンの事。
 紫の炎を纏ってどこまでも突進します。相手がガードするまで延々と攻撃判定が出続けるという……マジ紫の炎で焼いてやんよ!

 一切の余談ですが、「マジ紫の炎で焼いてやんよ!」という謎のコメントで人気者となった紫炎の貴公子マジムラこと、関東のカイン使いけんと氏の台詞が姫子の言動の元ネタらしいですね。
 

動画視聴中虎次郎:……うわ、なんだこりゃ!(笑) こんなん発見されてたのか。クソ、俺とした事が!(笑)

姫子:で、私と東はMOWで対戦。私フリーマンやるから、そっちカインね。潜在アーテムのタイミング間違えないでよ。

東:そっちこそモービットをミスんじゃねーぞ!

動画視聴中小春:すいません、これメガテンのセッションですよね?(笑) なんで格ゲーのバグ探しやってるんですか、そこ二人(笑)。

姫子:マジ紫の炎で焼いてやんよ!!(一同爆笑)

動画視聴中虎次郎:楽しそうだなお前!!(笑)

GM:気に入ったんですかそれ!!(笑)

姫子:まぁ、そんな私達の所にリーゼロッテさんが来るのよね?

GM:連絡先受け取ってたから電話ですかね? 東さんか姫子さんか……(ダイスを振る)姫子さん、電話です。

姫子:おっらァ! 潜在ガトリングフリーザァァァァァァァァ!!(一同爆笑)

戻って来た虎次郎:おい、ケビンかよ! キャラ変えてんじゃねぇよ、再現実験どこ行った!!(爆笑)

東:負けるかァァァァァ!! デッドリーレぎゃああああああああ!!(一同爆笑)

遠くの小春:お前の無敵ねーですから!!(一同爆笑)
 

 『お前の無敵ねーから!』。
 超必の性能が悪い(無敵が短いor無い)餓狼MOWの主人公ロックさんが、MUGEN界隈においてとある大会で暴れた際に流行した突っ込み。
 「必殺技が暴発した結果、相手の技に突っ込んで自爆」、「相手の必殺技を必殺技で切り返そうとするものの、無敵がないので失敗」など、数々の迷シーンを見せつけたロックに対してこの台詞が大流行。
 竜鳴艦でも流行った。

 

GM:……1分くらいコールし続けた後で通信が止み、東さんのほうに電話がかかり始めます。(一同笑)

遠くの小春:諦めたんですね(笑)。

東:それ気付いたら、対面に座ってる姫子に声かけよう。 姫子、電話来たわ。ちょい待ってくれ。とりあえず今対戦中の俺のロックはトレモ(トレーニングモード)よろしくコマンド入力の実験に使って良い。

姫子:オーライ! 最大ゲージ数が2の餓狼MOWにおいて、ゲージ効率が異常なケビンのみで成立する3ゲージコンボを見せてやるわ!!(一同笑)

遠くの虎次郎:楽しそうだなオイ(笑)。

GM/リザ:電話は勿論、リーゼロッテからです。 『もしもし、東ですか。こちらリーゼロッテ・ブルイユ……あ、あの。なんですか、なにやら電話口の向こうから形容し難い騒音が』(一同笑)

遠くの小春:あぁ、ゲーセンって煩いですもんねぇ(笑)。

遠くの虎次郎/騒音:『わどーけキャー!! スピニンバあ゛──!! しょーりゅちゃっちゃたららら』(一同爆笑)

姫子:あぁうん、そんな感じ(笑)。

東:悪い、今ゲームセンターの中だ。すぐに出るわ。 ……というわけで、ゲーセンから出るけど。

GM/リザ:音声がクリアな通話状況になったら、リザは溜息を吐きますよ。 『……あのですね。学生の本分というものは……』

東:学業の方は成績良いから良いんだよ。つーか何の用だメシアン。説教の為だけにかけて来たならソッコで切るぞ。姫子待たせてるし。

GM/リザ:『姫子も居たのですか? 先程、先に姫子に電話したのですが』

東:……ノリノリで遊んでたから気付いてなかったんじゃないか、あいつ。

GM/リザ:その言葉に、電話越しに深いため息が聞こえます(笑)。 『……いえ、良いです。私は別に、貴方達の生活態度まで束縛しようというわけではありません。ないんです』(一同笑)

遠くの小春:あの、説教したいの堪えてませんかリザさん(笑)。

GM/リザ:かも(笑)。で、数秒間を置いてから、 『……東。貴方は人探しは得意ですか? モノ探しでも構いませんが』

東:やってやれねー事は無いと思うぜ? なんだよ、面倒事か。 そう言いながら、しかし楽しそうな表情で、その辺のベンチに移動してCOMPを立ち上げておくか。

GM/リザ:『面倒事―――えぇ、面倒事です。それも特大の』 と、リザは声をひそめます。 『……東、詳細は言えませんが今現在、この街において裏の―――悪魔の存在を知る勢力同士で、暗闘が開始されています。ファントム・ソサエティの……と、言っても分かりませんか。悪魔召喚師による犯罪組織のサマナーが一人、組織を裏切って暴走。悪魔を封印した宝玉を持ち出し、この街に逃げ込んだのです』

東:……そいつを捕まえたいメシア教と、そいつを追っているそのソサエティとやらの暗闘か?

GM/リザ:『いえ』 ―――と、リザは深く深く溜息を吐きます。 『メシア、ガイア、クズノハ、ソサエティ。4つの勢力が絡み合った暗闘です』

東:……おい、そりゃ。 流石に言葉を失うぞそれ。ヤバくないか、端的に言って。

GM/リザ:『私は今回、メシア教側の依頼を受けています。それが最も分かり易く、状況を収束させる手段だと考えました。こちらの狙いは悪魔が封じられた12の宝玉の確保。特に―――魔王オーカス。これの復活だけは絶対に防がねばなりません』 と、リザは真剣な声で言いますね。

東:……魔王オーカス?

GM:大雑把に説明すると、ローマとかその辺に伝わる邪神・死神・魔王の類ですね。豚の頭と蝙蝠の羽根を持つ地獄の死神で、勇猛だが残虐な神であり、殺戮を好みます。あ、覚醒篇の悪魔の中には手に入る範囲では無かったのでオリジナルデータですね。ストレンジ・ジャーニーではLv33魔王として登場していますので、それを参考にさせて頂きました。

ゲーム中姫子:死ぬわ!!(笑) それ、出現値Dどころの騒ぎじゃなくない!?(笑)
 

 アイテムや悪魔の出現値は覚醒篇ではA〜Dまで規定されています。
 Aは現在のGP以下。BはGP+1〜5まで。CはGP+6〜10で、これが通常シナリオボス格の悪魔です。
 出現値DはGP+11以上。この範囲の悪魔は通常は出現せず、出て来てもPCと戦闘する事は推奨されていません。

 ちなみに現在のGPは9で、オーカスのレベルは33。GP+24ですね。
 姫子の言葉通り、Dランクどころの騒ぎではありません。

 

東:……ヤベェってのは分かった。そのサマナーってなぁ、何を考えてそんな劇物持ち出したんだ? ひと夏のスリルを求めたとかにしちゃ、ちょいとスケールがデカ過ぎだろ。

GM/リザ:『……そこまでは分かりませんが、それ以外の宝玉にもいずれも厄介な悪魔が収められている筈です。少なくとも……昨日、港の埠頭の所で、追撃していたファントム・ソサエティのサマナー達がピシャーチャと戦い、激戦の末に相討ちになったそうです』 あ、ピシャーチャってのはLv19悪霊ですよ。

東:インフレってるなぁおい、出て来る悪魔!!

ゲーム中姫子:それだけでもう、現状のGPだとCランク上限ね(笑)。

GM/リザ:『恐らく宝玉を用いて召喚―――というより、宝玉から解放した悪魔でしょう。現在この街で逃亡中のサマナーは、同様の戦力をオーカスを抜いても残り10も保有している事になります。それを放置しては、恐らく未曾有の災害がこの街を襲いかねません』 と、リザは深刻な様子で電話口の向こうで言いますね。

東:……なるほど。その災害を止めて、無辜の民を救うために俺達に手を貸せ、と。

GM/リザ:『……貴方達もまた、巻き込まれただけの一般市民です。そこに頼るのは気が引けますが―――背に腹は、換えられません』 と、心底苦々しげです。

東:生き辛そうなやっちゃな、相変わらず。分かり易い戦力が知り合いに転がってるなら、自分の目的の為に使おうって発想はないのかよ。

GM/リザ:『私は、手段は選びたいのです。……綺麗事だとは、分かっていますが』

東:……それ聞いたら、溜息を吐こう。 とりあえず、情報調査は俺がやる。戦力面では―――どうしたもんかね。姫子達にも一応声はかけてみるが。あぁ、お前はどうする? 調査する上で合流するか?

GM/リザ:『……ありがとうございます、東。合流は……まずは結構です。こちらは直接、アナログに足取りを追ってみます。貴方は―――』

東:デジタルな方向から調査を、ってことか。了解、了解。まぁやってみますかね。

GM:と、いうわけでリザからの依頼と、簡単な状況説明でした。それじゃ、一旦シーンを切りますよー。

東:へーい。

ゲーム中姫子:……あれ、このシーン、私はゲームしてただけ?(笑)

遠くの虎次郎:良いからお前はヘルキャン3ゲージコンボ決めてろよ(笑)。

ゲーム中姫子:でもケビンって上級者向けキャラなのよねー。飛び込みは弱いし飛び道具無いし。固めと火力と、ヘルキャンによるゲージ溜めをりようした御大尽戦法を使いこなせば最強候補だけど。

東:……とりあえず、姫子に事情の説明はするぞ?(笑) あとは虎次郎達にもメールを―――

GM:おっと失礼。メールは少々お待ち下さい。次はその虎次郎さん達のシーンですからね!!
 

◆行方不明のカップル◆
 

GM:さて、では虎次郎さん。まずは少し遡っての回想シーンになりますが。数日前、貴方は友人である浅井和也くんと話をしていました。

虎次郎:おー、貴重な友人だな。俺、あんまり友達多い方じゃないだろうし。

遠くの東:余り積極的にコミュニケーション取るタイプじゃないし、基本的に無関心というか、浮世離れしてる気がするしな、お前。

遠くの姫子:更にはウチの高校で喧嘩が強い奴トップ2候補の片割れとかいう肩書きだしね。

虎次郎:うん、それは色々巻き込んでくれたお前のせいだからな?(笑)

GM:ともあれ浅井君はその辺気にせず、明るくお調子者な性格で男女ともに友人が多いタイプの人物でした。成績は悪いんで、虎次郎さんとよく一緒に補習受けたり。

虎次郎:ヒメは補習とかは無いのかよ!? 俺(知力9)とあんま知力変わらないだろ!?

遠くの姫子:そうかもしれないけど、私は別に授業中寝てないし。

虎次郎:畜生……で、そのアザッイーがどうしたって?(一同笑)

GM:アザッイーって渾名ですか(笑)。まぁ良いでしょう。そのアザッイー君、先日どうやら恋人が出来たそうで、執拗に周囲に自慢して回って苦笑されてました。

虎次郎:それで苦笑で済む辺り、仁徳って奴だろうな(笑)。 良かったじゃねーか、アザッイー。ところで俺もう寝て良い?(笑)

GM/浅井:「いやいや良いかお前。加奈ちゃんのこの笑顔見ろよ! 可愛いだろ!? やらねーぞ!!」(一同笑) と、そんな感じで写メをごり押しで見せつけて来る浅井君。メールには、美人や綺麗といったタイプでは無いですが、愛嬌があって可愛い感じの少女がはにかんだ様子で微笑んでます。

虎次郎:そうねー。可愛いねー。可愛いからお前、前の授業のノートコピーさせてくんね?(一同笑)

GM/浅井:「超任せろォ!!」 と、駆け出していく浅井君でした。(一同笑) ―――と、ここまでが回想シーンですね。また、その加奈ちゃんという少女は小春の同級生です。

小春:了解ですー。メモ取っておこう。
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:―――そして、日付は今日。即ち、東さんがリザから依頼を受けた日と同日。ほぼ同時ですね。虎次郎さんは補習が終わって、諦めムードの先生が教室を後にしたところです。

虎次郎:いやその。知力9だからね俺。ホントすいません、先生(笑)。

小春:あ、ここで合流しておきましょうか。教室の前で壁に背をもたれたまま、古い文庫本を読んでます。 ―――あ、先生。お疲れ様です。トラ先輩もお疲れ様です。

虎次郎:あれ小春? どしたんだお前?

小春:いえ、私は図書室に篭って本を読んでいたのですが、それが終わって通りかかったらトラ先輩の補習中の姿が見えまして。もう少しで終わりそうな雰囲気でしたし、だったら少し待ってみようかなと。

虎次郎:そりゃどーも。……あ、そういえば加奈って名前の子、お前の同級生だったっけ?

小春:え? はい。あれ、トラ先輩。ヒメ先輩という人が居ながら、不義密通ですか?(一同笑)

虎次郎:何でそこ言い方がそんな古風なんだ(笑)。ヒメとの間柄もそんなんじゃねーし。……つーか、友人に彼女が出来たって話で、その相手がお前の同級生だって話だよ。

小春:あぁ、そういえば。加奈ちゃんから最近、その話を聞いた事があるような無いような?

GM:―――と、そのタイミングで虎次郎さんの電話が鳴ります。着信相手は、『浅井和也』。

虎次郎:うぉ、噂をすれば。そういえばアザッイーの奴、今日は補習食らってなかったな。

GM:虎次郎さんは思い出します。今日はデートがあるから、補習受けないように必死こいて良い点取ったと、浅井君が自慢していた事を。

遠くの姫子:……さーて、どうなるかなー。私、すっごい嫌な予感するんだけど。

虎次郎:うん、実は俺も。とりあえずアザッイーが今日デートだと言うのを思い出しながら、電話に出ます。 よう、どうしたアザッイー。今日はデートなんじゃ―――

GM/浅井:……電話口から聞こえたのは、激しく争う音と悲鳴です。 『虎次郎、虎次郎! 頼む、助け―――うわああああああ、ば、化け物! 来るなぁ! 逃げ、逃げろ加奈! 逃げ――――ごぶっ!!』

虎次郎:な、おい浅井!?

GM/加奈:『いやあああああ!! 和也さん! 返事をして、和也さ――――』 そして、ぐしゃりと何かが潰れる音。獣の雄叫び。ぐちゃぐちゃとした咀嚼音が暫く続いた後、バキンッ、と……恐らく電話が壊れたのでしょう。その音を最後に、電話は切れます。

虎次郎:……うわ。ど、どうしよう。とりあえず呆然とした後で、慌てて電話をかけ直す!!

GM:では、この電話は圏外、或いは繋がっておりませんというシステムメッセージが返ってくるのみですね。

小春:……ど、どうしたんですかトラ先輩? 破局の電話か何かですか?

虎次郎:そっち……だったらどんだけマシかね。 これは、あれか。浅井は件の暗闘に巻き込まれた―――んだよな。メタ視点の情報だけど。

GM:ぶっちゃけ、その通りですね。

虎次郎:とはいえ、それは分からないと。 ……浅井が、多分死んだ。恐らく、加奈って子もな。電話口の向こうで争う音と、悲鳴と……その後に何かが潰れる音と咀嚼音がした。

小春:……え?

虎次郎:GM、ちょい質問。電話口から他に何か聞こえなかったか?

GM:そうですね。直観で判定して貰えますか?

虎次郎:それなら得意分野だ。(ダイスを振る)……よし、成功。どうだ!?

GM:では、水音が聞こえた気がします。あと小春さんと虎次郎さん、二人とも知力判定して貰って良いです?

虎次郎:そっちは苦手分野だ!(一同笑) (ダイスを振る)……ほら駄目だー。

小春:こっちは成功しました。どうですか?

GM:では、小春は加奈から今日のデートは海辺の公園という話を聞いていたのを思い出します。ここからだと、東さん達が居るであろうゲームセンターとは逆方向に電車で2駅という所ですね。

遠くの東:……GMがバラバラに行動しろと言っている気がする。(一同笑)

虎次郎:なら、その誘導に従うか?

遠くの姫子:……従いましょ。バラバラに動いた方が手数は増える。救える命も増える可能性が高いわ。

虎次郎:下手すると死亡の可能性も増えるがな。まぁOK。ここはヒメの判断に任せる感じで。

小春:では、海辺の公園で逢引するという話だったというのを伝えましょう。(一同笑)

遠くの姫子:だから何でデート=逢引みたいに、いちいち古臭い感じに直すのよ、貴方は!(笑)

虎次郎:……なるほどね。んじゃ、小春。俺はちょいそっち行ってみるわ。お前はどうする?

小春:そう、ですね……。姫子先輩と東先輩にメールで事情だけ伝えて、そちらに向かいましょう。

GM:はい、乗ってくれて感謝です。では、こちらも調査に出発したところで、シーンを切りましょうかー。
 

◆16:30 災禍の予兆◆
 
 ―――で、まずは虎次郎達ほど切羽詰まってはいませんが、色々な情報を初期段階でリザから貰っている東たち。
 虎次郎達からのメールはもう少し後と判定された為、東と姫子は近場のネット喫茶に入って情報を漁ります。

 

GM:ちなみに現在、16:30です。今回はタイムテーブルが作ってあり、それに従って色々な事態が進行していく感じですねー。

姫子:おー、それは凄い。……で、もしかしてタイムテーブルには誰かの死亡とかいう要素も入ってたり?

GM:ええまぁ。リザ含め、既存NPCもまだ登場していないNPCも、各々死ぬ可能性を持っていますので注意して下さい。悪魔なんかも死ぬ可能性があったり無かったり。

東:うっげ。そりゃ色々、急いでかつ慎重に行動せんと不味いな。

姫子:優先順位決めましょか。最優先でリザ。次に南雲さんと恵ちゃんだっけ。1話で出て来たクズノハの二人。

東:黒木の旦那はどーなるのかねぇ。そうそう死にそうにはないが……って、クズノハの二人! コネあるじゃん。姫子、そっちの二人に電話してクズノハの動きとか聞いてみてくれ! 俺はネットで情報漁るから。
 

 ―――で、方針を決めた姫子と東、情報収集開始。
 東は情報収集ソフトを起動させてネットで情報を漁ります。
 
 結果―――拾えたのは、数匹の悪魔の目撃情報。
 港区にて、『一つ目、一本足の化け物』。住宅街にて『巨大な猿』。市街中心部にて『ライオンっぽい獣』が確認されています。
 更に悪魔ではありませんが、裏路地にて『密教僧らしき集団』が目撃されているとの事。

 ちなみに今回、街は9つの街区で構成されているとしています。
 市街中心部/商店街/大公園/港区/住宅街/繁華街/裏路地/遊園地/山岳部、ですね。
 どこに行けばイベントがあるかなどは、結構頑張って作っています。

 

東:さーて、どーすっかなコレ。どれが放置するとヤバいんだ?

遠くの虎次郎:……港区のコレ、なに?

GM:あ、結構オリジナルというか、他のメガテン系に出てて覚醒篇に出てない敵を覚醒篇に嵌め込んだ悪魔が居ます。港区のそれもそうですんで、考えても無駄ですよ?(笑)

姫子:厄介ねー。あ、こっちはさっき言われた通り、まぁ南雲さんに電話してみましょ。出る?

GM/南雲:出ます。 『はい、こちら南雲―――っと、椿君か。どうした?』

姫子:やほ、南雲さん。一つ聞きたいんだけど、貴方今どこに居るの? この街? 恵ちゃんは一緒に居る? 居るならこの街のどこ?

GM/南雲:そう捲くし立てられますと、南雲は面食らった様子ですね。 『ちょ、ちょっと待ってくれ。いきなりどうしたんだ?』

姫子:んー、そうね。じゃあ言い方変えましょう。―――クズノハは、この街に逃げ込んだファントム・ソサエティとやらのサマナー云々かんぬんの状況について、どれだけ把握してる?

GM/南雲:そうド直球で聞かれると、南雲は僅かに黙りこみます。 『……まさか、首を突っ込む気か。前回は恵の暴走のせいで君達を巻き込んだが、今回は別だ。君達が動く事はない。事情を知っているなら尚の事、大人しくしていてくれ』 で、そう言う南雲の後ろで、恵らしい声が『いや本当に反省してます』と申し訳なさそうに言ってるのも僅かに聞きとれますね。

姫子:……ふ、む。なぁるほど。恵ちゃんとは一緒に居ると。となればやっぱり、クズノハは動いてるのね。大丈夫よ、私達も今回は事件を解決したいと思ってる組織から情報提供を依頼されただけ。

GM/南雲:『……事件を解決したいと思っている組織? それはどこだ?』

姫子:教えたらなんか情報くれる?

GM/南雲:『内容次第だ』 と、南雲は苦みしばった声で言いますねー。

姫子:ふむーん。ま、イイでしょ。メシア教会よ、メシア教会。

GM/南雲:『メシアが?』 と、言った後に長い沈黙。 『……聞くが。本当に、奴らは事件を解決する気があるのか?』

姫子:……もしかして、メシア教自体はあんま積極的に動く気は無い? 私らが依頼受けたのはね、正確に言えばメシア教の外部協力者。はぐれメシアン、って言えば分かる?

GM/南雲:『珍しいスタンスの人間だな。……だが、一つだけ言っておく。メシア教の中全てがそうだとは言わないが、奴らは排他的な組織だ。彼らが守るべきは弱者かもしれないが―――その弱者に、信者以外の民は入っているのか?』

姫子:……覚えておくわ。メシア教の動きにも気を払えって事ね。だけどま、私らの依頼人はあれ、完全に善意の人よ。彼女はマジで人助けに動いているみたい。―――で、退魔師ネットワークのクズノハさんは市民を守るために動いてくれているのかしらん?

GM/南雲:『ファントムの構成員を追っている。無論、この事件を収束させるつもりだ。……今回は戦力は私達だけでは無い。相応の戦力が来ているから、君達は安心して待っていてくれ。下手に動くな』

姫子:んん? あ、いやごめん。PL発言ね。

遠くの虎次郎:何か気になる事でも?

姫子:うん。ファントムの構成員を追っているのは良いけどさ。……市民の保護とファントムの撃破、背反する事態になったら、クズノハってどっち選ぶの?

GM:さぁて? どうでしょうねー。ですが良い着眼点ですね。

東:……なぁるほどね。南雲さんや恵、リザはまぁ信用できるが、組織はどこもかしこもイマイチ信用しきれねーわけだ。

GM:どこか一箇所、完全に善性で動いているような場所を作ってしまうと、PCはそこの味方すればよくなっちゃいますからねぇ。各々何かしら、市民より優先する目的がある感じで動いてますよとだけ。

遠くの小春:メガテン系の常とはいえ、市民の命は軽いですねぇ……。

GM:まぁ最終的に多くを救うため、目の前の少数見捨てますみたいなトコもありますけどね。まだ南雲に何か聞くこと有ります?

姫子:じゃあ、最後に一つだけ。 ―――南雲さん、今、貴方はどこに居るの?

GM/南雲:『―――“大公園”だ。こちらも無暗に危険な方に動くつもりは無い。情報を集める程度なら良いが、無暗に首を突っ込むなよ? 頼むぞ』 と、言って、南雲は電話を切りますね。

姫子:……今の、本当なのかしら。

GM:あ、本当です。ぶっちゃけ背後で公園の放送アナウンスが聞こえたで良いですよ。『もう夕方です。お子さんは家に帰りましょう』みたいな。

姫子:オーライ、感謝。……ちょっと纏めてみましょうか。

遠くの虎次郎:さて、頭脳担当PLが居ない状況で、比較的マトモなPLが二人とも向こうに取られてるぞぉ。(一同笑)

遠くの小春:トラ先輩、私らどうしましょうねぇ(笑)。

東:ちょっとは考えろお前ら!!(笑)
 

 ―――で、相談タイム。
 暫くあーでもないこーでもないと色々な意見が出て行動指針が割れますが、結果―――。

 

姫子:決めました。GM、とりあえず私らは住宅街に出向く。で、リザに電話してそこに来てくれるように頼みます。

東:とりあえずこいつは放っておくと一番死にかねないからな。んで、俺らはアレだ。考えても無駄だし、一見してヤバそうな悪魔が居る場所を順に廻る。順繰りに処理していく事にする。2手3手先までは知るか!!

GM:あい、了解しましたー。
 

 で、リザへ電話しての行動指示。
 魅力チェックに失敗していると断られる可能性がありましたが、リザに割り振った宿命×5%の成功率補正をかけていたおかげで、どうにか成功します。

 

GM/リザ:『―――確かに。大元のファントムのサマナーを追うのは必要でしょうが、既にうろついている悪魔を放置も出来ません。お手伝いいたします』

東:助かる。

GM/リザ:『しかし、貴方達こそ良いのですか? 戦闘にまで手を貸してもらうなど……』

姫子:良いじゃない。少なくとも、足手まといにはならないつもりよ? 前回の戦い、見たでしょ。都合よく戦力が転がってて、効率的に無辜の民を守れると考えなさいな。

東:まぁ、中々刺激的な体験は出来そうだからな。

GM/リザ:『ありがとうございます、姫子。……東、貴方はもう少し真面目に生きなさい』 と、リザは電話を切りますね。それと同時に虎次郎と小春から、件のメールが届きます。

遠くの虎次郎:オッス、オラ虎次郎!(一同笑)

東:お前はいつからそんな元気を分けて貰いそうなキャラになった。(一同笑)

遠くの小春:まぁ、友人が何やら悪魔関係かもしれない事件に巻き込まれて、恐らく亡くなったっぽい事。それと私とトラ先輩でこれからそっちに向かう事を伝えますねー。

東:じゃ、こっちも情報をメールで伝え返しておく。港区には厄介な悪魔が居るっぽい事も含めるぞ、勿論。

姫子:……ねぇねぇ、ちょっと疑問なんだけど。

遠くの虎次郎:ん?

姫子:これでさー。相手が生きてる可能性あるって考えてるならまだ分かるのよね。助けに行くって事だから。でもトラの場合、明らかに『あっ、死んだな』と思って行動してるっぽいじゃない?

遠くの小春:そうなんですか? 私は一縷の望みに賭けてる部分もあるんですけど。

遠くの虎次郎:あ、俺は100%死んでると思ってる。

姫子:でしょ? それでそこに行く理由って……あ、これ以上被害者出ないように?

遠くの虎次郎:(さらっと)いや、友人殺されたんで殺し返しに行こうかと。(一同笑)

GM:うわ、めっちゃセメントだった!?(爆笑)

東:……虎次郎、お前、敵がかなり強い可能性あるの忘れるなよ?(笑)

遠くの虎次郎:まぁ、いざとなったら命運を吐くだけ吐いてどうにかする。多分。

姫子:……あ、やる気だ。(一同笑)

GM:まぁ想定の範囲内ではありますから(笑)。

東:……どうする? 姫子だけでも向こうに合流するか?

姫子:うーん……な、悩ましいけど、ここはトラを信じるわ。私は予定通り、住宅街へ向かう。東もそれで良いわね?

東:了解。まぁ俺一人で行動するのはかなり危険だったから、正直助かる。

GM:あい、了解です。では東さんと姫子さんは住宅街に移動ですねー。
 

◆17:00/港区 変わり果てた友人◆
 
 ―――で、虎次郎&小春。
 港区に移動した二人ですが―――

 

GM/メシアン:移動した二人が発見したのは、カソックを着て十字架を首元にかけた集団ですね。 「ここの宝玉は違うらしい」「無駄足になったか……」「仕方あるまい。次に行こう」という会話も漏れ聞こえ……。

虎次郎:……メシアン?

GM:ですね。

遠くの東:おい待て、こいつらマジで何やってんだ。どれかの宝玉が目当てなのかこいつら。

GM:さぁ? その辺調べたければ、また今度やってみて下さいねー。

小春:……うーん。まぁ、メシアンの方々が居るなら、私はてぽてぽと近づいて行きましょう。 で、いつもお世話になっておりますー。 と、御挨拶。(一同笑)

GM:何故っ!?(笑)

小春:え、やだなぁ。メシアンさんにお世話になってるのは事実ですよー。リーゼロッテさんにですけど(笑)。

GM/メシアン:あー、どうしよう(笑)。敵とも味方とも分からん謎の少女に声をかけられたなら、メシアン達は驚いた様子で警戒します。 「……なんだ、君は?」

小春:あ、そうでしたね。こんにちはがまだでした。(一同笑)

GM/メシアン:「えっ、あの」

小春:あ、それともこんばんはでしょうか? 17時って微妙な時間ですね。はい、こんばんは。

GM/メシアン:「こ……こんばんは」 と、一人が思わず返事を返します(笑)。

遠くの東:すげぇな小春時空!!(笑)

GM/メシアン:「それで……君は誰だ? 我々の誰かと知り合い、という風でも無さそうだが」 と、警戒はやや緩みますが、今度は困惑が強く出ていますね。

小春:あ、はい。葛木小春と申します。

GM/メシアン:「いや、その」(一同笑)

小春:高校生です。

GM/メシアン:「はぁ、その高校生が我々に何の」(一同笑)

小春:御挨拶です。

GM/メシアン:「え、なんで」(一同笑)

小春:メシアンさんにお友達が居るんです。とっても良い人で。メシアンの方々にはお世話になってますので思わず。

GM:……うわぁ微妙なラインだなぁこれ。メシアン連中、同じ信者以外には冷淡だけど、信者には親身という行動理念だし……。

遠くの姫子:微妙なの? 今の発言で小春がメシアンじゃないってのは確定じゃない。

GM/メシアン:朋友の友人、という立ち位置になっちゃったんですよ、今の一言で。すんげー微妙なライン。 「……あー、その、なんだ。君はメシアンじゃないのか?」

小春:はぁ、その方に一度教会に来るように誘われはしたのですけど、学校の方が忙しくて中々教会に伺う機会が……。

GM:更に微妙になったなぁ!!(笑) 将来的に朋友になる可能性が無くもなく、朋友の友人だけど、現状で他人!(一同爆笑)

遠くの姫子:何が酷いって全く嘘は言ってないし、小春的には全力で天然で本気なのよねこれ(笑)。

GM/メシアン:メシアン達は顔を見合わせ困ったようにしていますが、リーダー格らしき男が咳払いをして小春に向き直ります。 「……あー、君。悪い事は言わない。ここは危険だから離れなさい。出来れば家に帰るか、メシア教の教会に来ると良い。今は色々危ないんだ」
 

 先にも言った通り、ここに居るメシアン達は基本的に『メシア教徒は救うが、他はどうでも良い』というスタンスで動いています。
 ある意味メガテンらしい、排他的なメシア教信者ですね。
 ……ですが小春の発言が、実に微妙なラインを突いています。流石に排他的なメシア教信者と言えど、『メシア教信者の友人で、教会に勧誘をしている最中』という相手をどうするかは意見が分かれる所でしょう。

 で、GM判断は『善意の警告』。
 多くは伝えず、小春の為に積極的に危険を打ち払うような真似はしませんが、最低限危険に巻き込まれない程度の警告を伝えます。

 

虎次郎:……どーする? そこらで俺も会話に加わるか? 俺、小春みたいに天然出来ないから、下手すると相手の対応が悪化するが。

小春:そですね。ちょっと待ってて貰えます? とりあえず私が聞いてみましょ。 えーと、それは悪魔が出るってことでしょうか?

GM:ド直球だな!?(爆笑) では小春に対応していたリーダー格のメシアンはぎょっとします。

小春:え、私変な事言いました!?(笑)

遠くの姫子:基本、悪魔って隠匿されるもんなんじゃないの?(笑)

小春:あ、そっかぁー。(一同笑)

虎次郎:あかん、こいつプレイヤーまで天然化が進んでやがる……!!(笑)

小春:まぁ、ぎょっとした様子のメシアンさん達を見て首を傾げましょう。 あの、私、以前に悪魔関係の事件に巻き込まれた時にそのメシアンさんと知り合ったんですよ。

GM/メシアン:「……あ、あぁ、なるほど」 ……マジで嘘は言ってませんな小春さん。

小春:実際私的には、素で事実を話してるだけですし。

GM:……よし、ここは判定で決めよう! 小春さん、魅力チェックお願いします。

小春:はーい。(ダイスを振る)……あ、成功しました。

GM/メシアン:んじゃ、メシアンは更に悩む様子を見せますが、他のメシアンが『そろそろ他に向かわないと……』と声をかけます。で、リーダー格らしきメシアンは悩みながら小春に向き直りますね。 「君は我らの同胞ではない。故に多くは伝えないが、その通りだ。君の友人である我らの同胞に免じて伝えるが、今のこの港区には強力な悪魔が潜んでいる。危ないから早く帰るか、安全な教会に来るんだ」

小春:でも、ここで私の友人が行方不明になってるんですよねぇ。何か知りませんか?

GM/メシアン:「……諦めたまえ。正直、その友人がまだ生きているとは思えない。ここに出ている悪魔は邪鬼ドンコウ。並の人間が敵う相手では無い。―――では我らも急ぐので、失礼」 と、強く引きとめない限り、メシアン達は去って行きますね。

小春:あ、ではお礼を言って見送ります。どうもありがとでしたー。

虎次郎:メシアン達が去ったのを確認してから、小春に近付いて行くか。 ……どうだった?

小春:色々教えて貰いましたよぅ。トラ先輩、どうして来なかったんですか?

虎次郎:お前と違って、多分俺はああいう連中とは相性悪いんだよ。で、何か分かったか?

GM:あー、そうですね。このタイミングで、邪鬼ドンコウという名前に心当たりがあるか、知力チェックお願いできます?

トラハルコンビ:(ダイスを振る)失敗ー。

虎次郎:なんだろうなぁ、邪鬼ドンコウって?(笑)

小春:さぁ?(笑)

GM:……では、そんな名前の何かが居るらしい事は分かりましたね(笑)。

虎次郎:まぁとりあえず、メシア教の連中がリーゼロッテとは別の行動理念で動いている事と、ここに居るのがドンコウとやらだって事が分かっただけで十分な収穫だ。その辺の情報は東にメールしておこう。

遠くの東:ドンコウねー。PL知識でも分からんわ。なんだろ?
 

 邪鬼ドンコウ。中国産の妖怪です。書き方は呑口。
 河に住む一つ目、一本足の妖怪であり、近くを通りがかった人間を河に引きずり込んで食ってしまうといわれています。
 データはオリジナル。登場時に公開と致しましょう。

 

虎次郎:さーて、んじゃあここからの行動だが。

遠くの姫子:大雑把に選択肢は二つね。さっきのメシア教徒を追うか、ドンコウってのを探すか。

小春:……放っておいたら、ドンコウの犠牲者って増えそうなんですよね。

遠くの東:……確かにな。

虎次郎:なら暫く、探しまわって見るか。

遠くの東:海辺には近づくなよ。流石に水中に引き込まれたら知らんぞ。水上に出て来た所を狙え。

虎次郎:へーい。

GM:では、ここで加護判定お願いします。成功すればドンコウを発見。失敗すれば他の敵と遭遇です。

虎次郎:どっちにしろ敵かい。(ダイスを振る)……チッ、駄目だ。失敗した。

小春:……あ、こっちも駄目ですね。どうします? 振り直します?

遠くの姫子:あー、出来ればそのまま遭遇お願い。他に敵が出るなら、どんな相手が出るのか確認しておきたいし。

小春:了解しました。

GM:ふむ、良いでしょう。では―――虎次郎さんと小春さんがドンコウを探して歩いていますと、突如として公園の片隅から悲鳴が上がります。

虎次郎:なんだ!? そっちに向かうぞ!

遠くの姫子:いつになくトラが素早いわね。(一同笑)

GM:はいはい。ではそちらに居るのは、逃げまどう数名の市民。この時間に海浜公園に居るんですから、デートしていた若い男女が多いのでしょうね。彼らは口々に『化け物だ!』『逃げろ!』などと叫んでおります。

遠くの姫子:微妙に悲喜こもごもが発生してそうね(笑)。

GM:あぁ、ありそう(笑)。さっきまで『君を永遠に守るよ……』と言っていた男が、ものっそいダッシュで女の子置いて逃げ出したり。(一同笑)

小春/カップルの女性:先程までしおらしく、『私、箸より重いモノを持った事が無いんですぅ』とかいう雰囲気出していた女性が、「ふんがあああああああああ!!」と雄叫びをあげながら、腰を抜かした男性を抱えて疾風の如く走って行きました。(一同爆笑)

虎次郎:それはすげぇ!!(爆笑) 思わず二度見するぞそれは!(笑)

GM:まぁそんな悲喜こもごもの奥。人の流れに逆らって向かった先。そこに居るのは、一つ目一つ足の化け物―――ではなく。白濁した目と、青白く変色した肌と、剥き出しの内臓をさらけ出した人々の群れ。……ゾンビの集団ですね。

遠くの東:……うげ、犠牲者か。

GM:です。その中に、虎次郎と小春は各々一人ずつ、見知った顔を見付けます。生前は喜怒哀楽を表の出して、ころころと良く変わる表情で友人の中心で笑っていた浅井君。その表情は恐怖に凍りついたままで、二度と動く事は無いでしょう。そして彼のすぐそばに、小動物のような可愛らしい雰囲気を持っていた加奈ちゃんが、ぎょろりと白濁した目を剥き出しにして立っています。

小春:……、あ。 それを見たら、思わず動きを止めます。

虎次郎:……無言で刀に手をかけ、抜き放ちます。

小春:トラ先輩……?

虎次郎:ハラ括れ、小春。無理なら下がってろ。

遠くの姫子:……死んだものと思って来ていたトラと、一縷の望みに賭けていた小春の差ね。

虎次郎:こうなった以上、もう出来る事は無い。悪いな、浅井。 小さく目を伏せ、すぐにゾンビに向き直ろう。GM、敵の数と種類は?

GM:はい。データ的にはボディコニアンと同データの敵が4体ですね。浅井君含め、男性のゾンビも居ますが。
 

・ボディコニアン。7Lv屍鬼。ゾンビレディーやゾンビちゃんと呼ばれる事も。
・要はゾンビ化した若い女性である。特徴として、屍鬼は魅力が低い種族なのに、ボディコニアンは例外的に魅力が高い。今回は例外的に男性も含んでいるが。データ的な都合で。
・確率は低いが、仲間を呼んだ場合の成功率は結構なものである。
・……が、流石にLv7なので、虎次郎を倒すのは困難なレベル。要はザコ。

 

虎次郎:……それならどうにでもなるか。

小春:とはいえ、数が居ますしね。……一度、深く深く深呼吸してから、トラ先輩の後ろに立ちましょう。 ご迷惑をおかけしました。大丈夫です、やれます。

虎次郎:……無理はするなよ?

小春:いえ、大丈夫。……出来る事は、確かにもうこれくらいですから。ごめんね、加奈ちゃん。

GM:―――では、戦闘を開始しましょうか!!
 

◇VSゾンビの群れ◇

▽ラウンド1〜3▽

 ―――というわけで、戦闘開始。
 虎次郎は敏捷を捨てているとはいえ、屍鬼も敏捷が低い種族なので、辛うじて虎次郎も先手を取る事に成功します。
 行動順は小春→虎次郎→ゾンビ達。

 

小春:集団相手ならば、魔界魔法使いの出番ですしね。マハザン撃ちます。ボディコニアンは魔法回避も低いし……(ダイスを振る)うん、成功! 回避失敗したのは敵A、B、Dですか? ではダメージ、10の13の25!! 最後だけ転倒お願いします。

GM:うわ、一気にDが半分以上削られた。

虎次郎:なら、トドメ刺すか。(ダイスを振る)当たってダメージ30っとな。

GM:ギリギリで生き延びてますが……。おのれ、反撃!!
 

 ゾンビ達、虎次郎に反撃。
 まぁイベント戦闘のようなものなので、そこまで本気で虎次郎を倒そうとしているわけではないですが……。
 防御力20相手に攻撃力10+2D6で挑むのは少し無謀だったかもしれません。
 1発当たるも、ダメージ19。装甲で弾かれます。

 

虎次郎:横合いから浅井のゾンビが掴みかかって来たのを刀で弾いて、無表情でそちらに向き直る。 ……らしくねぇ顔、しやがって。

小春:トラ先輩が怖いなぁ(笑)。

遠くの東:油断はすんなよー。この後、多分また戦闘あるんだからなー。

虎次郎:温存してるよ。見切りも使ってないしな。
 

 虎次郎は回避技にMPを割かず、通常通りの回避で対応しています。
 敏捷ステが低いので、見切りを使わない場合の回避は並以下の虎次郎。
 改めて見るとタイマン特化野郎です。

 しかし防御力自体がボディコニアンの攻撃でそうそう抜けるほど低くないのもあり、戦闘は優勢。
 2ターン目もダメージを受けません(与えられもしませんでしたが)。
 小春は確実に当てる為に2ターン目は集中し、3ターン目にまたマハザンを放ちます。
 この攻撃で弱っていたDが撃破。Cもかなりの負傷を負います。

 

虎次郎:で、転倒したCを斬っておくか。(ダイスを振る)……あ、ファンブル。自分に23点。(一同笑)

GM:何してんですか(笑)。

遠くの姫子:流石にトラでも、友人斬るのに動揺が無かったワケじゃない、って所じゃない?

虎次郎:それかなぁ。浅井ゾンビに剣を向けた時に少し動きが鈍って、その隙に後ろから殴られた、とか。 ―――っ、この野郎!

GM:ちなみに実ダメージは。

虎次郎:3点。

GM:ダメージ無いなぁ!!(笑)

虎次郎:技も使ってないからなー。
 

▽ラウンド4〜6▽
 
 で、4〜6ラウンドの間はじりじりとした削り合い。
 出目が良かった攻撃もあり、ゾンビ側は虎次郎のHPを更に3点ばかり削りましたが……そこが限界。

 5ラウンド目にはファンブルしたBがAに殴りかかるなどのトラブルも発生し、小春の集中をかけながらのマハザンで吹っ飛ばされ、転がった所を虎次郎に斬られ。
 6ラウンド目にAとCがまとめて脱落。

 

小春:もう充分ですね。MP温存もありますので、後は私は見てるだけで。

虎次郎:あいよ。それじゃ、後は任せとけ。
 

▽ラウンド7〜10▽
 
 しかし残り1体になった所で虎次郎が無駄に数発攻撃を外したり、敵の攻撃がクリティカルして、あわや2倍ダメージという場面もありましたが。
 慌てて見切りで回避した為通常ダメージで済んだ次のターン。
 虎次郎の剣が、ようやく最後のゾンビを斬り裂いたのでした。

 

虎次郎:……な、長かった。何故残り1体になってからあんな苦戦するんだよ。(一同笑)

遠くの姫子:ダイス目故に致し方無し。良くあることでしょ。

虎次郎:まぁ、な。では最後に浅井のゾンビに向けて、目を伏せて小さく呟こう。 ―――悪ぃな。俺じゃ、こうする事しか出来ねーんだ。 で、後は無言のままでトドメの一撃を振り下ろす。

GM:―――はい。では、それを最後に周囲に動くゾンビは居なくなりました。一般人の皆様も、もういませんねー。

虎次郎:だろーな。さて、どうするか。

小春:まず、散らばってるマグネタイトを拾い集めましょうー。(一同笑)

遠くの東:……ブレねーな、お前……(笑)。
 

◇戦闘終了・決算◇
合計経験値:140点(一人頭35点)
CP:48

※基本的にウチでは、一部PCだけが参戦した戦闘でも全PCに等分に経験値を渡すという仕様でやっています。
  PC間格差が発生しないようにする為の処理ですね。ご了承ください。
 
 ちなみにこの経験値で全員、7Lvにレベルアップ。
 レベルアップ処理を並行して行いつつの進行となります。

 

虎次郎:……さて、マグネタイトを集め終わったらどうする? 人来たら厄介だし、早めに移動したいんだが……あ、港区の中で移動って事ね。まだドンコウとやらを狙うのは諦めてないんで。

小春:ですか。まぁ、私としては異存は無いですよー。

GM:ふむ、ではここでお二人とも、知力チェックを行って貰えます?

虎次郎:だから俺に知力は……(ダイスを振る)……あー、駄目だ。

小春:(ダイスを振る)私も駄目ですね。何があるんですか?

GM:では残念、何も気づきませんね。……僅かな不自然さを、ゾンビ化していたそれらの死体に感じただけです。

虎次郎:不自然さ……?

GM:さて。貴方の目からは、爪と牙で裂かれて喰われた死体のなれの果てにしか映りませんね。ちなみにゾンビ化していた事が不自然だ、という事は無いです。GPの高い地域だと特に、埋葬されなかった死体に下級悪魔が取り憑いてゾンビ化するという事例はままある事ですんで。

虎次郎:しゃーない。刀を鞘に収めて、適当に歩き出そう。どの道、ここに長居するわけにはいかん。

小春:あ、待って下さいトラ先輩。それをてぽてぽ追いますよー。

虎次郎:……まずはドンコウ探しだ、小春。野郎、見付け次第ぶった斬る。

GM:と、いうところで時間経過。シーンを移しますよー。
 

◆17:30/住宅街 双子の妖獣◆
 
 で、姫子と東にシーンは移ります。
 虎次郎達がゾンビ相手に立ち回っていた頃、彼らは『住宅街』に到着していました。

 ちなみにその間に行われたレベルアップの結果は以下の通り。

・虎次郎
 抜刀術成長 強さ・耐久・器用・直観+1

・姫子
 骨法成長 強さ・耐久・敏捷・精神+1

・東
 シューティング成長 器用・耐久・精神・魅力+1

・小春
 魔界魔法/強化成長 敏捷・耐久・精神・魔力+1

 

遠くの虎次郎:さて、ここではなんだっけ? でっけー猿モドキが目撃されてんだっけ?

東:うむ。温厚な相手なら良いんだが、そうじゃなかった場合あからさまにヤバそうな感じだったからな。早めに処理したい。

遠くの小春:お猿さん言うたら、セイテンタイセイとかハヌマーンが真っ先に思い付きますねぇ。

東:ンなもん会ったら死ぬわッ!!(爆笑)
 

 ハヌマーン。Lv60幻魔。ヒンドゥー教の猿神であり、ラクサーシャ軍という敵軍相手に大活躍をする。
 セイテンタイセイ。Lv49破壊神。言わずと知れた孫悟空。
 
 当然の如く、今回のシナリオで大問題とされているオーカスが問題にならないレベルの高位悪魔。

 

姫子:まぁ実際、何が居るのかしらね。……あ、それとリザとの合流もあるけど。

GM:あ、はい。ここにこの時間に来たら、イベント発生ですね。 ―――姫子さんと東さんに、一人の少女が声をかけて来ます。

東:……お?

GM:セミロングの金髪と、先端のくるんと内側に巻いた巻き毛が印象的な少女ですね。瞳は青く、西洋人でしょうか。

遠くの小春:おっぱいはどうですか?(一同爆笑)

GM:トランジスタ・グラマー。

遠くの小春:(ノータイムで)味方ですね。(一同大爆笑)

姫子:ねぇ小春、その全く新し過ぎて誰もやらない敵味方の判定基準は何!?(爆笑)

遠くの小春:オパーイ判別法です。私が独自に考えたそれは、統計学的なデータは全く無い勘で相手の敵味方を判別します。(一同爆笑)

GM:駄目じゃん!!(爆笑)

遠くの小春:敵か味方か、正解率は50%。四捨五入すればなんと100%の高正解率です。

姫子:なんで10の位で四捨五入すんのよ!?(一同大爆笑)

遠くの虎次郎:……つーか中立とかは無いのか?(笑)

遠くの小春:(渋く)人生は全て、伸るか反るか。白か黒か。―――今の若い人は、それが分からんのですよ。(一同爆笑)

姫子:あんたPCもPLも最年少でしょうが!!(一同笑)

東:……で、GM。状況描写は? それで終わり?(笑)

GM/少女:おぉ、東さんは冷静だ(笑)。えー、そうですねぇ。ゆったりとしたブラウスとスカートを纏ったその少女は、しかし濃密な血の匂いを漂わせており、更に耳が少し尖っていたりします。上目遣いに東と姫子を見て、くすくすと余裕ぶった笑みを浮かべていますね。 「お兄さんたち、この先は危ないわよ?」

東:うわぁ、明らかに人間じゃねーぞこいつ!? 警戒して、懐の銃に手をかけます。

遠くの小春:むむ、危険人物というか危険悪魔? 私のオパーイ式診断が外れるとは

GM/少女:「―――あら、少しは知識があるのかしら?」 と、東さんの態度を見て、驚いたような表情を僅かに浮かべます。ですがそれも一瞬。 「残念だけど、ここは通行止め。引き返しなさい? でないと、怖ぁい悪魔に食べられちゃうわよ?」 と、言いながら、右手を向けて来ます。その手には長い爪が伸びていますね。

東:……ん? ……12の宝玉の悪魔のうち1体。それがお前……だよな? 多分。

GM/少女:「その通り、なんだけどね。―――ナイトメア。夜魔ナイトメアよ。『お前』なんて呼び方は嫌いなの。覚えておきなさい、このオッペケペー」

遠くの小春:(こてんと首傾げ)……つおい?(一同笑)

GM:直接戦闘向けではありませんが、そこそこつおいです。東さん、アナライズして良いですよ。
 

 ナイトメア。17Lvの夜魔です。
 出典は追加データ勢。夜魔の常として格闘戦闘能力は最低クラスですが、魔力や魅力が高く、多くの状態異常を発生させる魔法や特技を使用します。
 ただし、真っ当な攻撃手段がザンマ(ザン系の中位単体攻撃魔法)しか無いので、直接戦闘力は低めです。

※本来は出現率Cランク以上の悪魔はアナライズ出来ないのですが、今回のシナリオは出現率C以上がぞろぞろ出てるので例外的に可能としています。
 GMが忘れていたという事実は無いんです。
 無いんですったら、無いんです。

 

東:(ダイスを振る)……あ、駄目だこりゃ。詳しくは分からんけど、ナイトメア、ねぇ。……ちょい聞きたい事があるんだが。

姫子:どしたの、東? なんか気になる事でも? 血の匂いも凄いし、アレ敵じゃないの?

東:敵にしちゃ、どうにも敵意が見えん。仕掛けて来ないし、脅すだけで追い返そうとしてるっぽいし。

GM/ナイトメア:「ごちゃごちゃと……良いから引き返しなさいって言ってるのよ、アッパラパー。さもないと―――」 と、ナイトメアが言った所で……(ダイスを振る)姫子さんか。姫子さんの携帯に、着信がかかります。相手はリザですね。

姫子:…………じりじりと、背を向けないままナイトメアと距離を取るけど。

GM/ナイトメア:「どうぞ。できればそのまま帰って欲しいんだけど」 と、ナイトメアは爪を向けて来たまま言いますよ。

姫子:じゃあ、警戒したまま電話に出ます。 ―――リザ? こっちは非常事態なんだけど。

GM/リザ:『非常事態!? こちらも非常事態です、姫子! ―――住宅街に到着した所で、敵に遭遇しました! 人より大きな巨猿……DDA(デジタル・デビル・アナライズシステム)によると―――妖獣カクエン! 強敵です!!』

姫子:―――場所は!?

GM:『場所は―――』 と、リザは場所を伝えてくれます。ここから少し離れた林らしいですね。電話の奥からは戦闘音。恐らく、仲魔に応戦させて連絡をかけて来たのでしょう。
 

 カクエン。獲猿と書く中国の妖怪です。
 七尺ほどもある大きな猿であり、雄しかおらず、人里に降りてきては人間の女性を攫って子どもを産ませるとされています。
 ルールブックには載っていないのでデータは自作。Lv13妖獣です。
 データは以下の通り。

名前:カクエン レベル:13 種族:妖獣 属性:D/N 会話:野獣
CP:26 EXP:65 HP:78 MP:54 信頼度:3
強さ:33 耐久:39 器用:10 敏捷:28 直観:32
魔力:23 精神:28 知力:20 魅力:18 加護:26
格闘命中:33% 格闘回避:28% 射撃回避:32% 魔法回避:28%
格闘威力:24+3D6 物理防御点:20 魔法防御点:6

行動パターン
1:攻撃
2:体当たり
3:攻撃
4:体当たり
5:暴れ回り
6:バインドボイス

相性:
剣○ 物△ 技× 火○ 氷△ 電○
風○ 心○ 禁○ 聖△ 呪×
 
 妖獣系の常として、高めの肉弾戦闘能力を持っています。
 同じレベルではありますが、1話で出て来たグールよりも、種族的な差からかなり強敵と言えるでしょう。

 覚醒篇ですと基本的に、一部の例外を除いてステータスの配分と伸び方は種族に依存しています。
 私見ですが割と、同じレベルでも種族によってかなり強さが変わる感じです。
 例えば妖獣なんかはタフでパワーもあるのでかなり厄介と見なされる印象が強いです。(HPが高く、物理戦闘力が高いと言うのはそれだけで分かり易く厄介)

 妖獣は全種族の中でも特に耐久が高く、妖獣以上にタフな種族は『龍神』くらいでしょう。
 『龍王』、『破壊神』などとはほぼ互角ですが、これら三種族は上位種族(≒経験値・CPが同レベルの他の種族と比べて高い種族)であり、総合ステータスが高めになっています。
 竜鳴艦で勝手に付けてる用語ですが、同レベルの人間を基準に計算した経験値・CPが高い順に、

 最上位種族(≒倍率1.3倍。『魔神』、『大天使』、『女神』、『破壊神』、『邪神』、『魔王』)
 準最上位種族(≒倍率1.2倍。『霊鳥』、『神樹』、『幻魔』、『神獣』、『地母神』、『鬼神』、『龍神』、『死神』)
 上位種族(≒倍率1.1倍。『聖獣』、『天使』、『堕天使』、『龍王』、『邪龍』)
 通常種族(≒倍率1.0倍。『精霊』、『妖鳥』、『妖精』、『魔獣』、『地霊』、『妖魔』、『夜魔』、『妖鬼』、『鬼女』、『凶鳥』、『妖樹』、『妖獣』、『邪鬼』、『一部幽鬼』、『一部外道』)
 下位種族(≒倍率0.9倍。『屍鬼』、『一部幽鬼』、『悪霊』、『一部外道』)

 と呼称しています。
 ちなみに『戦闘に必要無い能力だけ低い』種族は、竜鳴艦ではレベル詐欺種族などと言われていたりします。
 割と獣系や龍系(双方共に器用度とか知力とか戦闘に関連しない部分が低く、戦闘に関連する部分は総じて高め)がその評価が強いです。
 分かり易く前衛として強いので。
 ……龍神、龍王、邪龍、魔獣、妖獣はあと1ランクは上げてくれて良いと思う。
 一方で魔力が高く、耐久や強さに問題がある妖精や夜魔などは、単体では弱いですが後衛としては優秀な場合が多いです。

 

東:……誰から、なんだって?

姫子:リザから。この近くで敵とやり合ってるらしいんだけど―――。 ちらっとナイトメアを見るけど、反応は?

GM/ナイトメア:「……何かあったの?」 と、上目遣いで聞いて来ます。

東:……ええい! 話し合いになる可能性があるなら姫子より俺のがマシだ! 向こうの方はお前とリーゼロッテが居りゃ、後はどうにかなるだろ!! ここは俺が対応するから、お前向こうに走れ!!

姫子:了解! じゃあ、ここは東に任せてそっちに駆け出します!!

GM/ナイトメア:OKOK。そう来ますか。では、姫子さんはここで退場ですね。 姫子さんだけが走り去るのを見て、ナイトメアは鬱陶しげにガリガリと頭を掻きます。 「あんたは帰らないの? このオタンコナス」

東:ひっでぇ言われようだなオイ(笑)。……とりあえず、2,3質問に答えて貰わないとこっちも帰るに帰れねぇんだよ。お前、12の宝玉に封じられていたとか言う割には、積極的に暴れようと言う意志が見えないんだが、それは何故だ?

GM/ナイトメア:「……成程。確かにまぁ、宝玉に封じられたのは私含めて悪さしたのが大半だからね。けど、誤解で捕らえられたのも混ざってるから、そこは気をつけなさい。どういう風に聞いてるか分からないけど、全部が全部人間に敵対的じゃないって事。そして、宝玉から解放された悪魔は、あくまで『解放』であって『使役』されてるわけじゃない―――分かる? このスットコドッコイ」(一同笑)

東:まぁ、『宝玉から解放された悪魔は、各々自分の好きなように動く』って事か。

GM/ナイトメア:ナイトメアはその言葉に、億劫そうに頷きます。 「そう言う事。理解できた? このタコスケ」

東:……所で最後に罵倒を入れるのはお前の癖か?(笑)

GM/ナイトメア:「うるっさいわね。それが聞きたい事だって言うの? このアッパラパー。……私だって暇じゃないのよ。今、この辺には2匹の妖獣が―――」

遠くの姫子:えっ? 2匹?

東:……おいちょっと待て。今、2匹とか言わなかったか? 俺が聞いた限り、ここで目撃されてるのは化け猿って話だったんだが。つーか今そいつ、向こうの林で暴れてるっぽいんだが。

GM/ナイトメア:「はぁ!? しまった、あんたのせいよこのアッパラパー!! 目を離した隙に―――ッ!!」 と、ナイトメアはその言葉を聞いて顔色を失います。で、姫子さんが向かった先へ、追って駆け出そうとしますが―――その瞬間!

東:なんだ、何が起こる!?

GM:はい。ナイトメアから見て後方、東さんから見れば正面にある民家の屋根を飛び越えて、一匹の大猿―――妖獣カクエンがナイトメアに向けて飛びかかります!!

東:銃撃! 住宅街だが、四の五の言ってられん! 空中に居るカクエンに向けて、抜き放った銃をぶっ放す!!

GM:判断早いなぁ。良いでしょう。所で銃弾は?

東:普通のだけど……って、おい。まさかこいつ物理耐性?

GM/ナイトメア:ええ。物理半減の耐性を持っていますので、2、3発と銃弾を食らいながらも、振り上げた腕をナイトメアに向けて振り下ろしますね。しかし流石に銃弾で体勢が崩れていたのと、東さんの突然の発砲で慌ててナイトメアがそちらを向いたのもあって、奇襲は失敗。ナイトメアはその一撃はガードします。しかし膂力の差で、東さんの方に吹っ飛ばされてきますね。 「―――っぐあ!?」

東:うわ、受けとめられるか!?

GM:可能です。……で、受け止めた瞬間に気付くのですが。ナイトメア、背中に爪で抉られたような傷があり、そこからかなり血を流しています。受けとめた東さんの手に、ぬるりとした血の感触が。今の攻撃では無く、もっと前からの傷のようですね。

遠くの虎次郎:……血の匂いって、これか!

遠くの小春:というか、爪で抉られたって……まさかこの人、カクエンとこの前にもやり合ってたんですかね。

東:……ナイトメアを抱き止めたまま、もう片方の手で銃を操作。通常弾が入った弾倉をパージしよう。GM、今のうちに銀弾入った弾倉と入れ換えて良いか?

GM/ナイトメア:構いません。カクエンは空中で食らった銃弾、毛皮で止まったそれを鬱陶しそうに払いのけて居ます。で、抱き止められてるナイトメアは上目遣いで東さんを睨みますね。 「……だから、引き返せっつったでしょ、このアッパラパー。これであいつ、あんたを敵と見なしたわよ」

東:へぇ、そりゃまた。……つーかお前、もしかしてアレから人間守ってたのかよ? 悪さして宝玉に封じられたんじゃなかったのか?

GM/ナイトメア:「……ええ、してたわ。私は、人の夢と心の音が好きだから。人の夢を渡り歩いて、様々な夢と音を楽しんでたの。それが人間からすれば『悪さ』だったみたいでね」

東:じゃあ、人間を恨んでいるんじゃないのか?

GM/ナイトメア:「……まさか。私達みたいなタイプの夜魔はね、夢魔と呼ばれる人間の夢から生まれた悪魔なのよ。私達は―――人間が好きで好きで仕方ないのよ」 と、そこで言葉を切って、カクエンを睨みます。

GM/ナイトメア:「あいつら双子のカクエンが私とほぼ同時に解放されて、人間を殺して奪って犯そうとしてたから。ねぇ、そんなつまらない事、見逃せないじゃない。人間は幸せだから綺麗なのよ。不幸にまみれてる人間は綺麗じゃないから、好きじゃないの。分かる? このオッペケペー」 そこまで言った所でナイトメアは、ごほっ、と苦しそうに咳をします。

遠くの姫子:双子のカクエン……同じ宝玉に2匹一緒に入れられてたって事?

GM:そういう事です。ちなみにナイトメアは、人間を眠らせたり恐怖で追い払ったりしてこの場から遠ざけた上で、カクエン2匹がそれらを追ったり狙わないように牽制を続けてたりしました。18時ごろからそれらの行動により目撃情報や不自然さが取りざたされ始め、19時にはナイトメアが限界を迎え、カクエンに殺されて居た為に死者が出始めるようになってしまう―――という感じでしたね。

遠くの小春:って言う事は、まだここら辺では一般人の犠牲者が出てないんですか?

GM:そう言う事です。また、人払いしたり眠らせたりをナイトメアがやっていたおかげで、ここで暴れても人に見られる心配は無いですよ。

遠くの姫子:マジで身体張って人間守ってくれてたのね、この子。

東:……となれば、やる事ァ決まってるよな。とりあえず、ナイトメアは地面に下ろそう。 ……立てるか?

GM/ナイトメア:「……大丈夫。っていうか、逃げなさいよこのスットコドッコイ。殺されるわよ、本当に」

東:いやいや、ここで逃げるのはダセェだろうよ。お前、ホラー映画とかは……見た事無さそうだな、宝玉から解放されたばかりだって言うし。まぁ、こういう場面で背を向けて逃げるのは死亡フラグってワケよ。特にイイ女を置いて逃げたりとかはな。

GM/ナイトメア:「ちょっ、イイ女って―――っていうか、そうじゃなくて!」 と、ナイトメアは血の気の失せた顔に一瞬赤みを差してから、慌てて首を振ります。 「そうじゃなくて! 勝てる心算なの!? 殺されちゃうわよ、このアッパラパー! それくらい分かるでしょ?」

東:いんや、分からん。生憎と俺はバカでな。 ―――と、ここでCOMPを操作して、ピクシーを召喚!

小春/ピクシー:「ヒャッハー! 久しぶりのシャバだー!! っていうか修羅場だー!!」(一同爆笑)

東:あぁもうシャバでも修羅場でも何でもいい(笑)。手を貸せピクシー、あの猿、ここでブチ殺すぞ!!

GM:お、やる気ですね?

東:そりゃあ、今みたいな話を聞いたらな。

遠くの小春:おっぱいさんですしね!!

東:それは関係ねぇよ、2割くらいしか!!(一同爆笑)

一同:2割あるんかい!!(大爆笑)

GM:―――っと、では良い流れですし、このまま東&ピクシーVSカクエン戦を始めましょう。ナイトメアはMPほぼ使い果たしててHPも危険領域ですし、戦闘に参加しないという流れで良いです?

東:それでお願いします。来られても困る(笑)。

GM:はいはい。では、行きますよー。
 

◇VSカクエン◇

 ―――さて。
 タフさと強さに定評がある『妖獣』であるカクエンVS東&ピクシー。

 割と消耗させる&いよいよ危なくなったらイベントという心算で開始したこの戦いでしたが―――

▽ラウンド1▽
 

GM:では、まずはカクエンの行動からですね。カクエン、先になんか少し邪魔をしてくれた東さんへ突っ込んで『体当たり』です。(ダイスを振る)あ、当たりかけ。

東:うげっ。避けられんので食らいます。

GM:よし、ではダメージ34+3D6で……(ダイスを振る)1つ回って、49てーん♪

遠くの虎次郎:で、でかっ!?

遠くの姫子:ちょ、それ大丈夫なの!? 生きてる?

東:……えーと、防御力は14。さっきのレベルアップで最大HPが37になってたので、HP2でギリギリ生きてる。カクエンの体当たりをモロに食らって、骨の2、3本はやられてそうな音が鳴るわけだ。

GM/ナイトメア:後ろで見てるナイトメア、叫びますよそれ。 「ばっ……馬鹿! モロに食らってどーするのよ、このアッパラパー!!」 あ、ちなみに体当たりは威力の半分が自分に返ってくる技なので、自分に25点。防御力で軽減して5点食らいます。

ピクシー担当小春:わぁやべー。えと、ピクシーはどうしましょ?

東:ジオか、妖精のおせっかいでの『至福』化を頼む。ここで回復してもジリ貧だ。

ピクシー担当小春:あい、ではジオります! (ダイスを振る)信頼度以下の出目が出たので、電撃飛びましたよGM!

GM:むむ。(ダイスを振る)……駄目ですね、回避失敗!

ピクシー担当小春:ではダメージ、13点と感電! これで今ターンの終わりまで、カクエンはこっちの攻撃を回避不能ですよ!!

GM:うげっ。魔法だからダメージもそこそこ入りましたね。でもまだHPは60点以上ありますけど。

遠くの虎次郎:硬ぇー……。

東:まぁ、それでも結構削れてるみたいではあるな。んじゃ、シェアショットで攻撃。1発目が当たって37点。

GM:あ、かなり痛い。Cz75に換えたおかげで威力が断然上がってますね。

東:で、2発目は―――(ダイスを振る)あ、出目44でクリティカル。(一同爆笑)

一同:おぉ!?(笑)

遠くの虎次郎:えーと、クリティカルでダメージ倍。敵は感電中で行動不能だから……!!

東:自動でダメージ倍って事だな! よし、3D6+26の2倍で―――(ダイスを振る)あ、しまった低め。命運でダメージ増やすべきだったか?

GM:なんぼですか?

東:35の倍で70。

GM:馬鹿じゃねーの。(一同爆笑)

遠くの虎次郎:流石クリティカルだな。かなり削れたか?

GM:……(無言で戦闘マップ上のカクエンの駒を撤去する)。(一同爆笑)

遠くの姫子:あれ、勝ったの?(笑)

GM:勝ちますよそりゃ! 流石に最大HP78でも、こんな一気に削られれば!(笑)

遠くの小春:凄いですねこの戦い。思い切り体当たりを食らったと思えば、一瞬の早業で銃弾叩き込んでカウンター気味に瞬殺ですよ(笑)。

遠くの虎次郎:アレだな。わざと食らって、その隙に急所に銃弾を叩き込む、肉を切らして骨を断つ戦法だったんだ!!(笑)

東:うおお、なんかそれカッコ良いな!?(一同笑) では、俺に体当たりを食らわせたカクエンが、数歩そのままの勢いで走ってから、糸が切れたようにどさりと倒れるんだ。体当たりで吹っ飛ばされた俺の手には硝煙が立ち上る拳銃があって、カクエンの脳天には銃創が!!

遠くの虎次郎:うわ、マジでカウンターで叩き込んだ演出にしやがった!(笑)

遠くの姫子:良い気になってやがるわね!!(笑)

GM:まぁ、それだけの価値はある劇的な勝ち方でしたしねー。では、ナイトメアがそれを呆然と見ている中、戦闘を終了しますよー。
 

◇戦闘終了・決算◇
合計経験値:65点(一人頭17点)
CP:26

 

東:んじゃ、戦闘終わったらよろよろと立ち上がる。 ―――カハッ! はははは! どーよ、エテ公! ザコと思って油断したか? 馬ァァァァ鹿!!

小春/ピクシー:「うん、ウチのサマナーは相変わらず良い感じにネジ飛んでるねー……やるかな普通、あんなイチバチ戦法」

遠くの姫子:改めてウチの男性陣、マトモな奴いないわね。(一同笑)

遠くの小春:マトモな神経の持ち主だったら、悪魔相手に関わろうとはしないと思うのです(笑)。

遠くの虎次郎:そこの女性陣。お前らも大概だからな!?

GM/ナイトメア:とりあえず、ナイトメアがよろつきながら東さんに近付きますよ。 「ば、ば、ば、馬っ鹿じゃないのこのアッパラパー! 一歩、ううん、半歩間違ったら死んでたわよ!?」

東:いやー、避けれたら避けたかったんだけどなー。虎次郎のようにはいかんわ。あー、痛ぇ。アバラ何本かイッてんなこりゃ。

小春/ピクシー:「サマナー、治す? いちおー回復出来るけど」

東:あー、そだな。頼むわ。あと、そっちのナイトメアも。お前その傷、自分で治せねーんだよな?

GM/ナイトメア:「……治療とかは専門外なのよ。」 と、ナイトメアは拗ねたような表情で言いますね。 「―――っていうか。わたし、貴方に助けて貰う道理は無い筈よね? このトーヘンボク」

東:あー、そうね。そういやそうだわ、無辜の連中守ってくれた礼なんて言うのは、姫子やリザだけで十分だし。

遠くの姫子:ちょっと、まさか放置?

東:それこそまさか。ピクシーに指示出して、まずはナイトメアの治療を優先させよう。俺は開始時に買ってたマッスルドリンコでも飲む。

小春/ピクシー:「あいあいー」 では、ナイトメアさんのHPなんぼですか?

GM:んーと、最大値が58で現在値が10程度です。

ピクシー担当小春:(ダイスを振る)とりあえずディ4回で47点回復しました。HPほぼ全快ですね。東先輩どうします?

東:んー、ピクシーのMPを全部使い切るのは怖いな。戦闘まだあるかもしれんし、後は残しとく。自分の治療はマッスルドリンコ飲んで……(ダイスを振る)26点回復。まぁ、全回復とはいかんけどかなり治った。

遠くの姫子:(ぼそりと)瀕死寸前の傷から7割以上復帰させる栄養ドリンクって、絶対中身が何かヤバいわよね。(一同笑)

東:傷薬も大概だぞ。一般人が買えるGPの品なのに、パンピーなら2個使えばだいたいHPが1からでも全快する(笑)。

GM:なまじ舞台が現代社会なだけに怖いですね(笑)。まぁ、そこはほら、アレだ。メガテン世界だし。(一同笑)

遠くの虎次郎:原作でも序盤から買える傷薬とかがかなり高い回復効果あるしな……(笑)。

GM/ナイトメア:まぁ、ナイトメアは『そういやそうだ』などと言いながら、自分の回復を優先させた東を上目遣いに睨みます。 「……何のつもりよ、このスットコドッコイ」

東:別にパンピー助けたからとかじゃねーよ。お前は色々知ってそうだしな。

GM/ナイトメア:地面に座ったまま、ナイトメアは納得したように頷きます。 「あぁ、成程。アンタの立場は分からないけど、宝玉を追っているなら確かに情報源としてはわたしは魅力的かしら」

東:それが2割。後はまぁ、あんな理由で頑張って、こんなボロボロの女見捨てて行くようなダセェ奴にはなりたくねぇって美学かね。とりあえず立てるか? 姫子―――さっき、もう片割れのカクエンを追って行った奴に合流したい。

GM/ナイトメア:「……あー、もしかしてと思ってたけど、アンタ馬鹿なのね。このアッパラパー」 と、言いながらナイトメアは立ちあがろうとしますが……次の瞬間、膝から崩れます。 「……っ、あら……?」

東:おい、どうした!? とりあえず駆け寄るが……こ、腰でも抜けたか?

GM/ピクシー:いえ、顔が青く、身体に力が入らないみたいな様子ですね。で、ピクシーが後ろから声をかけて来ます。 「……サマナー、不味いよ。この人、マグネタイト切れを起こしかけてる」

遠くの小春:マグネタイト切れ?

GM:えぇ。―――では、ここで少しおさらいをしてみますか。
 

 マグネタイト。
 それはメガテンシリーズにおける、「生体マグネタイト(生体磁気)」と呼ばれる、人間の精気のことを指します。
 喜び、怒り、悲しみ、恐怖といった様々な感情によって生じる、一種のエネルギーであり、作品によっては全ての生命が持っているエネルギー素としても扱われ、一部の悪魔が食人・殺人を行うのは、マグネタイトを得るためであるという設定もあります。
 或いは以前のリプレイで言ったように、人間を驚かしたり恐怖させたり、或いは信仰という形で生体マグネタイトを得る事もできます。

 竜鳴艦ではその『全ての生命が持っているエネルギー素でもある』という方の設定を採用しています。
 同時に、GP『魔界との繋がりの緩さ』であると同時に、『その地域の生体マグネタイトの濃さ』と見なす事もできますね。

 で、悪魔が人間界で活動するのに必要なエネルギーでもあり、本来魔界に居る悪魔はマグネタイトを消費する事で人間界で実体化する事が可能になる―――というわけです。
 逆に実体化中にマグネタイトが足りなくなると、悪魔は形を保てなくなり自壊します。
 また、当然ながら高位の悪魔ほど多くのマグネタイトを必要とします。つまり―――

 

東:あー、なるほど。こいつはLv17っていう、現状では結構高位の悪魔である。んで、この地域はGP9。まだ、こいつが実体化し続けるのは本来はキツい地域である。

GM:で、この子は人間から生体マグネタイトを集めるどころか、人間守るために大立ち回りしてたんで、言ってしまえば燃料切れですね。

東:……それ、不味いんじゃないか。

GM:不味いですね。このまま放っておけば、早晩消滅―――もしくは形を保てなくなって、外道スライムと化すでしょう。

遠くの姫子:スライム、って人間界に出て来るのに失敗した悪魔がなる奴よね。ゲル状の。可愛くないの。

東:そりゃビジュアル的にも見たくないぞ、オイ。とりあえずCOMPに溜めこんでるマグネタイト、なんぼくらい渡せば良い? というかマグネタイトってどういう形で出て来るもんなの?(笑)

GM:まぁ、きらきら輝く結晶みたいな感じで良いんじゃないでしょうか(笑)。まぁ、50くらい渡せばとりあえずの活動に問題は無くなるとします。

東:じゃあそれで。COMPからマグネタイトを取り出して、ナイトメアに渡そう。とりあえずこれで暫くはもつだろ。

GM/ナイトメア:「……ありがとうは、言わないわよ。このスットコドッコイ」 と、力の入らない手でナイトメアは渡されたマグネタイトを受け取ります。 「……さっきの女の子を追うなら、急がないと。このマグネタイトのお礼として、すぐに追い付くから。先に行ってて」

東:……それ聞いたら、溜息を吐いてナイトメアを抱え上げるか。 お前放置して行くってのもなぁ。こっちをちゃんと追って来てくれる保証もないし。

遠くの小春:抱え上げるってどんな風にですか?(笑)

東:……肩に抱え上げる感じで? こう、荷物のように。(一同笑)

GM/ナイトメア:抱え上げられたナイトメアは、力入ってない手で東さんをペシペシ叩きます。 「ちょ、何この抱え方!? ……じゃなくて! 向こうにもカクエン出てるんでしょ!? 私抱えて行ったら遅くなるじゃないの、このアッパラパー!! あ、いや、重くないけどね!!」(一同笑)

東:そこ重要なのか(笑)。

遠くの姫子:重要よねぇ、女の子的に(笑)。

東:まぁ、そこまで急ぐ必要も無ぇと思うがね。―――ぶっちゃけだな、ナイトメア。俺が勝てる相手に、椿姫子が負けるかよ。

GM:そう言われた言葉に、ナイトメアはきょとんとした表情を浮かべます。―――と、言った所で姫子さんにシーンを移しましょうかー。

遠くの姫子:来いやぁー!
 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇
 

GM:さて、ではリザからの電話を受けてそちらに走って行った姫子さんの目に飛び込んで来たのは……ごめん、先に謝っておく。

姫子:もしかして、もう終わってた?

GM:……うん。(一同笑)

遠くの虎次郎:おー、やるなリザ(笑)。

GM:いや正直、リザと合流後に東さんの方に戻って貰う予定だったんですよね。向こうの戦闘の何ターン目かに合流して貰う感じで。……まさか向こう、1ターンでカタがつくとは。(一同笑)

姫子:ま、仕方ないわね。あれは事故でしょ(笑)。

GM/リザ:そう言って貰えると助かります。では、倒れたカクエンと、レイピアを腰の鞘に仕舞うリザの姿が姫子さんの目に飛び込んできますね。 「……姫子、すいません。どうにかなりました」

姫子:いんや、どうにかなったなら良いのよ。ちょい遅かったみたいね。

GM/リザ:「しかし、強敵でした。ハーピーとホーリーゴーストは戦闘の最中でやられてしまいましたし……」 と、リザは深く溜息を吐きます。

姫子:大丈夫なの、それ?

GM/リザ:「……どうにか。手持ちのマグネタイトをありったけ吐けば、回復施設で生き返らせて貰う事も出来るでしょう」

姫子:あぁ、そうか。死者蘇生とかもアリアリなのね。何でもありだわ、悪魔と関わってからのこの世界。

GM:―――と、言った所でイベントを発生させます。適当なタイミングでPCの誰かに接触させるつもりだったんですが、ここが適切でしょう。

遠くの虎次郎:お、なんだ? イベントか?

GM:はい。カクエンとの戦闘が終わったその場に、ぱちぱちと拍手の音が響きます。

姫子:む? そちらを振り向くけど。

GM/青年:そこに居たのは、黒い眼帯と黒いスーツ、季節外れのマフラーを装備して、腰に刀を差した二十歳すぎと思しき黒髪の青年です。腕にはアームターミナルを装備していますね。ブロック塀に背を預けるようにして、咥え煙草で拍手をしていますね。 「……見事、見事。カクエンだったか。相応に強い悪魔と聞いていたが、こうも容易く葬るとはな。―――秩序の名の元に怠惰を貪るメシアンと、その同胞(はらから)としては中々のものだ」

姫子:あら、お褒めに預かり恐悦至極。でも拍手だけじゃなくて、おひねりは無いの?

GM/青年:その言葉に青年は一瞬きょとんとした顔をしてから、呵々大笑します。 「くくっ、いきなりそれか。すまんが持ち合わせが無くてな。そこは勘弁して欲しい」

GM/リザ:で、リザは青年に向けてレイピアを構えます。 「……今の物言い。ガイアーズ(ガイア教団の信者)ですか」

姫子:ガイア教団……っていうと、メシア教の対立派閥だっけ?

GM/青年:「然り、然り。そうさな、見物料代わりだ。まずは名乗ろう。ガイア教団所属、密教法師の霧生桐吾(きりゅう とうご)と申す。……とはいえ、我らガイア教団はこの騒ぎに関しては、教団として動いているわけではないがな」

姫子:んん? どういう事? っていうか貴方、やり合う気は無いのよね?

GM/桐吾:「ふむ、後者に関しては然りと答えよう。そちらがやる気ならば別だがね」 と、桐吾はその言葉に頷きます。 「そも、我がここに来たのはカクエンの討伐の為だ。それを代わりに為してくれたならば、感謝こそすれ襲い掛かる道理は無い」

姫子:だ、そうよ。リザ、武器を仕舞いなさいな。ガイア教とメシア教って仲悪いんだろうけど、今この状況で争っても得をするのは例のファントムのサマナーでしょ?

GM/リザ:「……分かりました」 と、姫子の言葉にリザは不承不承という様子で武器を仕舞いますね。実際、消耗している状況で無駄な戦いをしたくはないご様子。

姫子:ありがと。―――で、見物料がお名前だけじゃ安いわよね? まぁ私も終わってから到着した身なんで色々と言える立場でも無いけど。事情とか、聞かせてくれるかしら?

GM/桐吾:「そうさな、構うまいよ。我がここに来た理由と、ガイア教の意図程度で良ければな。―――そちらの御仁も仲間ならば、一緒に話を聞くだろうか?」 と、桐吾が目を向けた先に―――東さん、登場して良いですよ。

東:オーライ。 ……どちら様ですか? と、言いながらナイトメアを担いだまま現れよう。

GM:と、言う所でシーンを切りましょう。次は虎次郎さん達ですねー。

遠くの虎次郎:了解。……しかしメシア教のリーゼロッテと、ガイア教の桐吾か。相反する立場のNPCが出て来たな。

GM:ぶっちゃけ前回、選択肢によってはリザが出ずに桐吾の方が出てました(笑)。

遠くの小春:ああ、その段階から設定あったNPCなんですね(笑)。

GM:霧生桐吾。剛剣使いにしてマントラ使いのガイア教徒ですねー。まぁ、詳しくはまた後で。とりあえずは、虎次郎さんと小春さんのシーンに移りましょうか。
 

◆18:00/港区 水辺の鬼◆
 
 ―――で、戻って港区のシーン。
 相変わらずドンコウを探す小春と虎次郎の場面ですね。
 ちなみに東と小春の間で、互いに現状報告のメールのやり取りも行われております。

 

虎次郎:今回も加護チェックでドンコウ探すのか?

GM:いえ、今回はいいです。貴方達がドンコウを探してうろうろしていると、何人かの人間がやって来ます。見た所、密教系の法師の集団に見えますね。

小春:およ、これは。

虎次郎:ガイア教徒……か?

GM:ぶっちゃけそうですね。彼らは三々五々と港区に散らばってうろうろし始めます。

遠くの姫子:……何がしたいの、こいつら?

遠くの東:そこは、桐吾だっけ? さっきのガイア教徒に話を聞かん事にはな。ただ、教団として動いているわけではないとは言ってたんで……。

GM:さて、向こうも虎次郎さんと小春さんには気付いているようですが、特に気にする事無くうろうろしていますね。何かを探しているようではありますが、空を注意してたりするんで少し虎次郎さん達と目的が違うように見えます。

小春:対空戦闘?(一同笑)

GM/密教僧:で、そのうち一人が貴方達に近付いて来ますね。 「君達、この辺りで不審な飛行物体を見なかったか?」 と。悪魔に関わる相手かどうか分からないから、ちょい婉曲な表現ですが。

小春:はぁ、見ましたよ。海風に乗って空を飛ぶ卑猥な本という形容し難い飛行物体を。(一同笑)

GM/密教僧:「いや、そういうのではなく……いや、いい。失礼した」 と、密教僧は離れて行きます。

虎次郎:……どう思う?

小春:エロ本の不法投棄なんて許し難いですね。(一同爆笑)

虎次郎:いや、そっちじゃなくて!(笑) こいつらどうやら、ドンコウを探しに来たわけじゃなさそうだが……。

小春:いえ、ここでまさかの空を飛ぶドンコウという新種が。(一同笑)

虎次郎:そんなん出たら流石に帰って良い気がするなぁ俺!(笑)

GM:しかし、空を見上げながらうろうろしていた密教僧の一人が不用意に海沿いに近付いた瞬間。何かが水面から飛び出してきて、密教僧の喉笛に食らいつきます。 ―――バギ、ゴギ、などと致命的な音。ひゅう、と空気が抜けるような悲鳴を口から漏らした密教僧が、その『何か』に引き倒されます。

小春:あっ……! ちょ、それは不味いでしょう!? そっちに駆け出します!!

虎次郎:いや、駆け出そうとした小春の肩を掴んで後ろに押し退ける。 ありゃもう駄目だ。下がれ、小春。

遠くの東:……こうして見てると、やっぱりお前が一番怖いな、虎次郎。

虎次郎:そりゃどうも。……周囲の反応はどうだ?

GM:数名居た密教僧は、水中からの襲撃者に驚いて立ち竦んでいます。で、水中から飛び出してきたそれは……お察しの通り、一本足に巨大な口、一つ目の怪物。邪鬼ドンコウ。中国原産の妖怪で、水辺で人を食らう人食いです。

虎次郎:まぁ、周囲が立ち竦んでるなら都合が良い。突っ込んでドンコウに一当てしよう。突撃して一閃、刀を振るう。避けられても構わない。

GM/ドンコウ:む。では、ドンコウは一本足で跳び退ってそれを避けます。 「邪魔ヲ、スルナ。ニンゲン! オレサマ、食事ノ最中!!」

虎次郎:―――食事、あぁ食事ね。いや、別に否定はしねぇよ? 人間(俺ら)だって、牛とか豚とか魚とか食って生きてるワケだし。菜食主義者でもねぇから、弱肉強食の理屈ってのも、まぁ分かる。 と、刀を納めてドンコウに向かい合おう。 ―――けどまぁ、ちょいと相手が悪かったな。友人食われてハイそーですかで納得できるほど、人生割り切ってねぇんでね。

小春:では、その様子に一瞬驚いてから、周囲の密教僧達に注意を飛ばしますか。 ―――ガイア教徒の皆さん、退いて下さい。あれなるは邪鬼ドンコウ。12の宝玉に収められた悪魔のうちの1体であり、私達にとっては怨敵です。余程の理由がない限り、ここは譲って頂けますか!?

GM/ガイア教徒:そう言われると、ガイア教徒たちは焦った様子で離れますね。 「わ、分かった。くそ、2時間くらい前まで、ここには鵺が居たんじゃなかったのかよ! そっち狙いだったのに!!」

遠くの東:……ヌエ? うへ、妖獣ヌエか。厄介な。

遠くの姫子:封獣じゃないから、そこ注意ね。(一同笑)

遠くの東:そっちで来たら攻撃出来ないんじゃねぇか、虎次郎……(笑)。

虎次郎:(真顔で)うん。(一同爆笑)
 

 ヌエ。つまりは鵺と呼称される、日本産キマイラとでも言うべき妖怪です。
 サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足を持ち、尾はヘビという異形の姿と言われており、京都の御所に出現して二条天皇を悩ませた後に源頼政に退治されたとされています。
 その後も死体から疫病が出ただの祟りが出ただのの説があり、まぁ人間と敵対的な妖怪として間違いは無いでしょう。
 女神転生覚醒篇では、Lv20妖獣として扱われています。

 一方の封獣ぬえとは、東方Project産の妖怪少女。元々のネタはこの『鵺』でしょう。
 ひねくれ者で天の邪鬼な少女ですが、素直で義理堅い一面もあったりします。
 ……余談ですが、虎次郎のプレイヤーは熱烈なぬえファンでもあるので、そっちの(少女版)ぬえが出てきた場合、戦闘不能に陥ることは必至です。
 誰かどうにかして下さい、あの絶対領域フェチ。

 

GM:まぁとりあえず。邪鬼ドンコウとの戦闘です。準備は良いかな?

遠くの東:うーむ、詳細データが分からんのが怖いが。

遠くの姫子:まぁ、邪鬼の性質を考えると十中八九殴り合い仕様でしょ。やっちゃいなさい、トラ!!

虎次郎:おうよ!!
 

◇VSドンコウ◇

 と、いうわけで。
 虎次郎と小春が狙っていた敵、邪鬼ドンコウとの戦闘です。

 邪鬼系の敵は『高めの強さ(=攻撃性能)』と、『やや高めの敏捷&直観(=物理回避能力)』が長所の、パワー&スピード系の物理戦闘ユニットです。
 反面、耐久力は物理戦闘系の種族にしては若干心許なかったり、魔法は正直期待できなかったりといった弱点もあります。
 また、高めの強さと言えど、妖獣の耐久のように「全種族中でもトップランカークラス」と言うほどの物では無く、流石に上位種族相手には普通に劣る程度です。
 高めの敏捷と直観があるので、割と避けるタイプの敵だと言う点で、相性次第では結構な強敵になるでしょう。

 ちなみにドンコウのステータスは以下の通り。

名前:ドンコウ レベル:14 種族:邪鬼 属性:D/N 会話:野獣
CP:28 EXP:70 HP:54 MP:54 信頼度:3
強さ:37 耐久:26 器用:21 敏捷:34 直観:34
魔力:22 精神:26 知力:19 魅力:21 加護:23
格闘命中:37% 格闘回避:34% 射撃回避:34% 魔法回避:26%
格闘威力:25+3D6 物理防御点:20 魔法防御点:6

行動パターン
1:攻撃
2:毒かみつき
3:攻撃
4:タルカジャ
5:麻痺かみつき
6:タルカジャ

相性:
剣○ 物△ 技△ 火○ 氷△ 電◎
風○ 心○ 禁○ 聖△ 呪○
 

 ご覧の通り、カクエンと比してタフネスで劣る分攻撃性能に優れたタイプです。
 ちなみにこの段階で虎次郎、『悪魔との遭遇』で覚醒チェックを行っていますが失敗。2点の命運を得ています。

▽ラウンド1〜3▽
 

遠くの姫子:(データ見せて貰った)……ふーん、出現率Bの上限ギリギリか。割と強いわよコレ。やれるの? トラ。

虎次郎:問題無し。物理オンリーな相手なら、むしろやり易いくらいだ。

GM:まぁともあれ、行動はこちらからです。小春さんも敏捷が低いキャラではありませんが、邪鬼はかなり速度のあるタイプの敵ですしねー。(ダイスを振る)……初手は毒かみつきか。これ命中にマイナスかかるのがなー……。(ダイスを振る)ハズレ。

小春:こっちは『ザンマ』に集中しますー。

虎次郎:こっちの剣は……(ダイスを振る)チッ、外れか。

遠くの姫子:静かな立ち上がりねー。
 

 最初のラウンドは双方、有効打どころか当たりかける攻撃すら無し。
 第二ラウンドはドンコウの通常攻撃が当たりかけるも、虎次郎が回避。
 虎次郎の通常攻撃も当たりかけますが、こちらはドンコウが回避という完全な差し合いです。
 一方の小春、新技であるザンマを確実に当てる為、チャージ(集中)中。

 第三ラウンドも虎次郎とドンコウ、互いに有効打無し。
 小春、チャージタイムなう。

 

遠くの東:じりじりした戦いだなー。

遠くの姫子:さっきの東の戦いとは完全に逆ね(笑)。

虎次郎:好きでそうやってるワケじゃないんだがな。完全に差し合いだ、これ。

小春:なう、チャージング、なう。(一同笑)

遠くの姫子:溜めるわねー(笑)。

小春:一発でMP10消費しますから、確実に当てたいんですよね。
 

▽ラウンド4〜5▽
 
 ―――で、4ラウンド目。ここで状況が動きます。

 

GM:(ダイスを振る)あ、麻痺かみつきが当たりかけてます。

虎次郎:見切りで―――(ダイスを振る)駄目だ。流石に判定値40越えてても当たる時は当たるな。ダメージなんぼだ?

GM:やたっ。ダメージ43で麻痺入りますよー。

虎次郎:ま、麻痺は不味い。魔法かアイテムじゃないと解除できない上に、事実上の戦闘不能だ! 命運1点使ってダメージ無効化! 大きく口を広げて齧りかかって来たドンコウの噛みつきを、寸での所で刀で捌く。……このままじゃマジで不味いな。こちらも攻撃にリソースを割く必要が出て来た。双龍閃に集中を開始するか。

小春:チャージング、なう! チャージング、なう!!(一同笑)

遠くの姫子:どんだけ溜めるのよ、貴方は……(笑)。

遠くの東:まぁ前衛が回避盾な虎次郎である以上、ありな選択肢ではあるがな(笑)。
 

 そして続く第五ラウンド。
 ―――事故発生です。

 

GM:(ダイスを振る)あ。出目11。クリティカル。

一同:げっ!?

GM:通常攻撃がクリティカルですね。当たればダメージ42が倍算で84ですが。

虎次郎:……回避に普通に成功しても、さっきの集中が無駄になるな。回避に見切りは使わず―――(ダイスを振る)ほら88だよ。パワーヒット。(一同笑)

遠くの姫子:最悪の組み合わせね(笑)。

GM:このレベル帯で84点素通しですか(笑)。

遠くの東:(ぼそり)……ミンチよりひでぇや。(一同笑)

虎次郎:いやいや、やられてたまるか!?(笑) 命運でダメージ無効化! ドンコウの噛みつきに対して、利き手に持った刀と逆手に持った鞘で受け止めるぞ! 大きく後ろに弾かれ、刀と鞘の両方を地面に突き立てるようにして制動をかける。 ―――チッ。力、速度、体力、だいたい全てで上に行かれてるな。

GM/ドンコウ:「カハッ! カカカカッ! オレサマ、オマエ、マルカジリ!!」 と、ドンコウは調子付いてますね。

虎次郎:―――じゃあ、こういうのはどうよ? ゆらりと、殆ど倒れるように前傾。するとドンコウの目に映るのは、俺の後ろで魔力を溜めてた小春の姿! ―――撃て、小春!!

遠くの姫子:おぉ、射線確保!

小春:オーライ、良い演出ですね! では20%ほど高度な技を重ねて、ザンマをぶっ放します!(ダイスを振る)よし、普通に命中!!

GM:うえ、20%補正かけられると流石に回避できません……というかファンブル、今度はこっちがパワーヒットです。ダメージお願いします。

小春:よし。ダメージは3D6+16の魔法ダメージですよー。(ダイスを振る)……うっ。あれだけチャージしたのに回らない。ダメージは31点ですね。

GM:出目が5、5、5ですか。惜しいですな(笑)。

小春:良いんですよぅ、単純な火力で押し込みますから。
 

 小春のその一撃は、パワーヒットによる防御無視も相まって一発でドンコウのHPを半分以下にまで削ります。
 虎次郎は、また双龍閃の為に集中。
 長期戦になる前に決める構えのようです。
 
▽ラウンド6〜7▽

 で、第6ラウンド。
 ドンコウはタルカジャ(強化魔法。自分の攻撃力を上げる)を使い、小春は再度のザンマに集中。虎次郎は双龍閃に集中します。

 

遠くの姫子:互いにゲージ溜めみたいなラウンドね。

遠くの東:嵐の前の静けさだな(笑)。

GM:序盤の差し合い、互いに強烈な攻撃が(PC側は命運で無効化したとはいえ)入って、静寂ですか。これはこれで趣深い戦いですな(笑)。
 

 ―――そしてラウンド7。
 ドンコウが毒噛みつきで虎次郎に仕掛けた所で―――

 

虎次郎:よし、回避ペナルティ無しだな? それなら『見切り』で―――(ダイスを振る)よし、回避! 更に避けた所で双龍閃。集中で+30%かかってるし、20%高度な技で……(ダイスを振る)1回失敗したけど、命運で振り直して当てた!

GM:今回大盤振る舞いですな、虎次郎さん。

虎次郎:命運の消費が怖いなマジで。まぁ、『双龍閃』は2回攻撃の技だから、これで20%回避にマイナス入った2連撃が飛んだわけだが、どうする?

GM:流石に20%は……(ダイスを振る)あ、奇跡的に出目11で、片方無駄にクリティカルで避けた!!

虎次郎:ええい、粘りおって。ダメージは3D6+26で34点か……。

GM:そ、それなら生きてる! まだ生きてる!

小春:じゃあそこに10%の高度な技かけてザンマ撃ちます。(ダイスを振る)……命運で振り直して当たり。どうです?

GM:……あ、流石にそれはオワタ。

遠くの東:虎次郎の居合いから放たれた連撃を回避した直後に、着地の硬直を魔法で狙い撃たれたって所か。

小春:―――残念ですけど。 と、薄く笑って、ぱさりと髪をかき上げましょう。 死んだのは、トラ先輩の友人だけじゃないんです。今のは、私の友達の分。地獄の底まで持って行って下さい。 と、見下し顔でにいぃ、と口元を歪めましょうか。

遠くの姫子:……私、時々、ある意味小春が一番怖いと思うの。(一同笑)
 

◇戦闘終了・決算◇
合計経験値:70点(一人頭18点)
CP:28

 

GM/ドンコウ:―――さて、倒れたドンコウですが。ザンマで吹き飛ばされた先で転がりもがきながら、こう叫びますよ。 「痛イ! 痛イ! 畜生、マダ、オレサマ、解放サレテカラ、誰モ食ッテナイノニ!!」

虎次郎:……あ? おい待て。お前、ちょい前に何人か食っただろうがよ。あれは物の数にも入らないってか?

遠くの東:……いや待て。そういえばGM、推定こいつに食われた人間たちのなれの果てであるゾンビども倒した時に、なんか判定あったよな? 何かに気付くかの判定だったみたいだけど。

GM:ええ、そうですね。良く覚えていました。では、ここでその情報をバラしましょう。―――『ゾンビ化した死体には、爪で裂かれたような痕があった』。そして『ドンコウには爪はありません』。

虎次郎:(素で)え、なにそれ?

遠くの姫子:……さっきのガイアーズは、妖獣ヌエを探しまわってたわよね? もしかして、だけど。下手人ってドンコウじゃなくてヌエなんじゃないの?

GM/ドンコウ:ええ。その説を補強するように、ドンコウは更に叫びます。 「先刻マデ、ヌエ、ガ、居タ! アイツ、沢山食ベタ! オレサマ、アイツ怖クテ、隠レテタ!! オレサマ、食ベテナイ!」

虎次郎:(がっくりと)……ミスリードだったのか。

遠くの姫子:ま、まぁ無駄じゃないわよ? ほら、こいつ人食い妖怪だってのは変わらないし。

虎次郎:まぁ、周囲の犠牲は未然に防げたと考えるか……。GM、こいつから何か他に情報はあるか?

GM:ぶっちゃけ無いです。ヌエが先のゾンビ化した人間達を殺した真犯人だって情報だけですね。ヌエがどこに行ったのかとかは、まぁさっぱり分かりません。

虎次郎:……じゃあ、もう良いか。 チッ、無駄足を踏んだ。 と言いつつ、ドンコウの首を刀で一閃して刎ねよう。

遠くの東:ほら容赦無いなぁお前!?(笑)

虎次郎:容赦とかするガラでもねーしな。……周囲の密教僧達はどうしてる?

GM/密教僧:遠巻きに虎次郎さん達を見ていますが、腰引けてますね。ぶっちゃけ彼ら、2〜3レベル程度の低位構成員ですし。

虎次郎:お前ら見た目だけかよ!!(笑) ……あぁ、いやいや、そこは良い。とりあえず聞いてみるか。 なぁ、お前ら。どうやらヌエを探してたみたいだけど、何が目的で探してたんだ? 或いは、居場所とか分かるか?

GM:ふむ、では聞かれたら答えましょうか。流石に今の戦い見た後だと虎次郎さん怖いし。(一同笑)

遠くの東:命運は吐きまくったけど、そのおかげでHPは全く減っていない状態だからなこいつ(笑)。
 

 ―――で。
 密教僧(下級ガイア教徒)が持っていた情報は以下の通りです。
 
・自分達は12の宝玉の話を聞いて、それを探しに来た。発想的には『そんなん手に入れられたら俺ら最強じゃね?』的な理論。深い目的は無い。
・宝玉から解放されたヌエを狙った理由は、たまたまヌエが既に解放されて動きまわってるとの情報だけが手に入ったから。
・この人数で挑めばLv20と言えど倒せる心算だった。倒して服従させて使役するつもりだったようだ。

 

虎次郎:実際出来んの? 使役とか。

GM:まぁ、サマナーが契約に成功すれば。正直彼らのこれは、思い上がりと暴走ですね。ガイア教団の動きに関してはこんな感じで、下級構成員が散発的に力を求めて動いている程度です。

遠くの姫子:戦っても多分、ヌエ相手に蹂躙されるのが目に見えてるわね、こいつらだと。

GM:うんまぁ。長い事放置しておくと死んでましたしね。まぁ、1人ドンコウにやられて死にましたが。

虎次郎:……まぁ、お前らが動くなら好きにしてくれ。

遠くの東:(手元のメモを見ながら)しっかし、ヌエねぇ。……最初の情報収集で引き当てた、市街中心部に居るっていう『ライオンっぽい獣』ってそれか?

GM:イエス、ラッソーレ。(一同笑)

小春:オーライ、メンソーレ。(一同爆笑)

遠くの東:何がラッソーレでメンソーレなのかは一切分からんが、とりあえず今後はそこ狙う方針で良いのか?(笑) つーか、アレだな。件のファントムソサエティのサマナー探して、オーカスの復活を妨害するって目標もあるし。

遠くの姫子:そうねー。まぁ、そろそろ合流しない?

虎次郎:……だな。じゃあまぁ、密教僧達から情報を聞き終わったらそっちに向かおう。合流せん事には話が進まん。

GM:あい、では虎次郎さん達は合流に向かうんですねー。では場面を姫子さん達の方に戻しませう。……そうですね。少し長くなってきてますし、ナイトメアの状態もありますし。桐吾は一度回復施設に行く事を提案します。場所的には住宅街と港区の中間に在るって事にしましょう。

虎次郎:あ、それは助かる。俺も回復しないと不味い状態になってるしな。MP的な意味で。

GM:うん。ぶっちゃけ説明何度もするのが面倒臭いんで、そこで合流&説明としましょう。

遠くの姫子:ねぇ、そこって何区なの?

GM:あ、そうですね。ダイスで決めますか? 港区と住宅街の間にあるのは―――(ダイスを振る)……山岳部。(一同爆笑)

小春:港と住宅の間に山地ですか(笑)。

遠くの東:どんな不思議立地だよこの街……(笑)。

GM:まぁ、これは丁度良い場所でもありますね。ボス戦に突入するにも良いタイミングでしょう。

虎次郎:もしかして今回、このままヌエに辿り着く事は不可能なのか。

GM:ですね。……では、シーンを移しましょう!
 

◆18:30/山岳区 メシア教の意図◆
 
 ―――で、ようやくというか何と言うか、全員集合。
 回復施設で損耗した虎次郎と小春とピクシーのMPを回復させつつ、互いに事情説明をするPC達。

 

GM:ちなみに桐吾が皆さんを連れて来たのは、妖精が管理する回復の泉ですね。山中の洞窟の中にでもあるのかしらん。

虎次郎:おー、それっぽい。

GM:まぁシステム的に、妖精さんとはいえマグネタイト払わないと回復してくれないわけですが。

東:……世知辛ェ……(笑)。
 

 で、事情説明やら知らん相手同士の自己紹介やら。
 

虎次郎:そういえばナイトメアはどうしてるんだ?

GM/ナイトメア:あー、そうですね。東さんの後ろから、虎次郎と小春を上目遣いに見ています。 「……随分とまぁ、時代は変わるものね。書生、学生の類がよくもまぁ、ドンコウやらカクエンやらとほいほいやり合えるもんだわ」

小春:そろそろ素人学生の名は返上かもしれませんねー。

姫子:っていうか学生の本分に戻る為にも、この状況どうにかしないと不味いんじゃないの?

虎次郎:まぁ確かに。オーカスだっけ? 魔王だが邪神だか死神だか知らんけど、まぁそんなもん出されたら困るわな。……その前にヌエ斬らんと、俺的には始まらんのだが。

GM/ナイトメア:「ねぇ、こいつ本当に学生? 戦国時代の、それも戦闘民族的な家の旗本とかだったりしない? 島津とか」(一同笑)

姫子:……い、いや。多分違うと思う(笑)。
 

 とか。
 

東:ふーむ、ガイアーズねぇ?

GM/桐吾:「まぁ、基本は寄り合い所帯だがな。そもそも、だ。我らガイア教徒、即ちカオス派閥というものは、個々の自由を重視し過ぎるが余り、組織運営や組織行動には向いておらぬ。無論、組織の歯車となる事に喜びや充足感を感じ、自由意志でそうするガイア教徒も居るが、やはり少数派でな」

東:纏まりの薄い組織、ってこったな。気楽で良さそうだ。

GM/桐吾:「まぁな。貴殿、見るに些かこちら寄りの性質の持ち主に見える。どうだ? 機会があればガイア教団に顔を出さんか? なに、相互に利用し合う、ある意味ではビジネスライクで気軽な組織だ。庇護は無いがな」

東:考えとくよ。とりあえずこの件が終わったらな。

小春:東先輩はどう考えてもそっち寄りですねー。

GM/リザ:「というか、メシアンの目の前でガイアーズへの勧誘とか止めてくれませんかね……」 と、リザは拳を握ってぷるぷるしています(笑)。
 

 とか。
 そんな会話を経て、とりあえず回復と自己紹介を終えた所で―――。
 回復の泉のある洞窟の中にて、ナイトメアと桐吾による持っている情報の開示が始まったのでした。

 

GM/桐吾:まぁ、一通り自己紹介とか終わった所で、桐吾が口火を切りますか。 「―――さて。我らがカクエンを討伐に出向いた意図と、ガイア教の思惑の話をするという約定であったな? まぁ、ガイア教の動きに関しては既にそちらの剣士と魔女殿が知ったようだが」

虎次郎:あー、うん。なんか凄い力のありそうな宝玉があるぞー、程度なんだな。

GM/桐吾:「そうよな。少なくとも、ガイア教に関しては我の知る限り、下っ端が動いているだけに他ならんよ」

東:……あんたも下っ端なのか?

GM/桐吾:「然り。特にガイア教に対する貢献が強い訳でもないからな。―――して、だ。我らがカクエン討伐に出向いた理由は、総じて言えば約定だ。……出ろ、ビャクロウテング」 と、桐吾が言うと同時。彼の手に装備されているアームターミナルから、白髪の山伏装束の青年が一人召喚されます。ただし、犬耳と犬尻尾がある事から、明らかに人間じゃないですけどね。

姫子:ビャクロウテング?

GM:まぁ当然、データはオリジナルですけどね。Lv18妖魔ビャクロウテングです。彼の登場に、ナイトメアは指差して『あーっ!!』と声を上げてたり。

東:ナイトメア、もしかしてこいつも12の宝玉のなかの1つの中身か?

GM/ナイトメア:「ええ。まぁ、割と人間に友好的というか、中立的な立ち位置の奴ね」

東:……もしかしてお前、宝玉の中身結構知ってる?

GM/ナイトメア:「……全部の中身を知ってるわけじゃないけど、半分以上は」 と、ナイトメアは頷きますねー。
 

 ビャクロウテング。即ち白狼。
 実際は白狼はコッパテング(木葉天狗)の別名であるのですが、敢えて別に設定させて頂きました。
 歳を経た狼はクチバシと翼のある木葉天狗(別名:白狼)になる、という伝承からですね。

 ちなみに白狼天狗と言えば、東方Projectより、犬走椛が有名でしょう。
 妖怪の山の哨戒天狗、即ち下っ端であるも、『千里先まで見通す程度の能力』―――即ち千里眼を持っているキャラでもあります。
 まぁ、東方の上位陣は大概、もっと狂ったレベルの特殊能力を保有しているものですが。

 

姫子:で、この山伏……天狗さん? が、桐吾さんがカクエン倒しに来た理由に関係して来るの?

GM/ビャクロウテング:「そうだ。……だが、話がそれだけならば、桐吾に聞け。無駄に言葉を飾る気は無い」 と、ビャクロウテングは取り付く島も無く言い、桐吾は肩を竦めてビャクロウテングをCOMPに戻します。

GM/桐吾:「すまんな。……まぁ、彼奴は12の宝玉に封じられた悪魔の1人だったのだが、此度の騒動の中で解放されていたところを我が接触し、仲魔とした。その条件がカクエンの討伐であったという事だ」 

東:……と、言うと? なんか因縁でも?

GM:ええまぁ、ぶっちゃけ彼―――ビャクロウテングは封印される前のカクエンと因縁があったんですね。自身の縄張りで暴れる2匹のカクエンを疎ましく思い戦うも、双方損耗した所で人間に封印されて今に至るみたいな。白黒しっかり付ける為にも、カクエンをヌッ殺す事が彼が桐吾に従う為に出した条件でした。彼とナイトメア、あと1人辺りは比較的人間に対して友好的な悪魔だった筈と、ナイトメアが横から補足入れますね。

姫子:あー、話の展開次第でこっちに引き込めた相手、って事?

GM:はい。まぁ、ナイトメアかビャクロウテング、PCが交渉を持てるのは片方だけと決めてたんですけどね。で、東さん達は先にナイトメアと接触したので、その結果がこの状況ってワケで。

虎次郎:……さーて、混乱して来たぞ。(一同笑)

東:もう!?(爆笑) 限界値低いねお前!(笑)

GM:まぁ、ざっくり知っている情報を纏めますか(笑)。
 

○他の宝玉について
 ナイトメアが知っている限り、宝玉に封印されている悪魔は、
 『ナイトメア』『ビャクロウテング』『ドンコウ』『カクエン』『ヌエ』『ピシャーチャ』。ここまでが既に名前が出て来た勢。
 後はここで初めて名前が出たのは、『アークエンジェル(Lv21天使)』『コープス(Lv18屍鬼)』『ワーム(Lv16邪龍)』が挙げられる。
 オーカスを抜いた残り2体は不明。
 アークエンジェルは人間(というか信者)に友好的だが、誤解で封じられていた。

○ファントムのサマナーについて
 詳細はナイトメアやビャクロウテングも分からない。
 ただ、行動やこれまでの情報を見るに宝玉から悪魔を解放しながら逃げ回っているように見受けられる。

○桐吾の目的
 力ある悪魔を仲魔とする事が目的だったので、既にビャクロウテングを仲魔とした以上は、もうこの街に用は無い。
 実際にカクエンを討ったのは東達だが、ビャクロウテングは結果的にカクエンが死んだなら後は構わず、桐吾について行くつもりのようだ。

 

GM:と、まぁだいたいこんな感じですかね?

姫子:……あー、すっごい嫌な予感して来たんだけど。

虎次郎:どうしたんだよ、ヒメ?

姫子:いやさ、アークエンジェルって名前出たわよね。これ、天使でしょ。LAWでしょ。っていうかメシアの信仰対象でしょ。

虎次郎:うん。

東:……あっ。おい、まさか、さっき虎次郎達が会ったメシアンが何か探してたけど、それって……。

姫子:うん。メシアンの目的って、『アークエンジェルの確保』だったんじゃないかなぁ、って……。

GM/リザ:「まさか、いえ……」 と、それを聞いたリザは否定しようとしますが、口元に手をやって考え込みます。心なしか顔が青いですね。……で、その瞬間、リザの携帯電話にメールが届きます。慌てて内容を見たリザは、憤怒の表情を浮かべますね。 「……当たり、ですか……!!」

姫子:……メシア教から?

GM/リザ:「メシア教の本隊が……目標であったアークエンジェルの確保を完了したそうです。なので、私も被害を受ける前に撤退しろ、と……」 

東:……それでメシアン連中、オーカス復活でもしたらどうする気なんだ?

GM/桐吾:「そうよな。メシア教の切り札のテンプルナイツであれば、オーカス相手でも戦える。大組織の精鋭戦力とは、そういうものだ。オーカスが復活した後に、テンプルナイトで討伐。街を壊滅させた悪魔をメシアンが討伐など、良い宣伝になると思わぬか?」 と、揶揄するように言った桐吾の言葉に、リザは奥歯を噛み締めたまま答えません。彼女も同じ結論に至ったのか、或いはそこまでがメールに書いてあったのか。

姫子:……つまり、メシアンとしてはオーカスを復活させたいって事?

GM/桐吾:「いや、そこまでは無いだろうな。『どっちでも良い』が本音であろうよ」

東:うっわぁ、頼りにならねぇー……。

GM/リザ:リザは東の言葉に、深く頭を下げるね。 「……申し訳、ありません。私の読みが甘かったです……」

東:あぁいや、お前が悪いとは言わないけどよ。

GM/リザ:「……こうして組織の外に身を置くと、良く分かります。弱者救済を掲げるメシアンの思想は正しいと、私は心底から信じています。……ですが、組織としてのメシア教には時々ついて行けない時もあります。メシア教全てがああではないのですが……」

虎次郎:まぁ原作的にも、メシアンって結構アレだからな。

GM:一枚岩じゃない辺りも表現できれば良いんですけどね。過激派と穏健派みたいな。ともあれ今回は、過激派が中心となっての行動のようです。

東:……秩序を掲げる割に組織から出て、こうして悩んで、大変だねお前も。

GM/リザ:「自問は必要です。思考を捨てての行動は、即ち独善へと繋がってしまう。……正義とは何か。私がやっている事は正しいのか。それは常に自問せねばならない事です。秩序と束縛とは、即ち克己でもあるのですから」 と、リザは凛とした表情で言い切ります。ここは絶対に譲れない線のようですね。ですが直後に、不安そうな表情も浮かべます。

GM/リザ:「ですが……秩序を掲げながら組織を出て、こうして動いている私の正義は、誰が保証してくれるのだろう。そう感じる事もあります。まだ、私が未熟な証拠ですね。……いえ、詮無きことを言いました。忘れて下さい」

東:……救った人間の数は善行やら正義やらのポイントに数えて良いだろ。救われた人間と、あと救おうと頑張ったお前を知ってる俺は、お前の正義を保証してやる。 と、そっぽを向いて頬杖ついて言おうか。

GM/リザ:では、その言葉にリザは驚いたような表情を浮かべてから、柔らかく微笑みます。 「………ありがとう、ございます。東」

東:けっ。

虎次郎:……じゃ、リーゼロッテさんはまだ、オーカスの復活を止めたいわけだな。そこは俺らと一致してる。……桐吾だったっけ。あんたは?

GM/桐吾:「そうよな。我の用事はもう終わった。これ以上の行動に意味は無い……と、言いたいが」

小春:ひょ?

GM/桐吾:「助けるか助けぬかで言うならば、助けた方が気分が良いのも事実である。助かるものをわざわざ助けぬのは非合理だ。理屈に合わぬよ、そういうものはな」

姫子:手助けしてくれるの?

GM/桐吾:「そこのメシアンほど積極的な物では無いがな。命を張る義理は無いが、多少の情報収集程度ならばやってやろう。なに、街を出るまでの時間潰しだ。貴殿らの気概、些か感じ入るものもあったのでな」

東:個人主義者だと思ってたけど、意外と積極的にこちらに関わってくるな。

GM:興味の向いた事には手を貸すタイプですしね、この人。

虎次郎:……助かる。

GM/桐吾:「なんの。いずれ返してくれれば構わん」 桐吾はそう言って笑い、名刺を虎次郎に投げて渡してから、この場に背を向けて歩き始めます。 「差し当たり、連絡先は渡しておく。そちらの番号などは、追ってそちらの連絡先に送ってくれれば良い。……それと、気を付けることだ」

小春:気を付けるべき事が多過ぎて、何に気を付けるべきかという感じですが。(一同笑)

GM/桐吾:その言葉に桐吾は肩を揺らして笑ってから答えます。 「回復の泉などというものがある以上、この地は霊地だ。この街で解放された悪魔が手負いとなった場合、或いはマグネタイトが不足した場合など、狙うならば必然、ここだろう。敵と接触する可能性がある以上は長居は薦めぬが―――」 と、桐吾はちらりとナイトメアを見ます。 「そちらの夜魔の復調までは、些かかかる。そこなメシアンの仲魔の復活も願うならば尚の事だ。努々、迂闊を踏んでくれるなよ」

虎次郎:……気ぃつけておくよ。

GM:と、いうわけで桐吾は退場。ナイトメアやリザの仲魔の回復を待つならば、ここで少し時間を経過させます。

東:まぁ、しゃーないわな。その間に少し、現状を纏めておこう。

小春:はーい。
 

◆19:00/山岳区 邪龍◆
 
 ―――で、この間に軽く現状の纏めタイム。
 読者の方の思考の整理にもなるかもしれないので、実際に軽く記しておきます。
 現状、この街に存在している勢力は―――

○ファントムのサマナー
 12の宝玉を奪い、持ち込んだ元凶。あちこちで宝玉から悪魔を解放しているが、行動の意図は不明。
 まだ情報が殆ど出ておらず、謎が多い。

○クズノハ
 ファントムのサマナーを止める為に動いている模様。

○メシア教
 アークエンジェルの宝玉を回収、或いはアークエンジェルを説得して保護した模様。
 それが当初の目的であった様子であり、現在は撤退。

○ガイア教
 あまり本腰を入れて来ていたわけでは無かった。
 桐吾は情報収集程度はPC達に協力してくれる模様。

○宝玉の悪魔
・ピシャーチャ、ドンコウ、カクエン
 死亡済み

・ヌエ
 不明。推定、市街中心部のどこかに居る模様。
 虎次郎と小春の友人の仇。

・コープス、ワーム
 不明。解放済みか否かも分からない。

・ナイトメア
 親人間的な思考の夜魔。現状、東達に同行中。

・ビャクロウテング
 中立的な思考の妖魔。桐吾の仲魔。

・アークエンジェル
 天使。メシア教にとっては信仰の対象。メシア教側に保護or回収された模様。実質的に離脱。

 

東:ガイアとメシアが実質脱落したようなもんだから、徐々に状況が収束して来たのか?

姫子:肝心のファントムのサマナーに関しては何にも分かってないけどね……。

東:当面、それを調べるのを目的にした方が良いか。とりあえず、GM。リザとナイトメアの方の状態が完全に戻るまで、どれくらいかかる?

GM:今少しという所でしょうね。―――そして、ここで。回復の泉がある洞窟が突如として、強い振動に襲われます!!

虎次郎:うぉっ!?

小春:おー、揺れたー。(一同笑)

東:小春、お前もう少し緊張感をさぁ……(笑)。

GM/ナイトメア:「……洞窟の外! 何か来てるわ!!」 と、ナイトメアが叫びます。

東:……あ? 何かって何が……。

GM/???:ここで地面を突き破って、洞窟の入り口に甲殻で覆われた蛇のような姿をした大きな悪魔が姿を現します。 「匂ウ! 匂ウゾ! 餌ノ匂イダ!」

虎次郎:餌って……。

GM:まぁ真っ当に考えて、霊地に溜まったマグネタイトでしょうね。で、このタイミングで東さんに電話がかかって来ます。着信相手は、南雲雄仁。

東:……嫌な予感しかしないけど、取ります。

GM/南雲:『犬飼、聞こえるか? 良くない知らせだ。クズノハは件のファントムのサマナーを追っていたが、その時に邪龍ワームという悪魔が宝玉から解放された! 奴は山岳地へ向かったようだから、君達はそちらに近付かないように―――』

東:ははっ、そーかそーか。もうちょい早い警告が欲しかったなぁ。つーか南雲さん、そのワームってのに追撃はせんの?

GM/南雲:『いや、我々はファントムのサマナーを追う事を選択した。山岳地帯には近づかないように―――』

東:へいへい。話は後で聞くよ。目の前に居る邪龍ワームとかいうのをどうにかしたらな。 ……つーわけで切りますぞ。

GM:はい。『なっ―――!?』などと驚いた声を最後に、雄仁との通信は切れますね。

姫子:どーしたって?

東:コイツが山岳地帯向かってるから、山に近付くなだとよ。……どーにもクズノハも、ファントム追うのにいっぱいいっぱいみたいだな。

虎次郎:まぁ仕方ない。……ナイトメアとリーゼロッテはどうなってる?

GM:ナイトメアはまだ回復が中途半端。リザの仲魔はまだ戦闘不能、という感じですね。この辺は回復施設で回復にかかる時間が規定されていませんでしたので、そうさせて頂きました。死亡からの復活や、マグネタイト切れからの復調に時間がかかってる感じで。

姫子:だったらリザ、ナイトメアの護衛と周辺警戒をお願い。こいつ今地中から出て来たし、また潜られて地中から攻撃された時、対応できる奴が居た方が良いでしょ。

GM/リザ:リザは数秒迷ってから、その言葉に頷きます。 「……分かりました。そちらはお願いします、姫子!」

姫子:オーラァイ! がつんと自分の両拳を、胸の前で打ち合わせてからワームに向き直るわよ。 ―――私、今回戦ってなくて、元気有り余ってるからね! 殴り甲斐がありそうな敵が出て来てくれて、感謝してるわ!!

GM/ワーム:「邪魔ヲ、スルナァァァァァ!!」 と、食事を邪魔しようと立ち塞がったそちらに対して、ワームは叫んで攻撃を開始しましょうか。さぁ、今回のボス戦ですよー。
 

◇VSワーム◇

 と、いうわけで今回のボス戦である“邪龍”ワームです。
 ワームとは本来、古くから存在する地竜であり、大地の力を体現する精ですが、それが単なる怪物に堕してしまったものをワームと称します。

 邪龍系は『狂ったように高い強さ』と『アホのように高い耐久』を筆頭に、直観、精神力、魔力、敏捷といった『直接的に戦闘に関わる能力』が高く、戦闘に直接の影響が少ないステータスだけが低いという無駄の無い構成の種族です。
 具体的にどれだけヤバいかと言えば、それら直接戦闘に関係する6種のステータスのうち5つが、Lv16のワームの方がLv17のナイトメアより上。残りの1つである魔力も同値というヤバさです。
 ……まぁ、破壊神と龍神とかは、それら6種全てで邪龍以上という狂いっぷりですが。

 全員集合したPC側の配置はいつも通り、虎次郎と姫子が前衛で東と小春が後衛となります。
 尚、戦闘開始前に姫子が『悪魔との遭遇』で覚醒チェックを行っていますが、命運を5点入手しつつ失敗しています。

 

GM:さて、ワームの敏捷は33ですねー。

姫子:あ、駄目ねこれ。私より早いとなると、どうしようもない。

虎次郎:レベル自体はそこまでじゃないのが救いだな……。

東:こいつ、銃効いたっけ? 銀弾入れた方が良いか……?

GM:あ、バラしますけど通常弾は半減です。やり合いたいなら銀弾必須ですね、東さんは。

東:高いんだけどなぁ、これ。
 

▽ラウンド1〜2▽


GM:では、こちらからですね。(ダイスを振る)……ふむ。ワームはラクンダ(敵全体の防御力を減少させる魔法)を使います。全員、物理防御を3下げて下さい。

虎次郎:げっ。不味くねぇ?

東:いや、まだマシな部類だろ。邪龍の火力だと殴られるのが一番危険だ。……こいつの行動パターン知らんけど。(一同笑)

姫子:ともあれこちらの手番ね。棍棒で殴りかかるわよ!!(一同笑)

虎次郎:だから戦い方が男らし過ぎるだろお前……(笑)。
 

 さて、PC側の行動は姫子の棍棒アタックは、当たりかけるもワームが回避した為スカ。
 小春はザンマに、虎次郎は燕返しに集中開始。東の行動は弾倉交換で終わります。

 続く第2ラウンド、今度はワームはラクカジャ(自身の物理防御力の強化)を使用。
 

姫子:うざっ。

東:物理攻撃中心のこのパーティーには厳しいな、オイ。

小春:うーん、私も強化魔法使おうかなぁ? まだ魔力が低くてあまり意味が無いと思って使ってませんでしたけど……。

姫子:微妙なラインねぇ。まぁ、防御力が上がったならこっちからは防御半減攻撃で貫いてやるわ。『曲がり』に集中するわよ。

東:こっちはとにかく銃の火力を信じて射撃かなぁ。シェアショット重ねれば基礎命中は50行くから、20%高度な技で……(ダイスを振る)よし、2発当りかけてるぞ。

GM:うげ。(ダイスを振る)……あ、1発避けた。流石は邪龍の敏捷性。

東:ええい、見た目的には速そうには見えないくせに。(ダイスを振る)ダメージは37だが、どうだ?

GM:おぉ、流石に少し痛いですね。

虎次郎&小春:集中ー。

GM:皆さん、確実に当てる戦い方に切り替えて来ましたねぇ。
 

▽ラウンド3〜4▽
 

GM:おっ、今度は通常攻撃ですか。10%高度な技して……(ダイスを振る)姫子さんに飛びました。

姫子:げっ。(ダイスを振る)……あ、駄目。食らった。うーん、命運吐いて無効化しないと、さっきの集中が無駄になるのね。どうしようかしら。

GM:とりあえずダメージ見てからで良いんじゃないですか? (ダイスを振る)4D6+29で、回って回って59点ですが。(一同爆笑)

東:これがナイトメアと同レベル以下の敵とか嘘だろ! 種族差デカ過ぎだろ!!(笑)

姫子:どう足掻いても死ぬわね(笑)。……んー、どうしよ。GM、ちょい質問。ここで覚醒チェックして、それに成功した場合ってさっきの集中の効果ってどうなるの? 覚醒した場合って、ダメージ打ち消しと同じ扱い? それとも一回ダメージは食らった扱い?

GM:あー、どうなるんでしょうね? まぁ良いや。成功したら御祝儀って事で、集中の効果残して良いですよ。

姫子:ありがと。……それなら、ここは一丁、臨死体験で覚醒チェックしてみますか。成功率は半々越えてるし……。(ダイスを振る)よし出た、覚醒成功。

一同:おぉ!?

姫子:何に覚醒するかなー……(ダイスを振る)柔道、魔界魔法/アギ、ウィッカ。よし、ちゃんと欲しいの入ってる! 柔道取ります、柔道!!

GM:柔道って言うと、強さ+5の敏捷+5ですか。姫子さんの特化ステと同じ所がちゃんと上がってますね。

姫子:あと、地味に1Lv特技の『受け身』が結構使えたりするのよね。まぁ、ここはあれか。突進して来たワームの動きを見切って、スパァンと綺麗に空気投げが決まります。で、 ―――あら? と、自分でも驚いたような声を。

虎次郎:投げ、た……?

東:力押しクイーンの姫子が、投げ技だと!?(一同爆笑)

姫子:人を打撃投げ(※格闘ゲームにおける、打撃判定で発生する投げ技)しか無いキャラみたいに言うな!!(爆笑)

GM/ワーム:「ヌウ!?」 投げられたワームは、器用にその蛇のような身体を空中で捻って着地しますね。

姫子:……ふぅ、ん。これが小春が言っていた『覚醒』って奴? 命の危機が切っ掛けで、前世の記憶やら隠された力が―――って、私はどこのジャンプ漫画のキャラよ? 楽しそうにくすくす笑いながら、具合を確かめるように手首をぷらぷらと振ってみたり。

虎次郎:……おい、ヒメ?

姫子:大丈夫よ、トラ。私は私で何も変わらないから。……とりあえず、まずはそこの蛇ちゃんを殴り倒してから考えましょ? と、いうわけで私の行動手番だけど、もういっちょ集中。今の覚醒でワームより敏捷上になったから、事実上の連続行動だし。

虎次郎:まぁそこは構わんが。俺も燕返しに集中で今回終わるし。

小春:抜刀術って低レベル帯だと攻撃性能は割と微妙ですよね。威力と手数はともかく命中が低いから、集中しないと当たらないというか。

虎次郎:レベル上がればなぁ……。いや、それでも防御寄りの技能なんだけどさ。

GM:残りの2名の行動はどうしますか?

小春:あ、はい。私も集中です。

東:シェアショット。20%下げて……(ダイスを振る)あ、駄目だ。今回はハズレだ。
 

 姫子が敵の攻撃で瀕死になった瞬間、『本人の臨死体験』で覚醒です。
 それ以外は各々集中したり、攻撃を外したりしつつ第4ラウンド。

 

姫子:それじゃ、『曲がり』を10%……いや、20%の高度な技かけて叩き込みます。(ダイスを振る)ハイ、44でファンブル! 振り直して命中!!(一同笑)

虎次郎:覚醒直後の攻撃がファンブルとか冗談にしかならんな(笑)。

姫子:10%ペナでやってたんだったらクリティカルだったのに(笑)。

GM:(ダイスを振る)……20%ペナルティは流石に、回避できませんね。

姫子:いよっし。ダメージは防御半減で3D6+17……回って33点か。副効果が発生したから、耐久チェックしてね。失敗したら次の判定、逆スワップ限定になるわよ。

GM:(ダイスを振る)……うわ、ファンブル。この場合のファンブルって何だろう?(笑)

姫子:特に無しじゃない? 全く勿体無い。どうせなら回避の時にファンブル出しなさいよ。(一同笑)

GM:やかましいわ(笑)。
 

 姫子のフック掌底で脳を揺らされたワーム、次の判定が強制逆スワップ(低い方のダイスを1の位に、高い方のダイスを10の位にせねばならない)にされてしまいます。
 結果、ワームの続けての攻撃は盛大にスカ。

 

GM:虎次郎さんに突撃しようとして、壁に突っ込んだ感じですかねぇ。

虎次郎:脳を揺らされて、目測を誤ったか。

小春:今が好機って感じですね。30%高度な技で、溜めに溜めたザンマを撃ちます!!(ダイスを振る)ファンブルを命運で振り直して命中!(一同笑)

東:おーい女性陣のダイス目がさっきから不穏だぞ!(笑)

GM:99とか素敵な出目でしたね(笑)。流石に30%補正かけられると回避できません。ダメージお願いします。

小春:(ダイスを振る)あれ? (ダイスを振る)あら? (ダイスを振る)えーっと、(ダイスを振る)止まった。

GM:待って! 今、何個ダメージダイス回った!?(一同爆笑)

小春:んーと、合計5個ですね。魔法ダメージ、55点?(一同爆笑)

GM:クリティカルも無しにこれは不味い。それは悪運で無効化します!! 小春の放った衝撃魔法を、大きく振り回した尻尾をぶつけて相殺!!

小春:むー。今のは相当、良い感じに飛んだんですけどねぇ。
 

 で、続けての虎次郎と東の攻撃。
 虎次郎は溜めに溜めた燕返しを放つも、まさかの両方スカ。
 一発は普通に虎次郎のダイス目が悪くて外れ、2発目はペナルティ20%を食らいながらもワームがクリティカルで回避したからです。

 

虎次郎:避けるな!(笑)

GM:避けるわ!(笑)

東:仲良いなお前ら(笑)。あ、俺の20%下げてのシェアショットは、今回は1発命中。回避できない? ならダメージ37点な。

GM:うぬぅ、じりじりと。
 

▽ラウンド5〜6▽

 5ラウンド目は睨み合いです。
 姫子は集中せずに10%下げて『曲がり』で殴りかかりますが、これは出目悪く外れ。
 ワームはラクンダでPC側の装甲を下げるのみ。
 東の射撃は1発ファンブルで虎次郎に飛ぶも、虎次郎が回避します。

 

東:避けろ虎次郎! 頼む!!(笑)

虎次郎:言われなくても避けるわ!(笑) ラクンダで防御力下がってるから、マジ洒落にならねぇからなお前の攻撃!(笑)
 

 そんな一幕を挟みつつも、虎次郎と小春はまた集中のみ。

 動きが出たのは6ラウンド目。
 再度、集中せずに『曲がり』を放った姫子の攻撃のヒットからです。

 

姫子:あ、ダメージダイスが良い。……そういえばMP増えて来たし、レベル上がって効果量も増えて来たから、そろそろ『舞踏』も使っても良いかなぁ。

虎次郎:今回は今更だけどな。
 

・『舞踏』。骨法の特技であり、判定に成功した場合、続く骨法での攻撃の威力を特技レベル分上昇させる。
・上昇量が特技レベル依存なので、低レベル帯ではコスト対効果が悪いので姫子はこれまで使ってなかった。

 

GM:まぁそれはそれとして、ダメージなんぼですか?

姫子:あ、はい。回って40点の防御半減ですな。

GM:だから防御半減は痛いんだってばぁ!(笑) しかも次の行動も逆スワップにさせられてるし! うーん、今度の行動は―――(ダイスを振る)通常攻撃だけど、当たる気がしな(ダイスを振る)命中率10%有るか無いかな筈なのに当たったわ私すげぇ。(一同笑)

虎次郎:うっげ(笑)。どっちに来るんだ、その攻撃?

GM:あぁ、どうせ当たらないと思ってたから攻撃対象決める前に振っちゃってた!(一同笑)
 

 割とTRPGあるあるであると思われる。
 

GM:ダイスで決めて……虎次郎さんか。

虎次郎:見切りで回避ー。(ダイスを振る)当たった。回避盾とはなんだったのか。(一同笑)

東:今日のお前、ダイス目悪くね?(笑)

GM:ではダメージが……(ダイスを振る)あんまり良くない。41点ですね。

虎次郎:耐えたァ―――ッ!! が、集中が切れたか……。

東:もう集中せずに殴ったらどうだ? 燕返しなら2発に1発は当たりかけるだろ。

虎次郎:その後相手に半々以上の確率で回避されるから、コスト対効果がなぁ。まぁ、撃ってみるか。(ダイスを振る)あ、クリティカル。

GM:ゲゲェ――――ッ!?(爆笑)

虎次郎:回避失敗か? ならダメージ、3D6+16の2倍で、倍算で56点だ!!
 

※この場で誰も気付いていなかったミスが2つ発生していました。
 燕返しは2回攻撃なのに、1発目のクリティカルの印象に押されてか、2発目の攻撃が忘れ去られている事。
 並びに燕返しのダメージボーナス(+5点)も忘れ去られている事です。

 虎次郎、お前それだと単なる命中下がっただけの劣化通常攻撃や。
 

GM:あ、あかん。それは死ぬので悪運で無効化!!

小春:それが最後の悪運ですよね? 10%下げて、ここでザンマを叩き込みます!(ダイスを振る)よし、当たりかけ。
 

※ついでに、ワームの攻撃の後に行動する3名は行動順を遅らせれば好きな順番で行動出来るので、好きな順番で動いています。
 が、相手を転倒させる可能性がある小春が先に動くのがどう考えても正解です。
 何も考えずにプレイしている様を見事に露呈してますね、このリプレイ!!

 

GM:(ダイスを振る)避けられません! ぎゃああやべー!?

小春:ダメージは……魔法ダメージ27点! これでどうですか!?

GM:駄目、落ちます! 小春さんの放った衝撃波で吹っ飛んだワームは、しばしピクピクと蠢いてましたが、程無くして動かなくなりました……。

小春:撃墜スコア2つ目!

姫子:小春は火力あるわねぇ。

虎次郎:魔法火力だからなぁ。

GM:では、戦闘終了ですね。今回のシナリオのエンディングに移りましょう。

東:明らかに『次回に続く』だがな(笑)。
 

◇戦闘終了・決算◇
合計経験値:352点(一人頭88点)
CP:140
 
◆19:30/山岳区 クズノハ戦線異常アリ◆

 

GM/ナイトメア:では、ワームを撃破して戻ると、ナイトメアがまず飛び出して来る所ですね。 「もう十分回復したわ! 加勢するわよ、ニンゲン―――って、あら?」(一同笑)

東:もう終わったぞー(笑)。

GM/リザ:その後ろから出て来たリザが、呆れたような溜息を発しますね。 「……相変わらず、上手くやるものですね」

姫子:ま、なんとかね。……ただ、トラが怪我したから、このまま回復スポットで治療したいんだけど。

GM:そうですね、その提案にリザは小さく頷いて同意します。ナイトメアは『私の出番は? ねぇ、私の出番は?』と言いたげにきょろきょろしてます。(一同笑)

小春:やだ、なんですかこの可愛い生き物(笑)。

GM:まぁ、なにはともあれエンディングです。と言っても、今回はあっさり終わって『次回へ続く』ですけどね。

虎次郎:ふむ。何が起こるんだ?

GM:ええ、簡単です。19時半までクズノハと接触をしなかった為、イベントがここで発生します。……東さんの携帯に、電話がかかって来ますね。相手は南雲雄仁。

東:……出るか。 よぉ、南雲さん。心配しなくてもこっちは無事終わったぞ。

GM/雄仁:「……そう、か。なら、悪い事は言わない……家族や友人を連れて、この街を出ろ」 と、返して来る南雲の声は苦しげです。

東:……南雲の旦那?

GM/雄仁:「…………奴の……ファントムのサマナー、ジャック・バローズの手で―――クズノハの追跡部隊は、壊滅した……ッ!!」

東:……は? え、ちょっと待て南雲さん。それ……。

GM:ふふふ、そんな所で今回のセッションは終わりましょう。詳細は―――次回へ続くッ!!(一同爆笑)

虎次郎:こ、このGM引っ張りやがる!!(笑)

GM:あっはっはっは!(笑) お疲れ様でしたー!!

東:うわぁどうなったんだクズノハ!?(笑) お、お疲れ様でした!
 

 かくして終わったこのセッション。
 『次回に続く』で終わったそれは、しかし一部PLの事情も相まって、長らく続きがプレイされずに放置されたのでした。
 続きが行われたのは、2012年11月終盤。

 『死を夢に』スレや『全知全能』スレを切っ掛けに、メガテン熱がPL達の間で再び高まったことを切っ掛けとするものでした―――。
 

◇シナリオ終了・決算◇
ミッション達成経験値:1人頭280点

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